2013年12月18日

藤居朋「まな板の鯉」

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。

当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
トリップを検索していただければ過去作が読めると思います。


あと今回、タイトルからしてほんのわずかですがエッチな感じです。

前作
大和亜季「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1385/13853/1385301578.html



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385907435

─ LIVEバトル ─

藤居朋「みんなー、今日はありがとぉー!!」

村上巴「次は3日後じゃけぇ!」

若林智香「それじゃあ、また会いましょう!」

『ワァァァァァァァァァッッ!!!』



─ 舞台裏 ─

モバP(以下P)「ともキュービック、LIVEバトルお疲れ様」

朋「はーっ、相手はあのCuプロだから全力出しちゃったわよー」

巴「勝てたとは言っても、まだ練度の低いユニットじゃ、油断はできん」

朋「なぁにー?巴ちゃん怖いのー?」

巴「そんな訳ないわ、朋姐さんに智香姐さんがいれば百人力じゃ」

智香「あははっ、ファンのみんなに元気を送ってれば負けることはありませんよ!」

P「みんな頼もしいな、いずれ来る本気勝負の時も勝ちたいからな。本番の雰囲気を体に慣らしておいてくれ」

3人「はーい」


朋「さて、事務所にもどっ」

グキッ!

朋「っんぁ!?」

巴「どうした朋姐さん!?」

朋「あ、足挫いちゃった・・・ちょ、誰か肩貸して・・・」

P「おいおい、俺の肩に掴まれ。体は資本だぞ?特にアイドルは」

朋「分かってるわよ、すぐに冷やすわ」

智香「氷持って来ました!」

朋「さっすが智香ちゃん!行動早い!」



─ 事務所 ─

朋「くはーっ、やっぱ事務所は第2の自宅だわー。落ち着く」

千川ちひろ「朋ちゃん、だらしないですよ?アイドルたるもの、いつでも自分を偽るものです」

朋「分かってるよー、今日は運が悪いの。足挫いちゃうし」

ちひろ「あー、だからソファで横になってるんですね、その足に付けてる袋は」

朋「当然、氷嚢よ。ここのところ働きっぱなしだし、ちゃんと労わってあげないと♪」

ちひろ「体が資本です。ちゃんと休めてくださいね」

朋「ちひろさん、Pと同じようなこと言うんだね」

ちひろ「まぁ、口癖とかはうつるものですからね。社長の「Oh...」だってプロデューサーさんにうつりましたし」

朋「ははははっ、言ってる言ってる♪」

ちひろ「そうだ、お茶入れますね。朋ちゃんも飲みますよね?」

朋「もちろーん、お願いしまーす」


ちひろ「ちなみに朋ちゃんの今日の運勢はどうでしたか?」

朋「あ、そーいえば見てなかった。今日は朝からずっと働いてたもの」

【ヤフゥ占い 蟹座・・・12位】

朋「ビリだわ、これは怪我して当然よ」

ちひろ「占いも侮れませんね」

朋「占いは今日の指標を作るためにも使えるし、決してインチキじゃないと思うの」

ちひろ「そうですね。それにテレビとかでも占いで一喜一憂する朋ちゃんは評判がいいですよ?」

朋「や、やめてっ!よく素が出ちゃうのよ、占い依存症って言えばいいのかしら」

ちひろ「ふふふっ、そこも含めて朋ちゃんなんですよ」

朋「そうかなー?」


朋「それじゃー、今日はあがりまーす」

ちひろ「はいっ、怪我してるんだから無理しちゃダメですよ?」

朋「分かってまーす」

ちひろ「ホントに分かってるんでしょうか・・・」



─ アパート ─

朋「ははっ、今日はこっちなんだよね」

【表札:P】

朋「合鍵を持てるってのは従妹の特権よねー、Pが帰ってくるまでいろいろやっちゃいましょうか」



朋「・・・さすが心配性持ち・・・掃除はしっかりしているし、洗濯も食器洗いも済んでる・・・」

朋「あ、なんか銃がある。亜季さんの影響かな・・・」

