2013年11月30日
モバP「雨上がりにもう一度」
ちひろ「………」 カタカタ
P(はぁ、なんか疲れたな………)
P(はぁ、なんか疲れたな………)
P(ん?メールが来てる) カチカチ
P「この前行った健康診断の結果か……」
P「うわぁ、思った以上に酷いな……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364752720
ちひろ「……あら、これは酷い結果ですね」
P「えっ!? なんでちひろさんにも届いてるんですか?」
P(こ、個人情報じゃないのか……?)
ちひろ「はい、じゃあPさんは今日から三日間お休みですね」
P「い、いや……でも仕事が」
ちひろ「Pさんは今年に入って何回お休みしたんですか?」
P「全休したのは1回だけかな、後は土日も含めて何かしら事務所に出てますよ」
ちひろ「そこまで行くと病気ですね……」
ちひろ「今はLIVEとか大きなイベントは無いし、付き添いも必要ないと思います」
ちひろ「皆にはお休み中は近付かないように釘刺しておきますから、たまにはPさんも仕事を忘れて下さい」
P「は、はぁ……」
P「結局、事務所から追い出されてしまった……」
P「良いのかな……?」
P(それにしてもこんな風に連休を取れるなんて)
P(みんなが頑張ってくれているおかげで俺にも余裕ができたか)
P「でも、今からどうしよう……」
P「……うーん」
原田美世「それであたしの所に来たって事?」
P「うん、そう言う事」
美世「そ、そう?何だか嬉しいな……」
P「まぁ、邪魔をするわけにも行かないから顔を見に来ただけだけど」
美世「ち、ちょっと待ってよ! 大丈夫だから!」
P「そうなのか?」
美世「あたしは余裕を持ってやる方だから大丈夫だよ」
P「そう言えばそうだったな、美世は仕事早いしな」
美世「好きでやってる分早く終わるからね」
P「じゃあ、少しゆっくりして行こうかな……」
美世「うん! そうしてくれると嬉しいな!」
原田美世(20)
http://i.imgur.com/Mp4tW2O.jpg
http://i.imgur.com/SHb0B2F.jpg
P「しかし、いざ仕事を離れてみると何して良いか分かんないもんだよな」
美世「あたしから見てもPさんは働きすぎだと思うよ?」
美世「今はそうやって気遣ってくれる人がいて良かったじゃない」
P「確かに、休みが空けたら改めてお礼言っとかないと」
美世「まぁ、あたしはそうやってPさんの仕事に関して手伝ってあげれないからね……」
P「んなこと無いさ、美世にはお世話になってるよ」
美世「……うん、ありがと」
P「お礼を言うのはこっちだけどな」
美世「ね、Pさん、後でドライブ行かない?」
P「ドライブ?」
美世「んー、返事はあとでもいいからねっ♪ 楽しみにしてる!」
P「……考えとくよ」
美世「あれ?」
P「どうかしたのか?」
美世「んー、ちょっとパーツの予備切らしちゃってた……」
P「へぇー、色々あるんだなぁ」
美世「…………」
P(何に使うか全然わからないけど……)
美世「……ね、Pさん」
P「ん?」
美世「買い出し、Pさんと一緒に行けたら楽しそうって思ったんだ」
美世「だから、あたしに付き合ってくれると嬉しいな?」
P「……いいよ、行こうか。車で行くのか?」
美世「ううん、別に大きなものは買わないから歩きで行こっ!」
P「珍しいな、美世が歩きなんて」
美世「今日は何だか歩きたい気分だからね」
P「わかったよ、たまにはそういうのも良いな」
------
美世「着いたよ!」
P「へぇー、こんなとこあったんだな」
美世「近くだとここが一番大きいかな。Pさん知らなかったの?」
P「俺は車を弄ったりはしないからな」
P「美世はよく来るのか?」
美世「うん! クルマは乗るのも弄るのも好き!」
美世「だからここにはしょっちゅう通ってるかな」
P(よく来る店が車関係の店とは美世らしいな……)
