2015年04月22日

塩見周子「看板娘」




 「――おや。ここらじゃとんと見かけないような優男だねぇ」







目蓋を閉じて、咥えたままの煙管を吸う。

くぐもったバニラの香りを数瞬留めて、それからふっと吹き出した。

煙が見えなくなると、煙管を揃いの皿へ据え置く。

こち、と。小さく、けれど高い音が舞台に響いた。



 「新顔では、博打は打てぬか」



 「いんや? 全く差し支え無いさね。兄さん、何にする?」



 「何、とは。賽と札の他にも?」



 「色々さ。ルーレット、カード、スロットは無いがダーツなんてのも」



 「待たれ」



 「何だい」



 「ここは賭場だ。時は大江戸、と口上にもあっただろう」



 「え? でも台本には火事場だかカジノがどうとか」



 「それ言うなら鉄火場でしょうよ」



一転して気の抜けた遣り取りに、客席から笑いが漏れる。

『新喜劇』と銘打ったのは誤植でも何でもない。ここからが本番だ。

あたしに負けず劣らずテキトーな奴らの騒動に、しばらく付き合ってもらおう。



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 「牡丹の姐さん。そろそろ本筋へ戻しやしょう」



 「おっとと、それもそうだねぇ。あんがとさん、奏」



 「梅です。姐さん」



 「そろそろ良いか」



 「せっかちな男」



初めての経験だけど、劇っていうのも存外に面白い。

ライブに少しだけ似ているって言ったらいいのかな。

ただ、ライブよりもっと客との距離が近い気がする。舞台から一人ひとりがよく見えた。



お手洗いに行きたいのか、そわそわと落ち着かない奴。

付き合いでしょうがなく来たらしい、爆睡してる人。

首を捻ってパンフレットとにらめっこしてる客。

私に向けて軽く山高帽を振る、



 「…………」



 「おい、午睡か?」



 「……いいや、台詞が飛んじまってねぇ。台本読みに戻ってもいいかえ?」



 「そうはゆかぬ。私も読みたい位なのだ」



 「みみっちい男」



危ない危ない。

思わず出てしまったアドリブに、俳優さんが咄嗟に合わせてくれた。

こりゃ後で平謝りしないとなー。



 「さぁさ、また飛ばない内に始めようか。あぁ、兄さんはトんでも構やしないよ」



 「よくよく口の回る。陽の昇らぬ内に賽を回したらどうだ」



 「巷じゃよく言うらしいじゃあないか。急がば回せ、ってね」



 「回る上に減らぬ口と来た」



文字通りの丁々発止。

伏せた椀の中でサイコロがからからと転がる。



ひとまず今は、この公演を無事に終えよう。

伊達を気取ってる三枚目へ挨拶するのはその後だ。





 「丁か、半か。さぁさ、張った張った!」





久々に顔を見せたんなら、挨拶をするのがギョーカイのジョーシキでしょ、Pさん?



