2013年11月24日

凛「二人三脚で歩んでいく日々」

書き溜めはしてあるので、投下していきます。


――事務所――


モバP「メーデー メーデー メーデー メメメメ メーデー♪」 カタカタ

モバP「温かいコーヒーが美味しい季節になったなぁ」 ズズズ

ガチャッ

凛「おはよう」

モバP「ん?凛?学校はどうした?」

凛「一昨日から冬休みだよ」

モバP「そうだったか、とりあえず寒いからそこ閉めてくれ」

凛「ごめん寒かったね。私もう行くから」

モバP「ん?どっか行くのか?」

凛「自主トレに行くの」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370069269

モバP「こんな早くからか!? 無理するなよ?」

凛「大丈夫。その....少し体動かしたいだけだから」

モバP「それなら送ってくぞ、よいしょっと」 ガタッ

凛「いや、大丈夫。体動かしたいって言ったでしょ?歩いて行くよ」

モバP「そ、そうか?それじゃ、いってらっしゃい」

凛「うん、行ってきます」

バタン

凛「........」

凛「大丈夫....今ならまだ間に合う」

凛「.....よし、行こう」

スタスタ...
−−−−−−
−−−−
−−

モバP「凛?また自主トレか?」

凛「...うん、行ってくるね」

モバP「ちょっと待て凛、ここのところ1週間仕事以外ずっとレッスンルームにいるだろ」

凛「......」

モバP「疲れも溜まってるだろうから今日くらい休んで――」

凛「大丈夫だから....それじゃ行ってくるね」 タタタ

モバP「あ、ちょっと待てって!! 凛!!ちょっと話をs――」

prrrrrrrr prrrrrrrrr

モバP「ん?電話か。こんな時に」

ピッ

モバP『はい、もしもし』
幸子『あ、プロデューサーさん!!緊急事態です!!』

モバP『どうしたんだ?悪いけど今少し立てこんでr――』

幸子『収録スタジオに間に合いそうにないんです!!』

モバP『え?』

幸子『タクシーがエンスト?ですか、してしまって今動けない状況です!!』

モバP『今どこにいる!!』

幸子『事務所から20分くらい走ったところです!!なんとか歩いて○○町のガソリンスタンドにいます』

モバP『今みんなは近くにいるんだな!?』

幸子『はい、みんないます』

モバP『すぐに行く!待っててくれ!!』 ピッ

ダダダ

ピポパッ

『もしもし私シンデレラガールズプロダクションのモバPと.....』
−−−−−
−−−
−−

ガチャ

モバP「一時はどうなるかと思ったぞ」

幸子「可愛いボクのために頑張りましたね、プロデューサーさん!!」

モバP「まぁ、なんとか丸く収まったなぁ、ここ最近一番神経使った....疲れたー」 ノビー

モバP「まぁ、幸子達の仕事も久しぶりに見学できたし結果オーライかなぁ」 ポロッ

幸子「プロデューサーさんスマホが落ちましたよ、はい」

モバP「ん、ありがと。今日はもう遅いから送って.....」

ゾクッ

ピッ ピピピピ

ちひろ「プロデューサーさん!? どうしたんですか!?」

ガタッ

モバP「すいません、幸子を家に送ってください!!」ガタッ

ダダダダ

ちひろ「プロデューサーさん!?」

凛からメールが着てない....。


みんなには自主トレ終わりには必ずメールをするように言ってある。


もちろんレッスンルームに通いつめてる凛も例外ではない。


アイドルの事も考えてレッスンルーム開放は9時までにしてある。


現在時刻は10時過ぎ。メールは着てない。


考えたくはないが.....。


ブロロロロ...

