2015年03月30日

モバP「このところ懺悔続きでして」 クラリス「残業ではなく?」


――事務所



クラリス「では、今日もお疲れ様でした」





P「お疲れ様です。送って行きましょうか?」



クラリス「いえ、結構ですわ。今日だって、まだお仕事なのでしょう?」



P「あー、そうですね……まあ、急な仕事でもないんですけど」



クラリス「ご厚意だけ受け取っておきます。ありがとうございます」ニコッ



P「いえ、そんな。お帰りはホントに気をつけて……」



クラリス「ええ、お先に失礼いたします」ペコリ





ガチャ バタム



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P「……じゃ、仕事頑張りませう」



P「クラリスさん、やっぱり送って行けばよかったかなぁ」



P「…………はぁ」カタカタ



――日曜日



P「クラリスさんも、日曜日はよくミサに出ると言っていたけど……」



P「信心もなにもない俺が教会へ来て良いものだろうか」



P「ま、いいか。悩める子羊だもの」



 トントン



P「……失礼します」



???「どうぞ、おかけになってください」



P「は、どうも。シスターさん、……このカーテンは?」



???「閉めたままで結構です」



P「……それはありがたい」



???「ここで貴方の話されたことは、私の他に知り得ません」



P「秘密厳守、ということですか」



???「どうぞ、お悩みを。そして、悔い改めてください」

P「……俺、今好きな人が居るんです」



???「貴方に、好きな人が……?」



P「その、綺麗な人で、穏やかで、いつも静かに笑っているんです」



P「この教会へ来たのは懺悔のためなんですけど……もしかしたら、その人と会えるんじゃないかって」



P「……しょーもない期待もあって」



???「続けてください」

P「彼女は……仕事の、なんていうんでしょう、同僚というんですか」



P「俺が好きでいると、業務に差し支えが出てしまうんです」



P「……俺は好きでいていいんでしょうか」



???「なるほど。おつらいことでしょう」



P「まあ、向こうが俺をどう思ってるかは、知らないですけど」



???「……本当にお好きなんですね」



P「ええ、それはもう」

???「そういった理由から、変にギクシャクしていたりはしませんか?」



P「そうですね。言われてみれば、確かに、変な距離のとり方をしているかもしれません」



???「自分の感情を押し込めるのは良いこととは言えません」



???「まずは自然なコミュニケートを優先してはいかがでしょうか」



???「いけないことだと抑圧するのは、それこそ業務に差支えが出てしまうのではないですか」



P「なるほど、ありがとうございます。少しホッとしました」

???「彼女は遠慮深い女性なのでしょう。下心など抜きにして、気遣いは行動で表すものです」



???「送り迎えはしてあげましょう」



P「いやに具体的ですね」



???「……こほん。貴方の恋が必ずや報われることを祈ります」



P「ありがとうございました。また、迷ってしまったら来てもいいですか」



???「もちろんです。ごきげんよう」



P「ええ、どうも。ごきげんよう」



――事務所



クラリス「……では、今日もお疲れ様でした」



P「お疲れ様でした。送って行きますよ」ガタ



クラリス「いえ、これからお仕事なのでしょう?」



P「あ、そうですねー……じゃなくって、夜中にクラリスさんを一人で帰すなんて、できません!」



クラリス「本当に大丈夫ですか?」



P「今日は切り上げても平気です。どうせ、急ぎの仕事でもありませんから」



クラリス「……では、お願いいたします」クスッ



P「がってんです」





ガチャ バタム

P「うぅ、まだまだ寒いですね」



クラリス「そうですね。夜になると冷えます」



P「車、出しますか?」



クラリス「いえ……会社の車でしょう? 私なら平気です。一緒に歩いて帰りましょう」



P「え、ええ、そうですね」



クラリス「どうしました?」クスッ



P「べ、別に……」

クラリス「P様は寒いのは平気ですか?」



P「あ、俺はもう、はい、大丈夫です!」



クラリス「ふふっ、P様と居ると暖かいです」



P「それどういう意味ッスかね」



クラリス「暑苦しいわけではありませんから、安心してください」



P「……あ、月が出てますね」



クラリス「あら、本当……」



P「…………」



クラリス「…………」



――日曜日





トントン





???「……どうぞ」



P「あ、どうも。また来ました」



???「恋に悩める人、ですね」



P「恐縮です」



???「ここへ来たということは」



P「ええ、悩みが……その、気遣いは行動で表すべきだと仰られていましたが」



???「その通りです」



P「ますます気持ちが募ってしまって……」



???「なるほど。おつらいことでしょう」

P「やっぱり、距離をとった方が良いのではないかと……」



???「とんでもない!」



P「ええっ、マジすか」



???「今、貴方は試練に立ち向かっているのです」



P「試練、ですか……」



???「恋心を否定することなく、激流に身を任せるがごとく……お分かりですか?」



P「いえ、あんまり」



???「貴方はまだ、慣れていないのです」



P「慣れですか?」

