2014年01月03日

雪歩「コスモスの花」

真美「寒い!!」

響「お、真美お帰りー!」


貴音「やはり冬場は、熱いお茶が心に染みますね」

雪歩「えへへ、あ、真美ちゃんもどうぞ」

真美「ありがとーゆきぴょん! 熱っ!」

真「あはは、真美は寒かったり熱かったり、大変だなあ」


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千早「ねえ、春香。この録音機器、どうやって使うのかしら?」

春香「ここの赤いボタン押してできない?」

千早「赤いボタン? ただのライトなんだけど……」

春香「それは電源入ってるか確かめるランプだよ」

やよい「美希さーん、起きてください〜!」

美希「うーん、まだ早いの……」

響「まったく、美希はしょうがないなあ」


ガタン

伊織「もー!! なんなのよ!!」

律子「なんなのよって程じゃないでしょ? よくある話よ、この世界では」

亜美「そうは言ってもりっちゃん、亜美たちこのままじゃ、社長にこーさんさせられちゃうよ!」

律子「降参? ああ、解散ね。そうね、1年で結果出さなきゃいけないからね……」

あずさ「大丈夫でしょうか? この調子で、ジュピターに……」

律子「焦らず行けばいいんです。そうすれば結果はついてきますから」

真「皆? 何があったの?」


伊織「私たちのCDの初週売上ランキングが72位だったのよ……」

千早「くっ、忌々しい数字ね……」

春香「あー、でも、次頑張ればきっと……」

亜美「社長に言われたのは、ユニットできるのが1年間ってことなんだよー! 急がないと、えーと、解散、解散させられちゃうんだよ!」

貴音「ですが、ここで立ち止まって何を言おうと、次に期待するしかないのです。亜美、焦らず行きましょう。律子の言うとおりです」

亜美「うぅ、はーい……」

真美「亜美、とりあえず、ゆきぴょんのお茶でも飲んでリラックスしな」

あずさ「私もいただいちゃおうかしら? うふふ」



バタン

P「おーい、お前らー。お知らせだぞ」

雪歩「おしらせ? も、もしかして……事務所が潰れちゃうんですか?」

やよい「給食費払えなくなっちゃいます! それはだめです!」


P「縁起でもないこと言うなよ……なんと、765プロに仕事が入ったぞ!」

皆「おお!」

P「雪歩、真」

雪歩「は、はい!」

真「はい!」

P「お前ら二人と俺で、地方テレビCMの撮影会場に今から向かう。先に車に乗っといてくれ」



真「わっかりましたー! 雪歩! 行こう!」

雪歩「あ、真ちゃん! 待ってよー!」

伊織「真、ずいぶんと張り切ってるわね……」

P「まあ、それが真の役割だからな……この時期に撮影の仕事をとれてよかった」

千早「あの、何か企んでるんですか?」

P「ああ、そうだよ。雪歩の誕生日の準備をしてもらう」


春香「えへへ、なんとなく予想ついてました! 天海春香、頑張ります!」

貴音「真、すばらしきことですね。私もできる限りで支援いたしましょう」

律子「ちょ、プロデューサー? そんな費用、どこから……」

P「律子……」

律子「はい?」


P「俺の……ポケットだよ……」

律子「……すばらしいです」

P「小鳥さんがケーキ買ってきてくれるはずなんで、それを待ちましょう。皆は飾りつけをよろしくな」

亜美「オッケーだよ! 兄ちゃん!」

真美「真美にお任せだよ!」



あずさ「あらあら、何だか楽しくなってきたわね」

響「よっし! 自分、何かおいしいもの作っちゃうからね!」

やよい「うっうー! 私も手伝いますー!」

美希「ミキの分もよろしくなの」

伊織「あんた、いつ起きたの?」

美希「今なの」


千早「パーティーの準備……ねぇ、私は何をすればいいのかしら」

春香「千早ちゃん、一緒に飾り、手伝ってくれない?」

千早「どうやって?」

春香「えへへ、折り紙を切って、わっか作るの!」

P「じゃあ、俺行ってくるから! 後は頼んだぞ!」

伊織「このスーパーアイドル伊織ちゃんに任せておきなさい!」



雪歩「私も大好き! 地元の味!」

監督「カット」

雪歩「あうぅ……」

監督「だめだな……全くいいものを感じられない」

雪歩「す、すみません……」

監督「謝ってほしくない。OKを出せ。それを謝罪と受取ろう」

