2013年12月23日

モバP「原田美世をシンデレラにする」

モバマスSS

美世!誕生日おめでとう!結婚しよう!

誕生日なのに長くて暗い話ですまんの


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384354819

美世「…不審者の出没情報?」
P「そう。うちの事務所が入ってるビルの周りで」
美世「へぇー」
P「へぇー、じゃない。もっと危機感を持ちなさい!」
美世「ごめんごめん!でもさぁ…」ニコニコ

美世「あたし達も有名になったんだなって!」

正直…俺も同じことを考えてたり。
入社して、一年は雑用、それからも先輩Pのアシスタント…
美世は俺が初めて一人でプロデュースを手掛けたアイドルだ。
そんな彼女が最近ではTVでも見かけるようになるまで成長した。
うちの事務所はあまり大きくないから、売れっ子の部類だ。
『売れる』って事はたくさんの人に見てもらえるってことで、
ファンレターなんかも順調に増えてきてるんだが…
同時に変な輩まで呼び寄せてしまう。
P(嬉しいけど悩ましいな…)
P「とにかく、気を付けること。分かったか?」
美世「はーい。あたしは車通勤だから、大丈夫だと思うけどねっ!駐車場はビルの地下だし」
P「それでもコンビニ行ったりで外には出るだろ?」
美世「あ…」
P「…外出るときは、絶対に!俺に声をかけるように」
美世「…それって、一緒に買い物行ってくれるってこと?」
P「嫌かよ」
美世「まさかー!すっごく嬉しいよ!」ニコニコニコ
P「ま、今日はもう遅いし帰りなさい」
美世「えー。でも今日は…アレがまだだよ?」
P「アレ?」
美世「そう。ア・レ♪」
P「ああ…」スッ

P「ほら、ファンレター」バサー
美世「わー♪この前より増えてるねっ!」
P「レインドロップスのイベントもあったしなぁ」
美世「だねっ!ホラ、これ見て!」
美世「『唯ちゃんと珠ちゃんのお姉ちゃんみたいな美世ちゃんがだいすきです!』だって♪」
P「ま、実際には美世も結構抜けてるんだけどな」
美世「えっ…ひどくない?」
P「ははは。ま、それ読んだら帰れよ」
美世「はーい!」

美世「イヤフォン付けてー…っと」
スイッチポチー
美世「もう伏目がちな 昨日なんていらない♪」
美世(ふふ)
美世(嬉しいな…あたしなんかに、ファンがいてくれるなんて…)
美世(クルマの整備をしてた時も楽しかったけど)
美世(かわいい服を着て…)
美世(いい仲間に恵まれて…)
美世(…すてきなプロデューサーさんが居て…)
美世(あたしアイドルのお仕事…ほんとに楽しいっ!)

美世(あ…もうこんな時間だ)
美世「Pさん、まだいるかな?」ガチャッ
P「………………」
美世(すっごく集中してるみたい…)
美世(差し入れ買ってこようかな?)
美世(って、一人で外出しちゃダメだった)
美世「…帰ろう」
<ビル 地下駐車場>
美世(…改めて駐車場を見てみると…)
美世(結構暗くて怖いんだよね…)
美世(古くて小さいビルだから、クルマも少ないし)
美世(び、ビルの中にまで変な人いないよね!?)
美世(うぅ…やっぱり戻ってPさんと一緒に)

男「あのぉ…」
美世「キャァッ!?」

男「!!!」
美世「すすすすすいません!」
美世(髪はボサボサ…服もヨレヨレ…も、もしかして)
男「あ…アイドルの原田美世さんですよね?」
美世「は、はいそうです!」
男「ぼぼぼぼぼ、ぼく」
美世(どうしよPさん…助けて…!)

<その頃事務所>
P「あ」
ちひろ「どうしました?」
P「美世に渡す…資料があったの、忘れてました」
ちひろ「あらあら。急ぐんですか?」
P「そうでも無いんですけどね。まだ残ってるかな…」
ガチャ
P「ありゃ、居ない」

男「ぼく、ぼく…」

男「…僕、美世ちゃんのファンなんです!」キラキラ
美世「…へっ?」
男「たまたま買ってた雑誌に載ってたんですけど」
男「レインドロップスのグラビア見て、すごい可愛い子だなって!」
男「歌番組も見て、やっぱり美世ちゃんいいなぁって」
男「そしたら会社のビルに入ってる事務所の所属だって聞いて!びっくりして!」
男「あ、俺上のフロアの会社に務めてるんです」
男「このビルぼろいし、まさかあの事務所に美世ちゃんがいるとは思いませんでした」
男「会いたいけど会いに行ったら迷惑だろうし…」
男「あきらめてたらまさか駐車場で会えるなんて!」
男「いやー徹夜もしてみるもんだな!ははは!!」
美世「…はぁ」

P「どーすっかなー」
ちひろ「まだ駐車場にいるかもしれませんよ?」
P「うーん…」
P「ま、いっか。明日で」

男「あ、すいません!おれ…僕、興奮しちゃって」
美世(ハッ)
美世「いえ、いいんです!嬉しいなっ、こんなに近くにファンがいるなんて!」
美世「あ、良かったらサインしましょうか?」
男「いいんですか!サインもらえるんですか!やったーーーーーー!」
美世「ふふ、サインの練習もしたからね♪」サラー

男「それじゃ、これからもがんばって!」
美世「ありがとう!お仕事がんばってね!」
男「ウッヒョー!」

美世(ふふ…あんなに喜んでくれてる)スタスタ
美世(なんだ、変な人なんていなかったんだ!)
美世(きっとさっきの人があんな格好でウロウロしてたから、勘違いされちゃったんだ…)
美世「う〜ん…あたしの愛車、何度見ても赤い流線型ボディがカッコいいねっ!」
美世「ロックを解除してっと」
ガチャッ
バタン
美世「…あれ?」
>>7
ありがとう!
次からそうします
男『いやー徹夜もしてみるもんだな!ははは!!』

美世(あの口ぶりだと、しょっちゅう徹夜してる訳じゃなさそう)

男『会いたいけど会いに行ったら迷惑だろうし…』

美世(あんな事を言う人が、あやしまれるような行動をするかな?)

美世(しかも自分の会社の近くを?)

美世「は、はやくクルマを…」ガタガタ

ガチャッ

?「こんばんは」

美世「!?」
美世(助手席の扉が…!)

美世「あ…」

?「……………」

美世(さっきの人じゃない…しらない、ひと…)

?「みつけた…」ニタァ

美世「!!!!!」

美世(早く、クルマを出さなきゃ!)

美世(駄目、手が震えて…)

?「おっと」

美世「いやぁ!!!!」

美世(右手が…!)

美世「は、はなして!」

男「だめでしょお?せっかく会えたのに…」

美世「くっ…!」

美世(左手で運転席の扉を開けて…外に!)

男「だからダメだって」グイ

美世「いたい!」

美世(助けて!誰か…)

美世(Pさん!!)
P「…あー…うーん」

ちひろ「ふふ。やっぱり、気になりますか?」

P「そうですね。ちょっと駐車場見てきます」

ちひろ「行ってらっしゃい」

P「はーい」
美世「な…んなんですか、あなた!」キリギリ

男「うふふ。美世ちゃんに会うために色々調べたんだ」

美世「はなして…!」

男「雑誌で見たときからずっと…会いたかったんだよぉ…」

美世「もう、なんなの!」

美世(服も時計も高そうだし、身だしなみも整ってるのに)

美世(さっきの人と全然違う…こわい…)

男「ひひっ…」

美世(ずっと独り言みたいに…あたしの声なんか耳に入ってないの?)

美世(何より、目がこわい…)

美世(あたしのことずっと見てるのに、あたしの事全然見てないんだもん…)
P「うおっ。ここの階段滑りやすいな!」

コツコツコツ

P(資料って言うか、ファンレターの渡し忘れなんだけどな)

P(…美世、喜ぶかな)
美世「やだっ…はなして、はなしてよっ!」

男「うふふふふ」

美世「はなしてったら!」

男「ねんねしやすい様にシート倒そうねぇ」

美世「きゃぁっ」
ガチャ

P「と、いう事で駐車場まで来た訳ですが」

P「美世のクルマって…どこらへんに停めてたっけ」
美世「いったぁ…頭ぶつけた」

男「美世ちゃんかわいい…かわいいよぉ…」

美世「きゃあ!ど、どいてください!」

男「うふふ」

美世「重い…!どいてったら!」

美世(どうしよう…背も力も、全然敵わない…)

美世(そ、そうだ!)


