2013年11月30日

モバP「寝る子は育つ」

─ 事務所 ─

かれこれ、俺と雪乃さんが襲われた事件から1週間経った。

モバP(以下P)「アイツらは今なにやってるんですかねぇ」


アイツらとは俺との関係を持とうと躍起となった3人を含めたアイドルたち。
現在、社長の罰として3人には緊急LIVEツアーを組まれ、うちにいた他のアイドルのほとんどが一緒に巻き込まれていった。

千川ちひろ「ずっと、会社のメルアドに連絡が届いてますよ。プロデューサーさんは大丈夫なのかー?って」

P「心配されるのは嬉しいんですがね。その、どんなニュアンスが込められているか・・・」

ちひろ「そうですね、特に響子ちゃんは凄いですよ。顔文字も絵文字も使わずに30行ぐらい、プロデューサーさんを心配している文だけをひたすら書き綴ってます」

P「ひぃっ!?」

ちひろ「見れるメールはこれらですね」

早坂美玲『ウチに引っ掻かれる前に刺されやがって!引っ掻いて鍛えてやるから、早く治せよ!』

小松伊吹『P、大丈夫?特産品いっぱい買ってくるからちゃんと寝ててよ!?』

成宮由愛『プロデューサーさんが心配です。LIVEは絶対成功させて事務所に帰るので待っててくださいね』

P「みんなに心配かけて・・・俺は・・・」

ちひろ「ほら!ネガティブにならない!みんなに心配されて幸せだなぁ、って思わないと!」

P「そ、そうですね!あとこれは・・・巴からだ」

村上巴『おはようあります。こちらでは朋姐さんと芽衣子さんがショックで倒れました。智香と共に面倒を見ていますが、Pの声を聞かせるのが一番安心できると思うのでお願いします。』

P(巴が一生懸命、標準語使おうとメール打ってる姿想像すると胸が熱くな・・・じゃなかった)

P「朋と芽衣子倒れちゃったか・・・」

ちひろ「おやおや、心配になりますかぁ?」


気にしてしまうのは告白されたせいだろうか。共犯者に近い気分が俺を襲う。

なんだかんだで女性は恋バナ大好きなんだなと思いつつ、ちひろさんは無視する。
相原雪乃「ごきげんよう、Pさん、ちひろさん」

P「おはようございます」

ちひろ「おはようございます、雪乃さん。腕はもう大丈夫ですか?」

雪乃「Pさんに比べれば大丈夫です」

P「あはは・・・」

先日の事件で、雪乃さんは跡は残らないが腕に治るのに1週間から2週間の切り傷。
一方、俺は腹部に何針か縫う全治1ヶ月以上の刺し傷だ。

なぜ、そんな傷の俺が一週間で外に出れたかと言うと、あまりにも病院に迷惑をかけてしまったのだ。

あの後、病院に運び込まれたのは良いものの、結果として大量のマスコミが押し寄せてしまった上に
そのマスコミが他の患者に無理矢理インタビューをしようとしたとかなんとか。

芸能関連は金になる、それが相手がけが人だろうとなんだろうと。

他にも、当時名古屋にいたうちのアイドルたちに“マスコミからの”脅迫まがいのメールが届いたという。

これらに頭に血が上った社長は「腹に爪楊枝が刺さった程度の怪我です!」と言い切ってしまった。
正直、社長じゃなくてもちひろさんや俺も怒っていただろう。

結果は俺が事務所にいることでこの事件を沈静化させることに成功した。

雪乃「Pさん、何かあればおっしゃってくださいね」

P「あ、はい」

というわけで、プロダクションで簡単な事務作業の手伝いをして、ほとんど仮眠室で寝ている。

腹にはコルセット、頑丈すぎて動けない。



そういえば事件以来、雪乃さんがさらに優しくなった気がする。心が浄化される。

杉坂海「おはようーっ!」

P「お、海。おはよう」

海「Pさん!?傷は大丈夫なのかい!?」

P「流石にまだまだ安静にしてないとダメだって」

海「そっか、私にできることあれば手伝うからね!」

P「おう、さっそくだが、破けたシャツ直せるか?血も付いちゃってるんだが・・・」

海「うーん・・・、血は落ちるか分からないよ・・・悪いね」

P「気にスンナ、俺が海は裁縫スキルあるからって無理言ったせいだ」

さすがにクリーニングのスキルまで兼ね備えてはなかった。

海も大丈夫かと心配してくれてる。それはプロデューサーとしては嬉しいが
彼女の性格なら事件現場にいたら間違いなく鉄砲玉のように突っ込んでただろう。

彼女が変なことに巻き込まれない事を望もう。

P(ところで)

