2014年01月11日

脇山珠美「9月20日 月齢14.6」

アイドルマスターシンデレラガールズ
脇山珠美のSSです。

脇山珠美「道明寺の朝は早い」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1373884099&ls=50


道明寺歌鈴「道明寺の朝は早い」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4ssnip&key=1373976086&ls=50

からの続きとなります。

【ご注意】
前作、本作ともに百合を想起させる描写があります。
百合的要素が苦手な方は読まない方がよいと思われます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388418041

最後に誕生日ケーキのロウソクを吹き消したの何歳の時でしたでしょうか。

小さい頃は、誕生日には友達にプレゼントをもらったり、
祝いの言葉を言ってもらったり、そんなふうに、その日だけは、
珠美は特別な存在になれる日でした。
ですから、誕生日が近付くとわくわくしたり落ち着かなくなったり、
今年のプレゼントは何をねだろうかなんて考えたりしたものです。

ですが、珠美も歳を重ね、誕生日を10回以上重ねたあたりから、
誕生日はただ迎えるだけちょっと特別な日に変わっていって、
いつしか、その日は自分が特別な存在になれるという事を、
珠美は忘れていたようです……
9月20日夕刻
CGプロダクション事務所


「ただいま戻りました」


今日の珠美はアイドルとしてお仕事は無く、
いつも通り部活を終えてからスタジオに直行してトレーニングを受けた後、
明日以降のスケジュールを確認するために事務所を訪れました。
事務所に入ると、入口近くで受付を兼ねてる事務員のちひろさんが迎えてくれます。


「あ、おかえりなさい、珠美ちゃん」

「あれ?P殿は?」

「Pさんならまだ営業から戻ってませんね。
まぁ、そのうち帰ってくると思いますよ?」

「そうですか」


スケジュールに変更など無いか、P殿に確認すれば確実なのですが、
何人のもアイドルをプロデュースじているP殿は多忙で、
こうしてすれ違う事もじばしばあります。
……今日は、ちょっと他の事も聞きたくて、できればお会いしたかったのですが……。
ちひろさんは忙しそうに机のPCとにらめっこしています。
珠美はちひろさんに頭を下げると、とりあえず事務所の奥に掲げられている
スケジュールボードの前に立ち、自分のスケジュールを確認します。

他のアイドルに比べると、まだ少し白さの目立つ自分のスケジュールは、
先週確認してから変更は無いようです。


「………予定通り明日はオフ、来週はレインドロップスの
新曲用振付レッスン、ですか……」


珠美は、ちらりと歌鈴のスケジュールを見ます。
珠美なんかより沢山組まれている予定の中で、
『19〜20ボイトレ合宿』と書かれているのを確認したのは先週の事でした。

――――
――――
「珠美、本当にごめんなさいっ!」


歌鈴は、両手を合わせて私に頭を下げています。
その隣には、ちょっと困った顔のP殿。


「俺からも謝る。しかし、今回のボイトレさんは、
普段なかなかトレーニングを引き受けてくれない売れっ子トレーナーさんでな。
向こうからこの日で指定されちまっては、
さすがに調整のしようがなくてな……ほんと、すまん」


P殿は頭をかきながら、珠美に謝ります。
つまるところ、そのボイトレさんのレッスンを受ける合宿が、9月の19日から、
20日まであるという事のようです。
「あの……なんで謝られるのか珠美にはさっぱりわかりませんけれど……?
それほど高名な方のレッスンを受けるなら、歌鈴の大切なステップアップの
機会じゃないですか。珠美は、応援こそすれ、それこそ謝られる事など……」

「で、でもっ、珠美の……その、誕生日に……」

「はい?……あ。
……あぁ……そういえば……」


珠美も完全に失念していました。そう言えば、20日は珠美の誕生日で、
ちょうどその合宿の最終日であるという事を。


「あの……合宿は遠方なんでしょうか?」

「あぁ、すまん。専用スタジオが遠くでしか借りれなくてな」

「終わり次第急いで事務所に戻るつもりですけど……もしかすると
かなり遅くなるかもしれません……」

「そう、ですか……」
いっそこちらからその合宿所とやらに乗りこむ事も一瞬頭をよぎりました。
ですが、さっき自分が言ったばかりです。
これは、歌鈴にとって大事なステップアップで、珠美は、それを応援する、と。
ならば、珠美のわがままで邪魔なんかすべきではありません。


「その、誕生日に一緒に居れないのはいささか残念ですが、でしたら
後日、歌鈴にはしっかり祝ってもらうことにします。
祝ってもらえる日が少々ずれたところで、珠美は気にしませんから。
ですから歌鈴、どうか気にやむことなく、しっかりトレーニングを
してきてください」

