2013年12月31日

モバP「タイムマシンがあったら?」

佐久間まゆ「はい」

P「? どうして急に、そんな話…」シャリシャリ

まゆ「深い意味はありませんけど…読んだ本にそんな話があったので、聞いてみたんです」


P「……うーん。そうだな」

P「いや、別に変えたい過去があるとか…っていうこともないしな。たぶん使わないと思うけど」シャリシャリ

まゆ「そうですかぁ?」

P「あ、なんだったら子どものころのまゆを見に行ってみたいな。それくらいなら、怖いことも起きないだろうし」

まゆ「ふふ? ひょっとすると、まゆは幼いころにPさんに出会っていたのかもしれませんねぇ…?」

P(やっぱ怖いこと起きそうだった!)ゾク

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P「ひょっとして」

まゆ「?」

P「この前持って来た本は、もう全部読んじゃったのか」

まゆ「ええ。一人きりでいると、退屈ですから、けっこうすいすい読んじゃいますねぇ」

P「そっか。じゃあまた明日にでも新しいのを持って来るな」

まゆ「はい」ニコ

P「ちなみに、どんな本がいい?」

まゆ「…えっとぉ…お料理とか、編み物の本がいいですかねぇ…」
P「そっか。まゆはやっぱり、料理とか好きなんだな」

まゆ「はい♪ いつだってPさんにご馳走できるように、ちゃんと勉強しておかないといけませんから」

P「お、おう。楽しみにしておくよ」

まゆ「あ、でも…別にPさんがまゆのために選んで持って来てくれるのなら、どんな本でも構いませんよぉ…?」ニコ

P「そ、そうか…」ハハ…

まゆ「はい。ふふ…」
まゆ「あ、そうだ」ポン

P「ん?」

まゆ「その…今はお料理はさすがに無理ですけど、編み物ならできるので…」ガサ
まゆ「これ、Pさんのために編んだんですよぉ」

P(…この時期にセーターかよ…)
P「あ、ありがとう」ハハ…

まゆ「まだ少し肌寒いですからねぇ。それに」

P「ん?」パサ

まゆ「それを着て感じる暑さは、私の愛情のしるしですからねぇ…? たっぷり感じてくださいね…ふふ」

P「…うん。ありがとな」ガサ

まゆ「はい♪」
コンコン


P「ん」

まゆ「? この時間だと、もしかするとー…アイドルの子かもしれませんね」

ガラ

神谷奈緒「お、元気そうだなー」

北条加蓮「ほんとだ。おはよう、まゆ」

まゆ「はい。おはようございます」

奈緒「ついででごめんな。プロデューサーを拾いがてらなんだ」

まゆ「全然いいですよぉ。こうして来てもらえるだけで、嬉しいですから」

P(まゆはいい子や…)
加蓮「今朝は顔色もよさそうだね」

まゆ「はい♪ ご飯もちゃんと食べましたし…なによりPさんが来てくれましたから」ニコ

P「…ごめんな、本当はずっと一緒にいてやりたいくらいなんだが…」ナデナデ

まゆ「ふふ。仕方ないですよぉ。Pサンは、みんなのプロデューサーですもんねぇ」ナデナデ

P「…お前も俺を撫でるのか…」

まゆ「ふふ♪ いつもお疲れさまです」ナデナデ

奈緒「なんか情けない絵面だなー」

P「うるさい。自分も撫でて欲しいからって突っかかって来るんじゃない」ナデナデ

奈緒「ばっ// そ、そんなこと思ってねぇよ!」//

まゆ「♪」
P「よし。じゃあまた明日来るからな。仕事、行って来るよ」

まゆ「はい。気をつけて行ってくださいねぇ」

加蓮「夫婦みたいな会話だね」ハハ

奈緒(…ち、ちょっとだけ羨ましかったり、しないからなー)

