2014年08月07日

春香「ドジっ子クッキー☆」




春香「そんなわけで、765のパティシエ天海春香さんは今日もクッキーをこさえるんですよっと」



春香「薄力粉300gに対して砂糖が大体120g常温に戻したバターも120g、卵と、あとはココアパウダーと……」





春香「……ふむ」



春香「……たまにはちょっとした工夫を加えてみたいな」



春香「ありきたりなやつではなく、もっとこう……う〜〜ん」



春香「……私と言えば、ちょっとしたドジでお茶の間を魅了する系のアイドルだし」



春香「お菓子作りでドジと言えば」





春香「ふにゅ〜〜ん☆ 砂糖と塩を間違えちゃったのれす〜〜テヘペロ☆」





春香「コレだ、流石春香さん、春香さん可愛い、1000年に1人のトップアイドルですよトップアイドル」



春香「でも砂糖と塩だけじゃちょっとインパクト弱いな…………う〜ん」



春香「あ、バニラ生地にしようと思ってたのをバニラエッセンスと醤油を間違えてみようかな!」



春香「うん、イイな、もしかしたら煎餅みたいで美味しいかもしれないし」



春香「他にも、チョコチップの変わりに……正露丸とか」



春香「うん! いいかも!! んじゃ早速塩120gを用意して…………」



春香「…………」



春香「……多いな〜〜これ、もしかしなくても致死量なんじゃないかな……まぁ……いいか、食べるの事務所の皆だし」



春香「じゃあ、とりあえず薄力粉をふるいにかけながらっと」







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【新作です、ご自由にお食べ下さい 春香☆】







伊織「あら? クッキー?」



伊織「へぇ、春香の新作なのね、ひとつ頂こうかしら」



伊織「あむ」サクッ





伊織「ふむ…………」モグモグモグ



伊織「…………っ!!!!!??????」ビクッ!!



伊織「ゴホッ!! ゴ!? ガハゲホゲホ!!!!」ガタガタガタッ



伊織「グッ!? がっっ!!?? これな!?!? げはっ!!!!」ドサ



伊織「塩辛っっっっ!!!! ぐほっ!! げほげほげほげほ!!!!」ゴロゴロゴロゴロ





春香「い、伊織大丈夫!? ほ、ほら!! 紅茶飲んで紅茶!!」





伊織「ティーーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!!」ガシ



伊織「ごっごっごっごっごっごっごっご!!!!!!」グビグビグビグビグビ



春香「…………」



伊織「ぶはーーーーーーーーっ!!!!」



春香「…………」



伊織「はぁはぁ……はぁはぁはぁはぁ……」



春香「…………どうだった?」





パァン!!





春香「ちょ、イキナリ打ったね!? 伊織!!??」





パァン!!





