2013年11月29日

律子「眠い……」

律子「うーん…」

律子(プロデューサー殿はアイドルの新しい売り出し方もしたいと言ったけど)

律子(何よあれ!ロクな案が一つもなかった…)


律子(そんなに言うなら律子も何か考えてみろとは言われたものの)

律子(何一つ思いつかないわ…私は現状の路線で努力すべきだと思っていたもの)

律子「うーん…」

小鳥(律子さん唸っているわ。悩み事かしら?)

律子(違法系アイドル!?行き遅れも違法だったらちかたない!音無小鳥衝撃の2Xデビュー)カキカキ

律子「」プルプル

律子(いけない、こんなことを思いつくなんて疲れているんだわ)

律子(でもアイドルが10人以上いるんだし一人くらい新規路線を開ける子もいるんじゃないかしら)

律子「うーん…」

小鳥(本当にお悩みのようね)

律子(…それにしても今日は疲れたわ)

律子「zzz…ハッ!」

律子(いけない…寝ちゃいそうだった!)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377966350

律子「zzz」

小鳥「そろそろ時間ですのでお先に失礼しますねー……あら?」

小鳥(ペンを持ったまま考え込んでいるわ。邪魔したら悪いし、書置きでもしておこうかしら)

小鳥(労いの言葉と戸締りのことを書いてっと)カキカキ

律子「zzz」

小鳥(邪魔をしないようにこっそりと…)ガチャ

律子「zzz」
…………………
……………
………


伊織「律子。今日から長期収録って聞いたんだけど」

律子「ああ、伊織ちょうどいいところにきたわね。ちょっと財布を出してもらえないかしら?」

伊織「なんでよ!イヤに決まっているじゃない」

律子「亜美ヤッチマイナー」

亜美「イエッサ→!」

伊織「やっ、やめ」
伊織「私の財布に何をするつもりよ!?」ハァハァ

律子「ブラックカードをー…」

ペキャッ

伊織「あー!」

律子「それと中学生がお札をこんなに持っているのは贅沢ね。没収」

律子「残ったお金はこの財布に移しておくわ。こっちの高そうな財布を質屋に行かれたりでもしたら台無し。
    あとこの書類に目を通して、住所が書いてある部屋に行ってちょうだい」

律子「では本日より『いおりん一ヶ月庶民生活』スタート!」

伊織「はああああぁぁぁぁ!?」
伊織は庶民生活に奮闘した。
グルメ番組を自粛しながらやよいと一緒にセールで格闘し、不慣れな自炊に挑戦する。
収録の帰りは貴音が確保した余ったロケ弁を強奪する日々が続き…
充実しているようにも見えた庶民生活は残り1週間ッ!
根っからのお嬢様である伊織の精神状態は…

伊織「」チーン
伊織「ただいまー」

伊織「…一人部屋を用意されたから当然誰もいないわよね」

伊織「今日はロケ弁持って帰れたんだったわ…食べなきゃ…」

伊織「」パクパク…

伊織「だけど余り物食べて幸せよ…♪」パクパク

伊織「」パクパク…

伊織「ハッ!今すごく楽しいことを考えていた気がする!」

伊織「なんだったっけなんだっけ!思い出せ!明日への活力になれ!」

伊織「うーん………あ、思い出した!」

伊織(奮発して亜美たちと一緒に期間限定マックを食べに行ったこと…!)

伊織(こんな貧乏くさい思い出をすごく楽しいと思ってしまった自分がイヤー!!)ジダバタ伊織「ただいまー」

伊織「…一人部屋を用意されたから当然誰もいないわよね」

伊織「今日はロケ弁持って帰れたんだったわ…食べなきゃ…」

伊織「」パクパク…

伊織「だけど余り物食べて幸せよ…♪」パクパク

伊織「」パクパク…

伊織「ハッ!今すごく楽しいことを考えていた気がする!」

伊織「なんだったっけなんだっけ!思い出せ!明日への活力になれ!」

伊織「うーん………あ、思い出した!」

伊織(奮発して亜美たちと一緒に期間限定マックを食べに行ったこと…!)

伊織(こんな貧乏くさい思い出をすごく楽しいと思ってしまった自分がイヤー!!)ジダバタ
〜最終日〜

律子「随分やつれたわね。でも今日が最終日よ、胸を張りなさい」

伊織「言われなくても堂々とタイムアップの瞬間を迎えてやるわ」

3、2、1、イオリンオメデトー!!!

―――――――――――――――――――――――――――
  水 瀬 伊 織  一 ヶ 月 庶 民 生 活 達 成 !!
―――――――――――――――――――――――――――



スタッフ「では『水瀬伊織 100の薬で体張りM@S』開始しまーす!」

律子「さっ、すぐに次の仕事よ。今度は体を張って薬の効能を紹介するの」

伊織「へ?」

律子「ホラホラ、カメラはずっとまわったままだから気を抜かない」

伊織「え?え?なんなの?」
律子「えーと、まずはラシックスね。これを飲んだら高速道路で移動してもらうから。
    一発目だからスタドリを飲む感じでグイっといっちゃいなさい」

伊織「こんな得体の知れないものを飲むなんていやよ!」バシッ

律子「あ、落ちちゃったじゃない…しょうがないわね。これは後で飲ませることにしてそのときは夜行バスで移動させるわ」

伊織「な、何を言っているの…」

律子「次はミクロゲンパスタ。オデコ出しなさい」グイッ

伊織「ちょ、やめなさい、ほんとにやめて!」

律子「チッ!暴れられたせいで眉間に塗ってしまったわ」

伊織「うきゃー!よくもワケわかんないものを塗ってくれたわねー!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

