2013年11月25日

幸子「ボクの背中には羽根がある」

輿水幸子ちゃんメインのSSです。
書き溜めありですが、オリジナル設定(律子がPの幼馴染)含むので注意。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368355755


とある日のレッスン風景

莉嘉「ねーねーPくん、アタシたち、いつデビューできるの〜?」

P「莉嘉はもうCD出してるだろー?」

莉嘉「そーじゃなくて〜……凛ちゃんたちのニュージェネレーションみたいなやつだよ〜」

P「あー、それはもう少し待ってな。今、もう1人を探してるから」

莉嘉「3人でデビューするの!?」

P「言ってなかったっけ?」

莉嘉「聞いてないよ〜!」

P「まーそういう訳で、もう少し待ってくれな」

莉嘉「ねー、3人目ってどんな子なの!?」

P「それは……秘密」

莉嘉「え〜!? 教えてよ〜!」

P「楽しみはとっておいた方がいいぞ」

莉嘉「気になってレッスン出来ないよ〜!」

P「しょうがないなぁ……」

莉嘉「教えてくれるの!?」

P「俺がレッスンを見ててやろう」

莉嘉「え〜……」

P「じゃあ終わったらメシ連れてくから」

莉嘉「やったー☆ Pくんとご飯だー♪」

P「現金な奴だなー」

莉嘉「お姉ちゃんに自慢しちゃおー☆」

P「それよかまずレッスンしようなー」

莉嘉「はーい☆」

P「じゃあ俺事務所戻るから」

莉嘉「見てくれるんじゃなかったの〜?」

P「ありゃ冗談だ、ってか俺もでかさなきゃいけない仕事があるからさ」

莉嘉「そっか〜……アタシのレッスンが終わるまでには終わらせてね?」

P「任せろ! そんじゃ後でなー」

莉嘉「頑張ってねー☆」

P「おー、莉嘉もなー」

お人形さん

莉嘉「メアリーって、お人形さんみたいだよねー☆」

メアリー「それは喜んでいいのかしら?」

莉嘉「喜べー! お人形さんは褒め言葉だよ〜」

メアリー「そうなの? ありがとネ!」

莉嘉「どういたしましてー☆ アタシもそんな風になれたらな〜」

メアリー「莉嘉はそのままでも十分カワイイわよ?」

莉嘉「うー……」

メアリー「莉嘉?」

莉嘉「なんでこんなおめめパッチリなの!?」

メアリー「!?」

莉嘉「なんでこんなお肌白いの!? なんでこんな綺麗なブロンドなの〜!?」

メアリー「ちょっと、くすぐったいってば!」

莉嘉「よいではないかよいではないか〜!」

メアリー「あっ……やめなさいってばっ!」

P(ここが桃源郷か……)

hapPy birthday

莉嘉「Pくん、お誕生日おめでとー☆」

P「おー! ありがとなー」

莉嘉「はい、プレゼント☆」

P「わざわざありがとうな。莉嘉はいい子だなぁ〜」

莉嘉「えへへー♪」

P「早速開けてみていい?」

莉嘉「いいよー☆」

P「じゃあ開けるな? ……おー、おしゃれだなー!」

莉嘉「頑張って選んだんだよ〜?」

P「莉嘉が1人選んだのか?」

莉嘉「そうだよー☆ 今回はね、お姉ちゃんに頼らないで選んだんだー♪」

P「そっか、じゃあ毎日これ使わなきゃな!」

莉嘉「さすがに毎日はダメだよ〜……あ、あともうひとつあるんだー☆」

P「マジかー! なんか申し訳……ん?」

莉嘉「はい! 格好いいでしょ、ヘラクレスオオカブトっていうんだよ〜?」

P「お、おう……」

莉嘉「Pくん反応薄いよー! あ、もしかしてコーカサスの方が好きだった?」

P「そうだなー、どっちかというとそっちがよかったかなー」

莉嘉「そっかー残念☆ でもヘラクレスもカッコいいんだから、大事にしてねー♪」

P「ありがとなー、あはは……」

hapPy birthday

莉嘉「Pくん、お誕生日おめでとー☆」

P「おー! ありがとなー」

莉嘉「はい、プレゼント☆」

P「わざわざありがとうな。莉嘉はいい子だなぁ〜」

莉嘉「えへへー♪」

P「早速開けてみていい?」

莉嘉「いいよー☆」

P「じゃあ開けるな? ……おー、おしゃれだなー!」

莉嘉「頑張って選んだんだよ〜?」

P「莉嘉が1人選んだのか?」

莉嘉「そうだよー☆ 今回はね、お姉ちゃんに頼らないで選んだんだー♪」

P「そっか、じゃあ毎日これ使わなきゃな!」

莉嘉「さすがに毎日はダメだよ〜……あ、あともうひとつあるんだー☆」

P「マジかー! なんか申し訳……ん?」

莉嘉「はい! 格好いいでしょ、ヘラクレスオオカブトっていうんだよ〜?」

P「お、おう……」

莉嘉「Pくん反応薄いよー! あ、もしかしてコーカサスの方が好きだった?」

P「そうだなー、どっちかというとそっちがよかったかなー」

莉嘉「そっかー残念☆ でもヘラクレスもカッコいいんだから、大事にしてねー♪」

P「ありがとなー、あはは……」

>>画像あざす!