美世「どうしたの?」
P「……いや、何でもないよ。さて、何から見ようか?」
美世「えーっと、これで全部かな……」
P「結構消耗品ってあるんだな、驚いたよ」
美世「普通に走る分には特に気にする必要が無いものばっかりだけどね……」
美世「あたしみたいによく乗るならこまめに交換すると全然違うよ」
P「確かに美世の車って何か普通と違う感じはするからな」
美世「そう? 別にチューニングとかしてるわけじゃないけど?」
P「なんだろうな、結構快適に走ってるって感じがするよ」
美世「ふーん……ね、Pさんがあたしの車を運転してみる?」
P「ん? 俺が運転して良いのか?」
美世「Pさんの運転でドライブとか、ロマンチックじゃない?」
P「何回かドライブは行ってるじゃないか?」
美世「確かにPさんの車には乗ってるね。でも、あたしの車にも乗って欲しいな?」
P「運転するのは別にかまわないけど……」
P「珍しいな、美世が自分の車を他人に運転させるなんて」
美世「……特別だからね?」
ザァァァァ
美世「あ、雨だね……」
P「まいったな、傘を持ってきてないぞ」
美世「通り雨だからすぐに止むと思うよ」
P「だろうな。でも、さっきまで晴れてたのに急に降るとは思わなかったな……」
美世「ちょっと雨宿りして待とうよ」
P「そうするか……」
ザァァァァ
美世「……Pさん」
P「どうした?」
美世「プロデューサーの仕事って大変じゃない?」
P「もう慣れたよ」
美世「あたし本当に凄いなって思うよ? よくあんなに気が回るなって思うし」
美世「最初から今みたいな感じだったの?」
P「そんなわけないよ、最初は駄目駄目だったしな」
P「正直プロダクションが潰れるんじゃないかと思ってたよ」
美世「よくそんな状況で頑張れたね……」
P「ははっ、でも不思議と何も怖く無かったかな。あの頃は風まかせだったし」
美世「ふーん……。なんかPさんらしいと言えばPさんらしいね」
P「どういう意味だよ?」
美世「ふふっ、どういう意味だと思う?」
ザァァァァ
P「そういや美世って実家に帰ったりしてるのか?」
美世「んー? あんまり……かな?」
P「石川県だったっけ? まぁ、東京からだと遠いしな……」
美世「そ、別に帰るのはそんなに苦じゃないんだけどね」
P「じゃあなんでなんだ?」
美世「タイミング……かな?」
P「タイミング?」
美世「上京して、車関係で働いて、それでPさんと出会って……」
美世「毎日が楽しくてついついって感じかな?」
P「ふーん……」
美世「でもちゃんと連絡は入れてるし、年末とかは帰ってるよ?」
P「えらいな、俺は全然だよ」
美世「Pさんはそういうのやらなさそうだしね」
P「まぁ、連絡を入れないととは思うんだけどな……」
ザァァァァ
美世「帰省の話ついでだけど、親がPさんにまた会いたいって」
P「……俺に?」
美世「うん、暇ができたら一緒に行く?」
P「かまわないけど緊張するんだよな、そういうの」
美世「別に何もないから大丈夫だと思うけど……」
P「それはわかってるけどさ」
P「未だに誰かの親に挨拶するってのは苦手なんだよ」
P「契約更新の話をする時とかも何度もシミュレーションするしな」
美世「あ、そういうのはちゃんと考えてたんだ?」
P「当たり前だろ……」
美世「言いたい事はわかる?」
P「意外だな、Pさんってそんな感じしないのに、って所か?」
美世「ふふっ、正解!」
ザァァァァ
P「でも、俺に会って何の話をするんだ?」
美世「……あたしって結構鈍い方だと思うけど……流石にそれは鈍感すぎじゃない?」
P「…………」
美世「……Pさんって色んな子に好かれてると思うけどな?」
P「…………」
美世「もしかして気づいて無いとか言わないよね?」
P「ま、あんだけされたら誰だって気づくさ……」
美世「いつも軽くあしらってるのはアイドルだから?」
P「いや、違うね」
美世「そうなの?」
P「俺だって男だからな、好きになったらアイドルだろうが関係ないかな」
