2014年12月02日

海老原菜帆「声が」


モバP「なあ、今日は帰った方がいいんじゃないか」



菜帆「大丈夫ですよ〜。ちょっと疲れてるだけですから」





P「それなら、なおさらだ」



菜帆「でも、Pさんは打ち上げに行くんですよね?」



P「付き合いだからな」



菜帆「だったら、私もついて行きたいです〜」







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P「俺のことは気にするな」



菜帆「そんなこと言わず、Pさんと私の仲じゃないですか〜」



P「お前との仲だから、こうやって心配してるんだよ」



菜帆「本当ですか〜! えへへ、嬉しいですねぇ」



P「……少しでも変なとこ見せたら、すぐに連れて帰るからな」



菜帆「変なところ……ふふ、見たいですか〜」



P「曲解すんじゃねえ!」









「今日はお疲れ様でした。それでは、乾杯の音頭を……」



「乾杯ー!」



「おおー!」「いやぁ、良い画が撮れて……」「あそこは盛り上がりましたなぁ」



ざわざわ



P「それじゃあ、菜帆。他の席に挨拶へ行くぞ」



菜帆「はい。お供しますよ」



P「前みたいなことはするなよ」



菜帆「なんのことですか〜」



P「挨拶中に、突然腕を組んできたりすることだ」



菜帆「分かりました〜。今度は抱き着きますね」



P「……洒落にならん」









「――今日も菜帆ちゃんは可愛かったねぇ!」



P「ははは、それなら、今後もよろしくお願いしますね」



「もちろん! むしろ、こちらからお願いしたいくらいだよ」



P「ありがとうございます。――菜帆?」



菜帆「え、あ、ありがとうございます〜!」



「はっはっは、どういたしまして。……ん、菜帆ちゃん、お酒でも飲んだ?」



菜帆「お酒?」



「なんて、顔が赤いからさ。ちょっと褒め過ぎちゃったかな!」



菜帆「え、えへへ〜、そうなんですよ。ちょっと照れちゃいます〜」



P「……改めて、今後もよろしくお願いします」



「うん、うん。よろしくね」









P「菜帆、やっぱり体調が悪いんじゃないか」



菜帆「ちょっぴりだけ、ですから」



P「もう、顔が真っ赤になってる。ちょっぴりも何もないだろう」



菜帆「……ごめんなさい」



P「打ち上げ、抜けさせてもらおう。一緒に帰るぞ」



菜帆「はい〜」











P(結局、昨日は寮まで送ったきりだったが……菜帆は大丈夫だろうか)



千川ちひろ「プロデューサーさん、菜帆ちゃんから電話ですよ」



P「む、ありがとうございます――もしもし」



『Pさん、ですか』









P「……菜帆。お前、風邪こじらせたのか」



『ゴホッ、ゴホッ……えへへ、すみません』



P「謝らなくていい。声がガラガラだ。無理をするな」



『でも、連絡しないと』



P「分かってる。今日は幸い、レッスンだけの日だ。家でゆっくり休め」



『すみません……』



P「それじゃあ、ゆっくりな」



『はい。いつも通り〜……ゴホッ、ゴホッ』



P「――心配だ」



ちひろ「でしょうねぇ」









P「あの、ちひろさん。お願いが……」



ちひろ「ダメです」



P「速いですよ!」



ちひろ「菜帆ちゃんのお見舞いでしょう? 仕事だって、あるんですからっ!」



P「帰ってきたら、ちゃんとしますから!」



ちひろ「……そんなに心配するほど、菜帆ちゃんが弱ってるんですか」



P「はい。いつもの余裕がなかったんです」



ちひろ「はぁ……仕方ないですね。では、こうしましょうっ」



P「なんですか、その手は」



ちひろ「お見舞い用ドリンクセット、販売中です!」



P「え」



ちひろ「買いますよね? プロデューサーさん。ね?」









P「足元見やがるぜ……」



P(まあ、それとは別に、ちひろさんからの見舞い品も渡されたが)



P(おっと、ここが菜帆の部屋か。インターフォンを……)



ピンポーン



P「……出ないな」



ブルルル



P(うん? ――菜帆からメールだ)



『もしかして、Pさんですか。鍵なら開いてますよ〜』



P「まるでエスパーだな」









P(菜帆はベッドで横になっている)



P「大丈夫か。これ、お見舞いのドリンク類な」



菜帆「ゴホッ……ありがとう、ございます〜」



P「ん、喉がもっと悪くなってるな。無理して返事しなくていいぞ」



菜帆「はい。そうしますね……」











P「なにかして欲しいこと、あるか」



P「――あ、返事はメールでするといい」



菜帆「ん……」



『しばらく、いてほしいです』



P「ああ、そうしよう」











『手を握ってほしいですね〜』



P「おいおい」



『心細いんです』



P「……普段は、ダメだからな」



ぎゅっ



菜帆「ふふ」



『なんだか、全身も心細くなってきました』



P「しばくぞ」



『ごめんなさい〜』









『声が出せないと、Pさんにお礼を言えませんね』



P「だからって、無理はするなよ」



『はい。でも、とっても嬉しいんですよ。だから、お礼がしたくって〜』



P「治ってからにしなさい」



『治ったら、Pさんの好きな、ぷにょふわな部分で……』



P「セクハラする元気を、治す方へ回せ!」



菜帆「ゴホッ、えへへ〜……」









P「――と、もうこんな時間か」



P「それじゃあ、そろそろ戻るから。もし何かあったら、遠慮なく連絡してくれ」



『ちょっと待ってください』



P「ん、なんだ? ――おい、寝ておけって」



菜帆「ゴホッ、ゴホッ……このままだと、Pさん、行っちゃいます、から」



P「心細いのは分かるが、他のアイドルの子を呼んでだな」



ぎゅっ



P「ぬわっ」









P(菜帆に抱き着かれてしまった)



菜帆「声、出難いから……体で、表しますね〜」



菜帆「こうやって、一緒に……ゴホッ」



P「菜帆」



菜帆「Pさんと仲良く、くっついて、いたい、です」



P「け、けど、仕事が」



菜帆「ダメ、ですか〜……」



ぎゅぎゅっ



P(あ、柔らかい)









ちひろ「言い訳を聞きましょうか」



P「すみませんでした。菜帆が柔らかくて」



菜帆「ごめんなさい。Pさんが温かくて〜」



ちひろ「仕事ほったらかして、アイドルと……!」



P「ご、誤解です! ちょっと一晩くっついてただけなんです!」



菜帆「ふふ、Pさんが離してくれませんでした〜」



ちひろ「もしもし、警察ですか。未成年者との淫行がですね」



P「してない。俺は断じて、してなぁい!」











P「酷い目にあった」



菜帆「えへへ、ご迷惑をおかけしまして〜」



P「まったくだ! まあ、あれで治ったからいいものの……」



菜帆「ねえ、Pさん」



P「なんだ?」



菜帆「今はもう、声が出せますね」



P「ああ、そうだな」



菜帆「次は声、聞かせてあげますから〜」



菜帆「だから――また一緒に、ゆっくりしましょうね」











おわり



21:30│海老原菜帆 
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