2015年04月16日

芳乃「赤ずきんの練習をするのでしてー」

芳乃「ゆえにーそなたにも手伝っていただきたくー」



P「おっ、やる気だな。いいぞー、何したらいいんだ?」



芳乃「ばば様のおうちにたどり着いたあとのシーンを練習しませー。おおかみ役をお頼みしますー」





P「ん? それなら愛海と練習したらいいんじゃないのか」



芳乃「……」



P「芳乃?」



芳乃「愛海殿はー……もうー……」



P「えっ」



芳乃「というわけでしてー。早速こちらへー、ほらほらー」



P「ちょっと待って愛海に何かあったの? 何があったの!?」



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芳乃「ここで練習するのでしてー」



P「仮眠室……まあ狼がおばあさんの格好で寝てるふりして油断を誘うシーンだけど」



芳乃「そなたには横たわっておおかみさんの台詞を言っていただければー」



P「わかったよ。さすがに台本通りには無理だから狼っぽいこと言うぞ」



芳乃「でははじまりはじまりー」ガチャッ



P「ん、どうして鍵をかけたの?」



芳乃「ねーねーばば様ー」



P「どうして鍵をかけたの!?」



芳乃「戸締りは大切なのでしてー。ばば様に何かあったら困りますー」



P「アドリブで返されても……ま、まあいいか。偉いねえ赤ずきん」



芳乃「ふふー」



P「あらかわいい」

芳乃「ねーねーばば様ー」



P「どうしたんだい? 赤ずきんや」



芳乃「ばば様のおみみはどうしてそんなに大きいのでしてー?」



P「お前の声がよく聞こえるようにだよ」



芳乃「どんな声でしてー?」



P「えっ」



芳乃「ばば様がそんなに聞きたがるわたくしの声はいったいどのような声でしてー?」



P「……」



芳乃「ばば様ー?」



P「えっと……ひとたび聞けば心が洗われるかのような透き通った声だよ!」



芳乃「もっと」



P「もっと!? い……いつも側で聞いていたくなるかわいらしい声だよ!」



芳乃「ふふー」



P「あらかわいい」

芳乃「ねーねーばば様ー」



P「……どうしたんだい? 赤ずきんや」



芳乃「ばば様のおめめはどうしてそんなに大きいのでしてー?」



P「お前のことをよく見るためだよ」



芳乃「わたくしのどんなところを見るためでしてー?」



P「えっ」



芳乃「わたくしのどんなところを見るためでしてー?」



P「……」



芳乃「わたくしの」



P「あー、うー……お前のかわいい顔をよく見るためだよ!」



芳乃「他にはー」



P「他に!? えー、他に……お前の面倒をよく見るためだよ!」



芳乃「おー。お布団一枚」



P(許された……)



芳乃「それはさておきー、わたくしのー」



P(許されなかった……)

芳乃「ねーねーばば様ー」



P「……」



芳乃「ばば様ー?」



P「なんだい赤ずきんや」



芳乃「ばば様のおててはどうしてそんなに大きいのでしてー?」



P「かわいいお前の頭をなでるため? だよ」



芳乃「……」



P「赤ずきん?」



芳乃「ばば様ー。わたくしの頭はここでしてー」



P「うん。大きい目のおかげでよーく見えるよ」



芳乃「……」



P「……」



芳乃「ここなのでしてー」



P「そうだねえ」



芳乃「……」



P「……」



芳乃「……ばば様はわたくしのことがかわいくないのですねー」



P「!? そ、そんなことないよ。ほーらこっちおいで」ナデナデ



芳乃「ふふー。ばば様のおてては大きくて温かくて気持ちいいのでしてー」



P「あーくっそかわいいなこいつ」ナデナデ

芳乃「ねーねーばば様ー」



P「……なんだい赤ずきんや」



芳乃「ばば様のおくちはどうしてそんなに大きいのでしてー?」



P「それはね……お前のことを食べるためだよ!」



芳乃「あーれー」ヌギヌギ



P「ちょっ!? どうして脱ぐんだい!?」



芳乃「ばば様がわたくしのことを食べやすいようにするためでしてー」



P「いやそんな悠長な……」



芳乃「食べないのでして?」



P「食べるけどさ……一飲みにしてゆっくり消化するけどさ。これ練習だしわざわざ服脱ぐ余裕のある赤ずきんなんて知らん」



芳乃「……」ヌギヌギ



P「だから脱ぐなっての」



芳乃「ばば様がわたくしを食べたくなるようにするためでしてー」



P「食べないから」



芳乃「どうしてもー?」



P「どうしても」



芳乃「どうしたらー?」



P「どうしたら? どう……ってどうあろうが食べられないって」



芳乃「……むー」



P「そんなこわい、こわくないな、かわいい顔してもだめ」



芳乃「それならばー。わたくしにも考えがありましてー」



P「ほーう? どんな?」



芳乃「そんなわるいばば様のことなんか食べちゃうのでしてー」



P「ほうほう……ん?」



芳乃「ではー」ガブッ ガブガブガブガブッ



P「」

P「うわああああああああああああ!!!!」ガバッ



P「はぁ……はぁ……あれ、俺の部屋……? 夢でも見てたのか?」



??「んー……どうかされましてー……?」



P「ひっ!? ……なんだ芳乃か。うーん、悪い夢でも見てたらしい」



芳乃「凄い汗なのでしてー。よしよし、かわいそうにー」



P「うん……ところで芳乃」



芳乃「なんでしてー?」



P「どうして芳乃は一人暮らしの俺の部屋で、同じベッドで寝ているの?」



芳乃「そなたにまとわりつく悪い気の持ち主から守護するためでしてー」



P「……。じゃあ、どうして芳乃は一糸纏わぬ姿なの?」



芳乃「……。ふふー♪」



P「あらかわいい」







劇終



17:30│依田芳乃 
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