2014年01月08日

モバP「アイドル達の公式グッズですか」ちひろ「はい♪」

P「段ボールが山積みで、ゴミゴミしてますね」

ちひろ「どれもまだ開発、試験段階ですし」

P「……それで、俺にモニターをしてほしいと?」


ちひろ「やっぱり最終的な判断をですね、プロデューサーさんにしていただこうかなと」

ちひろ「アイドルの皆さんの事を一番分かってるのは、プロデューサーさんだと思いますから」

ちひろ「お忙しいと思って、ちょっと頼みづらかったんですけど……」

P「いやーこの位別に全然構いませんけどねハッハッハ」

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P「で、どんなグッズがあるんです?」

ちひろ「まずは一般向けの商品で、携帯ゲーム機ですね」ゴソゴソ

P「ゲーム機ですか」

ちひろ「そうです。ジャンルはアイドルプロデュース体験ゲーム!」

P「ほほう」

ちひろ「その名も……」





ちひろ「街で発見!モバゲっち!」ジャァァアン
P「も、モバゲっち……?」

ちひろ「今日からあなたもアイドルのプロデューサーさんに!」

ちひろ「使うのは手前三つのボタンだけ!簡単操作でお手軽コミュニケーション!」

P「……て言うかこれ、たまg」

ちひろ「ささ、どうぞプロデューサーさん」スッ



菜々『ナナはウサミン星からやってきたナナっちー!』ピロピロリーン

P「おお、フルカラードットな菜々さん」

菜々『ナナとビビッとあそんでー、あそんでー』ピコピコピコ

P「よしよし、メニューから遊びを……ん?どれだ?」カチカチ

ちひろ「あ、遊ばせたい時はこのマイクのアイコンを選んで下さい」
菜々『とまーらーないー♪みらいをー♪めざーしてー♪』

P「……遊ぶって一人カラオケっすか」

ちひろ「育てるアイドルによって遊びが違うんですよ〜」

P「へぇ〜」


プリッ


P「ん?このピンクの物体は何です?」

ちひろ「あ、それウンチです」

P「え?」

菜々『てへっ』
P「いや、ウンチって……」

ちひろ「アイドルだって生きてるんですから。ウンチくらいしますよ」

P「そ、そりゃそうでしょうけど……っと、掃除しないと」カチカチ

菜々『すっきりー♪』ピロリーン


プリッ


P「あれ?掃除したばっかりなのに、また……」

ちひろ「実はモバゲっち最大の問題点なんですよね〜、これが」

P「どういうことです?」
ちひろ「ちょっとしたバグなんですけど、ウンチの増えるスピードが尋常じゃないんです」

P「えっ」

ちひろ「約1分に1糞位ですね……なんちゃって」


プリッ


ちひろ「ちなみに増えるウンチを放置すると最悪、引退しちゃいます」

菜々『ウサミン星に帰りたい……』

P「致命的じゃないですか!1分1秒も目を離すなってか!」カチカチ
ちひろ「安心して下さい、バグは直せませんでしたがちゃんと対策は取ってあります」

P「はぁ」

ちひろ「DLCで購入できるトイレットペーパー!コレさえあれば大丈夫!」

ちひろ「アイドルに持たせて計60回オートで使用するアイテムが、1個100モバコイン!非常にお買い得ですよ!」

P「金取るんですか!?」

ちひろ「モバゲっちと携帯電話を別売りの専用コードで繋いで入金するだけの、簡単なお仕事です」

P「……金掛ける所、間違ってませんか」


プリッ


菜々『てへっ』
ちひろ「――で、どうです?モバゲっちは」

P「全然ダメですね。かれこれ30分やりましたが、クソゲーにも程があります」

ちひろ「あ、そんなバッサリ行きますか」

P「まずプロデュース体験が成立してませんから。下の世話ばっかりじゃないですかこれ」

P「とてもじゃないですけど、これを一般向けとは口が裂けても言えませんよ」

ちひろ「……やっぱり不良在庫品を魔改造した位じゃ、売りものになりませんか」

