2013年11月26日

中年P「…カワイイと言われても」

チュン  チュンチュン

「……zzz」


ピーピー ピーピー ピーピー ピーピー

「………」ガバッ


        ジュウウウウ ジュッジュッ

「んっ……」ムグムグ


       シュル   シュッ 

(ネクタイ…問題無し、シワ問題無し書類問題無し、体臭…恐らく問題無し)




P「……行くか」

前作
中年P「…女の子は誰でもシンデレラ」
中年P「…シンデレラにしては小さすぎでは?」
中年P「シンデレラにしては…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365224474

シンデレラプロダクション

ガチャッ

P「おはようございます」

ちひろ「おはようございます! プロデューサーさん♪」

ちひろ「今日からまた新しい子達が入ってくるんですよね」

P「そのようで…いつまでも社長に頼らず、そろそろオーディションなども考えないとな…」

ちひろ「そうですね、あっこれが彼女たちのプロフィールです」スッ

P「ありがとう……ん…これは」ペラ

P「……3人とも中学生ですか」
ちひろ「多分そうだと思いますが…それが?」

P「…この辺りの年齢は初めてで、しっかりと出来るか少々不安なだけです」

ちひろ「何言ってるんですかプロデューサーさん! きっと一人前のアイドルに育てられますよ!」

P「……そうだな、気を引き締めてプロデュースしましょう」

ちひろ「その意気です♪ それじゃあそろそろ来るので準備をしましょうか」

P(難しい年頃…中年がどこまで接せられるか…)
数十分後

「それでは入ってきてくれたまえー!」

P(…よし、行くか)

ガチャッ

P「…今日から君たちのプロデュースをするPだ、今後ともよろしく頼む」

ちひろ「事務員の千川ちひろです♪」


蘭子「ククク…アナタが私の力を引き出す者か…我の力を思い知るが良い」(訳:プロデュースしてくださってありがとう、頑張ります!)

麗奈「あらそう、このあたしがトップアイドルになる手伝いをできるなんて光栄に思いなさいP! アーハッハッ!」

幸子「このボクがトップアイドルになるんですよ! 一番カワイイのはボクと言う事を証明してくださいねプロデューサーさん!」


P(……なるほど、これが思春期と言う物なんだな)

http://i.imgur.com/jiixG9w.jpg
http://i.imgur.com/XFdGCTB.jpg
神崎蘭子(14)

http://i.imgur.com/uQVuNyG.jpg
http://i.imgur.com/FGlD0bA.jpg
小関麗奈(13)

http://i.imgur.com/RWNXSes.jpg
http://i.imgur.com/Oy3jFRZ.jpg
輿水幸子(14)
数十分後

P「……以上で簡単な説明は終わりだ、質問はあるか」

麗奈「ねぇ、別に勝つ為だったら何をしてもいいのよね?」

P「…どういう意味だ?」

麗奈「ライバルにカエルを投げつけるのよ! アーハッハッ! ゲホッ! ゲホ…ッ」

P「……大丈夫か」

P「そのような妨害は…無理だと思うぞ」

麗奈「何よ、勝てばいいんでしょっ勝てば」

蘭子「全てを総べるには、根強い行為が不可欠…」(地道に努力していきましょう!)

麗奈「コツコツなんて地道すぎんのよっ!」

P(…蘭子の言葉がよく分からないな……)
幸子「まっ、トップアイドルなんてすぐになれますよ! ボクには魅力がありますし!」

P「…すぐになるとしたらレッスンも厳しくなると思うが、出来るか…?」

幸子「出来るに決まってるじゃないですか! ボクはカワイイんですから!」

P「…カワイイと言われても」

麗奈「ともかく、私のコマになったんだから、全力で私をナンバー1にしなさい!」

P「それに関しては無論だが…」


P「今日はこれで終了だ、明日からトップアイドルを目指して行くぞ…」

蘭子「闇に飲まれよ!」(お疲れ様です!)

P「闇……何だって?」
P「………ふぅ…」

「…何ため息ついてるの」

P「ん……凛か」

凛「お疲れ、プロデューサー」

卯月「私たちも!」

未央「いるよっ♪」

P「3人とも帰ってきたか…ちょうど良い、相談に乗ってくれ」

http://i.imgur.com/jYWPned.jpg
渋谷凛(15)

http://i.imgur.com/yN1rBT9.jpg
本田未央(15)

http://i.imgur.com/A0ic1RW.jpg
島村卯月(17)
P「と、言うわけで…中学生になったらこれが普通なのか?」

凛「…いや、多分違うと思うよ」

P「…そうなのか」

未央「今回は個性がある子たちが来たね!」

P「確かにな…それを武器にすればファンも良く集まるだろう」

卯月「私も負けませんよ!」

凛・未央「……えっ?」

卯月「?」

P「なら…いつもと同じく、ゆっくりと打ち解けていくか…」
レッスンスタジオ

トレーナー「はーい! そろそろ休憩しましょうか!」

蘭子「生命の雫が身に染みる…」(汗でベトベトです…)

麗奈「ゲホッ! ゲホッ! こ、こんなの楽勝よ!」

幸子「はぁ…はぁ…何見てるんですかプロデューサーさん、ボクがカワイイからって!」

P(やはり最初は誰でもへばるものだな)

P(レッスンもこの調子ならすぐに上達するだろう…)

P「お疲れだ3人とも、ほらスポーツドリンクだ」

蘭子「褒めて遣わす、我が下僕P!」(ありがとうございます!)

P(下僕…)
幸子「さすがボクのプロデューサーですね!」キュッキュッ

麗奈「……!」ニヤリ

麗奈「あっーー!!」ユビサシ

蘭子・幸子「?」クルッ

P「…………」

蘭子「どうした? 同胞よ」

幸子「急に何ですか…ビックリしましたよ」

麗奈「ごめんごめん、ただの見間違いだったわ、ほら飲みましょっ」ゴクッゴク

P「…蘭子、幸子少し待て…あっ」

蘭子・幸子「んぐ………!?」

蘭子「かりゃっ!? ひっ…ひたが…!!」

幸子「なにひたんしたんですかっ! いくらボクがカワイイかりゃって!」

P「…いつのまにタバスコを持ってたんだ」

麗奈「アーハッハッハ! いたずらはこうじゃないとね!」

P(…上手くまとめ上げれるだろうか)
数日後

P「蘭子に麗奈、そして幸子、今日は少し早いがLIVEバトルをしてもらうぞ」

蘭子「我が下僕よ、その宴の全容は?」(それってどんな事をすればいいんですか!)

