2013年11月14日

P「小鳥さんが隙だらけすぎる」

まったりと投下していきます。
P「小鳥さんが鉄壁すぎる」と同じ感じで書いてます。


P「小鳥さん、ちょっといいですか?」

小鳥「はい、どうかされましたか?」

P「これ、指何本に見えますか?」

小鳥「1本ですね」

P「この指をですね、こうやって……」ふにっ

小鳥「プロデューサーさん?」

P「ほっぺた柔らかいですね」

小鳥「あ、ありがとうございます」



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P「じゃあ指を移動して、次は脇にいきますね。ちょっとくすぐったいかもしれないですよ」

小鳥「はぁ」

P「つんつん」

小鳥「ひゃっ!」

P「可愛いですね」

小鳥「きゅ、急にそんなことしないでください!」

P「ゆっくりやりましたよ。それに、ちゃんと宣言してからやってますし」

小鳥「そ、そうですけど」



P「じゃあ最後は胸にいきますね」

小鳥「はぁ」

P「……止めないんですか?」

小鳥「えっ?」

P「今から小鳥さんの胸をその……しようと言ってるんですけど」

小鳥「え、ほんとにするんですか?」

P「ええ。小鳥さん、胸を触られても平気ですか?」

小鳥「それはやっぱり恥ずかしいですね」

P「じゃあなんで止めないんですか?」

小鳥「その人差し指を見てましたから」



P「ちなみに、小鳥さんはセクハラって言葉はご存知ですか?」

小鳥「もちろんです。これでも立派な社会人ですから」

P「じゃあ俺が今しようとしたことって、セクハラですか?」

小鳥「えーっと……そうですね。胸を触ったり、それをしようするのもセクハラですね」

P「小鳥さん、俺からセクハラを受けたんですよ?」

小鳥「そう……かな?」

P「そうなんですよ!」

小鳥「でもプロデューサーさんですから」

P「俺じゃなくて社長だったらどうですか?」

小鳥「んー社長ですし、そんなことはしないと信じてます」



P「じゃあ、もしこれを黒井社長にされたらどうですか?」

小鳥「黒井社長もそんなことする人じゃないですよ」

P「では記者の善澤さんは?」

小鳥「プロデューサーさん、そんな悪いことをする人なんて、いるはずがないじゃないですか」

P「……小鳥さん、これ指何本に見えますか?」

小鳥「1本ですね」

P「今からこれで小鳥さんの胸をつっつきます。いいですか?」

小鳥「はぁ」

P「ゆっくりゆっくり……つんつん」ふにょんふにょん

小鳥「きゃっ!」

小鳥「な、な、な、仕事中に何をするんですか!せ、セクハラになりますよ!」

P「えー」



P「小鳥さん、キスしてもいいですか?」

小鳥「はぁ」

P「え、いいんですか?」

小鳥「プロデューサーさんからするのか、私からするのかわからなくて」

P「いやいや、そこはダメって大きな声で拒否するんですよ」

小鳥「で、でも別に悪いことじゃないですよね?」

P「悪いことですよ、仕事中に急にキスなんてしたら」

小鳥「はぁ」

P「これはもう……」

小鳥「?」

P「小鳥さん、今日の下着は何色ですか?」

小鳥「み、水色ですけど……」

P「素直すぎますよ……ありがとうございます」



P「助けてくれ、律子」

律子「なに堂々と小鳥さんにセクハラしてるんですか?」

P「小鳥さんが隙だらけすぎる」

律子「あれはもうどうにもならないと思います」

P「前々から思ってはいたが、もう限界だ。なんとかするしかない」

律子「それには私も同感ですけど……」

P「このままだと、どこぞの馬の骨に攫われかねない」

律子「確かに危ないですね」

P「小鳥さん自身には自覚はあるんだろうか?」

律子「それはさすがにあると思いますよ。無かったら生きていけませんよ」

P「律子、念のため確認してもらえないか?」

律子「はいはい。訊けばいいんですよね、訊けば」




律子「小鳥さん、ちょっとお話よろしいですか?」

小鳥「なんでしょうか?」

律子「その、小鳥さんはご自身のこと、しっかりしていると思いますか?」

小鳥「律子さん程ではありませんけど、一般人としてはしっかりとしてる方と思います」

律子「えっと……先ほどプロデューサーからセクハラされてましたよね?」

小鳥「えっ?」

律子「さっき胸とか突付かれてたじゃないですか」

小鳥「律子さん、プロデューサーさんを疑ったら悪いですよ」