差し入れ

莉嘉「あっ、Pくんだ! やっほー☆」

幸子「カワイイボクが見たくて来たんですか? まったく」

メアリー「ダーリン! アタシに会いに来てくれてうれしいワ!」

トレーナー「ちょっとみなさん! まだダンスの途中ですよ!」

ベテトレ「おいおい、プロデューサーの君がレッスンの邪魔をするのは感心しないな?」

P「あはは、邪魔してすみませんでした」

トレーナー「はぁ……じゃあ、少し休憩にしましょうか」

ベテトレ「うむ。プロデューサーPがスタドリを持ってきてくれたしな!」



莉嘉「Pくん! アタシに一番にちょーだい☆」

メアリー「ちょっと莉嘉! 一番はセクシーなアタシに決まってるでショ!」

P「はいはい、じゃあ大人しくしてる幸子が最初な」

幸子「フフーン、当然ですね。ボクはカワイイので!」

莉嘉「あーっ! P君ひどーい!」

ベテトレ「莉嘉、キミもいい子にしてないと貰えないぞ?」

莉嘉「やだー! じゃあ静かにするねー☆」

メアリー「アタシも静かにするワ!」



莉嘉「レッスンの後はこれだよねー☆」

メアリー「そうね。んっんっ……ハァ……ダーリンも来てくれたし、疲れも吹き飛んだワ!」

莉嘉「そうだねー♪ ってあれ、さっちゃんどこいったんだろ?」

メアリー「んー……いたワ! ダーリンとしゃべってるわネ……」

莉嘉「現行犯タイホだー☆」

メアリー「独り占めは許さないんだから!」

幸子「プロデューサーさん!」

P「おー幸子。お疲れ様」

幸子「それ、少しくれませんか?」

P「別にいいけど……スタドリあるだろ?」

幸子「ミルクティーの気分なんです」

P「そっか。じゃあ、はいよ」

幸子「ありがとうございます。んく…んく……」





メアリー「ダーリンと間接キッスなんてずるいわよ!」

莉嘉「アタシもPくんと間接チューするー☆」

幸子「ブフッ!」

莉嘉「さっちゃん、抜け駆けはずるいよ〜」

メアリー「アタシだってダーリンのミルクティー飲みたいワ!」

P「さ、幸子、大丈夫か?」

幸子「え、ええ、大丈夫です、ボクはカワイイので……」

莉嘉「じゃあ、次はアタシねー☆」

メアリー「全部飲んじゃダメなんだから!」

P「あはは……スタドリじゃなくてミルクティーの方が良かったかな」

幸子「いえ、そういう問題じゃないと思いますよ……」

レコーディング

P「そういや、3人そろってレコーディングって初めてか」

莉嘉「そうだねー☆ アタシ、ちょー楽しみだよ〜♪」

メアリー「こんな立派なところを使えるなんて、すごいわね……」

幸子「フフーン、このボクがいるんだから、このくらい当然ですね!」

莉嘉「PくんPくん! アタシちょっと探検してくるねー☆」

P「おい莉嘉待てって! ったくもー……」

メアリー「まったく、莉嘉ったらお子様なんだから……」

P「お前が言うな」

メアリー「いたっ!ちょっとダーリン!」

幸子「やれやれ……大人なのはボクだけみたいですね」

メアリー「幸子だってお子様よ! ぺったんこなんだから!」

幸子「ボ、ボクは発展途上なだけです!」

メアリー「お子様には変わりないでショ! ねえダーリン?」

P「そうだぞ、大人ってのは……そうそう、あの人くらいないとな! ……ん?」

莉嘉「Pくーん! 三浦あずささん見つけちゃったー♪」

P「ええー……」

莉嘉「サイン貰っちゃったんだー☆ ほら、見て見て!」

P「良かったな、あはは……」

あずさ「あの〜、すみません……ここはどこなんでしょうか?」どたぷーん

P「ここは756スタジオですけど……あの、竜宮小町の三浦あずささんですよね?」

あずさ「はい〜、そうですけど」

P「私、CGプロダクションのPと申します。これ、名刺です」

あずさ「あら、わざわざご丁寧にどうも〜」

P「いえいえ。あの、竜宮小町のみなさん、今レコーディングしてらっしゃるんですか?」

あずさ「いえ、あの、私迷子になっちゃって……」

P「迷、子?」

あずさ「はい〜……私、ドジで、よく道に迷ってしまうんです〜」

P「そ、そうなんですか」

あずさ「ええ、今日も途中まで律子さんと一緒だったんですけど……って言ってもわかりませんよね、ごめんなさい」

P「律子さんって、秋月律子さんですか?」

あずさ「はい、そうですけど……あの、お知り合いなんですか?」

P「ええ、昔なじみといいますか、なんといいますか……」

あずさ「そうなんですか〜……あら、プロデューサーさんから……ちょっとすみません」

P「構いませんよ、どうぞ」

あずさ「すみません……もしもし、プロデューサーさんですか?」

あずさ「はい、ええ、はぐれちゃって……場所はええと、756スタジオです……はい、わかりました〜。わざわざすみません」

あずさ「プロデューサーさんが迎えに来て下さるそうです〜」

P「それは良かったですね。えと、律子さんが?」

あずさ「いえ、もう1人のプロデューサーさんですね」

P「あ、そうなんですか……(残念……)」

あずさ「入口で待っているように言われたので、失礼しますね」

P「はい。あの、莉嘉がお世話になったみたいで、ありがとうございました」

あずさ「いえいえ。またね、莉嘉ちゃん」

莉嘉「あずささん、ありがとー☆ またね〜」

P「あ、三浦さん!」

あずさ「はい?」

P「何度もすみません。律子さんによろしく言っといて下さい」

あずさ「律子さんに……はい、わかりました〜」

P「お願いします。では、また機会があれば」

あずさ「はい、失礼します〜」

P「ふぅ、まさか765プロのアイドルと会えるとは思わなかったなぁ……ん?」

P「2人とも、いつまで黙ってるんだ?」

メアリー「ダーリン、やっぱり大きい方が好きなのかしら……」

幸子「ボ、ボクはカワイさでカバーしますから……(震え声)」

莉嘉「Pくん、そろそろ準備したほうがいいよー☆」

P「おっ、そうだな。ほら、メアリー、幸子、行くぞ」

メアリー「ダーリン、アタシ、もっと大きくなるから待っててネ!」

P「え?」

幸子「おっぱい星人……」

P「はぁ!?」

幸子「プロデューサーさんがああいうの好きだなんて、ボク幻滅しました……」

P「何言ってんだお前は……」

幸子「だってさっき、三浦あずささんの胸くらいないと嫌だって……」

P「言ってない!」

幸子「……本当ですか?」

P「本当だ! そんなこといいから行くぞほら」

莉嘉「さっちん、Pくんがおっぱい星人じゃなくてよかったねー☆」

幸子「ボ、ボクは別に、プロデューサーさんがおっぱい星人でもそうでなくても、その……」

P「あのさぁ……あんまりおっぱい星人言うのやめてくんない?」

幸子「自分だって言ってるじゃないですか」

P「いや、だからお前らが言わなきゃ言わないんだけど……」

幸子「誰のせいだと思ってるんですか!」

P「俺のせいか!?」

幸子「まったく、プロデューサーがえ、えっちだと困りますね!」

莉嘉「Pくん、私の胸なら触ってもいいよー☆」

メアリー・幸子「「絶対ダメ(です)!」

P「あはは……っていい加減行くぞ! 遊びに来たんじゃないんだからなー」

莉嘉「はーい☆」

メアリー・幸子「「はーい……」

being wet after LIVEバトル

敵P「いいから、ウチに来なって〜! 今いる所よりもっとプッシュしたげるよ?」

幸子「結構です。あんまりしつこいと叫びますよ?」

敵P「つれないなー……給料だって、倍、いや3倍は出せるのに」

幸子「あいにくお金には困ってませんので。もう失礼しますね?」

敵P「ちょっと待ってよ幸子ちゃーん!」

幸子「や……離してください!!!」

P「どうした幸子!」

幸子「Pさん!!」

敵P「チッ……いいところに……」

P「大丈夫か幸子……?」

幸子「はい……Pさんのおかげでなんとか」

P「良かった……おいアンタ、何のつもりだ?」

敵P「いやー、幸子ちゃんをウチに引き抜こうと思ったんだけどね〜」

P「は? ふざけたこといってんじゃ……」

敵P「こんな冴えないプロデューサーじゃあ、幸子ちゃんが可哀想だよね〜」

P「んだとコラ……!」

敵P「お前みたいなプロデューサー、さっさと辞めた方がいいよ?」

敵P「幸子ちゃんと全然釣り合ってないんだから! アハハハハハ!」

P「てめえ!」

幸子「Pさん!」

P「あ……幸子……」

幸子「殴ったらあの人の思う壺です! 抑えてください!」

P「ごめん……ありがとな……」

敵P「(余計なことを……)幸子ちゃんさー」

幸子「はい、なんですか?」

敵P「きっと、ウチに来なかったこと、後悔するよ?」

幸子「しないと思いますよ。絶対に」

敵P「アハハ、後で来たいと言っても遅いからね! じゃあね!」
幸子「はぁ……面倒な人でしたね……」

P「……」

幸子「まったく! 負け惜しみなんて格好悪いですね!」

幸子「プロデューサーさん、あんなの気にしなくていいですよ!」

P「……ああ」

幸子「落ち込まないで下さいね? プロデューサーさん、変な所で真面目なんですから」

P「……おう」

幸子「ああいう人は、人を傷つけても平気な人種ですから、ってフォローになってませんね」

P「ん、わかってるよ」

幸子「そもそも、ボクのカワイさに釣り合う男の人なんて居ませんから、心配しなくても大丈夫です!」

P「そうだな……」
幸子「あの、そうですけど……ボクが言いたいのはそうじゃなくて、ええと……」

P「……?」