ガチャッ

キョロキョロ

モバP「凛!!」 ガシッ

凛「ハァ....ハァ....ハァ....」

モバP「くそっ!!! 」オンブ

ガチャッ

モバP「凛しっかりしろ!!」

凛「ハァ....ハァ....ぷろ....でゅーさー?」
そのまま急患診療所に駆け込んだ。


凛は疲労の蓄積と脱水症状などが重なって倒れたとのことらしい。


不幸中の幸いで入院するほどではなく、診療所についた時にはある程度意識は取り戻していた。


汗を拭いて、水分を取りつつしっかり休養を取るように言われ、その日は点滴を打ち診療所を後にした。


車の中で寝た凛を家まで送り、親御さんに事の状況と謝罪、あと最近家で何か変わったことはなかったかを聞いた。


今後の活動はまず、1週間は必ず休み体調が良くなってから、少しづつ復帰してしてほしいという旨を伝えた。


また数日後にお見舞いに来ますと言い、その日は凛の家を後にした。


お見舞いにみんなが家に押しかけても気が休まらないと思いみんなには、『凛は、風邪で少し休む』と伝えた。
ブロロロロ

杏「私たちの好きな食べ物?」

モバP「うん、レッスンにみんなを送った帰りにおみやげでも買ってもいいかなって思って」

卯月「あっ!じゃあ帰りに買いに行きましょうよ!!」

モバP「今日じゃないけどそのうちな。」

杏「私は飴を要求する!」

モバP「はいはい、それで卯月は何が好きなんだ?」

卯月「えーっとですね!――――」



あれから3日がたった。


今日はお見舞いがてら凛に話を聞きに行く。


今日はレッスンのあるアイドルが多いのでちひろさん一人じゃ迎えに行くには足りないのでレッスンが終わる時間まであと1時間半。


そんなに長くは話を聞けないだろうけど、少しでも話しを聞きたくて来た。


アドバイスを貰う相手を間違えたのか、お見舞いの品はゼリーとケーキという訳の分からない組み合わせになってしまった。
ピンポーン

「はい」

モバP「夜分遅くに申し訳ありません、私シンデレラガールズプロダクションで凛さんのプロデュースをさせていただいておりますモバPと申します。本日は凛さんのお見舞いに――」

「あれ?モバPさん?」

モバP「?。はい、そうです」

ガチャ

凛母「モバPさん?1週間は安静だってご自分でおっしゃっられていたの覚えてますか?」

モバP「え?は、はい、もちろん覚えてm――」

凛母「じゃあ何で凛をこんな時に仕事の打ち合わせに呼び出すんですか!?」

モバP「........はい!?」

凛母「3時頃に『プロデューサーが仕事の打ち合わせで話があるって言ってるから行ってくるね』って。...タクシー乗って行きましたよね!?」

モバP「ちょ....ちょっと待ってください!私は凛に『体調どうだ?』ってメールしか送ってません、仕事で呼び出すなんてそんなこと――」

凛母「え?.....だってあの子『プロデューサーに呼び出された』って.....」

モバP「じゃあ今凛はどこに....」

凛母「っっ!!」 ピポパ
prrrrrrrr prrrrrrrrr

モバP「こんな時に――奈緒?」

ピポパ

モバP『奈緒!凛を見なかったk――』

奈緒『助けて!!凛が倒れた!!』

モバP『まさか今レッスン場か!?』

奈緒『そうだよ、お願い!早く来て!!』

モバP『分かったすぐ行く、意識があるようならポカリ呑ませて楽な姿勢にしておいてくれ』

奈緒『わ、分かった!!』

ピッ

モバP「凛母さん、凛がレッスン場にいて、倒れたらしいです」

凛母「え?」

モバP「今から車で向かってそのまま病院に連れて行きます」

凛母「私も行きます」

モバP「それじゃ車に乗ってください」
ブロロロロ

ガチャ

トレーナー「プロデューサーさん!!」

モバP「凛は!?」

トレーナー「熱があります、脱水症状ではないみたいです。勝手に個室を使って自主トレしてたみたいで気づくのに遅れてしまいました.....」

モバP「分かった」


ダダダ

モバP「凛!!」

奈緒「Pさん!!」

卯月「やっときてくれました....」

モバP「みんなありがとう、今日はもう上がってくれ」

トレーナー「さ、みんなこっちに」

ゾロゾロ....

