2015年03月31日

P「伊織が露骨に嫌がる顔が癖になる」




小鳥「プロデューサーさん」



P「はい?」





小鳥「プロデューサーさんは765プロにとってかけがえのない人です



P「はぁ」



小鳥「皆にも、私にも優しいし、仕事もとってきますし、本当にとっても良い人だと思うんですけど……」



P「けど?」



小鳥「……ひとつだけ……ひとつだけ!! 言わなきゃって思う事があるんです!!」



P「あー……すいません、音無さん、僕、アラサーはちょっとギリギリ三塁線抜けるんですよ」



小鳥「守備範囲を絶妙に抜ける技巧派年齢みたいな言い方やめてくれません? 違いますよ!! 告白とかそう言うんじゃなくて!!」



P「え? じゃあ何ですか?」



小鳥「プロデューサーさん、伊織ちゃんにだけ厳しすぎません!?」



P「え?」



小鳥「プロデューサーさんがメインでプロデュースしているアイドルで実績だって家で一番ですが、他の子に比べて伊織ちゃんへの当りが厳しすぎるように思うんです」



P「……………………ソレ、気付いちゃいました?」



小鳥「気づきますよ! こっちとしては可哀そうで見てられないんですよ、正直」



P「……まぁ、伊織には特別厳しく接してる事は事実です、ですが、それは」



小鳥「伊織ちゃんのためを思っての事、それは解っていますが……」



P「僕の趣味で……仕方なく」



小鳥「それにしても伊織ちゃんが可哀そうで……って、え? は? 何て?」



P「僕の、趣味で、仕方なく」



小鳥「…………ど、どう言う事です?」



P「音無さん、僕ね? ……伊織が露骨に嫌がる顔が、好きでたまらないんです」







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小鳥「あら、いやだわ、病院呼ばないと、違うか、警察か」ガチャ



P「いやいや、解るでしょ? 解りませんか?」



小鳥「解りませんね」



P「違うんですよ、嫌がる顔じゃなくて、露骨に! 露骨に嫌がる顔です!!」



小鳥「どちらにせよ警察か脳の病院ですよねぇ」



P「伊織に悪い事をしているって言うのは理解しているんです!! 悔恨の情で身体が爆発するかもって思う程に!!!!」



小鳥「じゃあ何で?」



P「……きっかけは、些細な事でした」



小鳥「その過去編、私が110番押し切るまでに話せます?」



P「ちょっと待って下さい!!!!」



小鳥「いやぁ、ギリギリですよ? ギリギリ通報の手を止めているんですからね? なるべく端的にその話切り上げてもらえます?」



P「まだ駆け出しのアイドルだった伊織に、誇り高い伊織には似つかわしくない仕事をとってきた時、本当は嫌だけど、せっかくとってきた仕事だし……みたいな曇った表情に欲情しました、それがきっかけです!!」



小鳥「うっっっっわ」



P「いや!! まぁ!! うん!! そのリアクション、解ります!! 解りますけどね!?」



小鳥「目先の仕事よりも一人の少女の幸せを私は選びますね?」ピピポ



P「ちょ!!」





ガチャ





伊織「ただいま戻りましたー」



P・小鳥「!!」











小鳥「おかえりなさい、伊織ちゃん」



伊織「ただいま、小鳥」



P「おい、伊織、ちょっとこい」



伊織「…………何よ」



P「どこほっつき歩いてた」



伊織「どこだって良いでしょ? アンタには関係無いんだし」



P「俺としてもお前がどこ行ってようが全く興味無いが、商品が勝手な事するのは困るからな」



伊織「……っっ!! …………クレープ、買いにいってただけよ」



P「ふん、食い過ぎて太るなよ……下がって良し」



伊織「…………何様のつもりよ」



P「あ?」



伊織「何でもないわよっっ!!」





ガチャ



バタンッッッッ!!!!