幸子「ボクが釣り合うと思う人は、ボクが決めることです。あの人が決めることじゃありません」



幸子「ボクは、ボクが好きなのは」

幸子「ボクの事をとっても大事にしてくれる、プロデューサーさんですから」

P「幸子……」

幸子「だから、あんな人の言うことは真に受けないでください。あんなチャラチャラした人なんて、こっちから願い下げです」

幸子「ボクのプロデューサーは、Pさんだけですから」

P「……」

幸子「大体、見れる顔ならいいんですよ。少なくとも、ボクはそう思います……ってプロデューサーさん?」

P「ごめん……ちょっとこっち見ないでくれるか……」

幸子「は、はい……」

幸子「……落ち着きましたか?」

P「ああ、ゴメンな、なんか」

幸子「Pさんの泣いてるとこ、初めて見ました……」

P「……人前で泣いたのなんか、いつ振りだかわかんねえよ」

幸子「なんかPさん、かわいいですね、ふふ」

P「全然嬉しくねえよ……」

幸子「まぁ、ボクには敵いませんけどね!」

P「そりゃそうだ……なあ幸子」

幸子「はい、なんでしょう?」

P「絶対、幸子をトップアイドルにしてやるからな」

幸子「フフ、鼻が真っ赤だと締まりませんね!」

P「や、しょうがないだろ……」

幸子「まあいいですけどね! 許してあげますよ、ボクはカワイイので!」

P「おう、ありがとな」

幸子「どういたしまして!」

幸子「これからもお願いしますね、ボクの大好きなプロデューサーさん!」

打ち上げ後

幸子「あ、ここで大丈夫ですよ」

P「おー。それじゃ、ここで停めるな?」

幸子「はい、ありがとうございました……ふぅ、流石のボクも少し疲れましたね」

P「正直、カラオケは行かない方が良かったかもな」

幸子「いいんじゃないですか? 可愛いボクの歌声が聞けたんですから」

P「それは嬉しかったけど、何もイベントの後に行かなくてもな。疲れてるだろうし」

幸子「仕方ないですよ。莉嘉さんが『カラオケ行きたーい☆』って聞かなかったんですから」

P「うぉ、結構似てたぞ! 莉嘉っぽい!」

幸子「フフーン、ものまねまで完璧なんて、流石ボクですね!」

P「そうだな。じゃあお笑い番組のオファーきたら受けとくか」

幸子「さ、流石のボクでもそれはちょっと……」

P「冗談だって。可愛い幸子をお笑い番組になんか出させないよ」

幸子「そ、そうですよね! なんせボクはカワイイですからね!」

P「でも幸子、あんなアツいラブソングとか歌うんだな。意外」

幸子「い、良いじゃないですか別に!」

P「あ、ごめんな。茶化したいんじゃなくてな。まさか幸子が大黒摩季さんの曲を歌うとは思わなかったからさ」

幸子「……ひょっとして、似合ってませんでした?」

P「いやいや、普段の幸子から想像できなかったからびっくりしただけ」

幸子「……それってつまり、似合ってないってことじゃないんですか?」

P「んー、俺の言い方がだめなんだな多分。えーと、俺が言いたいのはびっくりしたってことじゃなくてんーと……」

幸子「あの、無理にフォローしなくてもいいんですよ? ボクはカワイイので……」

P「ああ、そうだ!」

幸子「なんですか?」

P「情熱的な愛を歌う幸子に、心を奪われたんだ」

幸子「……」

P「何か言ってくれ……」

幸子「……恥ずかしいセリフは止めてください……」

P「……はい」

P「そういえば、今日は幸子のファンが一番多かったな」

幸子「フフーン、なんせボクはカワイイですからね! 莉嘉さんもメアリーさんも可愛いですが、ボクには及びませんね!」

P「ちょうどCD出したばっかりだしな。CDにサインしてくれって人、たくさんいたなあ」

幸子「カワイイボクに直接サインしてもらえるなんて、幸せな人たちですね!」

P「まー懸賞とかで当たるサインより、直接サインしてもらう方が嬉しいよな」

幸子「プロデューサーさんにも、直接サインしてあげてもいいんですよ?」

P「俺にもくれるのか?」

幸子「もちろん構いませんけど、今CD持ってるんですか?」

P「ああ。ていうか幸子の分だけじゃなくて全員分あるよ。そこの引き出しに」

幸子「あ、本当ですね。ボクのCDは……これですね。あれ? 中身が入ってないですよ?」

P「あー、幸子の曲は朝聴いてたから、中に入ってるな。ちょっと待ってな」

幸子「へえ、プロデューサーさん、ボクの曲聴いてたんですか?」

P「ああ、幸子の曲はよく聴いてるよ」

幸子「ボクの曲、たくさん聴いて下さいね! 24時間聴いても足りませんよ!」

P「そ、そりゃ無理だ……」

わるいゆめ

幸子「プロデューサーさん、もしかして徹夜ですか?」

P「いや違うけど、なんで?」

幸子「鏡見てないんですか? すごいクマですよ」

P「まじか。全然気づかなかった」

幸子「少し休んだ方がいいんじゃないですか? ボクのプロデュースに支障がでるといけませんし……」

P「いや、寝たっちゃあ寝たから大丈夫だ」

幸子「本当ですか?」

P「おう。心配してくれてありがとな。幸子は優しいな」

幸子「フフーン、もっと褒めてくれてもいいんですよ?」

P「幸子はカワイイうえに優しくて、気遣い出来て、まるで天使だなぁ……」

幸子「あ……」

P「幸子は本当に、いい子だなぁ……」

幸子「も、もっと撫でてくれてもいいんですよ? ボクはプロデューサーさんだけの天使ですから……」

P「幸子……」

幸子「えへへ……」

P「……昨日な、夢見たんだ」

幸子「夢ですか? ハハーン、さてはボクの夢でも見てたんですね?」

P「ああ」

幸子「えっ……本当ですか?」

P「ああ。幸子がいなくなっちゃう夢だったんだ」

幸子「ボクがいなくなる?」

P「幸子がな、他の事務所に引き抜かれて、俺の前からいなくなっちゃったんだ。それで3時頃に目が覚めちゃってな……」

幸子「ボクは移籍なんて! あり得ませんよ……」

P「まあ、所詮夢の話だ」

幸子「その夢でそんな酷い顔になってるのはどこの誰ですか……」

P「確かにな、はは、お恥ずかしい……」

幸子「まったく、どれだけボクのことが好きなんですかプロデューサーさんは……」

P「そうだなぁ……幸子が居なくなったら、仕事辞めちゃうかもしれないな……」

幸子「え……」

P「そのくらい好きだよ」

P「さて、着いたぞー……」

幸子「プロデューサーさん!」

P「ん、どした?」

幸子「ボク、いなくなったりしませんから!」

P「……」

幸子「プロデューサーさんはボクが居ないとダメダメで、その、」

幸子「ボクのプロデューサーは、Pさんしかいないんですから!」

P「……」

幸子「あ、あの……」

P「幸子」

幸子「はい……」

P「ありがとな……」

幸子「また泣いて……子供みたいですね、プロデューサーさんは」

P「ほんとにな、あはは……」

幸子「本当、ボクが居ないとダメなんですから……」

幸子(ずっと、一緒に居てあげますからね……)

オフの日

P「おはようございまーす……」

ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん」

P「あ、ちひろさん、おはようございます」

ちひろ「確か今日はオフでしたよね?」

P「そうなんですけど、忘れ物しちゃいまして」

ちひろ「あっ、そうなんですか」

P「はい。すぐ帰りますので。驚かせてすみません」

ちひろ「いえいえ。ゆっくり休んでくださいね? 久々のお休みなんですから」

P「はは、確かに……あ、あった。それじゃ、失礼しますね」

ちひろ「はい。お疲れ様です」

P「お疲れ様です」

幸子「あれ、プロデューサーさん、なんでいるんですか?」

P「おーおはよう幸子。ちょっと忘れ物してな」

幸子「へえ……しっかりしてくださいね? カワイイボクのプロデューサーなんですから」

P「ああ、気を付けるよ。幸子は今日はレッスンだけだよな?」

幸子「そうですね」

P「じゃあ、レッスン頑張ってな? お疲れ様ー」

幸子「お疲れ様です……って、待ってください! プロデューサーさん!」

P「ん、どした?」

幸子「勝手にいなくならないで下さい!」

P「ご、ごめんな。なんか用事でもあるのか?」

幸子「と、特別にボクのレッスンに付き合わせてあげてもいいですよ! ボクは優しいので!」

P「んーそう言われてもな……俺、指導とか出来ないぞ? 一緒にレッスン受ければいいのか?」

幸子「見てるだけでいいですよ! レッスン受けたいなら、それでもいいですけど」

P「うーん……」

幸子「Pさんは見たくないんですか? ボクのレッスン風景」

P「そういう訳じゃ……っていうか幸子は見られてもいいのか?」

幸子「? レッスンを見られて困ることってあるんですか?」

P「……いや、幸子が大丈夫ならいいんだけどさ」

幸子「変なプロデューサーさんですね! ほら、早く行きましょう!」

P「待て待て! (階段は)危ないから引っ張るな!」

幸子「おはようございます!」

ちひろ「おはよう幸子ちゃん……あら?」

P「あはは……何故か成り行きで」

幸子「プロデューサーさんが『どうしてもボクのレッスンを見たい』そうなので、一緒に行くんです!」

P「捏造すんなこら」

ちひろ「ふふ。レッスン頑張ってね幸子ちゃん」

幸子「はい! では行ってきます!」

ちひろ「いってらっしゃい」

P「それじゃ、俺も行ってきますね」

ちひろ「はい、いってらっしゃい」

ちひろ(幸子ちゃんたら、困った子ね。ふふ……)

