2014年09月18日

P「ひじきを食べなさい」 貴音「ひび……ひじき、ですか?」

アイドルマスターSS、メインは貴音です。

コメディです。書きためてあります。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410509895



P 「先々週受けた健康診断の結果が出たぞ〜」





小鳥「配っていくからみんな並んでね〜」



亜美「アイアイサ→」



真美「うちの病院で受けたやつだね→」



律子「小鳥さんとあずささんと貴音は個別指導するから覚悟しておいてくださいね」



小鳥「……はい……やっぱりそうですよねぇ……」ヨヨヨ



P 「小鳥さんは社長が、あずささんは律子が、貴音は俺が個別指導するからな」



貴音「はて……? 何か問題でもあったのでしょうか?」



P 「……心当たりがないのが一番の問題かも知れないな……」





──────

────

──

〜一ヵ月前、765プロ事務所〜



P 「みんな聞いてくれ」



亜美「なになに→」



真美「面白い話→?」



P 「アイドルのみんなには毎日毎日ハードなスケジュールで苦労をかけている」



P 「厳しいレッスン、終了時間の見えないテレビ収録」



P 「まだまだ子供なのに大人の世界でイヤなこともあってストレスも相当なものだろう」



春香「そんな! 私はアイドルのお仕事とっても楽しいですよ」



真 「そうですよ! そりゃ苦労することもありますけど全然イヤじゃないですよ!」



P 「今、みんなはアイドルとして輝いていることで充実しているかも知れない」



P 「だが自分の気付かないところで負担もかかっているだろう」



P 「そこで、亜美真美のお父様からのご厚意で健康診断を受けることになった」

亜美「こないだパパと話してたのはこのことだったんだね→」



やよい「学校の身体測定とは違うんですかー?」



伊織「身体測定は身長、体重、座高、胸囲なんかの身体のサイズを測るだけよね」



P 「もちろん身長、体重も測るがそれ以外にも血液検査もするし視力・聴力検査もするぞ」



律子「他には胃のレントゲンを撮ったりもするのよ」



響 「あー、バリウム飲むやつ? あれきついよなー」



律子「最近のバリウムはいろんな味がついていて飲みやすいらしいわよ〜」



小鳥「味がついてても飲み慣れないですよねぇ……みんな頑張ってね」



P 「何言ってるんですか、小鳥さんも受けるんですよ?」



小鳥「え?」



P 「社長も、俺も、律子もだ」



律子「これからは年一回受けてもらいます。普段からお酒ばっかりな人は注意してくださいね」



あずさ「あらあら〜」

〜前日、双海医院〜



P 「この度はどうもありがとうございました」



双海父「いえいえなんのなんの、可愛い愛娘のためでもありますからな」



律子「アイドルだけでなく事務員や我々プロデューサーまでお世話になりまして」



双海父「娘から聞かされております。あなたがたは不眠不休でお仕事をされていることも多いそうで」



高木「お恥ずかしながら……少数精鋭でやっておりましてねぇ」



高木「プロデューサー二人には苦労をかけております」



双海父「さぞかし疲れも溜まっているだろうと思って健康診断を、と申し出たのですが……」



双海父「しかし健康診断の結果を見る限りではプロデューサーのお二人は特に問題ありませんな」



P 「ほっ、よかった……」



双海父「むしろ高木社長、あなたの方が問題ありですなぁ」



高木「ええっ!? そ、そんな……」



双海父「ただ、プロデューサーお二人には疲労が溜まっているようです」



双海父「定期的に休息を取って、睡眠時間にも気を付けてくださいね」



P 「わかりました、肝に銘じます」

双海父「しかし……なんというか……アイドルの中に少々問題のある方がいらっしゃいます」



P 「問題、ですか……深刻な問題でしょうか」



律子「だ、誰なんですか?」



双海父「軽く注意が必要なのが三浦あずささん、そして……」







双海父「生活習慣から大幅に改善しなければならないのが四条貴音さんです」







P 「……」(ラーメン……か)



律子「……」(ラーメン……ね)

