2015年05月26日

美希「雪歩って男の人が苦手なんだよね?」 雪歩「う、うん」


美希「じゃあこんなに男らしい真クンと、なんの抵抗もなくお話してるのはおかしいって思うな!」



雪歩「う……そ、それは!」





美希「ねえ、真クンもそう思うよね?」ギュー



真「喧嘩売ってんのか」





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真「全く……急に何を言い出すのかと思ったら」



雪歩「そ、そうだよ美希ちゃん。真ちゃんはね、皆が思ってる以上に可愛らしい女の子なんだよ?」



美希「そんなことないの!」



真「全否定かよ」



美希「だってこの間雪歩もね、『最近真ちゃんから雄を感じる……』って美希に」



真「お前も敵か」ツネー



雪歩「い、いはい! いふぁいよまほこしゃぁぁん!!」









美希「雪歩って意外と悪女だよね」



雪歩「ち、違うもん! あれは『真ちゃんからお酢の匂いがする』っていうのを言い間違えただけで……!」



真「君は僕をフォローする気がないのかい?」



美希「とにかく、これでハッキリしたの!」



真「へ?」



雪歩「ハッキリしたって……何が?」



美希「雪歩は真クンを完全に男の人として見ていた……つまり!」



美希「男の人が苦手だっていう設定は雪歩の嘘っぱちだったのあいたたた!?」



真「そこまでにしておけよおにぎり」グギギ



雪歩(真ちゃんがキレた)





真「しかし、どうしてまた美希は雪歩の男性恐怖症を疑うような真似を……」



美希「真クンはやっぱりおつむが弱いの」



真「それは認めるが、まさか君にそんなことを言われる日がくるとは思ってなかったな」



美希「まず、この作戦が成功したら美希の思惑通りに真クンが雪歩と距離を置くでしょ」



真「うん……?」



美希「それで真クンは美希とイチャイチャしだすでしょ?」



真「うん……うん?」



美希「これで真クンは、美希が独り占め出来るっていう戦法なの! どう?」



真「言いたいことはわかるが、如何せん過程と結果が雑過ぎてまるで伝わってこないな……」





P「おーい。真は居るかー?」



真「あ、はーい!」



P「そろそろ時間だから、外に出る準備しておけよー」



真「分かりましたー……ゴメンね雪歩、折角話の途中だったのに」



雪歩「う、ううん、大丈夫だよ真ちゃん! そんなに気を遣わなくても……!」



真「また今度、時間があるときにでもゆっくり話そうよ!」



雪歩「ほ、本当!? じゃ、じゃあ明日のお昼とか……!」



P「……」ジー



雪歩「あ、あうう……」



真「もー……それじゃあまたね、雪歩!」



雪歩「う、うん。また明日……!」



バタン



雪歩「……えへへ……」ポエエ



美希「……」





美希「冗談抜きで不思議なんだけど」



雪歩「え?」



美希「雪歩と真クンは、どうやってあそこまで仲良くなったの?」



雪歩「そ、そんな……仲良くだなんて……」エヘヘ



美希「褒めてねーの」



雪歩「けど……私も正直、あそこまで真ちゃんにゾッコンになるとは思ってなかったなあ」



美希「普通、ただの女友達にゾッコンなんて言葉使わないと思うな」



雪歩「最初はね。正直、私も真ちゃんの事避けてた時期があったんだ」



美希「雪歩が真クンを……?」



雪歩「ただ男っぽいってだけの話じゃなくてね。なんとなーく、私とは趣味が合わない人なのかなーなんて……」



美希「そりゃあ、いつもお茶淹れてニヤニヤしてるようなインドア女と、真クンみたいな爽やかスタイリッシュ超人とじゃソリが合うわけねーの」アッハッハ



雪歩「」コチョコチョ



美希「あひっ!? わ、腋! 腋は止めてほしいのーっ!」ジタバタ



春香(あの二人って実は仲良いよなあ……)





