2013年11月17日

モバP「ここはわんわんののろい」

ザアアアア・・・


聖來「……いきなり降ってきちゃったねえ」

凛「今日は大丈夫だと思ったんですけど……」

ハナコ「くうん……」ブルブル

凛「ハナコ? どうしたの?」

聖來「! そういえば、ここって…………」

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凛「――動物病院跡……?」

聖來「そうそう。特に何かイワク付きって訳じゃあないんだけどね」

凛「ハナコ、やっぱり病院嫌い?」

ハナコ「わふっ!」ピョンッ

凛「あ、ハナコ……!」


タタタ・・・


タタタ・・・


聖來「何々、どうしたの?」

凛「これ…………」

ハナコ「くうん……」

聖來「箱? これって……」

凛「うん、捨てられちゃった犬みたい。でも……」

聖來「う! 死んでるね。それも、かなり前に……」




――ザアアアア・・・
―――数日後


P「のあさん、どうかしたんですか?」

のあ「…………」ヒソヒソ

P「はい、はい……」

のあ「…………」コショコショ

P「はい、ええ…………」

P「そうです、それがユニクロの底力です」
P「何なんですか、急に」

のあ「待ちなさい、最後までちゃんと聞いて」

P「はあ、ユニクロがどうしたんですか?」

のあ「今日打ち合わせする筈の小梅がまだ来てないのよ」

P「関係ないじゃねえかちくしょう」
P「……にしても、確かに気になりますね。小梅は遅刻なんてしない子なんですが……」

のあ「ええ。そしてあまり迷惑を掛けるような子でもないわ」

P「一応、連絡を取ってみましょうか……」


ガチャ・・・


小梅「あ、あの……」オズオズ

のあ「その必要は無さそうね」
P「おう、小梅。どうしたんだ、えらいお……そ……」

小梅(犬耳)「え、えっと……」ビクビク

のあ「あら」


P「…………」

小梅「あの、朝……起きたら、こうなってて……」

P「…………」



P「クラリスさーーーーーーーん!!」
小梅「っ!」ビクッ

P「天使! 天使が降臨しなすったよ!! 祈りましょう早く!!」

のあ「P、落ち着きなさい」ガスッ

P「」チーン

のあ「で、どうしたと……?」
小梅「え、えっと……今朝、目が覚めて……頭が、むずむずしたから、鏡を見たら……」

のあ「そうなっていた、と……」

P「あの子は何か知ってなかったか?」ムクッ

のあ「随分早いお目覚めね」

小梅「あ、そうだった……。眠らないから、何か知ってるかも……」
小梅「…………」ヒソヒソ・・・


――――

のあ「……驚かせようと付け耳をしたという可能性は無いの?」

P「まさか。そんな事をするのは貴方だけですよ」

のあ「ええ、そうね。まあ、今回はみくも騒がなくて済みそうだわ」


ガチャ


凛「ただいま戻りました」

P「おお、凛お帰り」

のあ「お帰りなさい」

凛「どうしたの? のあさんと2人だけなんて珍しいね」
P「いや、小梅もあそこにいるんだけどさ……」

凛「あ、ホントだ。ますますおかしいよ、プロデューサーが小梅ちゃんを放っておくなんて……」

P「……ま、話しておくか。じきに分かることなんだし……」

のあ「そうね、それが賢明よ」

凛「……?」
P「でも、ええと……。どう話したらいいもんかね……」

小梅「あ、あの……プロデューサーさん……」ヒョコ

凛「!!?」

のあ「どうやらその必要も無いようね」

凛「かわいい……」ボソ

P「ん、何だ? 驚いたのは分かるが」

凛「! な、何でもない!」プイ
――――


P「――ええと、話を整理すると……」

のあ「犬の怨霊らしきものが、昨日から事務所の周囲を彷徨っていて……」

P「それで、『あの子』が守ってくれたはいいが?」

のあ「波長が合ってしまったらしく、中途半端な呪いを受けて、耳が生えてしまったと……」

小梅「う、うん……」コクリ

凛「それって、ヘタすると丸々犬になってた可能性もあるってこと?」

P「だとすると、この程度で済んで良かったってことか……?」
小梅「で、でも……。この子、消えかかってる、から……。呪いは、そう長く持たないみたい……」

小梅「何にしても、持って、1日くらい……」

P「ううむ、今日は安静にしておいた方がいいって事か……」

のあ「事務所の周囲を彷徨っていたのよね? なら極力動かない方がいいのではないかしら?」

小梅「うん……。離れたところから来てるみたい、だから。本当なら、もっと、強力な呪いだったのかも」

のあ「そこに近付いてしまう可能性もあるのね。ならやはり大事を取るべきだわ」
小梅「じゃ、じゃあ今日のお仕事は……?」ピコピコ

P(ちょっとづつ動き始めてるな……。呪いが効き始めてるってことか?)

P「かわいい」

小梅「え?」ピコ

P「じゃ、無かった。今日はお休みだな。これじゃ仕事どころじゃないだろ」

小梅「そ、そっか……」ペタン

凛「かわ……じゃないや、プロデューサーはどうするの? このまま小梅ちゃんを見ておく?」

P「ああ、そうしよう。溜まった書類を整理しないといけないから却って好都合だ」

小梅「!」ピコ

のあ「P……。私の打ち合わせは?」

P「あ、それくらいなら済ませられるとは思います。小梅も――」

小梅「あ、えと……」ペタン

P「すいません、また延期ということで……」

のあ「まあ、仕方の無い事ね……」

小梅「そ、そんな……。悪い、です……」ピコピコ♪

P(かわいい)