レッスン後

P「幸子、お昼何食べたい?」

幸子「そうですねえ……ボクは何でも構いませんけど」

P「俺もなんでもいいんだよなー」

幸子「ん……しいて言うなら、お蕎麦ですね」

P「そばかー。いいな。幸子はそば好きなのか」

幸子「ええまあ。麺は勿論美味しいんですけど、そばつゆも美味しいから好きなんです」

P「わかるわ、美味しいよな。なかなか通だな幸子は」

幸子「フフーン、なんせボクはカワイイので!」

P「はは、カワイイは万能だな! じゃあ、蕎麦食べたら家まで送るな?」

幸子「……」

P「幸子ー?」

幸子「プロデューサーさんは、午後はお暇ですか?」

P「午後っつーか、一日オフだけど……」

幸子「それなら、ボクが買い物に付き合ってあげます! 感謝してくださいね!」

P「買い物って、何の?」

幸子「プロデューサーさんのお洋服です! 私服でもカワイイボクが、Pさんのお洋服を選んであげますよ!」

P「えーと……それは暗に、俺の私服がダサいと言いたいのか……?」

幸子「いえ、悪くはないですけど……Pさんにはもっと似合う服があると思いますよ?」

P「そうなのか? よく分からんけど」

幸子「そうですよ! センスの塊のボクに、お任せあれ!」

P「あはは、凄い自信だな。まぁ俺に似合う服なんてそんなに無いと思うけど」

幸子「そんなことないですよ。絶対あります! ボクが言うんだから間違いありません!」

P「そうだな……幸子から言われると、そんな気がしてくるよ」

幸子「それは何よりです。では、お買い物に行きましょう!」

雨降って地固まる

P「ふぅ……ちょっと休憩」

莉嘉「Pくんおつー☆」

P「うおいっ! つめてーなー莉嘉!」

莉嘉「えへへー♪ びっくりしたでしょ☆」

P「そりゃあな……なんか、えらくご機嫌だな」

莉嘉「わかるー? アタシね、これからお姉ちゃんとショッピングなんだ〜」

P「おー、それは楽しそうだな」

莉嘉「あ、Pくんも行こうよー! お姉ちゃんに聞いてみるねー☆」

P「待て待て、俺は仕事あるから無理だ」

莉嘉「えー、つまんないよ〜」

P「ゴメンな莉嘉。また誘ってくれるか?」

莉嘉「うん! えへへ、また今度いっしょに行こうね♪」

P「おー。約束だ」

莉嘉「絶対だよ? じゃーねー☆」

P「いってらっしゃーい……」

P「ポカリでも買ってくるか……」

幸子「おはようございます!」

P「んーふっふ! んふふー」

幸子「……はしたないですよ、プロデューサーさん」

P「んぐっ! はぁー……わりわり。お疲れさま」

幸子「……もっと労ってくれてもいいんですよ?」

P「よーし、このポカリの残りをくれてやろう」

幸子「えー……いただきますけど……」

P「ほい、ってなんか不満そうだな幸子」

幸子「当たり前ですよ! ポカリじゃ全然足りません!」

P「え、アクエリも欲しいとかそういうあれ?」

幸子「全然違います! 女の子の扱いを知らないなんて、可哀想な人ですね!」

P「う、ごめんな、可哀想な人で……」

幸子「しっかりして下さい! Pさんはボクが喜ぶことをしてくれればいいんです」

P「……幸子、こっちおいで」

幸子「さ、最初からそう言えばいいんですよ、まったく……」

ちひろ「あら〜、楽しそうですね〜」

幸子「えっ」

P「いつから居たんですか!?」

ちひろ「そうですね〜……さっきPさんが莉嘉ちゃんとデートの約束をしたあたりですかね〜」

幸子「へえ……」

P「いや、莉嘉のショッピングに付き合うって言っただけだって」

幸子「別に、言い訳しなくてもいいですよ? ボクは彼女じゃないんですから……」

P「そうかも、しれないけど……」

ちひろ「美嘉さんと3人で行くって言ってましたねえ」

P「まあそうですけど、何か問題ありますか?」

ちひろ「プロデューサーさん、美嘉ちゃんに色目使ってましたよね〜? 私知ってるんですよ〜」

幸子「……本当なんですか?」

P「や、そんなことしてない」

ちひろ「口だけならなんとでも言えますよねえ〜」

P「ちひろさん……」

ちひろ「事務所に可愛い子はたくさんいるんですから、プロデューサーさんが靡いてもおかしくないですよね〜」

P「……ちひろさん、どうしちゃったんですか……」

ちひろ「幸子ちゃん、Pさん寝取られて可哀想ですね〜」

P「俺は……そんな……」

幸子「……ちひろさん、あまりPさんをいじめないでください。怒りますよ?」

ちひろ「あら怖ーい。幸子ちゃん、自分を裏切ったPさんを許しちゃうの?」

幸子「Pさんは裏切ったりしません。ボク、Pさんのこと信じてますから」

P「幸子……」

幸子「Pさんは、ボクのこと、本当に大事にしてくれるんです」

P「……」

幸子「いつも一緒に居てくれて、ボクを幸せな気持ちにさせてくれて……」

P「幸子、」

幸子「Pさん言ってくれました、ボクのことカワイイって、天使だって」

幸子「ボクのこと、何度も撫でてくれました……抱きしめてくれました……ボクに、弱いところ見せてくれました……」

幸子「ボクがどんなにワガママ言っても、笑顔で聞いてくれます……」

幸子「Pさんが一番、ボクのことをわかってくれます……」

幸子「Pさんとずっと一緒にいるボクが、一番Pさんのことを分かってあげられます……」

幸子「失敗して苦しい時も、Pさんと一緒なら乗り越えられるんです……」

幸子「ボクを見つけてくれた時からずっと、Pさんはボクの……ボクの……」

P「幸子!」

幸子「あ……」

P「幸子……」

幸子「え……んっ! んんっ……」

P「……」

幸子「Pさん……」

P「幸子……」

幸子「ボク、初めてだったんですよ……?」

P「嫌だったか……?」

幸子「……嫌な訳ないじゃないですか……」

P「……愛してる……」

幸子「えへ……ボクも愛してますよ……」

P「俺には幸子だけだよ……」

幸子「……わかってますよ……ボクはカワイイですからね……」

P「うん……

ってちひろさんが見て!……あれ?」

ちひろ「スー……スー……」

幸子「眠っちゃってますね……」

P「はは、なんだったんだろうな……」

幸子「あの……Pさん」

P「どうした?」

幸子「あの、もっと、しませんか……?」

P「……いいのか?」

幸子「したくないなら、いいですけど……」

P「したいに決まってるだろ……」

幸子「ボクもです、えへ……」

千川ちひろの憂鬱

ちひろ「本当に、本当にごめんなさいぃ……」

P「もういいですってちひろさん! 頭を上げてください……!」

ちひろ「いえ、酔っていたとはいえ、あんな酷いことを言って、許されるはずありません……」

P「何度も謝ってくれたじゃないですか。もう充分ですよ」

ちひろ「でも……でもっ……!」

幸子「ちひろさん、泣かないでください」

ちひろ「さひこひゃん……」

幸子「もうこの件は終わりです。今まで通りに仲良くしましょう?」
ちひろ「2人が許してくれても、自分が許せないの……!」

P「ちひろさん……」

幸子「……ボクは、むしろ感謝してるくらいですよ?」

ちひろ「え……?」

幸子「ちひろさんの言葉が無かったら、ボクとPさんの関係はそのままだったと思いますから」

ちひろ「そうなの……?」

幸子「はい! それにボク、Pさんと結ばれて、幸せなんです。少しの悪口くらい、全然平気ですよ!」

P「実は俺も感謝してたりして……」

ちひろ「えぇ……」

幸子「そういう訳ですよ、ちひろさん」

ちひろ「わかりました……2人とも、ありがとうございます」

P「いえいえ。仲直りの印に、ご飯でも食べに行きましょうか」

幸子「Pさんの奢りですね!」

P「お前なあ……」

ちひろ「ふふ、ではご馳走になりましょうか」

P「ちひろさんまで……まぁいっか! 何でも好きなもん食わしてやるよ!」

幸子「あれ? 何でもって言いましたよね?」

ちひろ「回らないお寿司とかいいですね!」

ナターリア「スシ! ナターリア、スシ食べたい!」

P「どっから湧いて出たんだお前は……」

CDショップにて

幸子「フフーン、やっぱり自分のCDが並んでいるのは気分がいいですね!」

P「……幸子、頼むから大人しくしてくれよ」

幸子「わかってますよ。Pさんは心配性ですね!」

莉嘉「ねーねーPくん! こんなに変装する必要あったかな〜?」

P「そりゃ、3人ともアイドルなんだから」

メアリー「ダーリン、アタシも早くCD出したいワ!」

P「わかった! わかったから静かにな……」

莉嘉「でもさー、こういうの、芸能人ってカンジでいいよねー☆」

幸子「プロデューサーさん以外、みんなサングラスですからね」

P「なんか逆にバレそうな気がしてきたな……」

P「お、幸子は水瀬伊織さんのファンなのか?」

幸子「そんな訳ないじゃないですか! むしろ敵です!」

P「敵って……知り合いなのか?」

幸子「いえ、違いますけど」

P「それじゃあ、勝手に敵視してるだけか」

幸子「いけませんか?」

P「いや、別にそうは言ってないけど……」

幸子「……理由を教えてあげてもいいですよ? ボクは優しいので」

P(なんとなく分かる気はするけど……一応聞いた方がいいのかな)

