2013年12月09日
法子「こんな所にドーナツが!」
※モバマス
事務所
法子「……」キョロキョロ
事務所
法子「……」キョロキョロ
法子「……一つだけなら、貰ってもいいよね……?」
法子「いっただっきまー……」
カプ
法子「……」
法子「……!?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360164572
法子「ッ!? ゲホッ! ゲッホ! ウェッホゥ!」
法子「これ……」
法子「ドーナツじゃない……!」
法子「塩辛い味が口の中に広がるこの不快感……」
法子「これは……」
法子「忌々しきベーグル!」
法子「こいつには何度も辛酸を舐めされられたことか……」
法子「クソッ! こんなドーナツの紛い物なんて事務所の壁に叩きつけてやる!」ガシ
ガチャ
凛「ふー……疲れ……って、何してるの!?」
法子「何って……見りゃわかるでしょ!?」
法子「この畜生以下のベーグルに恨みをぶつけないと……!」
法子「あたしの理性は爆発してしまうッ……!」
凛「やめて! それは私がプロデューサーのために買ってきたベーグルなんだよ!?」
法子「……これを、プロデューサーに?」
凛「うん。最近、忙しくてちゃんとご飯を食べれていないみたいだったからね」
法子「……へぇ」
法子「こんな下賤な食べ物を、プロデューサーに食べさせるの?」
凛「下賤って……そんな言い方しなくても」
法子「こいつは! あたしからどーなつぱわーを根こそぎ奪ったんだよ!?」
法子「そんなカス以下のカス、ベーグルを許すわけにはいかない……!」
凛「」ムカ
凛「だからって、私のベーグルにあたらないで!」
凛「私のベーグルは何も悪いことしてないでしょ!?」
法子「……いいえ。このベーグルは、いや、この鬼畜輪はあたしの期待を裏切った」
法子「これは、ドーナツ王国においては死刑に値する罪です」
凛「ど、ドーナツ王国?」
法子「ドーナツ王国においては、鬼畜輪の存在は禁忌とされています」
法子「鬼畜輪は単純所持が禁止されており、その所持が発覚した場合は……」
法子「死刑です」
凛(何を言ってるんだろう……)
凛「い、いいじゃん、別に。ベーグルだってそんなに悪い物じゃ……」
法子「ドーナツだと思って食べた物が、ベーグルだった時の失望感を……」
法子「甘い物を期待して、それが塩辛い物だった時の絶望感を……」
法子「味わったことがないからそんなことが言えるんだぁ!」バンッ!
凛「ひっ」
法子「……こうなったら、あなたもドーナツ王国に招待してあげます」ジリ
凛「い、いらないよ」
法子「遠慮はいりませんよ」ジリ
法子「……ほら、あなたの足首、見て?」ジリ
凛「……!? いつの間にか足首にドーナツがはまってる!?」
法子「ほらぁ、次は手首を見て?」ジリ
凛「きゃあ! ふ、ふ、ふ……」
凛「フレンチクルーラーがぁ……」
法子「まだだよ」
法子「ほら、最後はそこ……」
凛「な、何……?」
凛(何だか急に苦しく……)
凛「……まさか!」
法子「わかった?」
法子「あなたの首……」
法子「そこにはぁ……あたしの大好きなチョコドーナツをはめてあげましたぁ」
凛「と、取れない!」グイグイ
凛(ドーナツが首を絞めつけてくる……)ギュウギュウ
法子「嬉しいでしょ? こんなにドーナツに囲まれて……」
法子「あたしなら、三日はおかずに困らないなぁ」
凛「ゆ……許して……」
法子「裏切り者には制裁を。ドーナツ小学校で習ったでしょう?」
凛「うぐぐ……」ギュウギュウ
法子「もしかして、ゆとり世代ドーナツなのかな?」
法子「それなら……仕方ないけどねぇ?」
凛「た、助けて……」ギュウギュウ
法子「あーあ。これはドーナツ園からやり直しだと思うなぁ」
法子「だって……あまりにもドーナツに対する愛情が足りないもの」
法子「ドーナツ王国は、異端者を許さない」
法子「ドーナツ王国は、ベーグルを食す物を許さない」
法子「ドーナツ王国は……」
法子「あなたを、許さない」
凛「……た、すけて……」ギュウギュウ
凛「ぷろ、でゅー……」ギュウギュウ
ガチャ
法子「!?」
P「ただいまー……って」
P「凛!」
凛「……」
P「ドーナツで意識が……。待ってろ! 今すぐドーナツを外してやる!」グイ
P「……クソ! 引っ張っただけじゃ取れないのか!?」