双海父「四条さんは塩分を摂りすぎているようですね」



双海父「カルシウムも不足しています」



双海父「女性は特に骨粗鬆症になられる方が多いです」



双海父「まだお若いのに今からカルシウム不足だとお年を召されたときに確実に骨に異常が出るでしょう」



双海父「のちほど栄養士に話をつけておきますので、食生活についてのカウンセリングを受けてください」



双海父「急いで治療が必要、というわけではありませんので、まずは食生活を改善してみましょう」



P 「わかりました、お手数をお掛けします」(塩分……やはりラーメンか……)





──

────

──────

〜765プロ事務所〜



P 「春香、千早、真、雪歩、貴音はこっちへ」



律子「竜宮の3人と真美、やよい、響はこっちよ〜」



全員『は〜い』



P 「春香、お前は特に問題なし、強いて言うならお菓子の砂糖を少し減らそうか」



春香「えっ!? も、もしかして体重が……!?」



P 「千早、お前はもう少し食べろ。最近は自炊も頑張ってるみたいだがもう少し頑張ろうか」



千早「はい、いつも気に掛けてくださってありがとうございます」



千早「プロデューサーのおかげで料理も少しずつできるようになってきました。最近ではレパートリーも増えてきてお弁当も自分で作れるようになりましたしそのおかげでかわいい高槻さんと『おはよう!! 朝ご飯』を歌うときにも主人公の気持ちがわかるようになってきてそれはもうかわいい高槻さんの気持ちになりきるというかこれはもう私と高槻さんが一心同体とでも言うべきで……



P 「……」



P 「……あ、真、お前も特に問題なしだ。現状を維持できるように頑張れ」



真 「へへっ、やーりぃ! ボク、頑張りますよ!」



P 「雪歩も問題はないが……雪歩ももう少ししっかり食べるようにしようか」



雪歩「はい、わかりました」

P 「さて……貴音だが……」



貴音「はい、あなた様。もう既に覚悟はできております」ヨヨヨ



P 「そうか、心当たりはあるな?」



貴音「して、何ヶ月でしょうか」



P 「え?」



貴音「もったいつけずとも覚悟はできております。わたくしはあと何ヶ月生きられるのでしょうか」



貴音「この四条貴音、あなた様から引導を渡されるのであれば本望!」



貴音「さぁ、あなた様、きっぱりと申してください!」ウルウル



P 「いやいや、そういう話じゃないから」



貴音「と言いますと……?」





──────

────

──

〜前日、双海医院〜



P 「お世話になります、本人はおりませんが代わりに私がお話をお伺いします」



栄養士「はい、よろしくお願いしますね」



栄養士「……実は私の娘が伊織ちゃんの大ファンで」



P 「あ、そうなんですか」



栄養士「娘と一緒にテレビ、見させていただいてます」



P 「それはそれは、どうもありがとうございます」



栄養士「私も千早ちゃんのファンでして、日曜の生っすかサンデーは毎週楽しみにしてますよ」



P 「最近は千早も女性ファンが増えたようで、本人も喜んでおります」



栄養士「ですが千早ちゃんはその……もう少し栄養を摂った方がよろしいかと……」



P 「ですよねぇ……」



栄養士「……」



栄養士「あらら、今日は四条さんのお話でしたね」

栄養士「まず四条さんですが、普段はどのようなものを食べているかご存じですか?」



栄養士「よく食べる好物のようなものはあるのでしょうか?」



P 「あー……ラーメン、ですね」



栄養士「それはインスタントの、ですか?」



P 「ラーメン屋にも行きますしインスタントも食べますしカップラーメンも」



P 「ラーメンなら何でも食べますね」



栄養士「やはりそうですか、いつも『らぁめん探訪』を楽しみに観ていますが普段からラーメン好き、と」



P 「ええ、三食ラーメンという日もあるくらいで」



栄養士「えっ」

栄養士「さすがに一日三食ラーメンは……」



P 「ですよねぇ……」



P (もっと多い日もあるんだが……)