 ― = ― ≡ ― = ―



 「その似合わない帽子、どこで拾って来たん?」



 「オイオーイ、ご挨拶だな。洒落た服屋で拾ったんだよ、オレも英世さんを何人か落っことしたけど」



 「洒落が泣いてるよ」



 「こっちも久々の再会に涙が出そうだ」



 「男の涙はお値打ちでいいねぇ」



劇場内のカフェを覗くと、案の定Pさんがミルクセーキを啜っていた。

向こうと同じように、あたしもPさんの行動は手に取るように分かる。



 「お、これおいしーね。あたしも頼もっかな」



 「この流れるようなヒョイパクもなぁ、お兄さん懐かしくて泣きそうだよ」



 「すいませーん、このアーモンドガレットっていうのあたしにも一つ」



注文を済ませて、向かいに腰を下ろす。

壁に掛かっていた山高帽を頭に載せて、煙管を咥えた。



 「Pさんよりは似合ってる自信あるよん」



 「……ん? 周子、お前二十歳超えてたか?」



 「あぁ、これはニコチン抜きの電子キセルだよん。ちなみに来月でハタチね」



 「シューコもしばらく見ない間にこんなに……大きくはなってねぇな、はっはは!」



 「その流れるようなセクハラも懐かしくて涙が出そうだよ」



昨日も並んで仕事してたっけ、と疑るぐらいにPさんは変わっていない。

まぁ大の大人が半年で様変わりしても困るか。

そんなことわざもあったよね。男子……三日続けてカツレツ、だっけ。



 「ほんで、この半年何やってたん?」



 「変わんねぇさ。営業とスカウト。ウチの事務所、活動は都内中心だろ?」



 「そだね」



 「遠くない内に地方展開も見据えてるらしくてなぁ。下見やらパイプ作りやらで歩き回ってたのさ」



言われてみれば確かに、ツアーなんかを除くとイベントはほとんど都内が中心だ。

あたしもスカウトされたのはこっち来てたからだし。



 「ふーん。スカウトの方はどうだったのさ」



 「おう、岡山で一人有望そうな子が居たぞ。乙倉ちゃんって娘でな」



 「まだ見てないなー」



 「キュート配属だろうし、そもそもこっち来るのこの春だしな。都内の中学入るってんで」



 「え、小6? ロリコン?」



いやいやPさん。

それは事案だよ、事案。



 「失礼なやっちゃ……それ言ったら仁奈ちゃんなんてどうなるんだ」



 「それもそっかー。にしても、半年で一人だけってのは不作だねぇ」



 「スカウトは物のついでだったし、何よりシューコって前例が居るからなぁ。基準が高ぇのなんの」



 「…………」



 「どうだ、二枚目だろう?」



 「その一言が無きゃねー」



 「はっはぁ!」



全く、この三枚目は……一言どころか三十言くらい多いのだ。

あたしも人の事は言えないけどねー。



 「で。これからどうするのさ」



 「んん? 明日も休みだし、馬場辺りで一杯引っ掛けて行くかね」



 「いやそっちじゃなくて今後の活動。またPさんが担当に戻るんでしょ?」



 「あーそっちかぁ。ひとまず調子見て、ライブに向けて調整だな」



当面は奏たちとやってた事と変わんないみたい。

色々とやり遂げて一回り成長した周子ちゃんを見せてやろう。



 「そうだそうだ、奏の担当ちゃん達とは仲良くやってたんだよな?」



 「うん。そりゃもうすこぶる順調だったと思うけど」



 「ならいいんだがなぁ」



 「歯切れ悪いねー。何かあったん?」



 「いや、そろそろ帰るかって時にその担当ちゃんから電話が来てな」



 「何て?」



 「『このままじゃ俺の懐が保たない。頼むはやくかえってきておねがい』ってよ」



 「ふむ」



思い返して、指折り数える。

おとついのビタスイ、たまのお昼、週末のダーツバー、その他、諸々。



 「うん、完全にあたしのせいだねそれ」



 「アイツの稼ぎ、オレの半分ちょっとしかないんだから手加減してやれって言っといたろ」



 「Pさんが稼ぎ過ぎなんでしょ。あたしは稼ぐ男、好きだよ」



 「シューコのその他力本願な所、嫌いじゃないぞ」



 「そりゃどーも。流石に悪いから後であたしの給料からテキトーに補填しといて」



 「オレもとびっきりの酒でも奢ってやらなきゃいかんな」



贔屓目を抜きにしても、Pさんはかなりの辣腕だ。

そうじゃなきゃ事務所も一人であちらこちらを飛び回らせたりはしない。

