2015年02月19日

幸子「チョコ」美玲「イズ」まゆ「ミッシング」


…………



幸子「フンフンフフーン」





幸子「問題です、今日は何の日でしょうか!」



幸子「正解はバレンタインデーです!」



幸子「なので、ちゃーんと用意しましたよチョコ!」



幸子「感謝してくださいねプロデューサーさん!」



幸子「……って、まだプロデューサーさん来てないじゃないですか」



幸子「困りましたね、プロデューサーさんも多忙ですから今日中に会えるか分からないですし……」



幸子「そうだ、机の上に置いておきましょう」



幸子「直接渡せないのは残念ですが……渡せずじまいよりはマシですね」



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…………



美玲「……」キョロキョロ



美玲「うん、プロデューサーはいないな」



美玲「今日はバレンタインデーだからチョコ用意したけど……」



美玲「チョコ渡したらプロデューサーのやつ絶対にいじってくるだろうし」



美玲「うーーーー」



美玲「あぁーッ! そもそもなんであいつのためにチョコ用意したんだウチ!」



美玲「……」



美玲「今のうちに机の上に置いとこ……」



美玲「うあー、顔合わせたくなくなってきた……」

…………



まゆ「……」クンカクンカ



まゆ「匂いも気配も無い……まだPさん来てないんですね」



まゆ「どうしましょう、チョコはばっちり用意したんですが……」



まゆ「やはり直接手渡しが一番いいのに」



まゆ「でもPさん忙しいから今日中に渡せないかもしれないし」



まゆ「ぐぬぬ……どうやら机の上に置いておくしかなさそうですね」

…………



幸子「あー疲れたー」



美玲「あ、幸子、お疲れー」



まゆ「お疲れ様です幸子ちゃん」



幸子「ああ美玲さんまゆさん、お疲れ様です」



まゆ「ねえ幸子ちゃん、Pさん見ませんでした?」



幸子「プロデューサーさん? 朝からずっと見てませんが」



まゆ「そうですか……」



幸子「(でも机の上に置いたチョコは無くなってるし、受け取ってくれたのかな)」



美玲「(チョコは無いから、プロデューサー受け取ってくれたんだよな)」



まゆ「(でもやっぱり手渡ししたかったですね)」



ちひろ「プロデューサーさん? 今日は事務所に来ませんよ」



幸子「えっ」



美玲「えっ」



まゆ「えっ」

ちひろ「今日は地方への出張が入ってて、昨日からプロデューサーさんは出てるんですよ」



ちひろ「プロデューサーさんがめちゃくちゃ悔しがってましたよ、なんでよりによってその日なんだって」



幸子「いきなりすぎませんか?」



美玲「ウチ聞いてないぞ!」



ちひろ「決定が急だったものですから」



まゆ「(うっかりしてました……)」



まゆ「(もちろん知ってました、スケジュールの把握はしてたんですよ)」



まゆ「(でも、チョコ作りに夢中になって失念してしまいました……)」

幸子「あれ? 待ってください」



幸子「じゃあ机の上に置いたチョコは?」



美玲「ん? ウチも机の上に置いてたけど」



まゆ「え? みんなも机の上に置いてたんですか?」



幸子「(誰のチョコも見当たらなかったですし、ボクが最初に置いたんですかね)」



美玲「(よく見てなかったけど、他にチョコは無かったはずだよな……ウチが最初に置いたのかな)」



まゆ「(他の女のチョコがあったら見逃すはず無いですし、私が最初に置いたんでしょうね)」



ちひろ「私が見たときは誰のチョコもありませんでしたけど」



幸子「んん???」



美玲「誰かがチョコを持っていった?」



まゆ「まさかちひろさん……」



ちひろ「ちょちょちょ! なんで私が疑われるんですか!?」



幸子「うーん……じゃあチョコは一体どこに……」

幸子「……」チラ



美玲「……」チラ



まゆ「……あら?」



まゆ「どうしてお二人は私を見てるんでしょうかねえ……」



幸子「いやだって……ねえ?」



