2013年11月20日

渋谷凛「……二人とも、どうしたの?」

本田未央「え?ああ、その、うん」

島村卯月「その……ね」


凛「……何か悩みがあるなら聞くよ?」

未央「ほら、私たち三人ってさ」

卯月「一緒にデビューしたよね?」

凛「うん」

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未央「それで、私たちってさ」

卯月「凛ちゃんに比べていまいち……」

凛「……いまいち?」

未央・卯月「「……影が薄い気がするんだ」」

凛「……」

凛「……え?」

凛「未央はいつも明るく元気」

凛「卯月は可愛くて笑顔が良い」

未央「えっへん!」

卯月「えへへ……」

凛「二人ともスタイルだって良い……」

凛「人気も私とそう変わらないと思うけれど……」

卯月「いや、その、それはそうなんだけどね……」

未央「そうじゃないっていうか……」

未央「あまりこういう事は言いたくないんだけどね……」

卯月「最近そうひしひしと感じるんだ……」

凛「そんな……」

凛「ライブやフェスも順調、テレビの出演も増えているよ?」

凛「私たち、仕事も人気も右肩上がりなのに……」

凛「どうしてそう思ったの?……もしかして変な嫌がらせでも?」

凛「それならプロデューサーに相談して……」

未央「しぶりん、そうじゃないんだ!」

卯月「違うの、違うんだよ凛ちゃん!」

凛「……へ?」

未央「そういう事じゃなくてさ……」

未央「ああもう、どう言ったらいいのかな!?」

卯月「えとね、例えばなんだけど……」

凛「例えば?」

卯月「凛ちゃん、隠れてプロデューサーさんの上着の匂いかいでるよね?」

凛「……へ?」

未央「プロデューサーに近づくハエをひゃっはーしてるよね?」

凛「……は?」

卯月・未央「「私たちにはそういうのが無いんだよ!?」」

凛「」ぽかーん

卯月「凛ちゃんずるい!何でそんなにキャラが濃いの!?」

未央「ちょーっと独り占めし過ぎなんじゃないかな!?」

凛「ご、ごめん?」

未央「いや、もちろん奪おうなんて思っちゃいないよ?」

卯月「ただ、どうして……」

卯月「ここまで差が付いちゃったんだろうって……」

凛「え、えーとさ」

凛「その、まずは卯月?」

卯月「なにかな、凛ちゃん」

凛「私、別にプロデューサーの上着匂いだっけ?」

凛「かいだことなんて一度もないよ?」

凛「あ、冬に貸してもらったマフラーとかは……その、あるけれど」

凛「隠れて勝手に、その、プロデューサーの上着……」

凛「借りたことは無いっていうか……」


凛「次に未央のハエを、えと」

未央「ひゃっはー?」

凛「うん、もうそれでいいや」

凛「それってドラマとかでよく見るどろどろした展開みたいな」

凛「ようするにそういうことだと解釈するけど……」

凛「プロデューサーは私だけのプロデューサーじゃないし」

凛「それは……わ、私だけを見てくれたら嬉しいけれど」

凛「流石にプロデューサーの意志無くそんなことはしないよ?」


未央「……」

卯月「……」

未央・卯月「「はぁ〜」」

凛「……え?」

未央「大丈夫だよ凛ちゃん」

卯月「そういうのは私たちが一番よく解ってるよ」

未央「しぶりんはちょっとへたれがあるからなぁ」

卯月「うん、むしろもっとガンガン行くべきだよ!」

凛「あれ?なんで私は二人に怒られてるの?」

未央「私たちが言っているのはそうじゃないんだって!」

卯月「何ていうか、みんなの想像上の凛ちゃんていうか」

凛「想像?」

未央「え〜と、なんて言ったらいいのかなぁ」

卯月「……あ、みんなの妄想の中の凛ちゃん!」

未央「そう!それだよそれ!」

凛「……そろそろ怒ってもいいかな?」

未央「ようするにしぶりんは妄想しやすいんだよ!」

未央「妄想しやすいっていうことは愛されやすいってこと!」

卯月「私と未央ちゃんはその点ちょっとね……」

未央「あれだよね……上級者向けっていうかさ?」

卯月「お高い女って見られているのかな?」

未央・卯月「「……はぁ」」

凛「(……どうしよう、二人が壊れた)」

卯月「凛ちゃんはずっと引っ張りだこだもんね……」

未央「私も、妄想されて良いから出番ないかなぁ」

凛「(どうしよう、これプロデューサー呼ぶべきだよね?)」

卯月「凛ちゃんはマリオにリンク、あとスネーク?」

未央「私たち二人はオタコンにチンクル……」

卯月「ルイージって感じじゃないもんね……」

未央「むしろルイージなら満足しなくちゃおこがましいよ……」

凛「(ケイタイ、ケイタイ……)」

卯月「未央ちゃん……」

未央「……なにかな?」

卯月「私たち、他の人を見て勉強するべきだと思うんだ!」

未央「しまむー……」

卯月「こうやってうじうじしてもしょうがないし……」

卯月「何よりも私たちのファンのみなさんに申し訳ないよ!」

未央「……そうだよね!こんなの私たちらしくないよね!」

未央「壁があったら乗り越えていくのが私たちだもんね!」

卯月「うん!だから頑張ろう!」

未央・卯月「「えい、えい、おー!」」

凛「あ、プロデューサー?黄色い救急車なんだけど」スタスタ

卯月「でも、いざ勉強といってもどうしたらいいのかな?」

未央「うーん、焦ってもしょうがないし……」

未央「まずは事務所のみんなから学んだら良いんじゃないかな?」

卯月「そうだね!未央ちゃんナイスアイディアだよ!」

未央「だよね!私ながらなかなかの」

神崎蘭子「闇に飲まれよ!」ガチャ
  (みなさんおはようございます!)  
 
未央・卯月「……!」ピキピキーン

蘭子「!?」ゾクッ

蘭子「む、むぅ。暗黒の呪縛が我を蝕む!?」
  (え、なんだろう寒気が)

卯月「蘭子ちゃん!」

未央「来てさっそくだけどちょっといいかな!?」

蘭子「し、漆黒の堕天使に魅入られた罪人の如く……」
  (あ、あの。お二人とも目が普通じゃないですよ……)」

卯月「(蘭子ちゃんといえばこの強烈なキャラ!)」

未央「(奇抜な蘭子ちゃんからなら、新たな境地が見えるかも!?)」

蘭子「なるほど……汝らも迷いの子羊であったか」
  (お二人とも大変ですね……)

蘭子「良かろう!我が秘められし力を今、授けん!」
  (私で良ければ是非協力させてください!)

未央「ありがとう蘭子ちゃん!」

蘭子「されどこの手は余りにも小さく儚い……」
  (でも、私はいったいどうしたら……)

卯月「あの……」

卯月「もし良ければ蘭子ちゃんの言葉を教えてくれなかなーって」

蘭子「我が定められし呪縛を背負う……と?」
  (私の言葉……ですか?)

未央「うん!えーと、だめかな?」

蘭子「ふ、契約は既に交わされた!」
  (そんなことありませんよ!)

蘭子「我が宿命の星は、既に汝らと共に天にあり!」
  (私、お二人の力になれるよう頑張ります!)