律子「うぅ…寝てたんだ」

律子「でも、事務所で寝てしまったはずなのになんで家で目を覚ますのかしら?」

律子「自分でそんな夢を見ておいてなんだけどあんな伊織は見たくないわね…
    今日は伊織に優しくしておこうかしら」
〜765プロ事務所〜

律子「うーん……変な夢を見たせいでよく疲れが取れなかった…」

律子「はぁ…なんだか辛いわ…」

ガチャ

律子「おはようございます」

響「はいさーい、律子!」

貴音「おはようございます。朝から既に英気がないようで」

律子「だ、大丈夫よ…快眠できなかっただけだから」
響「律子。自分な、ちょっと相談があるんだ。
  テレビでは動物の相手したり、無理難題押し付けられたりすることが多すぎる気がして…」

律子「たしかに売れ始めてからそういう心配はあったわ。でも響、私はね…」

響「ち、違うんだ!楽しかったんだ!本当に本当なんだぞ!
  エベレストを登ることになるとは思わなかったけど滅多にできない経験だし!」

響「野性のコモドオオトカゲと競争すると聞かされたときは緊張したけど
  最後はコモ香とは仲良くなれたし、それに、それにな…」

律子「はいはい分かっている、はいさい分かっているから」

律子「コモ香が人に懐いたせいで近くの村をうろつくようになり
   村民が怖がっているという苦情が当国から入ったのも分かっているわ」

響「………」

律子「………」

律子「ま…ま、まぁ少し考えてみるから」
律子「男前なことをやってみたらどうかしら」

響「男前なこと…?」

律子「ダンスでは真とライバルのような関係だからキャラクターでも競わせてみたいと思ったの」

響「安直だし、もう無茶振りじゃないか…」

律子「別にこれで路線を決めるわけじゃないから試しに。ね?」

響き「わ、分かったさー…ちょっと貴音ぇ、ピザって10回言ってみて」

貴音「私がですか?はて、なぜそのようなことを…」

響「いいからいいから!」

貴音「ぴざぴざぴざぴざぴざぴざ…」

響「じゃあ今、貴音が一番食べたい物は!?」

貴音「らぁめん!」


チワーラーメンオトドケニアガリアシター


響「ほら、貴音が今一番食べたい物がきたぞ」ドヤァ

律子・貴音「面妖な!」
貴音「」ズルズル

律子(いつ見ても美味しそうに食べるわね…)

貴音「」ズルズル

律子(1杯だけでももらいたい…)

律子「注文した響も響だけど10杯は食べすぎよ」

貴音「」ズルズル

律子「貴音のためを思って言っているのに。……太るわね」

貴音「」ピタッ

律子「体型が崩れてしまったアイドルはどうなってしまうんでしょうねぇ…」

響「律子!貴音は太る体質なら既に太っていてもおかしくないだろ!」

貴音「」プルプル

律子「えーと、響や私との体重差は何キロだったっけ…」

響「背が高いなら自然と体重も増えるだろいい加減にしろ!」

律子(ラーメン食べたい)
響「貴音、少しの間じっとしているんだぞ」スクッ

貴音「一体なにを…」

グイッ!

律子「で、出たー!お姫様抱っこ!行動で証明なんてワイルド!」

響「ほ、ほら重く…ない」プルプル

律子「そしてジェントル!」

貴音「ひ、響……あなたという人は…」ホワーン
〜5分後〜

貴音「まこと夢のように心地が良いです」ウットリ

律子「そろそろ下ろしてもいいんじゃない?
   もう足が家庭科の糸を通すアレみたいになったままプルプルしているんだけど…」

響「重くないから…全然重くないから…ちなみに家庭科のアレはスレイダーって言うんだぞ…」

律子「涙目になってまで教えてくれなくていいから」


ガチャ


真美「はろはろ→!あれれ、ひびきんがお姫様抱っこならぬお姫ちん抱っこしてる!」

真「わー、いいなー憧れちゃうなぁ」


ワタシモシテモラオウカシラ ワ、ワタシモシテモライタイナンテ…ナンデモナイワヨ キャーワイルドノキミサイコー
響「はぁー…数日は筋肉痛が取れないかも」ズルズル

律子「お疲れ様。でもあのときの響ってとっても男前だったんだから」ズルズル

響「貴音は今のままがキレイで一番だし、あのときはああするしかないと思ったんだ。
  でも、ラーメンを分けてもらいたいからってああいういじり方はよくないぞ!」

律子「はい、すみませんでした」ズルズル

響「忘れていたけど男前といえばお手本がいるような…あ、いいやあういう風になりたくないし」ズルズル響「はぁー…数日は筋肉痛が取れないかも」ズルズル

律子「お疲れ様。でもあのときの響ってとっても男前だったんだから」ズルズル

響「貴音は今のままがキレイで一番だし、あのときはああするしかないと思ったんだ。
  でも、ラーメンを分けてもらいたいからってああいういじり方はよくないぞ!」

律子「はい、すみませんでした」ズルズル

響「忘れていたけど男前といえばお手本がいるような…あ、いいやあういう風になりたくないし」ズルズル
律子「んー今日はあとアポとミーティングだけねー」ズルズル

伊織「あら、律子がラーメンを食べているのは珍しいわね」

律子「そうかしら?このラーメン伊織のために1杯とっておいたんだけど一緒に食べない?」

伊織「ラーメンっていかにも庶民の食べ物ねぇ…」

律子「まあまあそう言わずに食べてみなさいよ」

伊織「それって豚骨?そんなきついもの…」

律子「アイドルは何事も体験よ、食わず嫌いはよくないわ」

伊織「だからってラーメンを食べる仕事を取ってこないでよね」

律子「もうすぐやよいが出る番組が始まるから見ながら食べましょ」




<テレビ>

やよい「みなさんおはようございますっ、高槻やよいです!今日もよろしくお願いしまーす!」


カンカンカンカンカンカンカンカン…

やよい「キャベツの千切り、たくさん用意できましたー!」




ζ*'ヮ')ζ  YAYO'S
       キッチン
やよい「今日もおたよ…じゃなくてメールが届いてます!それでは読んでいきますっ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――
 おはようございますなの。
 ミキね、今、セイテンノヘキレキっていうのかな?
 とんでもないことに気づいたの。
 おにぎりがなければ、ご飯を食べればいいじゃない…!
 シンチカイタクってこういうことだとミキ思うな!
 そこでやよいにはご飯を美味しく食べられるレシピを紹介して欲しいの!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――


