2014年01月30日

亜里沙「夢のなか」

モバマスSSですよー。


P「あっ、亜里沙さん」


亜里沙「はぁ〜い、なんでしょう、Pくん」

P「スケジュールなんですけど、実は一日、どうしても埋まらなくって……」

亜里沙「あら、そうなの?」

P「で、で、ですね。俺も、その日、一日空いちゃってるんですよね」

亜里沙「えっ」

P「せっかくだから、ちょっと遊びに行くとか、どうかなぁ〜……って」

亜里沙「行きます! 行く行く!」

亜里沙「(ウサー!)」

P「は、はい」

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――動物園。

P「こんなところでいいんですか」

亜里沙「いいんです!」

亜里沙「えへへ〜、本物のウサギちゃんを見にいきますよぉ」テコテコ

P「は、はい」

亜里沙「でも、小動物コーナーまではちょっと距離があるわね」

P「じっくり見て行きましょうよ」

亜里沙「そうですね」

亜里沙「それじゃごーごー」
亜里沙「あ、ほらほら、パンダさんですよぉ」

P「おお、白いですね」

亜里沙「あそこは黒いですよ?」

P「白黒ですね」

亜里沙「黒白かもしれませんよぉ」

P「これは難問ですね」

亜里沙「ふふっ」


P「おお、アライグマ。あ、コアラ」

亜里沙「そういえば、みりあちゃんや仁奈ちゃんを思い出しますね」

P「そうですねー。動物モチーフの衣装はやっぱり鉄板ですよ」

P「動物ってだけでテンションあがりますからね」

亜里沙「Pくんは何が好きなの?」

P「やっぱりペンギンですかね」

亜里沙「……鳥?」

P「なんか表情が少ないほうが好きなんですよね」

P「表情豊かだと、逆に相手が嫌〜ってのもすぐ分かるじゃないですか」

亜里沙「……Pくん、怖がり屋さんなのねぇ」

P「そうかなぁ」
亜里沙「ウサギさんもそうだけど、ちゃんと見てると、ペンギンさんも表情豊かだと思いますよ」

P「うーん、そうなのかな」

亜里沙「そうですよぉ、でも、そのためにはちゃんと、見ないとね」

P「なるほど、プロデュースと同じですね」

亜里沙「おなじ……なの?」

P「ええまあ。アイドルも、そのぉ、パッと見で何を考えているのかよう、分からない娘もいるじゃないですか」

P「あとはその、意外と見た目と違って怖かったり、逆に優しかったり……」

P「いろんな顔を持ってるのは、誰でもそうだから」

亜里沙「そっかぁ」
亜里沙「ちなみに、先生は怖い? 優しい?」

P「両方かなぁ」

亜里沙「両方……」

P「でも、どっちかって言うと、亜里沙さんも怖がり屋ですよね?」

亜里沙「うっ」

P「結構、これでいいの、とか、これで合ってるの、とか、聞いてきたり」

亜里沙「ううっ」

P「初めてやる仕事は結構おっかなびっくりで、いっぱい練習してから……」

亜里沙「むー!」ぼふぼふ

P「あ、イテテ」
亜里沙「あっ、ペンギンさんのお散歩」

P「おー、テチテチ歩いてる」

亜里沙「かわいいですねぇ」

P「子どもみたいな?」

亜里沙「ふふ、子どもはもっと表情豊かですよ?」

P「……意地悪言わんでください」

亜里沙「餌とか上げられるのかしら」

P「餌タイムは、飼育員さんがやるみたいですね」

亜里沙「じゃ、時間があったらまた来ましょう!」

P「そうですね」
P「亜里沙さん、アイス買ってきましょうか、アイス」

亜里沙「ええ、いいんですか?」