朋「何か残ってないかしら?」

朋「窓でも拭いとく?・・・まだ大掃除にはタイミングが早いわね」


朋「んー、ん?なにこれ?」


1時間後・・・。

ガチャ・・・。

P「ん?誰かいるな、ただいまー?」

朋「おかえりー」

P「朋か、遊びに来てたのか」

朋「んー(肯定)」

P「足は大丈夫か?」

朋「腫れは治まったわ。あとは痛みが引くのを待つだけ」

P「そうか。まぁ俺のベッドで寝てるのはそのためか」

朋「ん(肯定)」


P「それでさー・・・朋、お前何“読んでる”んだ?」

朋「これ?」

【エロ本】

P「ぢょっ!?」

朋「Pもアレよねー、男ねー」

P「悪いかよ」

朋「べっつにー、むしろ安心したかも」

P「え、なんで?」

朋「だって、アタシがちょっとエッチな写メ送っても「はよ寝ろ」だったじゃない!もしかして女性には興味ないホモかと思ったわ!」

P「誰がホモか。一応、俺だって女性には興味あるし、結婚もしたいと思ってる」

朋「へー」

P「エロ本に描かれてるようなことだってしたいとも思ってる・・・」


朋「こんなの?」

【強烈に過激で一方的なシーン】

P「ちょっ、そこまではいかん!!」

朋「へぇー、Pってこんなことしたかったんだー、へぇー」

P「うっ」グサ

朋「鬼畜」

P「うぐっ」グサッ

朋「ド変態」

P「はぐっ」グサササッ

朋「こぉーんなことを例えば由愛ちゃんにやりたいってことねー」

P「そんな訳・・・」

朋「そうだよねー、由愛ちゃん優しいし、献身的だし、独占したくなるわよねー」


─ 女子寮 ─

成宮由愛「クシュン!」

早坂美玲「大丈夫か由愛?」

大和亜季「む、風邪ですかな?」

由愛「冷えてきましたし空気が乾燥してきましたからね・・・温かいモノが飲みたいです・・・」

亜季「ふむ、コーンポタージュでも飲みますかな?」

由愛「お願い・・・します」

美玲「ウチの分も忘れるなよッ!」

亜季「当然であります」


─ Pの部屋 ─

P「確かに由愛は保護したくなるようなタイプの子だけども・・・」

朋「それに最近、妙に美玲ちゃんがPにくっついてるわね」

P「それは・・・うん、やっと心開いてくれたんじゃないかな」

朋「どうかしら?」

P「は?」

朋「これもすべてPの計画で、これから美玲ちゃんを幸せから絶望のどん底に突き落とすんじゃない?」

【絶望という奈落に突き落とすようなえっちぃシーン】

P「んなわけあるかぁぁぁっ!!」


─ 女子寮 ─

美玲「ハクチンッ!!」

由愛「美玲ちゃんまで・・・」

美玲「うぅ、舌噛んだ・・・」

亜季「ん?そうなるとコーンポタージュは止めておいた方が・・・」

美玲「飲む!飲むからなッ!!ウチだけ仲間ハズレなんてゴメンだ!!」


─ Pの部屋 ─

朋「それじゃあ、Pがちゃんと女の子に興味があるって証拠を出して?」

P「ん゛!?」

朋「女の子が好きなら出せるわよね?」

P「当然だ」

朋「ふ〜ん」


P「・・・・・・」


朋「?」


P「亜季ちゃんは正直、体見てこれだ!って思ってスカウトした」


─ 女子寮 ─

亜季「ハクション!!」

美玲「あ、亜季も風邪引いたか?」

亜季「はて、そんな軟な鍛え方はしてないのですが」

由愛「・・・」

亜季「由愛殿も美玲殿も心配しなくて大丈夫ですよ。ちゃんと予防すれば風邪菌なんて敵ではありません」

美玲「お、おう」


由愛「・・・・・・」

美玲「どうしたんだ由愛、ボーッとして」

由愛「揺れました・・・」

美玲「あぁ・・・揺れたな、クシャミで」

由愛「・・・・・・」

美玲「・・・・・・」

由愛「どうやったら大きくなるんでしょうか・・・?」

美玲「さ、さぁ・・・?」

亜季「???」←バスト92


─ Pの部屋 ─

朋「チックショウ!!」←バスト78

P「朋、隣に響くからあまり叫ばないで・・・」

朋「うぅ・・・やっぱり男は胸で選ぶの・・・?」

P「そんなことないから!」

朋「じゃあ、Pが一番最初にスカウトした人は誰よ!」

P「・・・雪乃さん」

朋「やっぱり胸じゃない!!」(雪乃:バスト92)


