2014年01月16日

千早「アクアリウム?」

〜熱帯魚屋〜

P「ここが俺の行きつけの店だ」

千早「何だかキレイな店ですね……」


春香「それにとっても広い……まるでカフェみたい」

P「実際にカフェを併設してる店もあるぞ?」

春香「えっ? ホントですか?」

P「ああ、銀座にある」

響「う〜……何だか落ち着かないぞー」

千早「我那覇さん? どうして?」

響「自分の近所の熱帯魚屋は、こんなに広くなくて、もっと暗い感じだぞ」

P「……まぁ、数十年前まではオタクな趣味だったからな、仕方ない」

P「おっす」

店員「あ、Pさん、いらっしゃ……
   って、わああああああっ!!
   な、765のアイドル達だぁぁぁっ!!
   ほ、本物だ……Pさん、アイドルのプロデューサーってホントだったんすね!」

P「本当だって言ってたじゃん……。
  とりあえず、いろいろ魚見て回りたいんだけど、いい?」

店員「どうぞ、どうぞ!」

千早「え? 器具を先に買うんじゃないんですか?」

P「魚にも、それぞれ合った器具があるんだ。
  先に自分の飼いたい魚を決めた方が器具を決めやすいしな。
  というわけで、いろいろ見学してみよう」

春香「あ、これ知ってます! グッピーですよね?」

P「ああ」

千早「ひらひらしててキレイね……」

春香「あれ? こっちのグッピーは300円なのに、こっちのグッピーは……
   5000円!? 何でこんなに値段に差があるんですか?」

P「それは、安いほうは輸入グッピーで、高いほうは国産グッピーだからだ」

千早「輸入と国産? 牛肉みたいですね」

P「輸入グッピーは大量生産されるから安いが、遺伝子がどうなってるのか不明だ。
 それに対して、国産グッピーはブリーダーが管理してるから、どんな仔が産まれて来るの
 かが判りやすい。あと、手間の差かな」

千早「いろいろあるんですね……」

http://i.imgur.com/VINLsbW.jpg

P「ん……? 響はあんなところでうずくまって何見てんだ?」

響「あ、なーなー、プロデューサー! 自分、この子が気に入ったぞー!
  飼ってもいいかー?」

P「どれどれ……げ!」

P(よりによってエチオピクス……)

響「あははっ、間抜け面でカワイイぞー! ねぇ、プロデューサー、いいだろー?」

P「……ダメだ」

響「え〜……」

http://i.imgur.com/ScDuuso.jpg

春香「? 何でダメなんですか?」

P「あのな……今はコイツは20センチくらいだけど、最終的に2メートルくらいになるん
  だぞ」

千早「に、2メートル……」

P「そうなると水槽も大型の物を用意しなければならない……それに合わせて床の補強工事
 もしなきゃならん……今の響には無理だろ?」

響「うー……わかった、我慢する……」

P「よしよし、いい子だ」ナデナデ

響「えへへ……けど、いつかはビッグになってコイツが飼えるようになるからな!」

千早(我那覇さんカワイイ……)

春香(うーん……私もナデナデしてほしいなー……)

千早「あら……」

P「どうした、千早、気に入った魚でも見つかったか?」

千早「いえ、そういうワケじゃないんですけど、こんな丸いお魚もいるんですね」

P「ディスカスかー……それは初心者には難しいかもなー」

春香「どうしてですか?」

P「頻繁に水替えしなきゃいけないのと、調子を崩しやすい」

千早「そうなんですか……でも、優雅に泳いでて、色もキレイですね」

響「ちなみに、日本で最初に飼われたディスカスは、前の天皇陛下の所にいたんだぞー」

春香「て、天皇陛下!?」

P「献上されたんだよ」

響「動物トリビアなら自分におまかせさー!」

http://i.imgur.com/TZZTtAN.jpg

P「さて……ザッと見てみたが、良さそうな魚は見つかったか?」

千早「難しいですね……」

春香「気に入らなかったとか?」

千早「いえ、そうじゃなくて、種類が沢山ありすぎてどれにすればいいのか分からないのよ」

響「そういう時は店員さんに相談さー!」

P「そうだな……千早がどんな魚が飼いたいか上げてって、その条件から選ぶとしよう」

店員「それで、どんな感じの水槽にしたいですかー?」

千早「え、えっと……あそこの展示水槽みたいに緑がいっぱいあると気分が落ち着くかも」

P「なるほど、水草水槽で飼える魚だな、他には」

千早「えっと、やっぱりキレイで……」

店員「ふむふむ」

千早「飼いやすくて、あまり大きくならないのがいいです」

P「なるほど、他には何かあるか?」

千早「えっと……飼ってて成長を実感できるような……そんな感じで……」

店員「繁殖はどうしますか? 考慮に入れますか?」

千早「繁殖って……殖やせるんですか? だったら繁殖できるお魚がいいです」

P、店員「「ふむふむ」」

千早(いろいろ言っちゃったけど……こんな条件に当てはまるお魚なんていないわよね)

P「となると……アピストかな?」

店員「アピストっぽいですねー」

千早「え? いるんですか、そんなお魚?」

P「うん、アピストグラマっていってな、最初は地味だけど飼っていくうちに綺麗になって
  いくんだ、成長を実感できる、という点ではいいかもな」

千早「は、はあ……」

P「でも、初心者がいきなりアピストって、難しくないか?」

店員「今は器具がいいですからねー、基本さえ押さえておけば、最初からでも大丈夫っスよ。
   それに国内ブリード物も出回ってますから、案外、丈夫ですよー」

P「なら、いいかもな……どうする、千早? アピストにするか?」

千早「わ、私は何も分からないのでお任せします……」

P「それじゃ、アピストをいずれ飼うってことで、器具を決めていこう」

P「水草水槽だからフィルターは外部フィルターで……水槽は水草だから60センチ規格水
 槽がいいかな、あとは水槽台と……」

春香「え? 水槽を置く台まで買うんですか?
   千早ちゃんの部屋の家具の上じゃダメなんですか?」

P「それってカラーボックスか?」

千早「はい……」

響「それじゃダメだぞー。
  水槽は水を入れると、すっごく重くなるんさー」

千早「そうなの?」

P「一般的な60センチ水槽でも、底砂と水を入れれば80キロ以上になるんだ」

春香「へー……知らなかった……」

P「サーモ内蔵ヒーターとヒーターカバー、ライトに、ガラス蓋、水温計、底砂は……アピ
  ストだからソイル系だな。
  あとは……水質調整薬剤と、初期バクテリアと……あと何があったっけ……」

千早「い、いろいろ買うんですね……覚えきれるかしら……」

P「水槽のセットをしてしまえば後はそんなに難しくないぞ?
  水替えの時に薬剤を使うのと、エサの種類だけ覚えておけば問題ない。
  水質検査薬は俺のを使えばいいしな」

春香「千早ちゃん……こんなに買って、お金、大丈夫?」

千早「分からないけど……手持ちのお金では足りないかも……」

P「ああ、経費で落とすから問題ないぞ」

響「これも経費に入るのかー?」

P「千早のメンタルケアになるから、大丈夫、というか、意地でも落とす」

千早「あ、ありがとうございます、プロデューサー」

P「なに、ちょっと小鳥さんに奢ればいいだけだ。
  そのかわり、魚は自分で買うんだぞ」

千早「は、はい」

P「えーと……後は水草か……」

店員「Pさん、CO2はどうします?」

P「ん〜……管理が難しいし、アイドルは時間が不規則だから……無しの方向で」

店員「りょーかい」

春香「CO2って……二酸化炭素ですよね? そんなのまで使うんですか?」

P「ああ、育てるのが難しい水草には、肥料やCO2を添加するんだよ。
  でも、今回は育てるのが簡単な水草を選ぼう。
  ほら、千早、店員さんのアドバイスに従って、自分で水草を選んできなさい」

千早「は、はい……よろしくお願いします」

店員「こちらこそ!
   あ、後でみんなのサイン貰っていいですか?」

千早「え? ええ、私達のサインで良ければ……」

春香「構いませんよー」

響「なんくるないさー!」

P「これで初期に必要な物はあらかた買ったか……」

春香「これで水槽をセットし終われば、魚を飼うことができるんですね?」

響「そんなにすぐには飼えないぞー」

千早「え?」

P「魚を飼うにはろ過バクテリアが充分に繁殖した水……いわゆる「活きた水」を作る必要
 があるんだ」

春香「それって、どのくらいで出来るんですか?」

P「う〜ん……水槽を回しはじめて、2か月くらい経たないと駄目かなぁ……」

千早「そ、そんなに待つんですか!?」

店員「Pさん、Pさん、パイロットフィッシュを使ったらどうですか?」

P「ああ! その手があったな!」

千早「パイロットフィッシュ?」

今日の更新はここまでです
画像は拾い物です
次回の更新で安価のベタが出てきます

それでは、また
春香「パイロットフィッシュって何ですか?」

P「ああ……水槽の立ち上げ時に、試験的に導入する魚の事をそう言うんだ」

千早「水槽にいきなり入れちゃうんですか?」

P「うん、パイロットフィッシュがいれば、循環が早くなって、本命の魚を入れるまでの時
  間が短縮されるんだ。
  言わば、生態系を作ってくれる魚だな」

千早「でも、試験的にだなんて、そんな、かわいそう……」

P「そうでもないぞ、パイロットフィッシュにする魚は、安価な事が多いが、安いというこ
  とは、それだけ丈夫だってことだ。
  役割が終わっても飼えるような魚を選べばいいんだよ」

千早「はあ……」

P「さて、パイロットフィッシュはどの魚にするか……」

店員「Pさん、ベタはどうですか? Pさんベタ好きでしょ?」

P「ベタか……いいかもな、丈夫だし」

春香「ベタってどんな魚なんですか?」

P「実物を見た方が早いだろう、ほら、あっちにベタのコーナーがあるぞ」

千早「えっ……このお魚……コップみたいな鉢に入れられてる……」

響「ベタはすごく丈夫な魚で、空気呼吸も出来るからこうやって売られてるんさー」

春香「何だか原色的で……絵の具をそのまま塗ったみたいな魚ですね?」

P「そこがいいんだよなー」

千早「はあ……」

http://i.imgur.com/g0wIANb.jpg

春香「プロデューサーさんもこの魚飼ってるんですか?」

P「ああ、ショーベタを5匹ほど飼ってる」

千早「ショーベタ?」

P「コンテストに出品する為に品種改良されたベタのことだ。
  ほら、携帯の待ち受けにしてあるから見てみるか?」パカッ

春香「わあ……ここにいるベタとはヒレの開き方が違いますね。
   ふわっとしてる」

響「プロデューサーもコンテストに出したりするのかー?」

P「いや、純粋に観賞用だ、見てるだけで楽しいしな」

http://i.imgur.com/Gctt6mB.jpg

P「さて……ベタも買うか。
  千早、好きなの選んでいいぞ」

千早「え? えっと……それじゃ、この青っぽいのがいいかな……」

春香「何だか千早ちゃんのイメージにぴったりだね!」

P「それじゃ、これとベタ用にフレークフード買って、移動するか」

響「千早の部屋にかー?」

P「いや、もう時間も遅いから、ファミレスに行って、その後ホームセンターに行こう」

千早「ホームセンター?」

P「電源タップとか、いろいろ細々した物を買いに行くんだ」

響「なんでもいいいから早く行くさー、お腹空いたぞー」

http://i.imgur.com/Fww0gOL.jpg

〜千早の部屋〜

P、春香、響「「「おじゃましまーす」」」

千早「どうぞ……本当に何も無い部屋でお見苦しいですけど……」

P「気にするな、一人暮らしなんてそんなもんだ」

響「水槽が置かれたらきっと見違えるさー!」

千早「ありがとう……今、お茶を淹れるわね」

春香「あっ、千早ちゃん、私も手伝うよ」

P「さて、水槽のセットを始めるか」

千早「でも、本当にお任せしてしまっていいんですか?」

P「けっこう体力使うしな、任せろ」

P「水槽台の組み立ては完成したな……」

春香「鉄製で頼りなく見えますけど……あ、でも思ってたよりも丈夫ですね。
   押してもビクともしない、これなら安心ですね」グッグッ

千早「この上に水槽を置くんですね?」

P「いや、まだだ、これを取りつけなきゃいけない」

響「それってさっきホームセンターで買ってたやつかー?
  なんだそれー?」

P「家具の補強に使う耐震用のグッズだ。
  東京は地震が多いからこれをつけないとな」

春香「なるほど、これで台を固定するんですね?」

P「そうだ。よし、作業を続けるぞー」

〜2時間後〜

P「ふう……なんとか器具のセットは終わったな」

千早「こんな遅くまで……すみません、私のために……」

P「なに、気にするな。
  それより、春香は電車大丈夫か?」

春香「今日はこのまま千早ちゃんの所に泊まることにしました。
   さっき家に電話したので大丈夫です」

響「なー、それより水草植えないのかー?」

P「おっと、そうだった……ここからは、千早、お前の出番だ」

千早「わ、私ですか?」

P「そうだ、自分でレイアウトしてみろ」

P「水槽に水を3分の1ほど入れて……よし、自由に植えてみようか」

千早「で、でも水草のレイアウトなんてどうしたらいいか……。
   せめて、アドバイスをください」

P「そうだな……よし、買った水草を見せてごらん」

千早「はい、店員さんには、これを勧められました」

P「どれどれ……アマゾンソードに、ハイグロフィラに、ピグミーチェーンか……。
  よし、まずはアマゾンソードがセンタープランツだから、これを中央付近に植えてみよ
  う」