小鳥「きっとあれは、手が滑っただけなんですよ」

律子「ちゃんと胸を触るって宣言までしてましたよ?」

小鳥「プロデューサーさん、相変わらず冗談が好きなんですよね」

律子「小鳥さんはプロデューサーに胸を触られても平気なんですか?」

小鳥「さっきのは偶然です。私だってわざと触ったなんて言ったら、さすがに怒りますよ?」

小鳥「セクハラは女性の敵です。律子さんがもしされたりしたら相談してくださいね」



律子「……小鳥さんは世の中を知らなさ過ぎます」

小鳥「こ、これでもいっぱい知ってますよ」

律子「例えば、小鳥さんが帰っている途中に、知らない人から付き合ってと言われたらどうしますか?」

小鳥「そうですね……買い物くらいになら」

律子「ダメです!そこはきちんと断ってください!」

小鳥「え、でも私に話しかけてくるくらいだから、とても困ってるんじゃないですか?」

律子「あり得ません。絶対にあり得ません」

小鳥「そ、そんなに断言しなくても……」



律子「では、今ここに社長が来て、小鳥さんに結婚を申し込んだらどうします?」

小鳥「うーん……ありえないことですから、想像できません」

律子「では、プロデューサーだったらどうします?」

小鳥「それもありえません。絶対に」

律子「あれ?小鳥さん、実はプロデューサーのこと嫌いだったりします?」

小鳥「だーい好きですよ?」



律子「プロデューサー、諦めましょう」

P「全部ありえないとか無自覚すぎる……もしかしたら言葉が通じてない?」

律子「意思疎通はできてます。やはり自覚できてないだけだと思います」

P「そうか。じゃあどうにかして、自分がどれだけ隙だらけなのかを自覚させればいいのか」

律子「そうですね。できれば、の話ですが」

P「しかし、俺の案だとセクハラくらいしかないなぁ。律子は何か良い案はあるか?」

律子「でしたら、この際に怒ってみるのはいいがですか?」

P「ふむ、それならばちゃんと認識してもらえそうだな」

律子「ちょっと理不尽ですけど、ここは心を鬼にして」

P「よし、小鳥さんに説教だ!」



P「小鳥さん!」

小鳥「あら、なんだかすごい顔してますけど、何かありましたか?」

P「俺は今、猛烈に怒っています」

小鳥「そ、そうなんですか?」

P「小鳥さんのその無防備っぷりに呆れて怒っているんです」

小鳥「はぁ……なんだかよくわかりませんがすいません」

P「なんですか、その服装は!」

小鳥「服、ですか?」

P「そうです。その服、小鳥さんのスタイルをやたら強調してるじゃないですか」

小鳥「えっと、ただの制服なんですけど」

P「そんな小鳥さんのためだけにあるような服、仕事用なわけないでしょう!」

小鳥「り、律子さんも以前は着ていましたよ?」

P「そこはスルーで」

小鳥「えー」



P「なんですかそのスカートの短さは!」

小鳥「はぁ」

P「その太ももからできる三角領域、隙だらけの小鳥さんなのにどうして中が見えないんですか!」

小鳥「えっと……しゃがめば見えるんじゃないかと」

P「ああ、ほんとですね。確かに水色だ」

小鳥「はぁ」

P「次にその胸!ちょっとばかし強調されすぎやしませんか?」

P「さっき触ったときにも思いましたが、服がぱつんぱつんですよ」

小鳥「まだ普通に着れますので、直すのは早いかなって」

P「俺からしたら誘っているようにしか見えないんですよ!」

P「隙だらけの小鳥さんがそんなことしたら、すぐさまどこぞの狼に連れて行かれますよ!」

小鳥「そんな危ない人、いるわけありませんよ」

P「いるじゃないですか……あなたの目の前に」

小鳥「ふふ、素敵な狼さんですね」



P「ふぅ、これで少しは自覚してくれたかな」

律子「どこからどう見ても口説いてるようにしか思えませんでしたよ」

P「俺の気持ち、伝わっただろうか?」

律子「伝わったと思います。別の意味で」

P「よし、どんどんやっていこうか」

律子「面倒ですが、わかりました」



律子「ということで、隙だらけに関しては引けをとらない人を用意しました」

あずさ「よろしくお願いしま〜す」

P「なるほど。確かにあずささんも隙だらけだな」

あずさ「もう、そんなこと言わないでください」

律子「では、あずささんはどういった方法で隙をなくす努力をしてます?」

あずさ「隙隙隙……えーっと、そうねぇ……」

P「あれ、これって?」

律子「対策してないようです」

あずさ「あ、一つだけありました」