P「えっ?」

ちひろ「あ、いえ、何でもありませんよ。何でも」
P「もっとこう、まともなグッズは無いんですかね?」

ちひろ「うーん、それなら……目覚まし時計はどうです?」ゴソゴソ

P「目覚まし時計ですか」

ちひろ「アイドルの生音声が目覚ましになってるんですよ〜」

P「ほほう」

ちひろ「そこに布団を用意してありますので、どうぞ寝っ転がって下さい」

P「……何でこの部屋に布団が敷いてあるのか気になってましたが、そういう事でしたか」

ちひろ「雰囲気って大事だと思いません?」ニコニコ
ゴンッ

P「いてっ!」

ちひろ「もう準備OKですか?」

P「……ちょっとこれ、寝るには狭くないですか?」

ちひろ「ガマンしてください。ちゃんと子守唄歌ってあげますから」

P「子守唄?」

ちひろ「起〜きて〜りゃ〜、払え〜よ〜、もばこ〜い〜ん〜♪」

P「………」Zzzz

ちひろ「では、1分後にセットしますね」カチカチ
P「………」


カッチカッチカッチ…ピピッ


朋『藤居朋と!』

ほたる『し、白菊ほたるの』

『『開運!ウェイクアップ占いー!』』ドンドンパフパフ

P「(ほう……)」
朋『えーっと、今のアナウンスの時点で起きない人……』

朋『及びスーツ姿で布団に入ってる、だらしないそこのアナタ』

P「(えっ)」

朋『女難の相が出てます。このままだと、死――』

P「!?」

朋『……ぬ程、辛い目に遭うかも。主に気分的な問題で』

朋『ま、占いに出ちゃったものは仕方ないよね。ハイ次、ほたるちゃん』

P「(打開策くれねーのかよ!)」

ほたる『そ、それじゃ私、くじを引きますね……』ガサガサ

朋『何が出るかな♪何が出るかな♪』
ほたる『読みます。えっと……頭上に金ダライが、落ち……は、はわわ……!』

P「……は?」


ガンッ


P「ぶっ!」

朋『ではでは、今日も一日元気に頑張りましょー』

ほたる『す、すみません……すみません……!』

P「ってぇ〜……ち、ちひろさん!ちょっと!」ガバッ

ちひろ「あ、おはようございます」ニコッ
P「おはようございます、じゃなくてですね……何なんですかこれ」

ちひろ「身に降りかかる不幸で起こされる。すごく実用的ですよね〜」

P「いや、目覚め悪すぎでしょう?つーかどっから出てきたんです、この金ダライ」

ちひろ「さぁ?」

P「えっ」

ちひろ「とりあえず、パターンは複数収録してますから。色々と楽しめますよ」

P「どう楽しめってんです?ちひろさんもしかしてSですか?」
P「そもそもファン向けに作ってるのなら、これはちょっと看過できませんよ……」

ちひろ「じゃあ次は……このタイプの目覚ましなんかは、どうでしょうか」ゴソゴソ

P「……今度は大丈夫なんでしょうね」

ちひろ「大丈夫大丈夫。ちひろさん、ウソ付かない」

P「………」

ちひろ「少し長いですけど、ちゃんと作ってはありますから」

ちひろ「それではまた1分後にセットしておきますね〜」カチカチ
P「………」


カッチカッチカッチ…ピピッ


『……おはヨー?こんにちワー?こんばんワー?とにかくナターリアだヨー』

P「(お、おう)」

ナターリア『えっと……ママがショーガツに来た時のお話、するネ』

P「(……ん?)」

ナターリア『ママ、リオから日本まで飛んできたナ。ナターリア、びっくりしたネ』

ナターリア『でも久しぶり会えて、とっても嬉しかったヨ』
ナターリア『ママ、日本のショーガツ料理をゴチソーするって、来る前にオセチ頼んでたノ』

ナターリア『ナターリア、またビックリ。日本のオセチ、とっても高いカラ』

ナターリア『ホントは二万円したケド、一万円で買ったっテ。ママすごいネ』



ナターリア『……オセチは朝、ちゃんと届いたヨ。ウン』

ナターリア『インターネットで見たオセチ、チョー・ゴーカだっタ』

ナターリア『でもフタ開けたら、そのオセチじゃなかったんダ』