春香「ちょっと! 返す刀で二度も打った!! 親族にもたまにしか打たれたことないのに!!」





伊織「打つわよ!! そりゃ打つわよっ!!! 打ち足りないくらいよっ!!!! 何なのよコレはっっ!!!!????」









春香「ドジっ子クッキーだよ」



伊織「ドジっ子クッキー!? そんな生ぬるいクッキーじゃないわよ! テロっ子クッキーよ!! バカか!!!!」



春香「いやぁ、味見してないけど、あそこまで破壊力があるとは思わなかったよね」



伊織「塩をそのまま舐めてもああはならないわよ!? どういう製法なのよコレ!? 新堂が川の向こうから手招きしてるのが見えたわ」



春香「新堂さん死んでないじゃん」



伊織「脳が異常を侵すレベルの危険物だって言いたいのよ!! ちょっとアンタ食ってみなさいよ!!」



春香「え? 絶対イヤだし」



伊織「イヤだし、じゃないわよムカツクわね!! その口にねじ込んでやるっっ!!」グググググ



春香「ヤメ!! 誰か!! 助けて!! 伊織に殺される〜〜!!!!」



伊織「人が死ぬような物を食わせようとしたのはアンタでしょ!!!!」ググググググ





真「おっはよ〜! 春香っ、伊織っ、二人とも朝から仲が良いね〜」





春香「真!! 助けて!! 伊織に殺される!!!!」



伊織「真!! 春香の口にこのクッキー入れるの手伝いなさい!!!!」



真「へぇ? クッキー? 春香が作ってきたの? じゃあボクが貰うよ」ヒョイパク





春香・伊織「あ」





真「あむっと、ちょうど甘い物が欲しかっっっっっっっっっ!!!!!????????」



真「っっぐわぁあああああ!!!!! な、何だこ!!!! おぅえ!!!!! ごほっ!!!!!」



真「ぎゃああああああ!!!!!! 喉がっ!!!! 焼け付くっっっっ!!!! ぐっがっっっがほっっっっ!!!!!!」ゴロゴロゴロゴロ



真「だ、だずげ!!!! 水っ!!!! み!!!! 誰かっ!! しっっっぬっっっ!!!!!」ヒューヒューヒューヒュー





伊織「……私、こんなに苦しんでいる人を見たのは初めてだわ」



春香「私も」





真「お前ら!! 見てねぇで水もってごいやぁああああああ!!!!ががががが!!!!!!!」ドタンバタンドタンバタン





春香・伊織「はーい」









真「っっっっっっっっっっ何これっ!!!!????」



春香「春香さんのドジっ子クッキー☆」



真「ねぇ伊織、今、凄く春香を殴りたい気持ちでいっぱいなんだけど、この感情、どうすればいいかな!!??」



伊織「アンタはあれを一個まるまるいったし、その気持ちは良くわかるわ」



春香「いやぁ、ほら、良く漫画でさ? 砂糖と塩間違っちゃった〜☆ っていうのあるじゃない? ソレなんだけど」



真「劇薬だよっ!!!! そんな可愛いもんじゃないよコレはっ!!!!」



春香「まぁ、やったのそれだけじゃないけど、私もまさかこんな結果になるとは予想してなかったんだって」



真「うぅ……まだこめかみ辺りがガンガンする、サンポールを直接飲んだってこんな事にならないと思う」



伊織「こう、ね、口の中だけじゃなくてリアルに体調を侵してくるレベルよね」



真「全身が拒否するんだよね「コレは危険な物だぞ!!」って身体全体が警告するレベル」





春香「ははは、大げさな」





伊織「真」



真「うん」





ガシッ





伊織「食ってみろやぁ!!!! 製作者ぁ!!!!!!」



真「オラァ!! 口開けろボケぇえええ!!!!!!!」



春香「ん〜〜!! んんんんん〜〜!!!!」(やめて〜! 殺される〜〜!!!!)





あずさ「楽しそうね〜皆〜」





伊織「あずさ!? いつの間に」



真「あ、おはようございます、あずささん」



あずさ「はい、おはようございます〜、皆して何をしているのかしらぁ?」



伊織「それがね、かくかくしかじかでね?」











あずさ「あらあら〜春香ちゃん? 食べ物で遊んじゃ、めっですよぉ?」





春香「チッ……反省してま〜すww」





伊織「真」



真「うん」





ガシッ





伊織「反省の色は見せなくて良いからコレ食ってみろ!!!!!!」



真「二個!! 二個だ!!!! 二個ねじ込んでやる!!!!!! 倍返しだっ!!!!!!!」



春香「んん〜〜!! んんんんん、んんんん〜〜〜〜!!!!」(ぎゃー!! あずささん助けて〜〜!!)