訊ねた事は無いけど、この砕け切って砂にでもなったような口調も多分、あたしに合わせてくれたものだ。



 「公演、明後日が千秋楽だったな」



 「終わると思うと寂しいもんだね」



 「今日みたいにトチるなよ? 三回は少しばかり多い」



 「……相変わらずよくまぁ気付けるね」



 「客はともかく、オレにゃバレバレだっつの」



 「一つはPさんのせいじゃん」



 「何の事だ」



 「うわ相変わらず口笛めっちゃ巧いね」



 「ちひろさんか茄子ちゃんに教わるといいぞ。茄子ちゃんのはありゃ金が取れるレベルだ」





Pさんにおちょくられながら、へたっぴな口笛を吹く。

むかーし習い事で吹いた笛とどっちが巧いかな。



 「あ、そうだPさん」



 「んぁ?」





 「おかえり」





 「おう。ただいま、周子」







――あたしのプロデューサーが、帰って来た。





 ― = ― ≡ ― = ―



 「二人ともお疲れさん。いやー凄い熱気だった」



年末ライブを終えて。

奏と控室で休憩していると、Pさんがぱらぱらとリストを捲りながら入って来た。



 「ほっほー。相変わらず奏ちゃんのバデーはナイスだねぇ。お兄さん三度見しちゃったよ」



 「あなたのセクハラ癖も相変わらずね。ちょっと懐かしいわ」



 「あたしもおんなじ衣装なんだけどなー」



 「うんうんシューコもかわいいぞー」



 「雑っ」



 「それで、いま衣装を回収するのかしら?」



 「おっと、そうだった。ほい」



Pさんがあたし達へ袋を放る。



 「二十分後に衣装さんが回収に来るから預けてくれ。そしたらクルマ待ってるんで帰っていいぞ」



 「着替え、覗いてく?」



 「ハゲるくらい後ろ髪引かれるけど、ちひろさんにせっつかれててなー。他の毛まで毟られたら堪らん」



本当に名残惜しそうに、しぶしぶといった体でPさんが控室を出て行った。

五度くらい振り向いてた。



 「奏はモテるねぇ」



 「モテる女は辛いわ」



 「そんな台詞、言ってみたいなー」



 「貴女のプロデューサーさんはよく言ってるけど」



 「あれは寝言だから」



 「相当のねぼすけさんね」



衣装を預けて控室を後にする。

廊下を慌ただしそうに行き交うスタッフさんに軽く手を振った。

ライブ前の浮いているような気分もなかなかだけど、この祭りの後のようなちょっと寂しい気分も嫌いじゃない。



 「…………」



 「周子?」



 「あ、うん。何?」



 「貴女、疲れてない?」



 「あー……うん。疲れてる、かも」



 「…………そ。じゃあ、早く帰ってシャワー浴びないとね」



ふ、と奏が微笑んで、私の三歩先を歩く。

……ああ、もう。モテる訳だ。



奏もたぶん、分かってる。

分かってて、言わないでいてくれてる。



 「……まったく」



あたしの周りには、伊達を気取りたがる奴らが多過ぎる。

 ― = ― ≡ ― = ―



 「…………」



事務所の映写室でPさんと二人、年末ライブの録画を眺める。

イベント後恒例の反省会。録画を観つつあそこはこうだのここは良かっただの言い合うのがいつもの光景。

けれどPさんもあたしも、画面を見つめて黙っている。



 「…………」



言うべき事が無いわけじゃない。

ただ、言わなければいけない事だけがあって。

それをどうやって切り出せばいいのか、二人とも掴めずに居た。

ぷつりと映像が途切れて、メニュー画面へと戻った。



 「周子」



Pさんが口火を切る。





 「決着を、つけよう」





 「……決着?」



 「とりあえず、京都帰れ」



 「もっと言い方ってもんに気を使えないの?」



 「あいにくオレはデリカシーの無さでここらじゃ有名なんだ」



Pさんが椅子から立ち上がって、スーツの内ポケットを探る。

そして私の前に差し出したのは、新幹線の切符だった。



 「元々ライブ後は仕事もそんな入れてなかったしな。休暇を満喫してこい」



 「…………頭を冷やせ、って?」



 「クールなダウン系。周子にぴったりだろ?」



 「上手い事言うね。座布団がっぽがっぽ飛んで来るよ」



 「冷たい!」



 「クールなダウン系だからねー」



Pさんの手から切符をもぎ取る。



 「羽根を伸ばし過ぎて飛んでっちゃっても知らないよ?」



 「そしたらこっちまで飛んで戻って来いよ、切符代が浮く」