雪乃「・・・・・・」ニコッ

P(雪乃さんがすっごい怖い笑顔でこちらを見てるんですが)

ちひろ「プロデューサーさん、二人の今日のスケジュールは?」

P「海はずっとレッスンですね、雪乃さんは午前レッスン、午後はラジオのゲストとして収録があります」

ちひろ「となると、雪乃さんの送り迎えは私がやりますね」

雪乃「お願いしますわ」

海「んじゃ、Pさんはもう寝るといいよ」

P「そうさせてm」

コンコン!

?「失礼しまーすぅ、Pさんという方はいますかー?」


P「はい、こちらに・・・ってイヴさん!?」

イヴ・サンタクロース「はーぁい。アイドルって仕事をやってみようかと思いまして〜♪」

ブリッツェン「ブモッ!」

海「トナカイっ!?」

雪乃「あら、まぁ・・・」

P「おおおおっ、ブリッツェン!今日もモフモフしてるなぁ!」

ちひろ「プロデューサーさん、この方は?」

P「先日、トナカイに懐かれたと言いましたね?」

ちひろ「はい、サンタの子がどうのこうの・・・って、まさか」

P「はい、スカウトしてたんです」

ちひろ「Oh...」

イヴ「実は国に帰るためのお金がなくなってしまいまして〜」

ちひろ「あれ、出会ったのは一週間前でしたよね?お金なしでどこにいたんですか?」

イヴ「Pさんに言われて、ペットショップでお手伝いしてたんですぅ。この子も安心して過ごせてましたぁ」

ブリッツェン「フーッ!」

P「んで、一週間後に事務所に面接する、って伝えておいたんです」

ちひろ「うーん・・・(よ、よく知らない人を預かれるペットショップがあったもんですね・・・)」

雪乃「しかしPさん、その体で面接できるのでしょうか?」

P「・・・一応、激しい動きじゃなければ・・・」

そんなこんなで・・・。


イヴ「わーい!ブリッツェン、合格できましたよ〜」

ブリッツェン「フゴッ!」

P「いででででで・・・」

海「Pさん、大丈夫?」

P「つい、ポーズの指導したくなって、イスから立ったり座ったり繰り返しちゃって・・・」

面接というより、スキルがどれぐらいあるかのチェックをしたが、自分が動きすぎてお腹が痛い。

P(イヴさんにはアイドルの素質はある。レッスンを重ねていけばサンタクロースという後ろ盾が無くても輝けるはずだ。なにより・・・)

イヴ「Pさん、これからよろしくお願いしますね!」ニッコニコー

P(笑顔が絶えない人って素敵だ)

海「それじゃ、イヴさんはウチが面倒見てるよ。トレーナーさんとかに挨拶しないといけないだろうし」

雪乃「私は収録の方に行って参りますね。ちひろさん、お願いします」

ちひろ「はーい!プロデューサーさんはこの間に寝ててくださいよ?」

P「仮眠室で篭ってます」


─ 仮眠室 ─

P「巴に連絡しろって言われてたし、せっかくだからみんなに電話してみよう。まずは・・・」

Pipipipi...

『お留守番サービスです。ピーという音の後にメッセージを・・・』

P「む、芽衣子は出れないのか?んじゃ次」

Pipipi...

