2013年11月10日

P「お疲れさま、伊織」伊織「うるさいわよ、バカ!」

P「……」カタカタ

P「……」…タン


伊織「……」ガチャッ

P「……」カタカタ

伊織「ただいま」

P「あ、おかえり。伊織だけか?」

伊織「ええ」

P「そっか」

伊織「……」

P「……どうした、入り口のところは寒いだろ。奥の方が暖かいぞ」

伊織「そうね」

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伊織「アンタだけ?」

P「あー……そうだな、そういえばみんな出てるな」

伊織「小鳥も?」

P「いない」

伊織「ふうん。ところで、プロデューサー」

P「何でしょう」

伊織「オレンジジュースあるかしら?」

P「パックのやつなら今朝買ってきた。給湯室の冷蔵庫ん中に入ってるぞ」

伊織「そう、ありがと」

P「取ってこようか?」

伊織「自分でやるからいいわ」

P「……」カタカタ

伊織「……」チュー

P「……」カタカタ

伊織「ねえ」

P「ん?」

伊織「いま忙しい?」

P「それなりに」

伊織「私、退屈なの」

P「これが一区切りついたら構ってやるから、ちょっと待ってろ」

伊織「別に構ってほしいわけじゃないけどね」

P「なんだそりゃ」

P「……」カタカタ

伊織「……」チュー…

P「……」カタカタ

伊織「……」…トン

伊織「……っと」

P「……」カタカタ

伊織「……」スタスタ

P「……そういえば伊織、暇ならレッスンルームが」

伊織「……」ペト

P「……ん?」

伊織「何してるの?」ヒョコ

P「……それはこっちの台詞だ。何してるの?」

伊織「何もしてないわよ」

P「誰かに後ろからくっつかれてる感じがする」

伊織「へえ」

P「あと、顔の横に誰かの顔がある気がする」

伊織「気のせいじゃない?」

P「気のせいじゃない」

伊織「気のせいじゃなくない」

伊織「で、何してるの?」

P「仕事」

伊織「それは見たら分かるわよ」

P「分かるなら、俺から離れなさい」

伊織「……」

P「やっぱり構ってほしいのか?」

伊織「別に……」

P「肩にあご乗せるな。離れろったら」

伊織「……」

P「……」…カタカタ

伊織「……」

P「伊織、今日はずいぶん元気ないな。何かあった?」

伊織「……何もないわ。いつもどおり」

P「いつもなら、こんな風にくっついてきたりは絶対しないよな」

伊織「そうね。絶対に美希が怒るし」

P「してほしいことでもあるのか?」

伊織「なんでアンタにまで媚を売らなくちゃならないのよ」

P「ふうん」カタカタ

伊織「……」

P「……」カタカタ

伊織「……」

P「……ちょっと疲れたのか」

伊織「……」

P「ちょっとどころじゃないか」

伊織「……うん」

P「竜宮は絶賛大ブレイク中だからなあ」

伊織「まあね」

P「少しは謙遜しようぜ」

伊織「事実でしょ?」

P「……疲れそうな性格してるものな、伊織」

伊織「……そうかしら」

P「お前、律子にもあずさにも亜美にも、疲れたなんて言わないだろ」

伊織「……」

P「そういうとこ律子は心配してたぞ。頼れよ。自分のプロデューサーを」

伊織「……アンタも」

P「ん?」

伊織「アンタもプロデューサーでしょ」

P「担当違いのな」

伊織「……言いづらいの。律子……っていうか、竜宮のみんなには」

P「まあ、気持ちは分かるよ。伊織だし」

伊織「どういう意味?」

P「言わずもがな」

伊織「そう」

P「その点俺には甘えてくるってのは、何だ? 俺が頼れるいい男だから、か?」

伊織「……」ゴッ

P「いってっ! 冗談に頭突きってお前……」

伊織「……バカ」

P「デコ」

伊織「何ですって!?」

P「今のでデコが傷ついたんじゃないか」

伊織「傷つかないわよ!」

伊織「アンタその減らず口、本当に何とかしなさいよね」

P「まさか伊織に言われる日が来るとはなー」

伊織「何?」

P「何でも。……何だよ、元気じゃないか」

伊織「ふん、だ」

