2013年11月19日

橘ありす「やっぱり、プロデューサーですか」

ありすは、なんだかとってもつまらなくなってきました。

ありす「本も読み終わったし、ゲームも飽きたし…」

事務所のソファで足をぶらぶらさせていると、その横を誰かが駆け抜けていきます。


菜々「きゃあん! 遅刻しちゃいますぅーっ!」

ありす「菜々さん!? お月見ライブの衣装でどこに行くんですか!」

ドアを開けて飛び出していく菜々のあとを追ったありすは、

ありす「えっ――」

底の見えない穴に落ちてしまいました。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367414042

ありす「きゃああああっ」

叫んでみましたが、この縦穴はよっぽど深いようで、あたりを見回す余裕すら出てきたので、ありすは叫ぶのをやめました。
穴の内側には一面には戸棚や本棚がぎっしりとつまっていました。

ありす「菜々さんはどこへ…?」

落ちながら下を見てみますが、暗いだけでなにも見えません。
ひょいとありすが壁に置かれていた箱を取ってみると、

   高級おせち

と書いてありました。
でも、がっかり。からっぽです。

ありす「どこまで落ちるんだろう…だいじょうぶなのかな?」

これを持ってきてよかった、と思ってありすはタブレット端末を取り出して、ぽてぽてとタップします。

ありす「なるほど。地球の半径は6357km…」

なんだかとても眠たくなってありすがうつらうつらとしていると、
どっしーん!
とつぜん山のような衣装の上に落ちて、墜落はおしまいとなりました。

かすりきずひとつ負わずにありすが立ち上がると、長い通路を菜々が駆けていくのが見えるではありませんか。

菜々「うへえ! 遅刻ちこくぅ〜っ!」

彼女を追いかけていくと細長いホールにたどりつきました。
ホールにはずらりとドアが並んでいましたが、どれもカギがかかっています。

ありす「…ゲームではこういうとき、どこかにカギが落ちているもの…」

たしかに、ガラステーブルのうえに小さな金色のカギを見つけました。
それで開いたドアは、しかし小さいありすでも頭が通るかどうか、といったくらいの小ささです。

ありす「……ドアを大きくするには…」

  ドア 大きく
  約 15,900,000 件 (0.24 秒)

ありす「…車のことばっかり」

タブレットを仕舞って、ありすがテーブルに戻ってみると、星型のキャップの小瓶が置いてありました。

ありす「さっきまでは絶対になかったのに」

小瓶の首には札がくくりつけられていて、

   困ったときにはスタンザムだ!

と書かれていました。
うさんくさいので(それにありすは賢い子でしたので)小瓶の後ろを見てみると、怪しげな成分が書かれていました。

ありす(青色一号…?)

検索しようかと思いましたが、そのときありすはのどが渇いてることに気付いたので、がまんできなくなって飲んでしまいました。

ありす「あれ?」

気付いたときには、ありすはとても小さくなっていました。
それから見覚えのあるケーキや可愛らしいシュシュで大きくなったり小さくなったりしているうちに、
辺りはすっかり野原のようになっています。

ありす「ここ、どこだろう」

??「こ、ここ、だって…?」

ありす「誰っ!」

見回しても、草ときのこしかありません。

??「あ、あの…ココに居ますけどー…」

ありすの首くらいの大きさの(といっても、今の、ですけれど)きのこの上に、髪の長い少女が座っていました。
しばらく少女とありすは黙って見つめ合っていました。
そうしていると、ようやく少女はぼそぼそとした声で話しかけました。