卯月「ありがとう!蘭子ちゃん!」

未央「あ、そういえばさっきちひろさんから」スッ

未央「これをもらったんだけど、何か関係があるのかな?」

『熊本弁講座』

卯月「どうして……熊本弁?」

未央「さぁ?」

蘭子「……地獄の業火にて焼き払うべき贄は見つかった」ボソッ

卯月・未央「「へ?」」


蘭子「む?静寂の帳は降りている」
  (え?何でもありませんよー)

蘭子「運命の時が今、ここに!」
  (さぁ、さっそくいってみましょー!)

卯月「えーと、よく解らないけれどがんばります!」

未央「そうだね、がんばろっか!」

蘭・卯・未「「「おー!」」」

蘭子「だが終末の前に、そのロキが授けし誘惑は焚書させてもらう!」
  (あ、その前にその本は不要なのでこっちで預かりますね!)

未央「あ、はい」


P「凛……お前もしかして疲れてるのか?」

P「他の子ならまだしも未央と卯月がそんな……」

凛「……やっぱり、私が疲れてたのかな?」

凛「二人があんな事、言うわけないし……」

凛「ごめん、迷惑かけちゃったね」

P「凛……」

P「そういうな、頼ってくれて嬉しかったぞ?」

凛「プロデューサー……」

P「そもそも凛が疲れてしまった原因だって」

P「俺が凛に無理させちゃったからだよな」

P「……すまない、不甲斐ないプロデューサーで」

凛「プロデューサー……」

P「今日の仕事は止めよう」

P「向こうには俺が何とか話をつける!」

P「だから……」

凛「……そんなこと、言わないで欲しいな」

P「凛?」

凛「私たちがここまで来られたのはプロデューサーのおかげだよ?」

凛「いつだってプロデューサーは私たちの事を考えてくれていた」

凛「今回だって、私がまだがんばれるっていうから」

凛「お仕事、一生懸命に探してきてくれたんだよね?」

P「それでも俺は……」

凛「私は今回はちょっとがんばり過ぎちゃっただけ」

凛「だから、プロデューサー」

凛「そんな悲しそうな顔しないで……」

凛「もっと、私はプロデューサーに自信を持って欲しい」

凛「プロデューサーは私の、私たちのプロデューサーなんだから」

P「……凛、励ましてくれてありがとう」

凛「そんな大したことじゃ……」

P「そうだよなぁ、支えなくちゃいけない立場なのに」

P「逆に支えられてちゃな」ハハハ

凛「……別に良いと思うよ」

凛「……そういう関係ってさ、その、悪くないし」

P「ああ、そうだな!よしっ!」

P「この後、未央と卯月を含めた三人でご飯でも食べにいくか!」

P「もちろん、俺のおごりでな!」

凛「ふーん、じゃあちょっと贅沢しちゃおうかな」ニヤニヤ

P「……ほ、ほどほどにな?」

凛「しまらないよね、プロデューサーって」

凛「まぁ、そこがいいんだけど」ボソッ

P「よーし、そうと決めたら二人にも話を通しとかないと」ガチャッ

P「おっす今日も元気にいき……ます……か?」

凛「え、プロデューサーいったい……どう……したの?」













未央「この身に宿し阿頼耶の種子!顕現せよ!」
  (おー、慣れてみると中々おもしろいね♪)

卯月「永劫に得られぬはずの幻想、追い求めしカルマ!」
  (これが、私たちの新しい魅力なんですね!)

蘭子「望みしコトワリは我らにもたらされた!」
  (はい、みなさんとても良い感じですよ!)

蘭子「今、拗れ狂う因果はこの魂と交わらん!」
  (このままもっと頑張って行きましょう!)