朋「気に食わないわね・・・でもせっかくだし、Pが雪乃さんスカウトした経緯でも教えてもらおうかしら」

P「ん?俺はこの業界に来た理由はそこそこ話題になったんだがなぁ、知らん?」

朋「知らない」

P「んじゃ・・・俺ってプロデューサーでも年齢低い方なのは知ってるよな?」

朋「ええ、この業界で20代のプロデューサーってPと御三家のプロデューサーの一部ぐらいじゃない」

P「確か一応765のプロデューサーもそうだったかな。まぁ、年齢が高め人がプロデューサーであることが多い」

P「俺は卒業研究をアイドルの育成と題して行なったんだ、そのまま○○プロに来たから若いままプロデューサーになれたんだよね」

朋「へぇ、でもよくそんな研究テーマにしたわね」


P「うちの社長に大学受かった時に会ってね。プロデューサーにならないか、と言われたんだ」

P「当時、朋や家族から散々応援してもらってた俺は大学生を卒業するまでは決められないって言ったんだ」

朋「まぁ、もう学費とか払ってもらってたなら中退なんてねぇ」

P「んで、社長が提示した方法は卒業研究でアイドル育ててみないか?と話を持ちかけられたんだよ」

P「今の社長から職に就いてくれなんて言われたんだ。就職難の今だと大学入る前から内定決まってると言えばかなり美味しい話だったんだ」


朋「なるほどねぇ・・・でも待って、つまり大学生の時に雪乃さんをスカウトしたわけね?」

P「そうだよ、お嬢様学校の近くで張り付いて社長の教えを受けてナンパ術もといスカウトのやり方を教えてもらってた」

P「それで無事スカウトできたのが雪乃さんってわけ」

朋(待てよ・・・それってつまり、Pと雪乃さんはすでに何年もプロデューサーとアイドルの関係・・・?)

朋「で、でもずっと一緒ってわけじゃ・・・」

P「そりゃそうだけど、俺が大学卒業するまではずっと二人三脚だったな。最初は2人ともそこまでノリ気じゃなかったけど、1年してだいぶ慣れた時から俺の手帳は雪乃さんのことだらけ」

P「おかげで、今となっては雪乃さんは○○プロの看板、俺はそこそこ名の売れたプロデューサーだ。でも大学時代は賛否両論だったよ」

P「大学生の身で同年代の女の子を育てられるかー!ってね」

朋「見方変えれば、カップルだろお前ら、って言われてたわけね」

P「・・・そうだね。今気付いた」


朋「ってことはPを手に入れるためには雪乃さん倒さないといけないの・・・」

P「俺を手に入れるって・・・」

朋「当然、結婚的な意味よ。雪乃さんにも言われたんでしょー?プロポーズ」

P「結婚するならヤギ座・・・って目を見ながら言われただけなんだけどな」

朋「どう考えてもPと結婚するって言ってるじゃない!周りの人間が注意した通りになってるわ!」

P「そうなのかな・・・そうなんだろうなぁ・・・」


朋「決めたわ、今日はここに泊まるわ!」

P「どうした唐突に」

朋「Pに一番近い人間はアタシだってことを再認識させてあげる。Pはアタシと結婚するの」

P「やめい、お前もアイドルだろ」

朋「パパラッチに遇ってもPとは従兄妹です、で言い通してやるわ。だから大丈夫よ」

P「うーん・・・う゛ーん゛・・・」


ってなわけで・・・。

朋「ふふっ、いつぶりかしら。こうやって一緒に寝るの」

P「ベッド狭いけどな」

朋「そうねー、前は布団2つ繋げてたものね」



朋「距離、近くなったかな」

P「そりゃ、掛け布団1枚を二人で使うような距離だからね」

朋「違う、心よ」

P「?」

朋「あたしが告白して、それからPはあたしの手を触ったくらいじゃ悩まなくなったじゃない」

P「ん(肯定)」

朋「一度、それ以上のことを経験すると、慣れちゃうものよね」

P「ん」


朋「何事も経験。Pがこの業界に連れてきてくれてホント実感してる。感謝してる」

P「・・・」

朋「だからさ、あたしと・・・」

P「・・・」

朋「その・・・」

P「・・・」

朋「・・・しちゃってくれてもいいんじゃないかなー・・・って・・・」

P「グー・・・」

朋(寝ちゃってらっしゃる!!?)