「珠美……本当に……ごめんね……」


歌鈴は、本当に申し訳なさそうにずっと頭を下げていました。


――――
――――

珠美にとって、今や誕生日は『特別』な日ではありませんでした。
たとえ今日でなく、明日にずれたとしても、歌鈴に祝ってもらえるなら、
それでいいと思っていました。
そう思っていたのに、いざ歌鈴の居ない誕生日を迎えると、
心の中に、なんだか穴があいたように感じてしまいます。


「歌鈴のスケジュールに変更はありませんね……」


今もまだ歌鈴はレッスンをしているのでしょうか?
やっぱり、今日会う事は無いのでしょうか?
P殿が居ればいつ頃歌鈴が戻るかわかるかもしれないと思っていましたが、
肝心のP殿も不在ではどうしようもありません。
やるせない気持ちから、珠美は、小さくため息をつきます。

「……ふぅ」

「珠ちゃんこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!」

「ひやぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


そんな珠美の背後に忍び寄った誰かが、珠美をくすぐります。
そんな事をするのは、唯一人。


「もう!唯さん!」


振りかえると、大槻 唯さんと原田 美世さんが立っていました。
お二人とは鎌倉でのイベントでご一緒させて頂いてからご縁があり、
今は珠美と三人で『レインドロップス』というユニットを結成させて
頂いています。


「たまみんおかえり!待ってたよー☆」

「トレーニングお疲れ様。どしたの?なんか元気ない顔してるね?」

「い、いえ、別に……そんなことないですよ?」

「ほらー、たまみん、今日の主役がそんなしょぼくれた顔してたらダメだぞー」

「むあっ」


唯さんがニコニコしながら珠美のほほをむにむにともみます。
その様子を美世さんも楽しげに微笑みながら見ています。

鎌倉でご一緒に仕事をしてから、珠美はいつも唯さんに遊ばれて、
美世さんは珠美と唯さんのやりとりを楽しげに見ていて、
そんな関係に自然となっていきました。

ところで美世さん、いい加減見てないでできれば助けて頂きたいのですが……
珠美は唯さんの手をなんとかほほから引きはなします。


「もう!唯さん、ほっぺに乱暴しないでください。
って、……主役、とは?何の話です?」


唯さんに言われた意味がわからず、珠美はまじめな顔で問います。


「もー、今日はたまみんの誕生日でしょー!」

「そういうこと。さ、あっちにいろいろ用意しているから、行くよっ!
珠ちゃんブーストっ!」

「ちょ、ちょっと美世さん!背中を押さないでください!」


珠美にはまだ何が何だかわけがわからないまま、美世さんに背中を
押されて、事務所の奥にある多目的ルームへと連れて行かれました。


「さ、座って座って!」


ルームの一角、ソラマメのような形のテーブルが
向かい合わせに並べられて、小皿が並べられています。
美世さんに勧められるままに、珠美は椅子に座ります。


「んじゃ、ゆいはケーキを持ってくるねー」

「あたしはお茶の準備かな。
あ、唯ちゃん、ケーキ乱暴にもってきちゃダメだよ?」

「わかってるー☆」

「あの、珠美は何をすれば」


お二人が何かの準備をしようとしているので、珠美も何かしなければと
立ちあがろうとしましたが


「だから、今日は珠ちゃんが主役、どっしり構えてて」

「そーそー、今日はたまみんがオ・モ・テ・ナ・シされる日なんだから☆」

「ですが……」

「いいからいいから、ね?」


立ちあがろうとする珠美の肩は二人に抑えられ、
珠美はなすすべも無く座る事にしました。

多数のアイドルが所属するCGプロダクションでは、ほぼ毎日のように
誰かが誕生日を迎えます。ですから、事務所の中で、有志が集まって
誰かの誕生日会なんかをしてる風景を時々見かけました。
しかしながら、まだ駆け出しの珠美のために、このような機会が用意されてるとは
まったく想像していませんでした。


「お二人とも、わざわざ珠美のために誕生会を用意して下さったのですか?」

「そう、わざわざ珠ちゃんのために用意させていただきました。なんてね!
せっかく縁あって一緒に活動してるんだし、これぐらいは普通じゃない?」


美世さんが冗談めかして答えます。しかし、お二人とも珠美なんかに比べて
かなり活躍されているはずです。そんな忙しい中、これくらいは
どう考えても普通じゃないと思います。
そんな事を考える珠美を気にすることなく、唯さんはケーキの箱を
優しくテーブルの上に置きます。


「そーそー、ゆいたちが結成されて最初に誕生日迎えたのがたまみんなんだし。
次は美世ちゃんかー。ゆいの誕生日が一番遠いんだねー」

「唯ちゃん5月生まれだもんね。直後に結成だから仕方ないね」

「まーでもゆいたちならずっとやっていけそうだし、すぐにゆいの誕生日が来そうな
気がするよー」


そんな事を話しながら、お二人はテーブルの上にティーカップを並べ、
お茶を注いでいきます。その雰囲気は、友達が集まって、
気軽にお茶でもしながらお話しましょう、という、仲の良い関係が感じ取れます。

……ですが、そんな雰囲気に、珠美は、正直戸惑っています。
確かに、お二人と一緒に活動をさせて頂いてますし、
まだまだ未熟者の珠美にとって、お二人はいろいろ学びうるものを持ってる方だと思います。
だからこそ、こんな珠美に、ここまで親しげにしていただいて、良いのでしょうか……?