輝子「…こ、ここが、どこかって、き、聞いた…?」

ありす「えっと、はい。わかるんですか?」

輝子「こ、ここは、ここだよ…フヒヒ」

ありす「えっ、と」

輝子「あそこは、こ、ここじゃ、な、ない。そちらも、こちらじゃ、ない」

ありす「そ、そうですね」

輝子「こ、ここは、ここ…フフ…分かりますか…」

ありす「ごめんなさい、よくわからないです」

輝子「フヒヒ…ど、どこかは、ここじゃ、な、ないから…」

ありす「すいません、人をさがしてるんですけど」

輝子「ひと? き、君は、ひ、ひとじゃないの…?」

ありす「あ、いえ、私も人ですけど、そうじゃなくて、"特定の"人を探してるんです」

輝子「と、"特定"の…フヒヒ、と、友達ってやつか…」

ありす「友達っていうか、同僚なんですけど。こう、ウサギの耳をつけて…」

輝子「ウサギの、み、耳…? さ、探してるのは、ひ、ひと、だよね…?」

ありす「そ、そうなんですけど、なんていうか、耳は作り物で」

輝子「ヒャッハァーッ! でっかくなっちゃった! 耳が! ファッキン手品ァーッ!」

突然立ち上がって叫びだした少女に、ありすは若干おびえました。

輝子「ゴートゥヘェェェルッ! …あ、これはまずいですか、はい」

少女はまた突然座り込みました。

輝子「きのこを食べると…大きく…」

ありす「えっ?」

輝子「きのこ…フフ…な、なんでもない」

ありす「いえ、あの、私いますごく小さくて、あっ元から小さいといえば小さいですけど…」

輝子「も、もともと、ど、どれくらいの、大きさなの?」

ありす「141cmです」

輝子「ナイトメアビフォアキノコーォッ! りっぱな背丈じゃねェかァーッ!」

また絶叫する少女に、今度は眉をひそめながらありすは尋ねました。

ありす「あの、それで、大きくなる方法を知ってるんですか?」

輝子「きのこの力を借りる…フフ…」

ありす「きのこにそんな効能が?」

検索して調べようかと思いましたが、さきほどから訳のわからないことで大きくなったり小さくなったりしているので、むだだと思い直しました。

何番煎じだとは思っていたけどタブレット持ってるとこまでかぶるとは…
??「にゃあん」

ネコの鳴き声がしたのでありすが辺りを見回すと、

??「こっちにゃ」

頭上から呼びかけられました。
ありすが見上げると、木の枝の上にさきほどのネコが座っているではありませんか。

ありす「みくにゃんさん」

そんな呼び方でいいのか自信がなかったので、ありすはおずおずと話しかけました。
けれど、ネコは足をぶらぶらさせたまま、笑みを深くするだけでした。

ありす「私、ひとを探してるんです」

みく「みくは探してないにゃ」

ありす「………。えっと、ウサギの耳をつけてる人なんですけど」

みく「うさぎとひとなら知ってるにゃ」

ありす「あの、ウサミミなんです」

みく「うさぎの耳なら知ってるにゃ」

ありす「………。どこに行けば見つかるか、わかりますか?」

みく「"どこか"に行きさえすれば、」

ネコは楽しそうに笑いながら言いました。

みく「そうすれば見つかると思うにゃ」

ありす「………。その、"どこか"に着けるでしょうか」

みく「そりゃあ着けるにゃ。そこまで歩いていけばねっ」

ネコがけらけらと笑うので、ありすは少し腹が立ってきました。

ありす「あの、この近くに誰かほかのひとは住んでいないんですか」

みく「あっちには帽子屋が住んでるにゃ。あっちには三月ウサギが住んでるにゃ」

ありす「ありがとうございます」

みく「好きなほうにいくといいにゃ。どっちも気が狂ってるにゃ」

ありす「…ええと、そういうのはあんまり良くないと思います」

みく「それはしかたないにゃ」

とネコ。

みく「ここではみんな気が狂っているのにゃ! みくも狂っている。君も狂ってるにゃ」

ありす「わ、私が狂っているってなんですか!」

怒鳴られても、ネコはふにゃふにゃ鼻唄を歌うだけでした。

みく「そのはずにゃ。さもにゃいと、こんなところに来ないでしょ?」

ネコの言っていることがありすはさっぱりわかりませんでしたが、こう続けました。

ありす「どうしてあなたは、自分が狂っているって思うんですか」

みく「理由はみっつあるにゃ。まずひとつめ。ネコはお魚が好きだけど、みくはお魚苦手〜」

ありすはふたつめとみっつめをじっと待ちましたが、
ネコは鼻唄を歌っているだけで続きを話そうとしなかったので、ありすは自分の思ったことを言いました。

ありす「ネコが魚を好きだというのは、魚を食べる文化圏だけでの話だって聞いたことがあります」