???「彼女となにかをすることに、貴方がまだ慣れていない為に苦しいのです」



P「なるほど……言われてみれば確かに」



???「これからは毎日一緒に帰路を共にしましょう」



???「車などでの移動は好ましくありません」



???「じっくり時間をかけて、二人並んで歩くのが良いでしょう」



P「いやに具体的ですね」



???「……こほん。貴方の恋が報われることを祈ります」



P「ありがとうございました。また、迷ってしまったら来てもいいですか」



???「もちろんです。ごきげんよう」



P「ごきげんよう」



――事務所



クラリス「お疲れ様でした」



P「お疲れ様でした。送りますよ」



クラリス「ありがとうございます。お仕事の方は大丈夫ですか?」



P「いやもう、アレっす。あとに残さないように昼間頑張ってますから!」



クラリス「ふふっ、頼もしいですわ」



P「じゃ、行きましょう」



クラリス「ええ、お願いいたします」





ガチャ バタム

P「今日はいつもより暖かいですね」



クラリス「もうすぐ春なのですね。せっかく、マフラーも持ってきたのですが……」



P「温かそうなマフラーですね」



クラリス「ふふっ、触り心地も良いんですよ。ほら……」



P「本当だ……」フワッ



P(あ、微かにクラリスさんの匂いが……)



P「って、俺はなにを……!」ブルブル



クラリス「どうしました?」



P「あ、いえ、なにも……はい、どうも……」



クラリス「おかしなP様」クスッ



P「あはは……ホントになにもないですから」



クラリス「ふふっ、貴方と一緒だと毎日楽しいですわ」



P「そ、そりゃどうも……」ドキッ

――日曜日





トントン





???「へいらっしゃい」



P「……ファニーな挨拶ッスね」



???「あら、恋の人ですね。お待ちしておりました」



P「待っていたって、来ることが分かっていたんですか?」



???「多分来ると思ってました」



P「そうですか……見事、当たったわけですね」



P「また、悩みを聞いてほしいんです」



???「どうぞ、お話しになってください」



P「その、一緒に帰るようにはなったんですけど、一向に慣れなくて……」



P「慣れるどころか、ますます気持ちが募ってしまうんです」



???「なるほど、それはおつらいことでしょう」

P「仕事柄、俺と彼女が恋人になるということは、許されないことで……」



P「やっぱり、距離をとった方が……」



???「少し、きついことを言ってしまうかもしれません」



P「……どうぞ」



???「好きだと伝えもしないうちに、恋人になることが許されないだなんて」



???「取らぬ狸の皮算用とでも言いましょうか」



???「それよりも、まずは貴方自身の気持ちを整理するべきではありませんか」



P「俺自身の気持ちですか……」



???「貴方は彼女が好きなのですよね」



P「それはもちろん」



???「彼女と一緒に歩いて行きたいですか?」



P「う、それは……」

???「……お相手に好きだと、伝えてもよろしいのではないでしょうか」



P「えっ、それは時期尚早では!?」



???「想いを秘めたままでいるよりも、ずっと楽ではありませんか?」



???「それに、一人で悩むより、二人で悩むのが愛ではないでしょうか」



P「愛、ですか……」



???「告白のシチュエーションは帰り道が好ましいでしょう」



???「二人で何気ない会話を交わすうち、ふと無言になった瞬間」



???「彼女の手を取って、『好きです』と気持ちを伝えるのがベターですね」



???「ロマンチックであることより、誠実さを重視していただきたいところ」



P「いやに具体的ですね」



???「……こほん。貴方の恋が報われることを祈ります」



P「ありがとうございました。また、迷ってしまったら来てもいいですか」



???「もちろんです。ごきげんよう」



P「ごきげんよう」



――事務所



クラリス「あの、P様……」



P「はいっ」



クラリス「そろそろ帰りませんか?」



P「あっ、もうそんな時間、ですか……。はい、帰りましょう」



クラリス「ええ。……あっ、忘れ物ですよ」



P「えっ、ああ、すみません……」



クラリス「なんだか、今日は元気がありませんね?」



P「そ、そんなことないですよ? はい、この通り、元気です!」ピシッ



クラリス「ふふっ、おかしなP様」



P「あはは、はは……」





ガチャ バタム



P「……はぁ」



クラリス「P様?」



P「あ、すみません。行きましょうか」



クラリス「本当に、なにもないんですか?」



P「ええ、平気です。平気!」



クラリス「なら、良いんですけど……私、貴方のことが心配で」



P「そ、それよりも、えと……そうだ、クラリスさんは、休日はなにをしてます?」



クラリス「私ですか? 日曜日にお仕事がなければ、いつも教会へ行っています」



P「あ、俺も最近、日曜日がオフの時は教会に行ってて……」



クラリス「よく、見かけますわ」クスッ



P「ホントですか。クラリスさんのこと、いつも探しているんですけど……」



クラリス「あら、それはすみません」

P「あ、いや……その……」



クラリス「なんです……?」



P「その……」



クラリス「…………」



P「…………」ドキドキ





???(それっ、手を繋ぐのです――!)





