2014年10月10日

モバP「まゆは涙を流さない」

妊娠の要素を含んでおります。苦手な方は、ご遠慮願います。





教会:大聖堂







まゆ「ずっと……永遠に。まゆの、プロデューサーでいてくれますか?」





モバP「まゆ。その先も俺、考えていいかな?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405426719



まゆ「……えっ?」





モバP「そう言ってくれたおかげかも、だけど。やっと……踏ん切りが付いたんだ。初めて会った時、正直に変な娘だと思ってた」





まゆ「あの……P、さん」





モバP「お願い。最後まで聞いて」





まゆ「……はい」





モバP「仕事以外に、何の楽しみも持てなかった。そんな俺が……初めて、好きになった。まゆが運命だと言ってくれた時、本当は俺もそう思っていたんだ」





モバP「いつしかまゆが何処にいるのか、何をしてるのか、ぜーんぶが気になって……本当にさ、目瞑ってても、まぶたの裏にまゆがいるんだよ」





モバP「まゆがいてくれればいい、まゆを見ていられればいい、まゆが見てくれていればそれでいい」







モバP「そう思っているにも関わらず、自分からそう言えなくて。他のアイドルの娘と仲良くしてる姿に嫉妬してしまったりだ。情けないやつ……」





モバP「でも、そこでまゆの新しい姿を見たりして、嬉しくなってしまうんだ。例えばさ、以外と舌が幼いんだな?お小遣いのほとんどお菓子になっちゃってる、とか」





まゆ「ぴ、P、さん!?そんな事まで知っていて……//」





モバP「うん。まゆの事は、なんだって知りたかったからな……だから。佐久間まゆさん」





まゆ「はっ、はい!」





モバP「好きです。愛してます。大好きです。何もかもが知りたいです。あなたの笑顔を独占したい、あなたの愛を独り占めにしたい。全部、全部、全部、全部!あなたと家庭を持って、孫の顔を楽しみにする生活をしたい。あなたと同じ墓に、入りたい……」





モバP「厄介ごとは、全部俺が処理します。結婚、しよう」







まゆ「……誓いの、指輪を作ります」……スチャッ





モバP「そのナイフで、どうやって」





まゆ「こうやって、指を」ブスッ……タラッ





モバP「左手だっけ?指輪って」スッ





まゆ「失礼しますね……同じ傷をつけて、離すと」ブスッ ペタッ……





モバP「紅い糸、だ……」





まゆ「うふふ……ずっと一緒のシルシです。二人の真紅の糸は、絶対にほどけません」





モバP「ふふっ、そういうちょっと荒っぽいところも……やっぱり好きだ。ところで、二ついいかな」





まゆ「はい。何でしょう♪」





モバP「一つ。まゆ、この衣装借り物なんだよね」





まゆ「……あっ!」ドクドクドクドク







モバP「二つ目。絶対に絶対に絶対に絶対にありえない、絶対に絶対にありえないんだけど……感染症とか、大丈夫?俺は病気もちじゃ無いけど、最近は怖い病気が多いって聞くし、衛生管理しっかりやってからした方が良かったかも」





まゆ「あ、病気は大丈夫です……」





モバP「そっか♪でも、一応後で検査に行こう。最近忙しくて検診も全然行ってないだろ?知らない内に病気してるといけないから……綺麗に、綺麗にしような?」





まゆ「……はいっ♪」







某病院:医務室





医者「まったくの健康体です。抵抗力も強いですし、内蔵その他も問題無し」





モバP「ふー……良かった」





医者「ただ、ですね……ちょっと席を外していただいても、よろしいでしょうか?」







モバP「……まゆに何か?」ギロッ!