「本来ならあの歌を歌うべきなんでしょうけど、
さすがに恥ずかしいでしょうから省略ね」


戸惑う珠美の前に、唯さんがとっても小ぶりなまあるいケーキを箱から出すと、、
美世さんが数字の形をしたローソクを刺してライターで火をつけます。


「さ、吹き消しちゃって」

「は、はい!」


言われるがままに大きく息を吸い込み、
そう言えば幼いころ、一刻も早くケーキが食べたくて、なのに最後の一本が
なかなか消えなくて泣きそうになった事を思い出しながら、
珠美は一気に吹き消します。


「珠ちゃん、誕生日おめでとう!」

「たまみん、誕生日おめでとー☆」


お二人にちいさく拍手され、ここにきて幼いころの気持ちがよみがえりました。
そう、今日は珠美が特別な存在になれる日。
お二人に祝って頂いて、珠美は、嬉しさがこみあげてくるのを感じていました。

「あ、ありがとうございますっ!不肖、脇山珠美、このように祝って頂き、
心から感謝しておりますっ!」


珠美は立ちあがって頭を下げます。


「あははっ!!たまみん言葉堅すぎー☆でもそういうのがたまみんぽくってわかいいー☆」


唯さんはそういうと珠美の頭を撫で始めます。
頭を撫でられるのは嫌ではないのですが……
どうにもこう、子供扱いされているようで、ちょっと思う所はあります。


「うぅ、こ、これで珠美は唯さんと同い年なんですからっ!
その、あんまり子供扱いされては」

「えー?でもたまみんちっちゃくて可愛いしさー。ついなでたくなっちゃうんだよねー」

「あ、じゃぁあたしならいいんだ?珠ちゃんにぜったい追いつかれないし」

「え、ちょっと美世さん!うう、確かに追いつけませんが…」


ですが、珠美も成長してるんです。いつまでも子供じゃないんです。
そう反論したかったのですが、ここまでしてもらったこともあり、
なんとなく言いだせず、結局二人にかわるがわる頭を撫でられてしまいました。


「さて、ひとしきり珠ちゃんの頭なでなでを堪能した事ですし」

「あたしたちからプレゼントだよー☆」


お二人とも満足した顔で珠美を見ると、
そう言って、机の下から何やら細長いものを取り出してきました。


「これは……これを珠美に?」

「さ、開けてみっ!」


包みを開けてみると、それは、黒い刀型の傘でした。
レインドロップス結成のきっかけとなった、鎌倉での
撮影のお仕事の際、どこかのお店で見かけた刀型の傘。


「あやめさんにどこで売っているか教えてもらったの。
珠ちゃん、鎌倉で刀型の傘に興味津津だった、って聞いたから」

「それで、傘ひらいてみてみてっ!」

「ここで、ですか?」

「そうそう!いいから開いてみてっ!」


唯さんにうながさられるままに傘を開くと、
傘の内側に、黄色で書かれた唯さんのサインと
ピンク色で書かれた美世さんのサインがありました。


「で、これに珠ちゃんのサインを書いてもらえば、
世界で唯一のレインドロップス・アンブレラの出来上がり♪」


そう言って、美世さんは珠美に青色のサインペンを渡します。
珠美は、サインペンを受け取ると、傘に自分のサインを書きます。


「世界で唯一……ですね」

「そーだよっ!大事に使ってね!」


珠美はゆっくり傘を回します。唯さんと、美世さんと、珠美の名前が
一つの傘の中で仲良くまわっています。
それがそのまま、今の珠美たちレインドロップスそのもののように
思えてきて、珠美は、とてもうれしくなってきました。

「なんだか、こういうの、いいですね。
……美世さん、唯さん、本当にありがとうございます。
今更ながら、お二人と一緒に活動出来て、本当によかったと
思っています」

「珠ちゃん、それじゃレインドロップスを卒業するみたいだよ?」

「そーそー、まだまだずーっと一緒に頑張るんだからねっ☆」

「そ、それもそうですね。ええと、これからも本当に
よろしくお願いします。珠美はまだまだ未熟者ですから、
お二人の足を引っ張らぬよう、これからもがんばってまいります」