美世「…………」
P「…………」
ザァァァァ
美世「好きな人……いるの?」
P「……いるよ」
美世「……誰?」
P「言わないといけないか?」
美世「当たり前じゃない……」
P「…………」
美世「…………」
P「……美世」
美世「……うん」
ザァァァァ
P「俺は何でこんな事言わされてるんだ?」
美世「ふふっ、良いじゃない。減るもんじゃないんだから!」
P「恥ずかしいだろ……」
美世「あたしだって女の子なんだから、ちゃんと言って欲しいもんだよ?」
P「はぁ、美世の乙女心には度々振り回されるな……」
美世「……ホントはね、Pさんが今日休みだって知ってたんだ」
美世「でも、きっとあたしの所に来てくれると思ってた! ありがとっ!」
P「なんでそう思ったんだ?」
美世「あたしとPさんは一心同体だから、かな! なんて!」
P「一心同体ね……」
美世「……あたしも好きだよ。Pさんの事」
P「……知ってるよ」
ザァァァァ
美世「ねぇ?Pさん?」
P「ん?」
美世「……キス……してくれない?」
P「はぁ!? 何言ってんだ街中だぞ??」
美世「今、どこにも人いないじゃない」
P「だからって外でできるわけないだろ?」
美世「やっぱり、言葉だけじゃ不安だから……」
P「不安?」
美世「ほら、あたしって女の子らしい魅力ってあるのかなって」
美世「いつか、Pさんがふらっと他の子を好きになるんじゃないかなって」
P「そんなわけないだろ?」
美世「でも、Pさんの周りって可愛い子ばっかりじゃない」
P「アイドルだから可愛いのは当たり前だろ……」
美世「あたしと同い年の子でも魅力的な子がいっぱいで……」
ザァァァァ
美世「そんな子達に囲まれても、あたしで良いって言い切れる?」
P「……言いきってやるさ」
美世「あっ……」
P「美世しかいないよ、俺には」
美世「……うん、ありがと……Pさん」
P「感謝されるようなことじゃないよ」
美世「……やっぱり……しよっか?」
P「え?」
美世「……エンジン……かかっちゃったから」
P「…………」
美世「…………」
P「一回だけだぞ……」
美世「うん……」
ザァァァァ
美世「なかなか止まないね……」
P「……ドライブ」
美世「えっ?」
P「どっか行きたい所はあるのか?」
美世「…………」
P「わかってると思うけど、俺はそんなに運転上手くないからな」
美世「……うん! どこでもいいよ!」
P「美世は明日もオフだったっけ?」
美世「そうだね、一日中走ってても大丈夫だから!」
P「流石にそれは体力が持たないよ」
美世「交代しながらなら大丈夫だよ?」
P(ドライブか……)
美世(雨、もうちょっと降っていて欲しいな……)
------
P「やっと上がったな……」
美世「上がっちゃったね……」
P「また降らない内にさっさと戻ろうか」
美世「うん、そうだね」
P「で、どうするんだ? 戻ったら早速ドライブに行くのか?」
美世「Pさんは大丈夫なの?」
P「俺は別にかまわないよ、時間なら腐る程あるからな」
美世「ふふっ、じゃあ早速行こっか。待ちきれないよ!」
P「急いでも車も俺も逃げないよ」
美世「ドライブ以外にもやる事はいっぱいあるんだから!」
P「なんだそりゃ?」
美世「それは見てからのお楽しみかな?」
P「はぁ、まぁわかったよ……」
------
P「何か人の車って緊張するな……」
P(つーかマニュアルなんて久々だから大丈夫かな……)
P「あんまスピード出さなきゃ何とかなるか……?」
P「高速に入るまでが勝負だな……」
バタン
美世「お待たせ!」
P「遅かったな」
美世「うん、ちょっと色々準備してたから」
P「なるほどね、綺麗にメイクできてるな。勉強したのか?」
美世「美優さんにオトナっぽいメイクを教わったの。上手くできてるかな?」
P「…………」
美世「どうしたの?」
P「いや、何でもないさ。じゃあ早速出発するか」
美世「うん!」
P「とりあえず適当に走ってるけど道はどうするんだ?」