栄養士「塩分の摂りすぎは確実にラーメンのせいですね、とりあえず週に一食まで減らしてください」



P 「……週に一食ですか」



栄養士「ええ、本当はしばらく食べないくらいの方がいいのですが」



P 「……それは……なんと言いますかおそらくムリかと……」



栄養士「……」



栄養士「……で、では四日に一食ということで……」



P 「……も、もう一声……」クッ



栄養士「……とりあえずは二日に一食までにしましょう」ハァ



P 「申し訳ありません。私の力ではそれが限界かと……」



栄養士「あと、インスタントラーメンもやめましょう。もちろんカップラーメンも」



P 「はい」

栄養士「カップラーメンは化学調味料を使っていることが多く、ナトリウム量が非常に高いです」



栄養士「また、化学調味料にはリン酸も入っています」



栄養士「リン酸はカルシウムを追い出す働きがありますので、カルシウム不足はこれが原因かも知れません」



P 「なるほど」



栄養士「ですのでラーメンは塩分控えめで、緑黄色野菜を乗せて食べるようにしてください」



栄養士「テレビで見かける四条さんの食べているラーメンにはもやしがたくさん乗っているようですね」



栄養士「もやしにはカルシウムが多く含まれていますので、もやしでも構いません」



P 「はい」



栄養士「二日に一食のラーメンに、もやしや緑黄色野菜を乗せて食べるといいでしょう」

栄養士「あと、ひじきなんかがカルシウム摂取にいいですね」



P 「ひじきですか」



栄養士「カルシウムが効率よく働くためにはマグネシウムが必要になります」



栄養士「ひじきにはカルシウムとマグネシウムがバランスよく含まれています」



P 「へ〜、そうなんですか」



栄養士「失礼ですが四条さんはお通じもあまりいい方ではないとのことで」



栄養士「ひじきには水溶性食物繊維も含まれていて便秘にもいいかと思われます」



栄養士「大豆や緑黄色野菜と一緒に食べるといいでしょう」



P 「わかりました、本人と相談してみます」



栄養士「では一ヵ月後にもう一度検査をしてみましょう」



栄養士「改善が見られなければまた改善方法を考え直してみましょう」





──

────

──────

〜765プロ事務所〜



P 「というわけで、貴音の塩分摂りすぎとカルシウム不足を解消するためにまずはラーメンを減らすぞ」



P 「具体的には……」







P 「……一週間に一食までだ」







貴音「な、なんと!? あなた様はわたくしに[ピーーー]とおっしゃるのですか!?」



貴音「らぁめんのない生活などあなた様がいない765ぷろも同然!」



貴音「あなた様にご指導戴いた日々は一生忘れることはないでしょう」



貴音「わたくしが今こうしてあいどるとして活動できているのはあなた様がいたからこそ!」



貴音「そのあなた様にも匹敵するほどのわたくしの生き甲斐ともいえるらぁめんを絶てと!」



貴音「あなた様はそうおっしゃるのですか!」



P 「……そうだ」



貴音「面妖な!」ガーン



P 「てゆーか俺はラーメンと同列なのか……」

〜765プロ事務所〜



P 「というわけで、貴音の塩分摂りすぎとカルシウム不足を解消するためにまずはラーメンを減らすぞ」



P 「具体的には……」







P 「……一週間に一食までだ」



貴音「な、なんと!? あなた様はわたくしにタヒねとおっしゃるのですか!?」



貴音「らぁめんのない生活などあなた様がいない765ぷろも同然!」



貴音「あなた様にご指導戴いた日々は一生忘れることはないでしょう」



貴音「わたくしが今こうしてあいどるとして活動できているのはあなた様がいたからこそ!」



貴音「そのあなた様にも匹敵するほどのわたくしの生き甲斐ともいえるらぁめんを絶てと!」



貴音「あなた様はそうおっしゃるのですか!」



P 「……そうだ」



貴音「面妖な!」ガーン



P 「てゆーか俺はラーメンと同列なのか……」

貴音「百歩譲って一日三食までではどうでしょうか」



P 「一歩も譲ってないじゃないか……ならば五日に一食だ」



貴音「一日二食」



P 「三日に一食」



貴音「……い、一日一食」



P 「貴音、いいかげんに折れなさい……二日に一食だ」



貴音「あ、あなた様……いけずです」ポロポロ



P 「泣いてもだめだ、これは貴音のことを思ってのことなんだ、わかってくれ」



貴音「あなた様……」



P 「俺はいつも貴音のことを思っている。貴音のためなら俺は鬼になる!」



貴音「あ、あなた様!!」ジーン



P 「じゃぁ二日に一食までと約束してくれるな?」



貴音「かしこまりました……この四条貴音、あなた様の思いに見事応えてみせましょう」



P (よし、なんとか二日に一食に押さえ込んだぞ)

