2014年08月18日

モバP「みれなお」




どこかの洋館にて……







美玲「むーっ……」プクー



奈緒「おーどうした美玲? そんなふくれっ面して」



美玲「ふくれっ面って言うなッ。ちょっと考えごとしてただけ!」



奈緒「考えごと?」



美玲「うん……今日のお仕事、なんでウチが選ばれたのかー、とかいろいろ他にもあるけど何より……」



美玲「なんでウチがメイドのカッコなんかしなきゃいけないんだッ!」



奈緒「撮影現場来てから言うことか!」





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奈緒「美玲だって今回の撮影はメイドでやるって、仕事きたときに聞いてるはずだろ?」



美玲「聞いてるぞ! ここで着る衣装だってちょっと前に見せてもらったし……」



美玲「でも、こうやって現場に来て衣装を着ると……」



美玲「んんー……ッ!なんかよく分かんないけどワケ分かんないんだよッ! メイドとか!」



奈緒「いや、いったい何から分かんないんだそれは!」





美玲「メイドってアレだろ? お客さんを……ご、ゴシュジンサマーとか呼んだりする……」



奈緒「んー、そうだなー。だいたいそんな感じだな」



美玲「そもそもなんなんだよッ、メイドって! お茶とか出すだけならそれだけでいいだろッ!」



美玲「別にこんなヒラヒラしたの着なくたって……うー、またスースーする……」



奈緒「そりゃ全くもっともな意見だ……」



美玲「ほらっ、奈緒だってそう思ってるんならなんか言いたいこととかないのか?」



奈緒「うーん、言いたいことったってなぁ……」





奈緒「あたしの中じゃさ、メイドってこういうもんだよなーってのがもう何となくあるんだ」



美玲「こーいうのってどーいうのだよっ」



奈緒「さっきの『ご主人様』だったりこの衣装だったり……かな」



奈緒「もう今までたくさんの人がメイドってのを試してきてるワケだろ?」



奈緒「色んな人がこうした方がカワイイって考えた結果がコレ……みたいな? まあイメージだよイメージ!」



美玲「イメージか……なんか結構マジメっぽい話になったけど……」



美玲「っていうかすっごい詳しいな奈緒って。何かやってるのか?」



奈緒「え!? あー……まあ前にもやったし、メイドって結構観るし、そのこともあっていろいろ造詣も深いというか……ははは」



美玲「そんなに見るか? メイドって」





美玲「でさ、結局ゴシュジンサマとかって言ったほうがいいのか?」



奈緒「そうだな……あ、でも言い方は別でもご主人様とメイドって関係を意識して……」



美玲「あー、また説明されるのはメンドくさいぞ! どうせだったらお手本見せてよ!」



奈緒「お手本!? いや、それこそあたし何すりゃいいのか……」



美玲「だって奈緒、前にもこの仕事やったんだろ?」



美玲「ならセンパイってことでその時にやったこととかさ」



奈緒「前にやったの? あぁ、アレとか……いや、でもどうしようか……」







美玲「ウチだってやるんならちゃんとやりたいし……」



奈緒「……意外と仕事に真摯だよなー、美玲って」



美玲「別にッ。テキトーって思われるのが一番イヤだからなっ!」



奈緒「そっか、なるほどな……」



奈緒「っし、分かった! あたしも覚悟決めた! 今からお手本見せてやるからな」



美玲「おおっ、ホントに?」



奈緒「あ、でも もうちょっとこっち寄ってくれるか? あんま見られたくないし……」



美玲「? 分かったぞッ」







奈緒「さて、と……いいか美玲? 今から見るのはあたしじゃなく一メイドだって考えてくれよな」



美玲「何だそれ?」



奈緒「あたしがあーだこーだやってるように見るんじゃないってこと! あと、お手本のために見せるだけだからな!」



