2013年12月12日

モバP「石の下の蛇」

モバマスSSです。

ペキッ

楓「あら…?」


楓(何か踏んだかしら…)

楓「気のせいかしら」

楓(久々にちひろさんやPさんと飲んだから、酔ったんですかね…)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370785320

P「楓さん平気かなぁ…」

P(まだそこまで遅くないし平気かなぁ。それよりこっちの方が…)

ちひろ「あはは。プロデューサーさんどうかされました?」

P「いえ、なんでもないですよ」

ちひろ「むぅ。嘘でーすー。他の女の子のことを考えていましたね?」ペシペシ

P「いやいや、女の子のことは…」

ちひろ「女の子のことはってことは、女性のことを考えていたんですねっ!楓さんとか、菜々さんとか!」

P「ちょっと待ってください。菜々はまだ17歳ですって」

ちひろ「あぁ、そうでしたっけ?ってことは楓さんのことを考えてたんですね!」

P「まぁ、ちゃんと帰れたかなぁって」

ちひろ「心配なら電話してみればいいんじゃないんですかぁ?」

P「そうですね。後でします。それじゃ、ちひろさんも帰りましょうか」

ちひろ「まだ、飲めますよ?というか、飲まなければやってられないんです!」

P「話なら聞きますよ?」

ちひろ「あ、本当ですか?実はですね…」

P「はい」
ちひろ「プロデューサーさんが最近構ってくれなくてですね…」

P「いいことじゃないですか。仕事忙しいってことなんですから」

ちひろ「まぁ、そうなんですけどね…。でも、なんだか蔑ろにされた気がしてですね」グスッ

P「ちひろさん…」

ちひろ「あ、あはははは。ちょっとだけセンチになっちゃいましたね」

P「よしっ!飲み直しますか!」

ちひろ「え、えぇっ?」

P「もう、今日はとことん付き合いますよ。事務員さんがそんなにストレス溜め込んじゃ、事務所内の雰囲気が悪くなっちゃいますしね」

ちひろ「どうも、ありがとうございます」

P「さて、どこで飲みましょうかね…。それともファミレスの方がいいですかね?」

ちひろ「そ、そうですねぇ。お酒はもういいかなーって感じです」

P「分かりました。それじゃ、そうしましょうか。ここの近くでどこかにありましたっけ?」

ちひろ「ちょっと分からないですねぇ…」

P「うーん…」

P(どうしようかなぁ…)
P「あ、そうだ。ちひろさんの家の近くにファミレスありますよね」

ちひろ「ありますけど…」

P「ちひろさんがいつでも帰れるようにそっちにしましょう」

ちひろ「…いっそ私の家でもいいですけどね」ボソッ

P「流石にそれはマズいですよ」

ちひろ「こういう時は聞いてちゃだめですよ」カァァ

P「すみません。それじゃ、行きましょうか」

ちひろ「はい」
ファミレス

P「あ、二人でお願いします」

店員「かしこまりましたー」

ちひろ「すみませんプロデューサーさん」ペコリ

P「いいですって。こういうのもたまにはいいと思います」

ちひろ「優しいですね…」

P「俺が好きでやってるんで気にしないで下さい」

ちひろ「そ、そうですか?それでですね――」
楓「……七時。もう起きなきゃ」ポケー

楓(今日は朝から仕事のはず)

楓「…お水飲もうっと」

事務所

楓「おはようございます」

ちひろ「おはよう…ございます…」ズキズキ

P「あ、楓さんおはようございます…」

楓「お二人共どうされましたか?」

ちひろ「いやですね…昨日ちょっと」

楓「あれからまだ飲まれてたんですか?」

P「飲んではいないんですけど明け方まで起きてまして…」

楓「大丈夫ですか?」
P「はい。そう言えば今日は朝からでしたね。それじゃ行きましょうか」

楓「お酒抜けてますか?」

P「えぇ。平気ですよ。それじゃ、ちひろさん、他の人にそんな姿見せないで下さいね」

ちひろ「えぇ。分かってますよ」

P「それじゃ、行ってきますね」バタンッ

――


ちひろ「うう。スタドリを自分で飲む羽目になるとは…」ゴクゴク

蘭子「やみのま!」

ちひろ「ぶっ!…あ、蘭子ちゃんおはよう」ダラダラ

蘭子「ひっ!や、闇からの刺客かっ!」
スタジオ

P「…ん?」

楓「何かありましたか?」

P「いや、ちょっと先歩いて貰っていいですか?」

楓「はい。分かりました」スタスタスタ

P(なんか楓さんの後ろに何か付いていってる…?)