P「もちろんですよ、ちょっと疲れたんで、ベンチに座ってて」

亜里沙「だ〜め」

P「え?」

亜里沙「一緒に買いに行きましょ♪」

P「あ、そ、そうですね」

亜里沙「Pくん、お膳立てするだけが、人が喜ぶことじゃないのよぉ?」

P「ん……そうですね」
P「俺、仕事がプロデュースだからか、自分で先に整えちゃうみたいで」

P「それって良くないことですかね」

亜里沙「ううん、そんなことないわ」

亜里沙「でも、おいしいものを一緒に食べたいって思ったら、そうしたくなるでしょ?」

P「そうですね」

亜里沙「それと同じに食べる前から、一緒にお店に並ぶのも嬉しい、って気持ちもあるのよ」

P「……そうか」

亜里沙「ふふ、先生、歌を聞いてもらうより、みんなと一緒に歌える方が好きなんですよぉ」

亜里沙「だから、ね」

P「あーなるほど」
亜里沙「おいしい!」

P「なんかサボテンの汁が入ってるみたいですよ」

亜里沙「サボテンの味はしませんけど」

P「おいしいですね」

亜里沙「でもちょっと甘すぎるかしら?」ペロペロ

P「うちは甘いもの好きなやつ多いですからね……」

亜里沙「なんでもほどほどにして上げる方がいいのよね、本当は」

亜里沙「あまり強いものばかりだとみんな、疲れちゃうから……」

P「そうかな」
P「でも亜里沙さんもキャラは強かったですよ」

亜里沙「え?」

P「いや、まさか急にウサコちゃんを取り出して『はーい、ウサコちゃんとおうたを歌いましょうねぇ♪』ってやりだすとは」

亜里沙「こ、子どもたちには受けてましたので」

P「いや、俺も好きですよ」

亜里沙「え」

P「ウサコちゃん」

亜里沙「……ふふっ、ウサコちゃんも喜んでます」

亜里沙「(Pちゃんはなかなか見る目があるウサ!)」

P「褒められた」
亜里沙「先生はでも、キャラが強いとかじゃなくって、みんなに喜んでもらえたらいいな」

亜里沙「ううん、みんなで楽しめたらいいなって思うわ」

P「みんなで……か」

亜里沙「夢みたいな話だと思う?」

P「いいや、夢なんかじゃなくって、そういうのはアリだと思います」

P「あー、その、プロデューサーとしてもって意味で」

亜里沙「そう?」

P「そうですよ、カッコイイだけじゃなくって、誰でも楽しいな、好きだなって言えるのは、本物のアイドルでしょう」

P「その人と一緒に歌える、か。うん、いいですね」

亜里沙「ふふふ」
P「あ、すみません、なんか仕事のことばっかり考えちゃって」

亜里沙「大丈夫よ、先生、仕事モードのPくんはかっこよくて素敵だから」

P「そ、そうですか。自分じゃ分かりませんけど」

P「ん? 仕事以外は?」

亜里沙「仕事以外だとちょ〜っと頼りないかしら」

P「ど、どのへんがですか」

亜里沙「ちゃんとご飯たべなかったりとか、お洗濯ためちゃったりとか」

P「な、なんで知って……あ、いや、自分でぼやいてるからか」

亜里沙「おねえさんがお家に行ってあげましょうか」

P「それは駄目ですよ、アイドルなんだし、家政婦みたいな……」

亜里沙「じゃあ、ちゃんと一人でやらないとダメですよ♪」

P「う」
――ふれあいコーナー。

P「おー! ウサギちゃん」

亜里沙「あ、Pくん、ダメダメ」

P「なんですか?」

亜里沙「やっぱり、知らない人に追いかけられたらストレスになっちゃいますからね」

P「え、でも」

亜里沙「Pくんが急に話しかけてきたら、女の子もびっくりしちゃうでしょう?」

P(俺、そんなに怖いのかな……)

