2015年02月25日

未央「さっちー!フライドチキン作って!」

3rdアニバの少し後という設定

なのでアニメ世界ではありません



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423656105



未央「さーーーっちーーー!」ガバッ





幸子「フギャー!?」



幸子「な、何なんですか!? 後ろからいきなり!」



未央「ねえねえさっちー! フライドチキン作って!」



幸子「は……はい? 何でですか?」



未央「それはだね……フライドチキンが好きだからさっ!」



幸子「何でフライドチキンなのかじゃなくて、何でボクなのかって聞いてるんです!」



未央「ふむふむ。こないだのアニバーサリーでさっちーがからあげ作ってくれたでしょ?」



幸子「ああ、はい」



未央「私への愛情がたっぷり込められたあのからあげの味に、未央ちゃんはメロメロになってしまったのさっ!」



幸子「ボクの作ったからあげが美味しいのは当然ですけど、そんなもの込めた覚えは一度もありませんよ!」

未央「あのからあげをさっちーが作ったとを知った瞬間、私は悟ったよ!」



未央「さっちーこそが鶏肉を自在に操ると言われる伝説の料理人、チキンマスターの生まれ変わりなのだと!」



幸子「誰ですか!? 勝手にボクに変な設定足さないでもらえませんか!?」



幸子「というかチキンマスターって物凄く侮辱されてる響きがするんですけど!?」



未央「そんなことないって! 要はさっちーが凄い子だということを言いたいのだよ!」



幸子「ふ、ふふん! ボクが凄い子なのは当たり前じゃないですか!」



未央「さっちーがひとたび瞬きをすれば、地は裂け海は割れ空の雲は散り散りに……」



幸子「そういう凄さは持ってませんよ! それは蘭子さんの分野です!」

未央「そんでそんで、フライドチキンは作ってくれる?」



幸子「作りませんよ。見て分かりませんか? ボクは学校の宿題に予習復習にと大忙しなんですから!」



未央「うぇー……」



未央「あ! じゃあ、作ってくれたら勉強教えてあげるから、さ!」



幸子「必要ありませんね。ボクは賢い子なので勉強くらい1人でできます」



未央「むむ、手強い」



幸子「大体、いくら中学の範囲とはいえ未央さんに勉強を教えられるんですか?」



未央「お、言ってくれるねー? これでも私、学校の成績は優秀なのだよ!」



幸子「え、全然そんな風には見えないのに」



未央「うわ本気のトーンだ」

未央「もー、傷つくなー。未央ちゃんの繊細な乙女心はズタズタに引き裂かれてしまいました……よよよ」



幸子「……」ジトー



未央「この心の傷を癒やすにはそう、さっちー手作りのフライドチキンしか無い!」



幸子「いや作りませんよ」



未央「幸子さん……これから毎日、僕にフライドチキンを作ってくれないか!」



幸子「なんて不健康なプロポーズですか!? 嬉しくないですよ!」



未央「あはは! 前から思ってたけど、さっちーって良いツッコミをくれるよね!」



幸子「芸人みたいな評価はやめてくれません!?」



未央「私たち、もしかして凄く相性が良いんじゃない?」



幸子「良くありませんよ! ボクが一方的に疲れてるだけじゃないですか!」

未央「もうユニット組んじゃおうよ、ユニット!」



幸子「人の話聞いてます!?」



未央「本田未央と輿水幸子期待の新ユニット、その名も『カワイイちゃんみおと142』!!」



幸子「どう考えてもパクリですよね!? というか名前に142を使う意味が無いですよ!」



幸子「あと何より、カワイイボクの部分を変えるなんて許されませんよ!!」



未央「いやぁ……しぶりんのクールなツッコミも好きだけど、さっちーの勢いあるツッコミもまた別の良さがあるよね! さっちーナイス!」



幸子「だからボクは芸人じゃないって言ってるでしょうがぁ!」



未央「まぁまぁ未央ちゃんどうぞ」