みく「どういうことにゃ?」

ありす「魚を好きじゃないネコもいるってことです」

みく「へえ。その子らも、気が狂っているにゃ」

ありす「そんなにみんなの気が狂っているなんておかしいと思います」

議論なら負けない、とありすは気合を入れて言い返しました。

みく「そうにゃ! やっぱりみんな"おかしい"にゃ!」

ありす「違います! そんなの変だって言ってるんです」

みく「みんなの気が"変"?」

ありす「だいたい、自分の気が狂っているなんていうひと、聞いたことありません」

みく「気が狂っているから、気が"利かない"のにゃ」

ありす「私は狂ってなんていません!」

みく「気違いはみんなそう言うにゃ♪」

ありす「……じゃあ、自分の気が狂っているっていうひとが、狂っていないってことなんですか」

みく「今日、女王様とクロッケーするのかにゃ?」

ありす「………。知りません、もうっ」

怒ったありすがそう言うと、ネコはふっと消えてしまいました。

ため息をついて、ありすがどこかへいこうとすると、

みく「ところで、赤ちゃんはどうなったにゃ?」

急にネコが見えてきました。

みく「もうちょっとで聞き忘れるところだったにゃ」

ありす「ウサギになりました」

なんだかばからしくなってありすはつんと答えました。
ネコはうんうんと頷き、

みく「そうだと思ったにゃ」

また消えてしまいました。
さよならも言えないのかと思いながら、ありすは歩き出しました。

ありす(帽子屋さんか…なにかいい帽子があるかな。だめだめ、今は菜々さんを探さないと)

みく「ウサギっていったにゃ? それとも草木?」

木の枝にさっきのネコが座ってにっこりしていました。

ありす「ウサギです」

ありす「いい加減にしてください! そんな急に消えたり現れたりされると、その、困ります!」

みく「わかったにゃ」

というと、ネコは今度はとてもゆっくりと消えていきました。
しっぽの先から消え始め、最後にはにこにこ笑いが残り、ネコがすっかり消えてもしばらく残っていました。

ありす「……ほんとうに、気が変になりそう」

珍しいものをみたので、写真を撮っておけばよかったな、と思いながらありすが歩いていくと、
木陰にテーブルが用意されていて、そこで三月ウサギと帽子屋がお茶会をしていました。
二人はヤマネを挟んで座っており、ヤマネはすっかり眠ってしまっているようでした。

ありす「こんにちは」

美羽「"コード"があるなら"優先"席へどうぞ!」

芽衣子「何事も"行動" ある の み、だよねっ!」

美羽「アル ミ缶のうえに あるミ ッシュ・メタル! …あ、あれ?」

二人が話し出すと止まらないので、ありすは長テーブルのはじっこに座りました。
大きくとふかふかしていたので、ありすの足は床につきません。

美羽「ジュース飲みます?」

ありす「ありがとう。……お茶しかないみたいだけど」

美羽「ないですからね」

ありす「え、と、どうして無いものを勧めたんですか?」

芽衣子「勧めたかったからじゃないかな」

美羽「進め! 宝へと!」

芽衣子「冒険は今まさに始まったよっ!」

美羽「棒と剣で戦います!」

芽衣子「高いマスの権謀渦巻く!」

美羽「うずうずしてきました!」

芽衣子「ダジャレとかけて旅情と解く。その心は?」

そのなぞなぞをありすは一生懸命考えました。
三月ウサギがありすのカップに紅茶を淹れて飲み始めました。
帽子屋はバターを懐中時計に塗りました。

ありす「あの、なにやってるんですか?」

気になってありすは帽子屋に尋ねました。

芽衣子「え? バターを塗ってるんだよっ! バターは塗るものでしょ?」

ありす「それはそうですけど」

美羽「極上のバターなんですよ!」

ありす「でもパンとかに塗るならわかるんですけど、懐中時計には塗るものじゃないと思います」

芽衣子「パンと懐中時計のなにが違うのかな〜」

美羽「時計は時を刻む! パンは、ぱ、ぱ…パーンッ!」

芽衣子「一発の銃弾がすべてを惨劇に変える!」

美羽「かえるぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ!」

ありす「あの! さっきのなぞなぞの答えはなんですか?」

美羽「わかりません」

芽衣子「あはは〜、私もわかんないな〜!」

たぶん今日はここまで
しばらく道なりに歩いていたありすでしたが、分かれ道がいくつもあって、
いつのまにかありすはすっかり森の中で迷ってしまいました。

ありす(困ったな…はやく八つ目のマスに行きたいのに)