蘭・未・卯「「「闇に飲まれよ!!」」」

凛「」

P「」

キャッキャッキャ


凛「」

凛「……」ハッ

凛「……」オロオロ

凛「え、あ、その。プロデューサーこういう時ってどうしたら」

凛「……プロデューサー?」

P「」チーン

凛「……死んでる」

未央「その、深紅に見込まれし……」

凛「あ?」

未央「じゃなくて、ですね」

卯月「う、うん。哀れな子羊の贄を……」

凛「は?」

卯月「うぅ……その」

未央・卯月「「本当に……ごめんなさい」」

凛「私じゃなくてプロデューサーに謝ろうよ?ね?」

凛「ちひろさんがスタミナドリンク飲ませてくれなかったら」

凛「今頃プロデューサーは天国だよ?死んじゃってたよ?ショックで」

蘭子「その……凛さん、あの」

凛「ああ、蘭子のことは別に怒ってないよ?」

凛「ただね、何でプロデューサーがいろいろと脆くなっている時にさ」

凛「なんでこの二人は弁慶の泣き所を全力で蹴り抜くのかなって」ニコ

未央・卯月「「は、反省してます」」


卯月「凛ちゃん、本気で怒ってたよね」

未央「うぅ、プロデューサーが関わってるからしょうがないよ」

卯月「うん、まさかプロデューサーさんが驚きの余り心臓止めるなんて」

卯月「流石に予想できなかったな……」

未央「あとでプロデューサーに謝らないとね……」

卯月「とりあえず、もう蘭子ちゃんに教えてもらったことは使えないかな」

未央「あー流石に顔合わすたびにプロデューサーの心臓止めるのはなぁ」

卯月「……それにこれ以上、凛ちゃん刺激したらまずいよ?」

未央「うん、あれは『やる』目だった。……うん」

未央「そうなると……」

ガチャ

棟方愛海「うひひ、『今話題のアイドル特集』」

愛海「あたしも載っていて尚かつ最新のアイドル達を拝むことができるなんて」

愛海「あぁー……ふれたいなぁー、もうこれ揉むしかない」

愛海「あ、涎垂れてた。ティッシュティッシュ……」

未央「……」

卯月「……」









未央「これだ!?」

卯月「え?」

未央「これだよ!これだよ!しまむーさぁ行こう!」

卯月「え?ちょっと待って未央ちゃん」

未央「どうして止めるの!?」

卯月「あのね、さすがにね、あの境地は目指しちゃいけないんじゃないかなって」

未央「しまむー、だめだよ。そんな狭い世界じゃだめなんだよ!」

卯月「えっと、それってどういうこと?」

未央「私たちは無意識のうちに自分だけの世界でしかものを見ていなかったんだ!」

未央「他の人の世界を見ないで勝手に判断して、自分で自己完結して……」

未央「それじゃ新たな自分を見つけることもできないんだよ!」

卯月「い、いくら何でも愛海ちゃんの世界を見る必要は無いんじゃ」

未央「アイドルって、固定概念にとらわれちゃいけないと思うんだ」

卯月「そ、それはそうかもしれないけれど」

未央「プロデューサーだって『行ってこい』って言ってくれると思うよ?」

卯月「いや、それは流石に無いと思うな」

未央「何よりもプロデューサーはそうやって常に新しい世界を開拓し続けてきた」

未央「愛海ちゃんだって、そんな私たちが憧れるプロデューサーがスカウトしたんだよ!?」

未央「あの子には私たちには無い何かがあるんだよ!」

愛海「……これは、まさに禁断の園!?」ハァハァ

卯月「……うん、確かに私たちには無い何かがあるね」

未央「しまむー、怖がっちゃだめだよ!」

卯月「いや、だってあれは怖がるとかそういう次元じゃ……」

卯月「……」

卯月「……ごめん、私が間違っていたかも」

未央「卯月ちゃん!」

卯月「うん、私忘れてた」

卯月「どんなことにも笑顔で挑戦する」

卯月「そうやってファンのみんなも笑顔にする」

卯月「そのためには……私自身、顔を上げて前を見続けないと!」」

未央「私も、協力する!お互い頑張ろう!」ダキッ

卯月「うん!頑張ろう未央ちゃん!」ダキッ

愛海「あ、先輩方すいません。ちょっと取り込んでいて挨拶を忘……」

愛海「」パシャパシャパシャパシャパシャ

愛海「え?あたしの講義を受けたい、ですか?」ジー

未央「うん、私たち愛海ちゃんにぜひとも講義して欲しいんだ!」

卯月「アイドルとしてもう一歩進むためなの!お願いします!」

愛海「あたし個人には一歩どころか百歩」ジー

愛海「AじゃなくCまで進んで欲しいぐらいですけど……」ジー

愛海「流石に新人が事務所の大先輩にそんなことをするのはためらいが……」ジー

卯月「そんな事気にしないで良いよ!」

卯月「この事務所でそんなこと気にする人なんていないから大丈夫!」

卯月「それに私たちのことは『先輩』じゃなくて名前でいいよ?ね、未央ちゃん」

愛海「本当ですか!?」ジー

未央「う、うん」

未央「(なんで愛海ちゃん、さっきから私たちの胸を見続けているのかな?)」

愛海「それじゃさっそく講義させていただきます!」

未央・卯月「「お願いします!先生!」」

愛海「(今!夢にまで見た!大いなる母の果実が!四つも目の前に!)」ハァハァ

愛海「(ああ、さっきのハンバーガーはまさに絶品でした)」ハァハァ

卯月「あ、先生すいません」

愛海「何でしょう卯月さん」

卯月「お願いしておいて今さらですが、いったいどんな講義をしてくれるんですか?」

未央「あ、そういえば私もそれは知りたいかな」

愛海「それじゃ、まずはあたしがまずアイドルになった理由ですが」

未央・卯月「……」ドキドキ

愛海「女の子といっぱいお友達になれること」

愛海「……そして女の子に囲まれるからです!」

卯月「……」

卯月「……へ?」

愛海「もちろん」

愛海「アイドルになったからには老若男女に愛されるアイドルを目指します」

愛海「あたしは男にも女もファンにしてやるという気概をもってます」

愛海「でもあたしは女の子とふれ合いたい、主に女の子のやわらかーい部分と」

愛海「大も小も関係ありません、大きさにこだわるうちは『恋』」

愛海「大や小という区切りを飛び越えた先、酸いも甘いも超えた先にある『愛』!」

愛海「そう、あたしは女の子(の主にやわらかーい部分)を『愛』しています!」

卯月「……愛って何でしたっけ」

未央「愛海ちゃん!私は感動した!」

卯月「未央ちゃん!?」

愛海「解ってくれたんですか未央さん!?」

未央「うん、今の話はすべてに通じるよ!それはアイドルの道にも!」

未央「つまりアイドルはアイドルを愛しないことには語れない、そうなんだね!」

愛海「そうなんですよ未央さん!流石です!」

愛海「大は小をかねる……」

未央「それこそ、まさに知らず知らずのうちに大きさにこだわっていた言葉」

愛海「真の『愛』は!」

未央「その先にある!」

愛海「……」

未央「……」

ピシッ!ガシッ!グッグッ

卯月「え、あの、もしかして私がおかしいのかな?」

未央「大丈夫、しまむーにもすぐに解るよ!」

愛海「焦ることはありません!あたしが一から全て語り尽くします!」

卯月「いや、あのね」

未央「先生。いや、師匠!まずはどうしたらいいですか!」

愛海「そうですね……ま、まずは指の体操を。うひひ」

卯月「あ、ごめんね。ちょっと用事を思い出し」

未央「しまむー、どこに行くの?」ガシッ

卯月「み、未央ちゃん?なんで息が荒いのかな?」

愛海「いけません未央さん、無理矢理はいけないのです」

愛海「まずは素晴らしき世界を知っていただかないと……ね?」

未央「そうですね、師匠!」

卯月「え、ちょ、未央ちゃんやめ……!?」

緒方智絵里「……大丈夫かなぁ、プロデューサーさん」

智絵里「……明日には復帰できるって。だけど……」

智絵里「だ、だめ。……プロデューサーさんのためにも、お仕事、がんばろう」

智絵里「……そ、そうしたら。プロデューサーさんも、がんばったご褒美で……」

智絵里「前みたいに……あ、頭をなでて……なでて……」

智絵里「……」カァッ

智絵里「……」

智絵里「……」ボー

智絵里「が、がんばろう。おーっ……!」

智絵里「……あ。えっと」

智絵里「お、おはようございますっ……!」ガチャッ

智絵里「今日は、プロデューサーさんが……お休……み」








未央「ニセモノっそういうのもあるのか!」

卯月「うん、あの娘はグッときたよね未央ちゃん!」

未央「いやーまないたっていうのもこれはこれでいいものだね!」

卯月「私、気がつかなかったよ!事務所って見放題だしね!」

愛海「卯月さん、未央さん、あたしの気持ち解りますよね!」

愛海「この事務所はこんなにも『愛』に満ちているのですよ!」

未央・卯月「「解ります!師匠!」」

智絵里「」

智絵里「そ、その……みなさん、いったいどうしたんですか?」

未央「私たちは、そう!」

卯月「智絵里ちゃん、『愛』の伝道師なんだよ!」

智絵里「……あ、愛?ですか……?」

卯月「あ、智絵里ちゃんもよければどう?」

智絵里「……え?あ、け、結構……です」

卯月「そっかぁ……」ジー

未央「残念だね……」ジー

愛海「……」ジュルリ

未央「まって……私、気が付いた」

卯月「どうしたの?未央ちゃん」

未央「ちえりんは天使だよね?」

愛海「天使ですね」

卯月「天使だねー」

未央「天使だったら服を着ているけどさ」

未央「……キューピットちえりんなら、裸だよ?」

卯月「智絵里ちゃんの……」

愛海「裸……だと……」

『……あ、あんまり、みないでください……』

愛海「」

卯月「」

未央「」

未央「わ、私は人間を止めるぞーしまむーっ!」

卯月「だめだよ未央ちゃん!そっちはダークサイドだよ!?」

愛海「イエスチエリン、ノータッチですよ未央さん!?」

未央「この衝動を前にして抑えられるものかー!」

卯月「それは愛じゃないよ未央ちゃん!」

愛海「いけない、未央さんが智絵里さんの方へ!?」

智絵里「……あ」

未央「大丈夫、だよ智絵里ちゃん」

未央「だからさ」ニコ

智絵里「あ、ああ……」


「私と一緒に、ショッピングしよう?」

片桐早苗「はーい、ちょっとこっちに来ましょうね未央ちゃん」

未央「」

片桐早苗「あと、そっちの二人もちょーっといいかな?」

愛海「」

卯月「」

未央「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

卯月「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

智絵里「わ、私はもう大丈夫……です」

智絵里「だから、そんなに謝らないでください」

未央「それでも……」

卯月「私たち……智絵里ちゃんを怖がらせてしまって」

智絵里「あれは、悪い夢だったんです……」

智絵里「……みんな、みんなが惑わされるほどに……つよい夢です」

智絵里「だから、二人が……二人が目を覚ましてくれて」

智絵里「……本当に、嬉しいです」ニコッ

未央「智絵里ちゃん……」

卯月「……ありがとう、智絵里ちゃん!」

智絵里「でも、あの……」

智絵里「よく、いつもの未央さんと卯月さんに戻ってくれたなって……」

未央「……実をいうとさ」

卯月「私たち、あまり何があったか覚えていないんだ」

智絵里「え?」

未央「いや、もちろん智絵里ちゃんに迷惑かけたことは」

未央「覚えているからこうして謝ることができるんだけれど……」

卯月「おかしくなってからの記憶がもやがかっているといいいますか……」

智絵里「……もや、ですか?」

智絵里「でも、未央さんと卯月さんは……」

智絵里「今は愛海さんが入っている部屋に……」

未央「あー、あの応接室のこと?」

智絵里「……は、はい。そこでなにかの大きい音が……」

卯月「……大きい音?」

愛海『わ、私が消えようとも第二・第三の棟方愛海が……!?』

早苗『忘心波衝撃!』

スパーンッッッ!