幸子「聞きたそうな顔してるので教えてあげます」

P「お、おう」

幸子「カワイイを自称していいのは、ボクだけだからです!」

P(そんなこったろうと思った……)

幸子「なにが『かわいい伊織ちゃん』ですか! まあ水瀬さんも確かにカワイイですが、ボクの方がカワイイに決まってるのに……」

P(……どうしようめんどくなりそう)

幸子「Pさんもそう思いますよね?」

P「……幸子、ちょっと聞いてくれるか」

幸子「な、何ですか? 人が質問してるのに……」

P「俺な、カワイイって自称してる幸子は、すごくカワイイと思ってるんだ」

幸子「と、当然ですね! ボクはカワイイ、ですから……」

P「でもな、自分でカワイイって言わなくても、十分可愛いし、大好きなんだ」

幸子「な、なんですかいきなり……」

P「俺は、どんな幸子も愛してるって、伝えたかっただけ。あはは……」

幸子「こんな場所で伝えないでください! まったくもう……」

P「はは、ごめんな」

幸子「ん……10分続けてくれたら許してあげます」

P「続きは事務所じゃダメか?」

幸子「いいですよ、ボクは優しいので、えへ……」

P(切り抜けたぜ……)

メアリー「なんか上の階が騒がしいわね」

莉嘉「なんか、ライブやってるらしいよー☆ えっと、新幹少女だって」

P「CD発売記念のライブだろうなあ。莉嘉も幸子もここでやってたな」

莉嘉「アタシはちょっと前だけどね、ちょー盛り上がったんだよ〜♪」

幸子「ボクはついこの前でしたけど、大変でしたね。ボクのカワイさにやられて倒れてる人もいましたし」

メアリー「アタシはまだ……」

幸子・莉嘉(あ……)

P「メアリー、大丈夫だよ」

メアリー「ダーリン……」

P「俺が絶対出してやるから!」

メアリー「……絶対だからね! アタシ、ダーリンへのラブソングがいいワ!」

莉嘉「メアリーも早くデビューできるといいねー☆」

メアリー「ありがと莉嘉!」

幸子「メアリーさんならすぐにデビューできますよ! ボクが言うんだから間違いないです!」

めありー「幸子もありがと! アタシ頑張るワ!」

P(幸子が手放しで褒めてるのは珍しいな……なんだかんだでメアリーのこと、ちゃんと認めてるのかもな。良いことだな)

幸子(フフーン、Pさんへのラブソングなら、ボクが先に歌ってますからね! ボク大勝利ですね!)


莉嘉「あ、このポップかわいい〜♪ いいなー凛ちゃんたちー☆」

メアリー「ホントにかわいいわね。ねえダーリン、アタシもこういうのつくってもらえるかしら?」

P「作ってもらえるさ。なんなら俺が作ってもいいし」

メアリー「ダーリンが作ってくれるの?」

P「まあ、手作り感溢れるので良ければ……プロが作るようなのは無理だ」

メアリー「ダーリン大好き!」

P「こら、くっつくなってもー!」

莉嘉「Pくん! アタシにも作ってよ〜」

P「莉嘉のはもうあるだろ? ってか俺そんな上手くないからな?」

莉嘉「んもー、わかってないな〜。Pくんの手作りポップが欲しいの!」

P「えー……カブトムシとかでいい?」

莉嘉「いい訳ないよ〜!」

幸子「どうかしたんですか?」

P「カブトムシが嫌いになったんだとさ」

莉嘉「違うよ! Pくんのいじわる〜」

メアリー「ダーリンが、アタシにだけポップを描いてくれるの!」

幸子「ポップですか? プロデューサーさんが?」

P「まあ、たいして上手くはないけどな」

幸子「でも、意外な特技ですね。あ、ボクのも描いてくれてもいいですよ?」

P「もうCD出てる人には描きません!」

莉嘉「ぶー! Pくんのけちんぼ!」

幸子「まったくですね!」

メアリー(CD出てないのは悔しいけど……ちょっぴり幸せネ! ありがとダーリン!)

幸子「ボクのポップは……あ、ありました。フフーン、ボクには及びませんが、ボクの魅力が十分に伝わってきますね!」

メアリー「かわいいわね。あら、人によってポップも違うのね」

莉嘉「アタシのはどこかなー……あ! 見てみてPくん! アタシの等身大ポップがあるよー!」

P「! 大声でそういうこと言うなって……!」

ざわ……ざわ……

P「帰るぞ……!」

莉嘉「えー! もっとゆっくりしていこうよ〜」

P「いいから、早く! 幸子もメアリーも!」

メアリー「わかったわ」

幸子「ボクがいることがバレたらパニックですもんね!」

莉嘉「引っ張んないで〜!」

中学生か!

P「なあ幸子」

幸子「なんですか、プロデューサーさん」

P「伝えたいことがあるんだ」

幸子「……どうぞ」

P「好きだ」

幸子「え……」

P「さっきコンビニで歌が流れてたんだよ」

幸子「はぁ」

P「『好きな人には好きって伝えるんだ』ってさ」

幸子「今、言う必要ありました?」

P「本当はいつも伝えたいくらいなんだけどな」

幸子「そ、れは嬉しい、ですけど……場所を考えてください!」

美嘉「いやープロデューサー、大胆だねー★」

P「いやー大胆ですねー、あはは」

幸子「少しは恥ずかしがってくださいよ……」

幸子(なんか、嫌だなこういうの……)

幸子「ああいうの、やめてください」

P「ああいうのって?」

幸子「皆の前で好きとか言うのですよ!」

P「ああ、恥ずかしかったか? ごめんな」

幸子「……本当に反省してるんですか?」

P「……本気で嫌みたいだな。ごめん、もうしないよ」

幸子「分かってくれたならいいんです。でも! Pさんにその、好きだと言われるのが嫌な訳じゃ、ないですから……」

P「そっか……ちょっと俺、調子に乗ってたかも」

幸子「どういうことですか?」

P「いや、大好きな幸子と一緒になってさ……なんつーか、舞い上がってたっつーか、浮かれてたっつーか……」

P「幸子とラブラブなのを皆に見せびらかしたかったっていう……」

幸子「ば、馬鹿みたいですね……」

P「実際馬鹿だな……面目ない……」

幸子「ふふ、でもPさんが浮かれるのも無理ないですね! なんせ、このボクと両想いなんですから!」

P「……そうだよな。こんなにカワイイ天使と愛し合ってるんだから、しょうがないよな」

幸子「あ、愛し合ってるとか言わないでくださいよ!」

P「あ、ごめん! また俺……」

幸子「い、いえ、今のは本気で怒った訳じゃないですよ?」

P「え、そうなの?」

幸子「その、ふたりきりのときは、いくら言ってくれてもいいですから」

P「二人きり……」

幸子「ふたりきりなら、邪魔が入らないですから」

P「そうだけど……」

幸子「誰にも邪魔されたくないんです……その、Pさんとあ、愛し合ってるときは……」

P「……」プツン

幸子「あ、Pさん……! ぁん……!」
ボクの背中には羽根がある

P「はい、はい……わかりました。では、失礼します」

P「はぁ……」

P(幸子に教える前に断ってしまおうか……)

P(いや、それで、いいのかな……」

P(これは幸子にとっても、プロダクションにとってもステップアップのチャンスだけど……」

P(ただ、幸子は順調に成長してきてるし……ここで無理しなくてもいいような気はするが)

P(結局、幸子本人がどう思うかなんだよな……)

P「スカイダイビングか……」

ちひろ「プロデューサーさんっ」

P「うわっ!?」

ちひろ「そんなに驚かなくても……スカイダイビングやるんですか?」

P「いえ、始めませんよ」

ちひろ「今つぶやいてたのは?」

P「や、大したことじゃないんです」

ちひろ「怪しいですね……まさか」

P「なんです?」

ちひろ「幸子ちゃんがスカイダイビングに挑戦! とか? まさかですよね、あはは」

P「……」

ちひろ「あれ? もしかして当たっちゃいました?」

P「ちひろさん」

幸子「ひゃい!」

P「幸子にはまだ秘密にしておいてください」

ちひろ「は、はい、わかりました」

ちひろ(やぶへび……)

P「まずは調べてみるか……」

P「スカイダイビング wiki っと……」

『航空機で高度1000〜4000m程度まで上昇後に跳び出し事前に設定した高度まで降下したらパラシュートを開いて着地する』

「4000mって……富士山より高いじゃねえか……」

P(流石に幸子はそんな高くからは跳ばせないだろうけどさ……)

P(ふーん……まぁ競技はどうでもいい……ん?)

