2014年08月07日

向井拓海「アタシは、アンタを信じてる」






P(今日は8月7日、拓海の誕生日だ)





P(事務所の皆で盛大に祝おうかと思っていたが、残念ながら予定を合わせられなかった)







拓海『そんな騒がしくしなくていいっつーの』







P(拓海自身もそう言っていたが…)











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ザザーン…

ピチャッ…パシャッ…







P「…静かだな」



拓海「…そうだな」



P(海に行きたいという拓海の提言を受け入れ、俺達は海に来ていた)



P「よかったのか? 俺と二人で」



拓海「だから言ってんだろ? アンタと二人がいいって」







拓海「それにもう誕生日メールは皆から貰ってるぜ」



P「…みんな早いな」



拓海「どいつもこいつも午前0時に送ってきやがって…ほんとバカだな」クスッ



P「嬉しそうだな」



拓海「まぁな。日付が変わったと同時に祝われるのは悪い気はしねえよ」



P「…折角の誕生日だから、パーティーでも開こうかと思ったんだけどな」



拓海「ムリなものは仕方ねーよ。それに…」











ぎゅっ…



拓海「アタシはPと二人でいたいんだよ…イヤか?」











P「………イヤジャナイヨ? ボクモタクミトイッショニイタイヨ?」



拓海「何でカタコトなんだよ…まぁいいや」



P(…夏は心を開放的にするというが、なんか拓海も開放的になってる気がする。抱き着いてきておっぱい当たってるあばばばば)



拓海「…鼻の下伸びてんぞ?」ジトー



P「押しつけといてその言い方は酷くない?!」



拓海「やっぱPも男だな」クスッ



P「ぐぬぬ…拓海も駆け引きを覚えるようになったのか」



拓海「やられっぱなしは性に合わねえんだよ」







P「そ、そういや最近は言葉遣いが柔らかくなったな」



拓海「そうか? アタシ自身は変わった自覚はねえけどな…」



P「こう、なんというか…昔はもっとトゲトゲしてたような」



拓海「…そんなにアタシ突っ張ってたか?」



P「そりゃもう。皆ビビってたからな」



拓海「…そんなつもりはなかったんだけどな」ズーン















拓海『…向井拓海だ』



みく(な、なんかスゴイ子が来ちゃったにゃあ…)



比奈(怖いっスよ! なんですかこの子は…)



P『みんな仲良くしてやってくれ』



みく(大丈夫かにゃあ…?)



比奈(多分だいじょばないっス…)







拓海『…オイ』



みく『ふにゃあ! ど、どうかしましたかにゃ?』ビクッ



拓海『そのステップってどうやってんだ?』



みく『え? ああ、ここでこうクロスして…』



拓海『なるほど、わかりやすいな…サンキュ』



みく(…ひょっとしてマジメな子なのかにゃ?)







比奈『んー! んー!』ノビー



比奈(あの荷物を取りたいのに…届かないでス)



拓海『…オイ』



比奈『うひゃぁっ!? な、なんでスか?』



拓海『あの高ぇ所のやつが取りてぇんだろ? ほら、支えてやるから』



比奈『あ…脚立をわざわざ持ってきてくれたんでスね』



拓海『必要なモンなんだろ? ほら、さっさと取りな』



比奈(ぶっきらぼうだけど…他人を気遣えるいい子でスね)













P「比奈とみくなんか最初はビビッてたぞ?」ケラケラ



拓海「…言われてみりゃ、そんな反応だったな」



P「まあ今じゃそんなことは皆無だけどな」



拓海「よく考えたらアイツらよくアタシなんかを受け入れてくれたな」



P(…拓海だから受け入れられたんじゃないかなーって)