朋「そうだった、あたしの運勢どん底だった」

P「すぅ・・・」

朋「気持ちよく寝息立てちゃって・・・腕枕ぐらいさせてもらっても罰は当たらないわよね」



朋「おやすみ、P」






次の日・・・。


P「腕がああああああああああああああああああああ!!!?」

朋「・・・朝からロマンチックもないわね」

朋(腕枕って下手すると腕痺れるんだ・・・数時間、血が通ってないってことよね)


P「いってぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!!」

朋(考えないでおこう)

朋「ごめんねP、先に行ってるわ」

P「お、おう。ぅぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉんっ・・・」




─ 神社 ─

朋(雪乃さんや響子ちゃん、芽衣子さんに勝つには私だけの力じゃダメ、神様を味方につけよう)

朋(そう思って、近所で人気の神社にやってきた)



朋「朝早いのに人そこそこいるわね、平日なのに人気なのね」

朋(変装バレないよね?)


カランカラン・・・

朋(お賽銭は5円。もちろんご縁を考えて・・・ここの神社が縁結びの神社とは言ってないけどね)

朋「Pを本気で惚れさせるようなトップアイドルになれますように」

朋(神様、どうか見ていてください、と)


朋(さてと、そろそろ事務所に行かないとね)

「おっと、そこのお嬢ちゃん」

朋「あたし?」

「うんうん、お嬢ちゃん美人だねぇ」

朋「褒めても何も出ませんよ、ナンパなら止めて欲しいんですけど」

朋(一応、神社に合った服装はしてるけど、なんか胡散臭い)

「いやいや、ナンパじゃない×2・・・おみくじ引いていかねぇかって話よ」

朋「おみくじ?」

「このおみくじは当たると評判でね。ただし、1日限りよ」

朋「へぇ」

「1回、300円ぽっきり。こんな時間に神社に来るかわいこちゃんの事だ、気分転換にどうよって話よ」

朋「乗ったわ。1回やらして頂戴」

「まいど!」


カラカラカラ・・・

「おっ、おおおおおおおおおおおおおお!!!?!??!?」

朋「な、何よ・・・」

「こ、これは超運じゃねーか!!」

朋「超運!?何が起こるのよ・・・?」

「俺から説明するこたぁねぇ・・・今日はお嬢ちゃんの日と言っても過言じゃねぇ」

朋「?????」

「自分がやりたいと思ったことやってみな。全部上手く回るからよ」

朋「わ、分かったわ」






朋(超運って何よ・・・私頑張っても吉までしかなかった女よ?何が起こるのよ・・・)






─ 事務所 ─

朋「おはようございまーす」

ちひろ「おはようございます。朋ちゃん」

朋「Pは?」

ちひろ「今、響子ちゃんと巴ちゃんの撮影の方に行ってますね」

朋(ホントに超運なのかしら?)

ちひろ「そんなことより、今日は緊急でLIVEバトルです」

朋「は?」


ちひろ「それがねぇ・・・プロデューサーさんが手違いでチャレンジLIVEバトルを承諾したらしくて、皆に伝えてなくて・・・」

朋「チャレンジLIVEって・・・もしかして・・・」

ちひろ「そう。新宿で△△太さんが司会をやってるアレ。イベントが行なわれる度に誰が呼ばれてるか分からないLIVEバトル、早い話がアイドルの腕試しの場です」

ちひろ「しかも、今動けるのは朋ちゃんだけなのよ」

朋「え、もしかしてソロなの?」

ちひろ「ええ、無茶なお願いだとは思うけど・・・」

朋「うーん、まぁいいわ。1人で戦うのも経験だと思うし、負けても文句はPに言ってね」

ちひろ「では、お願いしますね」



─ 新宿・LIVE会場舞台裏 ─

朋「でもホント・・・超運って何なのよ・・・」

朋(こんな大舞台にいきなり1人で飛び出させるなんて・・・不運としか言いようがないわ)

