2013年12月01日

真美「あんなに一緒だったのに」

真美「どうして、どうしてなの、亜美」

真美「真美たち、あんなに一緒だったじゃん、なのにどうして」

真美「……」


真美「ここから見る夕暮れ、大好きだったのに、すごく綺麗なはずなのに」

真美「今日はなんだか、違う色をしてる、なんでかな」

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真美「またなの、亜美」

亜美「ごめん、今日もこの後ひびきんと用事があるんだ、だから」

真美「……」

亜美「こ、今度また一緒に」

真美「いいよ、わかった」

亜美「……真美」

真美「ほら、ひびきんが待ってる」

亜美「う、うん!」タタッ

真美「……」
真美「亜美……亜美ぃ……」グスッ

真美(どうして……亜美が幸せならそれでいいはずなのに)

真美(そう思えば思うほど、涙があふれて止まらないよ……)

真美(亜美に離れて欲しくない、ずっとそばにいて欲しい、でも)

真美(亜美にとってはきっと、ひびきんと一緒にいる方が幸せなんだ、だったら)

真美(亜美のために、真美は手を引くしかないよね、けど、やっぱり)

真美「離れたくないよ……亜美ぃ!」

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真美「寒いなぁ……まだ秋なのに、夜はこんなにも寒いんだね」

真美「……ふふふ、真美、カッコ悪すぎっしょ」

真美「自分で決めたことなのに、いつまでもウジウジして」

真美「……」

真美「月が綺麗ですね」

真美「どう、今のお姫ちんのマネ、似てたっしょ、亜美!」

真美「……亜美、いないんだっけ」
真美「あんなに一緒だったのに」

真美「いつからだろう、会話もぎこちなくなったのは」

真美「いつからだろう、逃げるように背中を向けて走っていくようになったのは」

真美「……」

真美「夕暮れが、あんなにも青かったのって」

真美「きっと、こんなこと考えてたからなんだろうね」
真美「今夜は本当に、月が綺麗だね」

真美「一人で見てるのが、もったいなくなるくらい、綺麗」

真美「亜美、どうかお幸せに、ね」プス

真美「……」

真美「最近は、亜美のことを思うと、夜も眠れなかったよ」

真美「亜美と離れるのがこんなに辛いことだなんて、知らなかった……でも、今日は、今日だけは」

真美「静かな眠りにつけそうだよ」

真美「……」



真美「おやすみ、亜美」


響「亜美!大丈夫か、亜美!!」ユサユサ

小鳥「響ちゃん落ち着いて!そんなに動かしたら亜美ちゃんが」

響「こんなの……こんなの落ち着いていられるわけないぞ!」

小鳥「ここにいる皆だって同じ気持ちよ!けど、今は絶対安静なんだから、動かしちゃダメ!!」

真美「……」

響「真美!真美はなんとも思わないのか!!」

真美「……」

響「さっきから、どうしてそんなにすました顔してられるんだ!」ガバッ

真美「……」

響「大事な妹をこんな状態にされて!犯人が憎くないのか!?」グイィ

真美「憎くないよ」

響「!?」
真美「だって、だってね、真美がほんとに憎いのはね」


真美「ひびきんだもん」


響「な、何を言って」

真美「真美から亜美を奪ったひびきんが憎いって言ったんだよ」

真美「真美の隣には、いつも亜美がいた……つい、最近まで」

真美「それがいつからか、いなくなっちゃったんだ」

響「……」
真美「最初は諦めようとした、でもね、諦めようとすればするほど『離れたくない』って気持ちが強くなっちゃって」

真美「そのせいで、真美はいつもモヤモヤしてたんだよ」

響「ま、真美……」

真美「それでね、いつまでも悩んでる自分が馬鹿らしくなっちゃって……決めたんだ」


真美「亜美を、自分のものにするって」


真美「ほら、見てよ!今の亜美となら、いつだって一緒に居れる!いつでも!好きな時に!」

真美「あははははは!これで亜美は真美のモノ!これからはいつまでも一緒だよ!亜美、亜美いぃぃぃ!!」

真美「あはははははははははははははははははは!!」


響「……」



バチン!