P「楓さん」

楓「はい?」

P「目の前になにかいますか?」

楓「えっと…Pさんがいますけど」

P「俺以外には?」

楓「特に…いませんね」

P「そうですか。変なこと聞いてすみません」

楓「はい…?分かりました」

P(きっと俺が疲れてるだけだな。そうに違いない)

P「それじゃ、頑張ってきてくださいね」

楓「はい。行ってきます」
P「さてと…この間に出来ることを」

P「この仕事は蘭子と卯月で…いや、杏でもいいかな」

P「いや、あいつのお守り出来るやつじゃないと無理だな。蘭子じゃ厳しいか…。下手すりゃ涙目になりそうだ」

P「でも、卯月と絡ませるのはありか…」

P「あ、いや、でも。うーん…」


楓「Pさん?」

P「あ、楓さん。終わったんですか?」

楓「えぇ。終わりました」

P「すみません。ちょっと考えごとしてまして…」

楓「これだけ多くの人をプロデュースしてるのですからしょうがないですよ。…何か私にも出来ることはありますか?」

P「いや、平気です。楓さんが頑張っているのを見れば俺も元気出ますよ。それじゃ、一度事務所に戻ってからレッスンです」

楓「……無理しないで下さいね」

事務所

P「ただいま戻りました」

楓「戻りましたー」

ちひろ「あ、お帰りなさい二人とも」

P「あれ?ちひろさん服着替えたんですか?」

ちひろ「えぇ。ちょっと色々ありまして」

P「もしかして…」

ちひろ「いえっ!恐らくプロデューサーさんが考えていることはしてませんからっ!」

P「それならいいんですけど」

楓「それじゃ、私は失礼しますね」

P「あ、はい。行ってらっしゃい。さてと、俺も事務仕事手伝いますね」

ちひろ「あ、はい。分かりました。あ、それじゃこれをお願いします」

蘭子「やみのま!あ、我が下僕よ。この地に降り立ったのか」

P「お、こんにちは蘭子。レッスン終わりか。お疲れさま」

蘭子「いかにも。……お?」

P「ん?どうした蘭子。首を傾げて」

蘭子「いや…力に翳りが感じられるのだが」

P「俺は元気だぞ?」
蘭子「我が魔眼に偽りは通じぬぞ?しばしの間、力を蓄えるために闇に身を委ねるべきではないのか?」

P「そんなことはないと思うけど」

蘭子「魔王の言葉聞けぬと言うのか?」

ちひろ「プロデューサーさん寝てきたらどうですか?」

P「いや、むしろ俺よりちひろさんが寝ないと…」

ちひろ「…それじゃ、私が一時間寝ますから、そのあと寝てください。いいですね?」

P「分かりました。それじゃそうさせて貰います」

ちひろ「はい。それじゃ、私が最初に失礼しますね」

P「はい。さて…俺は…」

蘭子「わ、我が下僕よ」ペシペシ

P「ん?なんだ?」

蘭子「下僕であるなら、魔王を退屈させるべきではないと思うのだが…」

P「なんだ遊んで欲しいのか」

蘭子「つ、疲れてないなら」コクコク

P「だから平気だって。それじゃ、なにしようか?」

蘭子「そ、そうですね――」
ちひろ「…おはようございます…何してるんですか?」

P「あ、おはようございます。いや、ちょっと蘭子と遊んでいまして」

蘭子「そ、それで、かの漆黒の勇者は悲しみを抱えいずこへ?」キラキラ

ちひろ「漆黒の勇者?」

P「昔のよくある設定です。そういうのが好きな友達に聞かされた話です。丁度、蘭子と同じ年代だったので合うかなぁと思
ったらビンゴでした」

蘭子「……」キラキラ

ちひろ(蘭子ちゃんがプロデューサーさんをキラキラした目で見つめてますね…)