そのとき、大きな声がしてありすは足を止めました。

茜「ボンバ――――ッ!!! チェック!!」

赤のナイトを乗せた馬が駆けてきて、ありすの前でぴたりと止まりました。
ナイトは勢い余って転がり落ちながら、

茜「キミは私の捕虜だよ!!」

と叫びました。
ありすはびっくりして、ナイトを心配しました。
ナイトはふんふん言いながら鞍に戻り、また言い出しました。

茜「キミは、私の、捕虜だよ!!!」

ありすが何か言おうとすると、

晶葉「ふっふっふ。チェック!」

白のナイトが近づいてきました。

白のナイトも馬がぴたりと止まると転がり落ち、「この程度、ビクともしないぞ」とまた馬に上がりました。

ありす「あの…」

茜「この子は私の捕虜だよ!!!」

晶葉「ああ。だが、私が救い出した!」

茜「じゃあしかたない!! 決闘で決めよう!!!」

ふたりのナイトはかぶと(鞍にぶら下がっていて、馬の頭に似ていました)をかぶり、

晶葉「決闘の規則はもちろん守るのだろうな!」

それぞれの武器を構えました。

茜「いつも守ってるよっ!!!!」

赤のナイトはピコピコハンマー、白のナイトはマジックハンマーでした。
そしてそれでお互いをばしばしと叩き始めました。

ありす「あの…」

叩かれたほうは馬から落ち、外したほうも馬から落ちました。
そうして二人が同時に落馬したときに決闘は終わりました。

ふたりのナイトは起き上がると握手をし、そのあと赤のナイトは馬にまたがって早駆けで走り去っていきました。

晶葉「やあ、素晴らしい勝利だっただろう?」

白のナイトが馬を引き連れてありすに歩み寄ってきました。

ありす「ええと、助けてくれてありがとうございます?」

状況がよく飲み込めないありすは、それでもお礼を言いました。
ナイトは得意そうな顔をしながらかぶとを外そうと苦心していたので、ありすは手を貸してあげました。

晶葉「いやあ助かった。このかぶとはまだまだ改良の余地があるな」

ありす「あの、捕虜になったらどうなるんですか?」

晶葉「うむ。そうなれば、誰かがチェックメイトをかけるまで待っていなければならないだろうな」

それはとても時間がかかるだろうとありすは思いました。
だってこのチェスの駒ときたらみんなへんてこりんですからね。

ありす「私、早くチェックメイトをかけたいんです」

晶葉「そうか? それではまずクイーンになるのが良いだろうな」

ありす「クイーンになるには、八つ目のマスに行かないといけないんですよね」

晶葉「ああ、よく知ってるじゃないか。よし、それじゃあ私が連れて行ってあげよう」

ありす「ほんとうですか? ありがとうございます」

そうして、二人は並んで歩き出しました。

ナイトは馬が急に立ち止まったり急に動き出したりするたびに転がり落ちたので、
その速度はあまり速くありませんでしたが。

晶葉「気付いてくれたかな? この馬も私が発明したものだ」

ありす「そうなんですか?」

見てみると、どうやらナイトが乗っている馬は歯車で動いているようでした。
ありすは感心しました。

晶葉「ふふふ。驚いただろう。これくらい、私には朝飯前なのさ」

ですが、馬は頻繁に止まったり歩き出したりしていました。
ありすにはどうにも馬が壊れかけのような気がしてなりませんでした。

晶葉「クイーンになればチェックメイトはすぐそこだ。赤のキングに宣言するんだ」

ありす「赤のキングにはさきほど会ったんですけど」

晶葉「ポーンではなぁ」

そして、ナイトの先導によって、ありすは無事に森を抜けることができました。

晶葉「それでは、さらばだ!」

ありす「ありがとうございました」

ナイトと別れたありすがぴょんと小川を跳び越えますと、いつのまにか頭の上には王冠が載っておりました。

ありす「これで、クイーン…!」

幸子「なにやってるんですか? こっちですよ!」

白のキングに呼びかけられ、ありすはそちらへ近づいていきました。
いろんな人たち(人でない者もたくさんいましたけれど)がお城へと歩いていきます。
どうやら、パレードをしているようでした。