P「なんでしょうか?」

あずさ「迷子になったときは、プロデューサーさんに助けてもらうようにしてます」

律子「対策……?」

P「とりあえず小鳥さんを助けてくる」



P「小鳥さん、仕事手伝いましょうか?」

小鳥「あ、お願いしてもいいですか?」

P「遠慮なんてせずにどんどんこっちに回してください」

小鳥「あの、プロデューサーさんのお仕事は?」

P「気にしないで下さい。小鳥さんの書類、結構隙があるんで気になっちゃうんですよ」

小鳥「えっ」

P「俺を頼ってくれていいですから、どんどんこっちに……って小鳥さん?」

小鳥「私、そんなにプロデューサーさんに迷惑かけてたんですね……」

P「えっ?えっ?」



小鳥「ごめんなさい。大好きなプロデューサーさんに迷惑かけるなんて、事務員失格です」

P「ち、違いますよ!隙って言うのは……そう、余白なんですよ!」

P「先方が、やたら余白とか気にする人でして」

P「いやぁ、小鳥さんの作る書類はスマートすぎて、余白の部分が目立っちゃうんですよね」

P「だからこうやっていらない文とか余計な言葉を入れて作ってるんですよ」

小鳥「そ、そうだったんですか?」

P「俺は小鳥さんのスマートな書類の方が好きなんですけどね」

P「あー先方の頭がもう少し柔らかかったら楽なのになー」

小鳥「あの、私もこれからはできるだけ埋めるように作った方がいいですよね?」

P「じゃあこれからは二人で一緒にしましょうか。俺達二人の共同作業ってことで」

小鳥「隣に行ってもいいですか?」

P「ええ、ちゃんと肩をひっつけて、隙ができないようにお願いします」



P「ふぅ、危なかった」

あずさ「お、お、お二人はとても仲がよろしいようで〜」

P「いつもどおりですよ?」

律子「小鳥さん、一瞬ですが泣きそうになってましたよ」

P「反省してる。もう小鳥さんは泣かせない」

律子「素敵なセリフですね」

P「ちょっと恥ずかしい」



律子「今度は隙の無さに定評のある姫に来てもらいました」

貴音「わたくしでよろしければ尽力いたします」

P「なるほど。確かに貴音ならどんなことでもとっぷしーくれっとだな」

貴音「常日頃より、周囲への配慮を忘れないように心がけております」

律子「参考にするから、貴音の隙の無さの理由を教えてくれる?」

貴音「それは、とっぷしーくれっとです」

P「なるほど。秘密が隙のなさを生み出しているのか」



P「小鳥さん、実は確かめておきたいことがあるんです」

小鳥「はぁ、なんでしょう?」

P「俺に隠し事、してませんか?」

小鳥「隠し事……?」

P「はい。俺にはわかります。隠さないで言ってください」

小鳥「じ、実は最近し始めたことがありまして」

P「なんですか?」

小鳥「これなんですけど……」

P「和紙ですか?」

小鳥「はい。最近、教室に通って作り始めまして。手触りも温かみがあっていいですよ」



小鳥「ここから教室まで少し距離があるので、早く帰ってました……迷惑でしたか?」

P「いえいえ。もう少し一緒にいたいなーなんて思ってただけです」

小鳥「うふふ、寂しがり屋さんなんですね」

P「小鳥さんがそばにいないと、俺は生きている気がしませんから」

小鳥「私もですよ、プロデューサーさん」

P「それにしても紙漉きですか、素敵な趣味ですね」

小鳥「ありがとうございます」

P「この紙、何かに使う予定はあるんですか?」

小鳥「毎日一緒にいてくれる、素敵な狼さんへの手紙に」



P「あれ、何しに行ったんだっけ?」

律子「小鳥さんの隠し事を訊きに行ったんですよ。無くなりましたけど」

貴音「あ、あなた様はいつから小鳥嬢と愛を囁く関係になったのでしょうか?」

P「愛を囁くって大袈裟だなぁ。率直に自分の気持ちを言っただけじゃないか」

貴音「なんと」

P「しかし……うっかり主旨と逆のことをしてしまったな。反省」

律子「小鳥さん、珍しいことをしてるみたいですね」

P「和紙って結構良い手触りだな」

律子「今度、体験教室みたいな感じで企画出してみましょうか」

P「小鳥さんを先生にしてほしい」

律子「ご自分で企画してみては?」

P「よし、社長からOKでた」

律子「さすがですね」



律子「次は隙間が無くても転ぶ、ドジっ子アイドルの出番です」

春香「天海春香です、よろしくお願いします!」

P「春香、どうやったら小鳥さんの隙がなくなると思う?」

春香「プロデューサーさん、間違ってますよ」