モバP「言いたいこともあるけど、それより病院に行くぞ、よいしょっと」 オンブ

凛「あ、あはは....またやっちゃった....」 グッタリ
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−−−−
−−

モバP「熱と疲労が重なってしまったみたいです....」

凛母「本当にご迷惑をお掛けしました」 フカブカ

モバP「いえ、こちらの不手際で2度も....」

凛母「いえ、気にしないでください。勝手に行ったのはあの子なんですし」

モバP「.....そのことなんですけど、今度凛さんと話す機会をいただけないでしょうか?」

凛母「どうですねぜひお願いします。私は花屋なんで、いつでも好きなときにでも来てください」

モバP「はい。あ、あと凛さんなんですけど1週間は全部仕事もキャンセルするんで、ゆっくりさせてやってください」

凛母「はい、今度は家からも出させません」

モバP「ははは....」
−−−−−
−−−−
−−−


2日後にまた凛の家に前にいた。


今度こそお見舞いと話を聞きに来た。



モバP「こんにちは」 ヒョコッ

凛母「あ、モバPさんいらっしゃいませー、ではありませんでしたね」

モバP「凛の様子はどうですか?」

凛母「熱がまだ下がりきらないみたいで、横になってることが多いですね。薬は飲んでるん出るけど...」

モバP「それじゃまた別の機会にでも」

凛母「別に気にしないでいいと思いますよ?」

モバP「そうですか?.....それじゃ少しだけ」

凛母「凛の部屋は2階の突き当りの部屋です」

モバP「はい分かりました。おじゃまします」

スタスタ

コンコン

・・・・・・・

モバP「凛?俺だ入るぞー」
ガチャッ

凛「....zzZ....zzZ」

モバP「何だ寝てたのか....お見舞い置いて帰ろう」

モバP「その前にちょっとトイレ借りよう」

バタン

凛「.....zzZ....zzZ....ぅん?」

凛「......」 ボー...

凛「!!」

凛(お母さんが買ってきてくれたのかな....ケーキ!!....と、ゼリー?変な組み合わせ....)

凛(まぁいいや、ちょうど甘いもの食べたかったし.....ケーキ....食べていいんだよね?) モゾモゾ

凛(でも布団から出たくない...掛け布団にくるまってれば寒くないかな?) モゾモゾ

凛(ショートケーキとチョコレートケーキかぁ....ショートケーキにしよう) パクッ

凛(!!.....おいしい.......チョコも少し食べてみよう....!!....こっちもおいしい) パクパク

ガチャッ

モバP「カバン忘れt――」

凛「え?」

モバP「え?」

凛(なななななんでプロデューサーが私の部屋に!?というかケーキにがっついてるように見えない?この状況!!?)

モバP(凛が布団にくるまってケーキ食べてる....しかも両方)


モバP「......そんなにケーキが好きだったのか」

凛「違う!!」
−−−−−
−−−
−−

モバP「まぁ、なんだ....思ってたより回復してるようでよかったよ。ケーキもたくさん食べt」

凛「っっっっっ//////」 バタバタバタ

モバP(かわいい)