ナターリア『ゴハン、ちょっぴりしかなかったヨ。誰かが先に食べちゃったみタイ』

ナターリア『これ、ママも知らなかったネ。とてもビックリしてたヨ』
ナターリア『頼むオセチ間違えてごめんネって、ママはナターリアにあやまりやがったデス』

ナターリア『でもそのオセチは、ママが頼んだオセチだかラ』

ナターリア『ナターリア、ちゃんとゼンブ食べたヨ。ちょっとしょっぱかったネ』

ナターリア『でもママ、泣いて喜んでくれたんダ。大げさだよナー』

P「………」

ナターリア『……ママはリオに帰っちゃったケド、ナターリアは日本でアイドル、もっと頑張るヨ』

ナターリア『いっぱい頑張っテ、今度はママにスシ、いっぱい食べてもらいたいからネ』



P「………」プルプル

ちひろ「早く目覚まし止めて下さいよ」

P「止められるかぁぁぁぁぁ!!」ガバッ
P「この応援したくなる目覚ましは何なんですか、一体」

ちひろ「普通に起こしたのではつまらないと思いまして」

ちひろ「アイドルのちょっと深イイ的な話を吹きこんでみたんですけど……どうです?」

P「悪くはありませんけど、目覚まし時計なのに起こす気ゼロなのはちょっと」

ちひろ「もう、プロデューサーさんったら文句ばっかりですね」

P「……何と言うか、バッチリ起きられるような目覚ましって無いんですか?」

ちひろ「あるにはありますけど。結構ハードですよ?」

P「目覚ましにハードもクソも無い気がしますけど……」
ちひろ「次は緒方智絵里ちゃんです。また1分後にセットしますね〜」カチカチ

P「………」


カッチカッチカッチ……ピピッ


『……ん……ぅ……』

P「(おっ)」



智絵里『……あっ……んんっ……』

P「(……?)」

智絵里『ぃ……んぅ……あ、やっ……』クチュ

P「(……これは……!)」ティン
智絵里『ぁ……は、ち、ちょっと……ん……』

智絵里『だ、ダメですって……ぁ……んぅ……』クチュクチュ

P「(一体ナニをやっているんだ、智絵里は……)」ドキドキ



智絵里『……も、もぉ……ダメっ……あっ!』

智絵里『やっ……これ、以上、は……んっ……』クチュ





智絵里『……か、彼っ……起き、ちゃうぅ……ひぅっ!』



P「」ガバッ

ガチャンッ
ちひろ「あ、おはようございますプロデューサーさん」

P「ちひろさん、このシチュエーションについて説明して下さい」

ちひろ「横で喘ぎ声を出していたアイドルが、実は別の男に寝取r」

P「俺の智絵里になんて事させてるんですか!?」

ちひろ「それは脚本と演技指導担当の礼子さんに言って下さい」

P「あ、あんの雌豹ォォ……!」

ちひろ「でもほら、ちゃーんとバッチリ起きられましたよね?」

P「どこがバッチリなんですか、どこが!」

ちひろ「いや、だって……プロデューサーさんの下の方、正直みたいですし」クスクス

P「クソァァァ!……鎮まれっ……鎮まれ、俺の聖剣っ……!!」ビンビン
P「他に、他にもっとまともな目覚ましは無いんですか!?」

ちひろ「うーん……あと残ってるのは、収録段階でボツにしたもの位ですね」

P「ボツ?」

ちひろ「えぇ。例えばこの、まゆちゃんの目覚ましとか」

P「まゆのもあったんですか!?」

ちひろ「はい」

P「それ!それ使いましょうよ!何でボツにしたんですか!」

ちひろ「それは聞いてみたら分かりますけど……じゃあ、セットしますね」カチカチ
P「(普段度を越したレベルで俺に接してくるまゆの事だ、きっと凄いのが……)」


カッチカッチカッチ……ピピッ


『………』

P「………」

まゆ『うふふ、時間ですよ〜』

P「(おっ)」ワクワク

まゆ『………』

P「………」

まゆ『………』

P「……ん?」ガバッ
P「ちょっとちひろさん」

ちひろ「何でしょう」

P「この目覚まし、壊れてませんか?」