「藤居朋さん、もうすぐ始まりますよー」

朋「あ、はーい」




朋(チャレンジLIVEバトル・・・、新宿の一角の小さなLIVE会場で行われるアイドルたちの腕試し場)

朋(LIVEフェスティバル前に調整として来る人も多く、小さい会場の中にはアイドルとファンがごった返している)

朋(もちろん、ステージも小さいためダンスユニットとかは人数の厳選などを強いられる)

朋(あたし達○○プロはチアリーディングを取り入れた「ともキュービック」、ダンス全般を取り入れた「エキサイトダンサーズ」がいて、ユニットの人数が少ないとはいえ、場所が不利だったために参加を断念してたらしい)




朋「やっぱり会場内は立ち見客でいっぱいね・・・」


朋(ここの勝敗の決め方は来場者等の投票・・・ルールとしては自分の事務所以外の曲を歌うこと・・・)

朋(どうあがいてもオリジナルと比べられるので、どれだけ自分の歌に出来るかが勝負の境目)

朋(かつてCuプロの今井加奈ちゃんがおよげ!たいやきくんを熱唱し、自らのドジっこな部分と曲調がなぜかマッチしたのが原因でぶっちぎり優勝したことがあった)

朋(その大会ではかのニュージェネレーションとミステリアスアイズがいたらしいけど、成果はボロボロだった)




朋(あたしは・・・勝てるかしら)





「さぁ、始まりました!チャレンジLIVE!司会はお馴染み△△太でお送りしますゥ!」

『ワアアアァァァァァァァァァァッ!!』

「今回はいろいろと予算ぶっぱして、メンバーが豪華です!まず最初は・・・」




朋「・・・超運なんて知らないわ。いつも通り、Pやトレーナーさんが教えてくれた通りやればいいの」



「次!○○プロから初参戦!藤居朋ちゃーん!!」


朋「はーいっ!!!みんなー!よろしくねー♪」

『ワアアアァァァァァァァァァァッ!!』


「そして最後だ!これは正直どうかと思うんだよなぁー」

『もったいぶるなー!』
『誰が来たんだー!』

「待って待って!じゃあ呼ぶよ!・・・シンデレラガールズのお2人だぁぁぁ!!」


朋「・・・・・・・・・はっ?」



十時愛梨「十時愛梨でーす、今日はお願いしまーす♪」

神崎蘭子「・・・今日は我が覇道の礎となる日ぞ!盛大に祝うがいい!(こんなに集まってくれて、私たち感激ですっ!!今日のことは忘れません!)」


朋「うっそでしょ・・・?第1回と第2回のシンデレラガール・・・?早い話がいきなりラスボスじゃない・・・」


「LIVEの順番はくじ引きだ!さぁ、アイドルの皆は順番にくじを引いていってくれ!」




朋(あたしの順番はなんとトリだった)



朋(シンデレラガールズと直接対決できるともあって、アイドル側の熱狂っぷりもすごかった)

朋(パフォーマンスでジャンプの際、2mはゆうに超える跳躍を見せたアイドル)

朋(ステージだけでなく、なんと外の観客のもとにまで行くアイドル)

朋(凄い激しい戦いだった。これがチャレンジLIVE・・・)



朋(そして、シンデレラガールズ・・・)


愛梨「おーねがい♪シーンデレラ♪」

蘭子「夢は夢で終われない♪」



朋(シンデレラガールズは全体のうち、真ん中ぐらいの順番で歌った。歌った曲は音楽業界がアイドル業界のために作った通称:課題曲・・・「お願い!シンデレラ」・・・)

朋(選曲はまさしく完璧だった。誰もが合いの手を知っており、誰もが知ってるアイドルたちと一つになれる時、ファンは瞬く間に一丸となった)

朋(まさしく、最強のユニットが王道中の王道を跋扈する状態・・・あたしに勝てって方が無理だった)





・・・・・・。



朋「あたしの出番ね」


朋(でも緊張はほどほどに。あたしはあたしなりに歌えばいいだけ・・・勝ち目は無くとも・・・誰か1人でもファンの心を掴めば・・・)

朋(衣装は当然、最新作であるフォーチュンスター。選択した曲は足の怪我もあり、動きの少ない曲を・・・ヒラハラ アヤカさんの曲「Jupiter」を選択した)