のあ(かわいい)
のあ「自主レッスンにでも向かっておくわ……。途中でみくも拾う」

P「ユニットの練習ですか。精が出ますね」ハハ

のあ「じゃあ、行ってくるわね……」ガチャ

P「……っと、凛はどうする?」

凛「何だか小梅ちゃんに悪いから、私もトレーニングに向かうけど、その前にね……」

P「どうした?」

凛「一つ、心当たりがあったなと思って……」
――――


P「捨て犬の、ねえ……」

凛「ひょっとして、私たちが見つけてしまったからかなって……」

P「いや、その行動自体に問題は無いと思うが……」

小梅「で、でも……それで目を付けられた、ってことはあり得る、かも……」

凛「やっぱり、お墓か何か、作ってあげれば良かったのかな」

P「んー……。ま、事が終わったら、俺と小梅でその病院跡とやらに向かってみよう」

小梅「気にしてないよ、って、教えてあげるから……」

凛「ん、そっか。いい子だね」ナデナデ

小梅「……っ」ピコピコ
凛「じゃ、それは任せておこうかな。じゃあ、私も行くから」

P「おう、気をつけてな」

小梅「い、いってらっしゃい……」フリフリ


バタム・・・


P「さて、俺も仕事片づけないとな……」

小梅「わ、私はどうしたらいい……?」

P「ん? しばらく映画でも観ていてくれ。DVD持ち込んでたろ?」

小梅「わ、分かった……。そう、するね……?」ペタン・・・

P(ぐ……我慢だ、我慢……!)
――――

<・・・〜♪

<・・・コレカラ・・・

P(しまった……)カタカタ・・・

P(不協和音で仕事しづらい……!)カタ・・・

P(でも……)チラ

小梅「〜♪」ピコピコ

P(あの天使を止められる訳が無い……!)
小梅「……? あ、プロデューサーさん、仕事、終わった……?」ピコピコ♪

P「え!? あ、ああ。もう少しだ……!」カタカタ

小梅「そっか……」ペタン

P(ぐ…………! も、もう1時間もすれば片づくだろ?)

P(それまでの辛抱だ……!)カタカタ・・・
―――30分後


<ギュイイィィィ!! ギャアアァァ!!


P「うわ……」ナデナデ

小梅「〜♪」ピコピコ

P「うお……!?」ナデナデ

P「…………」ナデ・・・

小梅「……?」ピコ



P(俺は何をしているんだ!?)
P(仕事はどうした!? もう片づいたっけか!?)・・・ナデナデ

小梅「……〜♪」ピコピコ

P(じゃあ、あの書類の山は何なんだ!?)ナデナデ

小梅「あ、終わった……」ピコ

P(ま、しょうがないよな……? 天使いるし)

小梅「え、えへ……。次は、何観る……?」ピコピコ
――――


P「…………」ナデナデ

小梅「〜♪」パタパタ

P「…………」ナデナデ

小梅「……きゅううん……♪」パタパタ



P(尻尾生えてる…………)ズーン
P(明らかに呪い進行してないかこれ……)ナデナデ

小梅「〜♪」スリスリ

P(どうしようもない僕に天使が降りてきたんだけど……。本当に悪霊かこれ……)ナデナデ

小梅「…………わふー……♪」ピコピコ

P(精神まで飲まれてる気がするし……)
P「…………」ピタ

小梅「……?」パタ・・・

P「…………」ジーッ

小梅「…………?」アソンデクレナイノ?

P(尻尾、どこから生えてるんだこれ……)

小梅「? ……?」ネエネエアソンデヨ

P「ちょっとだけ……」スッ

小梅「きゃうっ!?」ビクンッ
P「あ、悪い悪い」

小梅「…………がる……」フーッ

P(神経通ってるっぽいぞ……)

P「なあ、悪かったって……」ナデ

小梅「わふ……」トロン

P(しばらく下あご撫でておくか……)

小梅「〜♪」パタパタ
――――


ガチャ・・・


凛「ごめん、やっぱり気になったからお墓作ってきちゃっ――」

聖來「丁度レッスンに向かうところで遭遇してね! 言葉伝えるだけからちゃんと弔ってからで――」


小梅「わふー!」キャッキャ

P「うりうりー! お腹か! お腹が好きかー!」ナデナデナデナデ


凛「」

聖來「」


P「んー? 今誰、か……」ピタ

小梅「きゅう……?」ハッ

小梅「あ、あれ…………?」キョロキョロ
凛「ふーん…………?」ドドドドドドドド

聖來「ほーう…………?」ゴゴゴゴゴゴゴ


P「っ! た、タンマ! 見ろ! 小梅が戻ったぞ!!」

小梅「…………〜〜〜〜〜っ///」ボフン

凛「言いたいことはそれだけ……?」ドドドドドドドド

聖來「安心しなよ……。早苗さんは呼ばないから……」ゴゴゴゴゴゴゴ

P「」

小梅「ば、ばかばか……!」ポカポカ
―――翌日


P「――――花、買ってきたぞ」ボロッ

小梅「う、うん……。じゃ、行こっか……?」

P「場所は……。まあ、車で行こうか」

小梅「そ、そうだね……。それと……」



小梅「昨日は、ごめんね……?」

P(……耳なくても天使だったか)


fin
○おまけ

小梅『ぷ、プロデューサーさん……。ど、どうしよう……? な、何だか切なくなって……』スル・・・

P『こ、小梅!? 落ち着け!』


・・・・・・・・

比奈「――動物ネタなら、発情展開って必須だと思うんスけどねえ……」

ちひろ「事務的に却下で」ニッコリ
えるしってるか

えすえすのいきぬきにえすえすをかくと

めっちゃめがいたくなる


画像先輩と読んでくれた方々に感謝しつつ終わります
あ、おまけの

ちひろ「事務的に却下で」



ちひろ「事務所的に却下で」

で。誤字だね。

08:18│モバマス 
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