モバP「それでだ、今日は様子だけ見て帰ろうと思ってたんだが、少し話しないか?」

凛「......うん、いいよ」

モバP「......最近何であんなに無茶するんだ?」

凛「.......」

モバP「自主トレもそうだし、この前の一件もそうだ」

凛「.....怒ってる?」

モバP「少しな、だけどそれ以上に悲しいよ」

凛「悲しい?」

モバP「何かあっての行動だったんだろうけどそれを俺に相談してくれなかったこと、あんまり信用されてないのかもな.....ははは....」

凛「そんなことはないよ!!.....ただ今回は私がこうしなきゃ気が済まなかったの」

モバP「気が済まない?何があったんだ?」

凛「.....」

モバP「........?」

モバP「凛?」

凛「......怖いの」

モバP「....俺が?」

凛「違うよ!.....プロデューサーは頑張ってくれてる」

モバP「じゃあ、何が怖いんだ?」

凛「.....今後のこと」

モバP「仕事のことか?」

モバP「最近レギュラーも何本かあるじゃないか」

凛「そうなんだけど.....」

モバP「じゃあなんで....」

凛「.....私....あんまり特技とかないでしょ?」

凛「アイドルの世界は移り変わりも激しいし.....」

凛「もし.....私がファンから飽きられちゃったらって思うと....怖い」

凛「最近夢を見るの....みんなだけ別のステージにたって私だけが事務所にいる...」

凛「それでいつまでたっても誰も事務所に帰ってこない.....そんな夢」

モバP「.....」
凛「事務所の子たちは個性があって一人でもやっていけそうな子が多いけど私にはその自信がない」

凛「.....だから何か特技の一つでもって思って....自主トレもやったけどうまくいかないし」 ポロポロ

凛「おまけにドジも踏んじゃうし......」 ポロポロ

凛「このままじゃ....プロデューサーの側にもいられなくなっちゃうって思うと....私」 ポロポロ

モバP「....凛」

凛「....うん」

モバP「えい」 ビシッ

凛「いたっ」

モバP「いいか凛、よく聞け?」

モバP「確かにアイドル業界は移り変わりも激しい」

モバP「特技を何か身につけたいのも分からなくもない」

モバP「だけどもし仮に凛がファンから飽きられたら何で俺の側にいられなくなるんだ?」

凛「.....え?」
モバP「事務所の子たちは俺が全員スカウトしたんだ、人を見る目は自信がある」

モバP「凛も含めたみんなは、俺が将来輝くと思ってスカウトしたんだ」

モバP「そんな子たちがこんなところで人気がなくなるはずがない」

モバP「それにもし凛がファンに飽きられても俺は離れるつもりはない」

モバP「凛はこんなところで止まるような子じゃない、俺がもっと輝かせてみせる」

モバP「だから安心しろ凛、俺は何があってもお前を見捨てない」 ナデナデ

凛「あっ.....ぅぅ....グスッ」 ポロポロ

モバP「もっと早く相談に乗ってあげればよかったな....ごめん」 ナデナデ

凛「プロデューサー.....プロデューサー、うわぁぁぁぁぁん」 ギュウッ

モバP「よしよし」 ナデナデ

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モバP「落ち着いたか?とりあえず横になれ」

凛「うん、ありがとうねプロデューサー」 グスッ

モバP「いいよ、それにしても今回のは俺の失態でもある」

モバP「凛がこんなに苦しむまで気づかないでいたんだから」

モバP「これからは『二人三脚』で行こう」

凛「二人三脚?」

モバP「凛はやりたいことを全力でやる」

モバP「俺はそれを全力で手助けする、それでもし何かあったらあったら二人で相談しよう」

モバP「とりあえずこのスタンスでしばらくやってみるか?」

凛「うん」

モバP「それじゃ、まずはしっかり休んで体調をしっかり整えること」

凛「あ、あはは...」

モバP「一週間は自宅謹慎だ!!なんて」

モバP「さてと....長居しちゃったな....そろそろお暇することにするよ」

凛「ありがとうね、プロデューサー」

モバP「何言ってんだ、これからだぞ?凛」 ナデナデ

凛「あっ////」 モゾモゾ

モバP「顔隠すほど寒かったのか悪かったな」

凛「あ、いや違くて.....」

モバP「あ、あとケーキは両方食べていいぞ、あんなに好きだったなんて知らなくて――」 ナデナデ

凛「違う!!」 バシッ

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それから復活した凛の快進撃は凄かった。

舞台にドラマ、吹き替え、ナレーター、リポート、バライティー、MCなどをこなし、数多くの高評価を貰った。

特に舞台、ドラマは反響が大きくあちこちから引っ張りだこになった。

もちろんアイドルの仕事もちゃんとやっていた。

あれから2年が過ぎる頃には、ドラマや舞台の影響のせいか前よりCDが売れるようになった。

ある日、作詞作曲もやってみたいと言い、始めてみた。

始めからの作詞作曲は難しかったらしく結構苦戦してた。

それでも続け、ようやく完成し、自らの声を乗せてCDとして発売したらこれも累計で20万枚を売り上げるような大ヒットとなった。

それからは、作詞作曲、ドラマや舞台にアイドルと忙しいながらも『充実してる』と言っていた。

そんな凛も今年で20歳なった。
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モバP「り、凛さん?これだけ買えばもういいんじゃないですか?」