P「回復してきたみたいだな」

伊織「別に」

P「俺のおかげだな」

伊織「そんなわけないじゃない」

P「あら」

伊織「アンタなんか、こうやって、……こうやってされてる役目がせいぜいよ」

P「そうですか」

伊織「……この、パソコンの画面に映ってるのは何?」

P「表」

伊織「何の?」

P「簡単に言うと、俺が担当してる子達の仕事リストみたいなものだよ」

伊織「スケジュール?」

P「それもある」

伊織「へえ……あ、この欄はやよい?」

P「ん? ああそうだな、その欄はやよいだ」

伊織「凄いじゃない。やよいって今、こんなに活動してるのね」

P「そりゃあな、俺が手がけたアイドルですから」


伊織「……」

P「……」カタカタ

伊織「……」

P「伊織、何か言ってくれないと、俺がただの感じ悪い奴なんだけど」

伊織「ええ、そうね」

P「おっと肯定されてしまった」

伊織「アンタは腕のいいプロデューサーよ」

P「……そっちか」

伊織「……アンタがいるから安心して竜宮小町に専念できるんだって、律子も言ってたわ」

P「……なあ伊織」

伊織「何かしら」

P「今日は気味が悪いくらい殊勝だけど、熱でも出たのか?」ピト

伊織「ちょっと、気安く人の頭に触らないでよね」

P「後ろからひっついてる人の台詞とは思えないぞ」

伊織「……」スッ

P「……お」

伊織「……」

P「やっと離れてくれたか。これでまた仕事に戻れる」

伊織「……来て」クイッ

P「と思ったんだけどおかしいな」

伊織「こっち来て」クイッ

P「なあ伊織」

伊織「何よ」

P「何よはこっちの台詞なんだってば」

伊織「……」

P「……」

伊織「……」グイッ

P「ああもう、わかったわかった、行くよ、行けばいいんだろ」

P「で、ソファまで連れてこられてしまったんですが」

伊織「……」

P「やっぱり構ってほしいんじゃないのか?」

伊織「……」ゴッ

P「いってっ! 今のは痛かった!」

伊織「アンタが変なこと言うからよ」

P「だからって頭突きってお前なあ……パキケファロサウルスかよ」

伊織「誰が石頭恐竜よ」

P「膨れるな」

伊織「……誰がデコの七光りよっ!」

P「どうしたんだ急に」

伊織「……座って」

P「はい」ストン

伊織「……」

P「……」

伊織「……」…ストン

伊織「……」ギュウ

P「伊織」

伊織「何よ」

P「腕を離せ」

伊織「……嫌」

P「どうして嫌なんだね」

伊織「そんなの、どうだっていいじゃない」

P「腕の持ち主に対する台詞じゃないよな」

伊織「……」

P「……」

伊織「……私は」

P「うん」

伊織「ちょっと、休憩したいの。だからアンタの腕を借りるわ」

P「一休みしたいなら、今他に誰も居ないんだし、ソファで寝てていいぞ」

伊織「……」

伊織「……」ギュウウウウウウ

P「痛い痛い痛いギブギブ」

P「わかったよ、腕でも何でも好きに使え。それでいいんだろ?」

伊織「ええ、そうよ。分かってるじゃない」

P「まったく……」

伊織「……」

P「……」

伊織「……」コトン

P「……本当に寄りかかってきやがった……」

伊織「……ふん、だ」

P「……」

伊織「……」

伊織「……ごめんなさい」

P「うん?」

伊織「仕事もあるのに、わがまま言ってごめんなさい」

P「ああ……」

伊織「……」

P「……いいさ、別に。伊織にわがまま言われるのも久しぶりだし」

伊織「……」

P「疲れてるんだろ? それくらいは、な」

伊織「……」

P「……」

伊織「……ありがと」ギュ



P「……」

伊織「……」

P「……」

伊織「……」スー…

P「……伊織?」

伊織「……」スー…

P「……寝ちゃったか」

伊織「……」スー…

P「こうして見ると、素直な寝顔だよなあ」

P「……」

P「……年少組を仕切ってもらったり、竜宮のリーダーを任せたり」

P「責任ばっかり持たせちゃって、ごめんな、伊織……」

伊織「……ん……」スー…

P「……」

P「……」

P「……お疲れさま。おやすみ」