奈緒「行くぞ……絶対一度しかやらないからな……」



美玲「わ、分かった……」ゴクリ







奈緒「はぁい♪ ご用件はなんでしょうか? ご主人様っ♪」



奈緒「あっ、コーヒーですね! 分かりましたぁ、少々お待ちくださいませ♪」キャピッ







奈緒「…………」



美玲「お、おぉ……」パチパチ



奈緒「ありがとう……ただ拍手はやめて」







美玲「う、うん……でもそっか、これがメイド……なのか?」



奈緒「とりあえずこんな風ってだけだよ。それっぽくやっただけだから……」



P「ああ、前よりなかなかそれらしくなった。あ、飲み物だったら俺にも……」



美玲「うわぁッ! プロデューサー!」



奈緒「アンタは何さりげなくいるんだよプロデューサー!! まさか見てたのか!?」



P「いや、今さっき来たばっかりだが……二人とも何してたんだ?」







美玲「今、奈緒にメイドとか教わってたところなんだぞ! そっちこそ何しに来たんだッ」



P「ああ、ただちょっと様子見に来たのと、撮影 次が美玲の番だからな。そのことを伝えに」



P「それまでもう少し時間はあるけどな。そうしたら奈緒がご主人様ーって」



奈緒「やめろ! すぐにさっきの記憶を消せ! 忘れろ! 忘れてくれ!」



P「はっはっは、いやあ実に良いものを見せてもらった」



奈緒「この……! プロデューサーには見られまいと思ってたのに……!」







美玲「ううッ、もうウチの番なのか……」



美玲「なあ、何すればいいんだ? やっぱ奈緒みたいのしなきゃいけないのか!?」



奈緒「露骨にイヤそうな反応するな! まあアレ恥ずかしいのは分かるけどさ……」



美玲「あ、ちょうどいるんだし、プロデューサーからもなんかアドバイスとか言ってよ!」



P「アドバイスね……一応さっきの奈緒のマネをしてみたらどうだ?」



奈緒「アンタもまだ言うか!」



P「あくまでアドバイスするための参考にだからな?」



P「やましい気持ちがあって言ってるんじゃないから許してくれ」



奈緒「ホントだろうな……じゃあ美玲、ちょっとやってみてくれるか?」



美玲「ええっ!? わ、分かった……やってみるぞッ」







美玲「ご、ご用件は……なんでしょう、か? ごご、ご主人さ……」



美玲「ってこんなの言えるかあッ!!」ペシーン



P「半分ちょっとしか言えてないぞ、頑張れ頑張れ」



美玲「うるさいうるさいッ! そんなに見られてたら出来るワケないだろ!」



奈緒「っていうかプロデューサー、楽しんでやってないよな?」



P「いや全く? あくまで参考のためだぞ」



奈緒「信用できないなおい……」







美玲「なんかもっと他のアドバイスとかないのか、プロデューサー!」



P「他にと言うと……まあ普通のことだがとりあえずはリラックスしとくといい」



P「本番でガチガチになってちゃ、さっきの練習だとかも何も意味ないからな」



美玲「なんだよッ、そういうの最初っから言えばよかったのに」



P「こっちも一応確認くらいはしておきたかったしな」



美玲「フンッ、じゃあちょっとだけうろついてくるからな」トコトコ…







トコトコ……





美玲「リラックスするのはいいけど……結局どうすればいいか全然分かってないぞ!」



美玲「『ご主人様』のは……なんか違うし、ウチがやるようなことじゃない! そもそも!」



美玲「あーもうッ! 最初より余計分かんなくなってきてるじゃんか!」



美玲「……とりあえずテキトーに休憩とかしとこ……」



美玲「あ、そういやさっきプロデューサー……」







奈緒「ったく、美玲の言うとおりだよ。最初からそれ言ってやればよかったのに」



P「まあ経験としちゃ、なんだかんだで美玲は任せた方が上手くいくんだけどな」



P「コンディションの確認がてらに珍しいものを見せてもらったってことでこれはこれで」



