2013年11月14日

P「バドミントンでもするか」

P「日曜の昼下がり。晴れ渡る青空、柔らかな日差し……」

P「……そして」


ビュオオオオッ


P「うぎゃあああ寒いいいいい」

P「風!寒いっ!寒すぎるっ……!」

P(くっ……どうすれば……)



P「……」ティン


――――

――


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1358055064

ガチャッ

P「はぁっ……はぁっ……」

春香「プロデューサーさん!……ど、どうしたんですか?」

小鳥「めちゃめちゃ息上がってますね……」

P「はぁっ……ま……まみ……っ」

小鳥「マミーですか?冷蔵庫で冷やしてますよ」

P「違う……真美だ」


P「真美は……いるかっ……!」

真美「うん?どったの兄ちゃん?」ピコピコ

亜美「いけっ!そこだぁ!ソニックブーム!」ピコピコ

真美「うげっ、負けたぁ→」


P「……真美」

真美「?」


P「俺と……バドミントン、しよう」




真美「……へ?」

真美「に、兄ちゃん?バドミントン?なんで?」

P「あぁ……言い方が悪かったかな」


P「俺のシャトルを、真美にスマッシュさせてくれ」

真美「ソニックブーム!」ビシッ

P「痛いっ!地味に痛い!」


真美「……」

P「……俺のラケットを

ビシッ

真美「……」ジトー

P「いや、うん、すまん」


春香「あの……プロデューサーさん?」

P「ん、どうした?」

亜美「なんで真美なのっ!?」

P「……!?」

春香「そうですよ、バドミントンなら私とやりましょうよ!」

亜美「真美だけなんて、そんなのズルいYO!」

P「……」

真美「……兄ちゃん?」

P「……お前らは、何も分かっちゃいない」

春香「どういう……ことですか……?」

亜美「……」ゴクリ


P「春香、亜美」

P「お前らは……テニスっぽいだろ?」



春香「…………は?」

亜美「ぽい?ぽいって何っ!?」ユサユサ

P「亜美……俺はな」

亜美「何?」

P「テニスウェアが一番似合うアイドルは、亜美だと思う」

亜美「……!」

P「ちなみに、二番目が春香だ」

春香(二番……?)


P「ごめんな、亜美、春香……お前らとは、今度テニスをしよう」

亜美「兄ちゃん……」

P「……荷造りは済んだか?」

真美「……うん」

P「よし、それじゃ行こうか」



亜美「……兄ちゃん」

P「……亜美……」

ガシッ

P・亜美「「また、ウィンブルドンで」」


春香(……え、何これ)

小鳥(さらっと忘れられてる私って……)●REC

ブロロロロ…

P「いやー、感動の別れだったな、真美」

真美「うん……それはいいんだけど」

P「どうした?」


真美「なんで……バドミントンなの?冬なのに」



P「……え?」

P「ほら……最近寒いだろ?」

真美「うん」

P「だから、運動して暖まった方がいいと思うんだ」

真美「えー?部屋でゲームしてた方がよくない?」

P「俺はバドミントンをすると決めた!邪魔はさせない!」バンッ

真美「そのキメ顔は別の場面で使おうYO!」

P「それに……バドミントン的なスポーツをやる時期だろ?」

真美「それは羽根つきっしょ→!」

P「……真美」

真美「どったの?」

P「ちょっと、後部座席を見てくれ」

真美「え?……何、この袋?」クルッ

P「シャトルが入ってるのが分かるだろう?」

真美「シャトル……なんで袋にもりもり……?」

P「今日な、俺が行ってた高校に顔を出してきたんだ」

P「朝イチだったから泥棒扱いされて大変だったけど……」

真美(それで息切れてたんだ……)

P「それで、昔俺がいた部活から道具を拝借したんだ」

真美(それってやっぱりドロボーなんじゃ……)

真美「兄ちゃんって、バドミントン部だったの?」

P「いや、野球部だ」

真美「は?」

P「時々シャトルを使ってたんだよ、そのことを思い出してな……鍵の開け方も、昔と変わってなかった」

真美「思い出話みたいだけど、兄ちゃんそれ犯罪だかんね……」

真美「あれ?でも兄ちゃん」

P「ん?どうかしたか?」

真美「シャトルはあるけど、ラケットがないじゃん……これじゃバドミントンできないYO!」

P「何言ってんだ、袋よく見ろよ」

真美「……」

P「ちゃんとラケットも用意したぞ?」

真美「……この、袋からはみ出してるやつ?」

P「まさかあんな形で故郷に帰ることになるとはなー……」


真美「これ……羽子板だと思うよ……」

P「!?」

P「はは……冗談が上手いな、真美」

真美「いや、流石にこれは笑えないっしょ……」

P「プロの選手は木製のラケットを使うんだ、知らないのか?」

真美「それはプロ野球!」

P「……」

真美「……」


P(はめられたっ!小鳥の野郎……っ!)