P「……」

P「さてと、これで仕事もできないししばらく暇に――」

亜美「やっほー! みんなのアイドル双海亜美、ただいま参上!」ガチャッ

P「おわっ!?」

やよい「うっうー! 高槻やよいもただいま参上ですー!」

P「お、おかえり、二人とも。悪いんだけど、静かにしてもらえるか?」

亜美「静かに? ……フッ、それはできない相談だな……って、あれ?」

伊織「……」スー…

やよい「あっ、伊織ちゃんが寝ちゃってるんですね」

P「そうそう、そういうことだから、起こさないでやってくれ」

亜美「んっふっふー……その願い、聞いてやっても構わぬが、タダというわけにはいきませんなあ……」

P「……要求は何だ。言ってみろ」

亜美「さっすが兄ちゃん、話の分かる男だね〜! そんじゃ、これから亜美がすること止めないでね!」

P「ああ……って、事務所ん中を散らかしたらあとで説教だぞ」

亜美「そんなことしないよ〜ん。では、しばし待たれよ皆の衆!」タッタッタッ…

伊織「……」スー…

やよい「……行っちゃった」

P「行っちゃったな」

やよい「亜美、何をするつもりなんでしょう?」

P「さあな……どうせロクなことじゃないと思うけど」

亜美「おっまたせー!」

やよい「あ、もう戻ってきた」

P「待ってないぞ……って、手に何持ってるんだ」

亜美「ふふん、これはいおりんがめっちゃ面白くなるモノだよー!」

伊織「……」スー…

やよい「伊織ちゃんが面白くなるモノ?」

P「……何でもいいけど、もし伊織を起こしたら次のおやつタイムは亜美抜きな」

亜美「ぐはっ! ……的確に亜美の弱点を抉ってくるとは流石だぜ兄ちゃん……」

P「わかったら大人しくしてろ」

亜美「でもそんなんじゃまだまだぬるいよーだ! いおりん、覚悟――」

 ―――――――――― ◇ ――――――――――


P「……」カタカタ

P「……」…タン

伊織「……ッ!」ガチャッ!

P「……」カタカタ

伊織「ちょっとアンタ!」

P「あ、おかえり。伊織だけか?」

伊織「おかえりじゃないわよ! 何なのよ!」

P「何がだ」

伊織「これよ!」

P「伊織の携帯だな」

伊織「そのものじゃないわよ! 画面見なさいよ! バカじゃないの!?」

P「何怒ってるんだよ……」

伊織「ん!」

P「はいはい、なんだ……」



P「……昨日、伊織が寝てたときの写真だな」

伊織「で?」

P「……ヒゲ付き鼻メガネと、プラスおでこに第三の目」

伊織「むきーっ! 何なのよこれ!」

P「言っとくけど、やったのは俺じゃないぞ」

伊織「知ってるわよ! 亜美から送られてきたんだもの!」

P「じゃあ俺が怒られることないじゃないか」

伊織「アンタこの場にいたでしょ!?」

P「いたけど」

伊織「止めなさいよ!」

P「無抵抗でいたずらされる伊織もかわいいなあと思って見てたんだよ」

伊織「か、かわっ……ば、バッカじゃないの!」

P「ああもぐっすり眠られるとさ……信頼してくれてるんだなって」

伊織「……」ゴガッ

P「いってえ!」

P「おま、伊織……腕が、腕が痺れた……」

伊織「ふんっ」



亜美「おっはよー!」ガチャッ

伊織「!」

P「!」

亜美「あ、いおりんだ! 亜美が送った写メ見たー?」

伊織「……」プルプル

亜美「……いおりん? どーしたの?」

伊織「……亜〜美〜!」ダッ

亜美「おおっとー」ダダッ

伊織「待ちなさーい!」ガッ

亜美「やっだよー!」ピョンッ

伊織「アンタ、今すぐあの写真消しなさい! 引っかくわよ!」ブンッ

亜美「え? もうみんなに一斉送信しちゃったけど」ヒラッ

伊織「むっきーっ!」


 ドタドタ バタバタ



伊織「待ちなさいったらーっ!」

亜美「へっへーん、捕まえてごらーん!」

P「……」

P「……まあなんだ」



P「お疲れさま、伊織」

伊織「うるさいわよ、バカ!」



おわり

14:28│水瀬伊織 
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