『恐怖感のある初心者はタンデムマスターの腹に体を固定して2人で跳ぶタンデムジャンプからスカイダイビングを始めることもできる』

P(もしかして、俺がタンデムマスターになれば)

P(幸子と一緒に跳んでやれるかも……!)

P「タンデムジャンプ、と」

『通常1人は未経験者であり、もう1人は熟練者で、熟練者がパラシュートを開くひもを引っ張る』

P(熟練者ってどの程度やればいいんだろ)

『タンデムジャンプ 熟練度』

『降下回数5000回以上のベテラン』

P「無理じゃん……」

P(俺が一緒に跳んでやることはできないか……いや、くっついて跳ばなくてもいいから……)

P(とりあえずwikiに戻ろう)

『降下速度』『時速200キロメートル程度』

P「時速200キロってことは秒速は……55メートルくらいか」

P(速いな……パラシュート開けなかったらどうすんだろ……)

P(幸子にそんな危ないこと、やらせたくない……でも、幸子に一言も言わずに無かったことにするのは……幸子に隠し事はしたくないし)

P(本人に教える前に、誰か信頼できる人に相談してみよう……)

P「あずささん、ちゃんと伝えてくれてた?」

律子「律子さんによろしくーでしょ? 聞いたわよ」

P「そりゃよかった。ていうか、あずささんと合流できた?」

律子「なんとかね。あなたのおかげで助かったわ。ありがと」

P「どういたしまして。りっちゃんも大変だね」

律子「まあねー……でも、お仕事ですから」

P「りっちゃん、マジプロデューサーの鏡!」

律子「あんたもプロデューサーでしょ」

P「まーねー。でもりっちゃん、俺なんかよりずっとスーツ似合ってるね。綺麗だよ?」

律子「はいはいどーも。そんな歯の浮くようなセリフを言うために私を呼んだの?」

P「や、そうじゃないけどさ」

律子「私も暇な訳じゃないのよ〜? まあ、あなただってそうでしょうけど」

P「まあね……でも久々に会ったんだから、少しくらい駄弁ってもいいじゃん?」

律子「……そうね。本当に久しぶりだものね」

P「りっちゃんがアイドル辞めてからは初めて会ったかなあ」

律子「忙しかったのよ〜? うちの事務所。それこそ、あなたの手も借りたいくらいにね」

P「はは、そりゃ大変だったね」

律子「笑い事じゃないわよ。まぁ、新しいプロデューサーが入ってからは、少し落ち着いたけどね」

P「じゃあ、最近の765プロの大躍進は、その人のおかげ?」

律子「そうね……彼の力は大きいかもね」

P「へー、男性の方なんだ」

律子「そうよ。いっつもアイドルたちに振り回されて、ヒーヒー言ってるわ」

P「少しわかるかも、その気持ち」

律子「あなたも大変ね」

P「大変だけど、楽しいよ」

律子「それはなにより! ……で、相談事って何なのかしら?」

P「ん……少し先の話になるんだけどね」

律子「結婚でも決まった?」

P「違うよ! 2か月後にさ、プロダクションマッチフェスティバルがあるのは知ってる?」

律子「勿論知ってるわよ。ウチは参加しないけどね〜。フェスがどうかしたの?」

P「ん、オファーは来てるんだけど、迷ってるんだ」

律子「……参加しない手はないと思うけど」

P「いつもならそうなんだけど……」

律子「いつも通りじゃない訳ね。それが悩みの種ってわけか〜」

P「そうなんだよ……」

律子「話してみなさいよ。律子お姉さんが聞いてあげるわよ」

P「りっちゃん、俺より年下じゃん……」

律子「何か文句あんの〜? お子様のPくん?」

P「いえ、ございません……」

律子「で、どうしたのよ」

P「えっと、そうだなー、どっから話そうかな……」

律子「ちゃんと要点まとめなさいよね」

P「わかった……りっちゃん」

律子「なぁに?」

P「ウチの事務所のさ、輿水幸子って知ってる?」

律子「ええ、知ってるわよ。あの『自称・カワイイ』の子でしょ?」

律子「その子がどうかしたの?」

P「俺、幸子と付き合ってるんだ」

律子「は……はぁーーーーーー!??」

P「声大きいって……!」

律子「P、アンタね……!」

P「な、なんでしょうか……」

律子「輿水さん、どうみても未成年よね?」

P「14歳だけど……」

律子「な・ん・で! そんな堂々としてるのよ!?」

律子「犯罪よ! ハ・ン・ザ・イ!」

P「まぁ、それは今は置いといて……」

律子「置 い と け ま せ ん !」

P「そこをなんとか!!」

律子「ダ メ で す !」

P「お願いりっちゃん! このとーり!!」

律子「っ……はぁ……このままじゃ埒が明かないものね」

律子「……続けなさいよ」

P「あ、ありがと……」

律子「言っとくけど、見逃した訳じゃないからね!」

P「肝に銘じておきます……」

律子「で、その愛しの幸子ちゃんがどうしたの?」

P「えっと、スカイダイビングしなきゃいけないかもしれないんだ」

律子「スカイダイビング? なんでまた」

P「なんかフェスの演出らしいんだ。上空から舞い降りる幸子を天使に見立てる、みたいな」

律子「へえ……フェスの目玉ね。凄いじゃない」

P「凄い……かもしれないけどさ……」

律子「カワイイ彼女を危険な目に遭わせたくない訳ね」

P「まぁ……その通りです」

律子「ふーん……本気なのね」

P「本気だよ。俺が変わってやりたいくらいだもん」

律子「そ……羨ましいわね、幸子ちゃん」

P「……それって」

律子「私もそんな風に愛されてみたいわ〜」

P「……りっちゃん、もしかして酔ってる?」
律子「酔ってないですー! ほら、続き続き!」

P(酔ってる……俺の酒……未成年……)

律子「早くしないとお姉さん帰っちゃうわよー?」

P「わ、わかったから帰んないで!」

律子「ほら、続けなさいよー」

P「おう。えっと、じゃあ、りっちゃんが幸子の立場だったらどうする?」

律子「私が幸子ちゃんの立場だったらね……」

律子「跳ぶわね、間違いなく」

P「ためらいなしすか……」

律子「だってそうでしょ? スカイダイビングでライブに登場するなんて、前代未聞の大ニュースじゃない!」

P「まあねえ……」

律子「プロダクションにとってプラスになるなら、やらない手はないわ。そんなおいしいチャンス、滅多にないんだから」

P「そっかぁ……」

律子「でもね、それはあくまで私の考え」

P「?」

律子「あなたみたいに本気で心配してくれる人から止められたら、跳ばないかもしれないし」

P「……」

律子「だからね、私の考えは参考程度に留めてちょーだい」

P「ん、わかった……ちなみに逆だったら?」

律子「私がPの立場だったら? ……どうでしょうね」

P「あれ? 即答じゃないんだ」

律子「私をなんだと思ってるのよ……自分が跳ぶのはいいけど、他人を跳ばせるのは流石にためらうってば」

P「そうだな……りっちゃん昔から優しいもんな」

律子「そうよ〜りっちゃんは優しいのよ〜」

P「……」

律子「と、とにかく! まずは幸子ちゃんとよく話し合うこと、いいわね!?」

P「やっぱ話さないとだめかぁ……」

律子「話しておかないと、後で悶々とする羽目になるわよ?」

P「そっかぁ……そうだよなあ」

律子「そうそう……ふ〜、それじゃ、お悩み相談は終わりかしら?」

P「うん、サンキューりっちゃん! やっぱ、りっちゃんに相談してよかった!」

律子「どーいたしまして。でも、このお代は高くつくかもよ〜?」

P「うっ……いずれ何らかの形でお返しします……」

律子「よろしいっ」

P「とりあえず今日は俺のおごりということで……」

律子「あら、ありがと。それじゃ、少し昔話でもしましょうか?」

P「えー、りっちゃんプロデューサーの話も聞きたいなー」

律子「仕事の話は今度にしましょ」

P「ちぇー……了解。そーいえば、秋月家の……」

P(りっちゃん、酒に弱いのは意外だったな……)