P「間違い?」

春香「私が転ぶことを直さないのは、これがアピールになるからです」

春香「プラス思考で行きましょう。隙を埋めるのじゃなくて、隙をもっと広げる感じで!」

P「なるほど、逆転の発想だな。さすが春香だ」



P「小鳥さん、デスクワークばかりで疲れませんか?」

小鳥「定期的にこうやって伸びをしてますから平気ですよ」

P「やっぱり伸びをするなら立ったほうがいいですよ」

小鳥「そうですね、ではちょっとだけ」

P「じゃあ、まず両手を上に上げてください」

小鳥「こうですか?ばんざーいっと」

P「次に足を少し広げてください」

小鳥「はいっと」

P「腕を水平にしてください」

小鳥「はい、こうですね」

P「あ、ちょっと腕を前に出してください。前習えよりやや広めで」

P「そのまま首を少し傾げて『どうぞ』って言って下さい」

小鳥「どうぞ」

P「じゃあお言葉に甘えて」だきっ

小鳥「ひゃあっ!」



P「小鳥さん、隙だらけですよ」

小鳥「あ、あの、耳元で囁かないで下さい……」

P「俺じゃダメですか?」

小鳥「いえ、そんなこと全然……」

P「こうすると、小鳥さんの隙を全部俺で埋めることかできますね」

小鳥「恥ずかしいです……でももう少しだけこのままでお願いします」



P「最高だった」

律子「もう隙だらけで良いような気がしてきますね」

春香「な、な、なんてことしてるんですか!」

P「ん、何か変だったか?」

春香「こ、小鳥さんにするなら私にもしてくださいよ!」

P「小鳥さんのぬくもりがある以上、それはできない。無くなったら小鳥さんにまたしてもらうけど」

春香「酷い……」

P「こんな簡単なことに引っかかってくれるなんて、小鳥さんは女神だよ」

律子「ノーガードな女神様ですね。やっぱりこのままでいいじゃないですか」

P「そうかもしれないが、何かあってからでは遅い」

律子「でも一番楽しんでいるのはプロデューサーですよね?」

P「何度でも言う。最高だった」

律子「もう付き合っちゃえばいいのに」



律子「今度は隙あらばどこでも寝てしまう眠り姫、美希です」

美希「おはようなの、律子……さんとそこの人」

P「美希は確かに隙だらけだが、隙を伺うのにも長けているな」

律子「美希、小鳥さんがもっとしっかりするための良い方法を考えて」

美希「小鳥はあのままの方がいいの。小鳥はやよいと同じくらい心が透けて綺麗なの」

P「なるほど。つまり小鳥さんは世界一綺麗ということか」

P「世界一綺麗なら、隙なんてものは無いも同然だな」



P「小鳥さん、綺麗ですよ」

小鳥「あ、ありがとうございます。でもどうしました?」

P「小鳥さんが世界で一番綺麗って気が付いたんですよ」

小鳥「わ、私がですか?」

P「すいません、今の今まで気が付かなくて」

小鳥「私よりも他の子たちの方が……」

P「俺は小鳥さんが一番綺麗だと思うから言ってるんですよ!」

P「だから心の奥底から言います。小鳥さん、あなたは世界一綺麗だ」

小鳥「プロデューサーさん……」

P「キスしていいですか?」

小鳥「は、は、はい……」



P「さっき注意したばかりなのに……こんな簡単にキスさせてくれるなんて、大丈夫なんだろうか」

美希「そこの人、小鳥を汚さないでほしいの」

P「俺色に染めようとしているだけだ」

美希「さらっとそんなこと言うなんて悔しいの……」

律子「プロデューサーは随分とご満悦でしたね」

P「世界一だからな」

律子「じゃあこれで終わりですか?」

P「いや、まだ何も解決していない気がする」

律子「気づきましたか」

P「まあ一応」



律子「次は隙なんてものはあるはずが無い、完璧なアイドルの登場です」

響「自分、完璧だからな!」

P「よし、じゃあ響の完璧っぷりを小鳥さんに見せ付けてほしい」

響「えっと、具体的にはどうすればいいか教えて欲しいぞ」

P「響は完璧なんだろ?」

響「えっとその……」

律子「プロデューサー。つまり、小鳥さんの自信過剰なところを攻めるということでは?」

P「なるほど。そこから自覚させて行くとは……さすがは響だ。完璧な答えだな」

響「か、からわれてる気がするぞ……」



P「小鳥さんはこれだけは負けないっていうもの、ありますか?」

小鳥「えーっと……無いかも」

P「そうなんですか?」

小鳥「前はみんなから歌が上手って褒められたりもしてましたけど……今はもう全然ですね」