医者「女性特有のデリケートな問題です。追ってご連絡させていただきます」





モバP「あ、そうでしたか……これは失礼しました」





医者「いえいえ、こちらこそ。佐久間さん、こちらに」





まゆ「今向かいます……行ってきますねぇ、Pさん♪」





モバP「おー、待ってるぞー♪……」





モバP「……」





医務室:奥の部屋



まゆ「……そんな」





医者「過度なストレスによる、女性機能の停止。過労かつ精神的ストレスが多々発生する労働環境にある人が、稀に起こす症状です……深刻ですね。全てのストレスがここにかかってた、ってくらいです」







まゆ「そ、その……治療法はありますか?」





医者「あくまで無くなってる訳ではないので……適切なカウンセリングと薬理療法、経過の観察で」





まゆ「治り、ますか?」





医者「……可能性はあります」







まゆ「う、うぁぁぁ……あぁぁぁ!」ポロポロポロポロ……









医者「……佐久間さん。お子さんをご希望しますか?」





まゆ「あたり、前です……あの人は、いつか孫にで、あいたいんでっす、から……」グスッ





医者「正規の医療ではありません。強いて言うなら東洋医学ですが……プロフェッショナルを紹介します」





まゆ「そんな人が……いるん、ですかぁ?」





医者「腕利きであることは私が保証します。ですが、極めて大きなリスクを伴います。理論的な実証はなされていない、オカルト同然の技術ですから」







まゆ「やります。例えどんなに苦しくても。まゆは、Pさんの為に……やり切ってみせます!」キッ!