幸子「いりませんよ!」

幸子「はぁ……もう、わかりましたよ! 作ってあげますよ」



未央「え、何が?」キョトン



幸子「自分で最初に言ったことを忘れないでもらえます!?」



未央「失敬失敬……って、ほんとにいいの!?」



幸子「自分で頼んでおいて、何でそんなに驚いてるんですか」



未央「いやぁ、最後らへんさっちーと遊ぶことのほうが目的になっちゃってたからさぁ」



幸子「それじゃあボクは勉強に戻ります。お疲れ様でした」



未央「ちょちょちょちょちょ! 謝るから! ごめん!」



幸子「まったく……」



未央「幸子様ぁ、どうかわたくしめに幸子様のフライドチキンをお恵みくだせぇ」



幸子「何キャラですか! 作ってあげますから普通にしててください!」

未央「えっへへ! 嬉しいなー! さっちーのフライドチキン♪」



幸子「もう、忘れてたくせに調子がいいんですから……」



幸子「とりあえず材料を揃えないと。当然言い出しっぺの未央さんが買い出しに行ってくれますよね」



未央「オッケイ! どんな食材も未央ちゃん探検隊にお任せあれ! たとえ地球の裏側に隠された秘境であろうと!」



幸子「近所のスーパーで良いですよ!」



幸子「メモを作るのでちょっと待って下さいよ……前作った時は確か……」カキカキ



幸子「はい、じゃあこれでお願いします」



未央「了解! 本田隊員、行ってまいります!」ダッ







幸子「はぁ……やれやれです」



幸子「……あれ? そういえばフライドチキンってからあげとどう違うんでしょうか……」



幸子「み、美波さんに聞かないと……あ、買い出しの内容変わるかも……えっとええっと……!」

………………

…………

……



未央「たっだいまー!!」



幸子「おかえりなさい」



未央「バッチリ買ってきたよ! 特に特に、お肉はお肉屋さんで結構良いのを選んでもらったよっ!」



幸子「えっ……そ、そこまでしなくても」



未央「いいのいいの! せっかくさっちーが私のために作ってくれるんだから、これくらいしないとねっ!」



幸子「ま、まあ未央さんにしてはいい心がけですね。褒めてあげます」



未央「いやいや〜! もっと褒めていいよ☆」



幸子「じゃあ早速作りましょうか」



未央「無視かーい!」

未央「さっちーってば冷たいなぁ」ゴソゴソ



幸子「……ん? 何で未央さんもエプロンつけてるんですか?」



未央「そりゃあ言い出しっぺなんだから、できることは何でも手伝うよ!」



幸子「……ふ、ふんっ、最初からそれくらいしおらしく頼めばよかったんです」



幸子「そもそも未央さんは料理できるんですか?」



未央「未央ちゃんを舐めちゃあいけないよ! これでも昔は地元でブイブイ言わせてたんだぜ!」



幸子「もう何を言ってるんだかさっぱりですよ」



未央「実際、学校の調理実習とかじゃ結構頼りにされてるんだからね?」



幸子「そうなんですか?」



未央「ほんとほんと!」

幸子「まあ……だったらその言葉を信じて手伝わせてあげます」



未央「へへー! ありがとさっちー!」ガバッ



幸子「ぎゃあ!? い、いくらボクがカワイイからっていきなり抱きつこうとしないでくださいよ!」



未央「えー? 感謝してって言ったのはさっちーじゃーん?」



幸子「ひょ、表現の仕方っていうものがですね……」



未央「ぬふふふ、さっちーはスキンシップが苦手なタイプかな?」



幸子「ぼぼボクに苦手なものなんてあるわけないじゃないですか! 失礼ですね!」



幸子「ほ、ほら! 早く作りますよ!」



未央「はーいっ……あ、ちょっと待って!」



幸子「何ですか?」

未央「帰る途中で考えてたんだけどさ、お肉があったら野菜も食べたくなるよね?」



幸子「はあ、まあ」



未央「お肉があったらご飯も食べたくなるよね?」



幸子「まあ……ってまさか」



未央「もうおかず一品じゃ物足りない!」



幸子「ええー……」