朋『P!?』

P「おう、電話越しに叫ぶないでくれ」

朋『ご、ごめん。やっと連絡がとれたと思って。マスコミがいつでも狙ってそうだったから、あんまりこっちからかけられなかったのよ』

P「こちらこそ、ごめん。何人か倒れたって巴から連絡が来てな、声をかけてやってくれって」

朋『あー、巴ちゃんにも心配かけちゃったか。アタシはだいぶ熱が引いたから明日には復帰できるんだけど・・・』

P「なにかあったのか?」

朋『芽衣子さんがどうも熱が下がらなくてね。今、病院で点滴打ってもらってるの』

P「本当か!?道理で電話が繋がらないわけだ・・・」

朋『芽衣子さんにアンタをあげる気はないけど、メールくらい送ってあげなさいよ』

P「了解」
朋『あとさ、Pは今どこにいるのよ。病院出たってあと情報途切れちゃってね』

P「事務所の仮眠室のベッドの上。傷開かないようにお腹に頑丈なコルセット着けてるから起きるのも大変だ」

朋『あーらら、でも元気な声が聞けて良かったわよ。この一週間、長く感じたのはあたしだけじゃないと思うわ』

P「そうだな。あのいきなりの告白から時間が長く感じる」

朋『・・・Pってさ、時折自分のことを他人事のように言うわよね』

P「そうじゃないとずっと自分を責め続けて胃に穴が開くと思う」

朋『そうよね、ネガティブプロデューサーさん』

P「んじゃ電話切るよ、他にも声かけないといけないから」

朋『分かった。明日の朝、芽衣子さんの体調分かったら連絡するわ。明日はLIVEツアー最終日だしね』

P「ん。芽衣子には、どうメールを送っておくか・・・」

体調良くなったら電話寄越せとメールしておくことにした。

P「次は・・・」


時間は有り余っていたのでツアーに行っているメンバー全員に電話しておいた。

響子が『ぜったい!絶対!ぜぇぇぇぇぇったい!動いちゃダメですよ!』と怒鳴るように言っていたのが印象的だった。

やはり迷惑かけてしまったなと思う、俺だけの体じゃないんだ。

P「とっとと寝て、傷を癒そう」

まだ陽は傾いたばかりの時間だったが、眠りにつこう・・・。
─ レッスン場 ─

海「トレーナーさん、今日入った子です」

イヴ「イヴです、よろしくお願いしまーすっ」

ブリッツェン「ブモっ」

トレーナー(以下トレ)「と、トナカイ!?」

海「トレーナーさん、その反応もうやったよ」

トレ「コ、コホン・・・////イヴさん、でしたね?今日は体力測定を兼ねた体力作りと発声練習をメインにやっていきますので、付いてきてくださいね?」

イヴ「はーい♪」



トレ「まずはシャトルラン!」

イヴ「はいっ♪」


トレ「次、垂直跳び!」

イヴ「ジャンプなら得意ですぅ!」


トレ「次、懸垂!」

イヴ「家によじ登る時に鍛えましたから♪」


トレ「最後、柔軟体操!」

イヴ「煙突入るために体柔らかくしたんですよ♪」



海「す、すごい・・・全種目が全国平均の記録を上回ってる・・・」

トレ「これは将来が楽しみですね・・・」

イヴ「いぇーい♪でも疲れちゃいました」

トレ「それでも笑顔を忘れないのは凄いですね、アイドルの基礎として必要なものは8割以上は持ってます」

イヴ「えへへ、サンタクロースはみんなの喜ぶ顔が見たいから頑張っちゃうんですよ〜」

トレ「前言撤回、8割どころじゃありませんでした」

海「就職活動で企業が欲しがる即戦力ってこういう人のことなんじゃないかねぇ・・・」

イヴ「?」



その後、海とイヴは夕暮れまでトレーニングを続けた。

海「だーっ!疲れたー!」

イヴ「私もです〜」

トレ「ふふっ!イヴさんのおかげで海さんのモチベーション高かったので、少しトレーニングを多めにしておきました」

海「流石に新人には負けたくないからね!ウチは一個下だけど、アイドルとして先輩だからね」

イヴ「私も負けませんよ〜♪」

海「ところでイヴさん。今日は寝るところはどうするんだい?」

イヴ「そこなんですよね〜、最悪、野宿でも構いませんよ」

海「さすがにそれは・・・、事務所で寝泊りしてもいいんじゃないかな。シャワールームもあるし」

イヴ「ここでお泊りしていいんですかっ!?」

海「実際、Pさんがベッドひとつ借りてるし、大丈夫だよ」

イヴ「それじゃあ、Pさんと一緒に寝ればいいんですね!」

海「部屋は一緒だね、衝立もあるし、隣で寝ればいいと思うよ」

イヴ「わーい!ブリッツェン、今日からここで寝れますよぉ♪」

ブリッツェン「ブモッ!」


海(なーんか、嫌な予感がする)