男「美世ちゃん、ちゅーしよっか」
P「お、あるじゃないか。…赤いから遠くからでも目立つな」

P「…あれ?でもライト点いてない」

P「そもそもエンジンがかかってないっぽいし」

P「まだビルの中にいるのか??」クルッ
美世「!?い、いやっ!絶対にいやっ!」

男「はい、こっち向いて。ちゅー」

美世「やだ!やだったら!」

美世(爪が顎に食い込んで…いたい!)

美世「こ…っのぉー!」キック!
P「んー。どこ行ったかな」バタン

P「買い物…は、禁止したし。トイレか?」

P「だったら声かけ辛いし…そもそもどこのトイレにいるか分からんs」


ビビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!


P「なんだ!?」クルッ

P「いまの…クラクションか?」
美世(やった…!)

男「…悪い脚だねぇ」バシッ!

美世「いたっ!で、でもすぐに誰か来るから!」

男「来ないよ。この時間に出勤してくる人間はいない」

男「警備員の見回りは2時間後」

男「あの安い監視カメラじゃあ、クルマの中の様子までは分からないだろうしね」

美世「そんな…!」

美世(そこまで調べてるなんて…それに、急に普通の話し方になったのもこわい…)

美世(…ううん、諦めちゃだめ)

美世「来るよ!」

美世「Pさんが来てくれるよ!」
P「…聞き間違い?じゃ、ないっぽいな」

P「間違って押した、にしては長かったし」

P「…イタズラ?」

P「うーん…」

P「うぅーん…」


P「…上に戻るか」クルッ
男「馬鹿みたい。ここから上の事務所まで聞こえるとでも思ってるの?」

男「君のプロデューサーの帰宅時間まであと1時間近くあるよ」

男「少なくともここ一週間、今の時間に帰ったことはない」

男「来週の君のスケジュールから言って、今週はずっと遅いだろうね」

男「それでも、来ると思ってる?」

美世「それでも、来ると思ってる)


美世(そうだよね?)

美世(信じていいんだよね?)


男「馬鹿みたい」バシッ

美世「きゃぁっ!」

男「悪い子には」バシッ

男「おしおきだよ」バシッ
バシッ
バシッ
バシッ

美世「うぅ…」

バシッ

美世「あたま、たたかないで…」

男「じゃあ顔にしようか」

パァン!

美世「!!!」
美世(顔なんて…叩かれたこと無いよ…)

男「アイドルの顔なんか叩かせないでよ。価値が下がるでしょ?」

美世「…ひくっ」

男「大人しくなったね。いい子だよ…」

男「ごほうびにちゅーしてあげようねぇ…」
美世(あたし…こんな奴とキスするんだ…)

美世(きっと…それ以上の事も…)

ゾクッ

美世(ごめんね、Pさん…)

美世(もっとあなたと、アイドルの道を走っていきたかったな…)


ガチャッ


警備員「何してる!!!」
警備員「お前…離れろ!!」

グイッ!

男「…!」

警備員「オラァッ!」

ドサッ!

美世「あ…」

美世(た、たすかった…!)

P「美世!」

美世「!!!Pさん!」

P「はぁ、はぁ…だ、だいじょうぶか!?」

美世「うん…うん!」ポロポロ

警備員「犯人は押さえました!警察は!?」

P「呼びました!すぐ来ます!!」
P「クラクション鳴らしたの、お前だろ」

美世「うん!」

P「やっぱり。お前を探しに、駐車場から上に戻ろうとしたら聞こえてきたんだ」

P「聞き間違いかと思ったけど、どう考えてもお前のクルマの音だったし」

P「お前に何かあったってすぐに分かった」

P「本当はそのまま駆けつけたかったけど、俺一人じゃ助けられないかもしれないと思った」

P「相手が何人かも分からないしな」

P「それで、まっすぐ警備員室に向かったんだ」

P「警備員さんに聞いたら、何分か前にお前のクルマに誰かが乗り込んだみたいだって」

P「不審者の話もあったから、すぐに来てもらったんだ」

美世「…!」コクコク

P「美世…!?頬が赤い…叩かれたのか!?」

美世「顔は…一回だけ」

P「他には!」

美世「体と…頭は、何回か」

P「…!」ギリッ
P「遅くなってごめんな…」

美世「わかってたから」

P「え?」

美世「Pさんが来てくれるって。あたし、わかってたから」

美世「だから、だいじょうぶ」

P「美世…」


男「馬ッ鹿じゃねぇの?」
男「てめぇが来たのは偶然駐車場に来たからだろ?」

男「そんな都合のいい話、そうそうあるもんじゃねぇ」

男「でも…そのビッチとヤりてぇと思ってる奴は、俺だけじゃねぇはずだぞ」

美世「びっち…」

P「お前…何を!!」

警備員「おい、黙れ!」


男「ビッチだろうが!あんな薄着で写真なんか撮らせやがって!!」

男「ビッチ!クソアマ!淫売!」

男「てめぇみたいば売女、ヤってもらえるだけありがたいと…」

P「黙れ!」

ガッ

男「ぐっ!」

P「この野郎…殺してやる!」

美世「やめてPさん!」
P「はなせ、美世!」

美世「やだ!」

美世「ころすとか言わないでよ!」

美世「もう痛いのも、怖いのも…やだよ」ポロポロ

P「…美世…」

警備員「…Pさん。そろそろ警察も来るでしょうから、外で誘導をお願いできますか。美世さんも」

P「…はい。美世、立てるか?」

美世「うん…」



男「忘れんな。てめぇがいつでもそのアマを助けられるわけじゃねぇんだ」


警備員「…」

男「ってぇ!」

P「行こう」
けたたましいサイレンと共に、パトカーと救急車が到着した。

美世はひとまず病院で治療を受けることになり、

残った俺や警備員さんが警察の聴取を受けた。

犯人は無事逮捕された。

調書を取るために俺は警察署に行き、解放されたのは深夜。

救急車に同乗したちひろさんからの電話によると、美世の怪我は軽傷らしい。

ちひろ『何度か頭を叩かれたようで、念のため明日精密検査をするみたいです』

P「…そうですか」

ちひろ『私も一旦帰宅しますから、Pさんもおうちで休んでくださいね」

P「はい」

疲弊していた。頭も体も。

俺もちひろさんも分かっていたが、お互い何も言わなかった。

家に帰ったところで眠れやしないこと。

明日から、地獄のような日々が始まること――
翌朝。

いつもより一時間早く出社すると、すでにちひろさんがいた。

ちひろ「おはようございます。早いですね」

P「おはようございます。ちひろさんこそ…」

プルルル
プルルルルルル

ガチャッ

ちひろ「いつもお世話になっております」

ちひろ「…ええ、その件につきましては後程発表を…」

受話器の向こうの相手には見えないはずなのに、ちひろさんは笑顔を浮かべる。

その目元にはクマが浮かんでいた。俺と同じで。

P(あ…)

P(ちひろさんも、同じの買ったのか)