軽口に、鼻を鳴らして答える。



 「寄れよ、実家には」



 「……気が、向いたらね」



 「周子」



 「…………」



 「この前の80%でも、いつもの100%でもない。オレは200%の周子だって見てみたいんだ」



 「わがままだね」



 「男の子だからな」



 「行ってくる」



 「行って来い。切符の日付は明日だけどな」





――ドアノブを握る手から、がくんと力が抜けた。





 「それ先言ってよ! カッコよく決めたあたしが馬鹿みたいじゃん!」



 「はっはぁ! シューコもまだまだだなー。奏ちゃんに駆け引きも教わるといいぞ」



 「あーもう何でもいーよ。行ってきまーす」



 「土産を忘れんなよー」



半日ほど早い挨拶を残して事務所を後にする。

どっと肩にのし掛かるこの疲労感は、ライブ後特有の気怠さなんかじゃない。



 「あー…………」





……荷造りは、明日の朝でいーや。



 ― = ― ≡ ― = ―



 「さむっ」



久方ぶりの京都の空気は、肺に刺さるように冷え切っていた。

東京は冷たいとか言う事も多いけど、あたしに言わせれば京都の方がよっぽど冷たいと思う。物理的に。

夏暑く、冬寒い。うむ、懐かしの我が故郷だ。



 「はー」



頬を撫でる風に震えて、マフラーをキツめに巻く。



……丸二年ぶり、か。



去年のイベントで来た時は、間違っても実家になんて近付こうとしなかったし。

Pさんも何だか、随分と気を使っているような感じがしていた。



 「行きますか」



キャスケットを目深に被り直して、キャリーカートを転がす。

向こうへ行く時は手ぶらだったのに、こっちへ来るのは荷物付きだ。



 「人生、どうなるか分かんないもんだねぇ」



呟きが、白い吐息に変わって消えた。

 ― = ― ≡ ― = ―



無骨に過ぎる瓦屋根。

車輪を揺らす石畳。

立ち並ぶ古式ゆかしい看板たち。



 「…………」



忘れやしない。何百回も駆け回った馴染みのお通りさんだ。

けれどあたしの両脚は、子供の頃を忘れたみたいに固まって動かなかった。

ぶるっと身体が震える。

寒さの、せいだ。





 「――あや。シューコちゃんかい?」





横から飛んできた声を聞いた瞬間、すぐに分かった。



 「飴屋のおばあちゃん」



 「ああやっぱり。テレビ、観とるよお」



皺の刻まれた垂れ目が覗き込むようにあたしを見上げていた。

帽子を脱いで、マフラーをほどく。



 「帰ってきてたのかい。気付かんかったよ」



 「いや、今来たばっかなんだ」



 「そうか、そうか。ちょいと待ってな」



おばあちゃんが暖簾をくぐって店の奥へ引っ込む。

再び出てくると、その手に何かを載せていた。

しわしわの手で、それをあたしの手に握らせた。



 「好きだったろう? 持っておいき」



セロハンに包まれた、ちっとも昔と変わらない飴。

中にきらきらと銀箔の浮いた、まさに飴色の飴玉。

舐めてもいないのに、小さな頃の世界の匂いが鼻を抜けた。



 「ありがとー」



 「後で店の方にも顔を出すよ」



 「……あ、うん」



ぽんぽんとお尻を叩いて、おばあちゃんがどこかへ歩いて行った。



……参った。これで行かない訳にはいかなくなってしまった。



しばらく迷った後、貰った飴玉をコートのポケットへ突っ込む。

石畳を靴で叩く度に、ポケットの中の飴も楽しげにかさかさと鳴った。



 「…………」



そして、辿り着いてしまう。



 「まぁ、変わってる訳がないよねー」





菓子舗しおみ。





あたしの実家よ、少しはおめかししたって良いんだぞ。





藍染めの暖簾の前に立つ。

冷たい空気に混じって、微かに甘い匂いがした。



 「……ふー」



深呼吸を一つ。

寒さに震える身体を叱り付けて、引き戸に手を掛けた。

そして、一息に開く。





 「いらっしゃ――なんだ、シューコじゃねぇか」





見慣れた、けれど二年ぶりのいかつい顔。

帽子を取る暇も無く、親父は来客用スマイルを打ち切った。



 「……あ。え、っと…………」



ちっとも変わらない、おおよそ客商売に向かないような仏頂面。

時でも止まってるみたいな、けれど丁寧に埃の払われた店内。

身体に沁み入るような、和菓子の匂い。



 「その……あたし、さ」