亜里沙「こうやってしゃがんで……」

P「はいはい」

亜里沙「近寄ってきたりした仔を、様子を見ながら、やさしくなでなで」なでなで

P「おお、なるほど」
亜里沙「無理やり抱きかかえたりも、良くないんですよ」

P「ふむ……なるほど」

亜里沙「分かりましたかぁ?」

子ども『はぁい』

亜里沙「みんな、自分がされたら怖いことはやっちゃめっ、ですよぉ」

子ども『はぁ〜い』

P「いつの間にか飼育係さんのように」

亜里沙「かわいい〜♪」

P「そうですねぇ」

P(亜里沙さんも)
――消毒後。

亜里沙「ほらほら、Pくん、世界のウサギ資料ファイルが」

P「こんなものもあるのか」

亜里沙「きゃー、毛がもっさもっさ」

P(イングリッシュアンゴラか……毛がもふぁっとしてるな)

P(毛糸の原料用に改良されたのか……兎は原料……)

亜里沙「あっ、目が大きい!」

P(ドワーフホトか……目の周りが黒で縁取りされているな……)

亜里沙「たれ耳ウサギちゃんだ」

P(フレンチロップイヤーか……大きな種で力も強い……)

亜里沙「うわぁ、すごい大きいですねぇ♪」

P(フレミッシュジャイアントか……さすがにでかいな……)

P(ウサギ界のきらりみたいな感じか……?)

P「ん、し、食用!?」

亜里沙「元々は食用なんですって」
P「いろんなウサギがいますね」

亜里沙「ウサコちゃんも、たまには垂れ耳にしてみようかしら?」

P「ウサコちゃんは何種なんですか?」

亜里沙「えーっと、ウサコ種……かな?」

P「固有種?」

亜里沙「ウサコちゃんはお洋服も着れるんですよぉ」

P「そういえばそうですね」

亜里沙「でも、新しくお友達を作って二刀流で……いや、二兎流で……」

P「二兎流!?」
亜里沙「お昼ごはんはサンドイッチですよぉ」

亜里沙「無添加ハムと手作りマヨネーズの」

P(ウサギミートとか言い出さなくて良かった……)