凛「誕生日の埋め合わせに買い物に付き合ってくれるって言ったのは誰だっけ?」

モバP「確かに言った、言ったけどかれこれ8時間くらい買い物してるんだけど....」

凛「あ、次あそこ行こう」 グイグイ

モバP「oh....」


世の中は忘年会シーズン真っ盛り。

24日にも事務所を上げてのクリスマスライブを成功させて。

今年の仕事はほぼ終わって久しぶりのまとまった休日の一日を凛の誕生日の埋め合わせに付き合っている。

さらにサプライズで事務所で凛の誕生パーティーの準備をみんなでしている。

19時からの予定だったりする。
モバP「18時....そろそろかな」

モバP「おーい、凛そろそろ帰るぞー」

凛「え?まだあそこのお店に....ねぇってば」

ちなみに荷物は多すぎたので全部郵送にしてもらった。

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−−

ブロロロ

凛「.......」

モバP「何でむすっとしてるんだ?」

凛「ムスッとはしてないよ、ただあのお店で買いたいものあったから....」

凛(プロデューサーにペアのネックレス買おうと思ったのに....)

モバP「......じゃあまた日を改めて行く?」

凛「!!....いいの?」

モバP「た だ し、今度は短めの買い物にしてくれよ?」

凛「わ、分かった。......ヤッタ!!」
ブロロロロ

凛「あれ?私の家こっちじゃないよ?」

モバP「悪い悪い、ちょっと事務所に忘れ物しちゃってな、取りに行ってからでもいいだろ?」

凛「うん」

モバP「さすがに疲れたろ?寝ててもいいぞ」

凛「ううん、いいよ。プロデューサーの話し相手になるよ」

モバP「じゃあ俺が寝るよ」

凛「ダメに決まってんじゃん!!」 ツネリ

モバP「いてて、嘘に決まってんじゃん」

凛「まったく.....ふわぁ」

モバP「寝ていいんだぞ?」

凛「いいの!」

グォォォォォ

凛「何の音?」

モバP「なんだあの車?暴走しt―」

ガコンッ

グォォォォォ!!!

モバP「なっ!?こっちに――」

モバP(せめて俺の方を――!!)グイッ

キキキキィィ

凛「プ、プロデュ――」
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−−−

...ぶ....か!? ....っかりしろ!? おい!! 大丈夫か!?

凛「....ここは?」

救急隊員「今開ける!!」

ギュィィィィィィィィ

ガコンッ

救急隊員「助手席から1名救助!!担架急いで!!」

凛「.....あれ?あれあれあれ?私さっきまで何して――」

...ハッ!?

キョロキョロ

凛「プロデューサー?ねぇ私と一緒に車に乗ってた人は!?」

救急隊員2「運転席より1名!!」

凛「プ、プロデューサーだ....よかった無j」

ボタボタ

救急隊員2「かなりの重症だ!!担架急げ!!!足からの出血が酷すぎる!!急げ!!」

ピーポーピーポー

凛「ぁ、ぁぁぁ、ぁ、いや、あああああああ」

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−−−


私はその後同じ病院で検査を受けたが、奇跡的に多少の切り傷だけですんだ。


放心状態の私は連絡を受けて来たお母さんに連れられてその日は帰った。


そこからのことはあまり覚えてない。


ただ、泣いては寝ることを繰り返して今が何月何日何時かすら分からずにいた。


お正月が過ぎ、世間もそろそろ普段通りに戻ろうとしていた。


あれから2週間が経つかのところでケータイに電話が来た。


ちひろさんからで「一段落ついたので、病院に来てもいいよ」とのこと。


久しぶりに生きた心地がした。急いでタクシーを呼び、着替え、お見舞いの花を用意して家を出た
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−−−−
−−−