P「確かに、うちには千早やあずささんがいますから、なかなか負けないっていうのも難しいですね」

小鳥「すいません、あんまり取り得がなくて」

P「えっと……じゃあ一曲、ここで歌ってもらえませんか?」

小鳥「こ、ここでですか?恥ずかしいですよ!」

P「あ、珍しく反論した。でも歌ってください。俺のためだけに」

小鳥「わ、笑わないでくださいよ……あなたのために歌うんですから」



律子「一歩前進しましたね」

P「ああ、こうやって反論してくれるようになったら多少はマシになるだろう」

響「自分、なんだかぴよ子が羨ましいぞ」

P「俺と小鳥さんの仲は完璧だからな」

律子「歌も素晴らしかったですね」

P「らびゅらびゅか。なんでこの曲何だか……ああ、そういうことか」

律子「スキだらけでしたね」

P「スキだらけでした」



律子「数寄者なアイドルを連れてきました」

雪歩「お願いしますー」

P「雪歩、何か良いアイディアはあるか?」

雪歩「あの、温かいお茶を飲むとリラックスできるんです」

雪歩「リラックスしたら、その時は隙が少しでもなくなるんじゃないかって思います」

律子「リラックスしてるってことは隙だらけなんじゃ……」

P「もしかすると、小鳥さんはそう言った状況の方が隙が少ないのかもしれない」

P「さすがは雪歩だ。目の付け所が違うな」

雪歩「ありがとうございますー」



P「小鳥さん、お茶どうぞ」

小鳥「あ、わざわざすいません」

P「いえいえ、ここらで一息つきましょうか」

小鳥「そうですね、あつっ」

P「あれ、熱かったですか?」

小鳥「はい、ちょっと油断してました」

P「お茶の時間だからって言って、隙を見せたらダメですよ。油断大敵……あつっ」

小鳥「うふふ。プロデューサーさん、隙あり、ですよ」

P「いやぁ、小鳥さんに一本取られちゃったな」



P「ふぅ、満足満足」

律子「楽しそうでなによりです」

雪歩「なんだか夫婦みたいです」

P「妬くな妬くな。妬いたって小鳥さんは渡さないけどな」

雪歩「い、いらないですー」

P「微笑む小鳥さんはやっぱり女神だなぁ」

律子「大人であんな無邪気な笑顔ができるのは小鳥さんくらいです」

P「律っちゃんも可愛いよ?」

律子「はいはい、お世辞お世辞」

P「隙がないなぁ」



律子「ならば、隙を虎視眈々と狙う悪戯っ子アイドルを投入してみます」

真美「やっと真美の出番だねー」

P「おっ、何か秘策があるのか?」

真美「隙を無くすのなら、律っちゃんみたいになればいいと思うよ!」

P「ふむふむ、続けてくれ」

真美「だから、兄ちゃんがイタズラして、ピヨちゃんに怒られるってのはどーだい?」

P「なるほど。俺の馬鹿なところを見たら、小鳥さんがしっかり者になってくれるということか」



P「ぐふっ……こ、小鳥さん……」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん……その血は……」

P「すいません、下手をしてしまいました……」

小鳥「そ、そんな、一体なにが……」

P「最期に小鳥さんにどうしても伝えたいことが……」

小鳥「嫌です!最期だなんて……私、まだ離れたくありません!」

P「真美に気をつけてください……」

小鳥「プロデューサーさん!」

P「さいごに……小鳥さん……あい……して……」ぱたっ

小鳥「プロデューサーさーーん!」

P「なんちゃって」

小鳥「私、真美ちゃんに復讐してきます」

P「えっ」



小鳥「私のプロデューサーさんになんてことを……」

P「こ、小鳥さん、落ち着いてください。俺は生きてますから」

小鳥「だってさっき、凄い血が出てました。きっともうプロデューサーさんは……」

P「いえいえ、これは血糊ですから。ほら、傷とかも何もないでしょ?」

小鳥「あ、ほんとう……」

P「小鳥さんを置いて死ねるわけないじゃないですか」

小鳥「し、心配させないでください!」

P「す、すいません」

小鳥「プロデューサーさんがそんな目にあったら、私の心は隙だらけになります……」

P「もう二度としません」

小鳥「私の心は全部プロデューサーさんで埋まってるんです……もうしないでくださいね」



P「どうやら小鳥さんの心に隙はないらしい」

律子「何か腹が立ちますね」

P「そうか、それはすまなかった」

律子「というか、随分とお二人は仲がよろしいようで」

P「小鳥さんは俺の嫁だからな」