なんだか無性に苛立たしくて、デスクの上に買ってきた新聞を叩きつけるように置く。


『アイドル原田美世、暴漢に襲われる!!』
俺達がまず最初に着手したのは、今回の事件の経緯を説明するための文面を考えることだった。

マスコミ各社にFAXを送ってからは、電話攻勢は多少収まった。

駐車場で男に襲われたこと。

数回殴られたこと。

警備員が駆け付けて、男は取り押さえられたこと。

男は既に逮捕されていること。

美世は検査入院中であること。


『警備員が駆け付けた』『犯人は逮捕済み』

この文言から、殴られた以上の事はされていないと匂わせたつもりだ。

P「直接聞かれたら…?」

ちひろ「正直に、何もされていないと答えれば良いだけです」

ちひろ「…各社の報道次第で、視聴者の解釈は変わるでしょうが」

FAXは俺が送った。

電話機が紙を飲み込んでいく様子をぼんやりと見ていたら、頬を熱いものが伝っていった。
関係者への対応で、午前中はあっという間に過ぎた。

俺には美世の他にも何人か担当アイドルがいたが、そちらは同期のPに手伝ってもらえることになった。

ちひろ「検査、午前中に終わるみたいです」

ちひろ「Pさん、病院に向かってもらえますか?」

P「はい!」
<病院>

医師「正式な結果が出るまでには二、三日かかります」

医師「ですがとりあえずは、安心して良いでしょう」

医師「もともと手ではたいた程度ですし、怪我も軽傷です」

医師「ご希望であれば、退院して頂いて結構ですよ」

P「ありがとうございます!」


ガラッ

P「…美世…」

美世「あっ、Pさん!」

美世「遅いよ、もー。雑誌も何にもないからさー、ヒマでヒマで!」

美世「結果、聞いたでしょ?早く帰ろう♪」

P(元気そうに見えるけど…)

P(…目、腫れてる)

P「あぁ、帰ろう。途中で飯食って行こうか」

美世「やった!Pさんとランチ〜♪」
<事務所>

ちひろ「…はぁ?」

美世(ビクーッ)

P「ですよね!無理ですよね!」

ちひろ「無理です。ランチ代を経費で落とすのと同じくらい無理です」

P(ビクーッ)

美世「…Pさぁん…」

P「だから言っただろ?」

P「今日はレッスンは無し。安静にしてること!」

美世「でも…」

美世「来週はソロライブがあるのに…」
ソロライブと言っても、ソロCD発売記念のミニイベントだ。

応募者の中から抽選で、100名を招待している。

来週のソロCD発売及びミニライブに関しては、延期するかどうか大いに悩んだ。

しかし予定通り開催することにした。

発売日まで、一週間を切っていること。

事件後すぐにライブを行うことで、暴行が軽いものだったと印象付けられること。

そして。

P(今なら、取材が増える)
人気が出て来たとはいえ、CD発売とミニライブ程度ではマスコミも集まらなかっただろう。

TVに取り上げられたところで、一瞬だけ紹介されて終わった程度のはずだ。

P(でも、あの事件が報道されてしまった今であれば…!)

美世も発売延期を嫌がったのが、救いだった。
P「歌うのは2曲だし、今まであんなに練習したんだ」

P「…あんなことがあった後だ、少し休んでいなさい」

美世「でも…」

美世「あたし、なんともないよ!すっごい元気だよ?」

ちひろ「………」

P「…はぁ」

P「…ボイストレーニングだけだぞ」

美世「!」

P「ダンスは検査の結果が出てから!」

美世「…はい!」

P「よし。じゃあ送っていくから、支度しろ」

美世「はい!!」バタバタ
P「では、美世を先生のところまで送ってきますね」

ちひろ「いってらっしゃい」

ちひろ「…美世ちゃん、じっとしてると不安なんでしょうね」

P「…そうだと思います」

P「大丈夫です。俺が…」


男『忘れんな。てめぇがいつでもそのアマを助けられるわけじゃねぇんだ』


P「…ッ!」

ちひろ「どうしました!?」

P「いえ…大丈夫です、俺が美世を支えますから!」バタン

ちひろ「あ…」

ちひろ(Pさんは一生懸命だし、美世ちゃんはPさんの事信頼してるけど…)

ちひろ(このままで…いいのかしら)
P「それじゃ、がんばれよ。あとで迎えに来るから」

美世「ありがと♪それじゃいってきまーす!」

にこにこと手を振る、美世はいつもと変わらないように見える。

でも…
美世『かわいい衣装なんか、似合わないよ…』

美世『ひとり暮らしって、ちょっと寂しいときあるよねっ』

美世『モデルなんて初めて…き、緊張してきた。Pさん!ほぐして!!』


美世『あたし、なんともないよ!すっごい元気だよ?』


P「なんでこんな時だけ、素直じゃないんだよ…」
<事務所>

P「ただいま帰りましたー」

P(美世を迎えにいくまで、まずは…)

?「Pちゃーーーーーーーーーん!!!」ガバッ

P「うおっ!」ヨロッ


P「…唯!」
唯「Pぢゃあああああああああん!」ボロボロ

P「あああああああああんスーツに染みが!」

?「P殿!」

P「珠美!すまん、小さくて見えなかった」

珠美「な!なんということを!」
P「二人とも、どうしたんだ」

唯「美世ちゃんのこと聞いたの。ゆい、心配で…」

珠美「珠美もです。その場に珠美がいれば、そのような輩など叩き斬ってやったものを!」

P「竹刀で?」

珠美「………」

唯「うぅ〜…」ボロボロ

P(唯…こんなに泣いて…)

P(…美世も、こんな風に素直になってくれればいいのに)

P「心配してくれて、ありがとな」

P「でも大した怪我じゃないし、美世はもう退院したよ。今はボイトレに行ってる」

唯「…ほんとに?」

珠美「美世殿…今日からレッスンなんて。珠美も見習わねば!」
CoP「いきなりいなくなるな珠美!おしおきされたいのか!」

珠美「ひっ…CoP殿!」

PaP「唯、アメちゃん買ってきたぞー」ピカー

唯「まぶし…あっ、PaPちゃん!」

P「め、目が…あぁ、お前たち。今日は悪かったな…」

PaP「ま、仕方ないだろ」

CoP「気にすんな。美世が居ない分うちの珠美が活躍したしな!」
今日はレインドロップスがゲスト出演するラジオの収録日だったのだ。

美世のCDの宣伝も兼ねていたのだが…美世が検査のために、出られなくなってしまった。

ラジオ収録の欠席をはじめ、美世以外の俺の担当アイドルの面倒に関しても、CoPとPaPは快く引き受けてくれた。

PaP「同期なんだし、困ったときは助け合うのが当然だろ!」ニカー

P「なんて眩しい笑顔なんだ…!ホント、ありがとな!」
CoP、PaP、そして俺は同期としてこのプロダクションに入社した。

正直…何度か会社を辞めて転職を考えたこともあるが、

それでも今俺がこうしてプロデューサーをやっているのも、

こいつらのお陰だと思っている。

『もし、俺たちがアイドルを担当できたら』

飲み会になる度に繰り返した言葉だ。

『ユニットとか、組めたらいいな』

だからレインドロップスの案が通ったときは、本当に嬉しかった。
美世、唯、珠美。

てんでバラバラの三人だけど、これが上手くハマった。

小柄でいつも真っ直ぐな珠美は、子供たちに。

お洒落でとびきり明るい唯は、同世代の女の子に。

そしてそんな二人のお姉さん的存在で、スタイルの良い美世は男性を中心に。

それぞれ人気を博していった。

グラビアも好評、レインドロップスのCD売り上げも順調に伸びて、

メンバーそれぞれにファンがつき、ソロでの活動も増えてきた。

今月の美世を皮切りに、来月は唯、再来月は珠美がソロデビューする予定だったのだ。

そんな、大事な時期だったのに。
PaP「唯、珠美。次の仕事の打ち合わせがあるから、行くぞ」

唯・珠美「はーい」

タッタッタッ

CoP「…美世、本当に大丈夫なのか?」

P「…元気そうには振舞ってるけど…」

P「なぁ、CoP」

P「俺の事、ちょっと襲ってくれないか?」

CoP「!?」
CoP「…すまん、P」

CoP「確かに俺は古今東西のプレイを試した男だ」

CoP「…だが…だが…」

CoP「だが、HOMOだけはどうしても」

P「ち、ちげーよ!あの犯人みたいにって事だよ!」

P「俺男だからよく分かんねーけど、やっぱ自分よりでかい人間に襲われるって相当怖いと思うんだよな」

P「お前、俺より背でかいだろ?」

CoP「ああ…」
P「っ!?」

壁に叩きつけられて、一瞬息が止まる。

背中も痛んだが、それよりも上から覗き込んでくる男が妙に怖かった。

敵わない。逃げられない。

そんな絶望感をひしひしと感じる。

P(美世…こんな目にあったのに、平気なフリなんかしやがって…!)
パシィン!