P 「それともうひとつ。貴音の食生活改善に欠かせないものがある」



貴音「それはいかようなものでしょうか」



P 「ひじきを食べなさい」



貴音「ひび……ひじき、ですか?」



P 「そうだ、ひじきだ。……今、響って言いかけなかったか?」



貴音「まさかそのようなことは」



P 「……」



貴音「……」



P 「とにかく、ひじきは今のお前の食生活に足りない栄養分を補うために必要なんだ」



貴音「わかりました」







P 「貴音、『ひじき』と10回言ってみろ」



貴音「ひじきひじきひじきひじきひじきひじきひじきひじきひじきひじき」



P 「……はいさーい、なんくるないさー、が口癖のお前の親友の名前は?」



貴音「我那覇ひじ……響」



P 「……響な」

P 「律子、そっちの個別指導はもう終わったか?」



律子「ええ、今終わりましたよ」



P 「じゃぁちょっとみんな聞いてくれ。特にやよい、春香」



やよい「何ですかー?」



春香「えっ、私ですか? 私は特に問題なかったってさっき……」



P 「そうじゃないんだ。実は今回の健康診断で少々問題のあった人がいる」



P 「小鳥さん、あずささん、貴音の3人だ」



P 「小鳥さん、あずささんはお酒の飲み過ぎ、貴音はラーメンの食い過ぎだ」



全員『あー……』



P 「そこでだ、皆にも少々協力してもらいたい」



千早「協力、ですか? それはどのように……」



P 「貴音にはラーメンを二日に一食までという制限を設けた」



律子「あずささんと小鳥さんは飲み会は週に2回までとします」

P 「二日に一食までだから、とりあえず今月は奇数日をラーメン許可日とする」



P 「それから貴音と同じ現場のアイドルは、貴音がラーメンを食べたら全員にメールで知らせてもらいたい」



P 「そのメールを見た事務所にいるアイドルは、ホワイトボードに印を付けてくれ」



P 「あと事務所に買い置きしてあるカップラーメンは没収する」



P 「皆には申し訳ないが貴音の前以外でもラーメンは控えてほしい」



P 「事務所でラーメンの匂いがすると貴音に影響が出るかも知れない。すまないが協力してくれ」



千早「そこまでするんですか……四条さんをもう少し信頼してはどうですか」



貴音「き、如月千早……!」ジーン







P 「……じゃぁ千早は貴音がラーメンを我慢できると思うんだな?」



千早「もちろん……お、思い……ま……」



P 「千早」



千早「……思いません……」



貴音「面妖な!」ガーン

P 「それともうひとつ。やよい、春香、あとあずささんも」



やよい「はーい、何ですかー?」



P 「貴音には塩分の摂りすぎとカルシウム不足を解消するためひじきを食べてもらうことにした」



P 「あともやしもいいらしいから、やよいと春香には貴音が食べるメニューを考えてもらいたい」



春香「なるほど、そういうことですか」



やよい「うっうー、もやし料理なら任せてくださいー!」



P 「あとあずささんにはしばらく貴音と暮らしてもらいます」



あずさ「まぁ、貴音ちゃんと、ですか?」



P 「お互いに監視役になっていただきます」



P 「あとあずささんには貴音に料理を教えてやって欲しいんですよ」



貴音「料理、ですか。しかしわたくしもそれなりに料理のたしなみはございますが」



P 「貴音が普段から塩分控えめの食生活ができるように」



P 「春香、やよい、あずささんの3人でサポートしてもらいたいんだ」

P 「本当なら響に頼むところなんだが……」