未央「フルコース作っちゃおう! ていうかもう他の子も呼んでパーティーしよう!」



幸子「何の記念ですか!?」



未央「そうだねー、さっちーが私にフライドチキンを作ってくれた記念パーティー?」



幸子「そんなのパーティーにする必要無いですよね! しかも他の人呼ぶ必要も無いですし!」

未央「んん? おやおや〜? さっちーは私と二人っきりが良いのかな〜? さっちーってば、未央ちゃんを独り占めしたいのかなぁ〜?」



幸子「変な事言わないでくださいよ!? 酔っ払ってるんですか!?」



未央「私まだお酒飲めないよぉ」



幸子「知ってますよ!」



未央「でも幸子さんの笑顔は、どんなお酒よりも僕を酔わせる美酒さっ……」



幸子「そんなクサい台詞を言われても嬉しくないですから」



未央「でも相手がプロデューサーだったら?」



幸子「な、何でここでプロデューサーさんが出てくるんですかっ!?」



未央「嬉しくないの?」



幸子「い、いや……今の台詞はプロデューサーさんに言われても引きますよ……」

未央「バッサリだね。プロデューサー、可哀想に……」



幸子「悪いのは台詞の方ですよ! というか今それはどうでもいいんです! 話を戻しますよ!」



未央「はーい」



幸子「で、本当に他の料理も作るんですか?」



未央「うーん……そうだねぇ、ご飯炊いて、サラダ作るくらいはしようかなって!」



幸子「まあ、それくらいなら……」



未央「あ、さっちーはフライドチキン作ってくれればOKだから! ご飯もサラダも未央ちゃんに任せてくれたまえ!」



幸子「はいはい、それじゃあお任せします」



未央「よっし! やるぞー!」



幸子「そういえば、買ってきてもらったお肉をまだ見てないですね」



未央「ほいきた! これ……だよっ……っと!!」ズシンッ



幸子「」

未央「いい色してて美味しそうでしょ?」



幸子「確かに美味しそうですけど! こんなに買ってくることないでしょう!? 何人分あるんですか!」



未央「お腹いっぱい食べたいと思ってね!」



幸子「いっぱいを通り越して破裂しますよ! ほんとにパーティーでも開くつもりですか!?」



未央「やるしかないでしょ! 人生は常にパーティーの連続なのだ、という言葉もあるしね!」



幸子「聞いたことないですよ!」



未央「by本田未央」



幸子「でしょうねぇ!」



幸子「はぁ……しょうがないですね……」



幸子「いいですよ! やってやりますよ! 全部ボクの手で美味しいフライドチキンに変えてやりますよ!」



未央「おおっ! さっちーもやる気が出てきたね!」



幸子「ヤケの間違いですよ!」

………………

…………

……



未央「できたー!」



幸子「フフーン! 完璧です! 量はともかく」



未央「うはー! 美味しそう!」



幸子「美味しそう、じゃないです。このボクが作ったんですから美味しいに決まってます!」



未央「そうだねっ! へへへっ!」



未央「ただ、改めて見ると……正直こんなに多いとは」



幸子「誰のせいですか!」



未央「まあまあ、他の子も呼ぶんだから!」



幸子「それで、誰を呼ぶつもりなんですか?」



未央「私はやっぱりしまむーとしぶりんかな!」



幸子「いつも通りの人たちですね」

未央「それと日野っちとあーちゃんとりーなと美嘉ねーと莉嘉ちーとみくにゃんとアーニャと」



幸子「ストップストップ!!」



未央「きら……うぇ?」



幸子「多い! 多いです!」



未央「えー? みんなでワイワイしようよ?」



幸子「今度は料理の方が足りなくなりますよ!」



未央「じゃあもっとお肉買ってくる?」



幸子「こなくていいです! 人数を減らしてください!」



未央「むむ……。じゃあしぶりんとしまむー……」



幸子「ふう……」



未央「さっちーはどうするの?」



幸子「へっ? ボクもですか?」



未央「もちろん!」