ちひろ「いいえ、全く」

P「いや、おかしいじゃないですか。まだ一言しか喋ってませんよ、まゆの奴」

ちひろ「だってまゆちゃんのコメント、それだけですもの」

P「えっ」

ちひろ「一言喋った後、プロデューサーさんの所へ早々に引き上げちゃいましたから」

ちひろ「どうもプロデューサーさん経由じゃないお仕事だと、最低限の事しかしてくれないみたいですね」

P「そ、そうだったんですか……」
P「しかし意外ですね、LIVEとかじゃあんな一生懸命なのに」

ちひろ「それはそうですよ。プロデューサーさんも見てる前ですから」

ちひろ「良くも悪くも、プロデューサーさん一筋と言う事なんでしょうね」

P「………」



ちひろ「そうそう、まだ見てもらいたいものが……よっと」ゴソゴソ

P「今度は何です?」

ちひろ「じゃーん!男子垂涎、おっぱいマウスパッド〜」

P「……来たか」ガタッ
ちひろ「キャラがプリントされた、巷によくあるマウスパッドですね」

ちひろ「しかし、うちのおっぱいマウスパッドはそこらとは比較になりません」

ちひろ「質感、大きさ。全てがトレースされた、完璧なマウスパッドです」

P「た、ただのマウスパッドにそこまでするとは……」

ちひろ「で、何かご希望のマウスパッドは」

P「雫で」



ちひろ「えっ?」

P「雫で」
ちひろ「雫ちゃんでいいんですか?」

P「雫をオーダーせずに誰をオーダーするんです」

ちひろ「……えぇ、何となく分かってましたよ。雫ちゃんがオーダーされるであろう事は」ゴソゴソ

P「おぉっ!」



ちひろ「――それではたっぷりとその使い心地、確かめてあげて下さい」


ドタプルンッ


P「す、すっげぇ……何だこれ、何だこれ……!」サワサワ
P「この、本物と見紛うまでの手触り……!」ムニムニ

P「おぉぉ……両手では収まりきらない、この豊満なおっぱい!」モニュモニュ

P「うっひょー!顔なんか余裕で埋まっちま……う?」





P「……んんん?」

ちひろ「?」
P「あの、ちひろさん」

ちひろ「何でしょう」

P「このマウスパッド、ちょっとデカくないですか」

ちひろ「はい。アイドルの上半身を元に、等身大サイズで作りましたから」

P「……マウスパッドですよね?ちゃんと使えるんですかこれ?」

ちひろ「………」



ちひろ「使おうと思えば、使えるんじゃないでしょうか」

P「えぇー……」
P「まずおっぱいに、手を乗せて……」ボイン

P「マウスを握って……マウスを……」



P「っ……!!」

ちひろ「どうしました?」

P「だ、ダメだっ!」

ちひろ「何がダメなんです?」



P「……おっぱいが、デカすぎて……マウスが地に付かない……!」プルプル
ちひろ「えっと……」

P「これは致命的な欠陥ですよ、ちひろさん!」

ちひろ「では、おっぱいの部分に肘を乗せたらどうです?」

P「肘の面積分しか触感を楽しめないじゃないですか!」

ちひろ「……あ、だったらおっぱいに手を乗せて使わなければいいんですよ」

P「それだとおっぱいマウスパッドを使う意味がありませんよ!本末転倒です!!」

ちひろ「じゃあお手上げですね」

P「く、クッソォォォ!……畜生ォォウ……!!」
P「……そ、そうだ……他の子は!他の子のマウスパッドは、無いんですか!?」

ちひろ「……確かに、千枝ちゃんやメアリーちゃんのとかもありますけど」

P「ヒャッハァー!是非そいつらをお願いします!」


ドタプルンッ


P「!?」

ちひろ「製作時に聞いたバストサイズ、自己申告なのが仇になったみたいで……」

ちひろ「皆ふざけたか見栄を張りたいのか、どの子もGカップクラスに」

P「Noooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!」ガクガク
P「完璧と言った割に仕事が雑すぎんだろぉ、ちひろさん……!」