P「いってぇ!だ、誰が叩けって言ったよ!」

CoP「犯人みたいにやれって言ったのお前だろ!」

P「そうだった!でもそんなに強く叩かなくても…跡になったら…」

P「…ん?なってない」

P「…そう言えば、美世の叩かれたところも、跡になってなかったな」

CoP「ああ…跡に残らないような叩き方ってあるんだよ」

CoP「犯人もそういうのに慣れてる男だったんじゃないか?」

P「…ってことは…まさか、お前も…!」

CoP「ああ…」

CoP「…あの店の女王様は素晴らしかった…結婚と同時に引退するなんてあんまりだ…」

P「^^;」
CoP「ところで、そろそろもういいか」

P「ああ、すまなかったな」

CoP「やれやれ、てっきりみんなに誤解されるお約束的展開かと…」

珠美「………」

CoP「………」

P「………」
珠美「………」ソッ…

CoP「珠美」

珠美「…!」

珠美「ち、違うのです!珠美は打ち合わせに来ないCoP殿を呼びに」

CoP「いつからそこに居た?」

珠美「その…CoP殿がP殿を壁にドン!とするところから…」

P「………」

CoP「………」

珠美「ご、ご安心ください、CoP殿!」


珠美「歴史上の人物には男色の趣味を持つ者も多く」


CoP「唯ーーーッ!珠美をくすぐれ、記憶が飛ぶほどに!」

珠美「ひいっ!?P殿、お助けーっ!!」ズルズル

P「^^;」
P「ふー…」

ちひろ「お帰りなさい」

ちひろ「それで…帰ってきたばかりで申し訳ないのですが…犯人から、示談の申し込みがあったそうです」

P「示談!?」

ちひろ「ええ。それで、うちの事務所の顧問弁護士さん曰く…」

P「勿論断るんですよね!?」

ちひろ「いえ…受けた方が良いと」

P「なっ…!」
P「だ、だってあんな危ないやつを野放しにするって言うんですか!?」

ちひろ「相手がアイドルとは言え、今回の罪状はせいぜい傷害程度です」

ちひろ「前科もありませんし、刑事裁判に持ち込んだところで厳罰は望めません」

ちひろ「それに犯人の親はいくつも不動産を持ってる資産家で、示談金は言い値で払うそうです」

ちひろ「…実はこのビルも、犯人の親が所有しているようで…」

P「…!だから、ここのセキュリティにも詳しかったのでしょうか」

ちひろ「おそらく…社長はここの事務所からの引越しを検討中です」

P「で、でも…美世の気持ちも考えてくださいよ!」

P「自分を襲った犯人が金払っただけで許されるなんて、そんな」

ちひろ「…美世ちゃんの気持ちを考えてないのは、Pさんの方じゃないですか?」

P「!?」
P「ち、ちひろさん!俺だって怒りますよ!!」

ちひろ「犯人を罰したい。それはPさんの望みでしょう。美世ちゃんの望みは本当にそうでしょうか」

P「そ、それは…」


美世『もう痛いのも、怖いのも…やだよ』


ちひろ「もう関わりたくない、思い出したくない…そう望んでいるかもしれません」

P「………」
ちひろ「それに、もし裁判になれば」

P「………」

ちひろ「美世ちゃんが証言台に立たなければなりません」

P「…!」

ちひろ「大勢の傍聴人の前で、自分が襲われた状況を説明しなければならないんです」

ちひろ「美世ちゃんはそんな事、したいでしょうか?」

ちひろ「Pさんはそんな事、させたいですか?」

P「それ、は…」

ちひろ「勿論、ここで私達がとやかく言っても仕方ありません」

ちひろ「折を見て、美世ちゃんに相談してみてください」
P(ちひろさんの言うとおりだ…ここは美世の意思を尊重しよう)

P(ちひろさん…どんな時でも冷静で助かる…でも)

ちひろ「私達の仕事は、アイドルを守ることです。ねっ?」

P「はい…」ギリッ

P(分かってる、けど…犯人への怒りが収まらない)

P(ちひろさんも…腹が立ったりしないのか…?)
ちひろ「………」ギュッ

P(…あ…)

P(ちひろさん、あんなに唇を噛み締めて…)

P「…ちひろさんも、素直じゃないですね」

ちひろ「何のことですか?…ところでPさん、顔色が悪いですよ」

P「ああ…昨日はあんまり眠れなかったし、今日も忙しかったですからね」

ちひろ「もう。そんな顔じゃ、もうひと頑張り出来ませんよっ。はい、スタミナドリンクどうぞ」

P「あ、ありがとうございます」ゴクゴク

ちひろ「100MCでーす^^」

P「ちひろさんは素直だなぁ^^」
<数時間後>

P「ただいま戻りましたー」

美世「戻りましたっ!」

ちひろ「ああPさん、美世ちゃん。お帰りなさい」

ちひろ「そしてそのまま、帰ってください」

美世「なんかしんらつ!」

ちひろ「Pさん、ここのホテルです」

P「ああ、はい。予約してくれたんですね」

美世「…ホテル?」

P「セキュリティ的にもお前のマンションに一人で帰す訳にもいかないだろ」

P「しばらくは、ホテル暮らししてもらうから」

美世「ええー…」

P「大丈夫だ、俺も一緒だから」

美世「!!!!?」
美世「そ、それってどういう」

P「すいません、それじゃお先に失礼します」

ちひろ「おつかれさまでした」

P「着替えとか取りに、一旦マンションに寄るからな」

美世「うう…」
P「さ、ここがお前の部屋だな」ガチャッ

美世「………」ドキドキ

P「…うん、一番上のフロアだし、ベランダも無い。外からの進入は無理だな!」

P「さて。飯と風呂、どっち先がいい?」

美世「なななななななにっ!?」

P「何って…そのままの意味だけど。飯と風呂、どっち先にする」

美世「そ、それはもちろん…」

美世「お、おふろ…かな…」
P「そうか」

ガチャッ

P「じゃあ俺、隣の部屋にいるから。風呂上がったら飯行くから声かけろよー」

バタン

美世「………」

美世「だと思ったけどねっ!」
翌日は雑誌のインタビューや歌のレッスンなどで過ごした。

本当は仕事なんか入れたくなかったが、やはり美世が仕事のキャンセルを嫌がったのだ。

さらに翌日、病院から「脳に異常は無い」という最終的な回答が来てからは、本格的に活動を再開させた。

本格復帰後初の仕事は…何と、テレビ番組の収録だ。

P(こんな大きな仕事、元々断れるはずないけどさ…)
司会者「今日のゲストは…レインドロップスの原田美世ちゃんでーす!」

美世「こんにちはっ♪」

司会者「ニュース見たよ〜、美世ちゃん大丈夫なの?」

美世「はい、怪我も大した事無くて。今もめちゃくちゃ元気なんです!いえいっ♪」

司会者「そっか〜。それは良かった!さーて、そんな元気な美世ちゃんに、今日は5つの質問を用意しました〜」

P(打ち合わせ通り、事件の話はあれだけだな)

司会者「なるほど〜、美世ちゃんはほんとにクルマが好きなんだねぇ」

司会者「そんなブロロンな美世ちゃんに歌っていただきましょう」

司会者「なんと美世ちゃんのソロデビュー作です!それでは、どうぞ!」
<TV局 楽屋>

美世「は〜…緊張したぁ…」

P「はは、でも凄く良かったぞ!番組のプロデューサーさんも美世のこと褒めてたし、来月の唯の収録も楽しみだってさ」

美世「良かった!唯ちゃんとたまちゃんのためにも失敗できないって思ってたからさ♪」

P「おう。良くやったな!」

美世「えへへ♪…ところでPさん、ちょっとお願いがあるんだけど…」モジモジ

P「ん。なんだ?」
美世「局の近くに、ショッピングモールがあるじゃない?あそこで買い物したいなー、なんて…」

P「なにぃ?」

P(そりゃそんなところに変質者が出るとは思えないが…ううむ)

美世「最近事務所とホテルの往復だったでしょ?あたしも女の子だもん、お買い物したいよー!」

美世(四六時中Pさんと一緒だから、服にもお化粧にも気使うんだよね…)