蘭子「…はっ!いや、もうそこまで悪の軍勢が迫ってきていたのか!」

ちひろ「誰が悪魔ですかっ!」

P「違いますよちひろさん。意外に一時間って早いもんだよな」

ちひろ「あぁ、なるほど」カァァ

ちひろ(なんでわかるんでしょう…)
>>12
画像ありがとうございます。ご苦労様です。
ちひろ「あ、それじゃ、プロデューサーさんもお休みになってくださいよ」

P「え?あ、平気ですって」

ちひろ「まぁまぁ。蘭子ちゃんが体調悪そうに見えたって言うんですから」

P「ま、まぁそこまで言うなら…。蘭子おやすみ」

蘭子「今はしばし闇に身を委ねよ!」

ちひろ「おやすみなさい」
仮眠室

P「疲れてる顔してたかなぁ…俺」

P「まぁ、昨日は全然寝てないけどさ…」

P「ちょっとだけ寝ますか」スー


ちひろ「静かですね。寝ちゃったんですかね」

蘭子「今は、闇に身を委ねているのだ」

ちひろ「それじゃ、私たちは静かにしてましょうか」

蘭子「う、うむ」

ちひろ「さて…ってあの人結局仕事やってないんですね…」

蘭子「そ、それは、私に…」アタフタ

ちひろ「いえ、いいんですよ。アイドルのプロデュースが本分なんですから」

ちひろ「それより、蘭子ちゃんは疲れてないんですか?」

蘭子「私は先ほど下僕から魔翌力を吸収したからそれほどでは…」
P「ちひろさん起こしてくれてもいいじゃないですか」

ちひろ「あまりにも気持ちよさそうだったので…」

P「まぁ、確かに体の疲れは取れましたけど」

ちひろ「ならいいじゃないですか。お仕事の電話もありませんでしたし」

ちひろ「プロデューサーさんが寝ている間に書類は粗方片づけておきましたんで、営業でもなんでも行って平気ですよ」

P「そうですか?それじゃ行ってきますね」

ちひろ「はい。行ってらっしゃーい」

P「はい。行ってきます」

事務所

P「ただいま戻りました…」

P(やっぱり杏も何か一つウリがないとプレゼンするのが難しいな。どんな子?って聞かれて飴くれとは言えないし…)

P「才能はあるんだけどなぁ…」

ちひろ「お疲れ様です。その様子だとあまり芳しくなかったみたいですね」

P「えぇ。まぁこういう時もありますし、地道にやっていきたいと思いますよ」

楓「あ、お帰りなさい」

蘭子「や、やみのま!」

P「あぁ、楓さんに蘭子お疲れ様」

楓「えぇ。私はもうそろそろ帰ろうかと思いますけど」

蘭子「私も、この漆黒の羽を休めに……」

P「あ、それじゃ送りますよ。二人とも」

楓「そうですか?ありがとうございます」

蘭子「ほ、褒めて遣わす」

P「それじゃ、付いてきて下さいね」

楓「はい」

蘭子「……?」

蘭子(なんか楓さんの後ろになにかいる…?)

P「おーい蘭子?置いてくぞー」

蘭子「あ、はいっ!」

蘭子(なんだったんだろう…)
車内

P「二人とも後ろに乗ってくれ」

楓「分かりました」

P「事務所からだと、どっちの家の方が近いんですかねぇ…」

楓「蘭子ちゃんどう?」

蘭子「えっ…多分、そっちの方が…」

楓「だそうです」

P「了解しました」

蘭子(楓さんって不思議な感じのする人だなぁ…)チラッ

楓「……」ジー

蘭子「ひっ!な、なんですか…?」

楓「蘭子ちゃんって…可愛いですね」

蘭子「……へ?」

楓「髪も綺麗ですし…お姫様みたいです。そう思いませんかPさん」

P「そうですねー。俺もそう思いますよ」

蘭子「あうう…」カァァ

P「もちろん楓さんも可愛いと思いますよ」

楓「あ、どうもありがとうございます…」

P「それじゃ、そろそろ着くんで降りる準備して下さい」

楓「はい。ありがとうございます」

楓「それじゃ、失礼しますね」

P「はい。お疲れ様でした」

蘭子「……」ジー

蘭子(気になる…)