「そしてぇ、ラストの朋ちゃん!カモーン!!!!」



朋「すぅ・・・・・・」


朋(大きく深呼吸して、周りを巻き込むように歌い始めた)




朋「Every day I listen to my heart...♪」

すぐに感じ取れた。先ほどまでこのステージでシンデレラガールズに少しでも追いつこうとしたアイドルたちの熱意が

朋「ひとりじゃーない♪」

“動”の曲だけが舞っていたのが。でも今は私が“静”の曲を歌ってるのが手で取るように分かる

朋「深い胸の奥で・・・♪」

自分の奥底からすごい力を感じてる。すべてを掌握したような・・・

朋「つながっている・・・♪」

これは何だろう・・・




─ 事務所 ─


ちひろ「すすすすすすごいですよ!!!電話が止みませんよ!!!」

相原雪乃「確かにすごいですね、先ほど号外もらってきました」



【○○プロの藤居朋!シンデレラガールズを一人で完膚無きまでに叩きのめす!!】

【大正義シンデレラガールズの敗北!魔境チャレンジLIVEの洗礼を受ける】





ちひろ「はい!お電話ありがとうございます!○○プロダクションです!え・・・藤居朋の撮影をしたい!?申し訳ありません、今予約がいっぱいでして・・・」

雪乃「・・・・・・」

Pipipipi...!!

雪乃「お電話ありがとうございます。○○プロダクションです。藤居朋のインタビューですか?現在藤居のインタビューは予約がいっぱいのため取れません。日を置いてまたお電話ください」

ちひろ「ゆきのサァン・・・ありがとうございます」

雪乃「いえ、朋ちゃんが頑張ってくれたのですから、可能な限りサポートしますわ」

ちひろ「ブワッ」



ガチャ・・・

朋「た、ただいま・・・」

ちひろ「朋ちゃん!!おかえりなさい!!」

朋「マスコミの数やばい・・・」

雪乃「お疲れ様ですわ。紅茶でも飲みますか?」

朋「・・・・・・」

雪乃「どうかしましたか?私の顔に何か」

朋「あ、いや・・・何でもない。紅茶お願いします・・・足が棒なの」


朋(あたしが勝てたのはまさしく奇跡。・・・シンデレラガールズの2人も驚愕の顔をしてた)

朋(神崎蘭子ちゃんはわざわざ私の所に来て、こんな事を言っていた)


蘭子『運命の星の女神よ!本当に素晴らしかった!これからの戦を願い戦いの神のご加護を!(藤居朋さん!すごく良かったよー!また戦いましょうね、次は負けませんよ!)』


朋(宣戦布告されてしまった・・・これはPの心配を増やさせちゃうかな・・・)


朋「それよりも」

雪乃「なんですかその紙?」

朋「朝にねー、おみくじやったら出たんですよ。超運だって。今日の勝利もこれのおかげかな?」

雪乃「へぇ・・・」

朋「もしかしたら今なら雪乃さんにも勝てるかも!雪乃さん、勝負しましょ!」

雪乃「え、ええ。この後レッスンですし、トレーナーさんに見てもらいましょう」


雪乃(超運・・・?)




朋(雪乃さんとの勝負。ジャッジとしてはトレーナーさんだけでなく海ちゃんや伊吹ちゃんもやってくれた)

雪乃「参りました。強くなりましたわね」

朋(結果は・・・あたしの勝利)


朋(嘘みたいだった・・・だが、同時に超運を信じ切ってしまった)



朋(今日なら・・・Pも・・・)




─ アパート・Pの部屋 ─


時刻は23時半・・・。

ガチャ・・・。

P「おや、朋か・・・来てたのか」

朋「おかえり・・・P、遅かったわね」

P「ははは、今日の朋は凄かったね。おかげで俺にもインタビューが来たよ」

朋「それで遅かったのね」

P「ああ」

朋(Pの顔は喜びにも疲れにも見えた)

P「どうした、お前もなんだか疲れてるな」

朋「はははっ・・・ねー」

P「なんたって、シンデレラガールズに勝ったんだぞ?」

朋「実感ないよ」


P「ん、何か食べるか?夜食は太る原因だけど、アイスくらいなら・・・」

朋「そんなことより、横に座ってよ」

P「ん?了解」

朋「・・・・・・」

P「どうした?」

朋「ご褒美欲しいかなーって」

P「はははっ、そうか。まぁ、記念品ぐらい欲しいよなー。何が欲しいんだ?言ってみてくれ」

朋「・・・っ・・・」

P「ん?聞こえないぞ」

朋「Pっっっ・・・・・・!!!!」


P「おうっっ!?」

朋(あたしはPを強引に押し倒した)