千早「このホウレンソウみたいなのですね?」

P「そうだ……今はこんなでも、けっこう大きくなる水草だから、余裕を持って植えるんだ」

千早「はい、やってみます」

P「そうそう、有茎水草は後方に植えて……短い水草は前景に植えるんだ。
  なかなか筋がいいぞ……」

千早「あ、ありがとうございます」

春香(千早ちゃん、プロデューサーさんに手とり足とり教えてもらえていいなぁ……。
   私も何か飼ってみようかな……)

響「なーなー、流木は入れないのかー?」

P「おっと、忘れるところだった……」

千早「? 木を入れるんですか?」

P「ああ、流木を入れておけば、勝手に水質がアピストに適した弱酸性になるし、アピスト
  の隠れ家にもなるんだ」

千早「なるほど……」

P「というわけで、何本か買ってきたから、自由に配置してみろ」

千早「は、はい」

P「水も入れたし、フィルターも回した、ヒーターも点けた……よし、ライト点けるぞー」

ピカッ

春香「おおー」

響「カッコいいぞー! 千早! 大人の女のインテリアって感じだ!」

千早「ええ……とてもキレイ……」

P「水草が育てばもっと綺麗になるぞー。
  よし、今度はベタをいれてみようか。
  千早、薬剤は入れてあるな?」

千早「は、はい、規定量通りに入れました」

P「それじゃ、ベタの入ってる袋を浮かべて……他の魚なら水合わせが必要だが、ベタだか
  ら温度を合わせるだけで充分か……。
  よし、このまま30分ほど待つんだ」

響「泳いでるところを見るのが待ち遠しいぞー!」

※画像はあくまでイメージです

http://i.imgur.com/jYUmyYr.jpg

〜30分後〜

P「よし……放すぞ……」

ヒラヒラ…

春香「わっ! 泳いでます、泳いでますよプロデューサーさん!」

千早「カワイイ……」

響「おー! せっかくだからエサあげてみようよー!」

千早「い、いいんですか?」

P「他の魚なら1日ぐらい待った方がいいんだが……ベタだから大丈夫だろう、いいぞ」

千早「ど、どれくらいあげればいいんでしょう……?」

P「3分で食べきるくらいが目安だな、ちょっとでいいぞ」

千早「はい……」(このくらいかしら?)パラパラ

パクパク…

響「おー、食べてるぞー」

千早「か、カワイイ……」

春香「これは確かに癒されますね〜」

響「……なあ、プロデューサー、水が出来たら、こいつはどうするんだー?」

千早「え? 一緒に飼えないの?」

P「ベタもアピストも気が強い魚だから、一緒には飼えないんだ。
  特に、ベタは「闘魚」とも呼ばれてて、東南アジアでは闘牛みたいに戦わせるくらいだ
  からな」

千早「そ、そんな……こんなにカワイイのに……」

P「だから、水が出来たら、この子は事務所で飼うことにしよう」

千早「え!?」

春香「いいんですか? 事務所で飼っちゃって?」

P「ああ、ベタなら大きな設備もいらないし、保温も必要ないしな。
  事務所のみんなも喜ぶだろ。
  それに、そうすれば千早は家ではアピストを飼えて、事務所ではベタも見れる。
  一石二鳥だろ?」

千早「なるほど……」

響「それじゃ、この子はみんなの子ってことだなー!
  名前つけてもいいかー?」

千早「それなら、ゴンザr春香「P男ちゃんにしましょう!この子、オスですよね?」

響「P男かー、それでいいんじゃないかー?」

P「なんだか恥ずかしいな……」

千早(ゴンザレス……)

P「それじゃ、一段落したし、俺と響はこれで失礼するよ」

千早「今日は、本当にありがとうございました」

響「なんくるないさー! 同じ事務所の仲間だもんなー!」

P「そういうことだ。
  それと、言った通り、こまめな水替えを忘れずにな、P男がいれば一か月くらいで水が
  出来ると思うから」

千早「はい!」

春香(千早ちゃん、だんだん元気が出てきたみたいで良かった……)

P「それじゃ、おやすみー」

響「またなー!」

千早、春香「「おやすみなさい」」

ヒラヒラ…

千早「ふふ……カワイイ……ゴンザr……P男……」

春香「それにしても良かったー」

千早「? 春香? どうしたの?」

春香「ここのところの千早ちゃん、張りつめてたみたいだったから……。
   そんなにリラックスした表情見るの、久しぶりかなって……」

千早「……そうね……仕事に追われて余裕が無くなってたみたい。
   春香、心配かけてゴメンね?」

春香「いいよいいよ! それに、これからは大丈夫だもんね?」

千早「そうね……部屋の中に緑と魚がいるだけで、なんだかゆったりする気がするわ」

春香「プロデューサーさんと響ちゃんに感謝だね!」

千早「そうね……仕事で頑張ってお返ししないとね」

春香「その意気だよ! 千早ちゃん!」

千早「ふふ……ありがとう」

今日の更新はここまでです。
まだ終わりません。
明日はもしかしたら更新できないかもしれませんが、エターにはしないつもりです。

それでは、また
今日誕生日なのでセルフでお祝いする為にいろいろ買い出しする予定です
なので書き溜めが難しいかもしれません

はるちは万歳!
>>65
ありがとうございます
なんとか書き溜め出来たので、19:30〜20:00頃から更新始めます
〜3週間後、談話室〜

千早「〜♪、〜♪」フンフン

美希「あふぅ……よく寝たの……」

千早「あら、美希、ごめんなさい、起こしちゃった?」

美希「ううん、いいの、千早さんの歌は子守唄がわりになって、よく眠れるの」

千早「そうなの?」

美希「うん、それに、最近の千早さんの歌はなんだか前よりもっと柔らかくなって、よけい
   眠れちゃうの、あふぅ……、何かいいことでもあったの?」

千早「ふふ……どうかしら?」

美希「あれ……? その本……「熱帯魚の飼い方」?
   千早さんが音楽関係以外の本を読むなんて珍しいの」

千早「ええ、私、熱帯魚を飼い始めたのよ。
   だから、少しでも勉強しようと思ってプロデューサーから借りたの」

美希「ハニーから? ハニーも熱帯魚飼ってるの?」

千早「そうよ、プロデューサーに手伝ってもらって水槽を置いたのよ。
   写メ撮ってあるから見る?」

美希「どれどれ、なの……。
   わあー、キレイなのー!
   なるほど、千早さんはこれで機嫌がよかったのなの」

千早「そうね、ふふっ」

美希「でも、この水槽、魚が一匹だけで寂しいの。
   他には魚飼わないの?」

千早「そうね……あと1週間もすれば他の魚も入れられると思うんだけど。
   そうなったらプロデューサーと買いに行くわ」

美希「えー? 千早さん、ハニーとお買い物デートするの?なの」

千早「で、デートって……アドバイスを貰いたいから一緒に行くだけよ」

美希「それでもうらやましいのー! ミキもいっしょについてくのー!」

千早「わ、わかったわ、一緒に行きましょう」

小鳥「熱帯魚を始めればプロデューサーさんとデートできると聞いて!」バーン

千早「お、音無さん!?」

美希「小鳥……盗み聞きはよくないの、あふぅ」

小鳥「いやいや……貴重なちはみきの気配がしたから呼び寄せられただけよ?
   それで、熱帯魚屋にはいつ行くの?」

千早「え? 音無さんも来るんですか?」

小鳥「アタシも独り身は寂しいピヨ……。
   お願いだから一緒に連れてって〜」

美希「小鳥、ずうずうしいの」

P「何だ? 談話室が騒がしいけど何やってんだ?」ガチャッ

千早「あ、プロデューサー」

美希「ハニー! ミキもデートにつれてくの!」

千早「だからデートじゃないってば……」

小鳥「アタシもつれてってくださいよ〜。
   今度はこっちがご飯奢りますから〜」ウルウル

P「何だ、熱帯魚屋の話か……。
  そうだな……千早、貸した試薬で水質は測ってみたか?」

千早「はい、亜硝酸濃度は低くなってます」

P「じゃあ、もう水は出来てる感じだな……。
  よし、今日の活動が終わったらアピスト買いに行くか!」

千早「は、はい!」

美希「ミキも行くのー!」

P「はいはい……」

小鳥「アタシもつれてってくださいよ〜。
   仲間外れはイヤピヨ〜」

P「わかりましたってば」

〜熱帯魚屋〜

P「うーっす」

千早「こんにちは」

店員「いらっしゃーい!
   って、今度は美希ちゃんも来たーっ!
   やったぜ!」

美希「今度はって……前は誰と来たのなの?」

千早「このまえは春香と我那覇さんと来たのよ」

小鳥「あら、ホントね、3人のサインがレジの後ろに飾ってあるわ」

店員「今度は美希ちゃんのサインも貰っていいっスか!」

美希「お安い御用なの!」

P「それじゃ、アピストを選ぶんだが……。
  千早、混泳させたい魚はいるか?」

千早「え? 混泳させていいんですか?
   繁殖の邪魔になるんじゃ……?」

P「千早はアピストを小さいうちから育てたいんだろ?
  それなら複数匹飼うことになるから、結局繁殖水槽は別に用意することになるんだ。
  36センチくらいの水槽なら俺が貸してやるし、軽いから家具の上に置いても大丈夫
  だ」