P(高校への侵入ルートの用意、オプションでラケット……都合が良すぎると思ったんだよ……!)ドンッ

P(資料写真の提供と引き替えに協力……という話だったが)

P(あんな奴に頼らず、自分でラケットも用意するべきだったか……)


真美「兄ちゃん、兄ちゃーん?」

P「ん?ああ、悪い」

真美「ボーッとしてる場合じゃないYO!この際、羽子板でもいいからさ→」

P「ああ……そうだな」

P(まぁ、今はこの時間を楽しもう)


P「真美、今日に限ってそれは羽子板じゃない。木製ラケットだ」

P「さぁ、真美。着いたぞ」

真美「ほいほーい……って寒っ!」

P「真冬だからな、はいカイロ」

真美「あ、ありがと……」

P「さ、まずは場所取りだ。行くぞ」

真美「わっ、兄ちゃん待ってYO!」


真美(……そういや、結局なんでバドミントン?)

P(俺たちがやってきたのは、近所の国立公園)

P(広い原っぱがあり、家族連れに人気だ……春は)


ビュオオオオッ


P「うぎゃあああ寒いいいいい」

真美「寒いよおおお兄ちゃんんんんん」

P「さぁ真美よ!シートを敷くんだぁあ!!」

真美「ラジャー!」バサッ

P「うーん……」ゴロッ

P(程よい日差し、傾斜もない)

真美「うーん……」ゴロゴロ

P(素晴らしい位置取りだ……春なら)


真美「ねー、兄ちゃん?」

P「どうした?寒いか?ポッキーか?」

真美「バドミントンって……野外のことだったんだね……」

ビュオオオオッ

P「……ああ」

P「……」

真美「〜♪」

P「……なぁ、真美」

真美「うん?」

P「そろそろ……膝から降りないか?」

真美「うーん……やだっ」

P「そうか……寒いもんな」

真美「そうそう♪」

P「……」

真美「……」カクッ

P(寝ちゃったか……)

真美「兄ちゃん……むにゃ……」

P(真美はかわいいなぁ……じゃなくて)



P「バドミントンの時間だあああああああああああああああああああああああ」

真美「わっ!?」

真美「こんなのおかしいよ兄ちゃん!なんで寒いのにバドミントンしなきゃいけないのさ!野外で!」

P「おかしくなんかない!俺はバドミントンがしたいんだ!野外で!」

真美「木製ラケットでも!?」

P「木製ラケットでもだ!」

真美「真冬なのに!?」

P「真冬だからこそだ!」

真美「なんで真美なの!?」

P「真美としたかった!」

真美「ぅ……!」

P「そんなにバドミントンが嫌なら、こうしよう」

真美「……?」

P「負けた方が何でも言うことを聞く……ちょっとベタすぎるけどな」

真美「えぇっ!?」

真美(何でも……何でもかぁ……)


真美「……いいよ、その勝負乗ったぁ!」

P「よし、決まりだな」

真美「……でも、ただやるだけじゃつまんないっしょ?」ニヤリ

P「……!?」

P「うおっ!本当に墨と筆が入ってる……何考えてんだあの野郎……」

真美「これで決まりっしょ→!」

P「いいのか、真美?これ、結構落ちにくいやつだと思うが」

真美「んっふっふ〜、勝負事は賭けすぎなぐらいがちょうどいいのさ!」

P(なかなか危険な思想だな……)

P「……よし、それじゃ木製ラケット特別ルールを採用する」

真美(羽根つきだね)

P「えーと、バドミントンのルールは……っと」ペラペラ

真美(そこは調べるんだ)

P「1ゲーム21点先取、2ゲーム先取で勝利……だって」

真美「りょーかい!」

P「じゃあ、1ゲーム取るごとにこの墨と筆を使おう」

真美「なんかさー、ビスコ低くない?」

P「リスクな、緊迫感があって良いだろ?」

真美「むー……」

P「それじゃ、まずは俺のサーブからいくぞー」

真美「よしこーい!」


P(真美には悪いが……勝つのは俺だ)

P(運動能力も違うし、身長の差はスポーツにおいて何より重要)

P(バドミントンがどうかは知らないけど……)


P「……」フー

P「……らぁっ!」パコン

ポスン

P「……」

真美「……え?」


P(俺の打ったサーブは、鮮やかな放物線を描き、芝生に吸い込まれていった)

P(ビニールテープで作ったラインの……内側の芝生に)


P「届かなかった……だと……」

真美「まぁ、風強いかんね→」

P「そういや、バドミントンってセカンドサーブとかあるのか?」

真美「……さぁ?」

P「今も、普通にテニスみたいなサーブで打っちゃったけど……」

真美「でもさー、兄ちゃん」

P「ん?」

真美「別に、ルールとか気にしなくていいじゃん?その方が兄ちゃんらしいっしょ→」

P「真美……」

真美「真冬にバドミントンやろうって言い出したりとか……ジョージアに捕まらない、みたいなさ!」

P(ジョーシキにとらわれない……かな?)