P「…まぁ、1対1で歌とダンスを競う物で今回は練習みたいなものだ」

麗奈「練習? どういう意味よ」

P「普通LIVEバトルというのは審査員や記者がいるものだが、今から行く場所はライブを見る観客しかいない、その観客の投票数で勝敗が決まる」

幸子「つまりボクの魅力で観客をメロメロにすればいいんですね!」

P「…新人アイドルの特訓みたいなものだから、気楽にやってくれ」
LIVE会場

P「着いたぞ」

幸子「ふーん、意外と小さいですね、こんなのじゃボクの魅力が伝わりませんよ!」

P「プロデューサーとアイドル、それと観客しか来ないからな…仕方がない」

P(事前に受け取ったプログラムによれば、3人が闘う相手は…)

P(…最近自分の事務所と同じく急激な成長を果たす3つのプロダクション)

P(……恐らく、負けるだろうな)


???「…もしや、あなた達はシンデレラプロダクションの…?」

???「………」
P「…確かに、そうですが」

P(……後ろにいるのは…なるほど)

P「…KOOLプロダクションのプロデューサーか」

CoP「はい、自分はCoPと言います、以後お見知りおきを」

千秋「私は黒川千秋よ」

P「ご丁寧に…麗奈の対戦相手か」

CoP「今回のライブ、勝たせてもらう」

http://i.imgur.com/036Zs1U.jpg
http://i.imgur.com/Y17ZJGQ.jpg
黒川千秋(20)
P「そうか…一筋縄では行かせんぞ」

P「ところで…気になる事があるんだが」

CoP「はい?」

P「事務所名についてだが、『K』じゃなくて『C』じゃないのか…?」

CoP「…………」

P「………」

CoP「…それは社長が悪い、OK?」

P「……なるほど」

麗奈「残念だけど、初ライブは勝たせてもらうわ!」

千秋「望むところよ」
???「おー! CoPとシンデレラプロの人たちか!」

CoP「…何だ、PaPか」

PaP「何だ、とは何だおい。あっどうも! ライトプロダクションのプロデューサーのPaPだ! そして!」

芽衣子「並木芽衣子だよ♪ よろしくね!」

PaP「俺んとこのアイドルはすっげぇ元気だぜ!」

P「…幸子の対戦相手か、今日はよろしくお願いする」

CoP「もうちょい音量下げろよ…うるさいぞ」

PaP「いいじゃねぇか、別にいつもの事だし」

P(…親しいのか、とすると……)

幸子「ボクが勝ちますよ!」

芽衣子「お互い頑張ろうね!」

http://i.imgur.com/LMuj7eN.jpg
http://i.imgur.com/VllVwzB.jpg
並木芽衣子(22)
???「あんた達、相変わらず仲良しねぇ…」

CoP「げっ…」

PaP「まとまって来すぎだろ…シンデレラプロの人達の事も考えろよCuP!」

CuP「いきなり来たのはアンタでしょうが…どうも、Pさん」

CuP「噂はかねがね…強いらしいわね」

美里「私は間中美里ですぅ」

P「蘭子の相手……よろしく頼む」

P(CuP…910プロダクションの女性プロデューサーだな)

http://i.imgur.com/FMAugf9.jpg
http://i.imgur.com/JXWmLyw.jpg
間中美里(20)
P「しかし…3人とも仲がいいんだな」

CoP「はいそうです、幼馴染なものでして…」

PaP「おいCoP、口調おかしくねぇか」

CoP「少し黙っててくれ…」

P「…別に敬語を使わなくても構わんぞ」

CoP「…ありがとうございます、はぁー! 堅苦しい言葉使うのホント疲れるので…」

P「……苦労しているんだな」

蘭子「伝説がいざ始まらん!」(よろしくお願いします!)

CuP「今日は勝つわよ美里ちゃん!」

美里「がんばりまぁすっ」
P「他にもプロデューサーはいるというのに、上手く対戦相手になったものだ」

PaP「いやぁホントそうっすよね! 奇跡ですよ!」

P「それにしても、かなり若いな…年は幾つだ?」

CoP「二十歳です、一応言いますがCuPも20ですよ」

CuP「…おい」

PaP「勇ましいでしょ? あれでも女性なんだぜ…」

CuP「よーしお前ら、ちょっとこっち来なさい」
CoP「さて準備するか…最終調整するぞ千秋」スタスタ

千秋「…この性格を維持してくれればいいのに」

PaP「そろそろ時間だな! それじゃっ! 行くぞ芽衣子!」スタタタ

芽衣子「はーい!」

CuP「…はぁ、ごめんなさいお見苦しい所見せて」

P「……本当に仲がいいんだな、良い事だ」

CuP「ありがとうございます…では私もこれで、行きましょっ!」

美里「はぁーい」


P「…自分たちも行くぞ、頑張ってこい」

蘭子「未開の地へいざゆかん!」(はい! 頑張ります!)

麗奈「こんなライブ、快勝よ!」

幸子「フフン! ボクの実力を見せてあげますよ!」
数時間後 事務所

ちひろ「……それで、負けちゃったんですか」

P「ええ、完封だった」

ちひろ「帰って来た時の様子を見ればすぐに想像しましたが…残念でしたね」

P「…いや、むしろ良い傾向だ」

ちひろ「えっ?」

P「今回の負けで彼女たちは落ち込んでいなかったでしょう」

ちひろ「まぁ…確かに、というよりへこんでいる姿が想像できませんね」

P「これでいい、この負けでさらに成長する…明日は休みか、ちょうど良い」スッ

ちひろ「あっお疲れ様です、明日はどうするんですか?」

P「…蘭子とのコミュニケーションの為の、勉強だ」

ちひろ「?」
アパートの一室

ガチャッ

P(何とか資料を集められた、奈緒がいて助かった)ドサッドサッ

『ファンタジー大辞典』『黒の魔術集』『Farmerでも理解出来る神話』『中学二年生の心情』

P(加蓮によると、ここの近くに蘭子のような口調をする人が集う喫茶店がある…)

P「…予習だ」





        ペラ  ペラ カリカリ ペラ カリカリ


P(エクスカリバー…ロンギヌス……シヴァ…オリハルコン、黒騎士…)



          カリカリカリ ペラ カリ ペラ
翌日 喫茶店『Chaos』

客1「ククク…今宵の宴はどこで行うか…?」(今日の夕食はどこで食べましょうか!)