智・未・卯「「「……」」」

智絵里「……と、ところで」

卯月「……え?あ、どうしたの智絵里ちゃん」

智絵里「……未央さんと卯月さん。なにか、悩み事でもあるんですか?」

智絵里「……その、いつものような……元気が無いような気がして」

智絵里「あ、と、突然こんなこと言ってごめんなさい……っ!」

智絵里「……で、でも。私でよければ話してくれませんか?」

未央「ち、智絵里ちゃん……」ジーン


未央「(うーん、でもなぁ……)」

卯月「(未央ちゃん、流石にこれ以上迷惑をかけるのは……)」

未央「(だよね、智絵里ちゃんにあまり心配かけたくはないし……)」

未央「大丈夫っ!みんなのおかげで解決しちゃった!」

卯月「心配してくれてありがとう智絵里ちゃん!」

智絵里「そうですか……?」

早苗「ふぅ、良い仕事した」

智絵里「あ、早苗さん」

未央・卯月「……」ビクッ

早苗「お、いい感じに仲が戻ったみたいね。よかったよかった」

未央「こ、この度は早苗さんにも多大なご迷惑を……」

卯月「おかけしてしまって……」

早苗「あー、いいのいいの。前の職場だとよくあったことだしね♪」

早苗「智絵里ちゃん。プロデューサーが今日休みなのは知ってた?」

智絵里「あ……は、はい」

早苗「お姉さんはちひろさんから、智絵里ちゃんの送り向かい任されてるのよね」

智絵里「でも……その……お二人が」

未央「大丈夫!智絵里ちゃんは気にせず行ってらっしゃい!」

卯月「未央ちゃんの言う通り、もう元気になっちゃったから大丈夫!」

早苗「ん、何か悩み事でもあるの?お姉さんも相談にのる?」

卯月「いえ、その、早苗さんはなんていうか」

未央「もう、十分ですから、絶対」

早苗「えー残念だなぁ」

智絵里「(……本当に、なにがあったのかな?)」

卯月「うん、智絵里ちゃんは本当に良い子だし可愛いよね」

未央「だよねー、私が男の子だったら間違いなくファンになってるよ」

卯月「あと人を元気づけるための頑張り屋さん!」

未央「この前プロデューサーにやった『ちえりチョップ』だっけ?」

卯月「ライブでも大好評だったもんねー」

未央「プロデューサーも元気をたくさんもらえたっていっていたしね」

卯月「うん、いっぱい撫でてもらっていて羨ましかったなぁ」

未央「……そうだね」

未央「……」

卯月「(あ、ものすごく嫌な予感が……)」

未央「……」

卯月「み、未央ちゃん?」

未央「しまむー、私たちも『ちえりチョップ』をマスターしよう!」

卯月「……えー」

未央「えー、じゃないよ!私たちには可愛さを生かすための方法が少なすぎたんだよ!」

卯月「い、言いたいことはわかるよ?」

卯月「でもあれって智絵里ちゃんだからこそできるものであって……」

未央「もちろん!そのくらいはわかっているよ!だから」

卯月「だから?」

未央「私は『ちゃんみおチョップ』を習得するの!」キラーン

卯月「うん、まったくわかってないと思う私はおかしいのかな?未央ちゃん」

未央「しまむーは『うずきんチョップ』を習得しよう!」

卯月「未央ちゃん、それお魚の名前だよ?海水魚だよ?」

未央「うぅ……しまむーは反抗期なんだね」

卯月「それにさっきもいったけれど……」

卯月「あれは智絵里ちゃんだからこその技だよ?」

卯月「私たちがやっても智絵里ちゃんほどの効果は望めないんじゃ……」


未央「問題なしっ!既に秘策は私の中にあり!」

卯月「それは?」

未央「智絵里ちゃんはあの可愛さというか、儚さがチョップにあるんだよ」

未央「でも、それは穏やかなものだと思うんだよね」

卯月「つまり、私たちはもっと元気に行くってこと?」

未央「その通り!元気すぎて困っちゃうぐらいに!いっそ過激に!」

卯月「元気にっていうアイディアは良いと思うけど……」

卯月「激しすぎてもだめじゃないのかな?」

未央「ノンノン、むしろそれが私たちらしくていいじゃない!」

卯月「それはそうだけど……」

未央「ほら、李衣菜ちゃんもいってたよ!時代はロックだって!」

卯月「そ、そうなのかなぁ?」

未央「輝子ちゃんはそこにキノコも必要だっていってたよ!」

卯月「……なんでキノコなのかな?」

未央「……さぁ?あれかな、アイドルとして1UPする必要があるみたいな」

卯月「い、いろいろと怪しい1UPだね」

卯月「うーん、でも何事もやってみなければわからないって言葉もあるよね……」

未央「そうそう、なんでもチャレンジだよ!しまむー!」

卯月「……そうだね、やってみよっか未央ちゃん!」

未央「お互い新たな一面を見つけるために頑張ろう!」

未央「私は『ちゃんみおチョップ』を!」

卯月「うん!」

未央「しまむーは『うずきんチョップ』を!」

卯月「な、名前はどうにかならないかな?」

未央「えー」

卯月「でも元気なチョップって、よくよく考えれば普通のチョップだよね」

未央「もういっそ突き抜けちゃうぐらいがいいんだけど……」

卯月「今までみたいに教えてくれそうな人っていったら……」

ガチャリ

中野有香「押忍!おはようございますっ!」

脇山珠美 「おはようございますっ!今日もよろしくお願いします!」

水野翠「プロデューサーさんは今日お休みと聞いたのですが……」

浜口あやめ「……なにやら、不穏な気配が」

卯月「」

卯月「……」チラリ

未央「……」ワクワクテカテカ

卯月「」


有香「つまり、未央さんと卯月さんは……」

珠美「私たちに……」

翠「習っている武を……」

あやめ「教えて欲しいと……」

未央「これだけいれば私たちのチョップに磨きがかかると思うんだ!」

未央「ね、しまむー」

卯月「え?あ、う、うん」

卯月「帰ろうとなんてしてないよ、アハハハハ」

卯月「ハハハハハ……はぁ」

有香「……話はわかりました」

珠美「でも剣道を学んでいる珠美じゃなくて、有香さんに教えていただいた方が……」

翠「私もそう思います。弓道をチョップに生かすというのは……」

あやめ「(……というより、わたくしがこの中にいることに違和感が)」

未央「生かせるかどうかじゃない」

未央「私たちには『やる』という覚悟がある!」

未央「ね、しまむー!」

卯月「……うん、未央ちゃん」

翠「(卯月先輩の目のハイライトが仕事してませんね……)」

珠美「(ずっと下を見ていますけど……大丈夫なのでしょうか?)」

未央「だから、みんなの力を貸して欲しいの!」

未央「お願いします!」

卯月「……お願いします」

あやめ「あの……」

未央「どうしたの?あやめちゃん」