 「周子」



 「…………」



 「帰って来たんなら、まず言うべき事があるんじゃねぇのか」



 「ご、ごめ……」



 「ちげぇよ」



 「……え」





 「挨拶も出来ねぇ娘に育てた覚えはねぇぞ」





 「あ……」



挨拶は、ギョーカイのジョーシキ。

そう思ってたけど、どうやらあたしは盛大な勘違いをしてたみたいだ。





 「――ただいま」





 「おけぇり。門限を二年も破りやがって馬鹿娘」





顔が熱くなった。

キャスケットをずり下げて、震える目元を隠す。



 「うん……ただいま。ただいま……」



 「おい、店先で泣くんじゃねぇ。お客さんに迷惑だろうが。中で泣け中で」



 「うん……うん…………」





親父の馬鹿面は、涙が出る位にいつも通りだった。



 ― = ― ≡ ― = ―



相変わらずウチの緑茶は美味しい。

ちひろさんや肇には悪いけど、こればっかりは敵わないと思う。

ちなみにあたしの淹れた珈琲は泥水のようだと評判だった。



 「で、いつまで居るんだ」



ミカンの白い筋を丁寧に取りながら、親父が言う。

綺麗になったミカンを横から摘みながら考え込む。



 「そういやいつまでなんだろ。聞いてないや」



 「そんなんでいいのか? 事務所に迷惑掛けねぇ内に帰れよ」



 「まーた心にも無い事言っちゃって。あ、周子。お雑煮あるけど食べる?」



 「食べる食べる」



お勝手から母さんが顔を出す。

我が母ながら実に割烹着が様になっていた。



 「……というかさ」



 「あ?」



 「怒んないの?」



 「何だ、怒鳴ってほしかったんなら遠慮は要らねぇぞ」



 「遠慮しとくわ」



炬燵に肩まで潜り込む。

溜息をついて、親父がミカンを口へ放り込んだ。



 「手前の食い扶持を稼げてんなら文句は言えねぇ。ただ、手紙くらいは寄越せ」



 「こんな事言ってるけどね、この人周子が出てるもんはみーんなチェックしてんのよ」



雑煮を置いて母さんが笑う。

指差した棚には見覚えのある雑誌が幾つか並んでいた。



 「便りが無くても良い便りよねぇ、あなた?」



 「さぁな」



籠からミカンを取ろうとして、親父の手が空を切った。

膝に手をついて炬燵から立ち上がる。



 「周子。明日から店立て」



 「えー、ちょっとは休ませてよ」



 「雑煮食ったろ」



 「食った者働かざるべからずよ?」



 「ぐぬぬ」



餅を咥えてぐにーっと伸ばす。

二年ぶりの雑煮は温かくて、美味しかった。

 ― = ― ≡ ― = ―



 「いらっしゃいませー」



 「シューコちゃん、サインくださーい!」



 「今ならこちらの最中とセットがお得どすえー」



二時間もすれば通りのみんなが。

三日もすれば地元の友達が。

一週間もすれば噂を聞きつけてくれたらしいファン達が、店へひっきりなしにやって来る。

草の根も友情もメディアも、まー凄い力を持ってるなと感心してしまった。



 「ふー」



松の内と休日が重なってごった返していた通りも少しは落ち着き、ようやく一息つけた。

休みの日に働くなんて全く不敬な行いだ。杏ちゃんなら血反吐を吐いて倒れてるよ。

頭巾を解いて、首元をぱたぱたと仰ぐ。



 「アイドル、か」



会計台の横に立てたサインペン。

結構な数のファンがやって来てくれるお陰で、途中から揃えておいた。



 「…………」



しばらく台に肘を突いてぼうっとしていると、また引き戸が開く。



 「いらっしゃーい」



 「スマイル一つ」



 「ごめんねー、それ午前で終わっちゃったんだ」



 「何だ。じゃあアイドル一つ」



 「……で、何やってんのPさん」



 「プロデューサーを少々」



毎度ながら絶妙なタイミングでPさんが現れた。

顔にはサングラス、手にはアタッシュケースなんて提げて、今日は妙な出で立ちだった。



 「親父さん居るか?」



 「あぁ、今は奥に」



 「――またお前か。今度は何だってんだ」



腕を捲りながら親父が降りて来た。



 「お世話になっております。少し娘さんをお借りしても?」



 「どこへなりと持ってけ泥棒」



 「ちょいと、看板娘の扱いが雑じゃない?」



 「看板が勝手に歩き回ってくれんなら手間もねぇ」



 「では、近くで待っております」