客2「我の眷属からの報告によると、血の繋がりを持つ者達が集う休戦所が誕生したらしい…」(弟から聞いたんですけど、近くにファミレスが出来たらしいですよ)

客3「純白なる器」(おうどんが食べたいです)


          カランコローン

P「…我の新たなる戦場はここか」(喫茶店『かおす』はここで合っているでしょうか)

客s「!?」
さらに翌朝 事務所前

蘭子(一昨日…ライブ負けちゃったけど大丈夫かなぁ…)

蘭子(プロデューサーさん、怒ってなかったけど…うぅ…不安だな…下僕って言っちゃったし…)

ガチャッ

蘭子「煩わしい太陽ね…」(おはようございます…)

ちひろ「おはよう、蘭子ちゃん」

蘭子「…? 我が下僕は…?」(ちひろさん、Pさんはどこに…?)

ちひろ「プロデューサーさんならもうすぐ来るはず…ほら来た」

カツーン カツーン ガチャッ


P「…小賢しい太陽だ」(おはようございます)

蘭子「」
P「? どうした我が主よ、呪縛を身に受けた顔をして」(大丈夫か蘭子? 鳩が豆鉄砲を受けたような顔をしているぞ)

P「まさか機関による攻撃が…」

蘭子「……う…ううぅぅ……ごめ…んなさいぃ…!」

P「!?」

ちひろ(とりあえず録画録画っと…♪)








P「……なるほど、…怒ったと思ったんだな…」

蘭子「……」コクリ
P「さっきのは…蘭子の言葉を理解しようとして……色々とすまない」

P「ただ自分は怒っていないという事だけは知っておいてくれ、…別にライブで負けたって構わない」

蘭子「…えっ?」

P「トップアイドルへの道なんて無数に存在する、多少LIVEバトルが出来なくたっていい」

P「…そもそも、蘭子はまだアイドルになったばかりだ」

P「自分の言いたい事は…気を落とさずにトップアイドルを目指してくれ、と言う事だ…よろしく頼む」

蘭子「…プロ…デューサー、あの…私も、ごめんなさい…」

蘭子「私…絶対にあなたの期待に答えてみせるから…!」

P「…ありがとう蘭子、これからも頑張っていこう」

蘭子「はい!」

ちひろ「めでたしめでたしですね♪」

P「そうですね…一応ビデオカメラは没収します」

ちひろ「えっ!?」
数日後

TV『今私はスクランブル交差点にいまぁす! さぁ、今どこにいるか分かるかしら?』

P「…瑞樹さんも、立派なアイドルになったな」ムグムグ

加蓮「うわ…このおにぎり凄いおいしいよ、Pさん」

奈緒「ん、これの中身は豚肉を炒めたやつ?」モグモグ

P「ああ最近のマイブームみたいなものでな、早く食えて具も自分で作れて飽きない」

加蓮「へぇ、そういえば私が教えた喫茶店、どうだった?」


麗奈「ちょっとP! そろそろ出かける時間でしょ、グズグズしてるんじゃないわよ!」

P「そういえばそうだったな、すぐに行くから待ってろ。すまんが奈緒と加蓮、残りを食べてしまってくれ」スタスタ

奈緒「…相変わらず言い方がキツイなぁ……」

加蓮「それが良いって言ってたけどね、どういう事だろ…」モグモグ

http://i.imgur.com/1A6Rxyg.jpg
北条加蓮(16)

http://i.imgur.com/zniBB2l.jpg
神谷奈緒(17)
車内

バタン

麗奈「………」

P「今日は別の場所でLIVEバトルをするぞ」

麗奈「…つまらないわ、ライバルを妨害するぐらいしなさいよ! P!」

P「…そう言われてもな」

麗奈「何よ! 勝てばいいんでしょ、勝てば!」

麗奈「プロデューサーなら相手の衣装を奪い取るぐらいしなさい!」

P「……麗奈、お前は本当にそれでいいのか?」

麗奈「…? どういう事よ」
P「ナンバー1になるという事は、世界にお前の名を知らしめるんだな?」

麗奈「そんなの当たり前じゃない」

P「なら、そんな小細工は必要ないのでは?」

P「圧倒的な力で、真正面から敵を倒すのがナンバー1じゃないか?」

麗奈「うっ……」

P「それ以前に、普通より厳しいレッスンをやっていかないといけないがな…」

P「ちなみにこのプロダクションじゃ全員しているぞ、…さぁどうする」

麗奈「うぐぐ…! もう分かったわよ! 考えるだけ考えてあげる!!」

P「ああ考えてくれ、自分は麗奈の考えも嫌いではないからな」

麗奈「…ふん! その代わり、あんたも死ぬ気で麗奈様に尽くすのよ!」

P「当たり前だ」
後日 事務所

P(…明日は休日か、早いものだ)

未央「プロデューサー! 明日は一緒にお買い物しよ♪」

P「未央…この前の仕事帰りに買い物に付き合ったぞ」

みく「Pチャーン! 休みはみくと一緒に猫カフェに行くにゃー☆」

P「…飽きないか、猫カフェ」

礼子「プロデューサー、明日は飲みに行きましょ」

志乃「質の良いワインを見つけたわ」

P「明日は休肝日なので…今日で良ければ」

楓「むー…」

P「……皆で飲むお酒も美味いと思うんだが…楓さん」

楓「むー」


幸子「…………」

http://i.imgur.com/UotjI1P.jpg
前川みく(15)

http://i.imgur.com/Psj8mgA.jpg
高橋礼子(31)

http://i.imgur.com/SMCAFCC.jpg
柊志乃(31)