あやめ「珠美殿や有香殿、翠殿なら話はわかります」

あやめ「……しかし何故このあやめに頼むでしょうか、未央殿」

珠美「それは……」

翠「ねぇ?」

有香「押忍!あやめさんは忍ですからね」

未央「その通りだよ!」

あやめ「……」

あやめ「(えぇー……)」

翠「その傘、仕込み刀傘なんですよね?」

珠美「そうなんですか!?」

有香「珠美ちゃんはやっぱり、刀が好き?」

珠美「はいっ!剣道とはまた違った剣を扱う技術には興味があります!」

珠美「それに、いつもあやめちゃんとは時代劇で語り合いますが」

珠美「実際に試合を行ったことはありませんから!」

あやめ「た、珠美殿。この愛刀正宗は土産物で……」

珠美「きっと、あやめちゃんは凄い使い手のはずです!」

珠美「あの殺陣の如きライブのパフォーマンス……」

珠美「剣の道を志す珠美でさえもマネができません!」

有香「あれはまさに時代劇でしたね!あたしもあれには度肝を抜かせられました……」

あやめ「(す、すごいみんなの目が輝いている……)」


翠「しかし、忍びの技は……」

珠美「そう。時代劇でよくいわれますが、門外不出です……」

有香「未央さん、やっぱりあやめさんに技の手ほどきを受けることは無理じゃ……」

あやめ「(ほっ)」

未央「もちろん、それは百も承知のことだよ」

未央「だから……っ!」ザッ

有香「こ、これは!?」

翠「未央さんが……あやめさんに!?」

珠美「……土下座を」

未央「お願いします!どうか私達にご指導を!」

あやめ「い、いや未央殿?わたくしにそのようなことをするのは」

未央「先輩とか、そんなプライドなんて捨てる!」

未央「でもアイドルとしてのプライドのは捨てるわけにはいかないの!」

未央「ファンのために、プロデューサーのために」

未央「そして、大切な仲間のために!」

卯月「未央ちゃん……」

卯月「……」

卯月「……私からも、お願いします!」ザッ

あやめ「う、卯月殿!?」

未央「しまむー……!?」

卯月「いつでも一緒だってデビューしたとき約束したね」

卯月「だから、未央ちゃんが頭を下げるなら私も頭を下げる!」

卯月「ごめんね、私は未央ちゃんを一人にしちゃっていた」

未央「しまむー……」ウルウル

卯月「一緒にがんばろう!未央ちゃん!」

未央「うん!」

珠美「二人が背負っているものは、一つではなかったのですね……」

翠「そして艱難辛苦を一人で乗り越えるのではなく、大切な人と共に乗り越えていく」

有香「……押忍。二人が何故あそこまで高みを目指せるのか、改めて解った気がします」

あやめ「(こ、これはどう収集をつければ!?)」

翠「……あやめさん、私からもお願いします」

あやめ「す、翠殿!?」

翠「無茶をいっているのはわかります」

翠「ですが……今の二人には貴方の力が必要なはずです」

翠「どうか、未央さんと卯月さんに欠片だけでも教えてあげられないでしょうか?」

あやめ「(そ、そんなこと言われてもわたくしは)」

有香「あやめさん、お願いできませんか?」

あやめ「ゆ、有香殿まで……?」

有香「忍びの家、忍びの道は空手の道以上に厳しいものなのでしょう」

あやめ「(いやいや、修行なんてしたことないから!それとわたくしの家は普通の家だから!)」
訂正
あやめ「す、翠殿?」→「み、翠殿?」

有香「それでも、同じアイドルの高みを目指すものとして……」

有香「あたしは二人に忍びの道を示して欲しいのです!」

有香「無理は承知!それでも、お願いします!」

あやめ「(こ、これはもう言い出せる雰囲気じゃ……)」

珠美「あやめちゃん……」

あやめ「(そ、そうだ!珠美殿がいてくれた!)」

あやめ「(それでも珠美殿なら、珠美ちゃんなら何とかして)」

珠美「私からもお願いします!」

あやめ「」

あやめ「……た、珠美殿?」

珠美「忍びの技、それは確かに門外不出」

珠美「でもその心は伝える事ができると思うのです!」

あやめ「(門外不出も何も、うちは普通の家で……)」

珠美「言葉で語らずとも背中で語る、それがあやめちゃんにはできる……」

あやめ「(胃が、胃が痛くなってきた……)」

珠美「あやめちゃん!」

有香「あやめさん!」

翠「あやめさん!」

未央「どうか私達に!」

卯月「忍びの心を!」

あやめ「(あ、お空に蝶々が飛んでる。綺麗だなー)」

有香「先輩方、腕だけではなくもっと体を意識してください!」

未央・卯月「はいっ!」

有香「手刀の指の間は離してはならず、密着させてください!」

未央「ゆ、指が痛い……」

有香「手の側面です」

未央「え?」

有香「腕と手の付け根、その僅か上ばかりに丸く出た骨があります」

卯月「あ、本当だ。触ってみると解る!」

有香「そこを使うと威力が増しますよ!さぁ、チャレンジです!」

未央・卯月「「おーっ!」」

翠「腕をもう少し、そうです」

未央「に、二の腕が……」

卯月「す、すごいぷるぷるしてる……」

翠「……弓道はサッカーのように他人を必要としません」

翠「もちろん団体競技はありますが、それぞれが自分自身を見つめ直す必要があります」

翠「例えるのならアイドルのレッスンと同じです」

翠「精神統一、そしてその静寂の先にいつもは見えなかった何かがあります」

翠「卯月さん、未央さん。心を落ち着かせてください」

卯月・未央「「はいっ!」」

珠美「竹刀はあたるその瞬間にだけ力を込めてくださいっ!」

珠美「最初から最後まで力を入れて振ると、威力も速さも落ちます!」

卯月「手に……マメが」

未央「手が……痛い」

卯月・未央「「でも、負けないっ!」」

珠美「体を整えて、一つ一つの動作をハッキリと」

珠美「これはダンスと同じです、力を入れるときは入れて抜くときは抜いてください!」

卯月・未央「「はいっ!」」

卯月「あれ?あやめちゃんは……」

未央「いや、それがこの本を覚えてくれれば大丈夫だって……」



あやめ「と、取り合えず忍者百科とカムイ外伝を置いてきたから大丈夫」

あやめ「……」

あやめ「……何故かカバンの中にある」

あやめ「代わりにわたくしが読むはずだった本が無い……」

あやめ「えーと、どこかに忘れて来ちゃったのかな?」



卯月「……ニンジャスレイヤー?」

未央「と、取り合えず読んでみよっか?」

卯月「そ、そうだね。もしかしたらこの中に忍びの心があるのかも」


……

………

卯月「やっと修行が終わったねミオ=チャン」

未央「うん、苦労の連続だったねシマ=ムー」

卯月「完成したね、ミオ=チャン」

未央「うん、完成したねシマ=ムー」