タタタタ

ガラッ

凛「プロデューサー!!」

ちひろ「凛ちゃん.....早かったわね」

モバP「凛、心配かけたな」

凛「よかった.....よかった.....」 グスッ

凛「ぅぅ.....ぅわぁぁぁぁぁん」 ボロボロ

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モバP「凛、落ち着いたか?」 ナデナデ

凛「これじゃああの時みたいだね.....グスッ」

モバP「あの時?」

凛「プロデューサーがうちに来て『これからは二人三脚で』って言ってくれた時」

モバP「......あぁ.....そうだな」
ちひろ「..........」

モバP「....凛.....話があr」
凛「そ、そうだ!!プロデューサー最近外出てないでしょ?」

凛「まだ外は寒いけど天気も良くてね、気持ちいいんだ」

凛「私もしばらく動いてなかったから身体が鈍っちゃって。あははは」

凛「ほら、少しは動こうとしてよ。たまには体動かしたほうがいいって」 グイグイ

モバP「凛、聞いてくれ」

凛「分かった、じゃあ外で聞くよ。ほら行こう?」

ちひろ「凛ちゃん......」

凛「分かるよ、寒いから出たくないんだ?そうなら始めからそう言ってよ」

モバP「凛....お願いだ、聞いてくれ」

凛「もう、どれだけ行きたくないの?子供じゃないんだからいつまでも布団に囲ってないで――」グイッ

バサッ

凛「......ぇ」

凛「......ぁ、ぁあぁぁ」 ヘナヘナ
モバP「ごめんな......凛」 ポロポロ

モバP「これからは、『二人三脚』は無理になちゃったんだ」 ポロポロ

ちひろ「.....っ」 ボロボロ

凛「プ....プロデューサー?何のドッキリ?」 ポロポロ

モバP「お前はもう俺の力なんか無くても立派にやっていける.....そうだろ?」 ボロボロ

モバP「だから.....『二人三脚』は、もう....なくても大丈夫だよな?」 ボロボロ

モバP「今の俺じゃ、凛に付いて行くことすらできない」 ボロボロ

モバP「『二人三脚』はもう....できないんだ....ごめん」 ボロボロ

凛「あぁ....分かった....騙されたよ!!カメラはどこ!!」 ボロボロ

ちひろ「凛ちゃんっ!!」ギュッ
モバP「凛....分かってくれ....俺が一緒に進めるのはここまでなんだ.....」 ボロボロ

凛「....ない.....分からないよ!!」 ボロボロ

モバP「ごめん....ごめんな...凛」 ボロボロ ナデナデ

凛「嘘だよ....こんなの....あんまりだよ....ぅぅ、ぅわああああああああああん」 ボロボロ

モバP「凛....それに事務所のみんなは俺の誇りだ....」 ボロボロ

モバP「これからもみんなで楽しく仕事してる姿を.....テレビで活躍してる姿を俺に見せてくれ....」 ボロボロ

凛「え?」 ボロボロ

モバP「もうみんなの近くにいる資格もなくなった....プロデューサーは...もうできなんだ」ボロボロ
あの事故で俺は左足の膝辺りから下を失った。


もうみんなの背中を見続けることすらできなくなってしまった。


幸いに右足は無事だった。


営業が仕事のプロデューサー、文字通り『足』がなくちゃ話にならない。


凛はやめないでと泣きついて離れなかったが、もう俺にはできることはない。


強いて言うなら、一人のファンとして応援するくらいしか...


