2015年03月27日

凛「幸子ってどこが可愛いの」

〜in事務所〜



輝子「さ、幸子ちゃんの可愛い所……?」



小梅「……幸子ちゃん、可愛くない、ですか?」





凛「いや、可愛いとは思ってるけど。だけど、幸子のキャラって結構ウザがれてもおかしくないと思う」

凛「けど、実際にはウザ可愛いくらいに収まってるでしょ。それが可愛さのおかげなのかなって」

凛「それがわかったら、何か参考になるかな、と思ってさ」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427211170



輝子「な、なるほど……。確かに、幸子ちゃんは愛されキャラ……」



小梅「……うん、この間のバンジーも『輝いてる』って評判だった……」



凛(それってイジられ芸人気質ってことじゃ)

凛「まあ、そういうわけで何かエピソードとかあれば教えてくれない?」



小梅「……じ、じゃあこの間一緒に映画観た時なんだけど」



凛「うん」

〜in小梅ルーム〜



幸子「こ、小梅さん? 一緒に映画を観るのはいいんですが、たまには気分を変えませんか!」



小梅「……気分? 名作ばかりじゃなくて、B級を観たい……みたいな?」



幸子「そうです! そういうことです!」



小梅「……じゃあ、B級で名作の『死霊のはらわた』を……」



幸子「違います! ボクが言いたいのはそうじゃないんです!」



幸子「ボクが言いたいのはですね! たまには違うジャンルを観ましょうてことなんです!」



小梅「……ホラー以外ってこと?」



幸子「そうです! 美味しいからと言って同じものばかり食べるのは良くないです!」リキセツッ



小梅「んー……」



小梅(幸子ちゃん、怖いの苦手なのに一緒に観てくれる)

小梅(楽しい?って訊いたら当たり前です!って膝ガクガクさせながら言ってくれる)

小梅(いつも……私の好みばかりに付き合わせるのも悪いかも……)

小梅「……うん、わかった」



幸子「わかってくれましたか!」パアァア



小梅「……じゃあ、この『メタルマン』を……」ザンネンダッタナ



幸子「別の意味で怖いやつじゃないですか!」





小梅「冗談……。じゃあ、奈々さんがくれたこれ……」



幸子「これって、未来から殺戮機械が来る奴の続編ですよね?」



小梅「うん……。奈々さん、劇場で観て感動したって……」



幸子(パケ裏には1991年公開の文字。そしてこれを観て感動できる年頃……)



ナナハジュウナナサイデスヨー



幸子「ひっ! ななな菜々さんはウサミン星出身の17歳です!」



小梅「……? じゃあ、観よう?」



〜鑑賞中〜



キミガキテイルフクトクツトバイクガホシイ

幸子「筋肉モリモリマッチョマンの変態ですか……。これもある意味ホラーですね」



ニンゲンニハ215ホンノホネガアルノヨ!