美玲「なあ?」



まゆ「もしかして……私を疑ってるんですかぁ?」



まゆ「私が最初に置いたんですから、むしろ怪しいのはお二人のどちらかだと思いますけど」



幸子「最初に置いたのはボクですよ!」



美玲「最初に置いたのはウチだぞ!」



幸子「え?」



美玲「は?」



まゆ「ん?」

まゆ「一旦整理しましょう」



まゆ「チョコを持って事務所に来ました」



まゆ「でもPさんはいなかったので机の上に置きました」



幸子「ボクの時と一緒ですね」



美玲「ウチの時も同じだな」



まゆ「他にチョコは置いてませんでした」



幸子「無かったですね、ボクの時も」



美玲「置いてなかったな、ウチの時も」



まゆ「他に誰も置いてないので私が最初に置いたんだろうという結論に至った」



幸子「はい」



美玲「うん」



美玲「つまりどういうこと?」



まゆ「さあ?」



美玲「さあって……」

幸子「やっぱりちひろさんが……」



ちひろ「いやいや、私は何も知らないですって!」



美玲「でもちひろさん相手じゃあなあ……」



まゆ「歯向かったらどんな目に遭うか……」



ちひろ「私を犯人と決めつけないでくれません?」



ちひろ「そして三人とも私のことどう思っているのか教えてくれませんかねえ?」



まゆ「冗談ですよ、冗談」



幸子「しかし……誰なんでしょうねえ、ボク達のチョコを持っていった人」



美玲「机の上に置いてたチョコを持ってった奴なあ」















輝子「………………」



幸子「あれ、輝子さんいたんですか」



輝子「ん!? あ、ああ……今来た……」

美玲「なあなあ、ちょっと聞いていいかな」



輝子「な、なんだ……?」



美玲「ウチら、机の上にチョコ置いてたんだけどさ、いつの間にか消えてたんだ」



美玲「何か知らない?」



輝子「プロデューサー、では……」



まゆ「Pさんは出張で今日はいないんです」



輝子「ぇっ!? そ、そうなのか……」



輝子「………………」



輝子「し、知らないなぁ……うん……うん」

まゆ「あれ、レジ袋?」



輝子「ん? あ、ああ……」



幸子「何か買ったんですか?」



輝子「こ、これな……ち、チョコ……」



美玲「チョコ? もしかしてみんなに配るやつ?」



輝子「い、いや、みんなに配るのは、他に用意してるんだ……」



まゆ「じゃあそのチョコは一体?」



輝子「……あ、えっとな……」



まゆ「……」







輝子「…………な、なんでもいいでしょ、ね」



まゆ「まあそうですね」

幸子「はあー、残念ですねえ」



幸子「ラッピングとか思いの外苦労したんですよ」



輝子「そ、そう……」



美玲「そうだなー、包装紙とか沢山種類あってどれ使うか悩んだモン」



輝子「き、気合入ってたんだな……」



美玲「……あ、べ、別にプロデューサーの為にとか、そんなんじゃないけどッ!」



まゆ「包装紙ですか、私も赤いリボンに似合うのを探してたんですよね」



幸子「あー、リボンも選ぶのに苦労し……あれ?」



幸子「輝子さんのポケットから何かはみ出てません?」



輝子「ん?……あっ」



まゆ「リボンですか?」



幸子「黄色いリボンですね、ボクがラッピングに使ったものと同じような……」



輝子「えっとな、その……」



幸子「……」







輝子「ぷ、プロデューサーに渡そうと思ってた、友チョコ……だよ」スッ



幸子「なんだ、そうだったんですね」



輝子「み、みんなの分もあるから、あげる……フヒ」



幸子「ありがとうございます」

まゆ「あら? 何か落ちてますね」



幸子「これは……食べカス?」



輝子「!?」



美玲「あー……確かに食べ物の欠片っぽいな」



まゆ「見た感じ……クッキーの欠片でしょうか」



輝子「う、うん……チョコクッキーっぽい、よな……」



美玲「チョコクッキー?」



輝子「ん?」



美玲「クッキーってところまでしか分かんないんだけどなあ、色も狐色でチョコっぽくないよな」