美世「んー……高速に乗るんだよね?」
P「マニュアルだし、その方が楽だからな……」
美世「じゃあ、関西まで遠征しちゃう?」
P「帰れなくなるのは勘弁願いたいな」
美世「一泊くらいは問題ないと思うけど?」
P「俺は何も準備して無いよ!」
美世「ふふっ、じゃあサービスエリア巡りの旅でもしよっか?」
P「それいいな、俺もそういうぶらり旅なら歓迎だよ」
美世「決まりだね! じゃあ適当なところまで走って折り返そうか」
美世「帰りはあたしが運転するよ!」
P「わかった、そうしようか」
P「にしてもスピードでるなぁ、この車……」
美世「この車は大事にしてる秘蔵のやつだから」
美世「いつもPさんと乗ってる車とは全然勝手が違うからね」
美世「大丈夫? 問題なくいけそう?」
P「アクセルの加減が難しいくらいで、他は特に問題は無さそうだ」
美世「Pさんは上手く運転で来てると思うよ?」
P「美世に言われると自信がつくよ」
美世「あたしとPさん以外は運転した事無いから参考にならないかも知れないけど……」
P「そうなのか?」
美世「うん、そのハンドルを握るのはPさんが二人目だよ!」
P「なんか、光栄だな。良いのか俺に運転させて?」
美世「ふふっ、Pさんだから良いんじゃない」
美世「Pさん、たこ焼き食べる?」
P「食べる」
美世「あーん」
P「サンキュ」モグモグ
美世「サービスエリアのご飯って不思議な魅力があるよね?」
P「だな、普通に売ってるやつと変わらないのにな」
美世「あたし、自分が運転してる時は食べないからこんな事できるのはある意味貴重かも!」
P「そうなのか?」
美世「うん、食べると眠くなっちゃうから……」
P「眠たくなったら寝ててもかまわないぞ?」
美世「そんな勿体ない事できないよ!」
------
美世「んー! 結構走ったね!」
P「こんなに長距離走るのは久々だから足が疲れたよ」
美世「ここからはあたしが運転するからPさんはゆっくり寝ててもかまわないよ?」
P「寝るのが勿体無いから起きてるよ」
美世「そ、そう?」
P「あぁ……」
美世「……時間が過ぎるのって早いね」
P「ん?」
美世「こんなに遠くまで来たのに、ほとんど一瞬に感じたから……」
P「確かに早く感じたな」
美世「楽しかったけど、なんか寂しいな……」
美世「次にこんな事できるのはいつになるんだろうなって思うと……」
P「…………」
P「美世」
美世「どうしたの?」
P「……キスするか?」
美世「へっ!?」
P「特に意味は無いけど、したくなったからさ」
美世「え、え……い、い、いや……」
P「嫌だったか?」
美世「ち、ち、違うよ! そ、そんな事無いよっ!」
P「じゃあどうする?」
美世「……す、する」
美世「……んっ」
P「自分で言う時は強引だったのに、俺から言うと消極的だよな?」
美世「やっぱり……恥ずかしいから……」
P「今日は楽しかったよ、ありがとうな」
美世「ふふっ、Pさんが疲れた時は癒してあげるって言ったでしょ!」
P「ははっ、そうだな」
美世「はいっ!」 ダキッ
P「どうしたんだ?」
美世「……明日からも頑張っていこうね?」
P「まぁ休みだけど……」
美世「じゃあ、やっぱり泊って帰ろっか?」
P「……そうだな、それも良いな」
おわり
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
特に細かい設定も背景もありません
ただ、ダチャーンとイチャつくのが
書きたかっただけなので書きました
このスレはHTML化依頼を出しておきます
P「この前行った健康診断の結果か……」
P「うわぁ、思った以上に酷いな……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364752720
ちひろ「……あら、これは酷い結果ですね」
P「えっ!? なんでちひろさんにも届いてるんですか?」
P(こ、個人情報じゃないのか……?)