P「……」



小鳥「……」





P「あああああぁあぁああぁああごめんよぉぉおおおぉぉぉお伊織ぃぃぃいいいい」



小鳥「お前マジで何やってんだよ!!!!」



P「キツイ……超ツライ……でも、あぁ……あの顔……下唇噛んでたなぁ、めっちゃ可愛い……」



小鳥「変態の拗らせ方がギネス級ですね」



P「でも……解りません? あの顔の良さ」





小鳥「…………まぁ、正直、可愛いかった、超可愛いかった」





P「でしょ!?」



小鳥「でも!! あまりにも伊織ちゃんが可哀そうでしょ!!」



P「ですよねぇ……俺、完全に嫌われてるし…………はぁ……ツライ」



小鳥「ハードモード過ぎるだろコイツの愛情表現」











伊織「…………」





伊織「何よ……」





伊織「小鳥にもお土産にって買ってきたのに……」





伊織「もう……事務所に戻りたく無いし……」





伊織「……【二つ】も……無駄にしちゃったじゃない……っ」





伊織「」グスッ











小鳥「う〜〜む……」



P「…………はぁ、嫌な顔する伊織、可愛い、けどツライ」



小鳥「あ、そうだ、そうですよ!!」



P「何か思いつきました? その鳥のような脳みそで!?」



小鳥「さっきからちょいちょい私にだけ失礼ですけど今は置いといて、北風と太陽ですよ」



P「どう言う事ですか?」



小鳥「今までのプロデューサーさんは完全に北風で伊織ちゃんの嫌な顔を見てきたじゃないですか?」



P「風当りって意味では、まぁ」



小鳥「逆に、もう滅茶苦茶可愛がるんですよ、伊織ちゃんが嫌がるくらい!」



P「え、でも……急にそんな……恥ずかしい……」



小鳥「ここでその本気のキモさ要らないですから



P「いやぁ〜〜でも実際急に態度変えると伊織の仕事にも支障をきたすかもしれないし……」



小鳥「今のままよりは5億倍マシですよ! それにコレであればプロデューサーさんの伊織ちゃんを好きと言う気持ちと、性格破綻者のような性癖も満たせますし」



P「ん〜〜…………」



小鳥「じょじょに慣らして行く感じですよ、プロデューサーさんもこのままじゃダメだって思っているんでしょ?」



P「まぁ……ええ、そうですね」



小鳥「じゃあ、まずはやってみる!! お膳立てはしてあげますから」



P「じゃあ、まぁ……はい」









小鳥『良いですか? ココに伊織ちゃんの好きなオレンジジュースがあります、これをさりげなくコップに入れて差し出す、簡単でしょ?』



P『ええ? それのどこで伊織の露骨に嫌な顔見るんです?』



小鳥『マリオカートの裏ワザじゃねぇんだよ!! イキナリゴールにたどり着こうとすんじゃなくて、徐々にです、徐々に!』



P『じゃあ、やってみます』



小鳥『私はいつもの3カメで見てますから、応援してますよ!』



P『いつもの3カメとかサラッと事務所中隠し撮りしてる事実言うのやめてくれませんか?』







P「……」



伊織「……」





伊織「……」(アイツしか居ないの……?)



P「……」スクッ



伊織「?」



P「……」ガチャ



伊織「……」(なんだ、喉が渇いただけなのね……)



P「……」カチャカチャ



伊織「……」(え? 私のコップと、ソレって、私の好きなオレンジジュースじゃ?)



P「……」トクトクトクトク



伊織「……」(え? まさか? 私のために注いでくれてるの? う、嘘でしょ?)



P「……伊織」





伊織「な、何よ?」ドキドキドキドキ





P「…………っ」





伊織「???」ドキドキドキドキ





P「…………っっ!!!!」グビグビグビグビグビグビグビ!!!!





伊織「あーーーー!!!! ちょ!! 私のコップで何やってんのよ!!!!」





P「…………」





伊織「……何……やってんのよ」





P「……っ」ゲェフ





伊織「っっ」イッッッッラァァアア!!!!









小鳥「頭のコンデンサが液漏れでもしてんですか? プロデューサーさん」



P「めっちゃ嫌な顔されました、眉間の皺がグレートキャニオンかってくらい、超可愛いかった」



小鳥「もうアレは厳しく接するじゃなくて、ただの嫌がらせを通り越して、頭のおかしな人ですからね? 殴られてもおかしく無いんですからね?」



P「そう言えば伊織に「あ、殴られる」と思った事は何度もあるけど、実際殴られた事は無いんですよね……残念な事に」



小鳥「その新たな性癖の暴露は私的には1ミクロンも要らなかったんですけど、ちゃんとやってくれませんか?」



P「もう、どうしたら嫌な顔してくれるだろうか? って言う思考しか働かなかったです」



小鳥「じゃあ……もう、急にスキンシップとってみれば良いんじゃないですか?」



P「πタッチを!? 急に!?」



小鳥「プロデューサーさんはシナプスからバカなんですか? したらノンタイムで警察を呼びますからね?」



P「え? じゃあスキンシップって?」



小鳥「たとえばこう、手に触れてみるとか、頭を撫でてみるとか」



P「それが、どう嫌な顔に繋がるんですか?」



小鳥「これだけ嫌われてる人間に触られるってだけで嫌でしょ?」





P「天才かっっっっ」





小鳥「ただし!! 先ほども言った通り! やりすぎたらマジで法的手段とりますからね!?」



P「それはもう、わきまえてますよ、音無さん」ナデリ



小鳥「あ、マジで嫌なんでやめてください」



P「……あ、音無さんのその顔も結構良い」











P「伊織」



伊織「……何よ?」



P「…………」



伊織「…………何よ?」



P「…………」スッ



伊織「」ビクッ!!