拓海「しっかしアタシもよくここまでやれたもんだな」



P「そんなに投げ出しそうになったのか?」



拓海「3回目のLIVEバトルで大敗した時は流石に挫けたぜ…」



P「あぁ、あれか…まぁ元シンデレラガールが相手だったからな」



拓海「…Pが居なかったらとっくにアイドル辞めてたな」















P『…ここにいたのか』



拓海『………』



P『今日のLIVEバトルは相手も格上だった。拓海ひとりの責任じゃ…』



拓海『…えよ』



P『え?』







拓海『ハッキリ言えよ! アタシのせいで負けたって!』







P『いや、だから…』



拓海『二度のステップミス、サビ前で歌詞も間違えた…明らかにアタシのせいだろうが』



P『…拓海』



拓海『…んだよ』







P『何でもかんでも自分一人で背負い込むな!』



拓海『!』ビクッ







P『拓海のせいで負けた? そうは思わないな。今日の敗因はユニット全員にあった』



P『みくは出だしで歌詞を走ってリズムを崩した。春菜はサビの途中でスタミナ切れ。ユニットとしての成熟度自体が足りてないんだよ』



拓海『…』



P『それを自分一人のせいだ? いつからお前はそんな超人になったんだ?』



拓海『………もっともだ』



P『だからな…』











ぎゅっ



P『今日の負けを、糧にしていこう』



拓海『あ…』



P『お前らも未熟かもしれないけど、俺も未熟者だ。だからこそ、みんなで高めあっていこう』







P『必ず、上のステージへ行こう。俺たちならできるから』







拓海『あ、あぁぁ…』



P『…明日から出直しだ。今日は思いっきり泣いていいぞ』



拓海『う…うわぁぁぁぁ!』



P『………』ナデナデ



拓海『うっ…グスッ…ヒッグ…』



P(…必ず、トップアイドルになろう。拓海ならなれるから…)













拓海「Pが怒鳴ったのってあの時が最初で最後か」



P「怒鳴るつもりはなかったんだけどな…一番辛いのは負けた本人だし」



拓海「…あの時Pが言ってくれたから、今のアタシがあるんだ」



P「………」



拓海「アタシはこれでも感謝してるんだぜ?」



P「…感謝されるようなことはしてないぞ?」



拓海「Pにとってはそうかもしれねえけどな。それでも言わせてくれよ」



拓海「P…ありがとな」



P「…どういたしまして」







P「そうだ。拓海にプレゼントがあるんだ」



拓海「…ヘンな衣装だったら突き返すぞ」



P「安心しろ。マジメに選んだ品だから」



拓海「ならいいけど…」



P「はい、プレゼントだ」スッ



拓海「? 細長のケース…か?」



P「開ければわかる」







カパッ



拓海「これは…ネックレスか!」



P「8月7日の誕生石だ。イエローアパタイトっていうんだ」



拓海「へぇ…キレイだな」



P「石言葉は『欺く、惑わす、たわむれる』らしいな」



拓海「ちょっと待て?! いい意味がねーじゃねえか!」



P「…この誕生石の人間は、気持ちが先走りしやすいそうだ」



拓海「!」ギクッ



P「その石を見て、地道に積み重ねることを忘れないでくれ」



拓海「…わかったよ」







拓海「なぁ、これつけるの手伝ってくれねえか?」



P「もうつけるのか?」



拓海「折角Pがくれたんだからな。着け慣れてねえから」



P「わかったよ。ほら、後ろ向いて」



拓海「はいよ」クルッ



P(…なんだろう。ネックレスをつけるだけなのにヘンな気分だな)







P「よし、できたぞ」



拓海「どうだ…似合ってるか?」



P(ネックレスをつけただけなのに、セクシーさが増したような気がする)