ありす「ごめんなさい、パレードをしてるとは知らなくて」

幸子「許してあげますよ! ボクは優しいですからね!」

まゆ「キングさぁん…? 早く行きますよぉ?」

幸子「は、はひッ!」

ライオンと一緒にキングが歩いていってしまったので、ありすがどうしようかと思っていますと、

凛「ほら。行こう」

ありす「はい」

ユニコーンが手を差し出してくれたので、ありすはその手を取ってパレードに混ざりました。

愛梨「"とりあえず"お城にはいろっか!」

加奈「はい! "つまり"入城するってことですね!」

楓「"城"に行かないと"あか"ん"気"がする…ふふっ」

トゥィードルダムとトゥィードルディーが手を取り合って進んでいきます。
カがそのあとをふらふらとついていきました。

美玲「一人でいるのが好きなだけだしッ!」

かな子「森から出してあげたのに。ほんとにレモンパイ!」

仁奈「どこまで行きやがっても、自分は自分でごぜーます」

ハンプティ・ダンプティに連れられて獣と羊が歩いていきます。

李衣菜「クイーンおめでとう! うっひょー!」

夏樹「アンタは実際よくやったよ。おめでとう」

パレードのギャラリーから海ガメもどきとグリフォンが声をかけてくれました。

亜里沙「よくがんばりました♪ 100点満点、花丸をあげます!」

あい「ああ、君ならできると思っていたよ」

公爵夫人とその料理人も拍手をしています。

麗奈「チェック! 今度こそアタシの勝ちよッ!」

由愛「うん、そうだね…チェックメイトだよ、麗奈ちゃん」

パレードの横でハートの女王様と王様がチェスをしています。

芽衣子「クイーンになる旅! いいなー!」

美羽「クイーンになること、"悔いん"?」

杏「飴ちょーだい」

いかれ帽子屋、三月ウサギ、ヤマネがすみっこでお茶会を続けています。

輝子「フヒヒ…きのこのクイーンといえば、き、キヌガサタケだよね…」

みく「はぁぁぁ!? お断りにゃ!」

木の枝のうえで青虫とネコが戯れていました。
お城の中にはいったありす達は玉座の間にたどりつきました。
ユニコーンらはそこで立ち止まります。

菜々「さぁさぁ階段を登ってね☆ キャハッ!」

晶葉「もう私の手は必要ないだろう。先に進みたまえ!」

白ウサギとナイトに促されてありすはひとり階段を登っていきます。

階段を登り終えたところには、白と赤のクイーンが並んで待っていました。
ふたりがすっと道をあけます。

桃華「やはり"今日"、ここに来ましたわね。思っていたとおりですわ!」

雪乃「おめでとう。きっと花たちも喜んでいますわよ」

ありす「ありがとうございます」

ふたりのクイーンの間を通って、ありすは玉座へと進みます。
玉座には赤のキングが座っていました。
もう眠ってはいません。

ありす「――チェックメイト、です」

その宣言を受けて、キングは立ち上がり、拍手をしました。

??「おめでとう。さすがだな、ありす」

ありす「――やっぱり、」

歩み寄ってきたキングがありすの手を取ります。

??「おーい、ありす。起きろー」

―――
――



ありすは目を覚ましました。

P「お。起きたか。こんなところで寝てたら風邪ひくぞー」

ありすは目をこすりました。
事務所です。
ソファに座ったまま、ありすは寝てしまっていたようでした。

ありす「あぁキングは――、」

対面のソファに座っている彼に向かって、ありすはぼうんやりとしたまま、

ありす「やっぱり、プロデューサーですか」

P「キング? なんか夢でも見てたのか?」

ありす「いえ…なにか…、不思議な…」

プロデューサーが渡してくれたお茶をありすはこくこくと飲みました。

さっきまでのおかしなことは、はっきりとは思い出せませんでした。
けれども、

ありす「プロデューサー」

P「どうした?」

ありす「呼んでみただけです」

P「なんだそれ」

こうしたかった気がして、そして、

ありす「あの、プロデューサー」

P「うん?」

ありす「ええと……、名前で、呼んでください」

そうしてほしかった気がして。

P「お? あぁ、いいよ。――ありす」

ありす「はい。えへへ…♪」




おしまい


ありがとうございましたー
画像先輩もたくさんありがとでした
原作も楽しいのでぜひお読みください

08:12│橘ありす 
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