P「ありがとう、真美」

真美「ほぇ?」

P「バドミントン自由形!in草原!いくぞぉおおおお!!!」パコーン

真美「!?」

真美(風向きが変わった……!)

P「どうして返せないんだそこで!諦めんなお前!」

真美「兄ちゃん……」

P「さぁ来いよ!お前の全力ぶつけて来いよ!」

真美「……だらっしゃあっ!!」パコーン

P(そこから俺たちは、寒さも忘れてシャトルを打ち合った)

P「オラァッ!」パコーン

真美「おんどりゃあっ!」パコーン

P(二人とも、顔は墨でベチョベチョだった)

P「しゃおらっ!」グワァラゴワガキーン

真美「セイヤー!」カキーン

P「避けりゃアウトに……  !」


P「避けらんねえ」ドオオン


真美「Bear the cross and suffer……(十字架を背負って生きろ……)」

P「げほっ、こほっ……」

P(ノリで吹っ飛びすぎた……)

真美「んっふっふ〜、これでマッチポイントだね、兄ちゃん!」

P「マッチポイントな……あ、合ってるわ」

P(そういえば、負けたら何でも言うこと聞くんだったっけ)

真美「あと一点……あと一点……」スーハー

P(まずいな……真美のことだ、負けたらどんな要求をしてくるか分からん)

P「……」スッ

真美「……!」

真美(あの構えは……兄ちゃんの奥義『765式波動球』……!)

真美(だったら……)スッ

P(あの構え……俺が教えた『ゴキブリタックル』か……?)

真美(ゴキブリタックルの超スピードで765式波動球を拾う……真美なら出来る……!)

P「……」

P(まずいな……墨が汗でにじんで視界が……)


P(……墨?)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

P「……」

真美「……」

P「……お゛らぁっ!!」カコーン

真美(来たっ……!)バッ

P(真美……あれに追いつくのか……)

真美「もらったぁあああああ!!!」

カコーン

真美「……あれ?これって……」

P「筆だ」

真美「何……だと……」

P「少しフェイントをかけさせて貰ったよ真美!フハハ!」

真美「ぐっ……」

P「本当のシャトルはこっちさ!いくら真美でもゴキブリタックルは連発できまい……」

真美「やめて兄ちゃん!それ以上波動球を打ったら、肩が……!」

P「……だらぁああああっ!!!」パコーン


ポスン


P「……」

真美「……」

P「……」


P「……届かなかったな」

真美「うん……」

P「……」

真美「……もっかい打つ?」

P「いや、疲れた……」


P「あと、ちょっとひじ痛い」

真美「〜♪」ゴクゴク

真美「ぷはー!運動後の麦茶っておいしーね兄ちゃん!」

P(春ならさぞ美味しかろう)

P「で……だ、真美」

真美「?」

P「負けたら何でも言うことを聞く、だったな」

真美「あっ……」

P「何でもいいぞ?犯罪は勘弁してほしいけど」

真美「……」

P「……」

真美「……あのね、兄ちゃん」

P「おう」

真美「真美、また兄ちゃんと遊びたいな、って……」

P「遊び?そんなんでいいのか?」

真美「今日、すんごい楽しかったからさ!今度は寒くないとこでやろうYO!」

P「……ああ、俺でよければ、いつでも遊ぼう」

真美「……えへへっ♪」

ブロロロロ…


P(しっかし、この墨落ちないな……)

真美「むにゃ……すぅ……」

P(そういえば写真を撮るのを忘れていたが……あんな奴に提供する必要はないだろう)

P「……」

真美「にい……ちゃーん……えへへ……」

P(真美はかわいいなぁ)


ブロロロロ…

ガチャッ

真美「おっはよー!」

小鳥「あら真美ちゃん、今日も元気ね。マミー冷えてるけど飲む?」

真美「いらないっしょ……ってかピヨちゃん、兄ちゃんは?」

小鳥「プロデューサーさん?そういえば、真美ちゃんに手紙が来てたわよ」

真美「ありがと→!なになに……」



『ウィンブルドンに行ってきます P』



真美「…………へ?」


おわり

以上です。読んで下さったみなさん、ありがとうございました。


インフルで寝てたら、無性にバドミントンがしたくなったので書きました……

公園いきたい(願望)

08:07│アイマス 
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