千早「なるほど……それじゃ、混泳相手はどんなのがいいですか?」

P「ん〜……アピストだと、小型のコイ科か、テトラ類かな」

千早「テトラって、種類が多すぎて、どれがいいかわかりません……」

P「実際に見てみて、気に入ったヤツを飼えばいいと思うぞ。
  ほら、美希も興味深そうにウズウズしてる」

美希「いろんなお魚がいておもしろいのー!」

千早「ふふ……じゃあ、先に混泳相手を選びますね」

美希「この魚、カラフルでキャンディーみたいなのー!」

P「プラティーか、初心者向けで、飼いやすいぞ」

小鳥「あら……? 腹びれみたいなのをピコピコさせて他の魚を追いかけてますけど、これ、
   何ですか?」

P「ああ……それは生殖器です」

小鳥「!」

美希「生殖器って……お○んちん?」

千早「み、美希! そんな大きな声で……」

美希「魚にお○んちんがついてるなんて変なのー」

P「プラティーは卵胎生だからな……人間みたいに交尾して子供を出産するんだ」

美希「じゃあこの魚はお○んちん動かしてメスを追っかけてるの?
   やらしいのー」

千早「み、美希……あれ? 音無さん、棒立ちになってどうしたんですか?」

http://i.imgur.com/Kx5B8NT.jpg

〜小鳥の脳内〜

P(全裸)「お〜い、待て待て〜」ピコピコ

小鳥「うふふ〜、つかまえてごらんなさ〜い」

P(全裸)「小鳥さ〜ん、俺と○○○しようぜ〜」ピコピコ

小鳥「うふふ、そんなトコを動かして……やらしいんだから〜」

P(全裸)「言ったな〜、見てろ、いまに俺のビッグマグナムで……」

千早「音無さん! 音無さんってば!」ユサユサ

小鳥「ウヘヘ……アンッ、ダメヨソンナトコ……」

P「またどーせ碌でもないこと考えてるんだろ、千早、放っておいていいぞー」

美希「ねーねー、ハニー、ミキ、また面白い魚見つけたの!」

P「はいはい……今度は何だ?」

美希「このお魚、キスしてるの!
   ラブラブなの!」

小鳥「ウヘ……き、キス?」

P「キッシンググラミーか……言っとくが、別にそれはラブラブでキスしてる訳じゃないぞ」

美希「え〜? それじゃ、なんでなの?」

P「それは威嚇行動だ……要するに、オス同士の縄張り争いだな」

美希「え? オス同士でキスしてるの? 変なの〜」

小鳥「ピヨッ!?」

http://i.imgur.com/vSq8tXO.jpg

〜小鳥の脳内〜

P「765の縄張りを荒らすとはやってくれるじゃねぇか、天ヶ瀬……。
  こいつはお仕置きだ」ムチュウ

冬馬「うっ、やりやがったな! お返しだぜ!」チュウ

P「ふん……そんな子供の遊びが俺に通用するとでも思ったか?」
  大人のキスってのはな、こうやるんだよ……」チュルチュルジュル

冬馬「うっ! ち、ちくしょう! ま、負けねえぜ!」チュッチュッ

P「ふはははは! 何度でもかかってこいやぁ!」ジュルジュルジュバァ

小鳥「ウヘ、ウヘヘ……」

美希「小鳥がまたトリップしてるの……」

小鳥「Pあま……いいわね、待てよ、リバであまPというのもなかなか……」

P「……つれてくるんじゃなかったかな?
  まあいいや、千早、混泳相手は見つかったか?」

千早「はい、ブラックネオンテトラが、キレイで気に入りました」

P「ブラックネオンか、うん、アピストと相性良いと思うぞ。
  後は……千早、コケ取りも入れるか?」

千早「そうですね……少しコケが出てきたので、出来れば入れたいです」

P「じゃあ、オトシンも何匹か入れようか」

http://i.imgur.com/v6ATsRq.jpg
http://i.imgur.com/EONhQG5.jpg

千早「入門書を読んでて思ったんですけど、掃除屋って入れなくていいんですか?」

P「掃除屋って、コリドラスか?」

千早「はい」

P「コリドラスはダメだ、アピストと相性悪い」

千早「そうなんですか?」

P「アピストも底にいるのを好むから、底モノのコリドラスには、縄張りを荒らされたと思
  って攻撃しちゃうんだよ」

千早「なるほど……」

P「底の汚れが気になるなら、水替えの時に吸い出してやれば充分だ」

千早「わかりました」

P「そんじゃ、本命のアピスト選んでみようか」

P「お〜い、今、アピストの若いのって入ってる?」

店員「いますよー、ちょうど、ブリーダーさんから貰ったホイグネイが沢山います」

美希「貰ったって、ここは増えた魚も引き取るのー?」

店員「さすがにお金は払わないけど、殖えすぎた魚をエサとか器具と交換する事はあります
   よー」

美希「ふーん、なの」

P「ホイグネイっつーと……確かマクマステリィグループだっけ、アピストの中でも大型に
  なる部類だな」

千早「大きくなるんですか?」

P「っつっても、6センチくらいだけどな」

千早「それならなんとか……」

P「とにかく、見てみよう」

千早「わぁ……コロコロしててカワイイ……!」

美希「でも、なんだか地味なの。
   千早さん、ホントにこれでいいの?」

店員「飼い込めば飼い込むほど綺麗になっていきますよー」

P「値段も良心的だな……何でだ?」

店員「貰い物ですから……でも信頼できるブリーダーさんですし、国内ブリードだから、日
   本の水に慣れてて、丈夫ですよー」

P「それじゃ……これにするか? 千早。
  他のも見てもいいんだぞ?」

千早「いえ、この子達にします!
   一目見て気に入りました!」

P「じゃあ、決めるか」

千早「はい!」

http://i.imgur.com/JPoaasf.jpg

P「それじゃ、ペアにしたいから、5匹掬ってくれる?」

店員「りょーかいです」

小鳥「あら? ペアが欲しいのに、5匹も買うんですか?」

P「このくらいの大きさだと、まだオスとメスの区別がつかないんですよ。
  5匹も買えば、オスばっかりとか、メスばっかりという確率は減りますから。
  確実にペアが出来ます」

美希「確率の計算は苦手なのー」

小鳥「むむ……5匹の中でペアになれるのは2匹のみ……。
   熱帯魚の世界も、婚活は大変なのね」

千早「……」ドキドキワクワク

P「それじゃ、アピストのエサに、ディスカスフードでも買ってくか。
  あ、それとブラックネオン10匹と、オトシン5匹掬っておいてくれー」

店員「わかりましたー」

千早「ディスカスって……あの丸いお魚ですよね?
   その種類の専用の餌じゃないんですか?」

P「ディスカスフードは高栄養で、アピストも好んで食べるんだよ。
  それに、色揚げもいいしな」

千早「色揚げ?」

P「発色が良くなるということだ」

千早「そうなんですか……まだまだ知らない事でいっぱいです」

店員「しめて、1万2500円になりまーす」

美希「うわっ! 高いの!」

店員「これでも、おまけしたんすよ?」

小鳥「さすが、貴族の趣味と言われるだけのことはあるわねー」

P「千早、お金は足りるか?」

千早「はい、大丈夫です」

P「それじゃ、買ったらファミレスに行ってから千早の部屋に行くか」

店員「それじゃ、アピストの袋は発泡スチロールに入れておきますね」

千早「あ、ありがとうございます」

店員「いえいえ、今後ともご贔屓にー」

今日の更新はここまでです
書いてる途中で気が付いたんですが、美希ってアニマスで熱帯魚屋でサボってましたね……
なので、ここの美希は熱帯魚知識ゼロということで脳内補完お願いします(陳謝)

それでは、また
>>101
ホントなら好きな魚を選べばいいので別にアピストでなくコリドラスを選んでもいいんですが…
アピストグラマ・ホイグネイを選んだのにはある理由があるのでこうしました
ここ2,3日は用事があるので更新厳しいかと思いますが、なるべく頑張ります
な、なんとか書き溜め出来ました…
いつもどおり、19:30〜20:00頃から更新始めます
お待たせしました、更新開始します
〜千早の部屋〜

美希、小鳥「「おじゃましまーす」なの」

千早「どうぞ、今お茶を出すわね」

小鳥「お構いなくー」

美希「さっそく水槽を見てみるの!」

千早「わかったわ、今ライトを点けるわ」


美希「わぁ〜! キレイなの〜」

小鳥「これは癒されますね〜」

美希「あははっ、ふよふよ泳いで、かーわいいの!」

P「どれどれ……おお、水草もだんだん育ってきてるな。
  そんなにコケも出てないし」

千早「ええ……ガラス面は掃除できるんですが、水草に生えたコケはなかなか掃除が難しく
   て……」

P「オトシン入れれば大丈夫だ、あまりコケが酷いようなら、思い切ってトリミングするの
  もいいぞ」

千早「普通のハサミで大丈夫ですか?」

P「うん、問題ないぞ」

美希「この魚には名前つけたの?」

千早「ええ、ゴンz……P男っていうのよ」

美希「ハニーの名前つけたの? 千早さんが?」

千早「いえ、春香が名付けたのよ」

小鳥「なるほど……それでこの子は受けですか? それとも攻め?」

P「あ?」

小鳥「い、いえ、質問間違えました!
   この子はオスですか?」

P「……オスです」

P「さて……魚入れる前に、P男を出すか……」

美希「え? P男ここから出しちゃうの?」

P「ああ、水作りの役目は終わったから、事務所で飼うんだよ。
  いいですよね、小鳥さん?」

小鳥「熱帯魚ですよね……電気代かかりません?」

P「ベタだから保温もいらないし、フィルターもいりません。
  水槽は俺の家から持ってきますし、電気代はかかりませんよ」

小鳥「それならいいですよ、事務所のみんなも喜ぶでしょうし」

千早「あ、あの……やっぱり、ここで飼うのはダメ、ですか……?」

P「あー……情が湧いちゃったかー……」

P「前にも言ったけど、アピストとベタは気が強いから混泳はダメ」

千早「で、でも……隠れ家も多いし……」

P「それに、実を言うと、この環境はP男にとってはあまり良くないんだよ」

千早「え!?」

P「ベタは、流れの緩やかな止水を好むんだ。
  アピストを飼うってことで外部フィルターにしたけど、これは水流が強いからなー」

千早「そ、そうだったんですか?」

P「事務所で20センチキューブ水槽で飼った方が、P男もゆったりできるぞ」

千早「そうですか……ごめんなさい、P男、気付いてあげられなくて……」

P「ベタは丈夫だし、事務所で会えるんだから気にしなくていいぞー」

P「さて……P男も隔離したし、温度合わせと水合わせをやっちゃうか」

美希「? 水合わせってなんなの?」

P「魚を、水槽の水質に合わせていくんだよ」

千早「このあいだみたいに、水槽に浮かべるんですか?」

P「ブラックネオンとオトシンは丈夫だから、水槽に浮かべて、一度水槽の水を混ぜてやる
  だけで大丈夫。
  アピストは……いくら国内ブリードで丈夫だって言っても、やっぱり慎重を期して、こ
  れを使おう」

美希「チューブ?」

P「エアチューブとコックだ……これを使ってアピストを放したバケツに、少しずつ水槽の
  水を垂らしていく。
  これで30分くらい経ったら水槽に入れていいぞ」

小鳥「手間がかかるんですねー」

〜30分後〜

P「よし……みんな放していいぞ」

千早「は、はい……」オソルオソル

美希「お、おお〜っ! キレイなの〜!
   群れたり、ガラスに引っ付いたりして、かわいいの〜!」

小鳥「う〜ん……アタシも始めてみようかしら? アクアリウム」

千早「……」ジーン

美希「千早さん、感慨にふけってるの」

美希「ねえ、エサはやらないの?
   ミキ、エサを食べてるところ見てみたいの!」

P「水槽に慣れるまで、1日はエサをやっちゃダメだ」

美希「え〜……カワイそうなの〜!」

P「1日飯を抜いたぐらいで死なないから大丈夫」

千早「アピストの餌はディスカスフードですよね……。
   他の子はどうすればいいですか?」

P「P男と同じフレークフードで大丈夫だ」

美希「ねえ、この子たちには名前つけないの?」

千早「うーん……まだ見分けがつかないわね……どうしましょう?」

P「アピストなら、飼ってるうちに特徴がつかめるんじゃないか?
  他の魚は成長しても見分けがつかないから、ユニット名で呼ぶとか」

美希「あ、じゃあこの黒いのにはミキが名前つけてもいい?
   なんだかせわしなく動いてるから、とかちーずとかどうなのなの?」

千早「とかちーずって……亜美と真美?
   ふふっ、言えてるわね。
   じゃあ、ブラックネオンは、とかちーずって呼ぶことにしましょう」

P「それじゃ、P男は明日事務所に持って行くから、千早も水槽ばっかり眺めてないでちゃ
  んと休むんだぞ」

千早「はい」

美希「それじゃ、おじゃましましたなのー」

小鳥「また明日ね、千早ちゃん」

千早「はい、おやすみなさい」

バタン

千早(……前はこの部屋から春香が帰ったりしたら寂しくなる事が多かった……)