「どっちっかていうと、珠ちゃんには引っ張ってってほしいかな。
あ、別に足を引っ張れって意味じゃないよ?
私たちレインドロップスのエンジンは、珠ちゃんなんだから」

「うんうん、ちっちゃいのに一番パワフルだもんね。
たまみんががんばってると、ゆいも負けられないぞーって、
がんばろーって気になるもんね」

「美世さん、唯さん……」


普段、唯さんにも美世さんにもどちらかと言えばからかわれる事が多くて。
無論、お二人に悪気は無い事を良く存じてます。ちょっとした冗談と言いますか、
軽口といいますか、そんな類なのはわかっております。
ただ、そう扱われるのはやっぱり珠美が未熟だからだと思ってました。

珠美はまだまだ未熟で、お二人に追いつこうと必死に頑張らないと
いけないと思い込んでいました。

だから、唯さんと美世さんがそんなふうに珠美の事を見てるなんて、
珠美は思いもしてなかったのです。

そして、だからこそ、お二人は、珠美のために今日の準備を、忙しいにも
関わらずして下さったのだということが身にしみてわかりました。


「……唯さん、美世さん。本当に、本当にありがとうございます」


こんなに祝福されて、認められて、今、珠美はとても幸せな気分の中にいました。



さて、ここはCGプロダクションに所属するアイドルが
休憩や練習、資料閲覧(という名目でビデオ観賞など)をする
多目的ルームです。当然、いろんな方々が出入りをします。
部屋の片隅とはいえ、テーブルの上にケーキなどあれば
当然目に入るわけで、


「おっ!珠美殿はついに二刀流開眼ですか?」


そういってこちらに気づいて近づいてきたのは浜口あやめ殿です。


「いえいえ、珠美の相棒はずっとこの竹刀ですよ、あやめ殿。
この刀はわれらの友情の証(あかし)となる宝剣となりましょう。
そういえばこちらの刀の所在を教えて下さったのはあやめ殿だとききました。
ありがとうございます」

「ふっふっふ、いわばわたくしの正宗と兄弟の剣、大事にしてくださいね。
これはあやめからの誕生日プレゼントです。ニンッ!」

そういって、あやめ殿は珠美に文庫本を渡します。

「時代小説は詳しくないのですが、『伊賀忍法帳』というタイトルでしたので、
きっとわたくしの御膝元である伊賀忍者の活躍が書かれてると思います」

「これはかたじけない。ぜひ読ませて頂きます」


あやめ殿は珠美より年下なのですが、とても多芸で、忍ドルとしても有名です。
なにより時代小説を愛読する珠美と時代劇でお話しして、いろいろ教えていただいたり
するなど、珠美が敬意を持ってる方のお一人です。
あやめ殿も珠美の事を珠美殿と呼ぶので、珠美もついあやめ殿と呼んでしまうのです。

「二人が話すとこみてると、どうしてこう時代劇みたいになるんでしょうね?」


そんな珠美たちに、今度は五十嵐響子さんが声をかけて下さいました。


「あ、響子さん、お疲れ様です」

「お疲れ様、珠美ちゃん。あとこれ、誕生日おめでとう!」


そう言って、小さな包みを渡してくれます。


「私と美優さんとで作ったクッキーだよ。美優さん、さっきまで居たんだけど、
お仕事に行っちゃったから。美優さんも『おめでとう』って言ってたから」

「お二人ともお忙しかったでしょうに……ありがとうございます」

「いえいえ。美優さんと二人で楽しく作っちゃったし。いい機会だったわ」


こうして次から次へと誰かしらやってきては珠美に誕生日おめでとうの言葉を下さいます。
そうやって祝ってもらえる事はとてもうれしいのですが、
人が集まり、賑やかになってくると、次第に、嬉しさとは違う気持ちが
心の中に湧いてきました。
誰かが部屋の扉を開くたびに、珠美は歌鈴が来たのではないかと期待するのですが、
いまだ歌鈴は現れません。
期待が裏切られるたび、少しずつ、少しずつ心の穴が大きくなっていくのを
感じていました。
そんな気持ちに、珠美が小さくため息をつくと、


「珠ちゃんこちょこちょこちょこちょ!」

「ひゃぁぁあああああっ!もう!唯さん!」


またしても唯さんにこそぐられてしまいました。


「たまみん油断大敵だよ?隙ありっ!てやつ?」

「くっ、珠美とてやられっぱなしではありません!
これでどうです!」


珠美も負けじと唯さんをこそぐります。ですが、
唯さんは平気な顔でいます。


「へへーん、ぜーんぜんこそばくないよー☆」

「うぅ、だめでしたか……。いったい何がいけないのでしょうか?」

「そりゃそんな力任せなこそぐりかたでは、女の子は喜ばないよ」


珠美たちのやりとりを見ていたのか、いつの間にかテーブルでお茶を飲んでいた
棟方愛海さんが話しかけてきました。
愛海さんは、いきなり珠美の胸に手を当てると、ゆっくりともみ始めます。

「女の子の身体はデリケートなんだから、出来る限り優しく、
それこそ触るか触らないかぐらいのやさしさで、
しなやかな指さばきをもって接しないと、応えてくれないんだよ」

「あ、愛海さん!なんでいきなり珠美の胸をっ!」

「それは、そこに胸があるならば、あたしは揉むしかないよ」


アイドルがしていいとは思えない邪な笑顔で、愛海さんは
珠美の胸を優しく揉みます。確かに、痛くは無いのですが……
ではなく!