律子「はいはい」

P「ん、真美はどうした?」

律子「小鳥さんに驚いて逃げていきましたよ。あとでフォローしてください」

P「やれやれだぜ。本物の愛を見せてやったというのに」



律子「では、そこで隙を伺っていた、もう一人の悪戯っ子アイドルを登板させましょう」

亜美「真美隊員の仇をー」

P「頼もしいじゃないか。よし、作戦内容を」

亜美「兄ちゃんは今日は何の日か知ってる?」

P「今日……?」

亜美「今日は花の日って言って、子供が主役の日なんだよー」

P「なるほど、それは初めて知ったな」

亜美「だから今日はピヨちゃんからお菓子を強奪!」

P「それはハロウィンじゃないのか?」

亜美「難題を押し付けてこそのリベンジだよ!」

P「押し付けられているのは俺のような気がするが、ともあれお菓子を強奪だ!」

律子「隙の話はどうなった」



P「小鳥さん、トリックオアトリート!」

小鳥「えっと……お菓子でお願いします」

P「じゃあください」

小鳥「何がいいですか?」

P「あ……考えてなかった」

小鳥「亜美ちゃんたちのいたずらに付き合ってあげてるんですか?」

P「まあそんなところです」



小鳥「じゃあ、亜美ちゃんにはこれで。真美ちゃんにもこれを」

P「あれ、なんかちょっと見ただけでもぎっしりと隙間無くありましたね」

小鳥「ええ。みんなの好きなおやつは切らさないようにしてるんです」

P「小鳥さんは優しいですね」

小鳥「ありがとうございます」

P「撫でていいですか?」

小鳥「どうぞー♪」

P「ちなみに俺の分はあるんですか?」

小鳥「ありません」

P「そうですか……ちょっと残念です」

小鳥「お菓子に浮気なんてしないでほしいです」

P「小鳥さんがいるのに、そんな隙ありませんよ」



P「隙なんてどこにもなかった」

律子「私たち、どうも大きな誤解をしていたようでした」

亜美「なんだろうこの気持ち。お菓子に負けた気がする……」

律子「こうやって大人になっていくものよ」

P「まあまあ、これ貰ったから真美と二人で食べてくれ」

亜美「うん……」

P「小鳥さん、みんなに対してはこんなに隙が無いのに、なんで自分はノーガードなんだろう?」

律子「小鳥さんだから、じゃダメですか?」

P「それ、採用」

律子「あと、女神ってことも」

P「追記しておこう」



律子「ではこの辺りでみんなが大好きな天使を召喚します」

やよい「おねがいしまーす!」

P「やよいかぁ……」

律子「あまり嬉しそうじゃありませんね」

P「やよいの意見を小鳥さんにぶつけるのは気が引ける」

やよい「あの、どんなことしてるんですかー?」

P「小鳥さんに隙があってな。それをどうにかしたいと想ってるんだ」

やよい「はわっ、小鳥さん、鍬持ってたんですね!」

P「うん?」

やよい「小鳥さんと一緒に、家庭菜園できますー!」

P「ああ、なるほど。一緒に畑を耕して自然と触れ合うのか」

P「自然と一体になればまさしく隙は無くなる……これだ!」



P「小鳥さん、ちょっとお話したいことが」

小鳥「なんでしょう?」

P「実はですね、うちの近くに畑がありまして、1区画借りることができたんですよ」

小鳥「プロデューサーさんはお野菜もプロデュースするんですね」

P「よかったら今度の休みの日からでも一緒にやりませんか?」

小鳥「はい、喜んでお手伝いします」

P「鍬とかの道具は全部俺が用意しておきますね」

小鳥「はい、ありがとうございます」

P「今度の休みが楽しみだなぁ」

小鳥「あの……」

P「どうかしましたか?」

小鳥「お弁当、作ってもいいですか?」

P「ありがとうございます。楽しみが増えました」



P「というわけで、一緒に休ませてほしい」

律子「またですか……別に私も鬼じゃありませんから構いませんけど」

P「助かるよ。持つべきものは律子だよ」

律子「明らかにデートの約束ですから、邪魔なんてしたらどうなるか」

やよい「あの、私も一緒にやってもいいですかー?」

P「ごめんな。これは俺と小鳥さん二人だけの事だから、いくらやよいの頼みでもそれはできないんだ」

やよい「残念かなーって」

律子「それで隙の件はどうなりました?」

P「鍬?買ってくるよ」

律子「自腹ですからね」



律子「次は美希におでこの隙を指摘されて凹んだアイドルです」

伊織「はーい、みんなのアイドル、水瀬伊織ちゃんでーす」