親父に深々と頭を下げて、Pさんが店から出て行く。

鼻を鳴らして、親父がその様子を見送った。



 「今日は上がっていいぞ」



 「親父、Pさんと会った事あんの?」



 「まぁな。ほれ、さっさと行け」



しっしと手を払って、親父があたしを店から追い出す。

ま、その辺はPさんに詳しく聞いてみよう。



 「ヘイお待ちー」



正月だし、着物の上に羽織を一枚。

外に出ると、Pさんが腕を組んで壁にもたれていた。

手を振ってくれるファンらしき娘たちに、こちらも笑って振り返す。



 「で、Pさん。何を」



 「『塩見さん』」



 「……で、『プロデューサー』。何すんの?」



私の質問に答えずに、プロデューサーがポケットから何かを取り出した。



 「これでよし」



胸に付けたのは『プロデューサー』と書かれた、妙に横長の名札だった。

すごく見覚えがあった。



 「何そのアホみたいな名札」



 「ちひろさんには言うなよ、それ」



 「おっと、口が滑っちゃったーん」



 「まぁそれはともかく」



Pさんが咳払いをして、こちらを遠巻きに眺めていた人たちへ向き直った。







 「――新春特別企画! 『塩見周子の京町ぶら歩き』が始まりまーす!」







 「……はい?」



調子外れなPさんの一言に、周りの人たちからわっと拍手が起きる。

……え、いや、何コレ。



 「ちゃきちゃきの京娘アイドルこと、塩見周子さんがみなさんに京都の魅力をお伝えしたいそうです!」



 「おー!」



みんなが携帯やカメラを取り出す。

もちろんあたしはこんな企画、一っ言も聞いていない。



 「さぁ塩見さん、最初はどんな所を?」



 「…………」



Pさんの目をじっと見つめる。

サングラス越しに細められた瞳が、さぁどうする? と語っていた。



 「おや、悩んでいるようですね。それだけ魅力的な場所でいっぱいという事でしょうか?」



 「……はー」



大きく伸びをして、肩から力を抜く。

ふむ。休みだか仕事だか分かんなくなってきたけど、まぁいいや。

羽根を、伸ばそう。





 「――なんといっても、この『菓子舗しおみ』は格別だねぇ! 何せ看板娘のシューコちゃんが出迎えてくれるしねー」





いつの間にか出来ていた人集りから、笑いが起きた。



 ― = ― ≡ ― = ―



 「もー。正月から働き詰めで疲れちゃったよPさん」



 「そんな時にこそ甘い物だ。ここの善哉旨いなホント」



幾つものお店を食べ歩いて、仕切りの立てられた茶屋に腰を落ち着けた。

窓越しに見物するファン達にウィンクして、たい焼きを頭から囓る。

うむ、たまにはクリームも悪くない。邪道でも美味しければいいのだ。



 「みんな顔馴染みっぽかったな。この辺の店の人はみんなそうなのか?」



ICレコーダーを弄ったり手帳にメモを取るフリをしてプロデューサーが訊ねた。

その様子を眺めつつ、前髪を指でくるくると弄る。



 「この辺というか、名前か顔は市内の人ならみんな知ってるんじゃないかな」



 「……アイドルやる前から有名人だったのか? 初耳だな」



 「有名人というか、あたし子供の頃失踪したらしくて」



 「らしい、って何だそりゃ?」



 「いやあたしはそんな事した覚え無いんだけどさ」



まだ今の背の半分くらいしか無かった、ロリしゅーこちゃんの頃の話だ。



親に連れられて行った伏見稲荷で、初めて本物の狐を見かけた。

何やら宮司さんの講釈を聞いているのも退屈になって、そいつに触ろうとして近付いた。

近付けば離れて、止まれば向こうも止まって。



そんな絶妙な距離を置かれる内に、あたしもムキになっていた。

三十分ほど山の中で鬼ごっこをして、結局捕まえられずにとぼとぼと肩を落として。

そんな私を出迎えたのは、棒を抱えた警察の人たちだった。



 「で。後で聞いたら三日間行方知れずだったとか」



 「いわゆる神隠しって奴か?」



 「さぁ? あたしは鬼ごっこしてただけだしねー」



両親の元へ無事帰ってきたあたしは、そりゃもうしこたま怒られた。

両親の泣き顔を拝んだのはあの時が最初で最後だ。



 「だからまぁ、シューコちゃんの顔はとっても売れてる訳よ」



 「なるほどなぁ」



 「この街に限ればあたしがトップアイドルかもね」



渇いた喉を番茶で潤す。

んー、クリームたい焼きにはちょいと合わないかな?