P 「響は来週からグァムでの撮影でしばらく日本を離れる。今グァムで撮影中の美希と入れ替わりだな」



響 「そうなんだよな〜、でも帰ってきてからなら大丈夫だぞー」



P 「だが響の家にはへび香がいるからな……」



貴音「……」ガタガタ



P 「そんなわけで春香とやよい、悪いが頼む」



やよい「わかりましたー、任せてくださいー!」



春香「ひじき料理ですよ、ひじき料理!」



P 「あずささんは貴音がラーメン食べないように見張ってください」



あずさ「は〜い」



P 「もちろん、貴音はあずささんがお酒を飲まないように見張ってくれ」



あずさ「あ、あらあら〜」

P 「問題のあった3人は一ヵ月後に再検査がある」



P 「再検査で改善が見られなければ今よりもっと厳しい規制がかかると思って頑張るように」



律子「逆に大幅に改善されればプロデューサー殿がご褒美くれるそうですよ」



P 「おいおい、律子」



貴音「ご褒美とは一体……」



律子「例えばプロデューサー殿がラーメン屋に連れて行ってくれたり」



貴音「!」



律子「二人っきりで飲みに連れて行ってくれたり」



小鳥「!!」



あずさ「!!!」



春香「えぇ〜、いいな〜」



律子「あら、春香もお手伝いするんだから、成果があればご褒美もらってもいいんじゃない?」



春香「本当ですか!? やったぁ!」



律子「もちろん、やよいもね」



やよい「うっうー、嬉しいですー」

〜あずさの家〜



やよい「さっそくひじきともやしを買ってきましたー」



やよい「まずはもやしたっぷりラーメンから作ってみましょー!」



貴音「らぁめん!らぁめん!」(よろしくお願いします)



あずさ「貴音ちゃん、逆、逆」







やよい「まず、お湯を多めに沸かします。ゆで卵用と、スープ用ですねー」



やよい「その間にもやしを軽く水で洗って、根切りをして水気を切っておきます」



やよい「次に、にんじんを短冊切りにして、電子レンジでチンします」



やよい「にらも切っちゃいますね、4〜5センチくらいです」



やよい「お湯が沸騰したら、2つのお鍋に分けて、片方に卵を入れてゆでたまごにします」



やよい「今日は4人分作るので、卵は2個ですねー」



やよい「卵を入れた方のお鍋に、ざるに入れた麺も入れてゆでます」



やよい「フライパンを火にかけて、温まったらごま油をひきます」



やよい「そして、もやし、にら、にんじんをさっと炒めます」

やよい「本当は、豚肉や味噌を入れたりするんですけど、今回は入れません」



やよい「塩分控えめにするために、塩胡椒もしません」



やよい「ラーメンスープも、買ってきたスープの素を半分だけ使います」



やよい「卵を入れなかった方のお鍋にスープの素を入れて」



やよい「ゆで上がった麺を器に移して」



やよい「炒めた野菜を乗せて、スープをかけます」



やよい「最後に、半分に切ったゆでたまごを乗せて完成ですー!」



春香「おぉ〜!」



貴音「らぁめん!らぁめん!」(お見事です、やよい)



あずさ「貴音ちゃん、逆、逆」

春香「じゃぁさっそく試食タイムですよ、試食!」



全員『いただきま〜す』



ズルズルッ



やよい「うっうー……やっぱりちょっと味が薄いですねー……」



貴音「いいえ、今のわたくしにはこれでいいのでしょう」



やよい「貴音さん……」



やよい「じゃぁ、検査の結果が良かったら、もっとちゃんとしたラーメン作りますねー!」



やよい「豚肉も入れてー、ちゃんと塩胡椒して味を調えてー」



やよい「ゆでたまごも煮卵にしちゃいましょうー」



貴音「煮卵!煮卵!」(やよいは料理上手ですね)