ちひろ「はい、じゃあPさんは今日から三日間お休みですね」
P「い、いや……でも仕事が」
ちひろ「Pさんは今年に入って何回お休みしたんですか?」
P「全休したのは1回だけかな、後は土日も含めて何かしら事務所に出てますよ」
ちひろ「そこまで行くと病気ですね……」
ちひろ「今はLIVEとか大きなイベントは無いし、付き添いも必要ないと思います」
ちひろ「皆にはお休み中は近付かないように釘刺しておきますから、たまにはPさんも仕事を忘れて下さい」
P「は、はぁ……」
P「結局、事務所から追い出されてしまった……」
P「良いのかな……?」
P(それにしてもこんな風に連休を取れるなんて)
P(みんなが頑張ってくれているおかげで俺にも余裕ができたか)
P「でも、今からどうしよう……」
P「……うーん」
原田美世「それであたしの所に来たって事?」
P「うん、そう言う事」
美世「そ、そう?何だか嬉しいな……」
P「まぁ、邪魔をするわけにも行かないから顔を見に来ただけだけど」
美世「ち、ちょっと待ってよ! 大丈夫だから!」
P「そうなのか?」
美世「あたしは余裕を持ってやる方だから大丈夫だよ」
P「そう言えばそうだったな、美世は仕事早いしな」
美世「好きでやってる分早く終わるからね」
P「じゃあ、少しゆっくりして行こうかな……」
美世「うん! そうしてくれると嬉しいな!」
原田美世(20)
http://i.imgur.com/Mp4tW2O.jpg
http://i.imgur.com/SHb0B2F.jpg
P「しかし、いざ仕事を離れてみると何して良いか分かんないもんだよな」
美世「あたしから見てもPさんは働きすぎだと思うよ?」
美世「今はそうやって気遣ってくれる人がいて良かったじゃない」
P「確かに、休みが空けたら改めてお礼言っとかないと」
美世「まぁ、あたしはそうやってPさんの仕事に関して手伝ってあげれないからね……」
P「んなこと無いさ、美世にはお世話になってるよ」
美世「……うん、ありがと」
P「お礼を言うのはこっちだけどな」
美世「ね、Pさん、後でドライブ行かない?」
P「ドライブ?」
美世「んー、返事はあとでもいいからねっ♪ 楽しみにしてる!」
P「……考えとくよ」
美世「あれ?」
P「どうかしたのか?」
美世「んー、ちょっとパーツの予備切らしちゃってた……」
P「へぇー、色々あるんだなぁ」
美世「…………」
P(何に使うか全然わからないけど……)
美世「……ね、Pさん」
P「ん?」
美世「買い出し、Pさんと一緒に行けたら楽しそうって思ったんだ」
美世「だから、あたしに付き合ってくれると嬉しいな?」
P「……いいよ、行こうか。車で行くのか?」
美世「ううん、別に大きなものは買わないから歩きで行こっ!」
P「珍しいな、美世が歩きなんて」
美世「今日は何だか歩きたい気分だからね」
P「わかったよ、たまにはそういうのも良いな」
------
美世「着いたよ!」
P「へぇー、こんなとこあったんだな」
美世「近くだとここが一番大きいかな。Pさん知らなかったの?」
P「俺は車を弄ったりはしないからな」
P「美世はよく来るのか?」
美世「うん! クルマは乗るのも弄るのも好き!」
美世「だからここにはしょっちゅう通ってるかな」
P(よく来る店が車関係の店とは美世らしいな……)
美世「どうしたの?」
P「……いや、何でもないよ。さて、何から見ようか?」
美世「えーっと、これで全部かな……」
P「結構消耗品ってあるんだな、驚いたよ」
美世「普通に走る分には特に気にする必要が無いものばっかりだけどね……」
美世「あたしみたいによく乗るならこまめに交換すると全然違うよ」
P「確かに美世の車って何か普通と違う感じはするからな」