やよい「お便りをくれた人!炭水化物ばかり食べていると夏バテしちゃいます!」

やよい「だから今日はとっておきの丼モノを作っちゃいますよー!」

やよい「まずはー……ソースを作ってもやしを一緒に炒めまーす」



〜765プロ事務所〜

伊織「今日ももやしを使うのね」ズルズル

律子「ちょっと不安だわ。でもなんであんな企画通ちゃったんだろう」ズルズル
<テレビ>

やよい「あとはご飯をドンブリに盛ってさっきのもやしを乗せ…」

カチャ

やよい「」

……………

やよい「炊飯器のスイッチ押すの忘れてました…」

やよい「うぅ…ここまではとても美味しそうに作れていたのに…」プルプル

スタジオ「oh...」

ウッ…グスッ…



ガラッ

響「やーよいーっ!こんなことがあろうかと自分が炊いておいたさー!」

やよい「ひびきざぁん゙!」

響「よしよし、やよいが頑張っているところはしっかり見ていたから続きも頑張ってよ。ね?」

やよい「でも、このお米ってとっても美味しそうかも」タラー

響「なぜならそれは自分と同じくらいカンペキな魚沼産こしひかりだからな!」


〜765プロ事務所〜

律子「ご家庭に魚沼産こしひかりはない!」ガタッ

伊織「よく分からないけど落ち着いて食べなさい」ズルズル
<テレビ>

やよい「盛り付れば冷やしもやし茶漬け完成です!」

パクッ

やよい「少しすっぱくて夏でも元気が出ちゃうような味ですー」ペカー

やよい「ご馳走様でした!暑い日でもさらさらと食べられました。皆さんもご飯しっかり食べて1日頑張っていきましょう!」



〜765プロ事務所〜

伊織「ほらね、今日も無事に終わったじゃない。心配しすぎよ」

律子「あのですね」



冒頭のキャベツ不使用 ○
読めない漢字 ×
もやしドバァ ○
追いもやし ×
大盛りを完食 ○
眩しいドヤ顔 ○
謎の乱入 ○



律子「毎回こんな風に実況がネットで盛り上がっているらしんですが…」
TV<ドコドコデナンタラカンタラ


伊織「まったく!いつ犯罪のニュースを見ても犯人は男ばかりね」ズルズル

律子「あら?でも、応援してくれるのは男の人が多いのよ」ズルズル

伊織「じゃあいつも私に見せてくれないファンレターには何が書いてあるのかしら」ズルズル

律子「………」ズルズル

伊織「何か言いなさいよ」
ガチャキィー…


雪歩「だめだよ、伊織ちゃん。男というものはね…ワガママだったから技術や資本を成長させていったんだよ」ドヤァ

伊織「………食欲が失せたわ。少しの間席を外してくるから」

律子「え?ラーメンを残したままよ!」

雪歩「じゃあ麺が伸びてしまうと勿体無いので僕がいただいちゃいますね」ズルズル

律子「ど、どうぞ」

律子「たしかに男の人が行動を起こすから何かを作り上げるというのは一理あるわね。ところで…」ズルズル

律子「うぅーん…どうして雪歩は男装しているの?」ズルズル
雪歩「あれ?律子さんには話していませんでしたか」ズルズル

律子「うん、理由が気になってしょうがないわ」ズルズル

雪歩「では」スッ

律子「は?」

雪歩「握手ですよ、握手。日本男子たるもの握手をすれば心に訴えかけることもできます」

律子「は、はぁ…」ガシッ

雪歩(男の人が苦手なダメダメな私…でも苦手なものの気持ちが分かれば…
   苦手なら男の人になってしまえば苦手じゃなくなるはずです!)

律子(この子…!脳内に!)

律子「それだけの説明なら普通に話した方が早いんじゃないですかねぇ…」
ガチャッ

真「たっだいまー!律子たちがラーメン食べているのを見て
  ラーメン食べたくなったからコンビニで買っちゃったよー」

雪歩「ハッ!師匠!」ドゲザー

真「ヒィッ!?」

律子「な、なるほどね。伊織も煙たがるはずだわ」

真「助けてよぉ…律子ぉ…」

律子「えーっと…雪歩?犬はまだ苦手なの?」

雪歩「男らしくない弱点ですが、犬はまだ克服できていません」キリッ

律子「じゃあ今度は犬の気持ちを理解してみない?」

雪歩「!?」


この後何があったか。もはや何も言うまい。
律子「申し訳ないけど、なんか頭が痛くなってきたからなんか早退させてもらうわ…
   なんか小鳥さんあとはよろしくお願いします」ペコリ

小鳥「ちょっと待ってください!」

律子「知るかー!」ダッ
〜帰路〜

律子(早く帰って寝たい…)テクテク

律子(………ん?)

律子(最近あまり見ない気がするけど道端でやっている手相占いかしら?)

律子(ローブを羽織っちゃったりして雰囲気出してるわねー)

律子(これで水晶がテーブルに置いてあったら本格的よね)

律子(は!?おにぎりが置いてある!おにぎりで占うの!?)

律子(『食べられないおにぎり売ります』って書いてある…)

律子(よし、気にせず帰ろう)テクテク

律子(帰って寝よう。あれは関わっちゃいけない気がする)
〜数分後〜

律子(ん?)テクテク

律子(手相占いやっているわね、ローブまで羽織って雰囲気出てるー…あれ?)