幸子「ひぇ……。アグレッシブな母親です……」



ホラコウヤッテテヲダスンダ

幸子「機械的にこなす所、ちょっとプロデューサーさんに似てますね」



ジゴクデアオウゼベイビー

幸子「……」



ニンゲンガナゼナクカワカッタ

幸子「……ぐすっ」

小梅「……面白かった……ね」



幸子「……ま、まあまあですね! 命を理解できなかった殺戮機械が人の感情を知るなんてありきたりな展開ですけどね!」

幸子「お互いに別れたくないのに、目的のために別れざるをえないことに嫌だと泣く主人公なんて陳腐ですらありました!」



小梅「……ティッシュ、いる?」



幸子「……使います」グスッグスッ



小梅「……ってことがあったの」



凛「結構涙もろい……というか、感情移入するタイプなのかな」



輝子「フヒ……幸子ちゃんは、気遣い上手だから、な……。た、他人の気持ちを重ねやすい、かも……」



凛「感情豊かってことかな。それは見習うべきかも」



輝子「か、感情豊かと言えば、前にこんなことが……フヒヒ」





〜in事務所〜



輝子「キノコーキノコーホシショウコー。……あ、あれ。幸子ちゃん、ど、どうした……?」



幸子「輝子さん……」



輝子「な、なんか落ち込んでる……。わ、私でいいなら話を聞くぞ。フヒ……」



幸子「……ありがとうございます。お隣、失礼します」



輝子「せ、狭い所だけど……くつろいで……」

輝子「……な、なにか嫌なことでも、あった……?」



幸子「いえ……。ただ、オーディションが駄目だっただけです」



輝子「そ、そうか……。そんな時もある……私もこの間落ちた……フヒ」



幸子「……ボクって本当に可愛いんでしょうか」





輝子「さ、幸子ちゃんは、可愛いよ……」



幸子「……ありがとうございます。けど、仲間から言われるだけじゃ意味が無いんです」



幸子「誰からも言われるようでないと……意味が無い……」



幸子「ボクよりも、選ばれた子の方が可愛いってことなんです……」

輝子「……さ、幸子ちゃんは一番可愛い。じ、自分でもいつも言ってる……フヒヒ」



幸子「現実は違った、ってことなんですよ」



輝子「そ、それで、私と小梅ちゃんはその次に可愛いって……」



幸子「それも、とんだ失礼なことを言えたものですね」



輝子「わ、私達も幸子ちゃんが一番可愛くないと……こ、困る……」



幸子「……どうしてです?」

輝子「さ、幸子ちゃんが1番じゃないと、わ、私達は2番になれない……」

輝子「だ、だから幸子ちゃんには一番になってほしいし……な、なれるってし、信じてるから……」

輝子「こ、言葉にすると恥ずかしいな……フヒヒヒ……」



幸子「輝子さん……」





幸子「……そうでした。今は、ボク一人のためだけじゃなかったんですよね」

幸子「ボク達のユニット、プロダクションのためにも、ボクが一番可愛いと証明しなければならないんです」



輝子「……そ、そう。だ、だから次頑張ればいい……フヒヒ……」



幸子「任せて下さい! この可愛いボクに!」バッ!



輝子「あっ、幸子ちゃん……」



ゴッシャア!! ヒィ!タタイテモムゥーリィー



輝子「た、立ったら危ないって……お、遅かった……」



幸子「な、泣いて……ませんし……」



輝子「そ、そのあと親友に慰めてもらって……な、涙目だったけど嬉しそうだった…フヒ、フヒヒ」



凛「……締まらないのも幸子らしい、かな」



輝子「か、かも……フヒ、フヒヒヒ」



小梅「……幸子ちゃん、表情がころころ変わるから、見てて楽しいよね」



凛「そうだね。そこは、ちょっと羨ましいかな」



輝子「な、中でも一番似合うのは……」



小梅「……うん」



凛「やっぱり」



ガチャ

幸子「おはようございます! 可愛いボクが、なんとお土産を持って来ましたよ!」

幸子「いやー可愛くて気も使えるなんて我ながら怖くなりますよー」

幸子「この可愛いボクがいるプロダクションってことで評判うなぎのぼり! 完璧ですね!」ドヤァ



凛「……」



小梅「……」



輝子「……」

幸子「おや、どうしました? 可愛いボクに見とれてます?」



凛「……まあ、そういうことにしておいて」



幸子「フフーン! そうですよね! いやぁ、ボクって可愛いですからね!」



小梅「……うん、可愛いよ」



輝子「フヒ……き、今日も可愛い、な……」



幸子「フフン、そういうお二人も負けず劣らず可愛いですよ! 一番可愛いボクが言うんですから間違いありません!」ドヤヤァ

凛(……幸子の可愛さって、ドヤ顔なのかな)



ガチャ



幸子「あっ、プロデューサーさんお疲れ様です! 可愛いボクがケーキをお土産に持ってきましたよ!」



凛(あっ……)



幸子「早く座ってください! 特別に、この可愛いボクが食べさせてあげますよ!」



凛(……うん、やっぱり幸子って可愛いな)



幸子「フフーン! こんな名誉なことはありませんよ! 幸せものですねプロデューサーさんは!」



凛(あんな笑顔されたら、それ以外言えないや)





おわり





23:30│輿水幸子 
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