P「っと。リンゴ、切ったからな。よかったら食べてくれ」コト

まゆ「はい、大事に食べますねぇ」

奈緒「でこぼこじゃねえかよ」

P「う、うるさいな!」

まゆ「いいんですよぉ。Pさんが、私のために頑張ってくれたって、伝わって来ますから」

P「…そっか」

加蓮(まゆはいい子だね…)
ガラ

看護師「佐久間さーん。検温、いいですかー」

まゆ「はい」

P「じゃあな」

まゆ「はい♪」
P「よし。じゃー今日も仕事、頑張るか!」

奈緒「現場に行ったら頑張るのはあたしらだけどな」

加蓮「プロデューサーも、アイドルする?」

P「しねえよ!」



P「……」

P「…タイムマシン、か…」

加蓮「? なにか言った?」

P「あ、いや…なんでもないよ」
投下終了。
多少遅筆かと思いますので、のんびり読んで頂けると嬉しいです。

>>8 あ、ホンマ…知らんかった…
P「それでは、お疲れさまでした」

ちひろ「はい。お気をつけて」

凛「…」ペラ

P「凛はまだ残るのか?」

凛「…」

P(…無視か)
P(昼間あんなことがあったから、無愛想にされるにしてもなにか変化があるかと思ったが…これは普通に触れてはならないタイプの無愛想だな)ウン

凛「ねえ、プロデューサー」

P「ん?」

凛「…今日、いつもより早い気がするけど。なにか用でもあるの?」
P「ああ。本屋に寄って帰るつもりだから」
P「なにかまゆが興味のある本はないかなと思ってな」

凛「…っ、そう」ズキ

P「おう」

凛「…プロデューサー、…最近まゆに気、遣いすぎだと思う」ハア

P「そうか?」

凛「仕事はちゃんとやってる?」

P「やってるよ。はは、アイドルに心配されるなんて…情けないな、俺」

凛「そんなことないよ」

P「そっか。ありがとう」

凛「…」プイ
P「じゃあな。また明日」パタン

凛「…うん」

加蓮(…凛…)







P(…お、タイムマシンが本当に可能かどうか、なんて本もあるのか…)
P「…こういう本も、案外ありかな。小説ばかりでもつまんないだろうし…」パラパラ

??「おや。こんなところで会うとは奇遇ですね」

P「ん?」
P「なんだ幸子か」

輿水幸子「なんだとはなんです。というかですね、プロデューサーさん」

P「なんだ」

幸子「ボクが声をかけるまで気づかないなんて、どうかしているんじゃないですか?」
幸子「もっとボクの可愛いオーラにちゃんと気を張ってください! 本来、そんなことしなくても感じ取れるくらいボクは可愛いはずです」

P「…悪い悪い」
P「あ、なんか可愛い感じがするなーとは思ったんだけどな」

幸子「あ、そうですか?」

P「ちっちゃいから気づけなかった」

幸子「なー!?」
幸子「もう! プロデューサーさんなんて知りません!」プイ
幸子「…ところで、なんの本ですか? それ」ヒョコ

P「発言と行動が一致してないぞ…」

幸子「……タイムマシンは本当に可能か…」
幸子「へえ。プロデューサーさんは、なかなかロマンチストだったんですね。悪くないと思いますよ」

P「そうか?」

幸子「ええ。誰にだって変えたい過去くらいあるでしょうしね。それに想いを馳せることは普通のことです」
P「…」
P「なあ、幸子」

幸子「はい?」

P「…お前にも、なにか、変えたい過去はあるか?」

幸子「…。ええ。ありますよ」
幸子「でもそんなことはできないですし、すべきでもないでしょう」

P「…うん」

幸子「だからと言って、そこから逃げるべきでもないと思いますが」

P「逃げる?」

幸子「はい。「どうせ変えられないから」ではなく、「例え変えられるとしても」が、人には必要な心構えだとボクは思いますね」

P「…そうだな」
幸子「…なので、アリのようにせっせと努力するプロデューサーさんは、この可愛いボクが応援してあげます」

P「アリて」

幸子「頑張ってください」

P「お、おう。…なんだかよく分からないが…」

幸子「まったく、こんなことも分からないなんて…プロデューサーさんはだめだめですね、ふふっ」

P「すまん」
幸子「では、ボクはこれで」

P「ああ。…幸子」

幸子「はい?」

P「ありがとうな」

幸子「…いえ。ボクはカワイイですからね! このくらい当然です!」フンス

P「そっか」

幸子「…」
幸子(…最近のプロデューサーさんの顔を見て…気を遣わない子なんて、うちにはいないですって)

P「また明日」

幸子「はい」
パラパラパラ…

P「むう…なかなか、どれも面白いじゃないか…」
P「…何冊かに絞らないとな。きりがないし」パラ

ヒュ

P「…っと、しおりが…」

ヒラ、ヒラ…

P「よっと」パシ
P「…」
P「…なんだこれ。きぐるみの宣伝か? “…タイムマシン、あります”…」
P「……」







店員「ありがとうございましたー」

ガサ

P「…結局、なんだか気になって…最後に手に取ったやつも買ってしまった」
P「内容は普通の本のようだが…このしおり…」ピラ
“タイムマシン、あります”