美世「そう? 別にチューニングとかしてるわけじゃないけど?」
P「なんだろうな、結構快適に走ってるって感じがするよ」
美世「ふーん……ね、Pさんがあたしの車を運転してみる?」
P「ん? 俺が運転して良いのか?」
美世「Pさんの運転でドライブとか、ロマンチックじゃない?」
P「何回かドライブは行ってるじゃないか?」
美世「確かにPさんの車には乗ってるね。でも、あたしの車にも乗って欲しいな?」
P「運転するのは別にかまわないけど……」
P「珍しいな、美世が自分の車を他人に運転させるなんて」
美世「……特別だからね?」
ザァァァァ
美世「あ、雨だね……」
P「まいったな、傘を持ってきてないぞ」
美世「通り雨だからすぐに止むと思うよ」
P「だろうな。でも、さっきまで晴れてたのに急に降るとは思わなかったな……」
美世「ちょっと雨宿りして待とうよ」
P「そうするか……」
ザァァァァ
美世「……Pさん」
P「どうした?」
美世「プロデューサーの仕事って大変じゃない?」
P「もう慣れたよ」
美世「あたし本当に凄いなって思うよ? よくあんなに気が回るなって思うし」
美世「最初から今みたいな感じだったの?」
P「そんなわけないよ、最初は駄目駄目だったしな」
P「正直プロダクションが潰れるんじゃないかと思ってたよ」
美世「よくそんな状況で頑張れたね……」
P「ははっ、でも不思議と何も怖く無かったかな。あの頃は風まかせだったし」
美世「ふーん……。なんかPさんらしいと言えばPさんらしいね」
P「どういう意味だよ?」
美世「ふふっ、どういう意味だと思う?」
ザァァァァ
P「そういや美世って実家に帰ったりしてるのか?」
美世「んー? あんまり……かな?」
P「石川県だったっけ? まぁ、東京からだと遠いしな……」
美世「そ、別に帰るのはそんなに苦じゃないんだけどね」
P「じゃあなんでなんだ?」
美世「タイミング……かな?」
P「タイミング?」
美世「上京して、車関係で働いて、それでPさんと出会って……」
美世「毎日が楽しくてついついって感じかな?」
P「ふーん……」
美世「でもちゃんと連絡は入れてるし、年末とかは帰ってるよ?」
P「えらいな、俺は全然だよ」
美世「Pさんはそういうのやらなさそうだしね」
P「まぁ、連絡を入れないととは思うんだけどな……」
ザァァァァ
美世「帰省の話ついでだけど、親がPさんにまた会いたいって」
P「……俺に?」
美世「うん、暇ができたら一緒に行く?」
P「かまわないけど緊張するんだよな、そういうの」
美世「別に何もないから大丈夫だと思うけど……」
P「それはわかってるけどさ」
P「未だに誰かの親に挨拶するってのは苦手なんだよ」
P「契約更新の話をする時とかも何度もシミュレーションするしな」
美世「あ、そういうのはちゃんと考えてたんだ?」
P「当たり前だろ……」
美世「言いたい事はわかる?」
P「意外だな、Pさんってそんな感じしないのに、って所か?」
美世「ふふっ、正解!」
ザァァァァ
P「でも、俺に会って何の話をするんだ?」
美世「……あたしって結構鈍い方だと思うけど……流石にそれは鈍感すぎじゃない?」
P「…………」
美世「……Pさんって色んな子に好かれてると思うけどな?」
P「…………」
美世「もしかして気づいて無いとか言わないよね?」
P「ま、あんだけされたら誰だって気づくさ……」
美世「いつも軽くあしらってるのはアイドルだから?」
P「いや、違うね」
美世「そうなの?」
P「俺だって男だからな、好きになったらアイドルだろうが関係ないかな」
美世「…………」
P「…………」
ザァァァァ
美世「好きな人……いるの?」
P「……いるよ」