律子(さっきも似たようなもの見なかったっけ)

律子(台にもやしが置いてある…やっぱり占いじゃないのね)

律子(似たようなことをするのが流行っているのかしら?)

律子(……まさかね)テクテク
〜数分後〜

律子「」

律子(3度目はもう言わなくてもいいや…今度は『食べられないイチゴババロア売ります』)

律子(本当に流行っているのね…)

律子(いやいや、流行っているわけない。日本はそこまでおかしな国になっていないから)

律子(次の角を曲がればもう私の家だからもう気にしない。よくスルーしてきたわ私)

…………

律子「もういい加減にして……!」

律子(またいるわ、あの占い師モドキ)

律子(大体『食べられないハム蔵ちゃんのエサ』って何よ。なんでピンポイントなのよ)

律子(なんか怖いわ。急いでテーブルを運んだのか肩で息してるし大体どうやって先回りしたんだろう)

律子(でももう通り過ぎちゃえばあとはドアに手をかけるだけ。スルースルー)


…………タッタッタッタッタ

ガシッ!


律子「な、な、ななんなんですか!腕掴まないでくださいよ!」

律子「しつこく付き纏って!けけ、け警察呼びますよぉ!?」

律子(ん……この人の手、震えてる…?)

あずさ「ごめんなさい…どれか1つでも買っていただければいいんです…」

律子「あっあずささん!?」
律子「つまり、マルチ商法にひっかかったということで?」

あずさ「はい…すびばぜん…」グス

律子「全く何やっているんです…『食べられないナントカ』ってどういう意味なんですか!
   そんな変な物を買わされるなんてどうかしています」

あずさ「『使えない』という意味はお買いになった方だけが分かるのでございます…」

律子「え?」

あずさ「でも返品もできなくて今日だけはしのがないと厳しいんです」

律子「あずささん!頭上げてください!年上から土下座されるのはきついです!」

あずさ「………」

律子「分かりました、買います買いますから!」

あずさ「あ、ありがとうございます!」
律子「ふぅ…やっと帰れた。仕事が忙しいわけでもなかったのに色々あったから本当に寝てしまいたい……でも」

律子「『食べられないおにぎり』かぁ、これだけは具が何か気になるし食べてみようかしら」ゴソゴソ

ピンポーン

律子「うん?宅配にしてはもう遅いわね、誰かしら」


ガチャ

美希「律子ー何か恵んで欲しいのー」ペコグー
律子「テレビでも見ながら大人しく待ってなさい。ちょうどもやしがあるし炒め物を作っとくから」

美希「はいなのー」

律子「食べ終わったらまっすぐ帰りなさい。使えそうな物はっと…
   あら?冷蔵庫の中になんて美味しそうなカルパッチョ…こんなもの作っていたかしら?」


コトッ


美希「ん?律子が作っていたのってもやし炒めじゃなかったの?」

律子「予定変更よ。それと律子じゃなくて律子さん」
美希「ご馳走さまー。律子、お手洗い借りるね」

律子「はいはい。それじゃあ、もやし炒めは私のご飯ね。何と炒めようかしら」

律子「冷蔵庫には何があったっけ」


ピンポーン


律子「次は誰よ…」


ガチャ

春香「こんばんはー、実は福引を引いたら缶詰のセットが当たっちゃって…
   やよいと千早ちゃんにも配ったのにまだこんなに残っているし
   重くて持って帰れないから律子さんにどうかなーって!」

律子「あ、ありがとう」
美希「わー缶詰がたくさん!食べていいの!?」

律子「ああ、好きなだけ食え」

美希「缶詰ばかりだと飽きてくるから飲み物買って来るの」

律子「はいはい、いってらっしゃい」

律子「でも、生野菜は痛むと勿体無いから今日のうちに調理しておくことにして…」


ピンポーン


律子「はぁ…」
響「本格沖縄料理店のグルメレポートでお持ち帰り品をたくさんもら」

律子「分けてくれるのね」

響「うん!」




美希「なにこれ!ミミガーって初めて食べるの!」

律子「今日は本当によく食べるわね」

美希「そうかな?そういえば調べものしたいからパソコン借りて良い?」

律子「あっちが私の部屋だから好きに使ってちょうだい。もう遅いし使い終わったら帰るのよ」

美希「はいなのー」バタン

律子(本当に早く帰ってくれないかしら)

律子「よし、今度こそもやしを炒めよう」


ピンポーン


涼「学校の男子からスイーツもらtt」

律子「帰れ!」
美希「帰しちゃったの?ミキは甘いもの食べたかったのにな」

律子「さっきコンビニに行ったんだから何か買ってくればよかったでしょ…」

美希「飲み物買って来たの!」ガチャ

律子「え?美希が2人?」

美希「律子ー、トイレに置いてあった漫画すっごく面白かったの!」ガチャ

律子「え?え?」

美希「律子、さん。お願いがあるの」ガチャ

美希「律子さんのパソコンのことなんだけど、えっとえっと履歴ってどうやったら消せる?」アセアセ

律子「さ、三人…?」


ピンポーン リツコーアケテホシイノー

美希「冷蔵庫の中って涼しくて気持ち良いの」パカッ

美希「ミキ的には冷蔵庫の中に入っちゃうそっちの美希はマナーがないって思うな!」

律子「き、きゃー(棒)」

リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン



律子「うわああああああああああああ」ガバッ
ぼくもねむいから寝ます
読み直すと色々ミスっていてたいしに
>>6と>>16をミスって2回ペーストしているし、>>35の文章を差し替えたい
あと>>29は『使えない』→『食べられない』だし探せばまだ見つかりそう
美希「帰しちゃったの?ミキは甘いもの食べたかったのにな」