P「あぁしかし……なんてこったい!もっと、もっと俺の腕が長ければ……」

P「いや、人類がこれに適応して進化していれば……こんな事には……!」

ちひろ「ちょっと何言ってるのか分かりませんね……あっ」ゴソゴソ

ちひろ「プロデューサーさん、一つだけ皆とまったく違うサイズがありました」

P「えっ!」



ちひろ「藍子ちゃんのマウスパッドです」ペラーン

P「お、おぉぉぉぉ……!」
スススーッ

P「素晴らしい……こんなにマウスを動かしやすいマウスパッドは初めてだ!」

ちひろ「正直に答えてくれたのは雫ちゃんと藍子ちゃんくらいですね、恐らく」

P「……しかし皆、よくこんなもの作らせてくれましたね」

ちひろ「そりゃマウスパッド作るからバストサイズ教えてくれ、なんて聞けませんよ」

P「えっ」

ちひろ「他社のスポーツブラの企画にかこつけて、聞き取り調査をしただけですから」

ちひろ「ちゃんとした採寸をしてないのはその為です」

P「……それじゃ、コレを作ったことをウチのアイドル達が知ったら……」

ちひろ「まず売れませんね。まだ誰にも了承を得てませんし」
P「……ちゃんと合法的に商品売りましょうよ。公式グッズにしたいなら」

ちひろ「プロデューサーさんに再評価してもらいたかったんです。色々と惜しかったものですから」

ちひろ「っと、忘れるところでした。最後にもう一つ、見てもらいたい目玉商品があるんですよね〜」

P「まだあるんですか?」

ちひろ「今度はちゃんとしてますよ〜、何しろ商品化目前ですし」



ちひろ「よいしょっと……」ボフッ

P「こ、これは……!」

ちひろ「フッフッフ……等身大アイドル、特注抱き枕(島村卯月ver.)です!」
P「抱き枕!?……抱き枕カバー、でなく?これ丸ごと?」

ちひろ「はい、さっきのマウスパッドとはワケが違います」

ちひろ「アイドル側も了承済みで、使われた素材全てが最高品質、ブリリアントな……まさに希代の一品です」

P「ほう……」

ちひろ「ただ、アイドル一人に付き一品しか作れないのが難点なんですけど」



P「……しかし、この卯月……何故にポーズがうつ伏せなんです?」

ちひろ「この子の場合、お尻がチャームポイントだと思いまして」
P「どれどれ」ムニュムニュ


ビクッ


P「ん?」

ちひろ「どうしました?」

P「いや、何か……柔らかいのは柔らかいんだけど」

P「ちょっと温い?というか……」

ちひろ「多分、本物に近づける為の材質のせいですね。稀に良くある事です」
P「……さて、抱き心地はどんな感じかなっと」ギュッ


ブルブルッ


P「!?」

ちひろ「どうしました?」

P「こ、この抱き枕、何か震えて……と言うか、汗ばんでるんだけど!?」

ちひろ「多分、本物に近づける為の材質のせいですね。稀に良くある事です」

P「いやいやいや、稀に良くあってたまるかっての!心霊現象かよ!」
P「……中身、あらためさせてもらいますよ。チャックはどこです?」

ちひろ「えっと……プリントの、裏?」

P「………」ジジーッ


ゴロン


卯月「ぷはぁ……」ホカホカ

P「う、卯月……!?」

ちひろ「……チッ」
卯月「プロデューサーさん……わ、私……」ハァハァ

P「大丈夫か!?」

ちひろ「ちゃんと空気穴は空いてますから。大丈夫ですよ」

P「……どういうことなんですかね、これは」

ちひろ「ほら、最近のプロデューサーさんのフリトレ、全然掃けてませんよね?」

ちひろ「ですから、ちょっと効率化させようと思いまして」

P「それ普通横流しって言いますよね、というかどこにトレードする気だったんですか!?」
ちひろ「もちろんファンの人達に、ですよ」ニコッ

ちひろ「基本、プロデューサーさんより莫大なマニーを持ってますから。実に有益なトレードです」

P「ぐっ……し、しかし、このまま黙って見過ごす訳には」

ちひろ「卯月ちゃんを手持ちに戻したいんですか?……もう所属人数、パンパンですよ?」

P「あ、そうだった」

ちひろ「そもそもこの卯月ちゃん、出品取り下げた後放置されてましたからね」

卯月「プロデューサーさん……」グスッ

P「(く、クソッ!……どうしたら卯月を助けられ……ハッ!)」



P「そ、そうか……分かったぞ!」ピキーン
ちひろ「何が分かったんです?この状況に打開策なんて、あるはず……」

P「レア以上のウチのアイドルを三人、特別移籍だ!」



みく「えっ、ちょ……プロデューサーチャン!?決断早す―――」チャリーン

幸子「まさかボクの出番がたったこれだけとかそ―――」チャリーン

菲菲「み、みんな〜!ふぇいふぇいだy―――」チャリーン



ちひろ「……レアメダル、ですって……!?」

P「あぁ。このレアメダル三枚を使用し、俺は……女子寮を作る!」ゴゴゴゴゴ
ちひろ「で、でも……たかだか10人じゃないですか。そんな寮、すぐに埋まっちゃいますよ?」