P「着いた着いた」

P「りっちゃん、家着いたよ〜。降ろすねー?」

律子「ん……待って……」

P「もしかして歩けない? 部屋まで運ぼうか?」

律子「うん……お願ぃ……」

P「りょーかいっ」

P「俺、部屋入ってもいいの?」

律子「うん、どうぞ……」

P「失礼しまーす……おー、結構変わってるね……」

律子「あんまりジロジロ見ないでよぉ」

P「ごめんごめん……と、あとはおばさんに任せるね。俺は帰るから」

律子「あ、待って……」

P「ん、どした?」

律子「ひとつだけ、聞きたいことがあるの」

P「……うん、何かな」

律子「もし……もしね、私が幸子ちゃんの立場だったら」

律子「同じように悩んでくれた……?」
P「……そりゃ悩むよ」

律子「本当……?」

P「りっちゃんは大事な幼馴染なんだから……当たり前だよ」

律子「そっ、か……」

P「え……」

律子「ぅ……」

P「な、泣かないでよ!?」

律子「うぅ……! うううう……!」

P「ごめんね、俺何かした……!?」

律子「ちが、うの……! 何でも、ないから……!」

P「りっちゃん……」ギュッ

律子「あ……」

P「泣かないで、ね?」

律子「うぅ……うわあああああああああ……」



律子「すぅ……すぅ……」

P(……なんで泣いちゃったんだろ、りっちゃん……)

P「泣かせちゃってごめんね……」

ちひろ「プロデューサーさん、幸子ちゃんに話しました?」

P「いえ、まだ……なんというか、タイミングが難しいですね」

ちひろ「そうなんですか」

P「起きてから、いつ伝えよう、いつ伝えよう、ってずっと考えてるんですけどね」

ちひろ「……うふふ」

P「どうかしました?」

ちひろ「なんか、告白のタイミングをつかみそこねてる男子みたいですねえ」

P「茶化さないでくださいよー」

ちひろ「うふふ、すいません」

P「幸子、今日は午後からだからなあ……来るまで落ち着かない……」

ちひろ「それじゃあ、お茶でも飲んで落ち着かせましょうか」

P「あ、いいですね! そういえば、羊かん買ってきたんですよ」

ちひろ「プロデューサーさん和菓子好きですねえ」

P「昔からなんですよね……おばあちゃんっ子だったからかもしれないなぁ。なんか、まんじゅうとか餅とかきんつばとか、やたらと勧めてくるんですよね」

ちひろ「プロデューサーさんがおばあちゃんっ子って、ちょっとわかる気がします」

P「そうですか〜?」

ちひろ「そんな雰囲気しますよ? なんとなくですけど……」

P「……なんか適当言ってません?」

ちひろ「いえ、そんなことないですよ?」

P「ホントかなぁ……」

ちひろ「本当ですって。はい、どうぞ」

P「お、ありがとうございます。あちっ」

ちひろ「気を付けて下さいね? あ、羊かんも切っちゃいますね?」

P「全部任せちゃってすいませんね」

ちひろ「いえいえ。よいしょ、と」

ちひろ「はい、このくらいでいいですか?」

P「ええ、お昼前だしこんなもんで」

ちひろ「私も同じくらいでいいかな。ではいただきますね」

P「どうぞどうぞ。あ、ちなみに、抹茶と小倉、どっちが好きです?」

ちひろ「どっちも同じくらい好きですよ」

P「そっかぁ……てっきり抹茶の方が好きかと思いました」

ちひろ「……服の色で判断しないでくださいっ」

P「あはは、でもちひろさんのセーターって可愛いですよね。すごく似合ってますよ」

ちひろ「そうやって誤魔化して……というか、あまりそういうこと言ってると、幸子ちゃんが拗ねちゃうんじゃないですか?」

P「いやー、でも拗ねた幸子もカワイイんですよねえ……」

ちひろ「あ、はは……」

P「あれ、引かれちゃいました?」

ちひろ「あはは……でも、本当好きなんですね、幸子ちゃん」

P「そりゃもう……(っと、いけない。人にぺらぺらしゃべると怒られるな)」

P「話はここまでにして、そろそろ羊かん食べましょうか」

ちひろ「あ、そうですね。今度こそいただきます!」

P「どうぞどうぞ」

ちひろ「んー! おいひーです!」

P「どれどれ……お、うまー」

ちひろ「みんなにも食べさせてあげたいですね〜」

P「今度はもっとたくさん買ってきますね」

ちひろ「きっとみんな喜びますよ」

P「だといいですね。でも洋菓子の方が好きそうだなー」

ちひろ「和菓子でもいいと思いますよ? あ、羊かんは小倉でいいですからね!」

P「そりゃ残念」

P「もしもし、Pです。いま大丈夫?」

幸子「いま家を出るところですけど……ボクに用事ですか?」

P「ん、突然だけどさ、今日のレッスンはキャンセルになったから」

幸子「はぁ……何かあったんですか?」

P「これから、幸子を連れていきたい場所があるんだ」

幸子「お仕事ですか?」

P「いや、仕事じゃないよ。まぁ、ちょっとしたドライブみたいなもんだ」

幸子「ドライブ……レッスンをお休みしてドライブなんて、いくらボクでも……」

P「や、ドライブはついでだからまあ。とりあえず家で待っててな、迎えに行くから」

幸子「あ、ちょっと」

幸子「まったくもう……」

幸子(レッスンお休みなんて、珍しい……)

幸子(サボるのは好きじゃないですけど)

幸子(Pさんとドライブできるならいいかも、なんて)

幸子(ボクと、他にも誰かいるのかなあ……聞けばよかったですね)

幸子(ボクだけだといいなあ、2人きりで、えへへ……)

幸子(2人きりだとPさんに襲われちゃうかも……いやらしいんだから)

幸子(って、こんなコト考えてちゃ駄目ですね。ボクまでいやらしい子みたいじゃないですか……)

幸子(……連れていきたい場所ってどこなんでしょうか)

幸子(レッスン休んでまで連れていきたい場所……お仕事でもない……わからないですね)

幸子(Pさん、早く迎えに来い♪)

P「おまたせー。外で待っててくれたのか」

幸子「少しでも早く会いたかったので」

P「う、嬉しいこと、言ってくれるな、はは……」

幸子「真面目に反応されると困るんですが」

P「なんだ嘘か……」

幸子「落ち込みすぎですって……会いたかったですよ、Pさん」

P「それは本当か!?」

幸子「ああもうこの人は……ふふ」

幸子(本当、ボクのこと好きなんですから)