 「周子」



 「ん?」



 「悔しいか」



プロデューサーがサングラスを外す。

あたし達の間に沈黙さんがやって来て、店内のお喋りがよく聞こえてきた。

残しておいたしっぽを口へ放り込んで、番茶をもう一口。

ほう、とついた息は和洋折衷の温かさだった。





 「すっごく、悔しい」





 「悪いな、それ全部オレのせいだから。気が済まねぇんなら二、三発殴ってもいいぞ」



 「別にいーよ。奏もフレちゃんもPさんも、事務所だって恨んじゃいないよ」



 「CDの枠増やせるくらい出世してりゃ良かったんだがなぁ」



年末ライブの前に決まった、奏たちのCDリリース。

ステージでの新曲サプライズは大成功だったと思う。

ただ、そこにあたしが立てなかっただけ。



 「……奏ちゃんは、何か言ってたか?」



 「すっごい申し訳無さそーに『ごめんね』って。馬鹿みたいに優しいよねー、ただあたしが」



 「周子、話をする時は目を見ろ」



Pさんに言われて、いつの間にか俯いているのに気付いた。

膝の上でぎゅっと拳を握って、俯いていた顔をムリヤリ上げる。



 「悔しいよ。なんで奏だけって喚きたいよ。でも奏だってとっても頑張ってて」



 「…………」



 「そんなくっだらない事考えてる内に、あたしは誰の為に、何の為に歌ってるんだって」



最低な考えを抱えて、最低の気分でライブに臨んで。

それで満足な出来になる筈も無くて。



 「周子」



 「ん」



 「アイドルって、何だと思う」



ぐちゃぐちゃになった頭で、しばらく考え込む。

いくつも思い当たる答えはあって、けどそのどれもが程遠いような気もして。



 「…………」



 「答えられないのも、一つの答えだ」



 「そんなの」



 「星だって言う奴も居る」



Pさんが手を広げて、指折り数える。



 「花って考える奴も居りゃあ、一番可愛い女の子って答える奴もな。多分、正解も不正解もありゃしないんだ」



 「…………」



 「ただオレはな、これがアイドルなんじゃないかって思ってる」



Pさんが窓の外を指差す。

はっと気付いて、ガラスの向こうを見渡した。



首を傾げて眺めるおじさん。

心配そうにこちらを見つめるお兄さん。

友達と連れ立ってあたしに手を振る女の子。



 「周子。奏ちゃんのファン達は、お前を目の敵にでもしてるか」



 「……ううん」



 「CDを出せなきゃアイドルじゃないって、オレに言われた事はあるか」



 「……ううん」



 「親御さんが、アイドルになった周子を一度でも拒絶したか」



 「…………」



店内でこちらを窺っていた人達も、何やら首を傾げ始めた。



 「みんなが周子の顔を見に来ようと集まってる。CDだとか何だとか、難しい事はごちゃごちゃ考えちゃあいない」



 「……うん」



 「周子。お前は誰の為に、何の為に歌っているんだ」



 「…………」



 「今オレの前に居るのは、看板娘のシューコちゃんか? シンデレラを目指してる塩見周子か?」



今、あたしの前に居るのが。

たぶん、本当のPさんだ。







今、ここに居るあたしは。











 「――いやー、相変わらずここの甘味は絶品だねぇ!」







椅子から立ち上がって、大きく伸びをする。

呆気に取られるみんなを尻目に、目の前のPさんは。

顔を俯けて、肩を震わせて。くつくつと声を漏らしていた。



 「CGプロのみんなにも是非食べてもらおー。おじさん、詰め合わせセット八つ! プロデューサー、支払いよろしく!」



 「あいよー」



 「えっ」



さーて、まだまだファンのみんなには紹介しないといけないお店が沢山あるねぇ。

事務所のみんなにも味わってもらいたい土産もいっぱいあるし。



 「さー、プロデューサー。休憩は終わりだよん。次行こ次!」



 「……なぁ塩見さん。実はこれ突発企画なんだけど、領収書降りるかな」



 「千川大明神を拝み倒せばあるいは」



 「……はっはぁ…………」



 「ほら、立った立った。ファンのみんなが待ちくたびれてるよー」





モテる女も、稼ぐ男も、全く大変だねぇ。



 ― = ― ≡ ― = ―



 「あら、早起きねぇ。それもアイドルのお陰?」



厨房へ降りると、ほのかな暖かさに安心する。

母さんが煮ている小豆の鍋から、甘い香りが辺りに漂っていた。



 「いや、そういえば初詣行きそびれたなーと思って。朝なら空いてそうだし」



 「朝の京都は冷えますえ?」



 「よーく知ってるよん」



 「あの人に挨拶はしたの?」



 「返事してたよ。半分寝言だったけど」



 「そ」



カートを降ろして靴紐を結ぶ。

冷え切った中敷きに思わず目が覚めてしまった。



 「ああ、シューコ」



 「んー?」



 「仕送りなんてしなくてもいいのよ。あなたはまだ子供なんだから」



立ち上がって、確かめるようにかかとを踏む。

キャスケットを目深に被って、キャリーカートを掴んだ。



 「まぁ、要らなくても勝手に送るよ。子供だからわがままなんどす」



 「そ」



 「それじゃ」



 「あ、ちょいと待った」



母さんが慌てたように振り返る。

え、何か重要な話でもあったっけ?