P「……フッ」

ちひろ「!?……ま、まさか」

P「これが俺の答えです、ちひろさん」


ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ…


ちひろ「そんなっ……レア以上確定のプラチナガチャを、あんなに……!」

ちひろ「きゃああああああああ〜っ!」パタリ
ちひろ「あぁ、ダメですプロデューサーさん……そんなに、回しちゃ……」

P「もう横流ししたりしませんね?」

ちひろ「も、もちろんです……♪」ニヘラ



卯月「……プロデューサーさん!」ギュッ

P「今まですまなかったな、卯月」

卯月「私、頑張ります!これからもっともっと、頑張りますから!」

P「……あぁ。期待してるぞ」
ちひろ「――さて、と」ムクリ

ちひろ「遊びも入って最後には小芝居と、随分と寄り道してしまいましたね」

ちひろ「まぁこれで本来の目的も達成しましたし、とっとと片付け……」



P「あ、ちひろさん。ちょっと」

ちひろ「っ!?な、何でしょうプロデューサーさん」

P「この不採用にしたグッズ、いくつかもらっていいですかね」

ちひろ「え、えぇ。別に構いませんけど……」

P「ありがとうございます」
〜翌日〜

卯月「念願の女子寮建設、そして増築……」

卯月「特別移籍に巻き込まれて、ライバルは一掃されちゃいました」

卯月「SRなみくさんまで巻き込んだのには少し驚きましたけど……とにかく、今度こそチャンスです」

卯月「今なら、今ならプロデューサーさんにノーマルな私の姿だけを見t」



まゆ「お願いします……」

P「ダメだ」

まゆ「……どうしても、ですかぁ?」

P「あぁ。どうしてもだ」



卯月「」
まゆ「うぅぅ……ひ、酷いです……あんまりですよぉ」

P「これもまゆを思っての事なんだ」

まゆ「その気持ちは、痛いほど分かります……で、ですけどぉ」

P「………」カチカチ


ピピッ


『うふふ、時間ですよ〜』

まゆ「ふあぁ!……や、やめ……やめてぇ!」ガタガタ

まゆ「そんなっ……そんな、心のこもってないまゆの声を……毎朝、プロデューサーさんの耳にぃ……!」プルプル

まゆ「……まゆにはこんな自分、許せません……!」

卯月「」
P「いいじゃないか、中々新鮮だし」

まゆ「で、でも……こんなの、まゆの本当の気持ち、なんかじゃ……!」

P「そうだな」

まゆ「……プロデューサー、さん」

P「君が俺のことを見ているように、俺も君のことはちゃんと見ているつもりだ」

P「それを……ゆめゆめ忘れないようにな」



まゆ「……はい……まゆはこの戒め、絶対……絶対に、忘れませんからぁ……」ポワワワ

卯月「(なにこれ……何なんですかこれ……どういう展開ですかこれ!?)」ワナワナ
藍子「……あの、プロデューサーさん?」

P「はい何でしょう」

藍子「さっきも、その……マウスパッド、人前で使わないようにって、言いましたよね」

P「いいじゃないか別に」

藍子「よ、良くありません!大体何でこれ、私の顔が……!」



P「藍子だから、使いたいんだよ」

藍子「……えっ、あ……ぷ、プロデューサーさん?な、何を、言って……」

卯月「」
P「藍子に似て、つるつる、すべすべしたマウスパッドなんだ」

P「使わない訳にはいかないじゃないか」

藍子「そ、そうなんですか?それだったら、使っても……」

藍子「ううん、ダメ!……や、やっぱりこれ、恥ずかしいですしっ」

P「しかしなぁ」

藍子「事務所じゃなくて、その……ぷ、プロデューサーさんの家で、使ってください!」

P「分かった、分かったよ。仕方ないなぁ」ニヤニヤ



卯月「……………」
卯月「プロデューサーさんっ!」

P「ん?どうした卯月」

卯月「私、プロデューサーさん専用の抱き枕になりますから!私もお持ち帰りして下さい!」

P「えっ」

卯月「頑張りますから!プロデューサーさんの家でも、頑張りますから!!」

P「いや、その、それはちょっと……」

藍子「う、卯月ちゃん……!?」

まゆ「………」



ちひろ「さーて、お次はどの手でプロデューサーさんを嵌めましょうかね〜♪」ルンルン



おわり

23:30│モバマス 
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