P「なるほど。でこなのにへこむとは、伊織もいろいろと悩みがあるんだな」

律子「伊織、小鳥さんの隙を無くす方法はある?」

伊織「隙を無くしたいのなら、隙があったら命取りになるくらいな状況にすればいいじゃないかしら?」

伊織「本当ならしっかりとした下積みが必要だけど、手っ取り早い方法はこれね」

P「ふむ、窮地に追い込むということか」

伊織「命懸けになったら小鳥だって変わるはずよ」

P「よし、早速チャレンジだ!」



P「小鳥さん、大事な相談事があるんです」

小鳥「な、なんでしょう?」

P「実はですね、俺の父の親戚の従弟の友達の友達の従兄の親戚の息子が今大ピンチなんです」

小鳥「えっ?」

P「KAROUという難病らしいです」

小鳥「そうなんですか……」

P「それでですね、小鳥さんの力を借りたいんです」

小鳥「わ、私にできることならなんでも!」

P「俺にキスしてください。そうするとその人の命も救われるんです!」

小鳥「は、はい!」ちゅっ

P「もっともっと!」

小鳥「は、はい!」ちゅっ

P「最後に抱きしめてください」

小鳥「はい……これでいいですか?」ぎゅっ

P「キスを逆さに言ってください」

小鳥「スキ」

P「救われました」



P「もうなんでもいいや」

伊織「ねぇ、なんで平然といちゃいちゃしてるのか説明しなさいよ」

P「いちゃいちゃって……俺はただ小鳥さんを更生させようとしてるだけだ」

P「もしかして伊織は同じことをされたいのか?」

伊織「へ、変なこと言わないでよ。してほしいわけないわよ!」

律子「それはともかく、小鳥さん、絶対に詐欺にあいますよ」

P「やはりそう思うか……もっと頑張ろう」

律子「全然頑張ってませんよね。さっきから小鳥さんを良いように弄んでるだけですよ」

P「失礼な。俺は小鳥さんのことを第一に考えているだけだ」

律子「キスをするのとされるのとはどっちが良かったですか?」

P「される方が断然いいね!」

律子「もう結婚すればいいのに」



律子「笑いの隙が大きいアイドルを迎えました」

千早「あの、それは私のことでしょうか?」

P「いいじゃないか。簡単に笑顔が見れるって好評だぞ」

律子「千早、小鳥さんの隙を無くそうっていう話なんだけど」

千早「そうですね、やはりここは」

P「あーすまん。さっき歌は使っちゃったんだよな、響で」

千早「……」

P「ごめんね、ちーちゃん」

千早「……違います。私は絵で説明したらどうでしょうかと提案するところでした」

P「ほう、イラストか。確かに文字や言葉よりも直接的に理解しやすいな」



P「小鳥さん、ちょっと絵を描いてみたんですけど、見ていただけませんか?」

小鳥「プロデューサーさんが絵、ですか?」

P「ええ」

小鳥「ふふっ……」

P「ちょっと大きくなってしまいましたけど、俺の技量だとこのくらいです」

小鳥「素敵な油絵ですね」

P「時間がなかったので、背景はスキージーで塗っただけです」

P「それでも小鳥さんに伝えたいことを盛り込んでみました」

小鳥「もしかしてこれ、私ですか?」

P「はい」



小鳥「その……タイトルはなんでしょう?」

P「俺の女神です」

小鳥「その……半裸は少し恥ずかしいです。それにこんなに大きな翼まで……」

P「半裸?完全に裸ですよ?」

小鳥「えっ」

P「小鳥さんはこれくらい隙が多いということなんです」

小鳥「そうだったんですか……これ、事務所に飾ります?」

P「えっ?」

小鳥「せっかくの大作ですから、どこかに飾らないともったいないですよ」

P「小鳥さん、裸なんですけど……いいんですか?」

小鳥「大好きなプロデューサーさんのためなら、裸くらい我慢します」



P「俺のためになら裸になってもいいとか……泣ける」

律子「結局は隙だらけなんですよね……」

P「今度は裸婦に挑戦しよう。もちろんモデルは小鳥さんで」

律子「うちは思春期の子が大半なんですから、そこは考えてください」

P「この絵どうしよう?」

律子「飾らないともったいないくらいの出来栄えですよね」

千早「あの、さらっと流しているようですが、二人はどういう関係なのでしょうか?」

P「俺と小鳥さん?」

千早「はい」

P「言葉では伝えきれないな。ちょっと描いてくる」

千早「もういいです」



律子「ラストはスキーも得意な乙女アイドルを抑えで出しましょう」

真「まっこまっこりーん。菊地真でーす」