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高垣楓(25)
幸子「…プロデューサーさん!」

P「ん、どうした幸子」

幸子「明日の休日はこのカワイイボクと一緒にショッピングに行くべきです!」

未央「ええっ!?」

みく「どういうことだにゃあ!!」

幸子「Pさんは普段頑張っているので、ご褒美にボクがお買い物に連れ出してあげるんです!」

みく「そんなの横暴だにゃ! いけない事だにゃっ!!」

幸子「そもそもあなた達は前からプロデューサーさんに付き合ってもらっているんでしょう? ならまだ新人のボクに譲るべきじゃないですか?」

未央「むむむ…!」

P「…まぁ一理はあるかもしれんな、未央、みく、また今度でいいか?」

幸子「ふふん! 光栄に思ってくださいよPさん!」

P「……こんな中年で良ければな」
翌日

幸子「遅いですよPさん!」

P「すまんな、5分前に来れたはずなんだが…」

幸子「15分前に来るのが普通です! カワイイボクを待たせるなんて!」

P「ちなみに幸子はいつ来たんだ?」

幸子「えっ!? …そんな事より早く行きましょう! 時間なんて幾つあってもたりませんから!」

P「…そうだな、じゃあ行くか」
服屋

幸子「この服カワイイですね、あっこれも」

P(一人だと入りにくいから助かるな、流行りもよく分かる…)

幸子「Pさん、突っ立っていないでほら、どうですか?」

P「…ああ、似合っているな」

幸子「当然ですよボクはカワイイんですからね!」

幸子「ほら、あっちに行きますよ。これ持ってください」

P「分かった、…財布と相談して決めるんだぞ」





幸子「ふぅ…それじゃあ次の服屋さんに行きますよ!」

P「……これで3店目だぞ、大丈夫か?」

幸子「全部に似合う服ですからね! ボクはカワイイので!」
数十分後

幸子「もぉ…遅いですよPさん!」

P「前がよく見えん」

幸子「ボクの荷物持ちなんて栄誉な事なんですからね!」

P「幸子、少し休憩しないか?」

幸子「しょうがないですねぇ、じゃあちょっとだけですよ!」



幸子「…はぁ、少し疲れました、暑いですね」パタパタ

P「確かにな…っと、ふぅ…あまり胸元を仰がない方がいいぞ」

幸子「ん、ドコ見てるんですか? カワイイボクに見とれてました?」

P「…幸子、ちょっと手洗いに行ってくるぞ」

幸子「早く帰ってきてくださいね」
トイレ前

P(…さて、戻る前に)

P(ここにある自動販売機で何か飲んでおくか)

P(とりあえずコーヒーでも…あっ)ガコンッ

P(………ブラック)

P「………」プシュッ チビ

P「……苦い…な」







幸子「…………」
P「…………ふぅ」

P(やっと飲み干せた…早く戻らないとな…ん?)

幸子「…遅いですよ、プロデューサー」

P「幸子か…すまんな待たせてしまって」

幸子「本当にトロいですよ! このボクを」

P「まぁ落ち着け」ナデナデ

幸子「!! P、Pさんなにを…!」

P「あんまり焦る事も無い、服は逃げないんだからな」ナデナデ

幸子「…別にそんなことじゃ……あんまり撫でないでください」

P「…すまなかった、ともかく一言も言わずにいなくはならないからな」

幸子「……絶対ですよ、これについては、カワイイボクを送り届ける事で許してあげますよ!」

P「それじゃあ、買い物を続けるか」
幸子の家前

P「もう着いたか? 結構暗くなってきたな」

幸子「…下半身しか見えないのに器用ですね」

P「隙間があるから何とか前は見える、視線が痛かったがな…」

P「すまんがドアを開けてくれないか」

幸子「アイドルに命令するなんて、仕方がないですね…」

ガチャッ ドサドサドサ

P「さて…明日また会おう幸子」

幸子「……Pさん! ど、どうせ夕食は一人で食べるんでしょうし! ボクの家で一緒に食べてあげてもいいんですよ!!」
P「…夕食か」

P(幸子が買い物の途中で電話していたのはこれだったのか)

P「しかし…自分たちの周りに記者がいる可能性もある。荷物持ちならともかく家に入るのはな」

幸子「…………」

P「15分後、またここに戻ってくる、記者の目が無い事を確認してな」

幸子「…! さっさと戻ってきてくださいよ! 1秒でも遅れたら許しませんから!」

P「ああ、待っててくれ」
数日後 

ガチャッ

P「ただいま戻りました、蘭子、麗奈に幸子、良いニュースがあるぞ」

蘭子「何かしら?」(どんなニュースですか!)

麗奈「しょうもない事なら許さないわよ!」

幸子「もったいぶらずに教えてください!」

P「だいぶ先になるが、テーマパークでお前たちがユニットライブをする事になった」

蘭子「それは真か!」

麗奈「へぇ、それで対戦相手は誰なの、ライト? 910?」

P「いや、あの三プロダクションは出てくるが、競い合わない」

幸子「どういう事ですか?」
P「今回は順番に3人ユニットがライブをする、そして最後にライブを行うのがシンデレラプロだ」

P「競わないとは言ったが、自分たちが最後を飾る…派手な事をやってみないか?」

蘭子「ククク…我が下僕が求めるならば」(はい! やってみたいです!)

麗奈「いいじゃない! この麗奈様の姿を目に焼き付けさせてあげるわ! アーハッハッ!!」

幸子「またボクのかわいさを知る人達が増えるんですね! 最近のPさんはボクの事分かっていますね!」

P「意見は一致したな。これからは勉学に励みつつも、レッスンを行って何か観客を楽しませる演出を考えてくれ」


P(…彼女たちの気持ちを察した今)

P(問題など無い)
レッスンスタジオ

ベテトレ「基礎がもう出来上がったようだな! ここからさらに厳しくしていくぞ!」

蘭子「輝かしき慈悲を!」(お手やわらかにお願いします!)