P「うむ…」

美世「ね、Pさん。おねがい!」キラキラ

P「…眼鏡と帽子は忘れないこと。モールから勝手に出て行かないこと。いいな?」

美世「!うん!」

P「俺は一階の店でコーヒー飲んでるから。用が済んだら電話しろよ」

美世「ありがとうPさん!大好きっ♪」ギュー

P「こら、アイドルが簡単に男に抱きつくんじゃありません!」

美世「ふふ、ごめんなさ〜い!」
P(仕事も本格復帰、買い物に行きたがる余裕も出てきた…)

P(気が進まないが、そろそろあの話をするか…)

P「…そうだ、美世。その前にちょっと、相談があるんだが」

美世「ん、なに?」

P「この前の事件の…犯人の、事なんだが」

美世「…!うん」
P「示談を申し込んできたらしい」

P「この話を受ければ、恐らく…犯人は起訴されない可能性が高い」

P「示談を断れば犯人は起訴されて…裁判になる」

P「そうなれば、お前も証人として裁判に出廷しなければならないだろう…」

美世「………」

P「美世は、どうしたい?」

P「示談を受けるか、それとも、犯人に罪を償わせて…」

美世「まかせる」
P「…え?」

美世「…あ…」

美世「えと、ホラあたし、むずかしいことよく分かんないからさっ!」

美世「Pさんやちひろさんに任せたいんだけど…ダメかな?」

P「………」

P「そう…だな。よし、示談のほうで話を進めておくよ」

P「俺達に任せとけ!特にちひろさんは、お金のことになると頼もしいからな!」

美世「…うんっ、おねがいします」ペコリ
P「…買い物の前にこんな話して、悪かったな」

P「帰ってきたら何か、甘いものでも食いに行こうか」

美世「…うん、楽しみっ♪」

P「ん。じゃあ、行こうか」ナデナデ

美世「…へへっ」
P「はい…はい。それじゃ、示談の方向で調整をお願いします」

P「…いえ、もう少ししたら事務所に戻りますよ」

P「では、失礼します」ピッ

P「…ふー…」

P「………遅い」

P(夕方からレインドロップスのレッスン入ってるんだけど…分かってんのか?)

P(そろそろ電話しようか…)

美世「Pさんっ!」

P「うわっ」
美世「あはは、びっくりした?待たせてごめんねっ」

P「ほんとだよ、まったく。レッスンがあるのに…」

P(ん?)

P「美世…大丈夫か?」

美世「ん…久しぶりにおっきいところで買い物して疲れちゃった」

P「…それだけか?」

美世「それだけだよ?でも、これからレッスンなんだよね…燃料補給したら、ラストパートかけられるかも!」

P「ああ、そう言えば甘いもん食いに行く約束だったな」

P「確かここ、有名なケーキショップも入ってたよな」

美世「やったねっ!あ、唯ちゃんとたまちゃんの分もテイクアウトよろしく♪」

P「はいはい」
<事務所>

P「ほら、美世はレッスンだろ?はやく練習室行って来い」

美世「はーい。ちょっと休んじゃったから、唯ちゃんとたまちゃんに追い越されちゃったかも!」バタバタ

P「…ったく」

P(結局何かあったのか…聞き出せなかったけど)

P(…とりあえずレッスンで、気が紛れるかも知れないな)

P(俺も…今は自分の仕事に集中しよう…)

ガチャッ

P「すみません、只今もどりまs」

ちひろ「っふふふふふ…」

P「」
P「………」

ちひろ「示談金…まさか本当に言い値で払うとは…」

ちひろ「さぁて…何を買いましょうかねぇ…」

ちひろ「ふふ…ふふふふふ…」

P「………」ソッ…

ちひろ「!!!」ハッ!

P「!!!」
ちひろ「………」

P「………」

ちひろ「………」

P「…あ、あの………」

ちひろ「…………」

P「じ、示談、決まったんですね!」

ちひろ「………」

P「あ、いや、その、えーっと…」

ちひろ「………」

P「スタドリください^^」

ちひろ「200MCでーす^^」
ひとまずここまで。また今日の夜に再開する予定。
暗くてすまん…すまん…美世と全国の美世Pに幸あれ…
美世「…お腹すいたねっ!」

P「!?」

美世「Pさん、お腹すかない!?」

P「ああ…そういえば今日は晩飯食ってなかったな…」

P「って唐突だなオイ」

美世「だって急にお腹すいてきたんだもん!」

P「あれ、美世…なんか顔があかk」

美世「そうだ!あたし何かつくるね!!」

P「お、おう」
P「そういえば料理番組の練習のために、スペース用意してたんだったな」

美世「あたしが出るわけじゃないけどね。冷蔵庫に何かないかな…」

P「…なんでこんなにイチゴがあるんだ?」

美世「イチゴと、ビールでぎっしりだね…」

P「ん。でも調味料は揃ってるな。バターやらケチャップやら…醤油と味噌もある」

美世「イタリアンがお題だったような…醤油に、味噌…?」

P「ま、まぁ備えあれば憂いなしというだろ!」

美世「肝心の材料が無いんだけど…あ。これなんかいいんじゃない?」

P「卵と、冷凍したご飯と…ベーコンか」

美世「わぁ、このベーコン。高級なやつだよ。美味しそう…!」

P「天使か!良識人もちゃんといるらしいな」

美世「うん。ちょっと寂しいけど、今日はこれで…」


美世「チャーハンを作っちゃいます♪」
P「…ぷっ」

美世「え、なに?チャーハン嫌い?」

P「いや…冷蔵庫にケチャップもあったし、オムライスとか言うのかと思ってたんだが…」

美世「あ…」

美世「そ、そうだよね!オムライスの方が女の子っぽいよね!」カァー

美世「うう…じゃあ、やっぱりオムライスに…」アセアセ

P「いや、チャーハンがいいな。俺、チャーハンの方が好きだし」

美世「…ほんとに?」

P「男ならチャーハン派の方が多いんじゃないか?」

美世「う〜…あたしって食べ物の好みまで男っぽいんだ…」

P「食の好みが合わないのはトラブルの元だし」

P「好みが似てるほうが、一緒に食事してて楽しいよ」

美世「…ふふ。そうだね。そういう考え方、素敵だね」
美世「お待たせ!」コトン

P「おお、旨そう!いただきまーす」

美世「はい、召し上がれ♪」

P「ハムッ ハフハフ、ハフッ」

P「…!」

P「こ、これは…!」

美世「な、なに?美味しくない?」

P「いや…凄く美味い」

美世「なーんだ。Pさんったら大げさ!」

P「だってさぁ。すぐ出来たし、そんなに手がかかってないと思ってたから」

美世「確かに、特別なことはしてないよ?味付けも料理酒と醤油と塩こしょうだけだし」

P「マジで?シンプルな味付けの方がいいのかな」

P「あ、でもなんでこんなにパラパラなんだ?」

P「俺が作るとベチャベチャになるんだよなぁ…」

美世「あ、それはね。ちょっとしたコツがあるの」

美世「卵を炒めてからご飯を炒めるんじゃなくて、溶き卵にご飯を混ぜてから炒めるといいんだよ」

P「卵かけご飯状態にしてから炒めるってことか?」

美世「そ!そうすればパラパラになるよ♪」

P「へぇ〜!今度やってみるよ」
P「ふぅ…ご馳走様でした」

美世「ふふ、お粗末さまでした♪」

P「いや、本当に美味かったよ。美世はいいお嫁さんになるな」

美世「えっ!?」

美世(そ、それって…)カァー

P(今度料理関係の企画取って来ようかな)
P「あ、後片付けは俺がやるよ」カチャカチャ

美世「あ…お、お願いします…」

美世(すぐに片付ければ良かったな…)

P(…なんか、カップルの会話みたいだなぁ)
<ホテル>

サァーーーーーーー

キュッ

ガチャッ

P「ふぅ…」ゴシゴシ

P(メールの返信して、シャワー浴びただけでもうこんな時間か)

P(明日も早いし、さっさと寝ないと…)