医者「……わかりました。紹介します、依田さんです」





ガラッ





芳乃「そなたが困っているならーわたくしが力をお貸ししますー」





まゆ「えっと……依田さん?は、どんな処置を専門に?」





芳乃「神仏が持つ力とアイドルが持ちうる力の根源は、両方とも人を根源としたものー……つまり、信仰によるものでしてー」





芳乃「そなたを山神さまを宿らせる依り代とすることでー、そなたのお悩みを解決してみせましょうー」





まゆ「……本当に、オカルトなんですね」





芳乃「むー。実証はなされていましてー」プクーッ





医者「再現性無いでしょ……おほん!」





医者「宗教行事は専門では無いので大きくは言えませんが……神仏の力を借りることは、それこそ罰当たりな行いやもしれないのです。それでも、あなたはやりますか?」







まゆ「うふふ……依田さんを見たときから、もうまゆは覚悟を決めていました」





まゆ「愚問です。今からでも、依田さんの治療を受けます」





医者「わかりました。では、佐久間さんのカルテと……モバPさんのカルテを用意します。必ず成功させましょう。パートナーの協力が不可欠ですから」





芳乃「そなたのもつお力と勇気は、まさしく稲妻と言えるそれでしてー、わたくしとしても処置に力を尽くそうとー」





まゆ「……ありがとう、ございます。まゆも……全力を尽くします!」





芳乃「山神さまのお力そのものたる宝具を身につけることによって、さらにかの力を高めましょうー」





数日後



???:ベッド上



モバP「……そうか。まゆは、子どもの為にそこまでしてくれるんだな……」











まゆ「ごめんなさい。でも、Pさんに喜んで欲しくて……」





まゆ「そして何より、まゆも生きてみたいって思ったんです。子どもがいて、孫が楽しみで、Pさんが隣にいる人生を」







モバP「そうまでまゆに言ってもらえて……とっっても嬉しい。お前に見てもらえる以上に、幸せになるんだもんな」





モバP「……そっか、この幸せがカタチになるんだよな。ふふっ、楽しみだ」







まゆ「Pさん……入り、ん、ますよ……!」





ズブブチチィ





モバP「ふっ!……は。大丈夫だ。まゆが上だもんな。ゆっくり、頼む……?」







モバP「まったく。まだ俺は何にもはじまって無いのに……ふふっ」





まゆ「ごめんなさい……でも、大丈夫ですよぉ。時間なら、たっぷりありますから♪」





モバP「それも、そっか。じゃ……エスコート、任せた」





まゆ「……はいっ♪」





数ヶ月後





シンデレラガールズプロダクション事務所:事務室





ちひろ「この……男は!よくもアイドルに手を出してくれましたね!?」





まゆ「やめてください、ちひろさん!双方合意の上ですし、まゆはアイドルを辞めません!」





ちひろ「それでも、この人には辞めてもらいます……話は聞こえましたよ!?安定期だとか、陽性だとか!」





まゆ「それは……事実ですけど……」





モバP「まゆ。アイドルに手を出したと言う事は本当なんだ……クビになったって、しようがない」





まゆ「でも……でも、Pさんは、プロデューサーを続けたいって!」







モバP「いやさ、俺はまゆが舞台の上にもいてほしいって……最近思うようになったんだ」





モバP「何があってもまゆがここにいてくれる。そう思うと、まゆから少し離れても……平気に、なれたかもなんだ」





モバP「それに、子どもの為に家庭に入ることもやぶさかじゃ無いしな。編み物だって……ほら」





まゆ「小さい、靴下……」







モバP「それに、死ぬわけじゃないからな。生きてりゃチャンスは生まれるんだ……なんとなく、わかる」

















モバP「ちひろさんがそこまでおっしゃるなら、俺はプロデューサーを辞めてこの子を産むさ。アイドルの佐久間まゆの子をな」





ちひろ「……は?」





まゆ「……わかりました。では、立つ鳥跡を濁さずで、一緒に整理をしましょうか」





モバP「まゆ、ちょっと手伝ってくれるか?立つのが最近厳しくてな」ンショ……ヨヨッ





まゆ「大丈夫です♪ちゃんと育ってる証拠ですからねぇ……♪」





モバP「ああ。最初はどうかと思ったけど……慣れるものだなぁ。……おっ」





まゆ「ど、どうかしましたか!?」





モバP「いやさ、こいつついに俺を蹴ったんだよ♪まゆに似て、行動力のある子になるのかな?」





まゆ「お、脅かさないでくださいよぉ……でも、Pさんに似て、適応力のある子になるかもしれませんねぇ……♪」





ちひろ「……いやいやいやいや!」









モバP「ちひろさん、長いことお世話になりました。会社に迷惑をかけることとなって……本当に申し訳ありませんでした」





ちひろ「いやそれよりも!その腹!」





モバP「まゆの子ですよ」





まゆ「……///」





ちひろ「はぁ!?もっとこう、妊娠って男女間の機能がどうたらで!」





まゆ「間違いありませんねぇ、男女間で出来た子どもです♪」





モバP「畑に問題があるなら、開拓するか変更すればいいんです。まゆとの間の子って結論は変わりませんし」





まゆ「も、もうっ!Pさんったら恥ずかしい……///」





モバP「その顔が見たかったんだよ、ふふっ♪」





イチャイチャイチャイチャ……





ちひろ「何許容してんの!?」





モバP「うっ、大きな声出さないでください。最近吐き気と頭痛がひどくて」





まゆ「大丈夫ですかぁ!?レモンどうぞ」





モバP「サンキュ、まゆ……ちひろさんもですね、妊夫を見かけたら席を譲るとか。騒がないみたいな常識を知ってくださいよ。いつかあなただってそうなるかもしれないんですよ?」





ちひろ「私が勉強した保健体育の常識が音を立ててバラバラババンバンしてるんですけど……」





ちひろ「ってか!なんで男に妊婦の心構えを聞かなきゃならないんですか!」





モバP「うぁ……いたい、いたいいたいいたいいたいっ!」





まゆ「まさか陣痛が!?まゆが運びます!」スクランブルダーッシュ!







ちひろ「……陣何処だよ!」









某病院:分娩室





医者「急いでください!破水が始まっている……香をたいて!お湯の用意!」カチャカチャカチャカチャ!