朋「Pっ・・・!!」

朋(あたしを振り払おうとする右腕は両手で押さえた、左腕は押し倒した際に自分の体で下敷きになった)

朋「P・・・・・・」




朋(感覚で分かる。今、目の前にいる獲物をすべて自分のものにできる)

朋(現に私よりも大きな男性を押さえつけていることに成功している、運がすべてあたしに味方してる)




P「朋、止めてくれ。俺は・・・」

朋「P、好き」

P「くっ・・・」

朋「P、大好き」

P「止めろ・・・」

朋「アイドルとプロデューサーの関係でいたいもんね」

P「そうだ。後悔先に立たず、だ。俺は何度も学んだんだ、俺の立場は絶対ミスを犯しちゃいけない」

朋「でもさ・・・今のPの状況、まな板の鯉ってやつだよね」

P「ぐっ・・・」

朋「ごめんね、P。Pは何も悪くないわ」



朋「誰も悪くない。事務所のみんなも、あたしたちの家族も」

朋「あたしがずっと前にPと付き合っちゃえばこんなことにはならなかった。まさしく後悔先に立たず、よね」

朋「だから・・・」


P「むごっ・・・・・・!!」

朋(あたしは強引に唇を奪った。嫌がってる相手に対して、躊躇なく)

P「んんっ!??」

朋(Pから反撃はなかった。できなかったに近いかもしれない)

朋「P・・・しゅき・・・」

朋(あたしが従妹だから、あたしが自分が育てたアイドルだから、今日強敵ユニットを倒して明日からあたしが人目に触れることが分かってるから)

朋(暴力で解決できない、唇を封じたから会話で解決できない)


朋(あらゆる条件が・・・Pの四肢を奪った。まさしくまな板の鯉)


朋「ぷはっ・・・」

P「けほっ・・・けほっ・・・」

朋(あたしはわざと唇を離した。Pは息をするために口を開けた)

朋「Pっ・・・」

P「朋やめ」

朋(間髪入れずに再び唇を塞いだ。次は舌も強引にねじ込んだ)

P「!?!?」

朋(Pは舌をどこかに逃がそうとしたけど、あたしの舌を噛まないようにするので精一杯。すぐに絡められた)

P「と・・・も・・・んっ・・・」

朋(粘膜と粘膜をこすり合わせるのは首から足の付け根までに電流が飛ぶほど気持ちよかった)

朋(罪悪感からか、高揚感からかは分からないけど、没頭させるには十分だった)


・・・・・・。

朋(ディープキスして30分以上が経った。Pは目を瞑ってもうこちらが満足するまで受け入れ状態のようだった)

朋「・・・んんっ・・・ちゅふ・・・」

朋(腕に力も入れてなく、あたしは頭に抱き着くように手を回した。もう逃げられない)

P「・・・ん・・・」

朋(・・・ほんの少しだけ乗り気なの?時々、こっちの舌を頭を撫でるかのように優しく触れてくる)

朋(ダメだよ、P。エスカレートしちゃうんだから)

チュッ

朋(唇でのキスをして体を起こした)


P「朋・・・満足したか・・・?」

朋「・・・全然」

P「まだ・・・やるのか?」

朋「違う、そっちじゃない」

P「?」

朋「ずっと・・・お腹の奥にある欲望・・・取り除くだけだから」

朋(Pのベルトに手をかけた)

P「バカッ!それ以上はやめろ!!」

朋「嫌っ!あたしはPとっ・・・かはっ・・・!?」

バタッ・・・。

朋(なにが・・・体がうごか・・・)