律子「さっきコンビニに行ったんだから何か買ってくればよかったでしょ…」

美希「飲み物買って来たの!」ガチャ

律子「え?美希が2人?」

美希「律子ー、トイレに置いてあった漫画すっごく面白かったの!」ガチャ

律子「え?三人?」

美希「律子、さん。お願いがあるの」ガチャ

美希「律子さんのパソコンのことなんだけど、えっとえっと履歴ってどうやったら消せる?」アセアセ

律子「え…?は…?」


ピンポーン リツコーアケテホシイノー

律子「ドアの外にも美希!?どんだけいるのよ!!」

美希「この中涼しくて気持ち良いー!」パカッ

美希「ミキ的には冷蔵庫の中に入っちゃうそっちの美希はマナーがないって思うな!」

律子「冷蔵庫だけはマジでやめなさい」

リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン リツコ、サン


律子「うわああああああああああああ」ガバッ
亜美「律ちゃんさんお目覚めかな?」ニヤニマ

律子「あ゙ー…もう最悪の寝覚めだわ悪夢」

亜美「自分が担当しているアイドルの顔を見て寝覚めが最悪って言うなんて
   律ちゃんのヒトデマン!スターミー!エビワラー!」

律子「はいはい。それと最後の記憶では事務所でうたた寝したはずなのに
   今なぜかベットの上で起きているということはどうせここも夢の中なんでしょ?」

亜美「察しがイイネ!」

律子「響が午前中に貴音をお姫様抱っこしてやよいの生放送に乱入して
   その後グルメレポートの帰りに私に家に寄るなんてハードスケジュールどう考えてもおかしい」

亜美「夢での出来事がリアルだったとしても起きてから
   よく思い返してみると現実とカイリューしていることが多いからちかたないね」

律子「それを言うなら乖離ね。どこでその難しい言葉を覚えたのえらいえらい」ナデナデ

亜美「あーうーやめなよー」
律子「ところで亜美?」

亜美「なんだいりっちゅわぁん」

律子「どうすれば目が覚めるの?帰してちょうだい?」

亜美「ダメダヨ☆」

律子「はぁ、既に現実では何時間寝ているか分からないのに変なことに付き合わせないで……」

律子「まだ家に帰っていないし、シャワー浴びたいし、アイドルの新しい売り出し方も考えたいし」

亜美「ほうほう…?アイドルの新しい売り出し方を考えているとな?亜美が手伝ったげる!」

律子「ホントに!?」

亜美「モチのロンだよ!」

律子「ごめん、今のなし!猫の手も借りたい状況だから食いついちゃったけどなしだから!」
…………………
……………
………



俺はP(仮名)、特別趣味と言えるほど入れ込んでいるものはないけど呑みが大好きだ。
強いて言えば呑んだ勢いでよく心霊スポットで行くことが趣味になるのかもしれない。
この前は"出る"というトンネルに大勢で繰り出したら酔っ払ってインカムつけたまま
呑みに来ていた女がトンネルの真ん中を歩いている途中で背中を押されたとか言って
キャーキャー喚いて逃げて行ったのは盛り上がったっけ。
今日も心霊スポットに行く途中なのだ。だけど、今日は酒を飲んだテンションで行くのではなく
酒の肴となるような体験をしようと1人でネット上で"出る"ではなく"行っちゃいけない"といわれている廃村を目指した。
ネットで調べたその場所へ向かう途中、雑木林を抜けねばならずそこで車を止めて歩いた。
それからは所々道が荒れていて長ズボンを履いてきたのは正解だったようだ。
満月でそれほど暗くもなく、ここまで環境が整っていると"出る"雰囲気がなくなってくるなぁ…
廃村に着いてビデオでも回して帰れば話のタネにでもなるかな、と思っていると
十数メートル先で人影が横切っていった。向こうもこちらに気付いたらしく足を止めたから近づいてみる。
「こんばんは」と挨拶をすると「こんばんは。今晩はまこと良い月が出ましたね」と仰々しい返事をされた。
同じ目的で来た人だろうか"行っっちゃいけない"村の名前を言ってみるとどうやら一緒に行ってくれるらしい。
ラーメン屋を探しているんだと。冗談かな?
こんなところにラーメン屋があるかどうか半信半疑だけど、
肝試しの興も醒めかけた俺にとっては秘境のラーメンはとても興味をそそる。
それにしても不思議な雰囲気を醸す人だ。
上品な上着にロングスカートを身に着けているが布はどちらも布は薄くとてもこのあたりをうろつく格好ではない。
服装と声色からして女性のようだけど少し声が低いし、髪色は白髪。
もしかしてお年を召しているのか?なんかこの人不自然だ。
……視界がひらけて廃屋らしきものがぽつぽつと見えたとき、既に手遅れだということを察した。
隣を歩いていたあの女性はうずくまって小刻みに震えながら
やっと聞き取れそうな声量で「マシマシマシマシマシマシ」と呟いている。
危ない。こいつはやばいと本能で分かってしまった。
横に気をとられていたところで前方からも音がしてからそちらを見ると
長い髪の毛を振り回して、四肢は人間のものではありえないぎこちない動きをしながら何かが近づいてくる。
元来た道を引き返そうと思ったが足がすくんでしまい、
目の前の少しずつ、少しずつ迫ってくる化け物から目を離せない。

「いやだ!死にたくない!」
「らぁめん!」とテレビで何度も聞き覚えのある声が聞こえた。
声がした方を見ると横でうずくまっていた白髪の女はなぜかシルシル状態。
直後、ビビっと体を震わした。

「酸っぱ!!!!!」

酸味がきついスプラッシュを浴びた俺は酸っぱい匂いが染み付き、
ちょうど近くまで寄ってきていた化け物はナメクジが塩で溶けるように萎えていった。

思い出した……彼女は月生まれのTさん。アイドルだ。
気付けば廃屋のうち1つは光源がある。
ラーメンの文字が書かれた赤いちょうちんと入り口から漏れる明かり。
まさしくラーメン屋だ。