輝子「あっ…………あー」



美玲「……」







輝子「ほ、ほら……今日はバレンタインデーだし」



輝子「そりゃあ……チョコクッキー……なんじゃないかな、うん」



美玲「まあそうかもな」

幸子「……」



美玲「……」



まゆ「……」



輝子「…………」



まゆ「……」ヒソヒソ



美玲「……」ボソボソ



幸子「……」コクン



輝子「?」

幸子「あ、トリュフチョコですね」



美玲「トリュフチョコを作ったのか、キノコらしいな」



輝子「ん? あ、ああ、うん……」



まゆ「……あら、美味しいですねこれ」



輝子「えっ、そ、そう?」



美玲「うん、うまいなこれ!」



幸子「上手にできてますね」



輝子「あ、ありがとう……て、照れるな……フヒヒ」



幸子「まあ、ボクの作ったチョコの方が美味しいハズですけどね!」



輝子「う、うん……幸子が作った生チョコは美味しかった、ぞ……」







まゆ「ん?」



美玲「今」



幸子「生チョコって」



輝子「……………………あっ」

幸子「確かにボクはバレンタイン用に生チョコを作りましたけれど」



幸子「なんで輝子さんはボクが生チョコを作ったとご存知で?」



輝子「あ、あー……」



輝子「や、やだなあ、去年、くれたじゃないか……」



幸子「去年作ったのはチョコレートマフィンですけど」



輝子「そ、そうだっけ……」



幸子「……」



美玲「……」



まゆ「……」



輝子「…………」











輝子「ごめんなさい、食べました」



輝子「チョコクッキーもチョコケーキも美味しかったです……」

回想





輝子「キノコー、キノコー」



輝子「今日は……い、忌まわしきバレンタインデー……」



輝子「しかし……今回は違うぞ……」



輝子「友チョコ、たくさん準備したからな……フヒ」



輝子「……ん?」



輝子「(机の上にチョコが……)」



輝子「……は!」



輝子「こ、これは……プロデューサーから私への友チョコ……!」



輝子「きっとそうに違いない……」



輝子「ありがとう親友……あ、ありがたく、いただこう……」

…………



輝子「ふう、トイレ行ってスッキリ……」



輝子「……ん?」



輝子「(机の上にまたチョコが……)」



輝子「……は!」



輝子「もしかして、ちひろさんから私への友チョコ……!」



輝子「そうか……ちひろさん、私のこと、と、友達だと思ってくれてたんだな」



輝子「ありがとうちひろさん……おいしくいただこう……」

…………



輝子「危ない危ない、トイレに忘れ物してた……」



輝子「……ん?」



輝子「(机の上にまたまたチョコが……)」



輝子「……は!」



輝子「これはきっと……お隣さんから私への友チョコ……!」



輝子「フフ……あいつはシャイだからな……直接渡すのが恥ずかしかったんだろう」



輝子「ありがとうボノノさん……大切にいただこう……」

輝子「ふう、美味しかった……」



輝子「生チョコにチョコクッキーにチョコケーキ……」



輝子「ど、どれも手作りな感じで、すごかった……な」



ピラッ



輝子「……ん? 紙が入ってる……」



『My Dear プロデューサー from まゆ』



輝子「………………」



輝子「ま、まさか」ガサゴソ



『プロデューサーさんへ by 幸子』



『プロデューサーへ 美玲より』



輝子「……」



輝子「ヒャア! やっちまった!!!」

…………



輝子「と、とりあえずコンビニでチョコ買ってきたけど……」



輝子「こ、これで……代用、効くかな……」



輝子「……む、無理だな」



輝子「箱と包装紙は残ってるから、なんとかして中身を……」



幸子「しかし……誰なんでしょうねえ、ボク達のチョコを持っていった人」



美玲「机の上に置いてたチョコを持ってった奴なあ」



輝子「(ノォォォ! 鉢合わせた!!)」





