2015年03月30日

泰葉「え、李衣菜が風邪に……?」加蓮「」


―――





P「ああ、どうもそうらしい。さっき李衣菜のお母さんから電話があってさ」





泰葉「そうですか……。あの、インフルエンザとか……」



P「いや、病院で普通の風邪だって診断されたみたいだよ。何日か寝てれば治るって」



泰葉「ほっ……それならよかったです」



P「はは、治ったら『健康管理がなってない!』って説教だな」



泰葉「ふふ、ですね」





加蓮「」



ちひろ「大変ですプロデューサーさん! 加蓮ちゃんがショックのあまりフリーズしてます!」



P「再起動してあげてください」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427294653



加蓮「――はっ!?」



加蓮「どどどどうしよう李衣菜は大丈夫なの!?」



P「まぁ落ち着けかr」



加蓮「ねぇ李衣菜どうなっちゃうのまさか入院とかじゃないよねねぇったらねぇ!」ユッサユッサユッサ



P「おぅおぅおぅおぅおぅっ」ガックンガックン



ちひろ「ああああプロデューサーさんの首が!」



泰葉「ま、待って加蓮! Pさんが入院しちゃう!」

P「ぅぐぐ、く、首がぁ……」ズキズキ



加蓮「ご、ごめんねPさん……気が動転しちゃって」



泰葉「もう……加蓮たら、ちゃんと話を聞かないとダメじゃない」



ちひろ「うふふ、混乱しちゃうくらい李衣菜ちゃんのことが大好きなんですよね♪」



加蓮「そ、そんなことっ! ……ないこともないけど……ごにょごにょ」

P「と、とにかく。今日の三人でのレッスンは中止だな」



泰葉「ですね……。トレーナーさんには連絡は?」



P「うん、俺がしとく。泰葉たちは――」





加蓮「ちひろさんっ、お見舞いってなに持ってけばいいのっ?」ドタドタ



ちひろ「ええっと、アレとコレとソレと……あっあと私特製の栄養ドリンクを持ってってくださいっ!」バタバタ





P「……お見舞い以外にないよな。行ってやってくれるか?」



泰葉「ふふ、はい。行ってきます」クスクス

加蓮「さぁ泰葉、行こっ!」



泰葉「わ、分かったから……今日はそのまま帰宅しても?」



P「あぁ、構わないぞ。気をつけてな」



泰葉「はい。それでhちょっ引っ張らないで加蓮自分で歩けるからっ、い、行ってきますぅぅぅううう――!」





がちゃ ばたーんっ





P「……長居して菌をもらってこなきゃいいけど」



ちひろ「心配ですけど……私たちは私たちで、お仕事頑張りましょうっ」





―――李衣菜の部屋





李衣菜「……はぁ」



李衣菜「けほ」



李衣菜(うー……のどいたい……)



李衣菜(あたまもぼーっとするし……)





こんこん がちゃり





母「――りいちゃん。具合はどう?」

李衣菜「ぁ……おかぁさん」ボーッ



母「んー、まだ熱がありそうね……。お友達がお見舞いに来てくれたわよ」



李衣菜「へ……?」



母「ふふ、元気分けてもらいなさいね?」ナデナデ…



李衣菜「んぅ」



李衣菜(ともだち……もしかして……?)



