2014年07月24日

真「ヤンデレごっこ」

百合です

崩壊してます

人を選ぶネタです



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406042842







雪歩「えっ」



真「えっ?」



雪歩「今ちょっと真ちゃんの口から信じがたい言葉が聞こえた気がするんだけど……」



真「ヤンデレごっこ」



雪歩「ひぃ」



真「少女漫画で読んだんだよ」



雪歩「最近の少女漫画は物騒すぎるよぉ」



真「ダメ?」



雪歩「そんなきゃるきゃるして言われても」

真「ダメならボク一人だけでやるよ」



雪歩「何がそこまで真ちゃんを突き動かすの?」



真「だって」



雪歩「だってじゃないよぉ……」



真「ロマンチックだと思うんだけど」



雪歩「全然」



真「そうかなー」



雪歩「とか言いながら手錠を取り出すのやめて真ちゃん」



雪歩「っていうかどうしてそんなアイドルらしからぬもの持ってるの……」



真「雪歩の家に行った時に見つけたからちょっと拝借したんだけど」



雪歩「えっ!?」



真「隙ありっ!」



雪歩「」

真「へへっ、無力化ー」



雪歩「あうう」





真「そういうわけだから今日は泊まっていってよ」



雪歩「そうならそうと家に連絡を入れたいのに手が動かせないよ」



真「と思って既にボクが雪歩のお父様にあらかじめ連絡を入れておきました」



真「『菊地くんなら安心だ、雪歩が世話になります』だってさ」



雪歩「その行動力を何か他のことに生かそうよ……」

雪歩「お言葉に甘えて泊まらせていただこうと思うんだけど」



真「やった!」



雪歩「手錠、外して?」



真「ダメ」



雪歩「でも」



真「立ったり座ったりはできるからなんとかなるよ」



真「お風呂もご飯ももう済ませたし」



雪歩「先読みしないでよぅ」



真「えへへ」











真「ところでさ」



雪歩「うん」



真「この間の収録の時にさ」



雪歩「うん」



真「ずっと貴音のこと見てなかった?」



雪歩「ひぇっ?」





真「見てたよね」



雪歩「見、見て」



真「見てたよね?」



雪歩「見てました……」



真「ふーん」



雪歩「ご、ごめんなさい」

真「なんで謝るのかな」



雪歩「怒ってるのかなって……」



真「ふーん」





雪歩「あの」



真「なんで貴音を見てたの?」



雪歩「え、演技の参考にって思って」



真「そっか」キチキチ





雪歩「あの、それ」



真「カッターナイフ」



雪歩「えっと……」



真「包丁の方が臨場感あったかな?」



雪歩「そ、そういう問題じゃないよぅ……」

真「切れ味は良いのかな」キチキチ







雪歩「あの、あんまり関係ないんだけど、美希ちゃんって」



真「美希?」キチキチ



雪歩「よく真ちゃんに抱き着いたりしてるでしょ」



真「そうだね」





雪歩「よくひっついてる」



雪歩「腕を組んだりしてる」



雪歩「『真クンはミキのものなの』って言ってる」

真「雪歩?」



雪歩「あのね」



真「うん?」





雪歩「真ちゃんもまんざらじゃなさそうに見えるの」



真「そういうわけじゃないけど」



雪歩「やだなって」



真「えっと」

雪歩「真ちゃんは鈍感」



真「そうかな」



雪歩「真ちゃんが四条さんに嫉妬するのと同じように私も美希ちゃんに嫉妬するよ」



真「照れるな」



雪歩「真ちゃん以外見るなって言われたら喜んでそうするよ」



真「ホントに」



雪歩「もちろん」

雪歩「だから、えっと、切れ味試してみる?」



真「えっ?」



雪歩「それの」



真「雪歩で?」



雪歩「うん」





真「絶対痛いよ?」



雪歩「構わないよ」



真「撮影とか」



雪歩「しばらくないから、ね?」

真「本当に?」



雪歩「真ちゃんにやにやしてる」



真「」



雪歩「すっごくかわいい」



真「か、からかわないでよ雪歩」



雪歩「からかってないよ」



真「嬉しいけどさ」



雪歩「えへへ」







真「腕でいいかな」



雪歩「どこでもいいよ」



真「腕にするね」



雪歩「どうぞ」























雪歩「痛っ」





真「やっちゃった」



雪歩「やっぱり結構痛いね……」



真「絆創膏があるからあとで貼ろう」



雪歩「うん、ありがとう」





雪歩「すぐ治っちゃうかな?」



真「あんまり深くないから長くは残らないかもね」



雪歩「そっかぁ……」



真「雪歩の肌って白いから血が余計に赤く見えるよ」



雪歩「目立つかな?」



真「目立つけど綺麗」



雪歩「えへへ」



真「てい」



雪歩「ひゃ」





真「鉄の味だ」



雪歩「び、びっくりさせないでよぅ」



真「へへっ、ごめんごめん」



雪歩「なんだか吸血鬼みたい」



真「どんな味なのかなあって思って」



雪歩「おいしくなさそう」



真「そうでもないよ」



雪歩「え、えい」



真「わっ」





真「ガリッてきた」



雪歩「痕つけちゃった」



真「でもボクは撮影まだ入ってるんだけど」