P「わざわざ作ってきてくださったんですか」

P「別に買ってきても良かったのに」

亜里沙「一緒に遊ぶなら、やっぱりバスケットにサンドイッチを持って、って夢じゃない」

P「そういうものなのかな。あ、いただきます」

亜里沙「いただきま〜す♪」

P「……ん、うまい!」

亜里沙「えへへ」
P「亜里沙さんは何でも出来るなぁ」

亜里沙「そうですか?」

P「いいお嫁さんになれますよ」

亜里沙「アイドルには?」

P「全部なれます」

亜里沙「適当に言ってぇ」ギュー

P「あいててて」

亜里沙「……でも本当は」

P「はい?」

亜里沙「お料理もお洗濯も、歌もダンスも、人一倍練習しなくっちゃうまく出来なかったから」

P「……」

亜里沙「Pくんの言ったみたいに、やっぱり、いっぱい練習しなくちゃ、ダメね」
亜里沙「これだって、自分で食べる分にはいいけど、Pくんが喜んでくれるかなって」

亜里沙「ちょっと不安だったかな」

P「……」

亜里沙「ふふー、先生、ほんとに怖がり屋ね」

P「いいじゃないですか」

P「これほんとおいしいですよ!」むぐむぐ

P「これくらいになるまで練習出来るのは、やっぱり亜里沙さんのちからですよ」

亜里沙「そうかしら?」

P「そうそう」

亜里沙「Pくんが褒めてくれるから、頑張っちゃうってところも、あると思うんだけどなあ〜」

P「俺? 俺は、その、別に……」

P「他の娘のプロデュースもあって、その……」ムニャムニャ

亜里沙「いいの」
P「でも、それこそ、レッスンでも楽しみたいですよね」

P「杏とか、仕事もそうだけどレッスンも嫌がるし……」

亜里沙「でも、杏ちゃんは出来てるからいいんじゃないかしら?」

亜里沙「プロデューサーさん的には」

P「いやいや! やっぱりね、自分が成長した! とか達成した! とかが必要なんですよ、人間」

P「杏の場合はあのスタイルでいろいろやらせてできちゃうから、余計につまらないんじゃないかなって」

P「もっと、いろんなことを面白くしてあげられたらなぁ……」

亜里沙「……」ジーッ

P「ど、どうしました」

亜里沙「やっぱり、Pくん、かっこいいな」

P「ほ、褒めても何もでませんよ」
――夕方。

亜里沙「んーっ、これで大体見回りましたねっ」のびー

P「帰りますか、そうしたら」

亜里沙「あ、えーっと」

P「一応明日の予定をチェックして」

亜里沙「Pくん、夜のお食事は」

P「あ、ああ、うち帰って適当に……」

亜里沙「もう〜、一日お休みなんだから、まだ一日残ってるじゃない」

P「い、いや、それはその」

亜里沙「……仕事が気になるなら、事務所に戻る?」

P「……すみません」

亜里沙「疲れちゃったら電車の途中で寝ちゃってもいいですからねっ」
ガタンゴトン、ガタン……

亜里沙「Pくん、今度のお仕事なんだけど……」

P「ああ、いよいよですね。全国版の歌のおねえさん」

亜里沙「ええ。でも、先生、やっぱり歌のおにいさんも必要だと思うんですよぉ」

P「……体操のおにいさんでは?」

亜里沙「歌のおにいさんもいますよ」

P「うーん、そうか」

亜里沙「だから……Pくんと一緒にやりたいなぁって」

P「ぶほっ」
亜里沙「ダメ?」

P「だ、ダメも何も、俺はプロデューサーですよ!」

亜里沙「一緒に楽しみたいなぁ、面白くしたいなぁって」

P「そ、それはその、間違ってないですけど……」

亜里沙「Pくん、声はいいんだから、いけますよぉ」

P「うーん、でも、歌がうまいわけじゃないし」

亜里沙「いっぱい、練習すればいいんですっ」

P「うっ、そうか」

亜里沙「Pくんだって、小さい頃に聞いた歌、たくさんあるでしょう?」

P「ああ、はいはい」
P「アイアイとか」

亜里沙「あなたとこいするために?」

P「それ違うやつでしょ」

P「あとは……虫歯建設株式会社とか」

亜里沙「ああ、面白いですねぇ」

P「そうか、歌のおにいさんで俺もデビューか」

亜里沙「やる気になりました?」

P「いやいや、今からオーディション受けるの無理ですから……」
P「ん、ふぁ」

亜里沙「ん、はい。肩寄せて、いいですよっ」

P「す、すみません」

亜里沙「……たーりーら、らーりーら、たらーららら〜♪」

P「あ、聞いたことある……」

亜里沙「ふふふふ〜ん」

P「……」

亜里沙「……Pくん、寝ちゃいました?」

P「……」すー、すー

亜里沙「……」

亜里沙「ふふ、寝てる」

亜里沙「……Pくん、ありがとうね」

亜里沙「私をここまで、連れてきてくれて」
亜里沙(私は、ただの歌が好きなおねえさん)

亜里沙(ウサコちゃんと一緒に、子どもたちと好きな歌をうたって)

亜里沙(それから、踊りも踊って、一緒に遊ぶのが好きなだけの先生だったのに)

亜里沙(Pくんにスカウトされてから大忙しで……)

亜里沙(あっ、うそうそ、暇な時もあったわ)

亜里沙「えへへ……」

亜里沙「まるで、夢のなかにいるみたいなのよ」

亜里沙「でもきっと、これは、明日につながる夢」

亜里沙「そうでしょう?」

おしまい
亜里沙Pならガチャ来たら書かなきゃ
あ、ちゃんと爆死しました
亜里沙さんにCVついてジュエリーズ出たらこれとお針子の唄リクエストするんだ…
早く言っておくれよ(ヽ'ω`)

08:30│持田亜里沙 
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