P「誰よりも乙女な真なら、きっと小鳥さん攻略の手立てくらいは持っているはずだ」

真「女の子は恋をすれば、自然と隙の無い動作が身に付くってこの本に書いてました!」

真「かわいい服を着たら、さらに気も引き締まりますよ!」

P「少女漫画か。そういった教書もあったか。さすがは真だ」

律子「プロデューサー、小鳥さんの隙を無くすために付き合うと?」

真「なんだか不純な動機ですよね……」

P「失礼な、俺は昔から小鳥さん一筋だ」

律子「服はどんなものを用意しますか?」

P「すでに持ってきている。抜かりは無い」



P「小鳥さん、これを着ていただけませんか?」

小鳥「わぁ……立派なウェディングドレスですね」

P「小鳥さんに似合うと思って作りました」

小鳥「ぷ、プロデューサーさんが作ったんですか?」

P「このドレスだけはどうしても俺の手作りでと思っていましたので、コツコツと作ってました」

小鳥「毎晩遅くまで何をしているかと思ったら……」

P「小鳥さんのために、作りました」



小鳥「着ました。サイズもぴったりみたいです」

P「ちゃんと計りましたから」

小鳥「いつ計ったんでしょう?」

P「小鳥さんが寝てるときにです。隙だらけでしたよ」

小鳥「もう、恥ずかしいじゃないですか。今度からはちゃんと言ってくださいね」

P「世界一綺麗ですよ、小鳥さん」

小鳥「その、やっぱり恥ずかしいです……結婚式もまだなのに」



P「あ、小鳥さん。そのまま歩くと裾が汚れますよ」

小鳥「す、すいません。うっかりしてました」

P「仕方ないですね。俺が抱っこするんで、小鳥さんは俺に身体を預けてください」

小鳥「はい、お願いしますね」

P「よいしょっと」

小鳥「わっわっ」



P「今日のことでわかりました」

小鳥「今日のこと、ですか?」

P「やっぱり小鳥さんは危なっかしくて放っておけません」

小鳥「私が危なっかしい?」

P「これからもずっと、こうやって俺が護っていきます。絶対にです」

小鳥「ふふ……前にも同じ約束しましたよ」

P「そうでしたっけ?」

小鳥「プロデューサーさんも隙、いっぱいですね」

P「じゃあ、俺の隙は小鳥さんにお願いしてもいいですか?」

小鳥「……喜んで」



P「さてと……律子、俺と小鳥さんはこれで帰るから、あとよろしく」

律子「そ、そのままで帰るおつもりですか?」

P「何か変なところでもあるか?」

律子「ウェディングドレスを着た小鳥さんを抱っこしているという光景が日常にあるとでも?」

P「たまにはいいじゃないか、こういうのも。じきに慣れるさ」

律子「今から結婚式に行きそうな雰囲気なんですが……」

真「ぷ、プロデューサー!なんでボクじゃなくて小鳥さんなんですか!」

真「ボクだって綺麗なドレスを着て、抱っこされたいです!」

P「教書に書いてなかったのか?俺と小鳥さんは結ばれる運命だって」

真「」



P「小鳥さん、これから指輪を買いに行きましょう」

小鳥「えっ、またですか?」

P「いりませんか?」

小鳥「その、毎年贈ってくれるのは嬉しいんですが、どれかを失くしてしまいそうで……」

小鳥「全部大切なものなので、どれをつけたらいいか迷ってしまうんです」

P「じゃあ、俺が毎朝選びますよ」

小鳥「お、お願いします」

P「それに指輪を失くしても、小鳥さんを好きって気持ちは永遠に無くなりませんから安心してください」

小鳥「えへへ、プロデューサーさんのこと、ずっと好きで好きでだーい好きです」

P「俺も好きで好きで好きで大好きです」

小鳥「私もプロデューサーさんも、好きだらけですね」



小鳥「それでプロデューサーさん、あの……」

P「みんなも自立できるようになってきましたし、そろそろしましょうか」

小鳥「嬉しい……やっと挙げられるんですね。私、ずっと待っていました」

P「よーし。じゃあみんなにも俺達のことを話して、来月くらいに式を挙げましょうか」

P「招待状はもちろん、俺達手作りの和紙で」

小鳥「はい!」

P「でもその前に……折角の二度目の結婚記念日。今日は寝かせませんよ」

小鳥「ここでそんなこと言わないでください。は、恥ずかしいですよー」

P「愛してるよ、小鳥」

小鳥「はい、私も愛してます」


律子「……ついていけない。もうすきにして下さーい」



おわり

08:17│音無小鳥 
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