そのまま意識は飛んで行ってしまった。

次の日・・・。

─ 事務所 ─

雪乃「昨日は災難でしたね」

P「いやぁ・・・うん。朋の気持ちを放置してたのは・・・俺ですから」

雪乃「私が朋ちゃんがおかしいと感じてなかったら、今頃は刑務所の中ですね」

P「鍵屋まで使ってもらって、スタンガンで傷ひとつなく解決してもらえるなんて」

雪乃「防犯グッズにハマってまして・・・ふふっ、Pさんを守る最強のお姫様になれましたか?」

P「いやはや・・・亜季ちゃんが雪乃さんにいろいろ教えてるおかげかな」


ガチャ

朋「おはようございまーす・・・」

美玲「おはよう。なんだか疲れてるみたいだなー」

朋「ああ、うん。昨日の夜のこと全部忘れちゃったみたいなのよ・・・」

美玲「お酒でも飲んだか?未成年の飲酒は禁止だぞッ!」

朋「飲むわけないじゃない、Pに怒られるもの」

朋「あ〜あ!一日限りの超運がもったいない!」


雪乃「朋ちゃん、忘れてくれたみたいですね」コソコソ

P「何かの拍子に思い出さなければいいですけど」コソコソ

朋「なに、こそこそ話してるのよ。雪乃さんと近すぎ」

P「いや別に変なことは」

朋「ダメよ、兄貴分の性の乱れはちゃんと監視させてもらうわ。いくら雪乃さんと長い年月過ごしてるって言ってもね」

P(お前が言うか)



朋「それで、今日はPとあたしと一緒に仕事するんでしょ?シンデレラガールズ倒したからインタビューが〜って聞いたわよ」

P「それがちひろさんが頑張って、全部インタビューは事務所でやれるようにしちゃったみたいでな、俺は芽衣子と岩手で撮影に行かなきゃいけないんだよ」

朋「えぇ〜?そんなぁ!!」

雪乃「ふふっ、今日のPさんは鉄の精神で挑まないといけませんね♪」

P「・・・はいっ!」

朋「むぅ」


並木芽衣子「なになにっ!?今日は私とプロデューサーが一緒に仕事なのー?」

雪乃「そうみたいですわ。岩手だそうです」

芽衣子「やったー♪プロデューサー乳搾りしよ!」

P「乳搾り!?」

芽衣子「なんで驚くのかなー?岩手ってことは牧場行くんじゃないの?」

P「あ、牛の・・・」

朋(さすがパッション・・・勢いで勘違いさせてる)


芽衣子「あっ、そうそう。さっきさー、おみくじ屋さんがあってやってきたんだけど、ジャーン♪」



【超超超超超超超運】





芽衣子「これってさー、すごいってことなんだよね!さすがに超がいっぱいあると判断困るよー♪」


雪乃「       」
朋「       」


P「分からないけど、今日は絶好調なんじゃないかな?」

芽衣子「そうだよねー、きっと仕事終わって、いろいろお店とか寄れるんだよっ!」

P「んじゃ、早めに仕事場に行こうか。そのおみくじで運使い果たしてなければいいけど」


雪乃「ダメです!Pさん、芽衣子さんと一緒にいては!!」

朋「何かすごい嫌な予感がするから待ってP!!!」





次の日の朝刊は765プロ全員のアイドルたちを相手に1人で勝った並木芽衣子の記事でいっぱいだった・・・。


終わり

以上です。読んでくれた方はありがとうございます。

「まな板の鯉」とはまな板に乗せられた鯉のように、自分の力ではどうすることもできず、
相手からただ調理されるのを待っているしかない状態という意味です。

今回は悪役が悪役になる瞬間を参考に作ってみました。
焦ったり、土壇場な人が急に力を得てしまうと人間が変わる、そんな感じが伝わればいいかなと思ってます。
あとは、ちゃんとアイドルしてたり、他の回のことわざ使ったり頑張ってみました。

さて、次回は

・杉坂海「七転び八起き」

です。その次の回に

・西川保奈美「男子三日会わざれば刮目して見よ」

のどちらかを予定しています。

また、使って欲しいキャラクター、ことわざ等あれば言っていただければ考えます。
再メインも望まれたら無い頭で考えて絞り出そうと思います。

ではまた。
チラ裏

当シリーズをSS wikiに書こうかと思います。
粗末な作品ではありますが、まとめてあると読みやすい、読み返しやすいかなーと。

あと、ガチャでお嬢と由愛ちゃんを同時に出されたのが驚き。運営でこのシリーズ見てくれてる人いるのだろうか・・・。

18:30│藤居朋 
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