「そんな!珠美のなんかより、それこそ唯さんや美世さんの方が
もみがいがあるといいますか、柔らかいといいますか」


そんな珠美の抗議に、愛海さんは真剣な表情になって答えます

「珠美ちゃん、あのね、大きさじゃないんだよ?
大きい胸には大きな夢がつまっていて、
小さな胸には大きな希望が込められているんだよ。
うん、珠美ちゃんの胸はこの先間違いなく大物になるね。
この低反発クッションのような感触は、成長する素地として
最適だと思うよ」

「はう……という、か……その、い、いつまで……」

「せっかくの誕生日なんだし、もう少しいいでしょ?」


何がどうせっかっくで誕生日なのかわけがわかりません。
なんとか抗おうとしましたが、それでも愛海さんに優しくもまれ続けて、
珠美はちょっと変な気持になってきてしまいました。
いけません、このままでは……何かマズイ気がします。


「いいかげんにせい」


ごっ!愛海さんの頭上に四角い何かが当たりました。
愛海さんの手は珠美の胸を離れて、頭を押さえます。


「いてててっ!もう!Pさん!暴力反対!!」

「お前の暴走を止めるには強硬手段しかないだろうが!
まったく、何がせっかくなんだ。己の欲望に忠実な獣が」

「う〜。でもまぁ珠美ちゃんの胸も堪能できたことだし、
ここは戦術的撤退!」


そういって愛海さんは逃げ出しました。
「まったく、愛海の奴、困ったもんだ。あとで清良さんにおしおきしてもらっておくか。
あぁ、珠美、すまんな、遅くなった」

「いえ、助かりました、というか何と言いますか」


あのまま揉まれていたら、どうなっていたのでしょうか。
ちょっと想像がつきません。


「こいつを取り寄せていたら、意外と時間がかかってな。
ほれ、俺からの誕生日プレゼントだ」


そういって、先ほど愛海さんの頭を叩いた四角い箱を
珠美に渡してきました


「ありがとうございます!開けて見てもいいですか?」

「もちろん」

「それではさっそく……こ、これは!」

「ん?なになにー?」

「時代劇の…DVDですか?」


それは、珠美が憧れたアイドル剣士のTVシリーズの
DVD−BOXでした

「しかもこれって、初回限定版!幻の9話エンディングが
唯一収録されている貴重品じゃないですか!
とても欲しかったのですが、あの頃の珠美のお小遣いでは買えなくて
悔しかったんです!もはや絶版品で、二度と入手できないと思ってました」

「ま、そこら辺はほら、蛇の道は蛇というやつさ。
珠美が影響を受けた番組ってのは聞いていたから、ちょっと調べて見て
そのBOXの存在を知ってたからな。あとは適当にコネをつなげば
なんとか見つかるもんだ」

「テレビ放送分は一応ビデオに撮ってあるんですが、
テープが再生出来なくて、どうしようかと思ってたんです。
もう一度見る事ができるなんて!ねぇ、歌――」


そこまで声にして、珠美は固まります。
珠美は今、とてもうれしいのです。
あれほど望んでいたアイドル剣士のDVDが手に入って、とてもうれしくて。

このうれしさを、珠美は、歌鈴と分かち合いたかったのです。
ですが、今ここに歌鈴は居ません。
先ほどから感じていた、心にあいた穴が何なのか、
珠美は今、はっきりとわかりました。

珠美は、寂しいのです。

こんなにみんなに祝ってもらっているのに。

みんなに祝ってもらっている珠美を、歌鈴に見てほしかった。
珠美のうれしい気持ちを、歌鈴と分かち合いたかった。

それが出来ない事が、とても寂しい事だと、
珠美は気付いてしまったのです。

「たまみん?どったの?」

「珠ちゃん?」


そんなふうに固まってしまった珠美を、唯さんと美世さんは心配そうに見ます。
いけません、せっかく祝ってもらっているのです。
ここは心を切り替えないと。


「あ、いえ、その、あはははは、なんでもありません!
恋い焦がれたDVDが手に入って、ちょっと変なテンションに
なってしまったようです!」


珠美は、笑顔で答えます。
そう、寂しいのは珠美の勝手な都合。唯さんや美世さんや、P殿には
ご心配をおかけするわけにいきません。
こうして祝って頂いてる事に感謝しなければ。
寂しい気持ちにまずは蓋をして、珠美は笑顔を作ります。