コンコン

美世「Pさん…起きてる?」
ガチャッ

P「美世?どうしたんだ、こんな時間に…枕なんか持って」

美世「う、うん…そのっ」

美世「ひ、一人だと…ね…眠れなくて…」

美世「今日はPさんの部屋に…泊めてくれないかな…って…」

美世「………」モジモジ

P「………」

P「…お互い立場がある。一緒のベッドに眠るのは無理だ」

美世「…うん」

P「俺は床で寝るから、美世がベッド使え」

P「夏だし、風邪引くって事もないだろ」

美世「…!ありがとう!」

P「今日は特別!だからな」

美世「はーい♪」
美世「………」モゾモゾ

P「………」

美世「………」ゴロン

P「………」

美世「…えいっ」ボフッ

P「ぶふっ!」

美世「あはは!」

P「枕を投げるんじゃない!そんな事するなら追い返すからなっ」

美世「ごめんごめん。なんかお泊り会みたいで楽しくって」

P「ったく。一人の方が眠れるんじゃないか?」

美世「ううん…そんな事無いよ。一人だとやっぱり…寂しいし」

P「美世は石川から出てきて、ずっと一人暮らしなんだろ。まだ慣れないのか?」

美世「そりゃ上京直後よりは慣れたけどさっ」

美世「でも…ずーっと実家で家族と一緒に暮らしてたから」

美世「アパートで、部屋に自分ひとりで、周りに知ってる人が誰もいなくて…」

美世「そういうのはやっぱり、今でも寂しいかな」
P「今は?」

美世「ん?」

P「今は…俺の部屋に来て、寂しくないか?」

美世「…ん」

P「ん?」

美世「手。つないで?」

P「…ん」ギュッ

美世「ふふっ」ギュー

美世「寂しくないよ」

P「良かった」

美世「うん…でも」

P「でも?」

美世「明日からはまた一人なんだよね…」

P「………」
美世「Pさん…」

P「どうした?」

美世「あ…明日からも、ずっと…」


美世「明日からもずっと…一緒にいてくれませんか…?」
P「…今までもずっと、一緒に頑張ってきただろ?」

美世「…もうっ!」
P「なんだ?」

美世「そーいう事じゃないでしょー!もー!!」

P「??」

美世「はぁ…ふふっ。Pさんってほんっと鈍いよねっ」

美世「もういい!おやすみー」

P「ああ…おやすみ」
美世「………」

P「………」

美世(いくらPさんでも、この状況であんな事言う?)ゴロゴロ

美世(Pさんの鈍感っぷりには慣れてたつもりだけど…)モゾモゾ

美世(うう…あたしってPさんに女として見られてないんだろうな…)ボフボフ

P「………」


美世(…あたし、そんなに女としての魅力が無いのかな…)ジワ
P「………」ムクッ

美世「…?Pさん?」

P「『今日は特別』…だったな」

美世「ん…どうしたの?眠れないの?」

P「美世…」ギュー

美世「!?」
美世「Pさん!」

P「………」ギュー

美世「や、やだなぁPさんっ」

美世「Pさんが鈍感なのは知ってるけど、さすがに夜中に女の子抱きしめるのはどうかと思うよ!?」

P「………」

美世「P、さん…?」

P「………」

美世「ねぇ…どうして」


P「無理だ」

美世「!」
P「無理だよ…」

P「美世の気持ちは嬉しい。けど」

P「美世はアイドルで…」

P「俺は美世の、プロデューサーだから」
美世「………」

P「お互い、立場がある。分かるだろ?」

美世「…うん」

P「それに美世は若くて可愛くて…芸能人だ」

P「これから先、いい男なんてたくさん見つかるよ」

P「俺なんかより、ずっと…いい男が…」

美世「Pさん…」

P「だから、無理だ」

P「お前の気持ちに応える事は出来ない」

P「俺は魔法使いだ。王子様にはなれないよ」
P「美世…分かってくれるよな?」

美世「…はい」ジワ

P「………」

美世「………」グスッ

P「………」

美世「………」ゴシゴシ

P「………」

美世「………」ジワ

P「………」
P「でも」

美世「………」グスッ

P「もしいつか、美世がアイドルじゃなくなって…」

美世「…?」

P「もしいつか、俺が美世のプロデューサーじゃなくなって…」

美世「…!」

P「その時まだ…美世の気持ちが変わっていなかったら…」

P「その時は…俺と…」

美世「Pさん…!」

P「だから、今は…これで勘弁して欲しい」ギュッ
美世「…変わらないよ…」

P「…美世」

美世「ずっと。あたしだって…」


美世「あたしだってPさんのこと、こんなに想ってるもん…」ギュー
<ソロライブ当日>

ザワザワ

ワイワイ

美世「………」ソッ…

美世「!!!」

美世「Pさん!いっぱい人がいる!!」

P「そりゃお前。ライブですから」

P「美世が見たいってファンが集まってるわけですよ」

美世「ううー…そうだよね」

P「はは。緊張するか?」

美世「緊張もある…けど」

美世「うれしい!!
美世「レインドロップスじゃなくて、あたし一人を見に来てくれる人がこんなにいるなんて…」ポワー

P「…ふふ」

P「ここに来てるのは抽選で当選した人達だけだからな」

P「応募したけど落選して、ここに来れない人達もたくさんいるよ」

美世「その人達のためにも後でネットで公開するんだっけ」

P「CD購入者限定だけどな」

美世「よぉし!みんなのためにもあたし、がんばっちゃうよっ!」

P「おう、行って来い!」

美世「うん!いってきまーす!!」
美世がステージに駆け上がった瞬間、ファンから盛大な歓声が上がる。

『美世ー!』

『美世ちゃーん!!』

今回の美世の衣装は新曲に合わせて水着仕立てで、

ライブに招待したファンにも水着を用意して集まってもらっている。

舞台の上の美世の目にはきっと圧巻の光景が映っているはずだ。

俺はステージの下から見守るだけだから、美世が少し羨ましい。

あの人、腹筋八つに割れてるよ…すげぇ…

あ、あの人はちょっとお腹出てるな…俺も人のことは言えないけど。

お、あの女の子はセパレートか。いいな。

しかしワンピースも捨てがたい…ビキニもいいな…

おお!あんなに際どいのまで!!

…美世が、羨ましい。
美世「こんにちわーーー!」

『こんにちわーーーーー!!』

美世「今日はあたしのソロライブに来てくれて…ありがとーーー!!」

『わぁーーー!』

『うおぉぉーーー!!」

美世「ふふっ。それじゃ、早速一曲目。いっちゃうよ!」

美世「この曲、もう知ってる人も多いかな?」

美世「でも…あたし一人で歌うのは、今日が初めてだから緊張しちゃうなっ」

『おおー…』

美世「一曲目はレインドロップスのシングル!」

『おおーーー!!』

美世「よぉし、みんなコールしてね!タイトルは…」
美世がマイクを向けた瞬間、会場から一斉に声が上がる。

にっこり笑って頷いた後、美世が歌い始める。

いつもは美世と唯と珠美、三人で歌う曲だが、今日は一人での披露だ。

普段は歌わないパートも美世一人で歌うし、振り付けもいつもと少し違う。

それでも美世は、見事に歌い踊る。

いつかTVの収録でワンテンポ遅れてしまった部分も、今日は大丈夫だ。

そこを成功させた瞬間、美世の表情がわずかに緩むのが分かった。

その後も曲は続き、最後のポーズを決めた瞬間…

盛大な拍手と歓声が会場を包んだ。

シングルカット曲であり、ファンにとっても馴染みの深い歌だ。

盛り上がりやすかったのだろう、1曲目を終えた時点でファンは大興奮だ。

美世もノッているし、最高のコンディションで2曲目にいけるだろう。
美世「トップスピードで駆け抜けちゃったっ」

美世「みんなー、ついて来れたー!?」

『うおおおおおおおお!』

『サイコーーー!!」

『美世ちゃんカワイイーーー!』

美世「ふふっ、ありがと♪」

美世「それじゃいよいよお待ちかね…」

美世「新曲、いっちゃうよーーー!!!」

『わああああああ!!!』

美世「ふふっ、しっかりついて来てね♪」

美世「なんと本日初公開!」

美世「聞いてください、あたしのファーストソロシングル…」

美世「『ドライブ・イン・サマー!』」
軽快なイントロと共に、美世が踊り始める。

新曲は夏にぴったりの、アップテンポなポップ・チューンだ。

さんさんと輝く日を浴びて、美世が真夏のドライブへと誘う。

街を飛び出し、風が頬を撫でるのを感じながら、海へと続く道を駆け抜ける。

大切な人を隣に乗せて。

そんな心躍る情景を美世は――歌で、ダンスで、煌く笑顔で。

見る物の心に描いていく。
美世「海だよーっ!」

『きゃあああああ!』

『わぁああああああ!!』

ホースを掴んだ美世が観客席に向かって放水すると、

水着姿のファン達から悲鳴とも嬌声ともつかない声が上がる。

美世「あははっ♪」

弾けた雫がキラキラ輝いて、まるでシャンデリアの光みたいだ。

ステージの上でくるくる回る、みんなの視線は美世だけのもの。

P(どうやら…)