きぐるみの山がプリントされたしおりに、ただ一言、地味なフォントでそう書かれていた。



そんなわけない。

…と思いつつ――期待してしまう自分がいる。


タイムマシンがあったら。


…最近、こんなことばかり考えてるな、俺…。
もうあれから、ずいぶん時間が経ったのに――


??「もふもふ」
「そこのおにーさん」
「そこのおにーさん♪」


奥の見えない、暗い路地裏から声がした。
そんな場所には似合わない明るい声が、二つした。


P「?」

??「タイムマシンが、ごいりよーでごぜーますか?」

P「……は?」
投下終了。
次は明日になるかもしれません。
まゆ「…」

P「…どうかしたか?」

まゆ「…いえ…Pさんは、…優しいなって」

P「そんなことないよ」
P「…まゆは大切な、俺のアイドルだから」

まゆ「…」ニコ


「ありがとう。プロデューサー」


―――グラッ…


P「ぐっ」
P「…そんなことないよ」


P「――凛は、俺の大切なアイドルだからな」
P「じゃあ…な、なんかごめんな。逆に慰めてもらっちゃって」ナサケナイ…

まゆ「いいんですよぉ。まゆは、いつだってPさんの味方ですから」

P「…うん」

まゆ「…」
まゆ「…あの、Pさん」

P「ん?」

まゆ「…凛ちゃんは、どうしていますか?」

P「凛か?」
P「…いつも通り、クールな顔して仕事こなしてるよ。さすがって感じだ」

まゆ「…そう…ですか」

P「ああ。だからまゆも、早く元気になって、またアイドルしような」

まゆ「…はい」ニコ
ガバッ

P「うえ!?」

凛「…ぷ、…プロデューサー…会いたかったよ」ギュウ

P「は? な、どうして急に。なにかあったのか?」

凛「…」ギュー

P「…おーい。凛ってば」

凛「……お願い」
凛「…もう少しだけ…こうして、いさせて…」

P「……あ、ああ」
凛「…ありがと。じゃあ、もう行くね」

P「あ、ああ」
P「…えっと…なあ、凛」

凛「ん?」

P「…なにがあったか、無理には聞かないけど…」
P「頑張ってな。俺、凛のこと、信じてるから」

凛「…」クス
凛「うん。ありがと、プロデューサー」


「じゃ、“またね”」
P「…凛が…失敗?」

加蓮「うん。けっこう派手にやっちゃって…まあ、収録はなんとかなったんだけど」

P「……そうか」
P(さっき泣いてたのは…そういうことだったのか)

加蓮「プロデューサー」

P「うん?」

加蓮「凛が失敗したのは、どうしてだと思う?」

P「……どうしてだ?」

加蓮「…」ハア
加蓮「私はまだいいけど。凛がどんな気持ちか、プロデューサーには分かる?」

P「…それは、…」

加蓮「…私だって、まゆのこと…嫌いになりたくない」
加蓮「お願いだよ、プロデューサー…」

P「…」
鼻先を轟音とともにトラックがかすめて行く。



俺は間違っていたんだろうか。
タイムマシンがあったら。あるなら。
俺はやり直すべきなのだろうか。



「タイムマシンがあったら」
「Pさんは、どうしたいですかぁ?」




まゆは。
ここで俺を庇ったことを、後悔しているのだろうか。
それは彼女の変えたい過去なのだろうか。
まゆっ!


意識せずそう叫び、走り、車椅子を押し倒すようにして乱暴に跳ねのける。


ガシッ


その瞬間には、自分の身体が、車に跳ねられたのか、ただ地面に落ちただけなのかが分からなかった。
ただ視界がチカチカ明滅し、額にぬるりとした感触が伸びる。


まゆ「…Pさん…どうして…」


どうしてもなにもあるか。
俺はお前のプロデューサーだぞ。助けるに決まってる。


そうしっかりと言葉にできたかどうかは、あまり自信がない。
ちひろ「プロデューサーさん?」

P「…あ、いえ…だ、大丈夫です。ちょっと眩暈がするくらいで…」
P「そ、それよりまゆは? 無事ですか」

ちひろ「え、ええ。もう病院に戻りましたよ」

P「そ…ですか」ズキズキ
P「…ぐぅ」
コンコン

P「…凛」

凛「……」

P「…」
P「大丈夫か」

凛「……なんで?」

P「?」

凛「…私、まゆにひどいことしたんだよ…?」
凛「なのに、どうしてそんな風に声、かけられるの?」
凛「もうまゆのことは見ないで」

P「……だから、二人とも…」

凛「プロデューサー、まゆしか見てない」

P「…そんなことないって」

凛「…っ」ギリ
凛「…なんで? どうして?」ポタ

凛「プロデューサーを助けたのは、私なのに…」

P「…え?」
P「…俺を…助けた?」  ――ズキッ…

ドンッ

P「っ」ドサ
P「お、おい、凛――! がぁ…っ」ズキン
今日はここまでです、まちまちで申し訳ないです。
今日夜か、明日の完結を目指してます。
途中から即興になっているので、かなり荒い展開になってしまってますね。
まゆ「…P…さん」

P「…やあ」


だからベッドに横たわるまゆが、嬉しそうじゃなく辛そうに俺を迎えることに、息が止まる。


頼むよ。
そんな顔しないでくれ。

まゆまで、凛と同じような目で俺を見ないでくれ。


P「どうだ、調子は」

まゆ「……」
まゆ「そんなあなたが、私は大好きでした」

P「…」


やめてくれ、


まゆ「けど、もういいんです」


それ以上は、


まゆ「…だってPさんは、ただ私のことを――」

P「…やめてくれ…」

まゆ「かわいそうだと思っているんですよねぇ…」

P「そんな風に思ってなんかない!」


……もうなにも言わないでくれ…。
事務所に戻る。


…まゆにとって、俺の存在は負担だったのだろうか。


…だったのだろう。
それこそ、自殺しようと思うくらい。



――俺は一体、…どうしたらいいんだろう。どうすべきだったんだろう。
??「…というわけで」
??「大切な人を傷つけ、同じくらい大切な人に拒絶されてしまった、おにーさん」

P「…直球だなぁ」ハハ…

??「辛いよね」

??「分かるでごぜーます」

??「変えたい過去なんて誰にだってあるよ」

??「そう思うことも、与えられた機会を利用することも、悪いことではごぜーません」

??「誰も怒らないよ♪」

??「はい」

??「だから、ね?」

P「…」
――タイムマシンがあったら?



「過去を変えようなんて、――今の私に、失礼だと思う」

「きっとなにもしないと思いますよ?」

「そんなことはできないですし、すべきでもないでしょう」
「例え変えられるとしても」



「どうもしません」
「ただ、いつだってPさんが幸せでいてくれるなら」



俺は――
??「ふえ?」

??「…残念ですが、守秘義務があるんでごぜーます」

??「あ、そうだった。シュヒギムがね」アハハ

??「もう。おねーさんしっかりしてくだせー」

??「ごめんねー♪」キャハ

P「…そうか」
??「よく言いやがりました、おにーさん」

??「うんうん。よかったー。これでアタシたち一年は食べていけるよー」

P「えっいくら取るつもりなの?」

??「おねーさんなりの冗談でごぜーます」

P(分かりにくっ)

??「…まあ、見返りは必ず頂くんでごぜーますが」

P「…。お金?」

??「それでもいいですが、お任せするですよ」

P「任せる?」

??「はい。おにーさんなりのせいいを見せてくれれば、けっこうでごぜーます」

P(文字通りに受け取り辛い台詞だな、おい)ヤクザカヨ
??「えへへ」

??「くすくす」

??「このおにーさん、面白いね♪」

??「はい。??たちの目に狂いはなかったでごぜーます」

??「うんっ」

P「……どうかな」

??「合格だよー♪」

??「で、ごぜーますー」パチパチ

P「そっか」
P「…着るの? これ」

??「はい」

P「……他に方法は?」

??「ないでごぜーます」

P「まじか…」

??「似合うと思うよ?」

P「そういう問題じゃねーよ」
P「これで過去へ行けるのか?」

??「あと一歩でごぜーます」

P「どうすればいいんだ?」

??「ペンギンの気持ちになるですよ」

P「…は?」

??「タイムマシンの気持ちでも可」

P「なおさら知らねえよ」

??「冗談でごぜーます」

P(二人揃って冗談が下手くそか!)
P「…なんだそ、…れ…?」グラ

??「もふ」

??「もふ」

??「おにーさんが、無事に帰って来ることを、祈ってるですよ」

??「またねー♪」ヒラヒラ

P「…っ、お、おい…」グニャ…
P「…ぐ」
まゆ「…Pさん?」

P「え?」

まゆ「…えっと…」
まゆ「どうしてここに?」

P「…どうしてって…」
P「? こ、ここは?」キョロキョロ

まゆ「……別に、どこということもないですけど」
まゆ「ただの交差点ですよぉ」

P「……交差点…」

まゆ「…?」
まゆ「私は気にしないので、別に構いませんけど…」

P(いや、気にした方がいいんじゃないか…俺が言えたことじゃないが)

まゆ「ペンギンなPさんも可愛くて素敵です…」フフ…

P(まゆはポジティブだなぁ)

まゆ「そんなことより、早く行きましょう?」

P「へ?」

まゆ「Pさんから遅れるって連絡があったばかりですから、驚きましたけど…私のために急いでくれたんですねぇ。まゆは嬉しいです」

P「…」
P(まゆの待ち合わせ…そうか。あの日は、そうだったか)
P「…」コソ
P「…とりあえず、物影から様子を見ることにしよう…時間遡行じゃ過去の自分にあってはならないってのは、常識みたいなもんだもんな」

まゆ「…」

P「…大人しく待ってるな」
P(こうして見ると、淑やかで家事もできるいい子なんだよな、まゆ……いや、別に喋っても十分いい子なんだが…)

まゆ「……」
P「…あ?」
P「…おい、…おいって。信号赤だぞ、スピード落とせよ」


P「おいってば。おい」

P「…あっ」



グシャ
??「ン?」

??「……お帰りでごぜーますよ。ですが残念ながら」スパン

??「あっ」

P「…おえ…」ビシャビシャ…

??「過去を変えることは、できなかったようでごぜーますね」
P「……なあ…」ハア、ハア…

??「はい」

P「…あれは…俺が知っている、過去じゃ、ない」
P「……どういうことだ…?」
P「……じゃあ、俺は…どうすれば過去を変えられるんだ?」

??「何度もくり返し過去へ行くしかないです」
??「いつか、まだ“あり得たしあり得る過去”に巡り会うと思うですよ」

P「…………」

??「…もう、やめやがりますか?」

P「…いや、…やめないよ、やめない」
P「…けど――ちょっと休憩させてくれ…」ハア

??「へへ。だからおにーさんは運動不足だって言ったじゃん♪」

P「運動不足は、関係ないって…」
P「…っと」

まゆ「…Pさん?」

P「…やあ、まゆ」

まゆ「…えっと…」
まゆ「どうしてここに?」

P「ちょっとな」
P「あ、ペンギンなのは突っ込まないでくれ。仕様だからな」

まゆ「あ、はい」
コソ

P「…さて」
P(…俺が跳ねられませんように、なんて一瞬思ったが…考えてみれば、こうしている限り俺は必ず誰かが跳ねれらるのを見ないといけないんだよな…)

P「……めっちゃ辛いじゃん、これ…」

まゆ「!」パアアァ

P「あ、俺だ…くっそ、まゆと楽しそうに話しやがって…爆発しろ!」
P「…………。不謹慎か」
過P「まあ、歩きながら話すか。まゆは仕事に行かなきゃだしな」

まゆ「そうですねぇ」トコトコ

過P「凛は、今日はもう事務所に――」

パシ

凛「…」

過P「…凛?」

まゆ「…? お二人とも、どうかしましたかぁ?」

過P「――おい、まゆ!」

まゆ「…へ?」
スパーン

P「がっ!?」

??「あ」

??「あ、ごめんっおにーさん! のーてんにシャトルが!」

P「…」シュゥゥ…
P「…いや…おかげで、悲しむ隙がなくなったから、いいよ…」イテェ…

??「あ、ほんと? よかったー、えっへへ♪」

??「……おにーさんは、いい人でごぜーますね」

P「…ありがとう」

??「??」







P「……よし、またこの物影に隠れてっと…」

凛「…」

P「あ」
P(ぺんぎんりん、三度か)

凛「……やあ、プロデューサー」
凛「さっき振り、だね」

P「…? さっき?」

凛「……まあ、いいや」
P「…なあ、凛」

凛「なに?」

P「…さっきさ。凛が俺を助けてくれる過去を見たんだ」

凛「うん」

P「代わりに、まゆが死んだよ」

凛「うん」

P「…そこまでして…凛は、俺のことを、助けたかったのか?」

凛「うん」

P「……そう、か」
凛「耐え切れなかった」
凛「だってプロデューサーが私に向ける目は、……死んでるみたいに抜け殻なんだもん…」ポロポロ

P「…」

ギュ

凛「…ねえ、ねえプロデューサー」
凛「どうして? どうしたらいいの? 私は、どうしたらプロデューサーに見てもらえるの?」
凛「…いやだよ…まゆばっかり、見ないでよ…私のことも見てよ……」

P「…」

凛「…ひっく」
凛「どうして、こうなっちゃったんだろ」
凛「…タイムマシンなんて、やっぱり使っちゃだめだね」

P「……そうかもな」

凛「…うん」
凛「……ねえ、プロデューサー」

P「ん?」

凛「…プロデューサーはさ…まゆのこと、好き?」

P「……ああ」

凛「私のことは?」

P「…好きだよ」

凛「うそ」ニコ
凛「…はあ」
凛「ねえプロデューサー。私、もう疲れちゃった」

P「…そっか」

凛「うん。だからね、これは五度目の正直なんだけど」

P「多いな」

凛「まあね」クス
凛「…もう、死んじゃおうかなって」

P「……え…?」
凛「……?」
凛「…あ、れ、…私…」

まゆ「……だい、じょうぶですかぁ…? 凛ちゃん」

凛「…まゆ?」

過P「お、おい。二人とも無事か!?」タタッ

まゆ「…ふふ、もう…Pさんってば、遅いですよぉ。殿方なら…真っ先に駆けつけてくれなきゃ」

過P「あ、ああ。すまん。まゆの言う通りだ…」
過P「と、とりあえず、いま救急車を呼ぶからな。待ってろ」

まゆ「…はい」
まゆ「凛ちゃんが怪我をしたら、Pさんが悲しみますから」

凛「…………」
凛「…そっか」
凛「…はー…もう、いや。まゆに、私なんかが敵うわけないじゃん…」ヘタ

まゆ「そんなことないですよぉ」
まゆ「まゆはPさんのことが大好きで、独占したいとも思ってますけど、でも、」

凛「…?」

まゆ「まゆと一緒にいるときより、事務所にいるときの彼の顔の方がずっと素敵ですから。少なくとも、今は」

凛「……」
凛「…そう、だね」

まゆ「はい」
凛「…」

過P「おい。凛も大人しくしておけよ。…見たところ、なんともなさそうだけど…」

凛「…」スタスタ

過P「お、おいって」

凛「プロデューサー」

過P「ん?」

凛「ごめんね。また、あとでね…まゆも」

まゆ「ええ、また」ニコ

過P「…? あ、ああ…」
凛「…」

P「……えっと…」

凛「帰ろっか。プロデューサー」

P「…うん、そうだな」

凛「……もう…私は、大丈夫だから」

P「…そっか」

凛「うん」
コンコン

まゆ「はぁい」

ガラ

P「よ。調子はどうだー」

まゆ「Pさん。来てくれたんですねぇ」
まゆ「おかげさまで…そろそろ退院できるって、お医者様が」

P「! ほんとか」

まゆ「はい」
まゆ「ふふ…これでまた、Pさんと一緒に、アイドルをやって行けますねぇ」

P「ああ。…よかった」
凛「早く復帰してよね」
凛「まゆがいないと――事務所も、“いろいろと”退屈だから」チラ

まゆ「…ええ」フフ
まゆ「もう少しだけ、待っててくださいねぇ」チラ

P「ん?」

凛「うん」

P「…なんだよ、二人して俺のこと見て…」

まゆ「ふふ?」

凛「ふふ♪」
奈緒「つっても、また新しい子も入って来たし…最近は、けっこう想像しいけどな」

まゆ「そうなんですかぁ?」

加蓮「うん。…とりあえず、きぐるみが増えたよね」

まゆ「??」

凛「…まあ…その辺りは、復帰してからのお楽しみってとこかな」

まゆ「」クス
まゆ「そうですねぇ。楽しみにしておきます」
まゆ「…あ、そうだ」
まゆ「あの、Pさん」

P「ん? なんだ?」

まゆ「…えっと、Pさんが持って来てくれた本の中に、タイムマシンが出て来て」
まゆ「ふと思ったんです。Pさんは、もしタイムマシンがあったら、…どうしますか?」

P「……そんなの決まってる」
終わりです。くぅどころか大変疲れました。


ままゆがやたら綺麗だったり、謎の時間理論だったり洗い設定だったり…
文章自体大変稚拙だったと思います。
途中レスをして下さった方、最後まで読んでくれた方には多謝であります。


依頼だして寝ます。お疲れさまでした。ありがとうございました。

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