2013年11月13日

モバP「新しいアイドルと契約することになった」凛「ホント?」

凛「あぁ……やっと二人目なんだね」

ちひろ「凛ちゃん、ずっと1人で頑張ってましたからね」

P「という訳で自己紹介」


文香「……あ、はい。……鷺沢文香、です……19歳、大学生やってます」

文香「…………以上です」

凛(……結構、大人しめな人だな)

凛「私、渋谷凛です。宜しくお願いしますね、鷺沢さん」

文香「は、はい……こちらこそ」

凛「そんなに固くならないでください。これから長い付き合いになるんですから」

文香「……その、目を合わせるのはあまり得意でなくて……」

凛「徐々に慣らしていきましょうか。仕事柄、そういう機会はどうしてもありますし」

凛(でも嬉しいな。私ずっと1人でアイドルやってきて……やっと、だよ)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370154435

―――

凛(……そう、最初は嬉しかったな)

P「聞いてるか? 凛」

凛「……聞いてるよ」

P「そういう訳で俺は文香の方に付くから、そっちは頼むな」

凛「分かった。1人でなんとかする」

凛「付き合い長い所だし、心配しなくていいよ」

P「じゃあ宜しくなー。行こうか、文香」

文香「……はい」


凛(ユニットの仕事は一切無し、プロデューサーは鷺沢さんに付きっ切り)

凛「……はぁ」
―――


凛「プロデューサー、次のアイドルサバイバルなんだけど……」

P「おう……」ソワソワ

凛「打ち合わせとかやらないの? あんまりギリギリに詰めるのも良くないよ」

凛「……ねぇ、聞いてる?」

P「悪い悪い。文香遅いなって思ってな」

凛「心配し過ぎじゃない?」

P「いや、仕事も増え始めて変装がバレる可能性が高くなったと思うんだよな」

P「文香は性格的に、ナンパとかされたら上手く躱せないかもしれないし……」

凛「……そんなに心配なら、迎えに行けば?」
P「と言われても……俺にも色々仕事が入ってるし、付きっ切りという訳にもな」

P「そうだ、凛と文香は方向一緒だろ? 待ち合わせして一緒に来るとかどうだ?」

凛「わ、私が?」

P「2人なら文香も安心だし、な。凛はナンパとか払うの慣れてるだろ?」

凛「……別に、経験無い訳じゃないけど」

P「お、やってくれるか」

ガチャ

文香「……おはようございます」

P「おう、遅かったから心配したぞ」

文香「すみません……その、男の人に声をかけられて」

P「あーやっぱりか……」
P「さっき凛と話してたんだけど、2人で一緒に来るのはどうだ?」

凛「ちょ、プロデューサー……!」

文香「……いいんですか……?」

P「俺はそれがベストだと思う。良いだろ凛?」

凛「……もういいよそれで」

文香「……ありがとう、ございます……」

P「よし、話が一段落付いた所で」

P「早速だけど文香は仕事だ。早めに行って挨拶を済ませようか」

文香「は、はい……」

P「凛はもう少ししたらレッスンな。トレーナーさんにはレッスン内容を伝えてあるから」

凛「……」

P「凛?」

凛「分かってる……」
凛「……」

ちひろ「凛ちゃん……あの」

凛「……なんですか?」

ちひろ「その、元気出して……ね?」

ちひろ「文香ちゃんはまだ新人だから、色々見てあげないといけないのよ」

ちひろ「ほら、凛ちゃんもデビューしたばっかりの頃は、これでもかってくらい心配されてたでしょ?」

ちひろ「だから……」

凛「すみません、もうすぐレッスンの時間ですから」

凛「……行ってきます」

ちひろ「……行ってらっしゃい」
―――


トレーナー「はいそこまで! 10分休憩!」

凛「え、でもまだ全然……」

トレーナー「考え事を纏めて、ちゃんとレッスンに集中出来るようにしてください」

凛「すみません……」

トレーナー「珍しいですね、凛ちゃんがレッスンに身が入らないなんて」

トレーナー「お仕事の愚痴くらいなら聞けますよ?」

凛「……確かトレーナーさんって4姉妹ですよね?」

凛「やっぱり親は末っ子ばっかり構うものですか?」

トレーナー「また唐突な質問ですね……」

トレーナー「確かに妹が生まれた時は、ベッタベタだったのを覚えてます」

トレーナー「私も拗ねて、姉達に泣きついてましたねー」
凛「そうですか。やっぱりそういうものなんですね」

トレーナー「まさか凛ちゃん、妹が生まれたんですか? それで両親に構ってもらえなくて……」

凛「生まれてませんし、拗ねてもいませんってば」

凛「……別に、聞いてみただけです」

トレーナー「……そうですか、アイドルっていうのも大変ですね」

トレーナー「まぁ子供は生まれたばかりの内だけ可愛いものです。成長したら生意気になって飽きるものですよ」

トレーナー「両親が飽きるまで、何か別の物で発散するのがオススメです」

凛「参考にします…………私のことじゃないですけど」

トレーナー「はい、してください」

凛「もう大丈夫です。レッスンの続き、お願いします」

トレーナー「了解しましたっ」
―――


凛「ただいま戻りました」

ちひろ「お疲れ様、凛ちゃん」

文香「……お帰りなさい」

凛「プロデューサーは?」

ちひろ「営業回り。もうすぐ戻ってくると思うけど……」

凛「……そうですか」ギシッ

文香「……」

凛「……」

ちひろ(なんか……凄く重苦しい空気)

ちひろ(取り持った方がいいのかしら……でも私も今仕事が山積みで……!)
文香「……渋谷、さん」

凛「呼び捨てでいいですよ。私の方が年下なんですから」

文香「……その、いつもごめんなさい」

凛「何がですか? 謝られるようなことはされてないと思うんですけど」

文香「私が上手く仕事出来ないから……プロデューサーさんが私の方ばかり……」

凛「謝らないでください。デビューしたばかりなんだから当たり前じゃないですか」

文香「で、でも……」

凛「……やめて下さい……それ以上は、言わないで」

文香「……はい」
P「戻りましたー」ガチャ


凛「……おかえり」

文香「……おかえりなさい」

P「……? なんだ? 何かあったのか?」

文香「……」

P「ま、いいか。それより文香、新しい衣装が届いた! 一回試着してみるか?」

文香「あ、その、それは……」

P「デビューした時と同系統だけどな。まだ文香は似合うタイプの衣装で通した方が良いと思うんだ」

凛「……」スッ

凛「ちひろさん、私今日はもう帰りますから。お疲れ様でした」
ちひろ「え、えぇ……お疲れ様」

凛(……分かってる。やたら構ってる理由は新人だからってだけじゃないんだよね)チラッ


P「これなら間違いなく人気が出る! 俺が保障するよ!」


凛(少なくとも、あんなキラキラした笑顔、私に向けてくれた事は無かったな)

凛(事務所のアイドルが私一人で、どこか安心していたのかもしれない)バタン


凛「……」

凛(……やっぱり、辛いな)

凛(ねぇ、プロデューサー)

凛(私と鷺沢さんのデビューの順序が逆だったら……そんな笑顔を私に向けてくれてたかな?)


おわり
HTML化依頼出してきます

本スレだかどこからかネタを拝借しました
続きは無いですおわりです

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