P「あ、そーいや幸子、ご飯食べた?」

幸子「はい、レッスンだと思っていたので、軽くですけど」

P「そんじゃ、甘いもんでも食べてから目的地に向かうか」

幸子「え、でも先に目的地?に行った方がいいんじゃないんですか?」

P「……いや、先にスウィーツ食べに行こう。別に急ぎの用って訳じゃないし」

幸子「……それならいいですけど」

P「この前な、かな子から勧められたとこに行くつもりなんだ。パフェが美味しいんだって」

幸子「かな子さんのおすすめなら間違いないですね!」

P「そうそう、俺、あいつのおかげでスイーツ好きになっちゃったし」

幸子「確かに、顔に似合わずよく食べてますね」

P「ほっとけ! あー幸子にパフェあーんしてほしいなー」

幸子「いやですよ」

P「……厳しいね」

幸子「言ったじゃないですか。ボク、人前でそういうことするのは嫌なんですよ」

P「……そーですよね、俺なんかとラブラブだと思われたくないよね……」

幸子「あーもう! どうしてそんなに卑屈になってるんですか!」

P「だって……」

幸子「Pさん、街中でカップルがいちゃついてたらどう思います?」

P「……うわ、場所考えろよこいつら……爆ぜろ」

幸子「でしょう? ボクたちだって、そう思われちゃいますよ。ていうか、その前にボクはアイドルなんですから」

P「確かにスキャンダルは怖いな……」

幸子「そうですよ。だから落ち込まないでくださいね」

幸子「ボクだってホントはPさんと、その、いちゃいちゃしたいんですから」

P「……幸子ぉ……」

幸子「わ、前見てください! 運転中ですよ!」

幸子「おいしかったですね、Pさん」

P「ん、かな子おススメなだけあるな」

幸子「ボク、あのお店気に入っちゃいました♪」

P「そりゃよかった。また来ような?」

幸子「ハイ! 絶対来ましょう!」

P「それにしてもさ」

幸子「はい?」

P「食べてる幸子もカワイかったなぁ……」

幸子「えへ……嬉しいです」

P「あれ、いつものは言わないのか?」

幸子「いつもの、ですか?」

P「『当然ですよ、ボクはカワイイですからね!』ってさ」

幸子「……言わなくても、Pさんはわかってくれてますから」

P「そりゃ当然だけど……」

幸子「いたずらに言う必要もないと思ったんです」

幸子「ボクが言わなくても、Pさんがカワイイって言ってくれるから」

P「ん、そうだけど……」

幸子「だからPさんの前では、『自称・カワイイ』ボクは、控えめでいきますね」

P「……そっか」

幸子「残念そうですね」

P「や、なんか淋しいなーって」

幸子「……」

P「でも、嬉しい気もするよ」

幸子「?」

P「幸子に、俺の愛が伝わったってことだからな!」

幸子「……ふふ、そうですよ?」

P「あら?」

幸子「ボク、Pさんの愛で満たされてますから」

幸子「Pさんにも、お返ししてあげたいって思います」

P「……俺は、幸子と居られるだけで幸せだよ」

幸子「そう言ってくれるのは嬉しいです、えへ……」

P「俺には、幸子だけ居ればいいから」

幸子「う……」

P「まぁ、そういう訳にもいかないけどな!」

幸子「そ、そうですよ! 事務所のみんなだっているんですから!」

P「だな。プロデューサーはつらいぜ」

幸子「ふふ、全然辛そうじゃないですね」

P「辛いです……幸子が好きだから……」

幸子「……ボクも大好きですよ」

P「まじつらたん」

幸子「あんまり辛いっていってると、おこですよ?」

P「おこなの?」

幸子「激おこぷんぷん丸です」

P「激オコスティック……なんだっけな、忘れちゃった」

幸子「Pさんは覚えなくてもいいと思いますよ」

P「んだな、キモイだけだ」

幸子「そうですね、確かにそう思います」

P「やっぱり可愛い子が使ってこそだよなー」

幸子「そう、ボクだ」

幸子「緑一色ですね……んー、空気がおいしいです!」

P「そうだなー、寝っ転がりたい」

幸子「お弁当でも作ってくれば良かったですね」

P「幸子の愛妻弁当かぁ……」

幸子「ボクが奥さんなら、14歳の母になっちゃいますね」

P「それは、俺の子どもを産んでくれるってことか……?」

幸子「真顔でそんなこと聞かないでください!」

P「真面目に聞いてるんだけど……」

幸子「知りません!」

P「えー」

幸子「まだ結婚してもないのにそんなこと言えるわけないじゃないですか!」

P(じゃあ結婚しよう! って言いたい……)

P「はは、ごめんな」

幸子「ま、まぁいいです。それにしても、Pさん、ボクとピクニックに行きたかったんですね」

P「ピクニック?」

幸子「こんなとこに来て、ピクニック以外に何かあるんですか?」

P「あるんだな、それが」

幸子「え、なんですか?」

P「3か月後」

幸子「?」

P「ここで、日本最大規模のフェスが開催されるんだ」

幸子「フェスって……プロダクションマッチフェスティバルですよね?」

P「ああ」

幸子「なんでそんなとこに……あ、もしかしてボクにもオファーがあったんですね?!」

P「おう。主役だぞ」

幸子「しゅやく……フフーン、流石ボクですね!」

幸子「え、なんですか?」

P「3か月後」

幸子「?」

P「ここで、日本最大規模のフェスが開催されるんだ」

幸子「フェスって……プロダクションマッチフェスティバルですよね?」

P「ああ」

幸子「なんでそんなとこに……あ、もしかしてボクにもオファーがあったんですね?!」

P「おう。主役だぞ」

幸子「しゅやく……フフーン、流石ボクですね!」

幸子「……ボクの実力が、ですか……?」

P「そんな訳ないだろ……」ギュッ

幸子「あ、Pさん、ちょっと……」

P「どうしても幸子を失いたくない……」

幸子「失うって……どういうことなんですか?」

P「スカイダイビング……」

幸子「スカイダイビング……もしかして、ボクが……?」

P「そんな危ないこと、お前にさせたくないんだ……」

幸子「Pさん……」

P「幸子に死なれでもしたら俺……」

P「俺も死ぬよ……」ギュッ

幸子「ん……」

幸子(Pさん、そこまでボクのことを……)

幸子(スカイダイビング……テレビでしか見たことないけど)

幸子(あんな高くから、ボクが……)

幸子(……)

幸子(怖い……)

幸子(怖いです、Pさん……)

>>101飛んだ!教えてくれてありがとう
>>99と>>99の間に↓



P「凄いぞ幸子。俺も誇らしいよ……」

幸子「えへ……Pさんが褒めてくれたら、ボク、もっと頑張れますから!」

P「ん、幸子は凄いなぁ……」

幸子「……Pさん、あんまり嬉しそうじゃないですね……」

P「嬉しい、んだけどな」

P「……今回は、幸子に参加してほしくないんだ」

幸子「どうして……ですか……?」

P「心配なんだ」

>>102うああああああそういうことかあああ
>>98の代わりに>>103です

P(幸子、震えて……)

P「跳ばなくても、いいんだ……」ギュウ

幸子「……」ギュッ

幸子(あったかい……Pさんのカラダ)

幸子(心も、あったかい……)

幸子(怖いけど……Pさんを想うと、怖くない……)

幸子(……大丈夫)

幸子(Pさんが居てくれれば)

幸子(ボクは、何でも出来る……)

幸子(どんなに怖くても、Pさんが想ってくれるなら)

幸子(空だって、飛べる)

P「幸子、」

幸子「馬鹿ですね、Pさんは……」

P「え……?」

幸子「Pさんだって、言ってくれたじゃないですか」

幸子「ボクは、天使ですよ?」

幸子「空を飛ぶくらい、お茶の子さいさいです!」

P「だってお前、震えて……」

幸子「……Pさんは、ボクが跳べないと思いますか?」

P「いや、そんなことは!」

P「幸子なら絶対跳べると思ってる、けど……」

幸子「……それなら、大丈夫です」

幸子「Pさんが、ボクが跳べるって信じてくれる」

幸子「それが、ボクの翼です!
>>106最後の」が抜けた


P「だってお前、震えて……」

幸子「……Pさんは、ボクが跳べないと思いますか?」

P「いや、そんなことは!」

P「幸子なら絶対跳べると思ってる、けど……」

幸子「……それなら、大丈夫です」

幸子「Pさんが、ボクが跳べるって信じてくれる」

幸子「それが、ボクの翼です!」

P「幸子……」

幸子「Pさんが信じる、ボクを信じて下さい!」

P「……そうだな。俺、どうかしてたかも」

幸子「いえ、Pさんの気持ちは嬉しいです……」

幸子「というか逆に、なんのためらいもなく跳ばされてたら、Pさんのことちょっぴり嫌いになってたかもしれないです」

P「そ、そうか……あはは」

幸子「でも、やると決めたからには、頑張りますよ!」

幸子「ボク以外に、『自称・天使』は要りませんからね!」

P「……おう!」

幸子とPの本当の戦いはこれからだ!
以上でおしまいです、ありがとうございました。
結構書いたと思ったら、レス数にして100程度とは……愛が足りない!
画像貼ってくださった方、ミスを指摘して下さった方、ご覧下さった方
ありがとうございました!

21:30│輿水幸子 
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