P(舞踏会には、間に合ったみたいだな)
美世「Pさんっ!」

関係者から花束を受け取るなり、一目散に美世が駆けて来る。

美世「見ててくれた!?」

P「当たり前だろ!」

美世「どうだった!?」

P「最高だったよ!」

美世「やった!!」

頬を紅潮させた美世がぴょんぴょん跳ねる。

美世「あのね、みんな、すごく喜んでくれてたよ!」

P「ああ、よくやったな。今回のライブは大せいこ…」

スタッフ「すいませーん!メイクを直したらすぐ記者会見です!」
「…今回のライブの出来は、どうでしたか?」

美世「はいっ。ファンの皆さんもとっても喜んでくれたし、良かったと思います!」

P(予想通り、CD発売のミニイベントとは思えないほどの取材陣の数だ…)

「新曲の紹介をお願いします」

美世「タイトル通り、ドライブのお供にピッタリの曲です!」

P(新曲とライブに関係ない質問は禁止だと通達しているが…)

「今回抽選に外れてしまったファンに一言…」

美世「CDを買ってくれた人は、公式サイトでライブ映像が見れちゃうよっ。みんな、買ってね♪」

P(定番の質問も尽きてきたし、そろそろ…)

「あのー、先日の暴行事件なんですけど」

P(ホラ来た!)
P「すいません、関係ない質問はご遠慮願えます…」

美世「はい、それですけどっ!」

P「!?」

P(どう言うつもりだ、美世!)ヒソヒソ

美世(お願い、あたしに任せて)ヒソヒソ


美世(あたしを信じて!)


P(…!)