あずさ「でも、見た目は普通よねぇ〜」ヒョイッ



伊織「あずさ、間違っても口にしちゃダメよ?」



真「命にかかわるレベルですからね?」





春香「はは 二人はおおげさだなぁ、女児アニメのタイトルみたいだな」





伊織「お前、ちょっと本当にマジで黙れ」



真「寝てる時に粉末にして鼻の中から入れるぞ」





あずさ「……そんなに凄いのかしらぁ?」マジマジ





伊織「凄いなんてもんじゃないわよ! スズメ蜂に2回どころか800回くらい射されたのか!? ってくらいの衝撃よ!! ハルフィラキシーショックよ!?」



真「冗談でも薦めるのを躊躇う一品ですよ、あずささん、手で持ってるだけでも皮膚融けんじゃないかってくらいですよ」





あずさ「……でも、少し興味があるから、ちょっとだけっ」サクッ





春香・伊織、真「あ!!」









あずさ「……」モグモグ



あずさ「…………っ」モグモグモッ





あずさ「………………」



あずさ「……………………」





伊織「あ、あずさ?」





あずさ「…………………………」



あずさ「………………………………」





真「あずさ、さん?」





あずさ「……………………………………」



あずさ「…………………………………………」





春香「顔が……緑色に…………」





あずさ「………………………………………………」



あずさ「……………………………………………………」





伊織「救急車!! 急いで!! あずさがナメックになっちゃう!!!!」





あずさ「ポコペンポコペンダーレガツツイタポコペン……………………」





真「口から卵産んじゃうから!! 早く!! 早く!!!!」









あずさ「っっあっぶなかったわぁ〜〜あと少しで楽器の名前の息子を産む所だったわ」ハァハァハァハァ





伊織「どうすんのよ、この毒物……」



春香「毒って、酷いなぁ伊織、春香さん頑張って作ったのに」



真「一個でも食ってから言えよ」





雪歩「きゃああああああああぁああああ!!!!!!」





真「雪歩!?」



伊織「給湯室からだわ!!」





雪歩「た、たたたた、助けてくださぃいいいいいい!!!!」ドタドタドタドタ





あずさ「あ、あらあら、どうしたの雪歩ちゃん」



雪歩「ね、ねねね、ネズミです、ネズミがでましたぁ!!」



伊織「ネズミ? イヤねぇ……清潔にはしていたと思うんだけど」



真「多分、貴音の貯蔵品のカップラーメンタワーを狙ったんじゃないかな」



春香「建物も老朽化してるから、隙間から入り込んじゃったのかな?」



雪歩「ど、どうでもいいから、どうにかして下さいぃ!! 私、怖くて給湯室に近づけませんんんん!!」



あずさ「困ったわねぇ、私もネズミはちょっと……」



伊織「もちろん、私もイヤよ?」



真「ふぅむ…………あ、コレだよ、コレ使えば良いんだよ」



春香「あ! 私のクッキー!! どうするつもりなの真!!」



真「ちょっと一枚借りるよ」









ネズミ「チチチチ」





雪歩「ま、まだいるぅ……」



真「このクッキーをちょっと砕いて……っと」



伊織「考えたわね、真」



春香「え〜〜、幾らなんでも野生動物に効くかなぁ?」



あずさ「効くわ、絶対に」



雪歩「え? え? エサあげちゃうの? 飼う気なの?」



伊織「まぁ、見てなさい、雪歩」



真「ネズミの前に、置く、と」





ネズミ「チチ?」





伊織「来たわ、来たわよ」





ネズミ「チチ……」クンクンクン



ネズミ「」パクパクパクパク





あずさ「食べたわ」





ネズミ「……」モグモグモグモグ



ネズミ「…………ヂュッ!!!!!!」ビクン!!





雪歩「ふえ!!??」





ネズミ「ヂュッッ!! ヂュゥウウウウウ!!!! ヂュギュヂュウウッゥウッヂュヂュ!!!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ



ネズミ「ヂュ……ッッツッッッ!!!! ヂュ………………ヂュヂュ……………………」ゴロン



ネズミ「………………………………」シーン





春香「…………マジか〜」



真「ぱねぇ…………」



伊織「毒よ、もうまぎれも無い毒よ、これ」



あずさ「ま、まだピクピク動いているから、かろうじて生きてはいるみたいだけどぉ」



雪歩「頼んだ私が言うのもなんだけど……か、可哀想ですぅ」











真「ネズミはそばに水を置いて外に逃がしておいたよ」



伊織「コレでハッキリ解ったでしょ春香? あんたの作ったドジっ子クッキーとやらの威力が」



春香「ここまでくると、むしろ自分の才能が怖い」



あずさ「あらあら〜、私も春香ちゃんの口にねじ込みたくなってきたわぁ」



雪歩「お、恐ろしいね……」



真「あれ? ところでテロっ子クッキーは?」



伊織「あら? 机の上からなくなってる」





小鳥「あ、そこに置いてあったクッキー? ちょうど今黒井社長が来てるからお茶請けとして出しちゃったけど、マズかった?」





真「え!?」



伊織「こ、小鳥、ここに置いてあったクッキーを出したの!?」



小鳥「う、うん、ご自由にって書いてあったし、食べて良い物だったんでしょ?」



あずさ「い、今、黒井社長は〜?」



小鳥「社長室で、社長と喋っているけども……」



春香「……か、回収した方が良いかもしれませんね」











高木「黒井……まさかお前の方からそんな事を言ってくれるなんて……」



黒井「私自身……少し、意固地になっていたのかもしれん……この業界を動かすと言う意味では、高木、お前も」



高木「ああ、わかっている!! 言わずとも解っているさ!! 黒井っ!!」



黒井「いや、言わせてくれ、高木、俺とお前は…………大事なライバルで、それ以前に……仲間だっ!!」



高木「く……黒井………………っっ」



黒井「ははは、止せ、高木、人の上に起つ者として、涙は簡単に見せる物ではないぞ」



高木「くっ……ふふふ、お前だって、目が潤んでいるぞ?」



黒井「こ、これはゴミが入っただけだ!!」



高木「く……ふふふふふふふ」



黒井「ははははははは」



高木・黒井「あっはっはっはっはっはっは!!!!」



黒井「笑いあうのは、本当に久々だな」



高木「本当だな、良い物だ、やはり」



黒井「いや、しかし笑ったら腹が減った、コレを貰うぞ?」



高木「ああ、食べてくれ食べてくれ、家のアイドル、天海春香君が作ったクッキーだ」



黒井「所属アイドルから手作りお菓子の差し入れか……やはり、お前と私は違うな」サクッ



高木「それも今日までさ、お互いの長所を尊重し、二人で頑張っていこう、昔のように……って黒井?」



黒井「………………」









バタン!!!!









「ジーーーーーーーーーッッッッザスッッッッッッ!!!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ









雪歩「きゃあ!!!!」



小鳥「く、黒井社長!?」



伊織「これは……」



真「遅かった、ようだね……」



春香「のワの;」









黒井「ぐぅおおおぉおう!!!!!!ぁががあぁぁががっがががががっがががが!!!!」ゴロゴロゴロゴロ



高木「お、おい、黒井、どうしたんだ?」



黒井「おのれぇえええ!!!たかぎっっっっ!! グァ!!!! 毒を盛ったなぅううううああぁあおああ!!!!!」ゴロゴロゴロゴロ



高木「ど、毒? いや、決して私はそのような」



黒井「うあぁあああああ!!!! 死ぬ!!!! 死ぬぅ!!!! ぐぅぉぇえええええええええ!!!!!」ジタバタジタバタ



小鳥「大丈夫ですか!? 黒井社長!?」



黒井「あごごごごごおごごごごごおごごごおごごあうごごごごごごごごご…………」ブクブクブクブクブクブク



高木「ああ!! 黒井が蟹のように泡を!? あ、赤い泡を!!??」









伊織「……ど、どうすんのよ、アレ」



真「……春香の、せいだからね」



雪歩「お、恐ろしい威力ですぅ……」ガタガタガタガタ



あずさ「人の身体って、あんな方向に曲がるモノなのかしらぁ……」









春香「…………は、春香さんったらドジっ子ぉ☆」コツン☆













千早「その後、黒井社長は真の渾身の腹パンによってクッキーを吐き出し、一命を取り留めました」



千早「その一件依頼、961と765の関係は悪化」



千早「黒い社長の「765プロは毒物を所持している」との通報により警察に事務所内を捜査される自体に陥りました」



千早「警察に押収される前に、我那覇さんと四条さんの口にクッキーを詰め込んだ事により証拠は見つからず」



千早「激昂する黒井社長の叫び声だけを残し、この事件は収束を迎えました」



千早「……その後、我那覇さんの頭髪が全て白髪に変わり果て入院した事は、まだ、記憶に新しいですが」



千早「765プロには、平和な日常を取り戻しました」



千早「その後、春香には罰として3ヶ月間のドジっ子禁止令が発令され」



千早「ネット掲示板等には「天海春香が全く転ばなくなった件」等のスレッドが乱立し」



千早「民報のニュースにまで取り上げられましたが、それが寧ろ春香の人気に火をつけ」



千早「等の本人は、今、大忙しです」





千早「……」フゥ



千早「一枚のクッキーが引き起こした今回の悲劇……」スッ



千早「ともあれ、大事に至らずに済んで、よかったわ……」





響「自分にとっては十分大事だぞっっっっ!!!!!!!!!!!!」



貴音「少し塩辛かったですが、食べられないほどではありませんでしたよ? 響」サクサク



響「ひいぃぃぃいいいいぃい!!!!!クッキーぃいいいいいいいいい!!!!!」ガタガタガタガタ!!!!



貴音「コレは普通のくっきーですよ、響」サクサクサクサク



響「口の中に海が入ってくる!! 蒸留した! 濃度の高い塩に溺れる!! あぁあぁああああ!!!!」ガタガタガタガタ





千早「不憫な……」サクッ





貴音「あ、それは私がとっておいた、春香のドジっ子クッキーですよ、千早」







千早「…………え?」







おわり



21:30│天海春香 
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