そう、今だけは、祝って下さる皆さんのために。

9月20日夜
CGプロダクション女子寮前

その後、珠美の誕生会は和気あいあいとした雰囲気の中で閉会し、
珠美はその足で女子寮へと向かいます。
暗いからと、途中までP殿が同行する事になりました。


「……歌鈴、まだ帰ってきてないんですよね」

「あぁ、一応向こうを出たという連絡はもらってるんだが、
電車のつなぎが悪いと結構時間かかったりする所なんだよな」

「そうですか…」

「そんなに気になるなら直接メールなりすればいいじゃないか」

「あ、その、実はまだ歌鈴のメールも携帯番号も知らないんですよ…」

「え?」


P殿が呆れたように答えます。
そう、実は珠美は歌鈴と携帯番号やメルアドの交換をしていません。
なんというか、きっかけがつかめずにいるのです。
なんとなく、歌鈴はメールとかあまりよくわからないような気がしますし……


「まぁ、そのうち交換しといてくれよ。
仕事での連絡も必要なってくるだろうしな」

「わかりました」


P殿はスマホの画面を時々確認しながら一緒に歩いてくれます。
前を向いて歩かないと危ないと思うのですが……
何度か画面を確認した後、急に珠美の頭を撫でます。


「ちょ、ちょっとP殿!なんですかいきなり!」

「いや、なんとなくな」

「なんとなくで撫でないで下さい!まったく、珠美は少しは成長してるんです!
子供扱いしないで下さい!」

「まぁ、いいじゃないか。誕生日なんだし」


なにがいいんだか珠美にはわかりません。その理屈はさっき愛海さんが
珠美の胸を揉むのと同じだとしか思えません。
「珠美の誕生日は残り数時間、奇跡を起こすには44分あればいいってね」

「なんですかそれは?」

「なに、ちょっとした神話の話さ」


いったいぜんたい何が言いたいんでしょうか?珠美にはわけがわかりません。
そんなやり取りをしているまに女子寮の入口につきました。


「それじゃ俺はここで。あと、そう言えば言い忘れてたよ。
珠美、誕生日おめでとう」

「あ、ありがとうございます!」

「じゃぁな。よい誕生日を」



そういって手を振りながらP殿は去っていきます。
珠美はP殿の後姿に静かに頭を下げると、女子寮に入っていきました。

エレベーターを降りて廊下に出た時、何か違和感を感じました。
それは、自分の部屋に近づくとより一層ましてきました。


「これは…………矢文…………?なんでしょうか?」


珠美の部屋の扉に、矢頭が吸盤になっている矢が刺さって?といいますか
付けてあって、ご丁寧に文が結んでありました。
いたずらにしては手が込んでいると言いますか、いたずらなのか
なんなのかわかりません。今日は本当に「わけのわからにこと」が
沢山ありすぎです。

とりあえず、矢を扉から取り、結んである文を広げます。
そこには、こう書かれていました


『貴様の大切なものは我が預かった。
返して欲しくばすぐに屋上にこられたし』


珠美は、大切なものという文字からすぐに歌鈴を思い浮かべ、
そのまま歌鈴が連れさらわれたのだと思いました。
こうしてはおれません。
珠美はプレゼントを部屋の入口に置くと、相棒の竹刀を持って
屋上へと続く階段を駆け上がります。

9月20日夜
CGプロダクション女子寮屋上


バァァン!


「歌鈴!無事ですか!狼藉者!この珠美が相手いたす!」


珠美は勢いよく屋上へ続く扉を開き、声を張り上げます。
そんな珠美が目にしたのは、屋上の真ん中、月の光に照らされた歌鈴の姿でした。
珠美は急いで歌鈴のそばによると、竹刀を構えて辺りを伺います。


