2013年11月16日

モバP「仕事じゃないのか?」

藍子「ふふ、今日はお休みですよ」

P「じゃあなんでここにいるんだ?」

藍子「Pさんの顔が見たかったからに決まってるじゃないですか」


P「おいおい。そういう勘違いを招くような発言は控えろよ? どこでレンズが光ってるか分からないんだからな」

藍子「ごめんなさい。でも、たまにはいいでしょ?」

P「よくはないんだがな……。まあいいや、せっかく来たならゆっくりしていけ」

藍子「ええ。そうさせてもらいますね」

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P「お茶淹れるからちょっと待ってろ。よいしょ……っと」

藍子「ああ、私が淹れるから構いませんよ。Pさんは座ってて下さい」

P「客人をもてなすのは家主としての務めだろう。ええと、お茶の葉はどこに置いたかな……」

藍子「そこの戸棚ですよ」

P「お、あったあった。よく分かったなぁ」

藍子「そりゃあPさんがどこに置いてるかくらい把握してますよ」

P「なんだ、ストーカーみたいな発言だな」

藍子「あっ、ひどい。いいですよー、Pさんの分は熱々にしてあげますから」

P「冗談だ。勘弁してくれ」
藍子「はい、どうぞ」

P「すまんな。結局淹れてもらって」

藍子「いいんですよ。私が好きでやってるんですから」

P「はは。トップアイドルにお茶を淹れてもらうなんざ、贅沢が過ぎてバチが当たりそうだよ」

藍子「ファンの人に嫉妬されちゃいますね」

P「笑い事じゃないぞ? 買い物に付き合っただけでブログが散々な目になったじゃないか」

藍子「そんな事もありましたねぇ……。熱狂的なファンの人が事務所に乗り込んできちゃいましたし。ふふっ」

P「笑えないっての」
藍子「いえ、その時のPさんを思い出しちゃって。暴れるファンを制止する姿は格好良かったですよ」

P「護身術を習ってて良かったとつくづく思った」

藍子「いいか、藍子はそんなふしだらな子じゃない。お前もファンならどうして信じてやらないんだ! でしたっけ」

P「よく覚えてるな」

藍子「嬉しかったんですから。私を庇ってくれた事が」

P「事実を述べたまでだよ」

藍子「あの時思ったんですよ。ああ、私はこの人に着いてきてよかったなーって」

P「よせやい」
藍子「それからこうも思いました。これから先も、ずっとこの人に着いていこうって」

P「……嬉しいな」

藍子「ふふ、私の勘も間違いじゃなかったみたいですしね」

P「どういう事だ?」

藍子「内緒、です。ふふ。あ、やだ私ったら。お茶請け忘れちゃってましたね。取ってきます」

P「すまんな。いろいろ気を使わせちゃって」

藍子「今更ですよ。Pさんと私の仲じゃないですか」

P「だからそういう事を言うなと」

藍子「耳たこでーす」

P「やれやれ……」
藍子「はい。煎餅とお饅頭がありましたけど、どちらにしますか?」

P「じゃあ煎餅をもらおうかな」

藍子「はい」

P「ありがとう」

藍子「いえいえ」

P「……しかし、俺は贅沢者だよな」

藍子「そうですか?」

P「休みに縁側でお茶を飲みながら庭に咲いた花を見て楽しむ。傍らには可愛いアイドルだ。贅沢以外のなんでもないよ」

藍子「もっと独り占めしていいんですからね? 私でいいなら」

P「……もう充分独り占めしたさ」

藍子「……そうですか」
P「なあ藍子」

藍子「はい、なんですか?」

P「お前は幸せか? 俺に着いてきて」

藍子「さっきも言いましたよね。私はそれを自分で選び、その結果に満足してるって」

P「その言葉を完全に信じられないとは、歳は取りたくないもんだな」

藍子「……ね、Pさん」

P「ん?」

藍子「よかったら私の膝の上に頭を乗せて下さい」

P「迷惑じゃないか?」

藍子「まさか。そうなら言い出しませんよ」

P「じゃあ……お言葉に甘えるか。少しうとうとしてきてたしな」

藍子「はい♪」
P「なんだか久しぶりだな。藍子に膝枕をしてもらうのは」

藍子「そうですねー。いつ以来かな?」

P「相変わらず安らぐよ。うっかり寝てしまいそうだ」