P「似合ってるぞ」



拓海「ネックレスなんてアタシには縁がねえモンだと思ってたけど…悪くねえな」



P「気に入ってもらえたなら何よりだ」







拓海「P」



P「なんだ?」



拓海「このネックレスに誓って、アタシは必ずトップアイドルになってみせる」



P「…」



拓海「それはアタシ一人じゃ無理だ。アンタと一緒じゃなきゃなれねぇ」



P「じゃあ俺は拓海の背中を支える係かな?」



拓海「ああ。アタシの背中はアンタに託したぜ」



P「託された」







拓海「アタシはアンタとなら何だって出来るんだからよ!」







P「それじゃあ、今度はカワイイ衣装を着てもらおうか」



拓海「何でそういう方向に話が行くんだよ?!」



P「ん? 今なんでも出来るって言ったよね?」



拓海「揚げ足とるんじゃねーよ…!」



P「袖にフリフリのついたエプロンでいこうか」



拓海「ヤメロォ! お料理教室はもういいだろォ!」



P「あれ結構反響が大きかったからな。実はもう次の企画原案は出来てるんだ」



拓海「………は?」







P「たくみんのパーフェクトお料理教室!」



拓海「アタシはもうやらねえぞ! 絶対やらねえからな!」



P「えぇー…そんなー…」ジーッ



拓海「イヤなものはイヤなんだよ! アタシの柄じゃねえんだよ!」



P「みたいなー…たくみんのエプロン姿がまたみたいなー」ジーッ



拓海「そんな上目使いしてもやらねえからな」



P「………」ジーッ



拓海「うっ…」



P「…どうしても、イヤか?」



拓海「…ッ! ああもう! なんでも持ってこいや!」







P「拓海ならそう言ってくれるって信じてたよ!」ニパー



拓海「コロッと表情を変えやがって…」



P「なぁにぃ〜聞こえんなぁ〜?」



拓海「テメェ…ホントいい知略だなオイ」



P「はて、何のことやら」シレー







拓海「ちったあカッコいい仕事取ってこいよ!」



P「え? ひな祭りのお仕事持って行ったじゃん?」



拓海「アレだけじゃねーか! アタシはもっとカッコいい路線でだな…」



P「そうは言うけどな。お仕事取ってくるのも簡単じゃないんだぞ?」



拓海「む…それを言われちゃ仕方ねえな」



P「ちひろさんに袖の下渡して黙認してもらってるというのに…」



拓海「なるほど…Pも大変なんだな」



P「そうだぞ。拓海にワザとカワイイ仕事を持っていくために努力してるんだ」











拓海「…あ゛? 今なんつった?」



P「あっ」











拓海「アタシにワザとカワイイ仕事を持っていく…?」



P「あ、いや、ジョウダンデスヨ?」



拓海「…おいP」



P「はい!」ビクッ



拓海「アタシの目を見ろ。逸らすんじゃねえ」



P「はい」



拓海「…実はカッコいい仕事が他に来てたんじゃねえのか?」



P「………」











ダッ



P「さらばだっ!」



拓海「やっぱ来てたのか?! 待ちやがれ!」

















拓海「っしゃあ、捕まえたッ!」ガシッ



P「おわっ!」







どさっ



P「…あのー、拓海さん」



拓海「なんだよ」



P「男に馬乗りでまたがるのはちょっとマズイんじゃ…」



拓海「そうでもしねえとテメエ、逃げるだろ」



P「ソ、ソンナコトシナイヨー?」プイッ



拓海「こっち見て言え」







拓海「言い分があるなら聞いてやる」



P「…俺の趣味っていうことは否定しない。でも理由はあるんだ」



拓海「理由あったのかよ…」



P「アイドルを始めた当初の拓海に一番欠けていたのが、女の子らしい振る舞いだった」



拓海「カッコいいアイドルを目指すんだったら、必要ねえんじゃねえの?」



P「どんなにカッコよさを追及しても、それは女の子のカッコよさなんだ。ベースとなる女らしさは絶対に欠けちゃいけないんだ」



拓海「女らしさを身に着けるために、ワザと仕事をチョイスしてたってわけか」



P「少々荒療治になってしまったことは謝るよ。でも何の理由もなしにやっていた訳じゃ無いんだ」







拓海「そんなにアタシにカワイイ衣装を着せてえのか」



P「…できれば」



拓海「…だったら、着てやるよ」



P「ホントか?!」



拓海「一応理由もあるみてえだからな」



P「よーし、じゃあバニーとメイド服とスク水と…」



拓海「欲望丸出しだなオイ?!」



P「…着てくれないの?」



拓海「ハァ…わかったよ。全部着てやるよ」







拓海「なぁP。アンタには見えてんだろ?」



P「何がだ?」



拓海「アタシがシンデレラガールになる、ビジョンってやつが」



P「見えてるよ。出会ったころから、ずっとな」



拓海「…そうかい。じゃあもうPの方針に文句は言わねえよ」



P「全権委任か?」



拓海「ああ。アタシの全てをアンタに託す」



P「責任重大だな」ハハハ



拓海「頼んだぜ、P」











「アタシはアンタを、信じてるからよ!」







おわり。



23:30│向井拓海 
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