真美「……」

響「……」

真美「なんで」

真美「なんでぶつのさ!ひびk」


バチン!


響「真美のバカ!どうして、どうしてこんなことしたんだ!!」

真美「だって……だってしょうがないじゃん!離れていく亜美を真美に繋ぎとめるにはこれしかなかったんだもん!!」

響「本当に、亜美が離れていくと思ったのか!?自分が亜美を奪ったって!バカなこと信じて、本当に真美はバカだぞ!」

真美「亜美を奪ったくせに、ふざけたこと言わないで!」
響「……真美、亜美が着てるもの、よく見てみなよ」

真美「バカにするのもいい加減にしてよ!真美とのペアルックなのに、何を今更!」

響「いいから!」

真美「……」ガバッ

真美「はっ!やっぱり、真美とおそろいのジャケットじゃん!」

響「脱がせてみて」

真美「なんなの、ひびきん、変態になったの!?」

響「いいから、早く!!」

真美「……」スッ

真美「!!」

真美「なにこれ……セーター?」
真美「こんなの、真美、知らないよ」

真美「『AMI』って、刺繍の入ったセーターなんて、真美、持ってない」

真美「……」

真美「そういえば、ひびきん、編み物得意だったよね……」

真美「そっか、そういうことかぁ……」

真美「これ、ひびきんが作ったんだね……そうなんでしょ!?」

響「真美、それは勘違いさー、作ったのは、亜美だぞ」

真美「えっ」

響「だいたい、自分が作ったなら、もっとうまく作るぞ」
響「ついでに、もう一つ教えてやるぞ……『A』の左にある☆は、実は、はがせるようになってるんだ」

真美「……」

響「どうしたの、真美、はがしてみてよ、それで全部分かるはずだぞ」

真美「……」ペリ

真美「そんな……そんな……こんなことって!!」

響「……」

真美「亜美!亜美ぃ!!」ユサユサ
真美「どうして……初めから、言ってくれればよかったじゃん!」

響「……サプライズにしたいって言ってたからな」

真美「知ってたら、知ってさえいればこんなことしなかったのに!」

響「今更遅いぞ、もう取り返しなんてつくわけないんだ」

真美「……」

響「さ、さぁ!何か言うべきことがあるはずだぞ!」

真美「……」スッ

響「ま、真美?」

真美「……」

響「果物ナイフ……さすがの亜美も、今はリンゴは食べな」

真美「……」グッ

響「まずい!誰か真美を止めて!!」
真美(ごめんね、亜美……これで許して!)


ガバッ


真美「じゃ、邪魔しないで!離してえぇ!!」

亜美「真美、落ち着いて!もういいから、大丈夫だから!!」

真美「離して!真美は死ぬの!死んで亜美に謝らなきゃいけな……えっ」

亜美「えへへへ……亜美でーす」

真美「なんで……亜美が……」

亜美「ど、ドッキリ大成功……ってちょっとやりすぎたっぽいね」

真美「……」

亜美「ま、真美……ナイフそんな持ち方したら危な、っちょ、待って、まさか……」





ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!




---数日後 765プロ事務所---
真美「おいっす→」

小鳥「あら、真美ちゃん……って、またそのセーターなのね」

真美「んっふっふ〜、これを着てると亜美とひびきんが真美の言うことなんでも聞いてくれるからね!」

小鳥「あ、あはは(私が協力してたのは忘れてるみたい、よかったわ)」

真美「さてさて、それじゃあひびきんにお昼奢ってもらいに行くYO☆」タタッ

小鳥「行ってらっしゃーい!」



結局、あれは亜美が仕組んだイタズラだったっぽい
イタズラのレベルじゃない気がするけど、そこはこの真美様、海よりも深ーい懐の持ち主なので
ちかたなく許してあげました
今度は、真美の番だからね、覚えといてよ亜美!


                                終わり


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