藍子「寝てもいいんですよ。起きるまでずっとそばにいますから」

P「そんな訳にもいかないさ。それに」

藍子「それに?」

P「今寝たら、もう藍子に会えない気がするんだよ」

藍子「……」

P「はは、なんでだろうな。そんな訳ないのに」

藍子「ええ、そうですよ。そんな訳ないじゃないですか」
P「だけど、怖いんだよ。このまま寝るのが。永久の闇に落ちていきそうで」

藍子「……なら、私が手を掴んであげます」

P「え?」

藍子「ずっと、ずっと。手を繋いであげます。そばにいるって伝えるために」

P「そうか……。なら、怖い事はないな」

藍子「ええ。今までずっと、そうしてきたんですから」

P「ああ、そうだな。なんだか安心したよ……」

藍子「ゆっくり休んで下さい。私は、ずっとあなたのそばにいますから」

P「ありがとう。藍子」

藍子「はい」

P「ずっと、愛してるよ……」

藍子「はい、私も……。私の居場所は、あなたの隣だけですから」



 風が風鈴を鳴らす中、2人は静かに永久の眠りにおちた。
 互いの手を繋いだまま眠るその顔は、安らぎに満ちたものだったという――。



P「だけど、怖いんだよ。このまま寝るのが。永久の闇に落ちていきそうで」

藍子「……なら、私が手を掴んであげます」

P「え?」

藍子「ずっと、ずっと。手を繋いであげます。そばにいるって伝えるために」

P「そうか……。なら、怖い事はないな」

藍子「ええ。今までずっと、そうしてきたんですから」

P「ああ、そうだな。なんだか安心したよ……」

藍子「ゆっくり休んで下さい。私は、ずっとあなたのそばにいますから」

P「ありがとう。藍子」

藍子「はい」

P「ずっと、愛してるよ……」

藍子「はい、私も……。私の居場所は、あなたの隣だけですから」



 風が風鈴を鳴らす中、2人は静かに永久の眠りにおちた。
 互いの手を繋いだまま眠る老夫婦の顔は、安らぎに満ちたものだったという――。




 
 ………
  …


ちひろ「そんな感じですかね?」

P「縁起でもない想像はやめてくれません? なあ藍子」

藍子「……ふぇ? あ、そ、そうですよ!」

ちひろ「ふむ、藍子ちゃん的には悪くないみたい」

P「いやまあ確かにそんな終わり方ならいいかもしれませんけど、明らかに俺ボケてますよねそれ」

ちひろ「ワーカーホリックはボケやすいっていいますから」

P「誰だよその現状作り出した張本人は」

ちひろ「さあ誰でしょ」

藍子「まあまあ……」
ちひろ「冗談は兎も角、せっかく私もお金出したんですから間違いはないように」

P「分かってますよ」

ちひろ「鬼や悪魔に誓って?」

P「いくらでも誓ってやりますよそんなもん」

ちひろ「よろしい。なら私は向こうに行くとします。お待ちしてますよー」

P「はーい」

藍子「ふふっ」

P「どうした?」

藍子「いえ、ちひろさんらしいなーって。自分を悪役みたいに」

P「あの人はそんなもんだよ。今に始まった事じゃないさ」

藍子「むー? ちひろさんの事よく見てるんですねぇ?」

P「仕事上一番接点があっただけだ。他意はない」
藍子「私がいなかったら惚れてました?」

P「どうだろな。ちひろさんは玉の輿に乗るんだーって言ってたからそんな目で見たことなかったから。それに」

藍子「それに?」

P「藍子がいないなんて、考えたくないさ――」

藍子「ん――。も、もう、気が早いですよ!」

P「いいじゃないか。これから何度もするんだから」

藍子「……はい」

P「今夜は覚悟しろよ?」

藍子「も、もう! 変な事言わないで下さい!」

P「はは、悪い悪い。それじゃあそろそろいこうか。あまり待たせ過ぎちゃ悪魔に怒られるからな」

藍子「はい! あ、Pさん」

P「どうした?」



藍子「さっきのお話しのような未来になるように、頑張っていきましょうね♪」





おわり
終わりダヨー。
>>14先読みしすぎちゃやダヨー。

思いついた瞬間スレ立ててた。オチが弱くて申し訳ない。
お付き合いありがとうございました!

08:07│高森藍子 
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