「歌鈴!大丈夫ですか!族は!族はいずこに!」

「た、珠美、おちついて!族とか狼藉者とか、何の話なんですか?」

「大丈夫です!いかな相手でも珠美が歌鈴を必ず守ります!!」

「あ、あの、珠美、だから、私以外、だ、誰も居ませんよ?」

「え?え、ええっと?」

「あの、えっと………」


珠美はやっとおちついて歌鈴の顔を見ます。
歌鈴も困惑の顔で珠美を見ています。

「あ、あの、矢文を見て来たんですよ、ね?」

「はい、大切なものを預かった、とあったので、てっきり歌鈴が連れさらわれたのかと」


そういうと、歌鈴はしばし呆然としたあと、いきなり顔を崩して笑い始めます。


「い、いくらなんでも、女子寮に侵入して私を連れ去る人間なんていませんよ」


歌鈴は笑いながらそう答えます。言われてみればこの鉄壁な女子寮に族が侵入するなど
あり得るはずがありません。冷静に考えればわかる話なのですが……


「ですが大切なものとはいったい?どういう意味なのですか?」

「それは、あの……あの、ですね……」


さっきまで笑っていた歌鈴が、急に困り顔になります。


「あの、ここで珠美に誕生日プレゼントを出して、これが大切なもの、っていう
筋書きだったんですけど……ごめんなさいっ!!」


歌鈴は勢い頭を下げます。


「私なりに一生懸命考えたんですけど、どうしても珠美へのプレゼントが決まらなくて……
その、どんなものであっても、珠美はきっと喜んで受け取ってもらえるような気がして。
でも、私は、できるなら珠美が一番喜ぶプレゼントを渡したくて。
普通なら、きっと欲しいものをプレゼント出来れば喜んでもらえるのでしょうけど……
珠美は、きっと欲しいものは自分の力で得た方がうれしいんじゃないかって考えると、
もう、私には何をどうしたらいいかわからなくなってしまって……」


そこまで言うと、歌鈴はうなだれたまま固まります。
珠美のために、そこまで考えてくれた事に、珠美は驚くばかりです。
確かに、歌鈴からどんなプレゼントをもらっても、珠美は嬉しいと思います。
でもはたして、一番喜ぶプレゼントとなると……それは………
それは、いったい何でしょうか?
問われた自分でもわかりませんでした。


「歌鈴……」


珠美が声をかけると、うなだれていた歌鈴がいきなり顔をあげて
オーバーな身振りで月に手をかざします。


「で、ですからっ!せっ、せめて今宵のこの月を受け取ってくだしゃい!」


歌鈴、最後噛みましたね。
ではなく、月、ですか……?
珠美は、最初歌鈴が何を言っているかわかりませんでした。
ですが、恥ずかしさと焦りのまざった表情の歌鈴を見てると、なんだかおかしくなってきて。

「くくくくっ、なんだかぜんぜん歌鈴らしくありませんね」

「や、やっぱりらしくないですよね……」

「ええ、全然らしくありません。さっきの矢文といい、月をプレゼントなんていう
きざったらしいセンスと言い、そこら辺は全部P殿のアイデアですね」


本当にそういう過剰演出できざったらしい所は、P殿のいいとこであり、
ちょっと困った所だと珠美は思います。
歌鈴は恥ずかしさが増したのか、またもうなだれて肩を小さくしています。
そんな歌鈴がなんだか可愛らしくて。


「ですが、せっかく歌鈴が珠美のために用意してくれた逸品です。
ありがたかく今宵のこの月を頂く事にしましょう」


ここはP殿のきざったらしいセンスに乗っかりましょう。
珠美もあえて鷹揚な物言いで答え、月に手をかざします。
そうして、歌鈴を見ると、歌鈴は次第に顔をあげて、いつもの、
優しい笑顔を見せてくれます。


「歌鈴、よければ二人でしばらくこの月をめでませんか?」

「……ええ、お付き合いさせてもらいますね」


この屋上にはあつらえたようにベンチが一脚、ポツンと置いてあります。
月光に照らされた歌鈴の手を引いて、二人並んでベンチに座ります。
「きれいな月ですね……。でも、なんだか手に届きそうにも見えますね」

「ええ、本当に。昨日が中秋の名月だったそうですけど、今日も十分に満月ですね」


空には雲ひとつなく、明るすぎる月の光は空にある星の輝きを消し去って、
ベンチに座る珠美たちの後ろには、はっきり影が出ていました。
ふと横に居る歌鈴の顔を見ると、その横顔は月光に照らされ、
神秘的で、とても美しくて、凛々しくて、しばし見とれてしまいました。


「どうか、しました?」


歌鈴が珠美の視線に気づいて、こちらを見ます。
少し赤みがかった綺麗な瞳が、珠美を見据えます。
ちょっとどきっとした珠美は、恥ずかしくなって、月を見上げます。

「今日は、珠美の誕生日でした。
今日は……ほんといろんな事がありました。
唯さんと美世さんに誕生会を企画してもらったり、
小さいですけどまるいケーキにローソクまで刺して。
ローソクを吹き消すのなんて、何年ぶりでしたでしょう」

「それに、プレゼントを頂きました。唯さん美世さんは
わざわざ鎌倉まで行って刀型の傘を用意してくださいました。
三人でサインを書いて、世界で唯一の傘にしたり」

「そうそう、あやめ殿からも文庫本をもらいましたし、
響子さんは美優さんと一緒にクッキーを焼いて下さいました。
それ以外にもいろんな方からおめでとうって祝ってもらって」

「……まぁ、愛海さんに胸を揉まれるとは思いませんでしたけど。
P殿からは、憧れのアイドル剣士のDVDBOX、しかも
昔欲しかったけど手に入れられなくて悔しい思いをした限定版を頂いて」