雪歩「は、はい」

監督「休憩だ。少し喉を潤してくる」



真「……雪歩? 大丈夫?」

雪歩「うぅ……難しくて……真ちゃん、待たせてごめんね」

真「いや、いいんだよ。監督も男の人だし、少し怖い感じだから、雪歩も緊張しちゃってるんでしょ?」

P「うーん……雪歩、うまくいってないみたいだな」

雪歩「いい笑顔ができてないって、私もわかってるんですけど……プロデューサー、どうしたら……」

P「……そうだなぁ……」


その頃、事務所――

小鳥「ただいまー。ケーキ買ってきましたよ」

春香「わあ! これで準備は整いましたね! 私、持っていきますよ!」

小鳥「い、いや、い、いいのよ春香ちゃん!」

春香「小鳥さんこそ遠慮せずに……ほら、ケーキなんて重くもないんですから……」



響「は、春香は、やめたほうがいいんじゃ……」

春香「え? わっ、きゃあああ!!」

ドンガラガッシャーン

春香「あいたたた……」

美希「ああ! ミキのケーキが……」

春香「あ」

伊織「1000人見たら1000人が予想できたことよ。焦る必要も何もないわ……ってケーキないじゃない!!!」


真美「誕生日ケーキのない誕生日なんて……」

亜美「髭のないソリッド・スネークだよ!!」

貴音「困りましたね……落ちた部分は責任をもって私が食べるとして……」

響「全部貴音食べちゃうじゃないか!」

貴音「……はて」

律子「もう!! ボケまくらないの! 突っ込み少ないのよ!? 真もいないし!」


撮影現場

P「俺さ、雪歩はコスモスみたいな人だなって、思うんだよね」

雪歩「コスモス?」

P「ああ、コスモスの花言葉は確か……」

真「乙女の真心、ですよね。かわいくて素敵な言葉です」

P「そう、特に白いコスモスには、美麗、純潔、優美なんて言葉が並んでいる」



雪歩「私は、皆みたいな笑顔はできないし……ダメダメで……この撮影も、真ちゃんだけのほうがよかったんじゃ……」

真「雪歩、そんなこと言わないでよ。ボク、雪歩が雪歩なりに、一生懸命頑張ってるのを知ってるよ?」

雪歩「真ちゃん……」



P「いいか、雪歩……監督の指示だけが、演技じゃない、見せ方じゃない。雪歩には、誰にも負けない『自分を変えたい』という強い信念と、白いコスモスのような純潔な心を持っているんだ……って、ちょっと臭すぎたかな?」

真「いいと思いますよ。ボク、そういうの嫌いじゃないです」

雪歩「……プロデューサー……真ちゃん……」



P「雪歩」ギュッ

雪歩「はわっ! て、手を……」

P「お前ならできるよ。やっておいで」



雪歩「……はい! 行ってきます!!」

真「雪歩」

雪歩「真ちゃんも、ありがとう」ニコッ

真「あ……」

P「……真、どう思った?」

真「あの雪歩が、あんなふうに笑ったのは、初めて見ました……。今の雪歩なら、絶対……」

P「……そうだな。信じよう」



雪歩「私も大好きな、地元の味。クリーミーキャラメルを、よろしくね♪」

監督「…………なんだ、これは?」

雪歩「私なりに考えた、結果です……だめ、でしょうか?」

監督「……いや、いい。先ほどの菊池君とは違うベクトルだ……私の求めていたものではないが……萩原さん、とてもいいよ」

雪歩「あ、ありがとうございますぅ!」

真「き、菊池君って……いやな響きだなあ……雪歩は萩原さんなのに……」

P「あはは、まあまあ」



監督「すぐに演出を変えるぞ。萩原さんの方向に合わせる。できるか?」

スタッフ「は、は、はいぃ!!」

監督「私も手伝おう。できるまで帰れないことを許せ」

スタッフ「と、ととととんでもない!!」

監督「萩原さん」

雪歩「はい!」

監督「君はまだ、アイドルとして駆け出しらしいな」

雪歩「そ、そうなんです……でも……」

真(あの雪歩が、男の人と目を見て会話できてる……)

P(俺もまだ目を見てもらえないことのほうが多いのに……)


雪歩「私、自分を変えるためにも、ここでは終われません……そして……フェスで勝つことが、今の私の目標ですぅ!」

監督「……そうか。応援してるよ。これは監督としてでなく、君のファンとして、だ」

雪歩「あ、ありがとうございます!!!」

真「やーりぃ!」

P(そうか、雪歩……お前はそんなことを、思って……)