─ 仮眠室 ─


P「んぁ・・・今何時だ?・・・午前2時か・・・」

壁掛けの蓄光式の時計が夜中を示していた。

P「こんな生活繰り返してたら、いつか昼夜逆転しちゃうんじゃないかな。・・・ん?」

そういえば、体が妙に重い。元々怪我のせいか、全身がダルいというのはあったが、物理的に重い。

目が暗闇に慣れるまで動く手で目をこする。

するとだんだん見えてきた。

P「イヴさん!?」

自分の左胸から上腕にかけて枕にするようにサンタさんが寝ていた。

P(ど、ど、どうしてこんなことになってるんだ!?)

イヴ「すぅ・・・すぅ・・・」

P(寝顔は可愛いけど!なんでこんな所で寝ているんだ、ベッドならほかにもあっただろう)

海外の方のスキンシップ躊躇いが無いと過去にいろいろな事を聞いたが、こんな形で実践されるとなんだこのマンガみたいな展開と思ってしまう。

左足を彼女の両足を絡められ、ほぼ動けない状態。すなわち抱き枕。

P(とりあえず、逃げよう。朝見つかったらどんな目で見られるかわからん!)

イヴの寝る反対側からベッドを降りようとしたが、こちらの足がつける範囲にはブリッツェンが寝ていた。

P(こんのバカトナカイ!俺の靴踏んで寝やがって!)

靴は見当たらない、足元にいるトナカイに下敷きにされているのだろう。

無理に動こうとすると腹に響く。ここはイヴの組まれた足を外して、少しでも体の稼動範囲を増やそう。

でも、女性の細くて柔らかい太ももに挟まれている左足は言う事を聞かなかった。

P(あ゛あ゛っ!?イヴさんに触れてたいとか思うんじゃないよ、俺の左足!こうなったら)

右足で彼女の足を押して引き抜こうとした。

P(ん?この感触・・・この子、下は下着姿・・・?)

足の親指で触れたのは間違いなく相手の足の付け根だった。そこに肌の感触を感じたらマズい。

P(ただでさえ、この状況が勘違いされる場面なのに下着姿だったらなおさらマズい!)

俺は3人の子の告白を保留にしている。これで既にダメ男なのだ。

その状態で更に違う子と関係を持ったなんて言ったら刺されても文句は言えない。

P「寝る子は育つと言うけど、これじゃあ、寝るの意味が絶対間違えてるよね・・・」

クッソ寒いギャグをかましつつ、俺はずっと起きてることにした。

P(誰か来た時に助けてもらおう。目の下にクマが出来てるなら少しは信用してくれるはず・・・)

そんなこちらの心配もいざ知らず、彼女は安堵した表情で寝ていた。
そんなこんなで朝が来た。

案の外、皆が来る前に彼女が起きてくれたので事なきを得た。

ちなみに下着姿ではなくホットパンツだった。


ちひろ「随分と眠たそうですね」

P「昼に寝たのが響いて、夜中ずっと起きてたんですよ」

俺の中ではイヴと寝たのは無かったことにした。

イヴ「うーん!あったかいベッドで寝れたから体力万全ですぅ!」

ブリッツェン「フゴッ」

P「あはは・・・」

俺は苦笑いしつつ、朋のおかげで普段日課にしている星座占いをしてくれるWebページを開いた。

P「ヤギ座は・・・、ランキング的には10位だけど、『選択肢が増えて戸惑うでしょう』・・・」

イヴ「? ヤギ座?」

ちひろ「ただでさえ、“選択肢”が豊富なのに何言ってるんだか」

P「うっ」

ちひろ「ほらっ!今日も元気に行きましょう!プロデューサーさんを手引きを待っているアイドルが今日もいますよ!」

P「は、はいぃ〜!」
海「おはよーっ!!」

雪乃「おはようございます」

P「おはよう」

イヴ「おはようで〜すっ!」

海「あ、イヴさん。Pさんに何かされなかった!?」

雪乃「・・・・・・」ジロッ

イヴ「? Pさんは何もしてませんよぉ?」

海「そ、そうか。よかったぁ・・・」

P「後先考えて後悔して、やっても後悔するようなネガティブ野郎がそう簡単に“抱ける”わけないだろう」ドキドキ

雪乃「・・・私のことを“抱いた”のはお忘れになられたのですか?」ボソッ

P「意味が違うぅ!」

イヴ「?」
海「?」
雪乃「?」

Pipipipi...