卯月「でも、私達のチョップでプロデューサーさんは喜んでくれるかな?」

未央「問題無いよっ!なんせみんなのお墨付きだからね!」

未央「智絵里ちゃんにも負けない私達のチョップ……」

未央「プロデューサーもきっと喜んでくれるはずだよっ!」

病院

コンコン

P「ん?どうぞー」

未央「あの、プロデューサー」

卯月「その……」

P「おお!二人ともわざわざお見舞いにきてくれたのか?」

卯月「は、はい。その……」

P「いや、すまない。まさか過労で倒れるなんてなぁ……」

未央「……へ?」

卯月「その、プロデューサーさん?」

P「今が一番大事なときだって言うのに……我ながら情けない話だよ」

未央「(あれ?もしか記憶が飛んでる?)」

卯月「(み、みたいだね……)」

P「どうしたんだ?もしかしてアクシデントでもあったのか?」

未央「いや、プロデューサーに元気になって欲しくて」

卯月「実は私達、一生懸命『ちえりチョップ』を特訓して来たんです!」

P「え?」

未央「いつもお世話になっているからさ、少しでも恩返しがしたくて!」

卯月「智絵里ちゃんみたいにうまくいくかわからないけれど、がんばりました!」

P「二人とも……」

P「(俺みたいな頼りないプロデューサーでも)」

P「(この子達はこうやって元気づけようとしてくれている……)」

P「(幸せ者だな……ああ、くそ。涙が込み上げてくる)」グスッ

未央「プロデューサー?」

P「い、いや。俺は良いアイドルを担当させて貰ったと思ってな」

卯月「えと、それじゃさっそくやらせてもらってもいいですか?」

P「ああ、もうどんと来い!」ハハハ

未央「それじゃ、シマ=ムー」

卯月「うん、ミオ=チャン」

P「おいおい、どうしたんだ二人とも。そんな真剣な顔をしてッ!?」

未央「(狙うのはノド……チャンスは一回。今までの練習の全てをこれに込める!)」

卯月「(狙うのはこめかみ……大丈夫、呼吸をミオ=チャンに合わせれば!)」

未央・卯月「「(……いける!)」」

P「え、あれ?(室内の空気が寒くなったような……)」

未央「これが……困難を乗り越えた私達の新たな力」

卯月「智絵里ちゃんのチョップを……アレンジした私達の力」

P「い、いや。智絵里のチョップはそんな殺伐としていなかったような」

P「ふ、二人ともー?目がマジだぞ?」

P「お、おーい?」

珠美『一つ一つの動作を繰り返し行う事。体が覚えるまでやります!』

卯月「(うん、頭だけじゃない。体がどのタイミングでいけばいいのかを教えてくれる)」

翠『心を落ち着かせてください。はやる心を落ち着かせれば、見えないものがよく見えます』

未央「(プロデューサーの呼吸、私の呼吸。流れが見える)」

有香『大丈夫です、既に暴漢相手なら問題ありません。自信を持ってください!押忍っ!』

卯月「(大丈夫、いけるっ!自分を信じて!)」

『百発のスリケンで倒せぬ相手だらといって、一発の力に頼ってはならぬ』

『一千発のスリケンを投げるのだ!』

未央「(そう、インストラクション・ワン!)」

P「えーと、そうだ!凛が花と一緒に持ってきてくれたフルーツが……」

未央「(プロデューサーの流れが乱れたっ!)」

卯月「(このチャンスを逃したらっ!)」

P「あれ、ここ室内なのに七つの星が見え……」

未央「ふっ!」シパッ

卯月「はっ!」シパッ

P「ふえ、ごっ!?」

未央「(まだっ!当たった時に私の持てる全ての力を込める!)」

卯月「(この手に感じた感触、押しつぶすようにっ!)」

未央「未央チョォォォォォォォォォォォォォォプっ!」

卯月「卯月チョップ!」

P「ぐぉぉぉぉぉぉ……」

未央「……」

卯月「……」

P「……ぐふ」バタリ
P「」ピクピクッ

未央「……ねぇ、シマ=ムー」

卯月「……何かな?ミオ=チャン」

未央「あの、ものすごーくいまさらなんだけどね」

卯月「あ、もしかしてミオ=チャンも?」

未央「うん」

卯月「良かった。実は私もなんだ」

未央「そっかぁ……」

卯月「……ははは」

未央・卯月「「……」」
未央「これってさ」

未央「もしかして思っていたものとはだいぶ違うんじゃないかな?」

卯月「うん、もしかしなくてもそうだと思うよ。ミオ=チャン」

P「」ピクピクッ

未央「……プロデューサー、なんかぴくぴくしてるね」

卯月「……あと、白眼むいてるよね」

未央・卯月「「……」」

未央「な、ナースコールッッッ!メディック、メディィィィック!」

卯月「こ、呼吸してない!?じ、人工呼吸!?いやその前に心臓マッサージ!?」



……

………

櫻井桃華「お父様、ありがとうございます。……それでは」ピッ

桃華「ちひろさん?こちらはOKですわ」

村上巴「若いのに大方は押さえさせたけ、こっちも大丈夫じゃ」

桃華「お父様の病院で助かりましたわね。他の病院じゃこうもうまくいきませんでしたわ」

巴「その点はちひろの手腕の早さにひったまげたのぉ」

ちひろ「病院ほど変なやからが集まりやすいところはありませんからね」

ちひろ「事前に手を回しておかないといけませんから」ニコッ

ちひろ「さてと……」

ちひろ「……悪徳さん、貴方は何も知らない」

ちひろ「いいですねー?」ソッ

悪徳又一「あいにく、あっしは金で動く男じゃ……!?」チラッ

又一「……いやー、ちひろさんは実に話がわかるようで何より」サッ

ちひろ「……」

又一「……」

ちひろ「……この狸が」ボソッ

又一「……蛇め」ボソッ

楊菲菲「……ん?あ、わかったヨ−!」ピッ

菲菲「ねずみが数匹捕まったヨー!ふぇいふぇいのお友達凄いヨー!」

ちひろ「ありがとう、フェイフェイちゃん」

又一「おお、怖い怖い。それじゃあっしはこの辺で……」スタスタ

ちひろ「……」

ちひろ「……晶葉ちゃん?」

池袋晶葉「問題無いよ。泉、どうだ?」

大石泉「終わったわ。しかし油断ならないわね」カタカタ

泉「あの記者、既に会社のPCにデータを送っているなんて……」カタカタ

晶葉「痕跡は?」

泉「オールクリア。足も付かないです」

ちひろ「まったく、油断も隙もないですからね。あの記者さんは」

ちひろ「さぁーってと。そろそろいいですか?二人とも」

未央・卯月「……」ビクッ

未央「……その、プロデューサーは大丈夫でしたか?」

ちひろ「私の特性エナドリを飲ませたので大丈夫です!」

ちひろ「まぁ一週間ぐらいは副作用があったりなかったりしますが……」

卯月「そ、そうですか……」

ちひろ「あ、ここまで大事になったのは半ばプロデューサーが原因ですから」