事務所

春香「ごめんね! 小鳥さんも本当にすみませんでした!」

あずさ「春香ちゃん? 謝るなら、「雪歩ちゃんに謝らないと」

亜美「ちなみに、あずさお姉ちゃんなら?」

あずさ「うーん、とっても悲しいわね〜。しばらく許せないかも、うふふ♪」

真美「あずさ、お姉ちゃん?」

美希「これが魔王あずさなの」



やよい「とりあえず、落ちちゃったケーキはお掃除完了です!」

貴音「とてももったいないですね……私が、地球にやさしい処理をしようと思っていたのですが……」

響「本気で食べるつもりだったのか? 貴音」

貴音「ふふ、とっぷしーくれっとです」

響「使い方違うような」

千早「使い方なんてあるの?」

貴音「それも秘密です」



律子「……まあ、春香、そういう日もあるわよ」

春香「一日一回転びます! いぇい!」

小鳥「ごまかしきれてないわよ、春香ちゃん、かわいいけど」

ガチャッ

春香「ひぃ」

P「ただいまーって……なんだよこの空気は……」

真「あれ? 準備、終わってないの?」

真美「あれ? ゆきぴょんは?」

P「雪歩はもう少し後だ。ちょっとした細工をしてあってな……」



真「プロデューサーってば、雪歩をだますために、車が動かなくなったふりしたんですよ」

小鳥「思い切りましたね……また随分と」

P「俺と真で車押して事務所向かうから、雪歩は先に帰っててくれってな」

真「雪歩がだまされてくれて助かりましたよ」

P「そして、コンビニでこれを買ってきた。小鳥さん、ケーキは?」

春香「ごめんなさい!!!」

P「えぇ!? なんでそんな完璧なフォームの土下座を!?」

P(まるで俺が前働いていた会社でミスを起こした時のような……)



伊織「だーかーら、謝る相手が違うでしょって」

春香「あは、そうだったそうだった」

亜美「はるるんはサンタクロース並みにあわてんぼうですな」

春香「あはは」

千早「笑うところじゃないと思うんだけれど……」

やよい「これ、ここを引っ張って使うんですか?」

P「ああ、そうだよ」



美希「やよいは、クラッカー使ったことないの?」

やよい「はい、はじめてですー! 食べるクラッカーは、何度かありますよ!」

小鳥「は、はじめて? それは、あっちの意味でのはじめてかしら?」

律子「小鳥さん? やよいは違法ですからね?」

やよい「いほう?」

小鳥「なんでもないのよやよいちゃん! あははははは……はぁ」

真「そろそろ雪歩帰ってきちゃう!」

響「かくれるぞー!」



…………………………

ガチャッ


雪歩「ただいまもどりましたあ。あれ?」

雪歩(だれも、いない? 真っ暗だし……電気はどこにあったっけ……?)

パン、パン!

雪歩「ひぃいいいいい!」

真美「電気きゃもぉおーん!」

パチッ



皆「雪歩!! お誕生日おめでとう!!」

春香「そしてごめんなさい! ケーキ転んで落しちゃいました!」

雪歩「皆……えへへ、嬉しいな。家以外で祝ってもらったのは初めてだよ」


貴音「では、ぱーてぃーの盛大な食事を、豪快にいただくとしましょう」

響「じゃんじゃん作るから、いっぱい食べてね!」

春香「雪歩? そのぉ、怒ってないですか?」

雪歩「うん、全然。それより、もっと大事なプレゼント、もらいましたから」



春香「え? どういうこと?」

雪歩「えへへ……」

(P「雪歩」ギュッ

雪歩「はわっ! て、手を……」

P「お前ならできるよ。やっておいで」)

雪歩(プロデューサー、あなたの手、とっても温かい手でした……)



真「そういえばプロデューサー?」

P「んー?」

真「コスモスの花言葉、もう一つあるのを知ってますか?」

P「なんだよ?」

真「へへ、乙女の愛情、ですよ」

――HAPPY BIRTHDAY YUKIHO――


おしまいです。雪歩、間に合ってよかった。

雪歩は、多分アイマスのキャラの中で、一番強い心を持った人だと思います。

弱気でダメな自分を変えたいという勇気が、雪歩の強さであり、最高の個性だと信じております。

閲覧ありがとうございました。よろしければ、過去作

律子「魔法をかけられた」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386738616/l50

も是非。

次回は竜宮小町とニュージェネレーションを書きたいですね。

またよろしくおねがいします

17:30│萩原雪歩 
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