幸子「え、えっと……」



幸子「じゃあ小梅さんと輝子さんを……」



未央「うんうんっ、いいよいいよ! パーティーっぽくなってきたね!」



幸子「呼ぶ人決めただけじゃないですか」



未央「いやー、楽しみですなぁさっちーさん!」



幸子「ま、まあ、皆さんがボクを賞賛する光景は楽しみですけどね、ふふん」



未央「ふふっ! もー、さっちーは素直じゃないなー!」ギュー



幸子「むぎゃ! 何するんですかぁ!」



未央「さっきは失敗したからリベンジだー!」



幸子「も、もう! 呼ぶなら早くしないと、せっかくの料理が冷めちゃいますよ!」

未央「お、そうだった! できたてのうちに味見をしないとね!」



幸子「そっちですか!」



未央「はむっ。ん熱っ!!」



幸子「ああもう、何やってるんですか」



未央「ハフハフ……ふぅ」ゴクン



未央「うんっ! 美味い! さっちーは天才かっ!」



幸子「ふ、フフーン! 今頃気付いたんですか?」



未央「これは私たちだけで楽しむにはもったいないね! 急いでみんなを呼ばなければ!」



幸子「未央さんが脱線させたんですよ!」



未央「てへっ☆」



幸子「てへっじゃないです!」

未央「……うん、そうそう! だから早く来てね! 待ってるよ!」ピッ



未央「2人とも来るって!」



幸子「こっちもです」



未央「いやはや……ちょっとしたお願いのつもりがこんなイベントに発展してしまうとは、人生何があるかわかりませんなぁ」



幸子「全部未央さんの提案ですけどねぇ!」



未央「てへっ☆」



幸子「だからてへっじゃないです!」



未央「でもさ、こうやってさっちーと2人で一緒に何かするのって初めてだったから、私は凄く楽しかったよ!」



幸子「ふ……ふんっ、ボクは疲れただけですっ」



未央「さっちー冷たーい」



幸子「ほら、余計なお喋りしてないで、皆さんが来る前に場を整えますよ」

未央「さっちーなんだかんだでノリノリ?」



幸子「そ、そんなわけないじゃないですか! 何を言ってるんですか!」



未央「そこまで激しく否定しなくてもー……」



幸子「大体ですね、未央さんがしつこく頼むから仕方なく付き合ってあげてるだけなんですっ! わかってますか!」



未央「あ……はい」



幸子「未央さんには、そんなボクへの感謝の気持ちが足りてないんじゃないですか?」



未央「す、すいませんでした……」



幸子「えっ……あ、えっと……」



幸子「わ、わかればいいんです……」



未央「……」



幸子「……」



未央・幸子(なんだろうこの空気)

未央「えー……っと、さ」



幸子「な、なんでしょうか」



未央「やっぱり、その、嫌々付き合わせちゃってたのかなー、なんて……」



幸子「今更過ぎますよ……」



未央「で、ですよねー……」



幸子「……まったく」



幸子「……今日は未央さんに勉強の邪魔をされるし、たくさんツッコんで疲れるしで散々でした」



未央「うぐっ」



幸子「で、でもですね」



未央「……?」



幸子「それに付き合ってあげるかどうかは、ボクが決めることであって……」



幸子「無理矢理やらされたつもりは、ないですから……」

未央「え? それって……?」



幸子「だ、だからって、楽しかったかどうかは別問題ですから! そ、そこは勘違いしないでくださいよ!」



未央「……っ」



未央「さ……」



幸子「さ?」



未央「さっちーーーー!!」ギューー



幸子「もごぉっ!?」



未央「さっちーさっちー! ありがとさっちー! 良い子ださっちー! 可愛いさっちー! うりうり!」ムギュムギュ



幸子「もがっ! もがもが!!」

未央「えへへっ! 今日のパーティー、思いっきり楽しもうね!」



幸子「もがーーー!!」





おわり



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