後日、ちひろさんに車椅子を押してもらいながら事務所に行き、みんなの前で事情の説明とプロデューサーをやめることを言った。

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今俺は都内から外れた田舎のいわゆるベッドタウンに住んでる。


あれからもうすぐ1年が経とうとしていた。


仕事はプロデューサー時代の知り合いにお願いして在宅ライターという仕事をなんとかやっている。


人脈さまさまである。


実はここには最近引っ越してきた。新居ってものを買ってみた。


どうしてもいい物件が見つからなかったので、家を建ててそこに骨を埋めようという作戦である。


只今12月も24日。クリスマスである。どうしてもこの時期になると胃がキリキリする。


こうゆう時は、酒を飲んでばったり寝たほうが楽だったりする。
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−−

PM23:30

『...いての....―スです。今日はクリスマスイブ。六本木ではイルミネーションが―――』

モバP「んむ....寝てたのか....ってまだ夜じゃん」

モバP「トイレトイレっと.....」 ズリズリ


そういえば義足は使っていない。どうもあれは身体の感覚がおかしくなるような気分になる。


ジャバーッ

モバP「よいしょっと.....クリスマスねぇ...スルメ美味い」 モグモグ

『続いてただ今入ってきたニュースをお伝えいたします。』

モバP「ひれ酒....」シュボ ポッ


 『シンデレラガールズプロダクションの渋谷凛さんがクリスマスライブを最後にアイドルの活動を無期限で休止することを発表しました。』


モバP「んぐっ!!?.....ゲホゲッホ、活動休止!?」

凛『前にお世話になった人が、自分のやりたいことを全力でやってみろと言ってくれました。』

凛『私はこれから自分の一番したい事のためにしばらくアイドルの仕事をお休みしたいと思います。』

凛『もしかしたら今日が最後になるのかもしれないけど....悔いは残したくないから』

凛『それじゃみんな行ってきます!!』


『以上、23時のニュースをお伝えしました』 テーテテーン


モバP「で、電話して.....って余計なお世話か」

モバP「......まぁ凛だから大丈夫だろう...ふわぁ〜....寝るか」
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モバP「ぐぬぬ....冷蔵子に何もない...だと!?」

モバP「こんな炎天下の中、買いに行くのは鬼畜の所業!!」

モバP「ふっふっふ、こんな時のために買い置きのカップラーメンが....ない!?」

モバP「仕方ない...買い物に行くか」


あれから凛のことはあまりニュースにはならなかった。


始めのうちは、有ること無いことの噂で盛り上がってたがそのうち話題にならなくなった。


今、何をしてるかは俺も知らない。


俺の方はやっと仕事も数こなすようになって生活が安定してきてた。


その頃には8月になっていた。


8月上旬はまだ暑い


むしろ一番暑いんじゃないか?