P「ちょっと待て、電話だ」

朋『もしもしPっ!?芽衣子さんインフルエンザだって!』

P「うぇっ!?」

朋『朝計ったら40度だったって・・・一応、病院の一室借りて、ほぼ隔離状態で治してるけど・・・』

P「他のメンバーは大丈夫なのか!?」

朋『今は体調不良の人はいないみたい。やっぱ病は気からだわ・・・』

P「芽衣子が外れた枠は補えてるのか?」

朋『ダンスとかの方は大丈夫そう、だけど、問題があるのが・・・』

P「なんだ?」
朋『トークタイム。巴ちゃんの衣装替えの時間のアレがあの3人だったのよ』

あの3人、すなわち朋、響子、芽衣子の3人。

トークタイムとは、うちのLIVEでの恒例行事。
村上巴が演歌を歌うために着物に着替えるのだが、衣装の着付けに時間がかかるため、その間の時間を上手く使えないかと社長が発案したファンサービス。
事前にうちのホームページにメールで質問を送り、その日の担当のアイドルが受け答えしていくという簡単なもの。

だが、アイドルたちの赤裸々な姿が見れるとのことでLIVEの本番はトークタイムとも言われるくらいまでに人気になっていた。

すなわち、そこでアイドルが1人でも欠けてしまうとファンからはブーイングが飛び交う可能性がある。

アイドルひとりひとりにファンが付いている以上、絶対に外してはいけないイベントなのだ。

P「うーん、今回のは確か事前に誰が答えるか公開してるんだろう?」

朋『そうよ、リハで使った手紙に芽衣子さんの名前が付いてたし』

P「だからと言って、芽衣子に無理させるわけにはいかない・・・どうしようか」

イヴ「なんだか怖い顔してますけど大丈夫ですかー?」

海「こらこら、Pさんの通話の邪魔しちゃダメだよ。特に“新参”なんだから・・・」

P「ハッ!?」

Pの頭に電流が走る。

雪乃「どうかされましたか?」

P「雪乃さん、男女問わず限定、特別とかそういう言葉に弱いですよねぇ・・・」

雪乃「そ、そうですね」

朋『どうしたの?』

P「ごめん、朋。社長に直談判したいことがあるから切るからな」

朋『ちょ、ちょっと!?』


─ LIVE会場 ─

観客『ワアアアアアアアアアアアアアア!!!』

若林智香「次、トークタイムです!巴ちゃんは早く着替えに・・・」

巴「この後のこたぁ大丈夫なんか!?」

美玲「巴落ち着けって!」

巴「これが落ち着いていられるか!」

伊吹「そうだね、みんな元気が取り柄な子だから休むなんてことは今までなかったし・・・」

巴「ウチのせいで誰かが傷つかせるわけにゃぁいかん!」

美玲「なんだ!ビビッてんのかッ!」

巴「なんじゃ!?やるんか!?」

美玲「ガルルルル!!」
巴「っ・・・!!」ゴゴゴゴゴゴ...

