2015年05月15日

渋谷凛「おはようございます」 武内P「おはようございます、渋谷さん」

アニメ13話後を想定

短めです



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430149516



武内P「本日は、ニュージェネレーションズの皆さんはお休みとお伝えしたと思うのですが」





凛「知ってるよ。なんとなく寄ってみただけだから」



武内P「そうですか」



凛「プロデューサーは、今日も仕事?」



武内P「はい。今日中に仕上げなければならないことがいくつかありますので」



凛「そうなんだ。なら、私にかまわず仕事に戻ってよ」



武内P「しかし、他の皆さんはレッスンや撮影などで全員部屋にいませんし……」



凛「別にひとりでも平気だよ。話し相手を探しに来たわけじゃないし」



武内P「そうですか……では、私は隣の部屋に戻ります。何かあったら知らせてください」



凛「わかった」



凛「………」



凛「(この部屋、さすがにひとりだと広く感じるな)」



凛「(初めのころは、小物とかほとんどなかったけど……未央の提案でみんなが私物を持ってきて、今はいろんな物が置いてある)」



凛「(私達の部屋って感じがする)」



凛「……なんだかいいかも。こういうの」



凛「………」



凛「(プロデューサー、どんな仕事してるんだろう)」



凛「プロデューサー」ガチャ



武内P「渋谷さん。どうかしましたか」



凛「特に何かあったわけじゃないんだけど……私もこの部屋にいていい?」



武内P「この部屋、ですか? 何も面白いものはありませんが……」



凛「確かにパソコンくらいしかないけど、プロデューサーが仕事している様子、なんとなく見たいと思ったから」



武内P「はあ……」



凛「私がいると気が散るっていうなら、諦めるけど」



武内P「いえ……心配いりません。渋谷さんが望むのであれば、ここにいていただいて大丈夫です」



凛「ありがとう」



武内P「………」カタカタ



凛「(パソコン見てる時、目つきの悪さが2割増しだ。一生懸命頑張ってる証拠なんだろうけど)」



凛「(というか、タイピング速い……社会人ならあのくらいできないと駄目なのかな)」



武内P「……ふう」



凛「(あ、一段落ついたのかな)」



武内P「………」カタカタ



凛「(と思ったらほんの一息入れただけだった)」



凛「(仕事、たくさんあるんだ……考えてみれば当然だよね。人気が出てくるにつれて私達の仕事はどんどん増えてるし、そもそも14人同時に担当するなんて素人考えでも相当大変だ)」



凛「プロデューサー」



武内P「はい」



凛「プロデューサーって、すごいんだね」



武内P「……はい?」



凛「事務処理とか、仕事をとってくるのとか、すごく優秀だって聞いたよ。部長さんに」



武内P「いえ、私はまだまだで……」



凛「謙遜しなくてもいいんじゃない? 私達だって感謝してるんだから」



武内P「……それは、ありがたいお話ですね。ですが、私にはそれくらいしか満足にできることがないので……他の部分は、なかなかうまくいきません」



凛「それって、みんなとのコミュニケーションとか?」



武内P「はい。未熟なままで、申し訳ありません」



凛「……そんなに困った顔しなくていいと思うよ。確かに口下手だなって思う時は今でもあるけど、プロデューサーは私達ひとりひとりとちゃんと向き合ってくれているから」



武内P「逃げるのは、よくないですから」



凛「……あの時は、ちょっと強く言いすぎたと思う。プロデューサーにもいろいろあったのに……ごめん」



武内P「いえ。渋谷さんの言葉で、私も大切なことに気づけました」



凛「私ね。卯月や未央、みんなと一緒にアイドル頑張ってるけど、まだはっきりとした何かをつかみきれていない気がするんだ」



武内P「はっきりとした何か、ですか」



凛「たとえば卯月やみくは、ずっと前からトップアイドルを目指して努力している。杏は印税目当てだって言ってるけど、それも形を持った目標でしょ?」



凛「でも私は、そのあたりがまだふわふわしてる」



凛「今はただ、仲間と一緒にアイドル活動を楽しく続けたい……そう思っているだけなんだ」



武内P「………」



凛「これって、いいのかな」



武内P「……私が見た限りの話ですが、渋谷さんはよく笑うようになったと思います」



凛「え、そうかな」



武内P「意識していないということは、自然に笑顔になっている証拠です。そして、それは今が充実しているということ」



武内P「今はまだ、確固たる目標や意志が見つかっていないのかもしれません。ですが、いつかそれを見つけられると私は思います」



凛「本当に?」



武内P「……おそらくは」



凛「そこは男らしく、絶対って言ってほしかったかも」



武内P「あ……すみません。渋谷さん自身の問題ですので、私が断定するのはおこがましいかと思いまして……」



凛「(そう言ってプロデューサーは、首の後ろに手をやるいつものポーズを見せる)」



武内P「申し訳ありません。気が利かなくて」



凛「いいよ。プロデューサーのそういう真面目なところ、私は好きだから」



武内P「……好き、ですか」



凛「あっ……好きって言っても、別に変な意味じゃないから」



武内P「変な意味とは、どのような意味でしょうか」



凛「んぐ……な、なんでもないから! 今のやり取り丸々なし!」



武内P「はあ……?」キョトン



凛「そろそろ帰るね」



武内P「もう少し待っていただければ、新田さんとアナスタシアさんがレッスンから戻ってきますが」



凛「お昼からお店の手伝いしなくちゃいけないし、残念だけど今日はいいよ」



武内P「そうですか」



凛「それじゃあね」



武内P「はい……あの、渋谷さん」



凛「なに?」



武内P「私も、お手伝いさせていただきます。渋谷さんが『はっきりとした何か』をつかめるよう、精一杯プロデュースしていきます」



武内P「それから……今後も、休日に来たいと思えばいつでも来てください。待っています」



凛「……うん、ありがとう」



武内P「明日は朝からレッスンの予定ですので、遅れないように気をつけてください」



凛「わかってる。プロデューサー」



武内P「はい」



凛「また、明日」ニコッ





凛「……今の私、笑ってた?」



武内P「はい。いい、笑顔です」





おしまい





21:30│渋谷凛 
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