貴音「申し訳ありません。らぁめん屋を見つけてつい取り乱してしまいました」

P「い、いえこれくらい構いません。だけど着替えさせてください」
〜ラーメン屋〜

P「へぇ…まだ食べるんですか。替え玉をしたと思えば
  スープが違うラーメンを注文してはまた替え玉。本当によく食べますね」ズルズル

貴音「店主は私たちをかうんたぁではなくてぇぶるへ案内してくださいました」ズルズル

貴音「つまり、少なくともてぇぶるに座れるだけの人数分食べねばお店に失礼というものです」ズルズル

P「ふーん…」ズルズル

貴音「……………」ズルズル

P「………………」ズルズル

貴音「………申し訳ありません。単に食べたいだけです」ズルズル

P「ですよね」ズルズル
P「そういえば、ここって"出る"らしいんですよ。俺はそういうのが好きでここに来たのですが」ズルズル

貴音「」ピタッ

P「出るというか出ましたよね。貴音さんのおかげでたすk」

貴音「やめろ!!!!」

P「え?貴音さんのおかg」

貴音「聞こえない聞こえない聞こえない!」


よくわからないけど月生まれってスゴイ。初めてアイドルに出会ってそう思った。
亜美「…………っていうお姫ちんが自覚していないけど
   人助けをしていくドラマって斬新だからメッチャウケると思うYO!」

律子「はい、却下却下。ふざけてるの」

亜美「ええー!?」

律子「あなたは貴音を何者だと思っているよ…」
亜美「じゃあさじゃあさ!海外ロケがメインの番組はどう?」

律子「ん?」

亜美「リゾート地じゃない国をアイドルとカメラマン1人ずつで
   大掛かりじゃない観光するのは珍しいかもよー?」

律子「なるほど…たしかにそれは少し検討してみたいわね」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

律子「で、カメラマンは私になっちゃうのね…」

真「律子すごいよ!この国人がいっぱい!渋滞の隙間を人が歩いてる!」

律子「落ち着きなさい」
律子「真、あれはね、信号待ちをしている運転手に食べ物や飲み物を売っているの。
   時間帯によっては新聞を売る人もいたり…」

真「へぇ…そこがまず日本じゃありえない光景だよね。すごいなぁ」

律子「あ、着いたわね。これがこの国のショッピングモール。
   ほとんどのものが買えるから今回の買い物の拠点になるわ。
   ちなみにこのショッピングモールの経営者はこの国では頭から数えた方が(ry」

真「わぁどんなものが売っていてどんな食べ物があるんだろう!」

律子「でも、日本と違うのは不特定多数の人が出入りする建物だと手荷物検査が…ってあれ?」

真「律子ー!早くおいでよー!」

律子「あっ…」

律子(そっちは男性の荷物検査…女性はその左側)

律子(警備員も警備員で何も疑問を感じる様子なく通した…)

真「律子ー?」
真「この国の人たちに申し訳ないけど、楽しみにしていたご飯が、あまり美味しくない…」

真「このスープの匂いってどこかで嗅いだことがあるような…」

律子「釣りの撒き餌に使うオキアミね」

真「うぇええ!?」




真「ごめん、律子またなんだけど…これ訳して!」

真「え…ボクが値段の交渉?お店の人に失礼だって!へ?日本人料金?」

律子「あなたの英会話上達のためよ!」
律子(そういえば…)

律子(こうやって何日も真と二人きりで過ごすのって初めてね)

律子(人懐っこくまとわりついて、なんだか…そうねぇ妹ができたみたい)



真「早くこの国であったことを事務所のみんなに話したいなぁ」

律子「土産話もいいけど明後日が帰国だしお土産も買わなくちゃね」

真「あ、そうだ!お姉ちゃんならこの国のお土産で喜んでもらえそうなもの知ってるかな?」
律子「へ?」パチッ

亜美「おやや〜もう趣味レーション終了?」

律子「お姉ちゃん…?」

亜美「どっかしたの?」

律子「いや。なんでもないわ」
律子(この夢、全く参考にならないってことはないわね…)