由愛「と、虎と竜が見えますぅ・・・」

美玲「オオカミだッ!」

由愛「ひっ・・・ふぇ・・・」

朋「二人とも喧嘩するんじゃないの!!由愛ちゃん泣かしたら社長に言いつけるよ」

巴「うぐぐ・・・」

美玲「ぐぎぎ・・・」

智香「Pさんの秘策、まだですか?」

海「おうっ、待った?」

朋「海ちゃん!なんでここに・・・」

海「お運びものだよ!ついでにバックダンサーの手伝いしにきた」

巴「運び物じゃと?」


P「海から連絡来た・・・な、なんとか間に合ったようだ」

ちひろ「ほらプロデューサーさん!わざわざ動画サイトの生放送のチケット買ってあげたんですから!」

雪乃「お茶が入りましたー」

P「あ、すいません」

ちひろ「ありがとうございます」

P「さぁて、ブリッツェン!アイドル・イヴの初登場の瞬間だぞー!」

ブリッツェン「ブモッ!」

P「マイナスなことが起こっても、それ以上のプラスを見せられれば補えるはず・・・」

ちひろ「でもイヴさんにトークとか大丈夫なんですか?」

P「新幹線内で海がコツを叩き込んでくれた・・・はずです」

響子「みんなああーーっ!!」

朋「トークタイムの時間だよーーーーーっ!!」

観客『うわあああああああああああ!!』

響子「今日はみんなにいいお知らせと悪いお知らせがありまーすっ!」

朋「悪いお知らせからよ、今日のトークタイムの担当の芽衣子さんがインフルエンザでお休みになってしまいました!」

観客『ええええええええええええええ!!』

響子「みんなもちゃんとうがい手洗いして、自分の体を大事にしてねー!」

観客『はあああああい!!!』

朋「それじゃあ、良いお知らせだよ!海ちゃんが緊急で駆けつけてくれたよ!」

響子「この後、バッグダンサーとして参加するから楽しみにしててねー!」

観客『わああああああああああああああ!!』

朋「そしてもう一つ!トークタイムにだけ、特別に参加してくれる子がやってきました!」

響子「みんな、拍手で迎えてくださいね!」


イヴ「ど、どうもー!」

パチパチパチパチ・・・・・・!!

朋「では、出身とお名前をお願いします!」

イヴ「グリーンランド出身、イヴ・サンタクロースです!!」

観客�『サンタ!?』
観客�『サンタさん!?』
観客�『サンタだって!?』
観客�『サンタだ!サンタだ!』

『【朗報】俺のサンタさん、遂に見つかる』

『イヴちゃんかわいいいいいいいいいいい』

『このサンタちゃんを今年のプレゼントでください!なんでもしますから!』


P「Twitterが一瞬でサンタ一色に・・・」

ちひろ「話題性バッチシでしたね」

雪乃「こんなに盛り上がるなら私もステージに行きたかったですわ」

朋「本当ならまだイヴちゃんはレッスン期間でみんなの前に出ちゃいけないんだけど、社長とプロデューサーの計らいで特別に出れることになりました」

イヴ「こんなに早く皆さんの前に出れて幸せですぅ」

観客『わあああああああああああああああああ!!』

響子「それじゃあ、芽衣子さんに元気が届くようにこの3人で頑張りましょう!」

二人「「おーっ!!」」

イヴ「おーっ!」



その後、順調にトークタイムは進んでいった。

朋「今、旅行行くならどこに行きたいですか?これは芽衣子さん向けの質問よねぇ」

イヴ「は〜いっ♪私、草津温泉行きたいですっ!」

響子「く、草津!?渋い・・・」



響子「好きな飲み物はなんですか?シンプルですね」

朋「うちの事務所のメンバーならほとんどが雪乃さんの淹れてくれた紅茶って答えるわよ」

イヴ「私も飲ませていただきました〜♪すっごい美味しいですよねぇ」

観客�『おれものみたーい!』

『ハハハハハハ・・・・・・』


雪乃「あらっ、もっと腕によりを掛けて淹れてあげませんとね」

ちひろ「雪乃さん、責任重大ですよ?」

P「順調ですね、これなら・・・」

ちひろ「次が最後の質問のようです」

朋『最後の質問だよー!』



朋「朋ちゃんさんがいるのでこんな質問をします!・・・朋ちゃんさんってなによ、あたしがスギちゃんみたいじゃない!」

響子「ッ!!」

朋「響子ちゃん!?今噴いたでしょ?ねぇ!?」

響子「と、朋さん!続き読みましょう・・・ふふふくくくっ・・・!」

イヴ「?」

朋「きょーこちゃぁあん!?」

響子「いま『ワイルドだろぉ』って言ってる朋さんが浮かんでwwww」

朋「変なところでツボらないでよ!・・・続き読むわね」






朋「結婚するなら、何座の人と結婚しますか!?」



朋(Pの星座は・・・)

響子(・・・Pさんっ!)


朋「じゃあ、これはせーのっで言うわよ、せーの!」



朋「ヤギ!」
響子「ヤギ座ですっ!」
イヴ「ヤギ座♪」

朋(えっ?)
響子(イヴさんも?)