千早(でも、今は大丈夫……)

千早「ふふっ、水槽を眺めてると時間を忘れてしまいそう……」

〜翌日、765事務所〜

バタンッ

千早「ハアハアッ! お、遅れてごめんなさい! おはようございます!」

律子「15分の遅刻か……ま、許容範囲だけど、次からは気を付けてね。
   芸能人は時間厳守よ」

千早「ええ……ごめんなさい」

P「寝坊かー? 珍しいなー。
  どうせ水槽眺めてて夜更かししたんだろ?」

千早「はい……つい……そういえば、P男は?」

P「あっちでみんなのアイドルになってるぞ」

ヒラヒラ…

全員「お〜……」

千早「み、みんな、おはよう」

春香「あ、千早ちゃん! おはよう、今P男をみんなで観察してたトコだよ」

響「P男が元気そうで安心したさー。
  千早はペットを飼う才能があるぞー!」

千早「ありがとう、我那覇さん」

貴音「面妖な魚ですね……して、この魚は食べられるのですか?」

千早「た、食べちゃダメよ! 四条さん!」

貴音「そうですか……それにしても」スッ

千早「?」

貴音「如月千早」

千早「は、はい」

貴音「わたくしは以前から危惧していました……まるで貴女が割れそうな風船の様だと」

千早「割れそうな……風船?」

貴音「はい……歌のみに身を捧げるその姿は、とてもすといっくでしたが、同時に危うさを
   も感じさせていたのです……まるで一突きすれば割れてしまいそうな風船の様に」

千早「……」

貴音「その貴女が、歌以外に何かを見つけ、興味を持ったという事が嬉しいのです」

千早「四条さん……」

貴音「最近の貴女を見ていると、何か暖かみが加わったかのような印象を受けていたのです
   が、その理由がやっと分かりました。
   千早、趣味を持つ事は人生に深みを与えてくれますよ」

千早「ありがとう……四条さん……」

美希「あふぅ……貴音はあいかわらず言いにくいことをズバッと言うの」

亜美「お姫ちん、意外と情熱的だからねー」

真美「あ! 亜美、見て! P男がフンしたYO!」

亜美「アハハッ、ホントだー! 兄(C)がウ○コしたー!」

P「やかましい!」

真「あ、プロデューサー! P男にエサあげてもいいですか?」

響「あ! ズルいぞー! 真、エサをあげたいのはみんな同じさー!」

P「あんまりいっぱいエサやりすぎると、水が汚れちゃうぞ。
  エサやり当番を決めなさい」

やよい「うっうー! それじゃ、みんなで順番にエサをやる当番表を決めたらどうでしょ
    う?」

伊織「ニシシッ! まあ仕方ないわね、協力してやるわよ。
   それにしてもP男なんてダサい名前ね……もっとゴージャスな名前にしなさいよ」

千早(高槻さんも嬉しそう……カワイイ……。
   やっぱりこっちに連れてきて良かった……)

P「P男は1日1食でいいから、スケジュールと相談して決めるんだぞー」

貴音「なんと! 1日1食とは……わたくしなら我慢できません……」

響「貴音はもう少し食べ歩きの回数を減らしたほうがいいと思うぞー……」

貴音「らぁめんの食べ歩きはわたくしの生きがいです」キッパリ

あずさ「千早ちゃん? この子は何か芸とかできないのかしら?」

千早「え? 芸ですか?」

春香「あずささん、そんな、犬じゃないんですから……」

P「……いや、待てよ、一個だけ出来ますよ、あずささん」

あずさ「あらあら〜、本当〜?」

千早「は、初耳ですが?」

P「これを使うんだ」

千早「え……手鏡?」

P「これをこうしてP男に見せてやると……」

フワアアッ

全員「お〜……!」

あずさ「あらあら〜、ヒレが広がってるわ〜」

P「鏡に映った自分の姿を敵だと思って、威嚇してるんですよ」

雪歩「い、威嚇だって……真ちゃん、怖いよぅ……」

真「大丈夫だよ、雪歩、犬みたいに噛んだりしないから」

響「雪歩にはいいかげん、いぬ美にも慣れてほしいぞー……」

千早「それにしても、こんな芸があったんですね……あ、エラまで広げてる……」

P「ショーベタなんかだと、1日1回はこうして鏡を見せてヒレを広げてやるんだよ」

亜美「それにしても、兄(C)が千早お姉ちゃんに熱帯魚の事を教えていたとは、隅に置け
   ませんなー」

真美「熱帯魚をダシにすれば、兄(C)と付き合えるかもしれませんなー」

あずさ「……」ピクッ

律子「……」ピクッ

千早「もうっ! 二人とも! ただ教えてもらっただけよ!」

亜美「千早お姉ちゃんの部屋で……」

真美「二人きりでレッスン……」

亜美真美「「萌えますなー」」

千早「こら! 春香達も一緒だったわよ!」

亜美「え? 3『ピーッ』?」

P「ちゃうわっ! どこでそんな言葉覚えたっ!」

ワイワイ…

P「まったく、あの双子ときたら……」

小鳥「でも、いいですね、事務所に生き物がいるだけで華やかになりますよ」

律子「エサ代だけでアイドルのモチベーションを上げられるんだから、安上がりでいいです
   ね」

P「特に千早のメンタル管理は重要だから……。
  まあ、何にしても助けになれてよかったよ」

小鳥「ええ……あ、そういえば、律子さん、そろそろ時間じゃありません?」

律子「あら、いけない!
   ほらほらー! アンタ達―! 今日は久々の全員揃ってのレッスンなんだから、と
   っとと行くわよー!」

全員「はーい!」

今日の更新はここまでです
まだまだ終わりません
次回の更新で、アピスト達の名前が決定する予定です

それでは、また
書き溜め出来ましたが、今日は前倒しでクリスマスやるため、何時もの時間には更新できないかもしれません
遅くとも今夜中には更新しますので、気長にお待ちください
クリスマス会終わりました

5分後から更新始めます
〜1週間後、ラジオブース〜

チャララ〜チャラ〜

春香「さて、今週も始まりました! 天海春香と!」

千早「如月千早の」

春香、千早「「はるちはわっほい!」」

春香「今週も皆さんの質問をバシバシ拾いながら、素敵な午後のひと時を過ごしていこうと
   思います」

千早「お手紙、ファックス、メールなどをどんどん募集しています。
   メールアドレスは……」

春香「さて、次のお便りは、ラジオネーム『蒼い鳥籠』さんからです」

千早「いつもお便り、ありがとうございます」

春香「さて、お便りの内容ですが……『こんにちは、最近、千早ちゃんの雰囲気が前より
   グッと柔らかくなりましたね。何かいいことがあったんですか? もしかして彼氏
   が出来たとか!? だったら俺、泣いちゃう!』とのことですが、千早ちゃん、もし
   かして、恋、始まっちゃった?」

千早「もうっ! 春香まで! 新しい趣味が楽しいだけよ!」

春香「……だそうですよー、泣かなくて大丈夫ですからねー。
   さて、千早ちゃんの趣味が気になるところですが、ここでリクエストいっちゃいまし
   ょう!」

千早「はい、次のナンバーは、ラジオネーム『真ちゃんは白馬の王子様』からのリクエストで……ずいぶんストレートなラジオネームね……」

春香「真はあいかわらず女性人気強いねー」

千早「そうね、では聞いて頂きましょう、菊地真で、『エージェント夜を往く』」

〜765事務所〜

律子「『はるちはわっほい』、いい感じですね」

小鳥「リスナーからの反応も上々ですよ、特に千早ちゃんが良くなったって」

律子「初めの頃はそりゃ酷かったですからね、何処の体育会系かってぐらいに」

小鳥「アハハ……これも、プロデューサーさんの言う、『千早の正のスパイラル』ってやつ
   ですかね?」

律子「そうですね……趣味が楽しいからプライベートに余裕が生まれる、プライベートが余
   裕だと仕事が上手くいく、仕事が上手くいくと、趣味に没頭できる……」

小鳥「上手く回ってますねー」

律子「このまま上手くいくか、プロデューサー殿の腕の見せ所ですね」

小鳥「竜宮小町も負けていられませんね!」

律子「当然です! さて、引き続き番組を聴きましょうか」

春香「……はい、このネタなかなか面白かったですねー。
   何わっほいくらいあげる? 50わっほい?」

千早「もう少しあげてもいいんじゃないかしら。
   100わっほいくらいあげましょう」

春香「はい、というわけで、『好きでもやし食ってんじゃねえよ』さんには100わっほい
   差し上げましょー」

千早「番組特製ステッカーまで、あと少しですので頑張ってくださいね?」

春香「それでは特集コーナー行きましょー!」

千早「今週の特集は、防災特集ということで、総務省消防庁からアドバイザーをお招きして、
   地震対策についてお話ししてもらいます」

春香「それでは、お願いしまーす!」

春香「……ありがとうございましたー!
   いやー、千早ちゃん、なかなか為になるお話が聞けたね」

千早「そうね……こういう事は、日頃から意識してなくちゃいけないわね」

春香「リスナーの皆さんも、防災意識を高めてくださいね?
   千早ちゃんは何か気を付けてることってある?」

千早「ええ、非常用リュックは用意してあるわ。
   それに私、熱帯魚を飼ってるから、小さい地震にも敏感になっちゃって……」

春香「おっとー! ここで番組冒頭で言ってた千早ちゃんの趣味が判明しましたよー!」

千早「くっ! し、しまった……!」

春香「なーんて、春香さんは前から知ってましたよー」

千早「そうね、ちょくちょく遊びに来てるもんね」

春香「ねえねえ、千早ちゃん、最近の水槽はどんな感じ?
   写メ撮ってるなら見せて?」

千早「いいけど……リスナーさんには見えないんじゃないかしら?」

春香「いいからいいから……おおー……順調のようですねー」

千早「そ、そう?」テレテレ

春香「あ、この写メは後で番組ホームページに載せるので、みなさん見てくださいね?」

千早「ええっ!? まだ飼い始めたばかりなのに……恥ずかしい……」

P「お疲れ、春香、千早、今週も良かったぞ」

春香、千早「「ありがとうございます」」

AD「千早ちゃーん! ホームページに載せるから、さっそく画像ちょうだーい」

千早「ええっ!? 本当に載せるんですか?
   まだ初心者なのに……恥ずかしいです……」

春香「別に悪いコトじゃないから、いいじゃない?」

P「新しいファン層の獲得にも繋がるかもしれないぞー」

千早「は、はあ……」

AD「これでよしっと……千早ちゃーん、ありがとねー!」

千早「は、はい」

P「いい写真だな……水槽のコンディションも良好なようで、何よりだ」

千早「そういえば、水替えのペースって今のままでいいんでしょうか?」

P「ん〜……もう水が出来てるから、水替えは2週間に1回、3分の1程度でいいぞ」

千早「立ち上げの時みたいに、頻繁に水替えしなくていいんですか?」

P「アピストは水質の急変を嫌うから、水替えはゆっくりでいいんだ」

千早「分かりました」

P「じゃあ、今日は直帰でいいぞ、二人とも、お疲れ」

春香、千早「「お疲れ様でしたー」」

〜千早の部屋〜

千早「ただいま……って、誰もいないのについ口に出ちゃうのよね……」

千早「……」

千早「ふふ、そうだった、今はあの子達がいるわね……」

千早「今、ライトを点けるわね」

千早「……」ボーッ

千早(飼い始めてから1週間……なんとなく見分けがついてきたわね……)

千早(とかちーずも元気だし……)