回想終わり

輝子「そ、そういうわけ……ですはい」



幸子「はあ……」



美玲「お前が犯人かー……」



輝子「ご……ごめん」



まゆ「プロデューサーさんの為を思って、頑張ってケーキを作ったのに……」



輝子「うっ……」



幸子「生チョコ、作るの大変なんですよ?」



美玲「いやまあ、義理なんだけど? それでもせっかくクッキー焼いたのにさあ」



輝子「うぐぐ……」



輝子「……な、なんでもするから、許して……」







幸子「ん?」



美玲「今」



まゆ「なんでもするって」



ちひろ「言ったわよね?」



輝子「いやちひろさんは関係無いよね……」

次の日





モバP「チョコくれ!!」



モバP「くれ!!!」



幸子「ちょ! いくらなんでもがっつきすぎですよ!」



モバP「だってさあ! バレンタインデーに出張とかおかしいだろ!」



モバP「出張先もバレンタインキャンペーンばっかりでさ!」



モバP「逸る気持ちが抑制されまくっててヤバイんだよ!」



まゆ「うふふ、そんなに焦らなくても、ちゃんとあげますよぉ」



まゆ「はい、どうぞ」



モバP「やったあああ! チョコだああああ!」



美玲「うるさいってば!」

幸子「はい、ボクのもあげますね」



モバP「うはあ! サンキュ!」



美玲「……」



モバP「……」



美玲「な、なんだよ」



モバP「あくしろよ」



美玲「わ、分かってるよ! ホラ!」



モバP「やったあ! 美玲の本命チョコだ!」



美玲「ち、違う! 義理だよ義理ッ!」



モバP「え? こんなに凝ったラッピングなのに?」



美玲「ううううるさいな! ひっかくぞッ!」

モバP「開けていい?」



幸子「え、早くないですか?」



まゆ「せっかちですねえ、チョコはどこにも逃げませんよ」



モバP「限界だ、開けるねッ!」ペリペリ



美玲「ビリビリ破らないんだな」



モバP「いやだって、なんか高そうな包装紙だし」パカッ



モバP「おお! 生チョコにチョコクッキーにチョコケーキか!」



幸子「頑張って作ったんですよ! 感謝してください!」



モバP「ナンマンダブナンマンダブ」



幸子「って! 手を合わせるほどでもないでしょう!?」



幸子「しかもなんで念仏唱えるんですか!? やめてください!」

モバP「しかしなんだ」



モバP「どれも豪華チックだなあ」



モバP「手間かかってるというか、高そうというか」



モバP「金粉かかってるし」



まゆ「うふふ、それだけプロデューサーさんへの気持ちが強いってことですよ」



まゆ「まゆの気持ち、受け取ってくれます?」



モバP「やべえ、あまりにも高価そうな感じがするから手が止まったけど」



モバP「食べていいんだよね?」



まゆ「どうぞ♪」



モバP「よっしゃいただきます!」

輝子「……」



乃々「……?」



小梅「ど、どうしたの、輝子ちゃん……」



輝子「あ、ああ……まさか、諭吉が何人も旅立つとは思わなくて……な」



乃々「何か高い買い物したんですか?」



輝子「まあ……高くついた、な……」



輝子「材料だけかと思ったら、調理器具まで買わされるとは、お、思わなかった……」



小梅「よ、良く分からないけど、災難だったね……」

小梅「あ、そうだ、友チョコあげるね……」



輝子「ん? ああ……ありがとう」



乃々「あ、ありがとうございます……」



小梅「はい……焼けただれた皮膚チョコレート……」



乃々「えっ」



小梅「こう……チョコを混ぜた生地で作った表面が、溶け落ちた皮膚みたいに剥がれ取れて……」



小梅「血……じゃない、イチゴソースが、垂れてくるの……」



輝子「う、うまそう……小梅の説明が無かったら」



乃々「なんか、想像したら……うぷ」



小梅「め、召し上がれ……」





おしまい



20:30│モバマス 
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