麗奈「こ、これぐらいがちょうどいいわね!」

幸子「このカワイイボクなら楽勝ですね!」

P「今日のメニューは?」

ベテトレ「プロデューサーはストレッチ5セットからだ!」

P「分かった」

アイドルs「!?」
事務所

P「ただいま戻りました……ん?」

蘭子「〜〜〜〜♪」

P(…蘭子が鼻歌混じりに何か描いているな)

P「……何を描いているんだ? 蘭子」

蘭子「きゃぁっ!? Pさん!? 見ないでっ…!! ……うぅ恥ずかしい…」

P「…服を描いていたのか? 中々良かったと思うぞ」

蘭子「えっ、ほ…ほんと……?」

P「少し見せてくれ」

P「……なるほど、この衣装でライブをしてみたくないか?」

蘭子「そ…そのような事が!」(出来るんですか!)

P「ああ、デザイナーに頼めば作れるはずだ、他にもあるか?」ペラ

蘭子「!? 禁断の果実!!」(み、見ちゃ駄目です!)

P「? そうか…」

蘭子(うぅ……Pさんの絵なんか見せられない…)
LIVE会場

「勝者! 黒川千秋!!」

千秋「はぁ…はぁ……」

麗奈「キーーッ! この私がまた負けるなんて!」

千秋(……気を抜いていたら負けていたわ…)


P「……良い出来だ」

CuP「こんな短期間にここまで成長するなんて…」

P「アイドルと言うのは、いかに早く素質を開花させるかだ…君も頑張れ」

CuP「さっすが、その道が長いだけあるわね」

P「…いや、自分はプロデューサーになって日が浅いんだが」

CuP「えっ」


PaP「昨日駆け回って何店もレンタルDVDに行ったのにガ○グレイ○が無かった…」

CoP「マジかよ…」
数日後

幸子「皆さんはもう演出が決まったんですか?」

蘭子「すでに我が下僕と契約を果たした…」(はい!)

麗奈「観客全員が驚く仕掛けを思いついたわ! あんたはどうするのよ?」

幸子「このボクに合う演出がありすぎて困ってる所ですよっ」

幸子「ボクは天使にも勝るかわいさを持っていますからね!! 空から舞い降りるくらいしないと!」


P「……なるほど」






さらに数日後

    バラバラバラバラバラバラバラバラ

幸子「だからって本当に飛ばすんですか!?」

P「ほら、乗るぞっ。説明はちゃんと受けただろっ」

http://i.imgur.com/xBZGedV.jpg
      バラバラバラバラバラ

乗組員「…はい! もう飛び出しても結構です!!」

P「良し、行くか幸子」

幸子「か、代わってあげてもいいですよ! ボクは優しいので!」

P「何を言っているんだ、お前が主役だ。怖いなら一緒に飛ぶぞ」グイッ

幸子「ヒィッ! こ、心の準備をォ!?」


「ワァァァァァァァァァ……」


P(スカイダイビング……思ったよりも面白いな…)
事務所

P「…しかし、何で蘭子の口調を真似したのに上手くコミュニケーションを取れなかったのか…」

加蓮「…さすがにアレは無いと思うな」

卯月「私もちょっと…駄目だと思います…」

P「……ちょっと待て、何で直接聞いたかのように言っている…? あの口調は蘭子とちひろしか聞いていないぞ」

加蓮「あっ…ええと、これ、ちひろさんから買ったんだよね」スッ

P「それは…ボイスレコーダー……」カチッ

『ドウシタワガアルジヨ』

卯月「きっと凛ちゃんなら好きかもしれませんよ!」

P「………ちひろ…」

ちひろ「ボイレコを常備するのは常識です♪」
麗奈「P! ライブで勝つ方法が思いついたわ!」

P「…一応聞くが、何だ?」

麗奈「歌っている最中に、パフォーマンスとして花火をドーン! と打ち上げるのよ!」

麗奈「これで相手は花火の音で腰を抜かすわ! アーハッハガッ…ゲホッ! げほ…」

P「……」サスサス

P「麗奈、小細工はしないんじゃないのか…」

麗奈「だーかーら、パフォーマンスよ。これくらいの演出でビビる相手が悪いのよ」

P「…花火は危ないからな、一度実験しよう」
空地

P「とりあえず、市販の物を何本か並べた」

P「本当のライブだと思って歌とダンスをしておいてくれ、着火する」

麗奈「ばっちりタイミングを合わせなさいよ!」



麗奈「〜〜〜♪」

P(……サビの辺りで…ここだな)シュボッ ジジジ


    パァァァァァァン!!! パパァァァァン!!!!! パァァァン!!

P(…っ、かなりうるさいな、……これじゃあライブに出す事は無理だな)

P「麗奈、やはりこのパフォーマンスは……?」

麗奈「こ…腰が……抜けた…」



麗奈「この事を誰かに言ったら靴に画鋲を仕込むわよ!! いいわね!」

P「分かっている…っと、背中で暴れないでくれ…」
P「幸子、今日は一人で飛ぶ練習をするぞ」

幸子「プロデューサーさん! 他の演出に変えたって良いんですよ!! ボクは優しいので!」グググ

奈緒「…スカイダイビング、Pさんがハマッてるんじゃ……」

凛「そうみたい…ライセンスも取得できそうだ、とか言ってたよ」

P「自動で開く副傘もあると言うのに…お前達もどうだ? スカイダイビング」

凛・奈緒「いやいや、結構」ブンブン

P「……空を飛んでる気分になれるんだがな…」

幸子「そうだ! 特別にボクの頭を撫でてもいいですよ! だから今日は」

P「それじゃあ行ってくるぞ」ズルズルズル

奈緒「…気をつけてなー」

凛「頑張れー」
撮影スタジオ 控え室

ガチャッ

P「お疲れだ、麗奈」

麗奈「フフフ…手作りだと言ってお店のおにぎりを差し入れてやったわ!」

麗奈「あー疲れた、P! 昼食におにぎり持ってきてるんでしょ、寄越しなさい!」

P「ああ、そのおにぎりならディレクターの元だ、差し入れの箱をすり替えさせてもらったぞ」

麗奈「えっ!?」





D「いやぁー麗奈ちゃん! 差し入れ良かったよー! お袋の味思い出しちゃったよ!」

麗奈「あっ、いや…その……どうも…」

P(良かったな、麗奈)モグモグ
テーマパークLIVE 当日

P(さて、いよいよユニットライブ…)

蘭子「活気満ちるし楽園!」(遊園地は久しぶりです!)