律子「ところで亜美は双子の妹として真美はどういう魅力があると思う?」

亜美「うーんっとねぇ…困っているところかな?兄ちゃんが言ってたよ。
   『失敗を恥らう女の子はそそる』って。時々亜美もぐうかわって思うことあるかな」

律子「少しだけ興味わいたわ」

亜美「百分は一寸にしかず!まずはご覧あれー」

律子「いや、しかってるしかってるから」


…………………
……………
………

………フタミシマイノデッキッルッカナー

亜美「星三つー!」

律子「こらこら。…さて、このコーナーは現代っ子の代表ともいえる
   双海姉妹がアナログなことに挑戦していくものでございます」

真美「全国の兄ちゃん姉ちゃんたちは真美たちが
   ビデオテープやカセットテープ知らないとか思ってんでしょ?」

亜美「実はそういうのは既にピヨちゃんに教えてもらったもんね→!」

律子「事前準備をしたきたことが功を成すのか、記念すべき第一の品はー……」サッ

ババン



真美「ん?なにこれ?」

亜美「これは…金属の破片?これは事件匂いがしますぜ!」

律子「道具だけ与えても何をするものか分かりづらかったわね」コトッ

真美「ホールトマト…?」

亜美「ということはこれは缶きりなんだね!
   家ではペンチみたいなのだったから気が付かなかった不覚不覚!」

真美「えー、これはいくらなんでも真美たちをなめすぎっしょー!」

律子「手を切らないように気をつけなさーい」
亜美「ふん、ふん、ふん、ふん!」ギッコギッコギッコ

亜美「できたー!」

律子「これくらいは問題なかったかしら?
   一応、二人ともやってもうらことになっているから真美もね」

真美「ふっふん!真美だってこれくらいー」

真美「うんっしょー!」スカッ

真美「あれ?」スカッ
真美「どうしてかなー刃が入んないや。律ちゃんこれ不良品?」

律子「そんなわけないでしょ」

亜美「ホラホラーどうしっちゃったんだい」

真美「亜美からかわないでよー」

真美「えいっ」スカッ

真美「うぅ…」スカッスカッ


ビビーッ


律子「ごめんね、真美。タイムアップだから次の道具ね」

真美「ぶーぶー!この缶きりは出来損ないだ!食べられないよ!」
律子「次の道具はー…じゃん!見て分かる通り『急須』です」

真美「あり?お茶っ葉を入れて湯飲みに注ぐだけ…?」

亜美「真美!汚名挽回のチャンスだよ!」

真美「挽回してやるぜー!」

真美「ゆきぴょんがやっているところを見ているからこんなの…」セッセ

真美「ラクショーだもんねー♪」

真美「あとは注ぐだけ…む?」

真美「むむむむ!?」
亜美「なにやら体捻ってるね。ヘルプミー?」

真美「大丈夫!これくらいは1人でやれるから!」アセアセ

ガシャン

真美「あっちゃちゃ!」

亜美「大丈夫!?」

律子「タオルタオル!熱くなかった?火傷はない?」

真美「二人ともごめん…真美ばかり失敗しちゃって」ズーン

亜美「ううん!気にしちゃダメだって!こんなことでへこたれてたらやってけないよ!」

真美「亜美ありがと…」グスッ
律子「うーん、もうちょっと長く使えそうなネタにすれば生すかの1コーナーとしては
   ありそうな企画なんだけど…亜美。真美はどうしちゃったの?」

亜美「知ってた?真美ってばご飯食べに行くと必ず左端を陣取るんだよ」

律子「はぁ…そういえば真美って左利きだったわね」

亜美「後々は765プロで野球チームを作ってー、右利き用のグローブしか用意せずにゲームを始めて
   守備のとき真美のところにボールが飛んでくるようにするとかー。どう?」

律子「鬼かッ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ヴーンヴーンヴーンヴーン

律子「zzz…うーん」

律子(これは着信の振動…?)

律子「わわわわっ」アタフタ


ワタシナンバワーンテッテレッテーテレッテーテーピッ!



律子「もしもし!」

あずさ「あ、お疲れ様です〜。先ほど収録が終わったので、迎えに来て下さいませんか?」

律子「わっ、わわわわっ!わかりました!」


ピッ!



律子「いきなりの電話で驚いたぁ…」


………シーン


律子「ここ、事務所ね……よし、あずささんたちを迎えに行こう!」

律子「こんな時間まで仕事してもらえるのは事務所としてはありがたいわ」
律子「千早、おつかれさま。あずささんも、あれ?」

あずさ「はい、今日の収録楽しかったです〜」

律子「あずささん。カメラでずっと千早を撮って、なんで撮影しているんですか?」

あずさ「あらー?」

律子「えっ」

あずさ「律子さん…車の中で話しましょうか」
私は運転しながらあずささんから話を聞いた。
千早が何も喋らずに1週間過ごすという番組をやっているそうだ。
番組の企画側…というレベルではなくなんとテレビ局が願い事を一つ叶えてくれるとのこと。
信じられなかったけど千早が頷いていたから本当なんだろうなぁ。
あんなに大事にしていた歌を歌う仕事もできなければ練習もできないように
今のようにカメラに収めてずっと監視されてきたらしいけど、
それでも他の仕事をストイックに無言でこなしてきたとか。
あずさ「この間の生っすかサンデーでは響チャレンジやあみまみちゃんに特別参加したり…」

あずさ「あ、そういえば!あのですね、ここの間、ずっと写真撮影の仕事を多めにせざるを得なかったのですが」

あずさ「プロデューサーさんがこういう期間だから映像の仕事をさせた方がもっと話題になるって
    言って取って来た仕事がお笑い番組のゲスト席だったんですよ〜」

あずさ「そのときの千早ちゃんったらすごい形相で…」

律子「あはは…千早?ごめんなさい。同じ事務所にいてあなたが頑張っていたことを
   知らなかったのはプロデューサーとしての立場としても面目ないわ」

千早「………」フルフル
〜事務所〜

あずさ「律子さん、これこれ!今テレビで千早ちゃんのあの番組の最初が放送していますよー」



千早『1週間喋れない…?ということは歌うこともできないんですよね?』

スタッフ『勿論です。これが注意事項で下のこの部分にサインをしていただいた瞬間にチャレンジがはじm』

スラスラ

スタッフ『え…そんな簡単に大丈夫なんですか!?
     上からは本人に怒られるつもりで頼めって言われていたのに』

スタッフ『ところでチャレンジ達成したときの願い事ってなんなんですか?』

千早『………』イラッ

スタッフ『ごめんなさい』
〜チャレンジ達成直前〜

司会「さぁ、これまでの1週間の苦悩した軌跡を見ていただいたところで…」

司会「今、チャレンジ達成の瞬間を迎えようとしています!」

司会「同じ事務所の春香さんは千早さんがどういう願い事をしているか聞いてない?」

春香「んもぅ!聞けるわけないじゃないですかー!」


会場<HAHAHAHAHAHA



司会「もう、30秒前となっています。カウントダウンの準備はいいですか!?」

律子(うっ…デジャブで頭が…伊織ごめん!)
10!

美希「ミキならこういう仕事はゼーーー………タイ!したくないの!
   それをやり遂げちゃうなんて流石千早さんってカンジ!」


9!

響「このチャレンジの方がスケール大きいけど一緒にやった響チャレンジ楽しかったぞ!」


8!

真美「千早お姉ちゃん…何も知らずにくすぐったりしてごめんね…」


7!

亜美「千早お姉ちゃん…何も知らずにπタッチしてごめんね…」

ザワザワ…
6!