芳乃「任されましてー」コトコトコトコト





まゆ「Pさん!呼吸に合わせて力むんですっ」





P「ふっ!……うっあぐぅ……はぁっ!」







医者「このままじゃ母体の生命が……依田さん、帝王切開を!」





芳乃「それだけは避けるべきでー、この子は佐久間さまに山神さまのお力を貸して宿った子であるからしてー、自然と異なることをすればこの男どころかみなさまも危険に巻き込まれるゆえー」





ちひろ「自然ってなんだよ、自然って」





医者「かくなる上は!後ろから突いてお子さんを押すんだよ!」





ちひろ「無茶言わないで!?」





まゆ「くっ……Pさん、死なないで!オンバシラブースターを射出してください!」





芳乃「承りましてー」ポイッ





まゆ「ファイヤーオン!命を燃やす時がきました……いきます!」キャッチッ!



ズブブチチィ





まゆ「死なないで、しっかりして!諦めないでください、Pさん!産んで、ください!」ズンズンズンズン







モバP「……まゆ」





まゆ「Pさん……?」ズンズンズンズン





モバP「もし、俺が死んでも。この子だけは……」





まゆ「……ダメです!」ズンズンズンズン





モバP「ぐあっ!」





まゆ「まだ……諦めないでください!孫を待つ日が来るって、未来を見せてくれたのはPさんなんですから、だから!」ズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズンズン!





モバP「ふ!ああああああああ!」





ONGYAAAAAAAAAAAAAAッッッ!!





医者「……産声を確認しました。おめでとうございます!依田さん、記録お願いします!」ポロポロポロポロ……





芳乃「両親のように、すこぶる健康でしてー」グスッ













まゆ「Pさん……お疲れ、さま、うっうう……あぁぁぁん!」ボロボロボロボロ……





モバP「まゆ、この子より泣くな……すごいな、こいつ炭水化物のにおいがするんだ」ポロポロポロポロ……





芳乃「山神さまとは、産神さまでもあるからしてー」





芳乃「ここをもってして、山神さまのご利益……人間、ひいては土地そのものに対して豊穣をもたらすのでありー、今に起きるでしょうー」





ちひろ「わっ……理解不能になって逃げ込んだトイレの水道水がポンジュースに!?」





まゆ「見たことも無いようなご馳走が、いっぱいに!」





医者「花が至るところから生えて来てる……おじいちゃん、地球は元気になったよ」







まゆ「これにて一段落、なのでしょうか……ふぅ……」





医者「佐久間さん、ちょっとよろしいですか?」





まゆ「あっ、はい」





医者「先ほどの助産行為に、依田さんの宝具を用いられましたね?」





まゆ「確かに……まさか!?」







医者「その……おめでとうございます。第二子のご懐妊が確認されました!」





ちひろ「意味わかんないYO」







モバP「ははは……まゆ、お前はやっぱり外しはしないな。流石だよ……」





まゆ「Pさん……いいんですか?こんなに辛い目にあったばかりなのに……」





モバP「確かに辛かった。すごく……でも、それを忘れていけるのが母体なのかもしれない。だから、だからその……」









モバP「つっ、次はユニットを組めるくらいに……///」





まゆ「……!今日のまゆは、しょうしょう荒っぽいですよぉ!」ガバッ





モバP「わっ優しくな……?」





医者「うーむ、部外者はクールに立ち去るとしましょう。依田さん、一杯いかがですか?」







芳乃「この肉体では、お神酒であろうと飲めないゆえー」





医者「これは失敬しました。残念です」







ちひろ「なんなんだこれは……どうすればいいのだ……」







この後のモバPの退職騒ぎは、モバPが依田芳乃という逸材をスカウトしたという事でうやむやとなりました。社長の強権発動でなんとかなっちゃうシンデレラガールズプロダクションは、法治も何もあったもんじゃないワンマン世紀末です。





それから数十年後の十月六日。

まゆとモバP、ともに同じ日に没した。

残された家人たちは、最後まで仲むつまじい夫妻であった、まったくお二人らしいことだと、まるで不幸ではなく、祝うべきことでもあったかのように話している。



おわり





21:30│佐久間まゆ 
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