P「どうした蘭子?」

蘭子「あの…楓さん」

楓「はい?」

蘭子「…神の使いが影に溶けているのだが」

楓「……?」キョトン

蘭子「あう…そのえーと…」

蘭子「お部屋見ちゃだめですか?」

楓「いいえ。構いませんよふふ…」
P「それじゃ、俺は事務所に戻るんで、何かあったら連絡してくださいね」

楓「はい。それじゃお疲れ様でした」

蘭子「や、やみのま!」

楓「さて、私の部屋に行きましょうか」

蘭子「は、はい」

蘭子(綺麗なマンションだなぁ…)

楓の部屋

楓「蘭子ちゃんは何か食べますか?」

蘭子「あ、いえ、平気です…」

楓「私もご飯食べるので遠慮しなくてもいいですよ?」

蘭子「あ…それじゃ、楓さんの赴くままに…お願いします」

楓「分かりました」

蘭子(うう…蛇が気になるけどなにも出来ない…)

楓「何もない部屋だけれど、ゆっくりしていって構いませんから」

蘭子「あ、どうも、ありがとうございます」

楓「気にしないでいいですよ。最近はお酒飲みに来る、ちひろさんや菜々さんしか来ませんから」

蘭子「ウサミン星の住人はまだ…?」

楓「あ、そうですね。ちひろさんくらいしか来ませんからね」

楓(一応隠してるんでしたっけ…?)

楓「はい。これを運んで貰っていいですか?」

蘭子「え、あ、はい。分かりました」
楓「それじゃ、いただきます」

蘭子「いただきます」

楓「お酒飲む機会が増えてきて、飲まない時は、ちょっとセーブしないといけないから質素なご飯でごめんなさいね」

蘭子「おいしい…です」

楓「それは良かったわ。ふふ」

蘭子(楓さん綺麗だなぁ…。クールだし)

楓「そう言えば、蘭子さんはそれ私服なんですか?」

蘭子「そうですけど…?」

楓「家に、素敵なステッキとかありそうですね。ふふ…」

蘭子「ステッキは…、その、ないですね」

楓「それは残念です」シュン
楓「ごちそうさまでした」

蘭子「あ、ごちそうさまでした。美味しかったです」

楓「……」

蘭子「……」

蘭子(会話が続かないよぉ…)

楓「そう言えば」

蘭子「は、はいっ。なんですか?」

楓「どうして私の家に来たんですか?」

蘭子「じ、実は、我が魔眼が、幻視の白蛇を捉えたのだ」

楓「蛇がいたんですか?」

蘭子「いかにも」

蘭子(やった。通じた♪)
楓「昨日もプロデューサーが同じことを言ってましたねぇ。私の目には見えないんですけども」キョロキョロ

蘭子(いることにはいるんだけど、何もしないし、気にしなくていいのかな…?)

蘭子(あ、でももしかしたら、何かするのはもっと夜なのかも…)

楓「蘭子ちゃんが気になるならずっといてもいいですよ」

蘭子「え、あっ、はい。どうもありがとうございます」

楓「ただ、泊まるとかする場合はちゃんとお家に連絡してね」

蘭子「は、はい」コクコク
>>30
訂正入ります。
楓「昨日も〜」  ではなく。

楓「さっきも〜」 です。

読んで下さった方いらしたらすみません。
――

楓「結局泊まることにされたんですか?」

蘭子「う、うん」

楓「分かりました。それじゃ、お布団用意しますね」

蘭子「お手伝いしましょうか?」

楓「平気ですよ」

楓(あ、Pさんに電話しておかなきゃ)