P「…………」



伊織「な、何よ!? 手だけは出さないって信じてたのよ!?」



P「…………」



伊織「……〜〜っっ」ビクビク



P「……っ」スッ



伊織「……え?」



P「……」ナデナデ



伊織「……っ!!」





バシッ!!!!





P「!?」



伊織「何のつもりよ!!!!」



P「な、何がだ」



伊織「何のつもりだって……っっ!!!! 言ってるのよっっ!!!!!!」



P「……い、いや」



伊織「優しくなんてしないでよ……っ!! 優しくなんて!!!!」



P「伊織」



伊織「バカっ!!!!」





パンッ!!!!!!





P「え…………」



伊織「っっ!!!!」









伊織「こんな事されたら!! 私の我慢とか!! 辛抱とか……プライドとか!!」



P「何を……」



伊織「信じられない!! 解る!? 今の私の気持ち!!!! やめてよ!! 踏みにじらないでよ!!!!」



P「どういう……」



伊織「特別なの!! アンタのソレは私にとって特別なの!!!! やめてよ! 他の子のようにしないでよ!!」



P「……」



伊織「だってそれじゃあ……何でアンタに冷たくされたのか……解らないじゃないっ」



P「!!」



伊織「アンタを嫌うのは、私にとって特別だったの……私の誇りで、プライドで……あぁもう!! こんな事!! 絶対言いたくなかったのに、何なのよっっ!!!! 何なのよアンタは!!!!」



P「伊織」



伊織「だったら……最初からそうしてくれれば……どれだけ…………」



P(言えねぇ)



伊織「私の特別がアンタだったように……アンタの特別が私だって信じてたのに!!!!」



P(嫌がる顔が見たいから何て)



伊織「もうアンタの特別は私じゃなくなったって言うの!?」



P(絶対言えねぇ雰囲気だ……)ダラダラダラダラ











P「…………伊織……正直に言う」



伊織「」グスッ



P「我慢が出来なかった」



伊織「が、まん?」



P「伊織が気付いているように、僕は伊織に特別厳しくしていた」



伊織「……うん」



P「それはな?」



伊織「うん」



P「お前の、僕を嫌がる顔が好きだからだ」



伊織「……ん?」



P「好きなんだ!! お前の「こいつ……マジか」みたいな顔が!! たまらなく好きなんだ!! だから冷たくして!! 突き放してたんだ!! お前の僕を露骨に嫌がる顔が見たいがために!!!!」



伊織「…………」



P「軽蔑したろ? もっと深い、お前を思いやる、そんな理由があると思ったろ? でも違う、僕は、お前の、嫌がる顔が、見たい、だけ!! それだけでお前に冷たくしてたんだ!!」



伊織「…………」



P「さぁ!!!! もう最後だろ!? 見せてくれよ!! 僕を失意の底に叩き落とすような目を向けてくれ!! 頼むよ!!!!」



伊織「……嫌よ」



P「え?」



伊織「そんな事言われたら、なおさらそんな顔してあげない」



P「そんな!!」



伊織「だから私はアンタに笑顔を向けてあげる事にするわ」



P「え、笑顔?」





伊織「好きよ、プロデューサー」ニコッ











P「おい伊織」



伊織「何かしら?」ニコニコ



P「……その気持ち悪い笑顔をやめろ」



伊織「嫌だけど?」ニコニコ



P「お願いだよ伊織!! 蔑んでくれ!! 俺に向かって嫌な顔をしてくれ!! 頼む!!!!」



伊織「いーやーよー、どんな嫌な事されても笑顔で返してあげるわ」



P「そんな!! お願いだよぉ伊織ぃ!!!! 」



伊織「あぁ……その顔……可愛いわよ、プロデューサー」ゾクゾクッ





小鳥「何だこいつら」





P「くそ!! とんだモンスターを目覚めさせてしまったっっ!! 何てことだ!!」



伊織「じゃあ、アンタが喜びそうな事、言ってあげようか?」



P「え!? ほんと!?」



伊織「気持ち悪い、プロデューサー」ニコリッ



P「言葉は合ってるけど、顔があってないよぉぉおおおおお!!!!」



伊織「はぁああああああん///」ゾクゾク





小鳥「お互いが好きって事も、元から似た者同士だって事だったのね」





P「伊織、今日の昼飯はキムチ牛丼な」



伊織「え……」





P「いよっしゃーー!!!! 頂きましたぁああああああ!!!!!!」





伊織「あ!! ず、ズルいわよ!!!! プロデューサー!!!!!!」





P「やっぱり伊織のあの顔、堪らないなぁ……」





伊織「……あのね? 前から思っていたんだけど」





P「ん?」





伊織「プロデューサーが露骨に嬉しがる顔、私、好き」



おわり





23:30│水瀬伊織 
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