法子「……食べればいいんだよ」
P「えっ?」
法子「ドーナツは、食べ物なんだよ」
法子「ドーナツは、食べてもらってこそ、ドーナツとして輝けるんだよ」
法子「だから……」
法子「食べて、あげて?」
法子「あたしの大好きな、チョコドーナツを」
P「……わかった」
法子「……」ニヤ
凛「」グッタリ
P「」ムシャムシャ
法子「……」ジー
P「」ムシャムシャ
法子「……」ジトー
P「……ふう」
P「ごちそうさま」
法子「……良く食べられたね」
凛「……」グター
P「凛、凛! ……駄目だ、意識を失ってる……」
P「俺がもっと早く事務所に来ていれば……こんなことには!」
法子「……どうして……」
法子「どうして、その人を心配するの?」
P「法子? 何を言って……」
法子「その人は……ベーグルをあたしに食べさせた張本人なんだよ!?」
法子「神聖なるドーナツ王国の事務所に呪われたベーグルを置いた、重罪人なんだよ!?」
P「そんなこと……」
法子「そんなことじゃない!」
法子「あたしにとってドーナツは人生、いや、それ以上の意味を孕む至高の存在!」
法子「その人はそんなドーナツに……」
法子「あたしの全てとも言える最高の存在に……」
法子「泥を……塗ったんだ!」
P「……」
P「……すまなかった」
法子「何で? どうして謝るの?」
P「俺が悪かったんだ。法子があまりにもドーナツに執着しすぎるから」
P「このままじゃ、法子がドナキチになってしまうと思ったから……」
法子「何を、言って……」
P「俺が凛に頼んで、ベーグルを買ってきてもらったんだ」
P「……それが間違いだったんだな。ここまで症状が進行しているとは……」
法子「……」
P「俺のせいで、凛も法子も苦しませる結果になってしまった……」
P「本当に、すまない……」
法子「……そんな」
法子「プロデューサーは悪くないよ! 悪いのはこの……ベーグルの存在だよ!」
P「すまない……本当にすまない……」ドゲザ
法子「謝らないで!」
法子「謝ら、ないで……」
ちひろ「……」
ちひろ「……法子ちゃん」スッ
法子「……?」
ちひろ「このチョコドーナツで、口直ししてください」
法子「でも二人が……」
ちひろ「二人とも、法子ちゃんが元気な姿で居るのを、一番望んでるんですよ?」
ちひろ「だから……ね?」
法子「……わかりました」パク
法子「……」モグモグ
法子「……!?」
法子「」バタン
ちひろ「……」
ちひろ「……ごめんなさいね」
P「……すみません、ちひろさん。汚れ役を押し付けてしまって」
後日
凛「おはよう、プロデューサー」
P「ああ、おはよう」
P「体調はどうだ?」
凛「平気。お医者さんも、もう何ともないってさ」
P「そうか。それなら良かった」
凛「……」
P「……」
凛「……ねぇ」
P「どうした?」
凛「……あれから、どうなったの?」
P「……ああ、法子か」
P「今は入院してるよ。両手足首にベーグルの手錠と足枷をつけて、な」
P「明日から、ドナキチを治すためのリハビリが行われるらしい」
P「これから法子は、いくつものドーナツをベーグルだと思い込んで食べないといけないそうだ」
P「大好きな物を、大嫌いな物と思い込んで向き合う……」
P「『それがドナキチを治す唯一の方法だ』って、医者は言ってたよ」
凛「……そう、なんだ」
P「……もう、法子のドナキチは、俺たち素人の手に負えるものじゃなかった」
P「本当にすまなかった。俺の馬鹿な作戦で、凛を危ない目に遭わせて……」
凛「……ううん、気にしないで」
凛「だって……」
凛(今、こうやって二人でプロデューサーと居られるのも……)
凛(あんなことが無かったら、きっと……)
P「だって……何だ?」
凛「ううん、いいの」
凛「……あ、ベーグル買ってきたけど、食べる?」
P「そういえば、ちょうどお腹も空いてきたな。ありがとう、貰うよ」
凛「ふふっ……はい」
P「……凛?」
凛「なに?」
P「どうして俺の顔の前まで持ってくるんだ? 取りにくいんだけど」
凛「……もう。それくらいわかってよ……」
P「?」
凛「……ほら、あ、あーん……」ポッ
P「!?」
P「り、凛?」
凛「は、早くしてよ。恥ずかしいから……」
P「あ、あ〜……」カプ
P「……」モグモグ
P「……」モグモ
P「……」
P「!?」ガタッ!