―――





こんこん



がちゃ……





泰葉「お邪魔します……李衣菜?」





李衣菜「あ……泰葉……!」



泰葉「ふふ、こんにちは。……ほら加蓮、もじもじしてないで」



加蓮「あ、うっうん……や、やっほ李衣菜……」

李衣菜「加蓮も……けほけほ」



加蓮「う、うん……えっと、その……」



泰葉「どうしたの加蓮? そんなよそよそしく……」



加蓮「だ、だって……私お見舞いされたことしかないから、どうしたらいいのか分かんなくて」



李衣菜「あはは……いいよ、いつも通りで」



加蓮「そ、そう?」



泰葉「ふふ。ほら、こっち来て」

加蓮「えっと……来たよ、李衣菜?」



李衣菜「うん、ありがと二人とも。……よいしょ、今起きるね」ムク…



泰葉「あっ、いいの李衣菜っ。無理しないで横になってて?」



李衣菜「え、でも……」



泰葉「いいから!」



加蓮「…………」ガルルル…



李衣菜「うわ、加蓮……わ、分かったからそんな睨まないでよ」

泰葉「もう」



加蓮「もうっ!」



李衣菜「うぅ……おとなしくしてるからぁ」



泰葉「当たり前です」



李衣菜「けほっ。……ごめんね、迷惑かけて」



泰葉「ううん。迷惑だなんて、これっぽっちも……ね?」



加蓮「そうだよ……李衣菜のばか」

李衣菜「うん……ごめん。けほ」



加蓮「『ごめん』じゃなくて?」



李衣菜「……ありがとう?」



加蓮「ん、よろしい」ナデナデ



李衣菜「や、やめてよ……んもう」



泰葉「ふふ、加蓮は李衣菜のこと大好きだから」



李衣菜「えへへ」



加蓮「そ、そういうことは言わなくていいの!」

泰葉「言わないと分からないことだってあるでしょう?」



加蓮「ああ言えばこう言う……!」



泰葉「大好きじゃなかったら、お見舞いなんて来ないもの。ね、李衣菜♪」ポフポフ



李衣菜「へへ……けほっけほ」



加蓮「い、いいから静かにしてる!」



李衣菜「ふふ、うん」

泰葉「ふふ……さ、加蓮。渡すものは渡さないと」



加蓮「あ、そだね。来る途中でいろいろ買ってきたんだよ、えっとね……」ガサガサ



加蓮「じゃん! ポカリにゼリーにカロリーフレンドに、それからそれからっ」



李衣菜「うわわっ、た、たくさん買ってきたね……」



泰葉「これでも減らしたんだけどね……。加蓮ったら、なんでもかんでもカゴに入れちゃうから」



李衣菜「あはは……でも、ありがと」



加蓮「えっへん」

泰葉「それと、こっちも忘れずに……」ガサッ



泰葉「――はい。定番だけど、お見舞いのお花っ」



李衣菜「わ、綺麗……!」



加蓮「でしょ? アレンジメントだから、お水あげるだけでいいんだって」



李衣菜「そうなんだ……嬉しいよ、ありがとう!」



泰葉「ふふ、喜んでもらえて良かった……♪」

加蓮「店員さんがね、春の花を中心に選んでくれたの」



泰葉「お見舞い用だって言ったら、とっても親身になってくれてね……」



李衣菜「へー……優しい人なんだね」



泰葉「と言っても……私たちと同じくらいの女の子だったんだけど」



加蓮「うん、背が高くて、髪の毛長いのにつやつやしてて……とっても綺麗な娘だったよ」

李衣菜「ふーん……なんだか話聞く限りだと、Pさんがアイドルとしてスカウトしそうな娘だね」



泰葉「……あー……」



加蓮「あり得る……」



李衣菜「あ、あはは……まぁ、今度お礼しに行かないと。っけほ、風邪治してからだけどさ」



泰葉「そうね。行きましょうか」クス



加蓮「ふふ、もっといろいろ話してみたいしね」

李衣菜「うんっ。よし、次の予定も決まったし、ぱぱっと治すぞー」



加蓮「はいはい、それじゃ目を瞑って寝るに限るー」



李衣菜「はーいっ」



泰葉「くすくす、来たときと元気に差がありすぎて……♪」



李衣菜「えへへ、二人が来てくれたおかげっ。……げほっごほっ!」

加蓮「あーもう、言ったそばから……!」



李衣菜「ごめ、っけふ、ごほっ」



泰葉「ちょっと無理させちゃったかな……。――加蓮、そろそろ」



加蓮「ん、だね。じゃあ李衣菜、今度は事務所でね?」



李衣菜「けほ……うん、またね。今日はほんとにありがとう」

泰葉「ふふ、こちらこそ。こんなに弱々しい李衣菜は初めてだったし、ね?」



加蓮「ねっ。お見舞いするのも楽しいかも♪」



李衣菜「う〜……治ったら覚えてなよぉ」



加蓮「ふふ♪ じゃあね、『りいちゃん』!」



泰葉「ばいばい『りいちゃん』♪」

李衣菜「ちょ……!? その呼び方――!」



加蓮「えー、呼び方? なんのこと〜♪」



泰葉「それじゃ、お大事にっ。ふふっ♪」



李衣菜「ま、待っt」





ばたんっ





李衣菜「な、なんで……」



李衣菜「……あ、」





李衣菜「お、おかーさんんっっ!?」



がちゃっ!





母「り、りいちゃん!? どうしたの大きな声出して?」



李衣菜「どうしたのじゃないよっ、また人前でりいちゃんってげほごほげふぅっ!」



母「あ、あらあら……でもいいじゃない、可愛らしくて♪」サスサス



李衣菜「げっほ、ごほ! うぅ、絶対しばらくイジられるよぉ……!」



母「うふふ♪」





―――



――









―――後日、ライブ会場





李衣菜「――さぁ、泰葉、加蓮。もうすぐ出番だよ。いける?」





泰葉「ええ、大丈夫」コクッ



加蓮「うん、いつでもいけるよ」グッ



李衣菜「よぉし、それじゃ……全力で楽しもうね!」



泰葉・加蓮「「うんっ!」」

P「よ。気合い入ってるな」ヒョコ



加蓮「あ、プロデューサー。うん、だって初めてクライマックスを任せられたんだもの!」



泰葉「ふふ……緊張もありますけど、それ以上に楽しみですから」



P「おー……。励ましに来たつもりだけど、いらない心配だったかな」



李衣菜「へへ、そんなことないですって。プロデューサーが来てくれて心強いですよ」

P「はは、そっか。李衣菜も病み上がりからレッスン続きだったけど、大丈夫か?」



李衣菜「あはは……まぁ自分のせいですし。ロックにも休息は必要だったってことで!」



泰葉「ふふ。李衣菜が元気になって本当に良かった」



加蓮「ね。もう、もっと忙しくないときに風邪になってよね」



李衣菜「む、無茶言わないでよ……」

加蓮「……ま、李衣菜がいないと締まらないし。今回のライブに参加できてほっとした」プイ



李衣菜「はいはい、ごめんごめん……」





P「素直じゃないなぁ」



泰葉「ふふっ、ですね……♪」



加蓮「そ、そこうるさい!」

P「――おっと、そろそろ待機しないとな。悪い、長々と」



李衣菜「いえいえ。じゃあ、行ってきますっ」



泰葉「プロデューサーも見ててくださいねっ」



加蓮「私たちのステージ、見ててね!」



P「おう!」





李衣菜「頑張るぞーっ!」



「「「おーっ♪」」」





わぁぁぁぁあああああああっ……!!





―――



――









―――また別の日





李衣菜「えへへ、ライブ楽しかったなぁ……♪」ルンルン





ちひろ「あ、りいちゃん。ここにいたんですね♪」



李衣菜「!?」

ちひろ「どうしました、りいちゃん?」



李衣菜「な、なっ、ななな……なんでちひろさん、そのあだ名をっ!?!?」



ちひろ「え? だって泰葉ちゃんと加蓮ちゃんが、そう呼べば喜ぶって……」





李衣菜「……二人ともどこいったあああああっ!!!」







おわり



22:30│モバマス 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: