2014年01月08日

P「セクハラセクハラセクハラ伊織セクハラセク──」

伊織「ふぅ……ただいまー」ガチャッ

P「おう、おかえり」カタカタ

伊織「まったく、今日の収録なんなのよっ。


アンタが持ってくる仕事のせいでクタクタよ…」

P「悪かったよ……とりあえず胸揉んでやるから、そこ座ってろよ」カタカタ

伊織「はいはいっ……あ゛〜〜〜」

伊織「って今なんて言った!?」

P「え? 胸揉んでやるって……なんだ、俺がしてやるのがそんなに珍しいか?」

伊織「で、でたわね変態っ……! 今回はそうはいかないわよ!」

P「とか言いながらいっつもセクハラされてるくせに……、
  いい加減諦めて俺の嫁になれ」

伊織「い、いーやーよー!!! アンタが今までどれだけ私をコケにしてきたか、
   今日こそ積年の恨みを晴らすときよ!」

P「……」

伊織「〜〜〜〜っ!」

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P(まぁ、また適当に言いくるめればいいか)

P「…」ズイッ

伊織「い、伊織ちゃんパーンチ!」

P「ひょいっと」

伊織「ぐぬぬぬー……! パーンチぃ!」

P「ほい、ほいっと」ヒョイヒョイ

伊織「な、なんで当たんないのよっ!」ブンブン

P「伊織は可愛いなぁ〜」ヒョイヒョイ

伊織「こ、こんのーーっ──」

P「はい、まず一本」パシッ

伊織「なっ!? ちょ、離しなさいよ!」

P「はいもう一本」パシッ

伊織「ひっ…!」


P「お得意の伊織ちゃんパンチはもう使えないぞ〜?」ニヤニヤ

伊織「や、やめて……離して…っ!」ジワッ

P「ふひひひ」

伊織「うぅ……」グズッ

P「……」スッ

伊織「〜〜〜……! ……あれ」

P「ふぅ、仕事仕事っと」

伊織「……え、あの…」

P「ん、どうした伊織。おつかれ、俺はまだ仕事あるから、先帰っていいぞー」

伊織「あ……そう」

P「…………」

伊織「……」

P「帰んないのか?」

伊織「え、あ、かか帰るわよっ! ここで台本読んでから新堂を呼ぶわ…」

P「あっそう。ほいじゃとりまおつー」

伊織「……」イラッ
 ────
  ──

P「……」カタカタ

伊織「ねぇ、アンタ……っ」

P「ん、どした伊織」

伊織「えっと、さ……その…」

P「なんだ、はっきり言えよ。俺が好きだって」

伊織「はぁ!? んなわけないでしょうが!!」

P「わーってるよ……はぁ、ストレートに言われると思いの外傷付くな…」


伊織「ぁ……ゴホン、それでね…アンタに手伝ってほしいことがあるのよ」


P「え、手伝い?」
伊織「この、台本なんだけど……」

P「あー、伊織がメインで出るドラマじゃないか」

伊織「このシーンなんだけど……」

P「あー、伊織が主演男優と抱き合うシーンじゃないか」

伊織「淡々と言うわね……」

P「で、このシーンがどうかしたのか?」

伊織「ここのシーン、よくイメージできなくて…」

P「俺に抱いて欲しいのか、よしおいで」

伊織「そう面と向かって言われるとウザさ倍増ね…まぁ、結論そうなんだけど」モジモジ

P「そっかー、伊織も初心だなぁ」ニヤニヤ

伊織「う、うっさいわねっ!」

P(これは好機)


P「じゃあ、シーン再現でもするか」

 ────
  ──

 ────────────────────────
  ある日の昼下がり、彼女はついに覚悟を決める。
   ────────────────────

 
伊織「っ……あ、あのっ!」


 ────────────────────────
  紅潮した頬に、彼の指先が優しく触れ──その手を…
  ──────────────────────   


伊織「わ、私……貴方のことが…」

P「俺も、お前のお尻が大好きだよ」サワサワ


 ────────────────────────
  その手を、後ろに回しそのまま弄(まさぐ)るように動かし──
   ────────────────────  


伊織「か、カーット!///」


P「俺は、もうお前を離さないっ…!」ギュッ

伊織「や、役に入んなくていいから、てか変態ッ!///」ジタバタ

P「役になんか、入ってない。俺は伊織のことがっ……!」

伊織「ちょ、アンタ……///」

P(抵抗出来なくなってるぞ伊織)

伊織「……じゃあ、このまま、続ける…?」

P「オーケー」サワサワ

伊織「ぁ──ってセクハラの続きじゃないわよ!」

P「あ、そうか」
伊織「ったく、変態はどこまでも変態ね…」

P「このままずっと抱いていていいってことだな」ギュッ

伊織「…もう、バカっ……」

P(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)

伊織「っ……///」

P(あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)

P(デれてます、この子デれてます!!)
伊織「案外、落ち着くわねこれ」

P「それだけ俺を、信頼してるってことだよ」

伊織「なんか急に寒くなったわ…」

P「俺があっためてやる」ギュウ…

伊織「つ、強いぃ……!」

P(伊織のちっぱいが当たってる、当たってるうううううううううううう)

伊織「……で、これからどうするのよ。抱き合ってて仕事できるの?」

P「ふむ……色々な意味で捗るが、確かにデスクワークは……あ」

伊織「なによ?」
 ────
  ──

P「……」カタカタ

伊織「……」ソワソワ

P「意外と、重いな。これが愛の重さか」

伊織「アイドルに重いとか言ってんじゃないわよ……! 
   ていうかアンタがこうしろって言ったから!」

P「別に『やれ』とは言ってないけどな、強制なんてしてないし」

伊織「そ、そうだけど…」

P「なんで乗ってるんだよ、重いよどけよ」

伊織「ぐっ……う、うううるさい! 乗りたいから乗ってるの、悪い!?」

P「わ、悪くないですけど……」カタカタ

P(悪くないですけど、悪い方向へは向かってますよ。
  僕の舟に乗っちゃってるよいおりんマジ単純)

伊織「ったく、スーパーアイドル伊織ちゃんが膝に乗ってあげてるんだから、
   それだけで感謝しなさいよねっ」

P「へいへい、感謝感激雨あられー」カタカタ

伊織「ムカつく言い方ね〜……!」

P「黙って俺の仕事見てろ」カタカタ

伊織「はいはい、それにしても、めんどくさそうなことしてるわね〜」ジーッ

P「スンスン…」カタカタ

伊織「……」

風呂いってくる→

P「すんすんっ……」カタカタ

P(いいかほり…)スンスンスンスン─

伊織「ひぁっ……く、くすぐったいわよ…!」

P「いや、ただ俺は呼吸を……」

伊織「あ、そうなの? なら、しょうがないけど…」

P(ここで気づかないのがいおりん、まじいおりん)

伊織「やっぱりタイピングとか早いのねー」

P「誰でもフンスー、こうなるさフンスー」カタカタ

伊織「ぅああ……!」ゾクゾク

P「ん、どうした伊織フンスー」

伊織「なんで──ひゃっ! ……なんでもないからっ!」ビクッ

やべぇくそ眠い・・・いおりんイジリはまた明日
P「そうかフンスー」

伊織「……っっ!」ゾクゾク

P「……」

伊織「はぁ…っ」

P「……悪い伊織、少し顔近くなるぞ」ズイッ

伊織「ふぇっ? う、うん……」

P「えーっと、ここの予定が…」

P(伊織の横顔……いつにも増して艶かしく見えちゃう)

P「それで……」チラッ

伊織「……!」チラッ

P「あ、わ、悪いっ……」

伊織「え、いや別に……」

P「…伊織、顔赤いぞ?」

伊織「ぇ、き、気のせいよっ」

P「あと、さっきからの喘ぎ声が気になってしょうがないフンス-」

伊織「ぅあ……ってアンタの、その鼻息のせいよ!」グドッ

P「がぎゃっ!? 脇腹っっ……!」

伊織「バカ変態! もう知らないっ!」プイッ

P「それでもどかない伊織であった……っうう」

伊織「うるさッ……って、大丈夫…?」

P(嘘モードにシフトします)



 P「俺さ……ずっと言ってなかったんだけど、内蔵に病気抱えてんだよ…」



伊織「えっ……な、なんでそれを先に言わないのよ!!」



 P「アイドルに、変な心配掛けさせたくないだろ……? ぐぅっ!」



伊織「アンタ……」



 P「お前が、悪いんじゃない……怒らせた俺に責任がある…へへっ。
   普段だったらお前の攻撃なんて、当たらないんだけどな…油断、してたよ」



伊織「……ねぇ、ねぇ! しっかりしなさいよッ!」


 P「え……? あぁ、今寝てたか俺…なんかプッツンとイっちまったみたいだ…」



伊織「イヤ、やめてよ……私、アンタが居なくなったら…っ」ジワッ



 P「大丈夫だ。そう簡単に死にやしないよ……あ、携帯…取ってくれ」



伊織「あっ、うん!」

P「……」ピポパ

伊織「……っ」

P「あっ、すいません…救急車を、大至急。 
  場所は─○□──の、765プロです」

伊織「……っ!」ジワッ

小鳥『ピヨ……? 何かのお芝居ですか?』
P「はい……やっちまいました」

伊織「いや、いやよ……!」

小鳥『伊織ちゃんも一緒ですか。分かった、伊織ちゃんをイジってる途中でしょう?』

P「はい……」

小鳥『お話、楽しみにしてますねっ』

P「ははっ……まかせておいて下さい…」ピッ

伊織「ねぇ、病院の人はなんてっ?」

P「“すぐに向かう”、だとさ……うぅ!」


伊織「プロデューサー!」


P「……プロデューサー、か…お前をアイドルとして育ててきて、
  本当に良かったって、今そう思えたよ」
伊織「は、話をまとめようとしてんじゃないわよ……! 
   アンタ“死なない”って、さっき言ったばかりじゃない」

伊織「芸能活動とか色々……アンタとは、これからじゃないのよ!」

P「一応、だよ……はぁ…」

伊織「もうっ……」

P「一度で、いいから……伊織」

伊織「なに……?」


 P「お前と……キス、したかっ──」


伊織「っ──……」チュッ

P「……っ!?」

P(な、にいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?!?!??)

伊織「っん……、ぅ──……」

P「……、……っ」

伊織「──…ぷはっ…」

P「…い、伊織……」

伊織「は、初めて…」ボソッ

P「え……?」

伊織「初めて、だからっ……!///」

P「…………」

P(重いっ……!!!)

伊織「あ、アンタみたいなイカさない男に、
   これからキスするような子が出てくるわけがないわ!」
   
伊織「だから、慈悲として、
   し、しょうがなく……私がしてあげただけなんだからっ!///」

P「お、おう……」

伊織「だから、だからッ! これからも、私がそばにいてあげるから……!
   ちゃんと、生きて──い、生きなさいっ!」

P「は、はいっ……!」

伊織「〜〜〜〜!///」プシュー…

P「は、ははは……」

P(どうしよう)

P(このままじゃ伊織に殺されるどころか、
  水瀬財閥を敵に回してしまう……)

 ────
  ──

P「って、こんなこともあったっけなぁ」ポリポリ

伊織「もう、忘れてたの? ホント、ちゃらんぽらんに生きてるわねー……」

P「はははっ、実際その通りだからなんも言えねぇや…」

伊織「ふんっ。それよりほらっ、これからのスケジュールは?」

P「おう。今日はこれから──……」


 数年後、水瀬伊織はアイドルを引退することになる。                       
 誰にだって始まりがあり、そして終わりがある。

 芸能活動に終止符を打った伊織は、それからまた──新たな道へと歩んでいく。
 俺はその尻を、ただただ追いかける。追いかけているだけだ。



 それが──“変態プロデューサー”と言うものだろう。フヒヒヒ。


 
             
                               おわり
見てくれた人ありがとう! 
少し短いけど、自分自身萌えることができたからおk
では自己満足でしたが乙!

03:30│水瀬伊織 
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