麗奈「全部乗るわよ! お金を渡しなさいP!」

幸子「このカワイイボクを知ってもらうにはまだまだ広さが足りませんね!」

P「遊びで来たわけではないからな…会場へ行くぞ」

蘭子「……」シュン

P「……ライブが終わった後の打ち上げの間に時間があれば遊ぶか…」
テーマパーク 会場前

CoP「…OK、じゃあこれ終わったら耐久連続ジェットコースターな」

PaP「最初に降りた奴が今度の飲み会5割負担で」

CuP「私美里ちゃん達と遊園地回りたいんだけど…」

P「…お前達、何やってるんだ」

CoP「おっ、どうもですPさん」

PaP「このライブ終わった後の予定決めてるんすよ!」

CuP「夜に皆で打ち上げするみたいだからそんなに遊べないけどね」

CuP「それより、後ろの子3人には期待しているわ、締めは任せたわよ!」

PaP「最初はお前なんだから客を離すなよ! CoP!」

CoP「任せろよ…、それじゃぁ時間だから控え室に行かせてもらう」


           スタタタタ……

P「あちら側もかなりのやる気だな、このライブ、成功させるぞ」
KOOLプロダクション 控え室

CoP「最初が一番肝心だと言ってもいい…」

CoP「客の心をガッシリと射止めるぞ!」

千秋「任せて、これくらい余裕よ」

千夏「それじゃあ行きましょ」

千奈美「私たちがどれだけ成長したか、彼らに見せてやらないとね」

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相川千夏(23)

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小室千奈美(19)
ライトプロダクション 控え室

PaP「やっぱりアイドルは元気が一番!」

PaP「場を盛り上がらせるぞ! えい! えい! おー!!」

芽衣子「おー♪」

いつき「はい! 元気で行きます!!」

洋子「いい汗をかきましょう!」

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真鍋いつき(22)

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斉藤洋子(20)
910プロダクション 控え室

CuP「順番的にさほど重要じゃ無いポジションだとしても」

CuP「全力でやって、後でいっぱい遊びましょ!」

美里「じゃあいこっかぁ」

雪乃「楽しみですわ!」

雅「よぉし、始めるよっ!」

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相原雪乃(22)

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月宮雅(18)
シンデレラプロダクション 控え室

P「……よく似合っているぞ二人とも」

蘭子「プ、プロデューサー……素敵な衣装ありがとう…」

麗奈「まっ、そこそこ良いデザインだわ!」 

麗奈「それにしても、いい年してまだ付き添いが必要だなんてねぇ」ニヤニヤ

幸子「い、いいんですよ! ボクは特別なんで!」

P「自分と幸子は準備しに行くが、しっかりスタッフの指示に従ってライブをしてこい。後警備員を増やしたから大丈夫だと思うが、不審者には近づかないように」

蘭子「プロデューサー…あの……今度、あっあなたの絵を描かせて…もらえませんか…?」

P「…デッサンか? 自分で良ければ幾らでも描いていいぞ」

蘭子「ほんと! ありがとう…Pさん」

麗奈「P、これが終わったらイタズラ道具を買いあさりに行くわよ!」

P「休日に時間があれば付き合おう」

麗奈「約束よ! 破ったら針千本飲ませてあげる!」


P「…最高の演出を見せてやれ、蘭子、麗奈」
数十分後 観客席

     ワアアアアアアアアアアァァァァ

CuP「…ふぅ、大成功大成功」

PaP「おっつー、ほいLPドリ」

CoP「これで、残るはシンデレラプロのライブだけになったな…」

PaP「あの事務所の事だ…何かすっげぇ事やるだろ、そろそろ休憩が終わるな」


         シュウウウウウウウウゥゥ

CuP「あら…黒い煙がステージに……」


          バァァァァン!!!

蘭子「ハハハ!! 人に生まれし者どもよ、慄き、そして平伏せ!! 我が覇道の為に贄となるのだ!! ハーッハッハッハ!!」

     ウオオオオオォォォォ!!!! ランコチャーーン!!!


CoP「おお、黒い煙の後にステージに炎が噴き出してから、紫のバックライトと共に登場か」

PaP「最初から激熱だな、ああスタドリうめぇ」
「私を置いて盛り上がるなんて! 駄目な下僕達ね!!」

CuP「次は…」


麗奈「このステージに相応しいのはアタシよ! アーハッハッハッ!!」

    レイナサマァァァ!! ワアアァァァァ!!! フンデクレ!!!!

CoP「麗奈ちゃんか、しかしMには嬉しいユニットだな…」

麗奈「優秀な下僕にはご褒美をあげるわ!! 受け取りなさい!」

      パシャァァァァァァァァァァァァァァ!

   ウォォォォォォ!!セイスイダァ!!   アリガトウゴザイマス!!

PaP「うおっ! 水しぶきの演出か!!」

CoP「水族館のショーみたいだ、かなり涼しくなったな」

CuP「ほんと演出が豪華なライブね…最後の幸子ちゃんは何をするのかしら…」
上空約3500M

      バラバラバラバラバラバラ

幸子「い、いよいよですか…」

P「…何回も練習はした、衣装や重量の都合で副傘は無いが…お前なら出来る」

P「手をはなすぞ」

幸子「…P、Pさん! こんなサプライズを決めたら全員大絶賛ですよね!」

P「きっと観客全員が驚くはずだ」

幸子「なら成功したらまたショッピングに着いてきてください! 荷物持ちがいると買い物がはかどりますからね!」

P「そうだな…スケジュールを調整しよう」
幸子「プロデューサー、ボクはきっとトップアイドルになりますよ」

幸子「だからPさんはこれからも忙しくボクのために犬のように走り回って下さいね!」

P「…ああ、それじゃあ天使に」

        ビュオオオオオオオ!!!