千早「そろそろ名前をつけてみようかな……」

千早「この、一番元気で男っぽい子は……そうね、真と呼びましょう」

千早「真といつもケンカしてるこのツンツンしてる子は……伊織、かな?」

千早「いつも物陰に隠れてる気の弱いこの子は……萩原さん、雪歩にしましょう」

千早「隅っこに陣取ってピョコピョコしてる一番小さい子は……高槻さん、やよい、がいい
   かな……ふふ、カワイイ」

千早「反対側の隅っこでいつもぼーっとしているマイペースなこの子は、美希でいいわね」

千早「そうそう、オトシンクルスにも名前をつけてあげないと……」

千早「いつもコケ掃除してくれるし、縁の下の力持ちって感じだから……音無さんかな?
   見分けがつかないから、まとめてピヨちゃんズと呼びましょう」

千早「ふふ……名前をつけると、よりいっそう愛着が湧いてくるわね……」

千早「……」

千早「……」

千早「……優、今、私、幸せなの、かしら……?」

千早(優がいなくなってから、私はあの子が好きだと言ってくれた自分の歌を磨くのに没頭
   するようになった……)

千早(それで、技術は上がったけど、歌っても、歌っても、何処か心の奥にぽっかりと空い
   た穴の様なものは埋まらなかった……)

千早(そうこうしてるうちに765プロに入って……)

千早(みんなと出会って……)

千早(いろいろあったけれど、みんなのおかげで乗り越えられて……)

千早(今も、プロデューサーのおかげでこの子たちに出会えて、今、こうして同じ時を過ご
   している……)

千早「何だかんだ言って、結局幸せなのかもね……優……」

グラッ

千早「! 地震……水槽は……!」

グラッ… グラッ…

千早「大丈夫みたい……震度2くらいかしら? 最近多いわね……」

千早「みんな、大丈夫?
   ……ふふ、平気みたいね……大丈夫、みんなは私が必ず守るから……」

〜1カ月後、765事務所、給湯室〜

雪歩「それでね、真ちゃん、かくかくしかじかで」

オハヨウゴザイマース

真「うんうん……あ、千早が来たみたいだね」

雪歩「でも、何だかプロデューサーに話があるみたい……相談かな?」

真「そうみたいだね、邪魔しちゃ悪いからここにいよう」

雪歩「でも、話し声は聞こえて来ちゃうよぅ……」

真「気にしない、気にしない、スルーすればいいんだって」

雪歩「そうだね……ん?」

千早「見てください、プロデューサー! 雪歩がだんだん黄色くなってきて……」

雪歩「ええっ! 真ちゃん、私、黄色くなってるかな?」

真「そんなことないよ! 雪歩は色白でうらやましいくらいだよ!
  それにしても、千早は何だってあんなことを言うんだろう……」

P「どれどれ……おー、ホントだ、黄色くなってる。
  だんだんメスっぽくなってきたなー」

雪歩「ぷ、プロデューサーまで……それに、メスっぽいだなんて、ひどいよぅ……」

千早「それにだんだん気が強くなって、そばに美希が近寄ってきたら、追い払うんです」

雪歩「そ、そんなことしてないよぅ……でも、気が強くなったって、ホントかなぁ……?」

真「そ、そうかなぁ……? ……ん?」

千早「それに見てください! 真がますます男らしくなって……」

真「千早……! 人が気にしてる事を〜っ!」

P「見せてみ……お〜、ホントだ、こりゃ完全にオスの顔だ」

真「プロデューサーまで〜! なんだよ! オスの顔って!」

千早「真も気が強くなって、やよいやピヨちゃんズを追い回したりするんです」

真「そんなことしてないよ!? もうガマンできない! 雪歩! 抗議しに行こう!」

雪歩「はうぅ……真ちゃん、待って〜」

真「千早! 何だよ、男っぽくなっただなんて! プロデューサーもプロデューサーです!
  何ですか! オスの顔って!」

雪歩「千早ちゃ〜ん、ひどいですぅ〜……。
   私、黄色くなんてなってませんよ〜……」

千早「え? 真、萩原さん、いきなりどうしたの?」

P「あ〜、いたのか、お前ら……」

真「それに、何だよ! やよいを追い回してるって……! ボク、そんなことしてないよ
  っ!」

千早「……あ、あ〜! 違うのよ、真、萩原さん、誤解よ、誤解」

雪歩「誤解……?」

真「……な〜んだ! 魚の話か〜。
  どうりでなんか変だと思ったんだ〜」

雪歩「はうぅ……び、ビックリしました……」

千早「ごめんなさい、勝手に名前を借りてしまって……でも、名前をつけた時、あまりにも
   イメージにピッタリだったものだから……」

真「いいって、いいって!
  それより、ボクにも画像見せてよ」

雪歩「わ、私も見てみたいかも……」

千早「ええ、こっちが真で、こっちが雪歩よ」

真、雪歩「「おお〜……」」


http://i.imgur.com/pMQ4onm.jpg

雪歩
http://i.imgur.com/yNCBmt3.jpg

真「なるほど、たしかにカッコいい魚だね。
  ……でもボクは、P男みたいにひらひらした、女の子っぽい魚に自分の名前をつけて
  ほしかったな〜」

P「P男はオスだぞ」

雪歩「オスとメスでこんなに違うんですね、不思議ですぅ〜」

千早「繁殖って、あとどのくらいしたらできるんでしょう?」

P「そうだな……あともうちょっと……雪歩がもっと黄色くなったら繁殖OKだぞ」

千早「本当ですか!?」

P「ああ、今の所、一番オスっぽいのとメスっぽいのがその2匹か?」

千早「はい、真が一番オスっぽくて、雪歩が一番黄色くてメスっぽいです」

真「な、なんか……」

雪歩「自分の事じゃないって分かってても、複雑ですぅ〜……」

P「よし、じゃあその2匹をペアにしよう。
  雪歩と真が充分に成熟してきたら、繁殖水槽をセットするぞ」

真「ねえ、今からでも名前変えない?」

雪歩「恥ずかしいですぅ〜///」

千早「もう呼び慣れちゃったから……ごめんね?
   そういえば、繁殖水槽は水作りをしなくていいんですか?」

P「いまの水槽にある水を使えば大丈夫。
  ちょうど、ウチにある小型水槽とフィルターとヒーターを使えばいいから、何も用意し
  なくていいぞー」

千早「あ、ありがとうございます!」

P「ん〜……それでも細々したものはいずれ必要になってくるから……繁殖水槽が必要になったらもう一回、熱帯魚屋に行くか」

千早「はい!」

真「何だか面白そうですね、ボクたちも一緒に行っていいですか?」

千早「ふふ……そうね、一緒に行きましょう」

雪歩「何だかドキドキしますぅ〜」

P「そういえば、千早、お前に取材のオファーが来てたぞ」

千早「はい、何の雑誌ですか?」

P「月刊アク○ライフだ」

千早「えっ!? それって……熱帯魚の専門誌ですよね?
   どうして私に……?」

雪歩「専門雑誌からオファーが来るなんて、千早ちゃん、凄いですぅ〜!」

P「なんでも、一月前のラジオを聴いて、オファーしたくなったらしい。
  『アクアリストを訪ねて』っていう特集に参加してくれないかって」

千早「でも私、まだ初心者ですし、そんな雑誌に出るなんておこがましいです……」

P「初心者特集も併設してやるから、気にしなくていいぞー。
  それに、前にも言った通り、新しいファン層の開拓に繋がるかもしれない」

千早「そういうことなら……はい、お受けします」

真「新しいファン層かー、ボクも何か新しい趣味でも始めてみようかな〜。
  プロデューサー、その時は相談に乗ってくださいね?

P「はいはい……」

真「へへっ、やーりぃ!」

今日の更新はここまでです
次回の更新で、繁殖に入る予定です

それでは、また
補足忘れてました
御存知の方も多いと思われますが、如月優は小さい頃に交通事故で亡くなった千早の弟です

彼の生存ルートが見たいという方は、ニコ動の如月優タグで探してみてください
私のオススメはアスペクト比Pの765亭シリーズや、隣の麗華さんです
>>169

それは……かなりスゴイですね、素直に羨ましいです

今日はちょっと出かける用事があるのでもしかしたら更新量は少なくなるかもしれません
でも、完結までのプロットはいちおうできましたので、よっぽどのことがないかぎり、エターにはしません

それではまた、夜にでも
書き溜め出来ました
いつも通り、19:30〜20:00くらいから更新始めます
お待たせしました、更新始めます
〜2週間後、熱帯魚屋〜

P「うーっす」

千早「こんばんは」

店員「いらっしゃい、Pさん、千早ちゃん。
   って今度はゆきまこだー!
   またサイン貰っていいっスか?」

真「いいですよー」

雪歩「は、はい」

店員「いやー、順調に765アイドルの色紙が増えてくなー♪」

店員「今日は混泳魚の追加っスか?」

P「いや、今日はソイル1袋とブライン買いに来ただけだよ」

店員「おーっ! 千早ちゃんもついに繁殖に挑戦ですか、順調ですねー」

千早「はい、おかげさまで」

雪歩「何だか良く分からない単語が出てきますぅ……」

真「ブラインって何ですか?」

P「ブラインシュリンプ……まあ、ちっちゃなエビの仲間みたいなもんだ。
  アルテミアとも言う。
  ……シーモンキーって聞いたこと無いか?」

雪歩「あ、どこかで聞いたことあります」

P「あれはブラインシュリンプを品種改良した物だ。
  ブラインシュリンプは小さくて栄養価が高いから、稚魚のエサにするんだよ」

真「へー……それより、魚見てきていいですか?」

P「仕方ないな……今日は買い物早く終わるから、あまり長居はしないぞ?」

真「りょーかい!」

真「あっ! この魚白と黒のツートンカラーでカッコいい!
  値段は……4万円!? ちょ、ちょっとコレ、魚の値段じゃないですよ!」

雪歩「はわわ……高いですぅ」

P「インペリアルゼブラか、これでも安いほうだぞ」

千早「こんなに高いって事は……人気があるって事ですか?」

P「うん、人気も高いし、採集できる量も少ないからなぁ……。
  この魚は、日本人が発見したんだぞ」

真「日本人が?」

P「ああ、発見された時には、世界中の熱帯魚ファンの間で、大ニュースになったんだ。
  おかげで世界中から採集業者がアマゾンの現地に集まって、ついには採集場所にホテ
  ルまで建ってしまった」

雪歩「魚を採るためにホテルが……すごい話ですぅ」

千早「このお魚は、繁殖とか出来ないんですか?」

P「難しいみたいだけど、少ないながらも繁殖例は聞くなぁ」

真「1匹何万円もする魚をふやすなんて、すごい人もいるんですね」

http://i.imgur.com/nsC04Jv.jpg

雪歩「あわわっ! ま、真ちゃん! こっちにピラニアがいるよぅ……!」

真「水槽に近づかなければ大丈夫だよ、雪歩」

P「小さくても、やっぱピラニアだからな、間違っても水槽に手を入れるなよー」

千早「案外、安く売られているんですね、これだと小学生のお小遣いでも買えてしまいそ
   う……」

P「飼いきれなくなって日本の池に捨てるヤツもいるらしいな、嘆かわしいことに……」

真「あ、そういえばそんなニュース聞いたことがあります」

雪歩「怖いよぅ、真ちゃん……」

P「生き物を飼う以上、責任は最後までとらないとな」

千早「最後まで……」

P「ちなみに、ピラニアは刺身で食うと絶品らしいぞ」

真「ピラニアを食べちゃうんですか!?」

P「なんでも、醤油と抜群に合うらしい」

http://i.imgur.com/Sjqrj8Y.jpg

真「あー! 面白かったー!」

雪歩「見たことないお魚ばっかりでした」

P「思ったより長居しちゃったなー……。
  おーい、ブラインの卵とソイル一袋ちょうだい」

店員「はい、孵化器は買いますか?」

P「ペットボトルでやるからいいや」

店員「えー、買ってってくださいよー」

P「プロじゃあるまいし、いいんだよ。
  それより、来月号のアク○ライフに千早が載るぞ」

店員「マジっスか!? Twitterで拡散しないと……」

千早「あ、あの、初心者扱いで載るので、あまり大袈裟にしないでください……」

真「買い物したら、千早の部屋に直行ですか?」

P「いや、前に行った時に無かったから、コーヒーショップに行ってからだ」

雪歩「コーヒーショップ?」

〜千早の部屋〜

真、雪歩「「おじゃましまーす」」

千早「いらっしゃい、ゆっくり休んでね」

真「ねえ、千早! 早く水槽見せてよ!」

千早「気が早いわね……待ってて、今ライトを点けるから」

雪歩「な、なんだかドキドキしますぅ……」

真、雪歩「「おー……!」」

千早「ふふ……カワイイでしょ?
   この一番大きいのが真で、流木の陰に陣取ってる黄色いのが雪歩、真に今追い払われ
   たのが伊織で、こっちの、ちょっと黄色みがかってるのがやよい、隅っこの方にいる
   のが美希よ」