ちひろ「あまり気に負わないでくださいね?」

未央「へっ?」

ちひろ「ほら、去年のクリスマス」

未央「クリスマス?」

ちひろ「プロデューサーさんが裸の女の子をうちに連れ帰ったじゃないですか」

卯月「……もしかして、イヴちゃんのことですか?」

ちひろ「あれ、ちょっとよくないマスコミさんたちに話が広まっていてですね……」

ちひろ「今回もそのプロデューサーさんが入院したということで、マークが入ってたみたいで」

ちひろ「まったく、プロデューサーさんがもうちょっと上手くやってればこんなことには」ブツブツ

未央「す、すいません」

ちひろ「いいんですよ、一応これもうちの事務所が栄えている証拠ですから」ニコッ

ちひろ「……面倒くさい人達もまとめて捕まえられましたし」ボソッ

ちひろ「それでいったいどうしたんですか?」

未央「……それは」

ちひろ「まさか……」

ちひろ「二人ともプロデューサーさんにセクハラでも受けてたとか!?」

ちひろ「むぅ、困りました……」

ちひろ「あそこまで払いの良いプロデューサーさんの代わりを見つけるのは難しいですから」

卯月「ち、違います」

ちひろ「え?いや、でもそうでもなければあそこまでやらない気が」

未央・卯月「「違いますっ!」」

??「あら、あれは……」

ちひろ「へ、礼子さん?どうしてここに」

高橋礼子「プロデューサーのお見舞いでもしようと思って来たの」

礼子「そしたら三人を見つけて……ね」

未央「……」

卯月「……」

礼子「ふふ……ちひろさん?」

ちひろ「はい、なんでしょう?」

礼子「この子達はちょっと私に任せて貰えないかしら?」



……

………


礼子「……なるほどね。それでついつい力がはいっちゃったの?」

未央「……私たち、から回っちゃって」

卯月「……みなさんに、迷惑をかけてしまって」

礼子「ふふ、特にプロデューサーは随分とやられちゃったみたいね」

礼子「そうねぇ……」

礼子「二人がプロデューサーが大好きだっていうのはよく解ったわ」ニコッ

未央「でも、こんなことになって……!」

卯月「もうどんな顔をしてプロデューサーさんと合えばいいのか……!」

礼子「ほら、そうやってすぐに焦っちゃダメよ?」

礼子「もっと余裕を持って、ね?」

未央・卯月「「……はい」」

礼子「でも、その青さはとても羨ましいわ……」

未央「青さ、ですか?」

礼子「ええ。果実と一緒よ」

礼子「だんだんと時間と共に女は知ることで味が増してくるの……」

礼子「その代わり、いろいろと失っていくものがあるわ。それが青さ」

卯月「でも……その青さのせいで」

礼子「青いことは悪いことじゃないわ。青いからこそわかることがあるの」

礼子「あなた達は今回それを知ることができた」

礼子「これはアイドルとして、女としてとても大切なことなのよ?」

礼子「むしろあなた達はその青さを誇りなさい」

礼子「今は誇れなくても、いつかはその青さを魅力として自慢できるようになりなさい」

礼子「そうすれば、あなた達がなりたい姿になれるんじゃないかしら?」

未央「礼子さん……」

礼子「今、その青さを否定して進むことはとても危険なことよ」

礼子「せっかく自分が持っている魅力を否定してはダメ、ね?」

卯月「私たち……」

未央「もしかして、焦りすぎたのかな……」

礼子「そうね、焦っても仕方ないわ。今追い求めても手に入らない事もある。むしろその方が多いぐらい」

礼子「いろいろ経験して、大人になって。そしてやっとわかることもあるの」

卯月「礼子さんも、今でもわからないことがあるんですか?」

礼子「ふふ、むしろわからないことの方が多いわ」

礼子「だからそれを知るためにプロデューサーが私たちをプロデュースしてくれている」

礼子「違う?」

未央・卯月「「あ……」」

礼子「今を見なさい」

礼子「もちろん理想を見ることは大事だけれど、理想からものを見てはダメよ?」

未央・卯月「「はいっ!」」

礼子「それじゃ、まずはプロデューサーにあやまらないとね」

未央「……プロデューサー、許してくれるかな?」

卯月「私たち、酷いことをしてしまって……」

礼子「ふふ、あの人はちゃんと心からあやまればわかってくれるわ」

礼子「私たちのプロデューサーよ?大丈夫、私を信じて」

未央「……しまむー」

卯月「……うん、未央ちゃん」

礼子「心は決まったかしら?」

未央「はいっ!」

卯月「礼子さん、ありがとうございました!」

礼子「ふふ、さ。いってらっしゃい」

未央「行こう!」タタタ

卯月「早くプロデューサーさんにあやまらないと!」タタタ

ちひろ「お疲れ様でした、礼子さん」

礼子「ふふ、私にできることをしているだけよ」

礼子「子供をたしなめるのはいつだって大人の役目だもの。苦ではないわ」

ちひろ「……ふぅ。やっぱり礼子さんは大人って感じですね、私もまだまだです」

礼子「そんなことはないわ、お互いやれることをやりましょう」

ちひろ「そうですね……」

礼子「ふふ……」

ちひろ「じゃあ、まずは20セットガチャの本格的な実装を……」

礼子「……あ、あら?」

ちひろ「大丈夫です、もう前のような失敗はありません!」

ちひろ「消費者庁の連中やら団体やらへの根回しも完了!」

ちひろ「このちひろも、日々成長をとげているのです!」ドヤッ

礼子「(……成長も、人によりけりね)」ハァ

病室

P「……」

凛「……」

P「……えーと、凛?」

凛「あの二人は……」ゴゴゴ

P「おーい、凛?」

凛「一度だけでなく二度までもあの二人は……」ゴゴゴ

P「ふ、二人はきっと俺に元気になって欲しくてだな。だから」

凛「元気になって欲しい人間に白目むかせる?」ゴゴゴ

P「あれだ、きっと二人の親愛表現なんじゃ……」

凛「ん?」ニコッ

P「すいませんでした」

未央「……しぶりん、怒ってるね」

卯月「……うん、頭に怒りの四つ角が三つぐらいあるね」

未央「……どうしよう」

卯月「……あきらめて入るしかないと思うよ」

未央「……アイドルがあきらめるってこと、していいのかな?」

卯月「……これがたぶん、大人になるってことじゃないかな」

未央「……そっかぁ」

卯月「……うん」

凛「それで、そこの二人は何かようかな?」

未央・卯月「!」ビクッ

未央「ええと」

卯月「あ、あのね」

凛「二人とも、それ以上近寄ると……」

佐久間まゆ「容赦しませんよ……ですかぁ♪」

未央「……」

卯月「……」

凛「……」

P「……まゆ、いつからそこに?」