貴音「何にも動じず心霊廃墟レポートに付き添ってくださったときは大変頼もしかったです」


5!

雪歩「私が撮影で失敗して落ち込んでいたときに身振り手振りで何かしていたけど
   不器用な千早ちゃんが喋れないなりに励ましていてくれたんだよね…?」


4!

雪歩「あっごめんなさい〜!千早ちゃんを不器用だなんて穴掘って埋まってますぅ!」

真「雪歩!今は千早より目立っちゃだめだって!」
さん!

スタッフ「次のチャレンジをするときは水瀬さんで企画が進んでいるのですが」

伊織「律子!パスしといて!」


にぃ!

やよい「『辛くないですか?』って私が聞くと千早さんとっても優しく微笑みかけてくるんですよー」


いっち!

春香「明日、私もお休みもらったんだ。カラオケに行こうよ!何時間、ううん1日中付き合うから!」



ゼロ!

千早「インフェルノオオオオオオオォオ!」


会場<オオオオオオオ!!!
千早「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリイイィム!ゴッハンニナアットミソシルノリタマゴトッオストサラダニオムレツミルク
   サァイッパイタベヨオッヨハヤオッキデッキタゴッホッビホラミンナデタベヨオッヨオヒルッマデモツヨオぁおいいいぃぃとりいいいい!

千早「ハァハァ…満足しました」


司会「き、如月さん?おめでとうございます?」

千早「海に行きたいです!」

司会「へ?」
千早「765プロのみんなでもう一度海に行きたいです!」

千早「あの日、海に行ったときは楽しそうにできなかったけど、忘れられないくらいに楽しかったんです。
   765プロにくる仕事は多くなったのは嬉しいけどみんなと一緒の時間が少なくなって…

千早「またあのときみたいにみんなで海に行きたい。そんなことを何度も考えていたら
   この番組の話が来て、気が付いたらあの紙にサインをしていたんです」

律子「千早…あなたって本当に、本当に」ウルウル

千早「では本望を遂げたので私、優のところに帰りますね。みんな海楽しんできてね」

律子「は?」
亜美「律ちゃん、やっちゃったね…」

律子「雰囲気の亜美は…まさか!」

亜美「あのね、ここは白いものがあったとしても律ちゃんが黒だと思うなら黒になるんだよ」

亜美「大方千早お姉ちゃんのことを天使だと思った?」

律子「ああ…もうなんなのこれ…」
……ガ…ス!…モ…スカ…!


律子「何か聞こえて…」

亜美「ここは空想の世界だからね。誰かの妄想が混じってきたんじゃない?
   シューゴームイシキっていうんだっけ?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

小鳥「お願いします!なんでもしますから!」

P「いやそれは…!だめです!女性としての品格捨ててますよ!」

小鳥「私このままだと結婚できません!できないならできないなら許されたいんです!」

小鳥「亜美ちゃんは違法だって聞いたんです!なんでもします!お願いします!」

P「だからってアラサーが違法って苦しすぎますって!」

小鳥「やってみなきゃわがら゙ない゙!」
〜1ヵ月後〜

TV<畳の上、ため息が二つ。教科書(同人誌)がボーイフレンド?親は言うけど…


小鳥さんは『違法にさせて』で亜美と一緒に違法系アイドルとしてデビューした。
結婚できないのではなく結婚してはいけない風潮で芸能界に殴りこみ。
音無小鳥のアイドル活動はこれからだ!


亜美「うあー…流石の亜美もこれにはドン引きだよー」

律子「亜美、さっき言ったわよね?白でも黒と思えば黒になるって。今度こそ起きてくるわ。
   小鳥さんがかわいそうだから電話入れてあげたい…」
私、天海春香17歳。アイドルやってまーす!
765プロアイドルがプロデューサーを好きな風潮が気に入らない系アイドルでもあります。
私がプロデューサーさんを狙っていることは間違っていないんですけどね!
キャ!言っちゃったっ☆
トップアイドルになったときにプロポーズをすることに決めているんです。ロマンチックじゃないですか?
でも昨日、実は事務所のトイレで転んで頭を打ったせいで気絶しちゃったんだえへへー
気が付いたときには朝になっていたけど今日の仕事は早いからいいもん!
帰らなかったことを親から電話で怒られたけどいいもん…
春香「朝は元気に、おはようございまーす!」

律子「あら、おはよう。春香もコーヒーいる?」ズズー

春香「今日はとても早いですね。窓から差し込む朝日を受けて
   コーヒーを飲みながら仕事に勤しむ律子さんの姿…とても映えますね」

律子「もーやめなさいよ」

春香「やっぱりアイドルの素質ありましたよね?」

律子「ホントにやめてー」テレテレ

春香「仕事中につい目で追っちゃうくらい美人でアイドル復帰も夢ではなく、
    765プロ期待のホープでありながらも男どもが叱ってもらいたい慕ってもらいたいOLナンバーワンの
    律子さんが思いつく私を売り出すときの新しい路線ってどういうのがありますかね」ズイッ
律子「春香はそのままが一番いいと思うわよ。普通に頑張りなさい」

春香「このまま順調にいけばその…プロ、好きな人に振り向いてもらえますよね!?」

律子「春香ぁ、冗談きついわよー。アイドルは恋愛ご法度よ」

春香(初耳…!)ガーン

律子「なによその反応」

春香「律子さん!私、(プロデューサーさんと結ばれないくらいなら)普通の女の子に戻ります!」

律子「いや(見た目普通の女の子すぎて)無理でしょ」

春香「えっ」

律子「えっ」


おしまい
以上です
レスくれた人ありがとうございます。
短いSSの方が読みやすいと思いましたがアイドルを全員出したために長くなってしまいました。
最後まで読んでくれた人ありがとうございます。

09:30│秋月律子 
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