奈緒「アンタはちゃんとプロデューサーとしての仕事しろよな」



P「でも、奈緒だってもうちょっと直接教えてやればよかったんじゃないか? ご主人様以外にも」



奈緒「あーうっさい! それをいちいち取り上げるな!」



奈緒「あ、ほら美玲戻ってきたぞ!」







P「美玲、もう大丈夫なのか?」



美玲「大体へーき。休みすぎてもなんかアレだと思うし」



美玲「とりあえずコレ……ほらッ、プロデューサー。飲み物、お茶だけど」スッ



美玲「あ、こっち奈緒の分だぞ」スッ



奈緒「お、サンキュー」



P「おお、ありがとう。わざわざすまないな」



美玲「別に。さっき飲み物ほしいみたいなこと言ってたし……」



美玲「あっ、ウチがのど渇いたからついでで取ってきただけだぞ! プロデューサーのために行ったんじゃないからなッ!」



奈緒「おお、お手本のようなセリフだな」



美玲「なんのお手本だッ」







美玲「っていうかウチ結局どうすればいいか分かってないぞ! 休憩だけじゃどうにもなんないだろ?」



P「どうするって言っても、俺はそのままでもいいと思うぞ」



美玲「そのまま? 何もしないのか?」



P「何もしないというか、無理せずいつもみたいに振る舞う感じでもいいってことだよ。なあ奈緒?」



奈緒「そこであたしにフるのかよ! ……まあ、さっきのさりげない感じとかイイ感じだけどな」



奈緒「ある意味そういうメイドっぽいというか……」



美玲「どういうメイドだよッ。ってことはフツウのウチでもいいのか?」



P「ああ、構わないぞ」



美玲「じっとしてるのはスキじゃないぞ! 暴れたりしちゃってもいいんだな?」



P「そりゃもう思うようにやってくれ。でもちゃんとスタッフさんの言うことは聞いてくれよ?」



美玲「フフン、考えといてやるッ! そう言われたからには思いっきりやってやるからな!」







美玲「あ、そうだ。やっぱプロデューサーもご主人様とか言われた方がうれしいのか?」



P「え? いや、特にそういう訳じゃないが……どうしたんだいきなり」



美玲「別に言ってもいいかなって思っただけだぞ、あとさっきのリベンジ!」



美玲「それにウチがこんなこと言ってやるのもうないかもだぞ」



奈緒「それ自分から言うのかよ。大丈夫なのか?」



美玲「勢いでなんとかなるッ! ……たぶんだけど」







P「そう言うんだったら少しお願いしてみようか?」



美玲「分かった。じゃあ手 出してみろっ、プロデューサー」



P「手? こうでいいか?」スッ



美玲「よしっ、いくぞ……!」







パチンッ





美玲「ウチ頑張ってくるからな! ちゃんと見てろよな、ご主人様っ!」









美玲「ううッ……やっぱ恥ずかしいぞコレ!」



奈緒「美玲なりって感じで割といいんじゃないか? よくやったよ」



美玲「ホント? あ、でも本番じゃ絶対こんなのやんないからな!」



P「まあそれでも十分だ。もうそろそろ出番だろ? 思いっきりやってこい!」



美玲「当たり前だっ! じゃあ行ってくるぞッ!」





タタタ……









奈緒「……プロデューサーの言うことって、結果的にいい方向にいくこと多いから腹立つよな」



P「腹立つとはなんだ。これでもプロデューサーやってるんだからな」



P「ただ美玲が自分からああ言うとは思わなかったけども……しばらく話のタネには困らなさそうだ」



奈緒「やっぱ楽しんでるだろアンタ! ってかやめてやれ!」







そのあと、事務所ではメイドの美玲ちゃんで話題が持ちきりになったそうですが



言いふらしたプロデューサーは美玲ちゃんに無事ひっかかれたとかなんとか。







おしまい







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