P(…わかった)
美世「…今回の、事件ですが」

美世「どうしても、あたしの口から直接お話しておきたいです」

美世「ファンのみんなに心配かけちゃって…本当にごめんなさいっ」ペコリ

美世「でも発表のとおり、ちょっと叩かれたくらいです」

美世「今日のライブでも歌って踊れるくらい絶好調ですっ!」

美世「体も、ホラ…こんなにセクシーな衣装でお披露目できるくらい♪」クルッ

\ドッ/\ワハハ/

美世「ふふっ♪」

美世「なので…ファンのみんな、心配しないでください」

美世「これからもあたし、飛ばしていくから…ちゃんと付いて来てね!」
<翌朝 事務所>

美世『これからもあたし、飛ばしていくから…ちゃんと付いて来てね!』

ピッ

美世『これからもあたし、飛ばしていくから…ちゃんと付いて来てね!』

ピッ

美世『これからもあたし、飛ばしていくから…ちゃんと付いて来てね!』

ちひろ「あーもう!何回その録画見るんですか!」

P「だ、だって…ワイドショーならともかく、まさか朝の報道番組にまで流れるとは…」

ちひろ「だからってもう30回は見てるでしょ!」

P「せ、せめてもう一回…ホラ、この後の美世の笑顔最高でしょ!」

ちひろ「しつこーい!…あ、ワイドショーが始まる時間ですよ」

P「!!み、見なきゃ!」

ちひろ「どうせ家でも録画してるくせに…」

P「生放送でも見たいじゃないですか!」
美世『なので…ファンのみんな、心配しないでください』

美世『これからもあたし、飛ばしていくから…ちゃんと付いて来てね!』

司会者「いやぁ。美世ちゃん元気そうで良かったですね!」

コメンテーターA「新曲もすっごくいいね。ドライブ行きたくなっちゃったよ」

コメンテーターB「女の子だし、傷が残ったりしなくて本当に良かったわぁ〜」
P「各社とも好意的な報道でよかったです」

ちひろ「今回の件では、美世ちゃんが完全に被害者ですからね」

ちひろ「もし批判的な報道でもしたら、それこそマスコミへのバッシングで大炎上ですよ」
美世『あ。レインドロップスもよろしくねっ♪』

美世『来月は唯ちゃん、再来月はたまちゃんがCDデビューしちゃうよ!』

司会者「わはは。美世ちゃんしっかりしてるねぇ!」

コメンテーターA「二人のお姉さんってカンジでいいよねぇ」

コメンテーターB「うちの娘も美世ちゃんみたいなお姉ちゃんが欲しかった、なんて言ってますよ」
ちひろ「ふふっ。美世ちゃんたらちゃっかりさん!」

P「ははは。意外としたたかなところもあるみたいで」

ちひろ「それにしても…よく美世ちゃん本人がここまで語りましたね」

ちひろ「事件が事件だし、言い難い面もあると思うんですが」

P「そうですね」

ちひろ「もっとも本人が語ったからこそ、ここまで大きい扱いも受けたし、ファンの支持もぐっと上がったわけですが」

P「…美世が言い出したことなんですよ」

ちひろ「あら、美世ちゃんが?」

P「ええ…」

P「美世は、強いですから」

ちひろ「強くてしたたか、か…ふふっ」

ちひろ「美世ちゃんも女ですねっ」

P「って…ちひろさんはどうなんですか?」

ちひろ「私ですか?さて、どうでしょう…」

美世「おはようございまーす!」
P「おはよう」

ちひろ「おはようございます」

美世「きゃあっ!て、TVにあたし映ってる!」

P「なんだ、見てなかったのか?」

美世「ちょっとだけ見たけど…自分で見るのは恥ずかしくて…」

ちひろ「あら。さっきまでPさん、何回も巻き戻して見てたわよ?」

P「おう、一緒に見るか?」

美世「やめてー!」

P「ホラそんな事言わずに」ピッ

美世『これからもあたし、飛ばしていくから…ちゃんと付いて来てね!』

美世「きゃああ!やめてったら」

P「いやこの時の笑顔見てみろってマジで」

美世「やーめーてー!リモコンよこしなさい!!」

ギャアギャア

ちひろ「さて、美世ちゃんも来た事ですし…そろそろ重大発表しちゃいますよ」
美世「重大発表?」

ちひろ「ええ。事務所が移転になるのは知ってるわね?」

美世「えっと…もっと大きいビルに引っ越すって」

ちひろ「そうね。で、ついでに…」

ちひろ「寮を建設することにしました!」

美世「………」

P「………」

美世「えええ!」

P「ほ、ほんとですか!?」

美世「ってPさんも知らなかったの?」
ちひろ「それも新事務所から好アクセス、24時間体制でセキュリティは万全です!」

P「そんな良い条件で寮の建設なんて、よく資金がありましたね」

ちひろ「ええ…実は当てが出来まして」

美世「当て…?」

P「…もしかして」

ちひろ「Pさんの今後ののお給料から40%程度差し引くことにしました」

P「マジか」
P「いやいやいや!さすがにそれは酷すぎる!!」

ちひろ「美世ちゃんのプロデュースも好調でお給料も上がったし、まぁ多少はね?」

P「多少じゃない!40%は多少じゃない!!」

ちひろ「40%引かれても生活出来る程度に稼げば良いのです」

P「鬼!悪魔!ちひろ!!」

ちひろ「と、冗談はさておき」

P「ああ…良かった…」

ちひろ「鬼って誰n」

P「天使!女神!ちひろ!」

美世「ちひろさんステキ♪」

ちひろ「分かれば良いのです」

ちひろ「とは言え…事務所引越しと寮建設で資金はすっからかんです」

ちひろ「Pさんにも美世ちゃんたちにも…もっと頑張ってもらいますよ?」

P「…はいっ!」

美世「ふふっ。もーっとアクセル踏み込んでいくよ!」
美世「…でも、うれしいな。寮には他のアイドルの子も入るんでしょ?」

ちひろ「そうね。希望した子はみんな入寮できるわよ」

美世「えへへ。みんなで住むなんて…楽しくなりそう♪」

P「…そうだな」

美世「あ、レッスンの時間だ。練習室いってきまーす!」

P「おう、頑張って来いよ」

美世「はーい!」

P「………」
P「ちひろさん、ありがとうございます」

ちひろ「何のことですか?」

P「寮の資金って、示談金から…ですよね」

ちひろ「…それもありますね」

P「美世の前で言わないでくれて…ありがとうございました」

ちひろ「たまたま言い忘れただけですよ?」

P「はは、そういうことにしておきましょうか」
P「それに、寮の建設も…きっと美世みたいに寂しい思いをしてる子がいるの、気付いてたんですね」

ちひろ「…セキュリティの確保は大事でしょう?」

ちひろ「それに寮があれば、もっと色んな地方からアイドルをスカウト出来ますし」

ちひろ「私は私のお仕事をしただけですよ」

P「そう、ですか…俺も俺の仕事、頑張ります」

P「ところでちひろさん、そのネックレスって前から付けてましt」

ちひろ「事務所再建祈願で、今ならスタドリがとってもお得です!」

ちひろ「Pさんいかがですか?」

P「お、俺から金取っても仕方ないでしょう!いりません!!」

ちひろ「ありがとうございます!300MCでーす^^」

P「俺の話聞いてた!?いりません!しかも高ぇ!!」
それからも、俺達は順調に仕事をこなしていった。

美世のソロライブ以降、美世の人気と知名度は急上昇…

同時に、レインドロップスの評判もますます良くなり…

唯、珠美のソロCDも絶好調!

三人それぞれが多忙な日々を送ることとなり、人気アイドルの仲間入りを果たした。

そして――
<数ヵ月後>

唯「美世ちゃーん!」ダキッ

美世「唯ちゃん!久しぶりっ」ギュッ

珠美「唯さん!いきなり抱きついては危ないですよ!」

唯「最近忙しくて、美世ちゃんとたまみんと全然遊んでないよぉ…」

美世「たまちゃんとあたしは毎日寮で会ってるけどね♪」

珠美「はい。この前頂いたサブレ、とても美味しかったです!」

美世「たまちゃんが作ったわらびもちも、すっごく美味しかったな〜」

珠美「しかし、一番の料理上手はやはり響子さんか葵さんでしょうか」

唯「いいなー、楽しそう!ゆいも寮に入りたいよぉ…」

珠美「唯さんは埼玉だし、通えるではありませんか」

美世「高校もそっちなんでしょ?」

唯「うぅ〜…卒業したらゆいも絶対!寮に入る!!」
PaP「寮といえば…セキュリティが凄いらしいな」

美世「うん、すっごいよ。塀は棘がついてるしだし電流も流れてるし、警備員さんも常駐してるし」

PaP「刑務所かよ」

CoP「…というか寮建つの早すぎだろ…ちひろさん一体どうやって…」

P「それ以上いけない」

PaP「移動中や仕事中は俺達が目を光らせてるし、安心できそうだな」

珠美「ええ!もし仕事中に曲者が出ても、珠美がやっつけますから!」ブンブン

CoP「珠美、竹刀を振り回すのはやめなさい。(俺が)怒られるから」

?「しないをしまいなさい、なんて…フフッ」

P「はは、ありがとな。でも俺も最近鍛えてるし、大丈夫だよ」

PaP「お、格闘技でも始めたのか?」

P「ああ。ちょっと学生時代の先輩に頼んだんだ」

P「柔道部の人なんだけど」

P「『お願いします!何でもしますから!』って言ったら快く引き受けてくれたよ」

PaP「そうか。いい先輩だな!」

CoP「…寝技には気をつけろよ…」
P「っと…おしゃべりはこのへんにしとくか」

唯「そうだ!ねぇPaPちゃん。早く新しい衣装見せて〜!」

珠美「今日集まったのも試着のためですからな」

美世「レインドロップスのニューシングル用の衣装…楽しみにしてたんだよ♪」

PaP「おお。今回の衣装は豪華だぞー!」

CoP「新曲と衣装のコンセプトはPが考えたんだったな。いい仕事するじゃないか」

P「美世のお陰だよ」

美世「…あたしの?」

P「はは。まぁ、とにかく着替えて来いよ。隣の部屋に用意してあるからさ」

唯「やったー☆はやくいこっ!」

美世「よし、たまちゃんブースト!」

珠美「ふ、二人とも、珠美の髪を引っ張らないでください!」

パタパタ
美世「この箱かな?」

唯「開けてみよ☆」

パカッ

美世・唯・珠美「「「おおお〜!!」」」

唯「すっごーい!フリフリのヒラヒラだー☆」

美世「ピンクがあたし、黄色が唯ちゃんで…たまちゃんのは、この水色のみたいだね」

珠美「こ、こんな衣装…珠美は着た事がありません」

唯「ゆいもだよ!あーん、早く着てみようよ♪」

美世「そうだね…直す部分があればPさんたちに頼まなきゃいけないし」

珠美「珠美に…こんな衣装が似合うでしょうか…」

美世「え、なんで?可愛いと思うよ?」

唯「へっへっへ。たまみん、ゆいが着せてあげよっか☆」

美世「あ、あたしも手伝うよ♪」

珠美「ひいっ!?お、おたすけ…うひゃひゃひゃ!」
P「遅いな…」

CoP「大方ふざけながら着替えてるんだろう」

PaP「仲が良いことは良いことだな」

P「徹底的に珠美がいじられ役だけどな」

CoP「お前が言うな」

PaP「お前も言うな」

「お待たせ〜♪」

ガチャッ

P・CoP・PaP「「「おおお〜!!」」」
唯「PaPちゃん!この衣装どーお!?」

PaP「うん、凄く似合ってるぞ!いつもと違う雰囲気なのもいいな!」

唯「でっしょー☆ゆい、お姫様みたい!」

珠美「CoP殿…ど、どうでしょう…」

CoP「………」

珠美「うう…や、やはりドレスなど、珠美には似合いませんよね…」

CoP「………」

珠美「分かっています…珠美は唯さんや美世さんみたいにぼんきゅっぼーんじゃないですし…」

CoP「イイ…」

珠美「!」

CoP「すごくイイ…」

珠美「!!」
美世「唯ちゃんもたまちゃんもすっごくカワイイ!ね、Pさん」

P「うん…でも」

P(俺は、美世が一番似合ってると思うぞ)ヒソヒソ

美世「!!!」カァー

美世「で、でも、あたしもこんなヒラヒラの服着たの初めてで…」

P「いつもはスポーティなのが多いからなぁ。たまにはいいだろ?」

美世「うんっ♪ふふ、嬉しいなっ」クルクル

P「あ、そうだ。大事な物を忘れてたよ」

美世「なぁに?」

P「珠美と唯も、ちょっとこっち来てくれ」

唯「ん、なになに☆」

珠美「お呼びでしょうか、P殿!」

P「ホラ、これ…」
美世「…ティアラ?」

唯「やーんなにこれ!ちょーカワイイー☆」

珠美「キラキラしています…!」

PaP「うん、今回のコンセプトには欠かせないんだ」

P「本当は靴の方が大事なんだが…足元はあんまり映らないしなぁ」

CoP「物理的にも無理だしな」

美世「ティアラ…ドレス…靴…」

美世「…あ!」

唯「ん、どしたの美世ちゃん?」

美世「もしかして、今回のコンセプトって…!」

P「そう。約束しただろ?」
美世・P「シンデレラ!」

おわり
お付き合いくださりありがとうございました

最初にも書きましたが、長い&暗くてすみませんでした

ハッピーエンドに出来て良かったです

美世はスタイル良くて健康えろすで性格も良くて料理上手でちょっぴりコンプレックス持ちで…

っていう美世の魅力を全部ダイレクトマーケティングするのが目的だったのにどうしてこうなった

美世とイチャイチャする話が読みたい、誰か書いてください

美世P増えろ!美世SSももっと増えろ!!

16:30│原田美世 
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