楓「あ、もしもし」

P『はい。こんばんは。蘭子を迎えに行きますか?』

楓「その件なんですけど、蘭子ちゃん今日は家に泊まることになりましたという報告を」

P『何か問題があって帰りたくないとか…?』

楓「そういうことじゃないですよ。お泊り会のような感じです」

P『なるほど。あ、間違っても――』

楓「今日はお酒は家にはないですから安心してくださいね」

P『分かってるようでなによりです。それじゃ、蘭子にもよろしく伝えておいて下さい』

楓「はい。分かりました。それじゃ失礼しますね」
楓「蘭子ちゃんそろそろ寝ますか?」

蘭子「そ、そうですね」

楓「こっちのお布団に寝て下さい」

蘭子「楓さん、その…」

楓「どうかしましたか?私は久々に修学旅行に来たみたいでわくわくしてるんですけど」ワクワク

蘭子「えっ?」

楓「とりあえず、お布団に入って下さい。電気消しますから」

蘭子「は、はい」

楓「それじゃ、電気消しますね」パチッ

楓「それでなんですが、今好きな人とかいるんですか?」

蘭子「えぇっ!?」カァァ

楓「私たちアイドルだから恋愛は厳禁ですけど、今は私たちしかいないですから、思う存分ぶっちゃけちゃっていいですよ」ワクワク

蘭子「え、あ、その…」

楓「私が思うにですね…」ンー

楓「蘭子ちゃんはPさ――」

蘭子「わー!ないです!そんなことないですっ」バタバタ

楓「その反応…まさか本当に…」

蘭子「うぅ…知りません!そ、そういう楓さんは…どうなんですか」

楓「私ですか?そうですねぇ…いませんよ?」

蘭子「えっ、そうなんですか?」

蘭子(てっきりプロデューサーさんだと…)

楓「ふふっ…♪」
蘭子「……」スー

楓「寝ちゃいましたか」

楓(ちょっとはしゃぎ過ぎちゃいましたね)

楓「おやすみなさい」
楓「ここはどこ…?」キョロキョロ

楓(夢にしてはやけにはっきりしてますけど)

?「もし…」

楓「どちら様…あっ!」

楓(上半身が女の人で下半身が蛇…?)

?「もし…?」

楓「あ、はい。なんでしょう?」

?「私は、あなたに助けられた蛇です」

楓「蛇助けなんてした記憶はないんですけど…」

?「そうですね。私はあなたが石段を歩いている時に踏んだ――」

楓「あぁ、その音だったんですね」

?「はい。おかげで私は自由になれました。これで成仏出来そうです」

楓「それはよかったですね」

?「えぇ。それで、何か恩返しがしたいと思いまして…」

楓「恩返しですか…?」
?「はい。出来る範囲でですが」

楓「叶えて欲しいことですか…。なんだか昔話みたいですね」

楓「…叶えて欲しいこと。私にはありません」

?「な、ないんですか?」

楓「えぇ。考えてみると、もう…願いは叶っちゃってるんですよ。それに――」

?「なんですか?」

楓「いえ、なんでもないですよ」

楓(本当に欲しいものは自分で手に入れなきゃダメですし)

?「……」

楓(あ、悩んじゃってる…それじゃ、どうしようかなぁ…)

楓「あ、それじゃあですね。お守りを下さい」

?「お守りですか…?」

楓「はい。蛇を模した形の奴を。三つほど」

?「…分かりました。それじゃこれを」

楓「はい。ありがとうございます。綺麗な白い蛇ですね」

?「それでは失礼します。ありがとうございました」

楓「えぇ、今度はへびぃなことにならないといいですね」

?「はい。そうだといいです…以前あなたに良く似た人に会った気がします」

楓「そんなに人様の前に現れるんですか?」

?「あなたとその人の前だけでしたね。須磨辺りだったでしょうか。それでは失礼します」


楓(…ここまでリアルな夢だと疲れって取れるんでしょうか…?)
楓「……疲れは取れてますね」

楓「あぁ、本当にくれたみたいですね。白蛇のお守り」

蘭子「ん……」ポケー

楓「あ、おはようございます」

蘭子「わずらわしーい…むにゃ」スー
事務所

楓「おはようございます」

蘭子「やみのま!」

P「おはよう二人共」

楓「あ、そう言えば、これをあげます」

P「なんですか?これ」

楓「曰くつきのお守りですよ。効果は分かりませんけど」

蘭子「新たなアーティファクトよっ!」ドヤ

P「あー、蘭子はこういうの好きそうだな。ありがとうございますね」

楓「いえいえ。やはり本当のお願いは自分の力で叶えなきゃいけませんからね」

P「なんの話ですか?」

楓「とってもへびぃな話です。…ふふ」ニコッ
おしまいです。
見て下さった方ありがとうございます。

タイトルで分かった方がいるとは思いますが、これは、宇治拾遺物語「石橋の下の蛇」を参考にしています。

06:30│高垣楓 
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