あずさ「貴音ちゃん……」

春香「じゃぁ今度はひじき料理ですね!」



貴音「ひび……ひじきですか」



春香「……ええ、ひじきです」



貴音「……」



春香「……」



貴音「ひじき」



春香「……『ひじき』って10回言ってみてください」



貴音「春香、それはもうプロデューサーがやりました」



春香「そうですか……はいさーい」



貴音「ひじ……響! 春香「貴音さん」

春香「気を取り直して。大豆とひじきとにんじんの煮物を作りまーす」



やよい「わー、ぱちぱちぱち」



春香「まずはお鍋にお湯を沸かして、昆布でだしを取ります」



春香「お湯は少量で大丈夫です」



春香「さっきのにんじんの短冊切りが残っているので、それを使います」



あずさ「にんじんたくさん切ってたのはこのためだったのね」



春香「ひじきと大豆はさっと洗って水切りしておきます」



春香「小さいお鍋を熱して、温まったらごま油をひいて」



春香「ひじき、にんじん、大豆を炒めます」



春香「軽く火が通ったら、だし汁1カップ、しょうゆ大さじ1杯、みりん大さじ1杯を加えて」



春香「煮汁がちょっと少なめになるくらいまで煮込みますねー」



あずさ「おしょうゆ少なめなのね〜、塩分控えめってことかしら」



春香「はいっ、本当は大さじ2杯くらい入れるんですけどね」

春香「煮ている間に白ごまをすり鉢ですっちゃいます」



春香「あとは煮込み終わったら、すった白ごまをかけてできあがりです」



貴音「白ごま、ですか」



春香「白ごまもカルシウム豊富なんだそうですよ」



やよい「ビタミンも豊富なので、ラーメンに豚肉を入れない代わりにもなるかもですー」



春香「そんなわけで完成ー!」



やよい「はい、たーっち!」



春香「いぇい♪」パン







春香「でも……やっぱり薄味ですねー」

貴音「春香、やよい、わたくしのために誠にありがとうございます」



春香「いえいえ、そんな、私なんてまだまだで」



やよい「貴音さんの健康のためならこのくらい何でもないですー」



あずさ「明日の朝ご飯はひじきの炊き込みご飯にしましょうか〜」



やよい「いいですねー、ひじきの炊き込みご飯!」



貴音「なんと! ひびきのおはようあさごはんですか!?」



春香「ひじきの炊き込みご飯です……」

──────

────

──



〜約一ヵ月後〜



P 「再検査の結果が帰ってきたぞー」



貴音「真ですか!? して、結果はどのように!?」



春香「おおー、検査結果ですよ、検査結果!」



やよい「どきどきですー!」



P 「貴音、頑張ったな! まだ改善は必要だが概ね快方に向かっている」



貴音「! それでは!」



P 「ああ、今まで通りとは言えないがラーメンは一日一食にしてもいい」



貴音「……あなた様、春香、やよい、あずさも本当にありがとうございました」ジーン



貴音「この四条貴音、皆に受けた恩は一生忘れません」



P 「大げさな……だがまだ完全に健康体というわけじゃないんだぞ」



P 「塩分控えめ、カルシウム摂取は続けてもらうからな」



貴音「はい、春香とやよいのおかげでもやしとひび……ひじき生活もすっかり定着しました」



貴音「自分で作れるレパートリーも増えております」



貴音「ひじき生活も続けることに致しましょう」



P 「ああ、そうしてくれ。とりあえず今日はラーメン食いに行くか」



貴音「あなた様! ぜひに!」パァァァ

春香「そういえば小鳥さんとあずささんはどうだったんですか?」



P 「……春香、あの小鳥さんを見てどう思う?」



小鳥「………………」ヨヨヨ



春香「……ダメだったんですね」



P 「あずささんもな……これからしばらく鬼軍曹管理になるそうだ」



春香「あっちゃ〜」