凛「ど、どうしたの?」
P「……この味は……」
P「この泥水にも劣る低俗な味は……」
P「……ベーグル……!」
お わ り
シリアスな笑いを書きたかったんだが、やっぱり難しいな
法子「いっただっきまー……」
カプ
法子「……」
法子「……!?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360164572
法子「ッ!? ゲホッ! ゲッホ! ウェッホゥ!」
法子「これ……」
法子「ドーナツじゃない……!」
法子「塩辛い味が口の中に広がるこの不快感……」
法子「これは……」
法子「忌々しきベーグル!」
法子「こいつには何度も辛酸を舐めされられたことか……」
法子「クソッ! こんなドーナツの紛い物なんて事務所の壁に叩きつけてやる!」ガシ
ガチャ
凛「ふー……疲れ……って、何してるの!?」
法子「何って……見りゃわかるでしょ!?」
法子「この畜生以下のベーグルに恨みをぶつけないと……!」
法子「あたしの理性は爆発してしまうッ……!」
凛「やめて! それは私がプロデューサーのために買ってきたベーグルなんだよ!?」
法子「……これを、プロデューサーに?」
凛「うん。最近、忙しくてちゃんとご飯を食べれていないみたいだったからね」
法子「……へぇ」
法子「こんな下賤な食べ物を、プロデューサーに食べさせるの?」
凛「下賤って……そんな言い方しなくても」
法子「こいつは! あたしからどーなつぱわーを根こそぎ奪ったんだよ!?」
法子「そんなカス以下のカス、ベーグルを許すわけにはいかない……!」
凛「」ムカ
凛「だからって、私のベーグルにあたらないで!」
凛「私のベーグルは何も悪いことしてないでしょ!?」
法子「……いいえ。このベーグルは、いや、この鬼畜輪はあたしの期待を裏切った」
法子「これは、ドーナツ王国においては死刑に値する罪です」
凛「ど、ドーナツ王国?」
法子「ドーナツ王国においては、鬼畜輪の存在は禁忌とされています」
法子「鬼畜輪は単純所持が禁止されており、その所持が発覚した場合は……」
法子「死刑です」
凛(何を言ってるんだろう……)
凛「い、いいじゃん、別に。ベーグルだってそんなに悪い物じゃ……」
法子「ドーナツだと思って食べた物が、ベーグルだった時の失望感を……」
法子「甘い物を期待して、それが塩辛い物だった時の絶望感を……」
法子「味わったことがないからそんなことが言えるんだぁ!」バンッ!
凛「ひっ」
法子「……こうなったら、あなたもドーナツ王国に招待してあげます」ジリ
凛「い、いらないよ」
法子「遠慮はいりませんよ」ジリ
法子「……ほら、あなたの足首、見て?」ジリ
凛「……!? いつの間にか足首にドーナツがはまってる!?」
法子「ほらぁ、次は手首を見て?」ジリ
凛「きゃあ! ふ、ふ、ふ……」
凛「フレンチクルーラーがぁ……」
法子「まだだよ」
法子「ほら、最後はそこ……」
凛「な、何……?」
凛(何だか急に苦しく……)
凛「……まさか!」
法子「わかった?」
法子「あなたの首……」
法子「そこにはぁ……あたしの大好きなチョコドーナツをはめてあげましたぁ」
凛「と、取れない!」グイグイ
凛(ドーナツが首を絞めつけてくる……)ギュウギュウ
法子「嬉しいでしょ? こんなにドーナツに囲まれて……」
法子「あたしなら、三日はおかずに困らないなぁ」
凛「ゆ……許して……」
法子「裏切り者には制裁を。ドーナツ小学校で習ったでしょう?」
凛「うぐぐ……」ギュウギュウ
法子「もしかして、ゆとり世代ドーナツなのかな?」
法子「それなら……仕方ないけどねぇ?」
凛「た、助けて……」ギュウギュウ
法子「あーあ。これはドーナツ園からやり直しだと思うなぁ」
法子「だって……あまりにもドーナツに対する愛情が足りないもの」
法子「ドーナツ王国は、異端者を許さない」
法子「ドーナツ王国は、ベーグルを食す物を許さない」
法子「ドーナツ王国は……」
法子「あなたを、許さない」
凛「……た、すけて……」ギュウギュウ
凛「ぷろ、でゅー……」ギュウギュウ
ガチャ
法子「!?」
P「ただいまー……って」
P「凛!」
凛「……」
P「ドーナツで意識が……。待ってろ! 今すぐドーナツを外してやる!」グイ
P「……クソ! 引っ張っただけじゃ取れないのか!?」
法子「……食べればいいんだよ」
P「えっ?」
法子「ドーナツは、食べ物なんだよ」