観客�『おれヤギ座ああああああああああああああああ!』
観客�『もげろもげろ』
観客�『アイツが二度とコンサート会場の地を踏めないようにしてやれ』
観客�『りょうかい!』



P(ヤバイ、今年一番の冷や汗掻いてる・・・)

ちひろ「・・・」チラッ

雪乃「・・・・・・」チラッ

P(こっち見てるぅぅぅ!!)

P「や、ヤギ座を選ぶなんてコアな奴らですねー(棒)」

ちひろ「そうですねー、サンタさんまで選ぶヤギ座ってもしかして凄いのかもしれませんねー(棒)」

雪乃「・・・」

P「雪乃さん?」

雪乃「私も結婚するならヤギ座の方がいいですわっ♪」ニコッ

P「ひぃっ!?」

ちひろ「あら〜・・・」

Pipipipi...

P「もしもし・・・」

イヴ『Pさ〜ん、私頑張りましたよ♪』

P「お、おう。アイドル二日目とは到底思えないな、これからもよろしく」

イヴ『ところでPさん、最後の質問はヤギ座でよかったのですか?』

P「へ?」

朋『ちょっと貸して!P、どういうことよ!もしかしてイヴさんに手を出したんじゃ・・・』

P「出してない!誓って出してないからな!」

響子『Pさんっ!ヤギ座の人は獅子座の人と一緒にいると幸せだって朋さんの本に!』

朋『あーっ!何勝手に読んでるのよー!』

イヴ『キャー♪』

響子『イヴさんがゴミ袋に回収された紙吹雪の中にぃ!?』

朋『は、早く助け出さないと!』

イヴ『前がみえません〜』

響子『ああ、ダメですイヴさん!そっちステージです!』

朋『由愛ちゃん!?そこどいて!!』

由愛『へっ?きゃあああ!!』

イヴ『煙突の中より明るいのに前が見えません〜』

朋『由愛ちゃんまで紙吹雪まみれにぃ!?』

P「・・・・・・」

バタッ・・・

ちひろ「あ、倒れた」

次の日・・・。

[突如現れた○○プロダクションの切り札!イヴ・サンタクロース!]

[季節はずれのサンタさんにアナタはメロメロ!?]

[早く冬よ来い!今年の一押しアイドルはサンタさん!]


ちひろ「イヴさんの記事でいっぱい。ほとんどの新聞が埋まってます」

雪乃「ふふっ!私とユニット組む予定と聞きましたし、それにもっとイヴさんは伸びますよ」

ちひろ「レッスンが間に合えばいいんですけどねぇ、しかし、一方では・・・」


[教育の賜物!?○○プロダクション全員が結婚したい相手はヤギ座!]

[ヤギ座のアナタは○○プロのアイドルを!]


ちひろ(まさかマスコミの質問で全員が結婚したい相手の星座はヤギなんて答えるなんて・・・)

ちひろ(おかげで余計な詮索がなくて安心してますけど!)

Pipipipi...

ちひろ「電話?芽衣子さんですね」

並木芽衣子『もしもし?熱が引いたよーっ、みんなに迷惑かけたからまずは事務所ってね』

ちひろ「ふふっ、もう大丈夫なのですか?」

芽衣子『もうちょっとしないと復帰は無理だってー、今はしっかり寝て治すよっ』

ちひろ「はーい」
芽衣子『それで、プロデューサーは?』



ちひろ「それが・・・」





P「ヤギ座・・・ヤギ座ぁ・・・ヤギざぁぁぁああ・・・」

ちひろ「あの後、胃に大量に穴を開けまして・・・」

芽衣子『えええええええ!?』

P「ヤギがぁ・・・ヤギぃいい!?・・・やぎやぎぃ・・・!」

ちひろ「・・・とまぁ絶賛うなされています」

芽衣子『・・・自分の病気を治すことを先決にします』

ちひろ「そうしてください」






ちひろ「寝る子は育つと言いますけど、病気で寝込んでも育つわけないですからね!!!」



終わり
以上です。読んでくれた方はありがとうございます。

書いてて一番モチベーションあがるのは好きなキャラクターなので、続きという形で
お気に入りのキャラクターを多数出させていただきました。

・・・実は前回のオペラって話から保奈美ちゃん出したかったのは内緒。

では。

10:30│五十嵐響子 
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