幸子「えっ……」フラッ










P「………なに…?」
乗組員「たっ大変だ!!」

パイロット『何だ!? どうしたんだ!』

乗組員「さっきの強風で一人がヘリから…!? あんた何して…ああっ!!」

パイロット『こ…今度は何だ!』

乗組員「も…もう一人も…非常用パラシュートを持って飛び出した!!」






     




     

P「幸子ォォォ!!!」

P(落下時間はおよそ30…間に合わせる!)
幸子(……………あれ…今、ボクは何をしてるんでしたっけ…)

幸子(……あぁ、そっか…ヘリから頭から落ちて……)

幸子(目の前がグルグル回って…どうなってるかも分からない…)


幸子(…ボク、死んじゃうのかな)


幸子「……うぅ…ひっく…! P…さ」





       ガシィッ!!

幸子「!!」


P「意識はあるな!! 幸子!!」
幸子「プっ、プロデュー…サ!?」

P「姿勢を直せ! 引くぞっ!」

P「天使にっ…なってこい幸子!!」

    シュッ  バサァッ!!

幸子「キャアッ!!」ブワッ!

P(良し! 開いた!)

P(幸いにもこの下は池…!)


P(早くっ、開け、開け、開けっ!)シュウッ!

       バサァッ!

P(間に合っ)



        ドッボオオオオォン!!!!!
LIVE会場

蘭子「〜〜〜♪」

麗奈「〜〜♪」


PaP「今ん所、特に変化がないな」

CoP「…いつ出てくるんだ?」

ファン1「…おっおい! 空見てみろ!!」

ファン2「あれ…パラシュートか!?」

CuP「えっ嘘、…もしかして…!」


      ヒュウウウウウ!! グインッ!

幸子「うひゃあっ!?」シュルッ

          オオォ……

 オオオオオオオオオォォ!!!! サッチャンダアアアァァァ!!!!

http://i.imgur.com/qTGm0GS.jpg
蘭子「よくぞ舞い降りてきた! 我が同族よ!!」

幸子「あっ…あの! 引っかかったんですけど!!」

麗奈「アーハッハッハッ! 凄く良いじゃない! もうこのまま歌いなさい!」

幸子「もしかしてライブが終わるまでこうじゃないですよね!? みんな、どこ見てるんですか!」

       ウワアアアアアァァァァァァァ!!!!!

CoP「…これは驚いた、堕天使と魔王がいるステージに天使が降りてきた」

PaP「片翼が折れてぶら下がってるけどな! オマケに絶対領域付き!」

CuP「何ていうか…本当に凄いわね、もうこのライブ忘れられそうにないわ」










「おい! 人が落ちてきたぞ!!」「はっ早く救急車を呼んで!」「どこにいるんだ!?」
十数分後 ライブ終了

幸子「全く! 結局あの状況で歌うなんてどうかしてますよ!」

麗奈「涙目になるなんて、あんたはまだまだね!」

蘭子「…? 我らを祝福する迎えは…?」(あれ、…プロデューサーさんは?)

幸子「…! そうだ! プロデューサーさんが…」




控え室

ガチャッ!

幸子「はぁ…はぁ…! いない…」

麗奈「…パラシュートを背に付けてたんでしょ、なら従業員に怒られてるんじゃないの?」

蘭子「ひとまず…一時の休息を」

    ピリリリリ ピリリリリ

幸子(…ボクの携帯電話?)ガサガサ

幸子「……知らない番号…」ピッ
幸子「もしもし…?」

「………俺だ、幸子」

幸子「Pさん…何してるんですか!」

「いや…すまんな、…降りた後、急に仕事の予定が入ってな……」

「今すぐ行かなければならない…後でちひろさんを迎いに行かせる…少しだけ待っててくれ」

幸子「……Pさん、何でいつもの携帯で電話をかけていないんですか」

「…着地した衝撃で壊れてしまってな……」

幸子「じゃあ、何で仕事の予定が入ったのが、分かったんですか」

「…………」

幸子「プロデューサーさん、今…どこにいるんですか」

「……そろそろ、切るぞ…先に打ち上げ……楽しんでくれ」

幸子「Pさん! 待ってください!!」

「幸子の歌とダンス……良かったぞ」ブツッ

幸子「…! Pさん! Pさん!?」
テーマパーク外 公衆電話


P「……っ」

P(…無理やり走ったのがこたえるな)

ガチャ

P「すぅ………はぁ……」

ドサッ

P(どこが痛いかも分からないとは…)

P(……少し…眠れば……楽に…なる………だろう)









     ……………さんっ ……さん!

P(………………?)
幸子「起きてください!! Pさん!!」

麗奈「早く立ちなさいよ! なに寝てるのよ…!」

蘭子「うっ…うぅ……! Pさん…!」ポロポロ

P「……何で…泣いているんだ、お前達…」

CuP「どうしてずぶ濡れなの…! とにかく救急車!」

CoP「もう呼んだ!」

PaP「やべぇよ…どうすりゃいいんだ…」


P「…たかが池に……落ちただけだぞ…」
幸子「この…カワイイボクのライブを見なかったなんて…プロデューサー失格ですよ…!」

麗奈「イタズラならさっさと…ひっぐ…! 止めなさい!! P!」

蘭子「お願い…生きてください…!」

P「大げさだ…蘭子……すまん、また…寝させて……もら…」


       ピーポーーピーポーー…





約一時間後

凛「プロデューサーが…病院…?」

瑞樹「嘘……P君が…?」

留美「…場所、早く教えて……!」

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川島瑞樹(28)