雪歩「えへへ、知ってる」



真「ひどいや」



雪歩「だからちゃんと髪で隠れるところにしました」



真「偉い」



雪歩「それにすぐ消えちゃうと思うから」



真「えー、もったいないな」



雪歩「首筋に噛んだ痕があるってますます吸血鬼みたいだね」



真「ヴァンパイアガール」



雪歩「発狂寸前」



真「あはは」

雪歩「真クンは誰のものなの」



真「あんまり似てないよ」



雪歩「誰のものかな」



真「雪歩の」



雪歩「ふふ」





真「はて、それでは雪歩は誰のものなのでしょう」



雪歩「180度くらい違う」



真「物真似苦手なんだよ」



雪歩「真ちゃんのものかな」



真「なんと、それは真ですか」



雪歩「ちょっとうまいけど似てないよ……」

雪歩「腕が後ろで固定されてるとバランス取るの難しいんだよ」



真「へえ」



雪歩「金属が肌に当たる感覚がちょっと……」



真「外さないよ?」



雪歩「ええー……」



真「いいじゃないか」



雪歩「何かと不便だよ」



真「明日には外すって」



雪歩「ええっ、手錠したまま寝させるつもりなの」



真「ダメかな」



雪歩「ダメって言っても外してくれないよね真ちゃん」



真「へへっ」



雪歩「誤魔化さないでよぉ」





雪歩「ところでヤンデレごっこは?」



真「あっ……」





真「どんなことをすればいいのかわからないんだけど」



雪歩「包丁を持ち出して『私だけを見てくれなきゃ殺す!』とか」



真「カッターで代用できるかな」



雪歩「物騒なものならなんでもいいと思うよ」



真「ボクは健全だから物騒なものなんて持ってないや」



雪歩「手錠は不健全で物騒だよ……」





真「あとは」



雪歩「えーと、束縛してみるとか」



真「してるね」



雪歩「物理的にじゃなくて精神的に、とか……」



真「雪歩は詳しいなー」



雪歩「前お仕事でヤンデレの役を演じたことがあって」



真「そうなんだ」

真「えっと、それじゃあ」





真「ボクだけを見てくれなきゃ殺す!」



雪歩「全国の真ちゃんファンが歓喜の声を上げるね」



真「もう、ノってよ雪歩」



雪歩「そんな真ちゃんを独り占めできるなんて私の身に余る幸せだよ」



真「今は二人なのに他の女の子の話なんてしたら本当に刺しちゃうよ」



雪歩「さっきの話は?」



真「ノーカンで」



雪歩「ずるい」

真「だいぶ本心も染み出てるんだけどな」キチキチ



雪歩「喉にカッターを当てられると喋りづらいね」





真「さっきからはぐらかしてばっかり」



真「カッターとはいえ突き刺したらさすがに死ぬと思うんだ」



雪歩「いいよ」



真「え?」













雪歩「真ちゃんにならいいよ」



雪歩「このまま人目を避けて隠れ続けるくらいなら」



雪歩「それもいいかな、って」





真「本気?」



雪歩「ちょっと冗談」



真「ドキドキした」



雪歩「心中はだめだよ」



真「うん」





雪歩「私はいいんだけど」



真「だめだよ」

真「雪歩の言うことが本気なのか冗談なのかわからなくなってきたよ」



雪歩「ちょっと本気」



真「ごっこだからね」



雪歩「本心が染み出るごっこ遊び?」



真「うん」



雪歩「建前を使う必要ないんじゃないかな」



真「そうかも」

真「雪歩はヤンデレだ」



雪歩「真ちゃんがそれを言う?」



真「ボクは一歩手前なだけで」



雪歩「既に踏み出してると思うよ」



真「うう」





真「でも、それもいいかな」



雪歩「そうだね」

雪歩「もう二時」



真「あ、絆創膏貼るよ」



雪歩「ありがとう」



真「もう血が止まってる」



雪歩「そんなに浅かったんだね」



真「案外切れないものだね」



雪歩「絆創膏で隠れちゃうのもったいないなぁ……」







真「そろそろ寝ようか?」



雪歩「うん」



真「電気消すね」











真「じゃあ、おやすみ」





雪歩「おやすみなさい」



















真「ゆーきほー」



真「雪歩?」





真「ゆきほー」







真「……寝てる?」



雪歩「ううん、起きてる」

真「よかった」



雪歩「寝ようと思ってたのに」



真「ごめんごめん」





雪歩「すぐ隣だと呼吸も鼓動もわかるんだね」



雪歩「どうしたの?真ちゃん」

真「寝息が聞こえなかったから」



雪歩「から」



真「まさかと思ってちょっと不安になった」



雪歩「そのまさかだったらどうしてた?」



真「追ってたよ」



雪歩「えへへ」



真「ほ、本当に不安だったのに……」







真「そういえば」



真「さっきの話、本当?」



雪歩「さっきっていつかな」



真「ボクになら、って」



雪歩「本当だよ」



真「よかった」









雪歩「もう寝よう?」



真「そうしよう」

























雪歩「おやすみなさい、真ちゃん」





真「おやすみ、雪歩」









おわり







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