春香「あ、ところでその鬼軍曹殿が言ってたご褒美っておねだりしてもいいんですか〜?」



P 「あー、そんなことも言ってたな……」



春香「やよいも何か考えておいた方がいいかもね〜」

やよい「私は、プロデューサーにうちでご飯食べて欲しいですー」



P 「え?」



やよい「ひじきって、乾燥芽ひじきだとすごく安いんですよー」



やよい「いっぱいレパートリーも増えたからプロデューサーに食べて欲しいかなーって」



春香「プロデューサーさんに手料理か〜、それもいいな〜」



P 「それだと俺にご褒美にならないか?」



 ・

 ・

 ・

貴音「ひじ……響、撮影はもう終わったのですか?」



響 「終わったぞー、おみやげいっぱい買ってきたからなー」



貴音「それではわたくしの家に来ませんか? ひび……ひじき料理を振る舞いたいのです」



響 「いちいち言い間違うのが気になるんだけど……まぁいいか」



貴音「わたくしは今日でも明日でも大丈夫です」



響 「そっか、じゃぁ明日の夜、おみやげ持って遊びにいくぞー」



貴音「ぜひ! 待っていますよ、ひじ……響」



響 「……なんくるないさー……」

〜貴音の家〜



響 「貴音ー、来たぞー!」



貴音「いらっしゃいませ、ひじ……響」



響 「……ま、いっか……おみやげ持ってきたぞー」



響 「まずは定番のマカダミアチョコだな、貴音はたくさん食べるからいっぱい買ってきたぞー」



貴音「ちょこれぇと、ですか」



響 「あとマカダミアナッツ、ドライマンゴー、バナナチップス」



響 「貴音って辛いの大丈夫だっけ? タバスコチョコ」



貴音「たばすこ……それはどのような」



響 「ひとつ食べてみてダメだったら言ってくれなー、ちょっと辛いのさー」

貴音「こんなにたくさん食べ物が! 誠にありがとうございます」



貴音「料理はまだもう少しかかるので先にお風呂にでも入ってください」



響 「風呂かー、準備いいな、一緒に入ろっか」



貴音「いいえ、料理がまだ途中ゆえ、ゆっくり煮……浸かってください」



響 「? わかったぞー、じゃちょっと行ってくる」



貴音「はい」

貴音「皆のおかげでまたらぁめんを食す生活に戻れそうでございます」



貴音「食生活とは本当に大事なものでございますね」



   響 「たかねー?」



貴音「ひじきは本当に身体に良い食品でございます」



貴音「毎日とは言わずとも、二日に一回くらいは小鉢にひじきを取り入れてはいかがでしょうか」



   響 「たーかーねー?」



貴音「おや、お風呂場からひじ……響が呼んでいるようですね」



トコトコ



貴音「どうしました、ひじき?」







響 「湯船に昆布が入ってるんだけど何これ?」





END

おまけ



鬼軍曹「ほーら小鳥さん! 腕が上がってませんよ! ほら、ワンツースリーフォー!」



小鳥「ハァハァ、どうしてこんなことに……」ヨヨヨ



鬼軍曹「あずささんは遅れてる! 合わせて! ファイブシックスセブンエイト!」



あずさ「あ、あらあら〜」



亜美「りっちゃんのレッスンはほんと厳しいからね→」



伊織「こうでもしないと運動しないんだから仕方ないじゃない」



亜美「だよね→」



伊織「しっかり運動すれば少しくらいお酒飲んだって大丈夫でしょうに」



P 「だよなぁ……」



P 「俺も運動不足だしジョギングでもしてみるかなぁ」



伊織「あら、あの二人と一緒にレッスンすればいいじゃない」



P 「おいおい、勘弁してくれよ。鬼軍曹のしごきにはとてもじゃないが耐えられないよ」







鬼軍曹「きーこーえーてーますー! 誰が鬼軍曹ですか!」







P・伊織「ひっ、ひええええ」





END



22:30│四条貴音 
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