まゆ「プロデューサーさんがいるところに、まゆはいますから♪」

P「なにそれこわい」

凛「まゆさん、プロデューサーから離れてください」

まゆ「あ、りんご剥きましょうか?」ニコッ

P「ありがとう。でもどうせなら梨の方が」

凛「これ以上、危険な人をプロデューサーに近づけるわけには……」

まゆ「仕方ないですね、プロデューサーさんは」クスクス

P「りんごの歯ごたえがいまいち苦手でな……」

凛「もう私はプロデューサーに傷ついてほしくは……」

まゆ「わかりました、ちょっと待っていてくださいね♪」

P「おお、まゆはキレイに果物の皮をむけるんだな」

まゆ「プロデューサーさんのために練習しましたから♪」

P「おお、それはとても嬉し」

凛「……プロデューサー?」ニコッ

P「ごめんなさい」

凛「まゆさん、どういうつもりですか?」

まゆ「私はプロデューサーさんの梨をむいているだけですよ?」

凛「私がむきますから大丈夫です」

まゆ「そんなに頭に血を上らせてたら、手をケガしちゃいます」

凛「そんなことは……」

まゆ「だって、大切なお友達の様子もわからないなんて」

まゆ「どう考えても頭に血が昇っていると思いますよぉ?」

凛「……え?」

卯月・未央「「ごめんなさい!」」

P「卯月……未央……」

未央「私たち、勝手に一人で先走ってしまって……」

卯月「プロデューサーやちひろさん達にたくさん迷惑をかけて……」

P「……」

P「すまない」

未央「え?」

P「二人はもう俺の手を放れつつあると、もう俺がいなくても大丈夫だって」

P「勝手にそう思い上がったのかもしれない」

P「だから二人はこんなに苦しむ事になってしまったんだと思う」

P「本当にすまなかった……」

卯月「プロデューサーさん……」

P「俺は、未央の魅力と卯月の魅力」

P「それをファンに伝えることだけに躍起になっていたのかもしれない」

P「プロデューサーとして、何よりも二人にそれを伝えなくちゃいけないのにな……」

P「だから、二人は悪く無いよ。全ては俺の責任だ」

未央「そんなことない!」

P「……未央?」

未央「一緒にがんばろうって、トップアイドルになろうって約束したのにね……」

未央「なのに……勝手に一人で悩んで……プロデューサーをおいて一人で走ってしまって」

未央「本当に……ごめなさい!」

卯月「プロデューサーさん」

P「……卯月」

卯月「一緒に夢を叶えようって約束したこと覚えてますか?」

P「ああ、覚えているとも」

卯月「それを私は忘れちゃってたみたいです」

卯月「だから、プロデューサーさんにたくさん迷惑をかけちゃったんじゃないかって」

卯月「ごめんなさい……」

P「……そうかもしれないな」

P「俺も、卯月も、未央も。ちょっと一人でがんばりすぎたんだと思う」

未央「……」

卯月「……」

P「よし、それじゃ心機一転やりなおすか!」

卯月・未央「「……え?」」

P「お互い今の自分に気がつくことができた」

P「これってさ、これからもっともっと俺達は上を目指せるってことだと思う」

P「もう今度は目を離さない、願いが叶うその時までずっと側にいるつもりだ」

P「だから二人とも、これからも俺にプロデュースさせてくれないか?」

卯月「……プロデューサーさん、それは私たちからお願いすることだよ!」

未央「そうそう、むしろ私たちのプロデュースができる人はプロデューサーしかいないんだから!」

P「それじゃ……っ!」

未央「もちろんだよ!私、これまで以上にいーっぱいがんばるから、これからもよろしくね!」

卯月「プロデューサーさん。もっともっと頑張るから、一緒に夢を叶えましょう!」

P「ああ……ああっ!こちらこそよろしく頼む!」

凛「……」

未央「しぶりん……その、ごめんね」

卯月「凛ちゃんにはいろいろ迷惑、かけちゃったね……」

凛「……二人とも、ごめんね」

未央「え……?」

卯月「そんな、凛ちゃんがあやまることは無いよ!」

凛「そんなことない。もっと二人の相談を真剣に聞いていればさ」

凛「こんな大事にはならなかったと思うから……」

まゆ「あやまりたい、それと寂しいから私も混ぜてって素直に言えばいいじゃないですかぁ?」

凛「ま、まゆさん……っ!?」

まゆ「凛ちゃんはもうちょっとそこの二人みたいに、素直になっても良いと思いますよぉ?」

まゆ「(……ただし、プロデューサーに関する事は除きますけど♪)」

未央「もちろんだよ!むしろしぶりんがいないと始まらないしね♪」

卯月「私たち三人合わせてニュージュネレーションですから!」

凛「未央……卯月……」

凛「……うん、これからも一緒にがんばろう」

卯月「はいっ!」

未央「よろしくね、しぶりん♪」

凛「もちろん、プロデューサーも……」

P「ああ、俺が絶対にみんなを頂点に連れて行ってみせる!」

まゆ「私もですよねぇプロデューサーさん♪」

P「ああ、もちろん!まゆも一緒に目指そう!」

まゆ「はい♪」

まゆ「(……妻は夫に甘えて寄り添うだけじゃないんですよ?)」

まゆ「(夫を一つも二つも成長させる機会を逃さないのが妻の役目……)」

まゆ「(ああ、プロデューサーさんがいつも以上に輝いてる……)」

まゆ「(他のみなさんが寄ってくるのも仕方がないですよね、プロデューサーさんは魅力的ですから)」

まゆ「(えぇ……プロデューサーさんが嬉しそうですから特別です)」ギリッ

まゆ「(でも、その輝きを一番美味しいところで掴むのはまゆだけ……まゆだけですからねぇ♪)」

まゆ「うふ……楽しみ♪」



……

………


未央「うぉっ!?個性がある新人さん達がたくさん来たね!」

卯月「なんでも仙台から来たみたいだよ?」

未央「でも……」

卯月「私たちだって……」

未央・卯月「「先輩アイドルとして個性でも負けない!」」

凛「……うん、大丈夫。二人は十分に濃いから」ニコッ

未央「そ、それはそれで……」

卯月「な、何か煮え切らないね……未央ちゃん」

未央「……そうだね、しまむー」

凛「?」


おしまい

途中いろいろ呼称とか間違ってた、ごめんなさい。

あと本当は善財童子のように53人のアイドルに個性を見聞する話だった。
でも気力が途中で尽きて予定変更。
ごめん、麗奈サマ、和久井さん、永遠の17才さんたち
画像など支援してくださった方、ありがとうございました。
そして読んでくださった方、お付き合いいただきありがとうございました。

08:22│渋谷凛 
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