雪歩「他のお魚に名前はあるんですか?」

千早「ええ、黒くて群れをつくってるのがとかちーずで、ガラスや水草に貼りついてるのが
   ピヨちゃんズよ」

真「なるほどなぁ……みんなに名前をつけてるなんて、ホントに溺愛してるんだね」

雪歩「あ、でもなんとなく分かりますぅ。
   うちのお父さんも家の池で錦鯉を飼ってるんですけど、お弟子さんには絶対触らせ
   ないんですよ?」

千早「へ、へぇ……そ、そうなの?」

雪歩「ええ、間違ってお弟子さんが池に落ちた時なんか、お父さん、すごく怒って、お弟子
   さんの指を……真「わーっ! わーっ! 雪歩、その話はやめにしよう!」

P(……深くツッこまないでおこう……)

P「見た感じ、雪歩はもう産卵準備万端って感じだな、繁殖水槽に入れれば、すぐにでも産
  卵を始めるだろう」

千早「本当ですか!?」

P「ああ、さっそく繁殖水槽をセットしよう」

千早「でも、すみません……器具を何から何まで用意してもらって……」

P「ちょうど水槽が余ってたから、別にいいぞ。
  えーっと、忘れ物は無いよな?
  36センチ水槽に、スポンジフィルター、エアーポンプ、ヒーター、水温計……」

千早「ライトはいらないんですか?」

P「ライトのON、OFFは、実はけっこう魚を驚かせるから、繁殖中に神経質になってる時
  は、別に無くてもいいんだ」

雪歩「ほえ〜……繊細なんですねぇ……」

P「まず最初に水槽にソイルを入れよう」

千早「全部入れるんですか?」

P「そんなに多く入れなくていい、2〜3ミリでいいぞ。
  底砂が薄ければ、それだけバクテリアが定着するのが早くなるからな」

雪歩「へぇ〜……でも、こっちの大きな水槽の方には、砂がけっこう厚く入ってますけど…
   …?」

P「そっちには水草を植えなきゃいけなかったからな。
  それに、底砂を厚くしても、時間をかければバクテリアは定着するから、結局、好みの
  問題だ」

真「でもこの水槽、こっちの大きな水槽に比べると、ずいぶん小さく感じますね?」

P「24センチしか違わなくても、体積が全然違うからな。
  もっとも、上級者になると、こういう小さい水槽で飼育から繁殖まで全部やっちゃう人
  もいるみたいだけど」

千早「そのぶん、管理が難しそうですね……私には無理です……」

P「次はフィルターのセットだ」

千早「スポンジフィルターを使うんですよね……何だか、外部フィルターに比べて、頼りな
   さそうに見えますけど……」

P「ところがどっこい、こう見えてけっこう優秀なフィルターなんだよ」

真「ただのスポンジのかたまりに見えますけど……そんなにいいんですか?」

P「この細かいスポンジには、ろ過バクテリアが定着しやすいんだ。
  それに、これなら稚魚を吸い込む心配も無いしな」

千早「なるほど……このエアーポンプに繋げばいいんですか?」

P「おっと、ただ繋ぐだけじゃダメだ、これを使わないとな」

雪歩「? 何ですか、それ?」

P「逆流防止弁だ、これを使わないと、停電したりした時に、ポンプに水が逆流してしまう
  んだ」

千早「そ、それは大変ですね……この、間に繋げばいいんですね?」

P「そうだ、いざという時に役に立つぞ」

P「ヒーターもセットしたし、水槽の水も入れた……後は、産卵床になる流木を60センチ
  水槽からもってきて、セットして、水温が安定しているのを確認したら、ペアをこっち
  に移していいぞ」

千早「はい、どの流木がいいでしょうか?」

P「できるだけアーチ形になってるのがいい……ちょうど、雪歩が陣取ってるその流木がち
  ょうどいいと思うぞ」

雪歩「? どうしてアーチ形がいいんですか?」

P「アピストグラマはケープスポウナー……つまり、洞窟っぽい場所の天井や、木のくぼみ
  に産卵するんだ」

真「変わった習性ですねー」

千早「流木、セットしました!」

P「よし……後は……念のためにバクテリアをちょっと入れて、60センチ水槽から有茎水
  草を2本くらい抜いて、こっちに浮かべておこう」

千早「水草を? どうしてですか?」

P「水質が安定するし、魚が落ち着くんだ」

P「よし……セット終了だな……千早、ペアはちゃんと掬えるか?」

千早「そういえば、お魚を掬うのは初めてです……コツとかあるんでしょうか?」

P「俺がやってもいいけど……慣れるために自分でやった方がいいだろうな。
  2本のネットを使って、追い込むようにして掬うんだ」

千早「わ、分かりました、やってみます」


千早「くっ!……雪歩、真、じっとしてて……!」

雪歩「は、はい!」

真「雪歩、ボクたちのことじゃないよ」


千早「な、何とか……掬えました!」

P「よし、これで繁殖水槽の完成だな」

千早「真と雪歩の愛の巣ですね……」ジーン

真「だ、だからぁ……そういう表現、やめようよ……」

雪歩「照れますぅ……///」

P「あとは、環境に慣れれば、すぐにでも繁殖を始めるぞ」

千早「はい! 後は、何か気を付ける事ってありますか?」

P「そうだな……産卵が終わったら、真を元の水槽に移すんだ」

真「え? どうしてですか?」

P「アピストは親が子育てをする魚なんだが……」

雪歩「え!? お魚が子育てをするんですか?」

P「ああ、けっこうそういう魚は多いぞ?
  それで、男親も子育てをしたがるんだが……オスの場合、飽きてしまう事が多い」

千早「そんな……」

P「だから、オスは邪魔をしないように元に戻して、母親に子育てを任せてしまったほうが
  いい。母親のほうが、子育ては圧倒的に上手いからな」

千早「わ、分かりました」

P「後は、ブラインシュリンプの湧かし方だが……千早、分かるか?」

千早「え、えっと、確か、エアーレーションをするんですよね?」

P「そうだ、ペットボトルをよく洗って、その中に塩水とブラインの卵を入れて、部屋の暖
  かい場所でエアーレーションしてやるんだ」

千早「いつ頃湧かしたらいいんでしょうか?」

P「アピストが産卵して3日くらいしたら孵化して、その後ヨークサックを吸収して泳ぎ出
  すのにさらに3日くらいかかるから、それに合わせて湧かすんだ」

真「ヨークサックって何ですか?」

P「稚魚のお腹についてる、栄養が詰まった袋の事だ、卵の黄身みたいなもんだな」

千早「与え方は、どうすればいいでしょう?」

P「ブラインが孵化したら、ペットボトルの真ん中に集まるから、スポイトで吸い出して、
  コーヒーフィルターで漉して、ちょっと水で洗って与えるんだ」

雪歩「それでコーヒーショップに立ち寄ったんですね〜?」

P「それじゃ、俺達は帰るから、あまり夜更かしするなよー」

真「ボクたちが言うのもなんだか変だけど……頑張ってね、千早」

雪歩「千早ちゃん、ファイトですぅ〜!」

千早「ありがとう、みんな……おやすみなさい」

P、真、雪歩「「「おやすみー」」」

バタン

千早「ふぅ……」

千早「……」

千早「……」ドキドキワクワク

〜翌日、765事務所〜

やよい「うっうー! 今日もP男はカワイイです!」

P「おー、今日のエサやり当番はやよいか」

やよい「はい!」

伊織「そういえば、今日は千早はオフ?」

P「ああ、もっとも、今日仕事が入ってても、身が入らないだろうけどな」

伊織「なんで? 千早って、仕事の手を抜くような印象ないけど」

P「飼ってる魚が繁殖しそうなんだよ。
  今頃、水槽の前に引っ付いてるだろうな」

やよい「千早さん、すごいですー! お魚ふやすなんて」

伊織「プライベートが充実してるようで、何よりね、最近楽しそうだし」

小鳥「充実してるのは、プライベートだけじゃないわよー」

やよい「? 小鳥さん、どういうことですか?」

小鳥「最近、ネットでの千早ちゃんの評判がすごくいいのよ。
   この前の歌番組の評判も上々みたいだし」

伊織「へぇ……ちなみに、どんな評価なの?」

小鳥「えーっとね……ザッと見ただけでも……。
   『最近の千早ちゃんには母性を感じる』
   『千早ちゃんの優しい歌声に包まれていたい』
   『技術力だけでなく、何か掴んだ感じだ』
   『如月千早は俺の嫁』
   『ちーちゃんにヒールで踏んでほしい』
   あとは……」

伊織「あ、もういいわ」

やよい「? 最後のほうは、どんな意味なんですか?」

伊織「やよい……世の中には知らないほうがいいこともあるのよ」

P「まあ、千早の評価が上がったのは喜ばしい事だ。
  CDのセールスも、最近良いしな」

伊織「まあ、私の可愛さにはかなわないでしょうけどね、ニシシッ!」

P「もちろん、みんなにも頑張ってもらうぞ。
  明日あたり、ビッグイベントの知らせが来るかもしれないしな」

やよい「ビッグイベント? 何かあるんですか?」

P「それは決まってからのお楽しみだ」

〜その翌日、765事務所〜

P「はい! はい! 決定ですか! ありがとうございます!」

律子「よっしゃ!」

P「はい! 4曲ですね! ……ええっ! 本当ですか!?
  はい! ありがとうございます!」

バタンッ!