美世「……誰?」
P「言わないといけないか?」
美世「当たり前じゃない……」
P「…………」
美世「…………」
P「……美世」
美世「……うん」
ザァァァァ
P「俺は何でこんな事言わされてるんだ?」
美世「ふふっ、良いじゃない。減るもんじゃないんだから!」
P「恥ずかしいだろ……」
美世「あたしだって女の子なんだから、ちゃんと言って欲しいもんだよ?」
P「はぁ、美世の乙女心には度々振り回されるな……」
美世「……ホントはね、Pさんが今日休みだって知ってたんだ」
美世「でも、きっとあたしの所に来てくれると思ってた! ありがとっ!」
P「なんでそう思ったんだ?」
美世「あたしとPさんは一心同体だから、かな! なんて!」
P「一心同体ね……」
美世「……あたしも好きだよ。Pさんの事」
P「……知ってるよ」
ザァァァァ
美世「ねぇ?Pさん?」
P「ん?」
美世「……キス……してくれない?」
P「はぁ!? 何言ってんだ街中だぞ??」
美世「今、どこにも人いないじゃない」
P「だからって外でできるわけないだろ?」
美世「やっぱり、言葉だけじゃ不安だから……」
P「不安?」
美世「ほら、あたしって女の子らしい魅力ってあるのかなって」
美世「いつか、Pさんがふらっと他の子を好きになるんじゃないかなって」
P「そんなわけないだろ?」
美世「でも、Pさんの周りって可愛い子ばっかりじゃない」
P「アイドルだから可愛いのは当たり前だろ……」
美世「あたしと同い年の子でも魅力的な子がいっぱいで……」
ザァァァァ
美世「そんな子達に囲まれても、あたしで良いって言い切れる?」
P「……言いきってやるさ」
美世「あっ……」
P「美世しかいないよ、俺には」
美世「……うん、ありがと……Pさん」
P「感謝されるようなことじゃないよ」
美世「……やっぱり……しよっか?」
P「え?」
美世「……エンジン……かかっちゃったから」
P「…………」
美世「…………」
P「一回だけだぞ……」
美世「うん……」
ザァァァァ
美世「なかなか止まないね……」
P「……ドライブ」
美世「えっ?」
P「どっか行きたい所はあるのか?」
美世「…………」
P「わかってると思うけど、俺はそんなに運転上手くないからな」
美世「……うん! どこでもいいよ!」
P「美世は明日もオフだったっけ?」
美世「そうだね、一日中走ってても大丈夫だから!」
P「流石にそれは体力が持たないよ」
美世「交代しながらなら大丈夫だよ?」
P(ドライブか……)
美世(雨、もうちょっと降っていて欲しいな……)
------
P「やっと上がったな……」
美世「上がっちゃったね……」
P「また降らない内にさっさと戻ろうか」
美世「うん、そうだね」
P「で、どうするんだ? 戻ったら早速ドライブに行くのか?」
美世「Pさんは大丈夫なの?」
P「俺は別にかまわないよ、時間なら腐る程あるからな」
美世「ふふっ、じゃあ早速行こっか。待ちきれないよ!」
P「急いでも車も俺も逃げないよ」
美世「ドライブ以外にもやる事はいっぱいあるんだから!」
P「なんだそりゃ?」
美世「それは見てからのお楽しみかな?」
P「はぁ、まぁわかったよ……」
------
P「何か人の車って緊張するな……」
P(つーかマニュアルなんて久々だから大丈夫かな……)
P「あんまスピード出さなきゃ何とかなるか……?」
P「高速に入るまでが勝負だな……」
バタン
美世「お待たせ!」
P「遅かったな」
美世「うん、ちょっと色々準備してたから」
P「なるほどね、綺麗にメイクできてるな。勉強したのか?」
美世「美優さんにオトナっぽいメイクを教わったの。上手くできてるかな?」
P「…………」
美世「どうしたの?」