P「いや、ちょっと、それはハードルが……」



クラリス「なんです……?」

P「あ、いえっ」パッ



クラリス「……あ、あの、この手は」



P「えっ、あ、これは……!」



クラリス「P様……?」ドキッ



P「え、えと、す、す……!」ドキドキ



クラリス「す……?」



P「……睡眠はしっかりとってますか!」



クラリス「…………ええ、とっていますよ。しっかりと」



P「そ、それはよかった、です……」パッ



クラリス「変なP様ですね」



P「ええ、今日も変な俺様です……」ションボリ



――日曜日





トントン





???「いらっしゃいませ」



P「どうも、僕です」



???「その声は……告白に失敗しましたね?」



P「声で分かるんですか。失敗したというか、意気地がなかったというか……」



???「昨夜はよく眠れましたか?」



P「それはまあ……」



???「ちなみに、私はよく眠れませんでした」



P「そ、そうですか」

???「……さて、悩みがあるのでしょう?」



P「え、ええ。その、告白ってやっぱり、仕事柄マズいことですし……」



???「本当にそう思っているのですか?」



P「お、思っていますよ」



???「……断られるのが怖くて、そういう都合の良い言い訳をしているのではありませんか?」



P「なっ、……う、確かに……」



???「いえ、責めているわけではありません」



???「それも、貴方の誠実な人柄故だと、私は信じております……」



P「……俺、どうしたら」



???「会話を交わし、手を繋ぎ、それらを経てからの告白は少々ハードルが高かったようですね」



P「ええ、その通りです」

???「やはり、ここは地道に行きましょう」



P「地道、ですか?」



???「二人は一緒に帰る仲でしょう」



P「ええ、まあ、それが習慣化してますけど」



???「手を繋いで帰りましょう」



P「マジっすか」



???「手を繋いで帰るのが習慣化したなら、それはもう恋人と言ってもいいのではないでしょうか」



P「た、確かに……」

???「そしたら、改めての告白もハードルがぐっと下がるでしょう」



P「なるほど……しかし、手を繋ぐというのは……」



???「帰り道に『寒いね』など言いながら、彼女の手を取って」



???「『君の手、冷たい』と笑い、流れでそのまま手を繋いで帰りましょう」



???「手を繋いだあとは無言で若干気まずい方があとあと笑い話になって良いと思われます」



P「いやに具体的ですね」



???「……こほん。貴方の恋が報われることを祈ります」



P「ありがとうございました。また、迷ってしまったら来てもいいですか」



???「もちろんです。ごきげんよう」



P「ごきげんよう」

――事務所





クラリス「今日もお疲れ様でした、P様」



P「あ、お疲れ様です。じゃ、帰りましょうか?」



クラリス「はい、今日は風が少し強いみたいで、寒そうですね」



P「さ、寒い!?」ガタッ



クラリス「どうしました?」



P「あ、いや、なんでも」



クラリス「変なP様」クスッ





ガチャ バタム



P「うぅ、本当だ、寒い!」



クラリス「そうですね」



P「寒いね!」



クラリス「ええ、本当に」



P「……あの、ちょっと、お手を拝借しても」



クラリス「手、ですか?」スッ



P「失礼します」スッ



クラリス「ふふっ、どうしました?」



P「あ、いや、あれっ? クラリスさんの手、あったかい……」



クラリス「P様は冷え性なのでしょうか、冷たいですね」ギュッ



P「あ、はい……そうみたいで……」



クラリス「……手の冷たい人は心が温かだと聞きました」



P「あ、ああ……よく聞きますね」



クラリス「…………」



P「…………」

クラリス「……手、繋いで帰りましょうか」



P「あ……はい」



クラリス「ふふっ、おかしなP様♪」ギュッ





P「…………あの」



クラリス「はい、なんですか?」



P「そのー、すー……」



クラリス「……す?」



P「好きです」

――日曜日





P「あれっ?」



クラリス「どうしました?」



P「いや、懺悔の部屋に寄ろうと思ったんですけど、今日はシスターさんお休みなんですかね」



クラリス「ふふっ、そのようですね」



P「お礼を言いたかったんですよ」



クラリス「悩みごとがあったのですか?」



P「ええ、もう、解決しましたけどね」



クラリス「それなら、よかったですわ」



P「また今度ですかね。……帰りましょう」



クラリス「はい、手を繋いで帰りましょう♪」





終わり



20:30│クラリス 
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