千早「おはようございます! プロデューサー! 実は……!」

P(今、大事な電話中だから、ちょっと待ってろ)

千早(は、はい)

P「すみません! 失礼しました!
  はい! それでは、合同ミーティングには2名のプロデューサーで向かわせてもらい
  ます! はい! 本当にありがとうございます!」

千早(……早く言いたい……)ウズウズ

P「ふぅ……千早、お待たせ、その様子だと、ついにやったか?」

千早「はいっ! 雪歩が卵を産みました!」

律子「ブーッ! ゲホッ、ゲホッ」

あずさ「あらあら〜」

千早「真と雪歩の愛の結晶です!」

P「そうか、やったな!」

律子「ちょっ……! どういう事ですか!?」

あずさ「今日はお赤飯ね〜」

律子「……何だ、魚の話ですか、驚かせないでよ、もう!」

P「悪い、悪い……それで、千早、真は隔離したか?」

千早「はい、そーっと元の水槽に戻しました」

あずさ「私もそういう経験してみたいわ〜。
    どこかにいい人いないかしら〜」チラッ

P「……ゴホンッ、後は教えたとおりにするんだぞ、出来るな?」

千早「はい! 頑張ります! ……そういえば、大事なお電話の最中、邪魔してすみません
   でした」

P「ああ、あれか? きっとみんなも凄く驚くぞ〜」

千早「? 何ですか?」

P「一か月後の年末の歌謡祭に765プロ全員での出場が決まった!」

千早「ええっ!?」

律子「営業を頑張った成果が出ましたね〜」

P「しかも驚け! トリだぞ、トリ!」

律子「えっ!? 本当ですかっ!?」

あずさ「あらあら〜、どうしましょう〜?」

千早「歌謡祭のトリを……私達が……!」

P「合計で4曲歌わせてもらえる事になった……編成は俺と律子で考えるから、みんなは明
  日集まって、緊急ミーティングだ!」

千早「は、はい!」

今日の更新はここまでです
明日は病院に行くので確実に更新量が減ります

雪歩の実家? ……土建屋じゃないんですか?(すっとぼけ)

それでは、また
病院行った後暇なので書き溜めてたらラストまで書けてしまいました
なので、鯖落ちとかないかぎり、今日の更新でラストです

いつも通り、19:30〜20:00頃から更新始めます
5分後に更新開始します
〜さらにその翌日、765事務所〜

ワイワイ、ガヤガヤ

律子「はーい! みんな静かにー!」

P「みんなも、もう知ってるとは思うが、年末の歌謡祭への全員での出演が決まった」

亜美「やったZE! 兄(C)、褒めてつかわそう」

真美「兄(C)と律っちゃん、最近、頑張ってたもんねー」

P「はいはい、静かに。
  このイベントはテレビ、ラジオで同時中継される、年末のビッグイベントだ。
  全国的な注目度も非常に高い。
  それじゃ、律子と協議した結果を伝えるぞ」

全員「……」ゴクリ

P「まずは1曲目、765pro All Starsで、『Change!!!!』だ!」

亜美「お〜、最初っから全員ですかー」

律子「初っ端のインパクトを重視したのよ」

貴音「ならば、最初から全力で参りましょう」

P「そして、2曲目、千早のソロ! 曲は未定だ」

千早「わ、私のソロですか!?」

真美「千早お姉ちゃん、やったね!」

律子「最近、人気が急上昇してるのと、実力がついてきたから任せるのよ」

P「千早、いけるな?」

千早「……はい! が、頑張ります!」

P「そして、3曲目、番組限定のダンス特化ユニットで、真、美希、響だ!
  曲はまだ未定だ」

真「やーりぃ! ボク達の出番ですね!」

美希「責任重大なの」

響「うがー! キンチョーするぞー!」

律子「ある程度、真の女性人気もあてこんでるからね。
   アップテンポなナンバーで、ぐいぐい攻めていくわよ!」

P「最後は竜宮小町! ビシッと締めてもらうぞ?」

伊織「まあ、トーゼンの結果よね」

あずさ「あらあら〜、どうしましょう〜?」

亜美「身震いするじぇい!」

律子「トリの中のトリだからね? キチンと結果出さないと笑われるわよ?」

P「曲目が未定のやつは、こっちでも考えるけど、ある程度要望も受け付けるからな」

ワイワイ、ガヤガヤ、アーダコーダ

千早「あの、プロデューサー、私、歌いたい曲があるんですけれど……」

P「どの曲だ? 『眠り姫』か? それともやっぱり『約束』か?」

千早「『蒼い鳥』です」

P「デビュー曲か……理由を聞かせてもらってもいいか?」

千早「私、以前までなら『蒼い鳥』を歌う時には哀しみを表現する事だけを考えてました
   ……。でも、今なら、違った形で『蒼い鳥』を歌えそうな気がするんです」

春香「『蒼い鳥』かー……うん、いいと思うよ、千早ちゃん!」

響「今の千早の『蒼い鳥』を、自分も聞いてみたいぞー!」

P「よし、じゃあ『蒼い鳥』でいくぞ!」

千早「はい!」

P「ボーカルレッスン、厳しくするからな!」

千早「はい、が、頑張ります!」

〜2日後、千早の部屋〜

千早「う、う〜ん……やっぱり、あれだけのレッスンの後の朝はツラいわね……」

千早「でも、頑張らなきゃ、何万人もの人の前で歌えるチャンスなんだし……」

千早「さて、あの子達に餌をやらなきゃ……」

千早「ふふ……雪歩、今日も卵を守ってる……」

千早「……?」

千早「ふ、孵化してる!」

千早「ぷ、プロデューサーに伝えなきゃ……!」ピ、ポ、パ

P『千早? どうしたんだ? こんな朝早くに……』

千早「お休みの所、すみません! 卵が孵化したんです!」

P『おー、やったな、千早』

千早「はい、これからどうすればいいんでしょうか?」

P『基本的に母親に任せておけばいいぞー。
  前にも言ったけど、3日もすれば泳ぎ出すから、それに合わせてブラインを用意するん
  だ』

千早「分かりました! ……写メとか撮っていいでしょうか?」

P『母親を刺激しないようにすれば、撮っていいぞ』

千早「分かりました、朝早くからすみませんでした」

〜その3日後、千早の部屋〜

千早「ただいま……今日も疲れたわね……全体レッスンもあるし……」

千早「でも、なんだか充実してる感じだわ……」

千早「今朝見た時は、まだ泳いでなかったけど……どうかしら?」

千早「雪歩〜……」ソロ〜ッ

……ピコピコ

千早「! ……お、泳いでる!」

千早「早くブラインシュリンプをあげなきゃ……! でもその前に、1枚だけ写メを撮って
   おこうかな」パシャッ

千早「ふふ……良く撮れてる。
   みんな雪歩の周りに集まってて……」

千早「さっそく、餌をあげましょう」

http://i.imgur.com/ZR46YIV.jpg

千早「えっと……ペットボトルの真ん中からスポイトで吸い取って……」

千早「コーヒーフィルターで漉し取って……」

千早「軽く水で洗って塩分を落として……」

千早「これを稚魚の前にスポイトで与える……た、食べるかしら?」

ヒョイパク、ヒョイパク

千早「あ……た、食べてる……!」ジーン

千早「ふふ……お腹いっぱいになったら雪歩の所に集まって……」

千早「雪歩も警戒してるみたい……すっかり母親なのね……」

千早「……」

千早「……母親、か……」

千早「……」

千早「……」

ピ、ポ、パ

千早「……あ、もしもし、お母さん?
   いえ、別に……ただ、なんとなく声が聞きたくなって……。
   ちょ、ちょっと……泣かないでよ……」

〜一か月後、武道館〜

ワアアァァァァッッッ……

春香「みんなーっ! ありがとーっ!」

美希「次は千早さんのソロなのーっ!」

伊織「引き続き、応援してねーっ!」

ワアアァァァァッッッ……

春香(千早ちゃん、頑張ってね!)

やよい(舞台袖から応援してますから!)

あずさ(千早ちゃん、リラックス、リラックスよ〜?)

千早(ええ、頑張るわ!)

P「よし、お疲れ、みんな!
  良いパフォーマンスだったぞ!」

真美「トーゼンっしょー!」

律子「真、美希、響、それに竜宮小町はそこの簡易更衣室で衣装チェンジ!
   早くね!」

伊織「言われなくても大丈夫よ!」

やよい「うっうー! 千早さんの歌が始まりますー!」

ワアアァァァァッッッ……

千早(前奏が始まる……)

千早(私はあの子達から色々なことを教わった……)

千早(私は変われたのかもしれない……)

千早(その成果を、ファンのみんなの前で披露する……)

千早(青いサイリウムが揺れてて、キレイ……)

千早(待ってて、ファンのみんな、今、最高のパフォーマンスを見せる……!)

千早「泣くことならたやすいけれど〜♪ ……!?」

グラグラグラグラッ

千早(地震! 大きい!!)

グラグラグラグラ……

観客「じ、地震だーっ! 大きいぞーっ!」

観客「ゆ、揺れが大きい! ヤバいんじゃないか、これ!」

観客「キャーッ! た、助けてーっ!!」


千早(観客が混乱してる……! いけない……!)

千早(ファンのみんな……事務所のみんな……あの子達……優……!)

千早(わ、私が守らなきゃ……!)

グラグラグラグラ……

雪歩「キャー! こ、怖い!」

P「みんな! 身を低くして、頭をかばうんだ!」

律子「揺れが長い……!」

春香「ぷ、プロデューサーさん! 千早ちゃんを助けて!」

P「ああ! 今連れてくる……!?」

千早「みなさん!! 落ち着いてください!!」

真「ち、千早……?」

シーン……

グラグラグラグラ

千早「視聴者のみなさん!! 慌てて火の元を消さないでください!!
   火傷の恐れがあります!!
   火を消す時は、揺れがおさまってからにしてください!!」

千早「食器棚などから離れてください!! 落下物に気を付けてください!!」

千早「テーブルの下などに身を隠して、頭を保護してください!!」

〜調整室〜

グラグラグラグラ……

千早『オフィスビルなどにいる方は、窓から離れてください!!
   割れる危険性があります!!』

番組ディレクター「………! お、おい! 生きてるカメラを全部如月千早に回せ!
         早く!」

AD「は、はい!」

千早『避難する際は、高層ビルなどに近づかないでください!!
   ガラスの破片が落ちてきて、怪我をするかもしれません!!』

AD「す、すげぇ……」

千早『その他、崩れやすい建物の近くに近寄らないでください!!
   倒壊の危険があります!!』

グラグラグラグラ……

千早「カーラジオで聞いてるみなさんは、慌てて急ブレーキを踏まないでください!!
   ゆっくり速度を落として、左側の路肩に止めてください!!」

P(俺は何を黙って見ているんだ……?)

P(プロデューサーなら、アイドルの安全を一番に考えるべきなのに……)

P(観客も、水を打った様に静まり返っている……)

P(まるで、女神が降臨したかのように……)

P(千早、今、お前は必死に戦ってるんだな……?)

P(危なくなったら必ず庇う……だから今は思うようにやれ……!)

千早「高速を走ってるみなさんは、スピードを落とす際にはハザードランプを点けて、後ろ
   の車に警告してください!!
   決して急ブレーキはしないでください!!」

グラグラグラグラ……

千早「沿岸にいる方はテレビやラジオを注意して聞いてください!!」

春香「ち、千早ちゃん……」

やよい「千早さん……スゴイです……」

伊織「千早……アンタ……」

千早「津波警報が発令されたのを聞いたら、すぐに沿岸から離れて、3階以上の建物の高さ
   まで避難してください!!」

グラッ グラッ

千早「会場にいるみなさんは、避難する場合、会場スタッフの指示に従ってください!!
   決して走ったり、前の人を押したりしないでください!!」

千早「あとは……あとは……!!」

P「千早っ!! もういい! こっちに来るんだ!!」

千早「プロデューサー……でも……!」

P「今、地震特番に切り替わった! お前も早く安全な場所へ避難するんだ!!」

千早「は、はい、分かりました!
   会場の皆さん!! スタッフの指示に従ってくださいね!?」

ワアアアアアアアアアアアアァァァァァァッッッッ!!

観客「わかったよーっ!千早ちゃーん!!」

観客「ありがとーっ! 千早―っ!!」

P「もういいな? さあ、避難しよう」

千早「はい……!」

〜楽屋〜

貴音「揺れもおさまった様ですね……」

伊織「まったく! ツイてないったらありゃしない!
   せっかくの伊織ちゃんの可愛さを全国に見せつけるチャンスだったのに!」

真「ボクも歌いたかったなぁ……。
  あんなに練習したんだし……」

律子「そう言わないの、全員無事で良かったじゃない?」

P「そうだぞ、もし、みんながひな壇で『Change!!!!』を歌ってる時にあの地震が起きたら
  と思うと、ゾッとする……」

真美「そういやそうだねー」

あずさ「番組は中止かしら〜?」

P「分かりません、ですが、余震に警戒しないといけないから、難しいでしょうね……」

番組ディレクター「765さん、すみません! 番組は中止になりました!」

P「そうですか……仕方ありません、それでは我々は撤収します」

番組ディレクター「本当に申し訳ない! この埋め合わせは必ずしますので……」

律子「お願いします……。
   さあ、アンタ達! 一旦事務所に戻るわよー!」

全員「はーい!」

千早(……そうだ、水槽……あの子達は大丈夫かしら……?)