http://i.imgur.com/KCY6JOG.jpg
和久井留美(26)
病院

ズダダダダダダダダダダダ

卯月「プロデューサーさん!」

奈緒「うぅ…Pさん…!」

加蓮「すいません! ここにPさんと言う人が…!」

礼子「私達を置いていくなんて…許さないわよ…!」

楓「………ぐす…、Pさん…」











P「…お前達、病院では静かにな」スタスタ

アイドルs「…………えっ」
未央「P…Pさん…? 何で普通に…」

凛「ヘリから…落ちたんじゃ……」

P「…確かに、落ちたには落ちたが、下は池だったし着水する寸前にパラシュートはひらけた」

P「とは言え全身を打ったが、救急車で寝てる間に動ける程度になって、念のため精密検査を受けたが軽い脳震盪で他に異常は無かったぞ」

アイドルs「…………」

P「そうだ、この後打ち上げをするが皆で…」

P「お前達…何でにじり寄って」
居酒屋

社長「それでは! 最年長の私が代表として…乾杯!」

     「「「かんぱーい!」」」

3P「乾杯!!」


P「……乾杯」

社長「いやはやいやはや…P君、心配してくれると言うのは良い事だねぇ」ニヤニヤ

P「…いきなり全員に抱きつかれるのは心臓に悪い」

社長「はっはっは! 羨ましいぐらいだね。もう体は大丈夫かね?」

P「ええ、まだ痛みますが仕事に支障は出ませんし、2・3日すれば完治するでしょう」

P「それより社長、あの若いプロデューサー達とはお知り合いで…?」
社長「半分正解…かな、その3つのプロダクションの社長とは古くからの友人なのだよ」

P「…なるほど」

社長「これからも、彼らとはよく会うことになるだろうし、良ければ面倒を見てやってくれないかね」

P「構いませんよ、未来のアイドル界を支える…プロデューサーになるかもしれません」


PaP「CoPのぉ!」

CuP「ちょっと良いとこ見ってみったい!!」

Pa・CuP「そーれイッキ! イッキ!」

CoP「よぅし行くぞー!!」


P「……止めてきます」

社長「行ってきたまえー」
P「…お前達、何やっているんだ」

CoP「おっ、Pさん」

PaP「いやね、ちょっと前から言ってみたかったんですよ、イッキ」

CuP「まだ私達ビールの味が分からない年だし安心して!」

P「……悪ふざけはほどほどにな」

CoP「はい、それより今日のライブお疲れ様です」

PaP「ヘリから落ちてピンピンしてるなんてホント次元が違いますよ!」

P「まぁ…2回目はしたくないがな…」

CuP「本当に体には気をつけてくださいよ、泣いて心配してくれる子もいる事だし」

P「善処する。お前達も何か悩みがあったら相談をしてくれ」

CoP「ありがとうございます、自分とこのアイドルもあなた達に刺激されたのかどんどん成長していますよ。これからもよろしくお願いします」
千夏「あら、こんなに美味しいなんて」

志乃「分かってもらえたようで嬉しいわ」


いつき「大勢で食べるのもいいですね!」

未央「ねー☆」


雅「あーっ、このネイルかわいいー!」

加蓮「そ、そうかな…えへへ」


P(アイドル達も、皆仲良くやっているな…)

P「……ん、お前達楽しんでるか」

幸子「全く! カワイイボクを泣かせるなんてホントPさんはダメダメです!」

麗奈「本当にあんた、体壊してないわよね!」

蘭子「やっ闇に飲まれよ!」(お疲れ様です!)

P「今日は色々と悪かったな、だがもう大丈夫だから安心しろ」

幸子「もう…いなくならないでくださいよ」

麗奈「アンタはあたしの手足なんだから、怪我をしたら承知しないわよ!」

蘭子「我が友Pよ! 永遠の誓いを!」(これからも一緒にいてください!)

P「トップアイドルになるまで、頑張って行くぞ」ナデナデナデ

幸子「ふ、フフン! Pさんならボクの横にいてもいいですからね!」

麗奈「あっ…、こっ今回は特別よ! アーハッげほっ! げほっ!」

蘭子「えへへ…♪」
留美「Pさん、本当に大丈夫よね…」

P「留美さん、…近くありませんか」

楓「んーー……」ギュゥゥ

P「…体に顔を押し付けないでください」

P(全く身動きがとれん…)

礼子「悲しませた罰よ、閉店まで飲むわよ」トクトクトク

P「……とりあえずいただきます」


奈緒「ごふっ!? み、水に酢を入れたのは誰だぁ!?」

麗奈「これだけいるとやりがいがあるってもんだわ!」
CuP「しっかし…こうプロデュースが忙しくちゃ、旦那との時間も全く取れないわ」

CoP「一週間に一日休みがある分マシだろ…」

CuP「でも誰か一人抜けたらすっごい大変よ、はぁ…せっかく早く結婚出来たのに、産休が取れる余裕は出来るのかしら」

PaP「1年以内なら御の字って所かぁ」


瑞樹「」

礼子「あら…手が止まって、どうしたの?」

P(…席が近かっただけに……)


蘭子「生命の神秘!」(おいしいですね!)

凛「あーうん、確かにね…」
P(…アイドル達には怪我も無く、無事にライブを成功させた)

P(中学生だろうと、コミュニケーションを取れば自分を信頼してくれる)

P(さらに増えたアイドルと、敵でもあり味方でもある3人)

P(……しっかりと付き添ってやらないとな)


幸子「プロデューサーさん! バッチリ約束は守ってもらいますよ! ボクはカワイイですから!」

P「…カワイイと言われてもな」
               終
【次回予告】

P「…今までしなかったのが不思議だな」

もう十分に知名度を上げた事務所は、次なる行動へ移る。


???「プロデュースおねげーします!!」

???「…プロデューサーさんは頼りになりますね」

???「上手にできたよ〜! ほめてほめて☆」

プロダクションは更に賑わいを増していく。

???「恥ずかしがらず、一緒に歌いましょーねぇ♪」

P「……そういう年ではありません」
必然か偶然か

完璧な働き者と天才の怠け者は出会う。


???「働いたら負けだと思う」

P「…………」

そして、少しだけ明かされる中年の過去。

ちひろ「そういえばプロデューサーさんって大学とか行ったんですか?」

P「…義務教育しかやっていないな」

中年Pは、アイドルと共に当たり前の事をする。

???「あっPさん! 掃除しておきましたよ♪」

???「にょわー! バッチシバッチシ☆」

次回、中年P「…天才と言う言葉は苦手だ」
第二部期待してる人結構いてビビった、そんなに中年とアイドルがイチャコラしてるのが好きか。

前に言ったように、二部は10個以上あるので恐らく完結は年末、2週間か3週間のペースで投稿します。
恐縮ですが、SS速報の場を借りてもう少し続けさせてもらいます。

ここまで見てくださってありがとうございました。

08:30│モバマス 
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