法子「ドーナツは、食べてもらってこそ、ドーナツとして輝けるんだよ」
法子「だから……」
法子「食べて、あげて?」
法子「あたしの大好きな、チョコドーナツを」
P「……わかった」
法子「……」ニヤ
凛「」グッタリ
P「」ムシャムシャ
法子「……」ジー
P「」ムシャムシャ
法子「……」ジトー
P「……ふう」
P「ごちそうさま」
法子「……良く食べられたね」
凛「……」グター
P「凛、凛! ……駄目だ、意識を失ってる……」
P「俺がもっと早く事務所に来ていれば……こんなことには!」
法子「……どうして……」
法子「どうして、その人を心配するの?」
P「法子? 何を言って……」
法子「その人は……ベーグルをあたしに食べさせた張本人なんだよ!?」
法子「神聖なるドーナツ王国の事務所に呪われたベーグルを置いた、重罪人なんだよ!?」
P「そんなこと……」
法子「そんなことじゃない!」
法子「あたしにとってドーナツは人生、いや、それ以上の意味を孕む至高の存在!」
法子「その人はそんなドーナツに……」
法子「あたしの全てとも言える最高の存在に……」
法子「泥を……塗ったんだ!」
P「……」
P「……すまなかった」
法子「何で? どうして謝るの?」
P「俺が悪かったんだ。法子があまりにもドーナツに執着しすぎるから」
P「このままじゃ、法子がドナキチになってしまうと思ったから……」
法子「何を、言って……」
P「俺が凛に頼んで、ベーグルを買ってきてもらったんだ」
P「……それが間違いだったんだな。ここまで症状が進行しているとは……」
法子「……」
P「俺のせいで、凛も法子も苦しませる結果になってしまった……」
P「本当に、すまない……」
法子「……そんな」
法子「プロデューサーは悪くないよ! 悪いのはこの……ベーグルの存在だよ!」
P「すまない……本当にすまない……」ドゲザ
法子「謝らないで!」
法子「謝ら、ないで……」
ちひろ「……」
ちひろ「……法子ちゃん」スッ
法子「……?」
ちひろ「このチョコドーナツで、口直ししてください」
法子「でも二人が……」
ちひろ「二人とも、法子ちゃんが元気な姿で居るのを、一番望んでるんですよ?」
ちひろ「だから……ね?」
法子「……わかりました」パク
法子「……」モグモグ
法子「……!?」
法子「」バタン
ちひろ「……」
ちひろ「……ごめんなさいね」
P「……すみません、ちひろさん。汚れ役を押し付けてしまって」
後日
凛「おはよう、プロデューサー」
P「ああ、おはよう」
P「体調はどうだ?」
凛「平気。お医者さんも、もう何ともないってさ」
P「そうか。それなら良かった」
凛「……」
P「……」
凛「……ねぇ」
P「どうした?」
凛「……あれから、どうなったの?」
P「……ああ、法子か」
P「今は入院してるよ。両手足首にベーグルの手錠と足枷をつけて、な」
P「明日から、ドナキチを治すためのリハビリが行われるらしい」
P「これから法子は、いくつものドーナツをベーグルだと思い込んで食べないといけないそうだ」
P「大好きな物を、大嫌いな物と思い込んで向き合う……」
P「『それがドナキチを治す唯一の方法だ』って、医者は言ってたよ」
凛「……そう、なんだ」
P「……もう、法子のドナキチは、俺たち素人の手に負えるものじゃなかった」
P「本当にすまなかった。俺の馬鹿な作戦で、凛を危ない目に遭わせて……」
凛「……ううん、気にしないで」
凛「だって……」
凛(今、こうやって二人でプロデューサーと居られるのも……)
凛(あんなことが無かったら、きっと……)
P「だって……何だ?」
凛「ううん、いいの」
凛「……あ、ベーグル買ってきたけど、食べる?」
P「そういえば、ちょうどお腹も空いてきたな。ありがとう、貰うよ」
凛「ふふっ……はい」
P「……凛?」
凛「なに?」
P「どうして俺の顔の前まで持ってくるんだ? 取りにくいんだけど」
凛「……もう。それくらいわかってよ……」
P「?」
凛「……ほら、あ、あーん……」ポッ
P「!?」
P「り、凛?」
凛「は、早くしてよ。恥ずかしいから……」
P「あ、あ〜……」カプ
P「……」モグモグ
P「……」モグモ
P「……」
P「!?」ガタッ!
凛「ど、どうしたの?」
P「……この味は……」
P「この泥水にも劣る低俗な味は……」
P「……ベーグル……!」
お わ り
シリアスな笑いを書きたかったんだが、やっぱり難しいな
14:30│椎名法子