〜765事務所〜

高木「おかえり、諸君、いやはや、災難だったね〜。
   皆は無事かい?」

P「はい、おかげさまで。
  事務所は大丈夫でしたか?」

小鳥「書類ファイルが何冊か落ちましたけど、大丈夫でしたよ。
   片付けもさっき終わりました」

やよい「P男は大丈夫ですか?」

小鳥「ちょっとだけ水がこぼれたけど、平気よ?」

やよい「うっうー! 安心しましたー!」

高木「テレビではまだ地震特番をやっているよ」

小鳥「震度5強の直下型ですって、揺れ幅が大きくて長いから、それ以上に感じたわね〜」

貴音「皆で見てみましょう、状況を把握しなければ……」

P「怪我人は出てるが、重傷者や死者の報告は今の所無し、か……」

小鳥「火事も何件か起きてますけど、全部ボヤ程度で済んでるみたいです」

真「津波注意報も出てないみたいだね」

律子「余震も今の所無し、か……ん?」

アナウンサー「送電線が切れた影響で、東京都○○区、△△区ではいまだ停電が続いており、
       復旧には時間がかかるとおもわれます」

美希「○○区って……千早さんの部屋があるところなの!」

千早「て、停電……!」サーッ

春香「千早ちゃん! だ、大丈夫? 青ざめてるよ!」

千早「だ、だいじょう、ぶ……」(ヒーターが……止まった……!)

P「……とにかく、アイドルを自宅に送り届けましょう」

伊織「近くの駐車場に新堂の車を待たせてあるわ、良かったら使ってちょうだい」

P「すまん、伊織、助かる……新堂さんにお礼言っといてくれ」

律子「それでは、私と、プロデューサー殿と、新堂さんの車の3台で送りましょう」

小鳥「余震があるかもしれないし、アタシと社長は事務所に待機してますね」

P「震度5強だから電車は緊急点検してるな……春香はどうする?」

春香「さっき、やっと家に連絡できました。
   電車も止まってるし、いろいろ心配だから千早ちゃんの部屋に泊まります」

響「自分と貴音の部屋はどっちも近いから、歩いて帰るさー!」

P「そうか……余震に気を付けろよ?」

伊織「それじゃ、方向が同じだから、やよいと亜美真美はウチの車で送るわ」

律子「私はあずささんと、真と雪歩を送って行きます」

P「それじゃ、俺は春香と千早と美希を送ろう。
  ……千早、部屋にローソクはあるか?」

千早「え、ええと……このあいだ春香から貰ったキャンドルが一つあります……」

P「それじゃ足りないな……小鳥さん、事務所の緊急用のローソク、いくつか借りていきま
  すね」

小鳥「はい、いいですよ。
   ……みんな、余震には気を付けてね?」

〜車内〜

P「よし、じゃあ、まずは美希を家に送ろう」

美希「ミキは遅くなってもいいから、千早さんを先に送ってほしいの」

千早「美希……」

P「道順的に、美希を最初に送った方が早いんだよ、それに、途中で俺の家に寄って、いろ
  いろ持ってく物もあるしな」

春香「プロデューサーさんの家?」

P「とにかく、出発するぞ」

ブロロロロロ……

千早「……」

美希「千早さん、しっかりするの」

千早「美希……で、でも、心配で……」

美希「ミキはあの時、千早さんを尊敬したの」

千早「え?」

美希「ミキは地震のとき、何もできなかったけど、千早さんはファンのみんなや番組を見て
   る人のために、いっしょうけんめいがんばったの。
   だから、きっと神様もちゃんと見てて、魚たちもなんとかなるの」

春香「そうだよ、千早ちゃん、私もあの時、まだ揺れてるのに感動して泣きそうになったも
   ん!」

千早「美希……春香……」

P「……美希、家に着いたぞ」

美希「うん、それじゃあ千早さん、がんばるの!」

〜千早の部屋〜

P「まだ停電が続いてるな……よし、懐中電灯を点けるぞ」

パチッ

千早「す、水槽は……?」

春香「千早ちゃん、落ち着いて……!」

P「今照らす……先にローソクを点けよう」

千早「ああ……水がこぼれて……」

P「このくらいなら大丈夫だ、拭けば問題ない。
  それより、魚が無事かどうか確認しよう……照らすぞ」

千早「は、はい……60センチ水槽は……み、みんな無事です」

P「跳ねたりしてる魚がいなくて良かったな……」

千早「そ、そうだ……! 繁殖水槽……!」

P「待ってろ、今、照らす」

千早「1、2、3、4、5……36、みんな無事です!」

春香「良かったね! 千早ちゃん!」

P「いや……マズい……」

春香「え?」

千早「ああああ……水温が18℃まで下がってる……!」

千早「ぷ、プロデューサー……ど、どうしたら……」

P「非常事態だ、仕方ない、浴槽を使うぞ」

春香「お風呂、ですか?」

P「そうだ、風呂に今の水温と同じくらいの温度の水を貯めて、魚を全部移すんだ。
  魚を掬うのに邪魔になるから、水草も全部抜いてな」

千早「は、はい……! 今水を貯めます!」

P「暗い中での作業になるからな、気をつけるんだ」

春香「でも、後で水槽に戻すんですよね?
   この小さい子たちは、お風呂に放したら、後で掬うのが大変じゃないですか?」

千早「そ、そうね……どうしたら……」

P「心配するな、これを持ってきた」

春香「何ですか? ネット?」

P「グッピーの産卵用隔離ネットだ、雪歩の子供たちは、この中に入れて風呂に浮かべれば
  後での回収も楽だ」

〜30分後〜

P「ふう……なんとか全員風呂に移し終えたな……」

千早「大丈夫でしょうか……塩素も中和してないのに……」

春香「非常事態だもん、しょうがないよ、千早ちゃん……」

千早「雪歩の子供達なんて、生後一か月もたってないのに……!」

P「落ち着くんだ、千早、浴槽は保温性が高い……」

千早「で、でも……このまま停電が続いたら……!」

P「復旧を信じるしかない……」

千早「でも、もし、死んじゃったりしたら……!」

P「落ち着け! 千早!!」

千早「! ……」

P「千早……お前が弟さんを亡くした事で、人一倍、死という物に対して敏感なのは知って
  いる……」

千早「……」

P「だがな、千早、酷な事を言うようだが、熱帯魚を飼うという事は、死と向き合うという
  事でもあるんだ……」

千早「死と……向き合う……」

P「そうだ、魚は人間と比べて圧倒的に寿命が短い。
  熱帯魚を飼うっていうのは、そういう死を克服しなきゃいけないって事だ」

千早「でも……でも……!」

P「泣くな、千早……それに、美希も言ってたじゃないか」

千早「……?」

P「千早、お前はステージでも、ここでも、やれるだけのベストを尽くした。
  それは凄い事なんだぞ?」

千早「でも……全部受け売りで……」

P「受け売りでもなんでも、あそこまでやれるヤツはそういない……。
  もっと自分に自信を持つんだ……」

春香「そうだよ、千早ちゃん、私も同じラジオの仕事をしてたのに、いざとなったら何も出
   来なかった。
   千早ちゃんはすごいことをやったんだよ?」

千早「春香……」

P「後は、魚達の生命力を信じよう……」

千早「は、はい……」

〜2時間後〜

パッ

春香「電気が点いた!」

千早「は、早くあの子達を水槽に戻さないと……!」

P「焦るな、千早。
  水温の急変は逆に良くない……少しづつ元の水温に戻していくんだ」

千早「は、はい……!」

〜水温19℃〜

P「60センチ水槽の魚は大丈夫そうだな……」

千早「でも雪歩の子供達が……!
   底に沈んだまま動かない……!」

P「焦るな……少しづつ元に戻していくんだ……」

〜水温20℃〜

千早「まだ動かない……!
   ダメなの……?」

春香「あきらめちゃダメだよ、千早ちゃん!」

〜水温21℃〜

千早「お願い……動いて……!」

P「……焦るな、きっと大丈夫だ」

〜水温22℃〜

ピコ……

千早「あ……!」

ピコピコ

千早「う、動いた……!」

ピコピコ、ピコピコ

千早「動きました! 全員無事です!」

春香「やったね! 千早ちゃん!」

P「ふーっ……良かったな、千早。
  後は、ゆっくり26℃まで戻していけばいいぞ」

千早「はいっ! ありがとうございました!」

ブーッ、ブーッ

P「ん? 何だ、ケータイか……誰だ、こんな時に……もしもし?」

小鳥『あ、プロデューサーさん! やっと繋がった! 大変なんですよ!』

P「はい?」

〜765事務所〜

小鳥「さっきから取材の電話が鳴りやまないんですよ!
   全部千早ちゃんへのオファーです!」

P『千早への?』

小鳥「はい! 歌謡祭での事が話題になっちゃって……!
   あと、ネットも凄いことになっちゃってます!」

P『ネットが……?』

小鳥「事務所のホームページにもたくさんの感謝のコメントが来てて……。
   もうほとんど炎上状態です!
   あと、掲示板も凄いことになってます!」

P『掲示板……何で?』

小鳥「千早ちゃんの行動が感動を呼んだみたいで……。
   もうほとんどお祭り状態です!
   とにかく一度事務所に戻ってください!
   アタシと社長じゃさばききれませ〜ん!」

P『は、はい、分かりました……!』

P(それからはてんやわんやの年越しとなった)

P(千早の演説が実際に防災の役に立ったかは、わからない)

P(しかし、直下型の地震で死者、重傷者がゼロだったという事が話題に拍車をかけた)

P(ネットでは千早を女神扱いする者までいた)

P(俺達はそれからしばらく、その話題で忙殺される事となった)

P(律子がそれに便乗して上手く売り出し、765プロは一大ムーブメントを作る事となっ
  た)

〜一か月後〜

千早「おはようございます」

P「おー、千早、その後、水槽の調子はどうだ?」

千早「はい! おかげさまで立て直す事が出来ました」

P「そりゃなにより」

小鳥「千早ちゃん! 凄いオファーが来てるわよ?」

千早「はい、何ですか?」

小鳥「総務省から、年末の件で表彰したいって!」

P「防災啓発大使にも任命したいって消防庁からも来てるぞ」

律子「一日消防署長のオファーも、引く手あまたよ」

千早「そうですか……」

千早「せっかくですが、表彰の件はお断りしてください」

小鳥「えーっ! 滅多に無いチャンスよ?」

千早「私は思いついた事を口にしただけで、本当はもっと上手くやれたかもしれませんか
   ら……」

P「そうか……」

千早「ですが、少しでも啓発になるのなら、大使と消防署長の件はお受けします」

P「そっか、じゃあ引き受けとくわ」

千早「はい……」

千早(優……お姉ちゃんは、今度は少しでも大事な物を守れたのかしら……?)

千早(ここまで、みんなやプロデューサーに支えられてやってこれた……)

千早(私は……多分、あの子達と出会えて、変わったんだろうな……)

千早(アクアリウムを始めて良かった……)

千早(私は、これからも歌い続けていく)

千早(ファンのため、みんなのため、あの子達のために……)

千早(小さくても、暖かな幸せのために……)


                (終わり)

これでこのSSは終わりです。
アイマスのSSは初めて書いたので、おかしな点や、間違っている点もあるかとは思いますが、笑って許してやってください。
何故千早にアピストグラマ・ホイグネイを飼ってもらったかといえば、実は自分自身が
3.11の時の停電でホイグネイを全滅させてしまったからです。
なので、鎮魂の意味も込めて、大好きな如月千早というキャラに、彼等を救ってらう事にしました。
それでは、また何処かでお会いしましょう。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

補足

このSSで書かれている熱帯魚の知識は、私のつたない経験と、古い資料、急場しのぎの資料集めによってもたらされました。
なので、このスレを見て熱帯魚に興味を持って下さったかたは、御自身で書籍や資料を集める事をお勧めします。

また、アイマスキャラのお互いの呼び方に関しては、ニコニコ大百科の呼称表を参考にしました。
ここで感謝させていただきます。

それではみなさん、良いクリスマスをお過ごしください

20:30│如月千早 
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