スーパーまでは歩いて10分ちょっと。車椅子ではもう少し時間がかかる。


車もあるが車椅子を積んだりする手間を考えたらそのまま行ったほうが楽だったりする。
モバP「暑い.....暑い.....」 ギシギシ

モバP「ハァ....ハァ...」 ギシギシ

モバP「....今日はざるそうめんだ。太陽め....絶対に許さん」 ギシギシ

近所の学生『あ、Pさんじゃん!!この炎天下の中スーパー行くの?』

モバP「ん?そうだよ」

近所の学生『押して行ってあげるよ!!』

モバP「....アイスは買わないぞ」

近所の学生『...そんなにお金に困ってないよ、アルバイトしてるし』

モバP「じゃあお願いしていい?」

近所の学生『任せなさいな!!』
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−−

モバP「うひょー涼しいぃぃぃ」

近所の学生『天国だねー』

モバP「俺ここに住みたい」

近所の学生『じゃああの家は私たちにくれるの』

モバP「断じてやらん!!」

近所の学生『なら買い物してしっかり家に帰りなさい』

モバP「あ、はい」

近所の学生『それじゃーね』

モバP「おう、ありがとねー」
モバP「さて、と」

 『Pさん?こんな暑いのによく来たね?』

モバP「あ、お向かいさん。こんにちは」

お向かい『そうそう、実家から野菜たくさん送られてきたからあとでおすそわけに行ってあげる』

モバP「おぉ!!ありがとうございます!!」

お向かい『それじゃお先にー』

モバP「よし、そうめん売り場は....あっちか」
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−−

モバP「えっと、あと買っておいたほうがいいものは....」

モバP「カップラーメンの買い置きでもしておこう、もう炎天下はコリゴリだ」

ギシギシ

モバP「さてと、俺のお気に入りは.....」

キョロキョロ

モバP「あれ?どこだ?」

モバP「まさか....」チラッ

モバP「あった....一番上の棚に....試練か」

モバP「せーのっ....ふい!!」 ピーン

モバP「んぎぎぎ.....届かん」

モバP「店員さんは....いないか....もう少し頑張るか」

モバP「ふっ!!.....ダメだぁ」

モバP「仕方ない....面倒だけど立つか....よいs」
 『これがいいの?』 ヒョイ


モバP「ん?あぁ、それです。ありがとうございまs――」


 『はい。....それにしてもカゴの中身偏り過ぎじゃない?』


モバP「いやいやお恥ずかしいところを」


 『こんなんじゃ、いつか体壊すよ....プロデューサー』


モバP「大丈夫です、このあとお向さんが野菜を......プロデューサー?」

    チラッ
凛「久しぶり、プロデューサー」

モバP「凛!!」

凛「ちょっと声大きいって」

モバP「ワンピースに広つば帽子なんてかぶってるから、全然気が付かなかったぞ」

モバP「それより何でこんなところに!?」

凛「会いに来たの」

モバP「そういえばニュース見たぞ」

モバP「活動休止ってどうしたn....なんだそのでっかいスーツケースは?」

凛「あぁ、これには――」

モバP(今度は海外進出か...うんうん...凛は大物になったなぁ)

モバP「そっか、やりたいことがあるって言ってたからな....凛俺はいつでも応援してるぞ」

凛「うん、頑張るよ。それじゃ....」

モバP「おう、頑張ってこい!!」


凛「行こっか....よいしょっと」 グイッ

モバP「うん.......うん?」
モバP「.....俺も行くのか!?どこに行くんだ?」

凛「プロデューサーのお家」

モバP「ファッ!?」

凛「私の一番やりたいこと......プロデューサーの側にいて、お世話すること」

凛「そのためにここまでこうして来たんだよ?」

モバP「ま 、待て待て!!凛、お前はまだまだいろんなことができる」

モバP「もっといろんな世界が待ってるはずだ!!」

モバP「俺なんかにか

モバP「だから――」

凛「『二人三脚!!』.....でしょ?」

凛「もう決めたの。どこに行くにも私はプロデューサーの側にいたい。それに....」

モバP「それに?」

凛「また誕生日.....一緒に祝って欲しいし....」

モバP「......まさかそのスーツケースの中身って....」

凛「服とか小物とか」

モバP「oh.....」
>>47今回はそうゆうモバPってことで


オツリノオカエシニナリマース


ガサガサ

モバP「それで凛はどこに家借りたんだ?」

凛「?、何言ってるの?」

モバP「ん?」

凛「プロデューサーの家に住むんだよ」

モバP「何言ってるんだ!女の子を泊めるなんて――」

凛「私、一応成人なんだよ?」

モバP「.....」

モバP(!!!。そうだ!)

モバP「あー残念だなぁ、俺の今の年収じゃ二人分は補えないなー」 チラッ

凛「大丈夫、私の口座に遊んで暮らさなければそれなりにもつくらいのお金はあるから」

凛「それに『印税』も入ってくるしね、作詞作曲がこんなところで役に立つなんて思わなかったよ」

モバP「杏みたいなこと言うなって....」
アリガトウゴザイマシター


凛「まだ暑いねー、さてと....今日のお昼はそうめんにするんだよね?」

凛「任せて、料理は相当頑張ってきたから、きっと美味しくできるはず」

モバP「.......はぁ」

モバP「....なぁ凛、本当に俺なら大丈夫だから――」

凛「もう決めたから....これ以外の道は見えないし見たくない」

モバP「.....」

凛「.....」

ギシギシ

凛「.....」

モバP「....生姜と青ネギ」

凛「え?」

モバP「それが入ってないそうめんなんてそうめんじゃない」

凛「!!!。分かった!!」

モバP「まったくもう....」

凛「....かき揚げとかも作る?」ボソッ

モバP「!!。エビが入ってるのが――」

凛「ふふふ、任せて」



おしまい



17:30│渋谷凛 
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