珠美が今日あった事を、そのまま歌鈴に話します。
歌鈴は、笑顔で珠美の話を聞いて下さいます。


「とにかく、今日は幸せに感じたり、嬉しい思いをいっぱいしたり、
誕生日って、本当に、珠美が特別な存在になれる日ですね」


珠美は、いったん話を区切ります。
そして、月を見上げながら、静かに歌鈴の肩に、珠美の頬を預けます。
歌鈴の温かさが、頬から伝わります。
今確かにここに歌鈴はいる。だけど……


「でも、でも、ですね…。うれしい思いや、幸せを感じるたびに、
珠美は……珠美は……寂しかった……」


珠美の頬を、涙がこぼれていきます。


「珠美…?」

「なんで……なんで歌鈴はあの場に居なかったんですか?
珠美は、歌鈴に一緒に祝ってもらいたかった!
歌鈴に、幸せな珠美を見てほしかった!!
歌鈴と、珠美のうれしい気持ちを、分かち合いたかった!!
そうできないってわかった事が、とってもさびしくて……悲しくて……」

ぎゅっ

歌鈴は何も言わず、珠美の頭を抱きとめます。
……珠美は、またも歌鈴に泣かされてしまいました。


「珠美は、だめな子です。あんなにみなさんに祝って頂いたのに、
それなのに寂しいなんて、そんなの、おかしいですよね。
でも………どうしようもなく寂しくて」

「ごめんなさい……珠美に、寂しい思いさせちゃいましたね……」


そう謝る歌鈴の言葉を聞いた時、ふと、思いつきました。
珠美が努力や自力で得る事の出来ない、歌鈴からしかもらえない、
今、珠美がもらう事で一番うれしい贈り物。
せっかくですから、ねだる事にしました。


「……ゆるしません……」

「えっ?」

「あやまってもゆるしません。
珠美にこんな寂しい思いさせた事、簡単に許しません」


ちょっと意地悪かな、と思いましたけど、気持ち的には間違いではありません。
珠美は、顔をあげて歌鈴を見ます。
涙でぼやけた歌鈴は、驚いてるような、困ってるような顔をしています。

「ですから歌鈴、来年の誕生日は、何があっても珠美と一緒に居て下さい。
そう約束してくれるなら、許してあげます」


歌鈴との約束。それこそが、歌鈴から頂ける、一番うれしい贈り物。
もう、二度と、こんな寂しい思いはしたくないから。


「……珠美……ええ、来年の誕生日は、何があっても、
珠美と一緒に居る事を約束します」

「何があってもですよ?」

「ええ、何があっても。もしお仕事とかレッスンとか、それが
どれだけ大事な事でも、来年の誕生日だけは全てお断りしましょう。
そして、必ず二人で過ごしましょう」

「えへっ……珠美はこんなに欲張りだったんですね。
歌鈴に二つもプレゼントをもらってしまいました」


珠美は安心すると、歌鈴の胸元に再度顔を埋めます。
相変わらず、歌鈴の胸元はいい香りがします。
歌鈴は、やさしく珠美の頭を撫でてくれます。

「いいじゃないですか。誕生日プレゼントは一つだけなんて決まりは
どこにもないんですから」


夜風に吹かれて、でもそれがなんだか気持ちよくて。
今ここに歌鈴が居て、珠美を抱きしめてくれている事が、なにより
心を安らかにしてくれて。

あぁ、いつのまに珠美は歌鈴が居なければだめになってしまったのでしょうか……

そんな珠美と歌鈴を、月はやさしく照らすだけでした。



誕生日は特別な珠美になれる日。
でも、今は、珠美一人では、特別になれないみたいです。


梅雨空の晴間のあの日、憧れだった歌鈴と仲良くなって、
誰かを大事に大切に思う気持ちが、珠美の目指す姿だと教えてもらって。

でも、ほんとうは、あれから何も変わってなくて。


歌鈴とは仲良くしてるつもりでした。

それはつもりでしかなく、まだ携帯やメールアドレスすら交換もしないで、
お仕事やレッスンで一緒になった時に隣に居るぐらいで。
一緒に遊びに行ったり、買い物に行ったりした事も無くて。

それなのに、いつの間にか、歌鈴の事を思う気持ちが、珠美の中で
とっても大きくなっていた事に、今日、やっと気付いたのです。


おわり
何をいまさら珠ちゃんの誕生日を投下したのか。

いえ、本当は珠ちゃんの誕生日に書くつもりでした。
ですが、話はまとまらない仕事はすごく忙しいで、
なかなか書きあがらずに今日まで至ってしまいました。

それでも意地でなんとか書き上げたのは、
歌鈴の誕生日にはなんとしてもその日に書き上げるがため。

一応書き留めは半分ぐらいまで書いてるけど、
果たして間に合うだろうか?

というわけでかなり短編になりましたが、珠ちゃんの誕生日編はこれにて。

02:30│脇山珠美 
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