P「いや、何でもないさ。じゃあ早速出発するか」
美世「うん!」
P「とりあえず適当に走ってるけど道はどうするんだ?」
美世「んー……高速に乗るんだよね?」
P「マニュアルだし、その方が楽だからな……」
美世「じゃあ、関西まで遠征しちゃう?」
P「帰れなくなるのは勘弁願いたいな」
美世「一泊くらいは問題ないと思うけど?」
P「俺は何も準備して無いよ!」
美世「ふふっ、じゃあサービスエリア巡りの旅でもしよっか?」
P「それいいな、俺もそういうぶらり旅なら歓迎だよ」
美世「決まりだね! じゃあ適当なところまで走って折り返そうか」
美世「帰りはあたしが運転するよ!」
P「わかった、そうしようか」
P「にしてもスピードでるなぁ、この車……」
美世「この車は大事にしてる秘蔵のやつだから」
美世「いつもPさんと乗ってる車とは全然勝手が違うからね」
美世「大丈夫? 問題なくいけそう?」
P「アクセルの加減が難しいくらいで、他は特に問題は無さそうだ」
美世「Pさんは上手く運転で来てると思うよ?」
P「美世に言われると自信がつくよ」
美世「あたしとPさん以外は運転した事無いから参考にならないかも知れないけど……」
P「そうなのか?」
美世「うん、そのハンドルを握るのはPさんが二人目だよ!」
P「なんか、光栄だな。良いのか俺に運転させて?」
美世「ふふっ、Pさんだから良いんじゃない」
美世「Pさん、たこ焼き食べる?」
P「食べる」
美世「あーん」
P「サンキュ」モグモグ
美世「サービスエリアのご飯って不思議な魅力があるよね?」
P「だな、普通に売ってるやつと変わらないのにな」
美世「あたし、自分が運転してる時は食べないからこんな事できるのはある意味貴重かも!」
P「そうなのか?」
美世「うん、食べると眠くなっちゃうから……」
P「眠たくなったら寝ててもかまわないぞ?」
美世「そんな勿体ない事できないよ!」
------
美世「んー! 結構走ったね!」
P「こんなに長距離走るのは久々だから足が疲れたよ」
美世「ここからはあたしが運転するからPさんはゆっくり寝ててもかまわないよ?」
P「寝るのが勿体無いから起きてるよ」
美世「そ、そう?」
P「あぁ……」
美世「……時間が過ぎるのって早いね」
P「ん?」
美世「こんなに遠くまで来たのに、ほとんど一瞬に感じたから……」
P「確かに早く感じたな」
美世「楽しかったけど、なんか寂しいな……」
美世「次にこんな事できるのはいつになるんだろうなって思うと……」
P「…………」
P「美世」
美世「どうしたの?」
P「……キスするか?」
美世「へっ!?」
P「特に意味は無いけど、したくなったからさ」
美世「え、え……い、い、いや……」
P「嫌だったか?」
美世「ち、ち、違うよ! そ、そんな事無いよっ!」
P「じゃあどうする?」
美世「……す、する」
美世「……んっ」
P「自分で言う時は強引だったのに、俺から言うと消極的だよな?」
美世「やっぱり……恥ずかしいから……」
P「今日は楽しかったよ、ありがとうな」
美世「ふふっ、Pさんが疲れた時は癒してあげるって言ったでしょ!」
P「ははっ、そうだな」
美世「はいっ!」 ダキッ
P「どうしたんだ?」
美世「……明日からも頑張っていこうね?」
P「まぁ休みだけど……」
美世「じゃあ、やっぱり泊って帰ろっか?」
P「……そうだな、それも良いな」
おわり
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます
特に細かい設定も背景もありません
ただ、ダチャーンとイチャつくのが
書きたかっただけなので書きました
このスレはHTML化依頼を出しておきます
03:30│モバマス