 「あのプロデューサーはんだけど」



 「え?」



 「稼ぐでしょ」



 「……あー、うん」



 「逃がしちゃダメよ」



 「…………女狐……」



 「何か言いはりました?」







 「なーんでも。行ってきまーす」







 「行ってらっしゃい、周子」







昔言いそびれた挨拶が、自然と口から滑り出した。





 ― = ― ≡ ― = ―



 「おー、空いてる空いてる」



始発で来て正解だった。

まだ松の内とはいえ、夜も明けない時間の伏見稲荷は独占状態だった。

掃き掃除をする宮司さんと、数人の観光客と、それから狐が一匹。



 「…………」



うーん、見覚えがある。

最初は狛犬かと思ったんだけど、地面からいきなり生えるのは変だ。

意を決して近付いてみると、見間違いでも何でも無く、狐はんがそこに座っていた。



 「……えーっと」





――伏見の山に狐は居ない。





大人に狐を追っていたと言うと、そう一蹴されてしまった。

たまに狐を見たって言う人も居るけれど、大抵は石像の見間違えだったり、子供の勘違いだったりで片付けられる。



 「…………」



 「…………」



目の前のこの子は、昔追ったアイツによく似ていた。

というよりも多分、あの時の本人……本狐さん? で間違い無いと思う。



何せあたしは、他に二本の尻尾が生えた狐を知らない。



 「あの時は、追い回して悪かったよ」



二礼、二拍、一礼。

正しい作法は知らないけど、こういうのは気持ちが大事なんだと自分に言い聞かせた。

たまにはこんな初詣も悪くない。



 「またね」



狐さんに軽く手を振る。

石像みたいに微動だにせず、狐さんはあたしの事をじっと見送っていた。



 「……お」



背を向けて駅へ歩き出すと、ちょうど陽が昇り始めるところだった。

ついでに朝陽にも拝んでおこうかと少し悩む。







 「――迷惑を掛けた。土産だ」







 「え?」



背中から聞こえた声に振り向くと、朝陽に照らされた鳥居が輝いていた。

境内を掃き清める宮司さんと、数人の観光客と、それから。



 「…………」



向かい合う二匹の、石の狐さんだけ。

伏見稲荷に、野生の狐は居ない。



 「……ま、いっか」



マフラーを巻き直した手に、冷たい感触が当たった。

頭上を見上げれば、次第に群青から水色へ移り変わる、雲一つ無い――





ぽつり。





 「あれ」



頬に雨粒が当たって、直後に辺りがぽつぽつと音を立てる。

雨粒が次々に境内へと落ちてきて、いつの間にか雨へと変わっていた。



 「わわっ」



慌てて駅へ向けて走り出す。

もう、濡らしてくれなくても充分良い女だっての。

 ― = ― ≡ ― = ―



 「えーと、イカ飯とほうじ茶と」



 「ほうじ茶もう一つと、あと特選きのこ御前弁当一つねー」



 「お、早かった……って何でずぶ濡れなんだオイ。おばちゃん、タオルもくれ」



パッケージを引っぺがして、タオルを頭に被せられる。



 「いやー寄り道してたらね」



 「水も滴る良い女ってか?」



 「それさっきアタシ言っちゃったよ」



 「オイオーイ、そこはオレの為に取っといてくれよ」



 「気の利かない女だもんで」



濡れた身体をタオルで拭き、弁当を買い込んで新幹線に乗る。

お土産は郵送で事務所に届けてあるから身軽なものだ。

アレを背負ってるPさんもちょっと見てみたかったけどね。



 「やーれやれどっこいしょ」



 「ウサミン星人みたい」



 「失礼な。オレはまだピッチピチの三十代だっつの」



 「合ってるじゃん」



 「ああ。……ん? 合ってんのか?」



座席を向かい合わせて脚を伸ばす。

うーむ、今日もシューコちゃんの白い御御足はナイスだ。奏にだって負けてない。



 「そういや聞きそびれてたけどさ、Pさんって前に親父と会った事あるん?」



 「おー、スカウトした直後くらいにな」



 「え、そんな早く?」



 「未成年の宿無しが業務契約結べると思うか?」



言われてみればそれもそうか。

あの時のあたしはニートと言うよりむしろホームレスだった。



 「で、ついこの前も会いに来た訳だ」



 「何の話だ?」



 「Pさん、あたしがいつでも帰って来れるよう根回ししてたんでしょ」



 「オレがそんなマメな事をしそうなツラに見えるか?」



 「違いないね」



 「ちったぁ反論してくれよ、なぁ」



Pさんがすっとぼけたようにほうじ茶の封を切る。

そんな事をしそうな顔には全っ然、これっぽっちも見えないけれど、でもやる男なのだ。

稼ぐ男も好きだけど、デキる男だって嫌いじゃないのだ、あたしは。



 「ところでシューコの親父さん、婿養子か?」



 「うん。まぁ見てれば分かるよね」



 「最初会った時は分からなかったが、この前の力関係を見てるとな……」



塩見家は女が強い。

あたしも母さんに逆らう気は無い。あな恐ろしきは女の業、ってね。



 「おっと、そうだそうだオレも言いそびれてたわ」



 「何さ」



 「奏ちゃんから伝言。『あんまり放っておかれると、浮気しちゃうわよ』だと」



 「…………そ」



 「モテる女は辛いなぁ?」



 「全くねー」



ひとしきり笑い合った後、Pさんが肩を落とす。

いきなりの落差に思わず戸惑ってしまった。



 「……どしたのさ、いきなり」



 「いや、シューコは良いなと思ってよ。オレを待ってるのはちひろさんだぞ」



 「ちひろさん可愛いじゃん。それこそアイドル並に」



 「まぁそれはそうなんだが……」



Pさんが二つ折りの携帯を開いて、メール画面をあたしへ見せる。

差出人はちひろさん。

題名は『無題』。

内容は『話がある』。





……え、これ女のメール?





 「昨日のアレ、突発企画だって言ったろう」



 「うん」



 「まぁ、つまりは事前通告無しにウチのアイドルを宣伝に使ったってワケで」



 「うんうん」



 「要するにオレは帰ったらめっちゃ怒られる」



 「生きてさえいれば良い事あるよ、きっと」



 「このまま出張って事に出来ねぇかな……」



Pさんがそう呟くと、ホームにベルが鳴り響く。

胡乱気な瞳でそれを聞くPさんを尻目に、新幹線のドアが無機質に閉まった。

そして、ゆっくりと走り出す。



 「シューコ。羽根、余ってないか」



 「伸ばし過ぎて抜けちゃった。切符ならあるけど」



Pさんが手で目を覆って、ずるずると座席にもたれる。

デキる男も辛いねぇ。



見てやらない方が良いような気がして、窓の外へ視線を移す。

ぽつぽつと雨粒に滲むガラスの向こうで、京都の街が朝焼けに燃えていた。



 「……何ニヤけてんだ? オレの惨めな未来に対してか?」



 「べっつにー。いいお土産が出来たなって思ってさ」



 「…………そうか土産か。その件もあったか。もういいや寝よう」



Pさんが頭からスーツを被る。

呻き声を上げる黒い悲劇から目を逸らして、車窓を流れる風景を眺めた。





 「……ふふーん♪」







狐の嫁入り、か。





 「まったく」





あっちも、こっちも。







あたしの周りには、伊達を気取りたがる三枚目が多過ぎる。



おわり



21:30│塩見周子 
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