美希「ゆ、雪歩は毎回容赦なさ過ぎ……」ゼエゼエ



雪歩「美希ちゃんって意外とくすぐったがり屋さんだよね」



美希「う、うるさいの! ……それで?」



雪歩「え?」



美希「どうやって二人は仲良くなったの?」



雪歩「ああ、その話かあ……」



美希「美希、事務所に入るの遅かったから純粋に興味があるの」



雪歩「そんなに面白い話でもないよお……実際は、真ちゃんが私にトコトン優しくしてくれて……って感じだったし」



美希「優しく……?」



雪歩「うん。例えば……」







――――数年前――――





真「初めまして、萩原真です!」



高木「おお、元気がいいねえ」



小鳥「今日からよろしく、真ちゃん!」



真「へへ、よろしくお願いしまーすっ!」



雪歩「……」コソコソ



真「……? すいません、あそこのドアから顔を覗かせている女の子は?」



高木「ああ、彼女も君と同じアイドル候補生……所謂、仲間だね」



真「仲間、かあ……へへ、よーし!」タタタ



高木「うーん……今時珍しく、情に厚そうな良い女の子じゃないか」



小鳥「ええ。ルックスもいいですし、男女問わず人気の出そうな……」



<男の人ーっ!!!



<へぶしっ!?



高木「!?」



小鳥「!?」







―――――――――――











雪歩「あの時私にぶたれてた真ちゃんの顔、カッコ良かったなあ……」ウットリ



美希「次からは、もっと真クンの優しさが伝わりやすい回想にしてほしいな」





雪歩「それからも真ちゃん、何度も気を遣って私に話しかけてくれたんだけど……」









――――――――――







真「おーい、雪歩ー!」



雪歩「ひいっ!? ま、真……さん」



真「もう……呼び捨てでいいよっていつも言ってるのに」



雪歩「ごご、ごめんなさいぃ……」ビクビク



真「そ、そんな卑屈にならなくても……」



雪歩「こ……こんなひんそーでダメダメな私は……!」スコップカチャ



真「貧相?」



雪歩「へ?」



真「貧相?」ズイ



雪歩「い、いや、あの」



真「貧相?」ズズイ



雪歩「ここ、これはその、持ちネタみたいなモノで……!」



真「貧相?」ズズズイ



雪歩「ひ、ひいいぃぃ……っ!?」ブルブル









――――――――



雪歩「どうしても普通にお喋り出来なくてね。会話の途中で逃げ出しちゃうのも日常茶飯事だったなあ」



美希「なかったコトにされてるけど、やっぱり雪歩真クンの事男扱いしてるよね?」









雪歩「酷い女だよね。真ちゃんはさ、それこそ何回も私とコミュニケーションを取ろうとしてくれてたのに」



美希「まあ……雪歩の臆病さは筋金入りだし。ほぼ初対面の人間じゃ、男相手じゃなくても萎縮しちゃうのはしょうがないの」



雪歩「けど……」



美希「?」



雪歩「それから半年ぐらい経ったある日……真ちゃんは、新米だったプロデューサーさんを引き連れて私にこう言ってくれたの」



美希「半年もそんな扱いされてた真クンは、流石に可哀想だって思うな」







――――――――――





真「雪歩っ!」



雪歩「ど、どうしたの? そんな血相を変えて……」



真「すまない雪歩! 僕にはまだ、本気の覚悟が足りてなかったみたいだ……!」



雪歩「か、覚悟……?」



P「お、おい真。俺をこんなところに引き連れて一体何を……」



真「この半年間、僕は考えた……どうすれば雪歩は、本気で僕の事を女の子扱いしてくれるのかって……」



雪歩「……?」



真「その答えが……」グイ



P「?」



真「これだああああっ!!」スッ



P「へ?」



































真「」チュゥゥゥゥ



P「!?」



雪歩「!?」





真「ん……」チュゥゥゥゥ



P「……ぷはっ! お、おい!?」



真「どうだい雪歩……男相手にこれ程まで熱く、濃厚なキスをしてる僕が本当に男の子に見えるのかい?」チュウウ



P「あふう……!?」ガタガタ



雪歩「え、え……?」



真「確かに今までの僕には迷いがあった……! たかが一人の女の子の為に、こんな生き恥を晒していいものかどうかって……」ブチュゥゥゥゥ



P「ちょ、一回止め……っ」ビクンビクン



真「けれど、もう迷わない……!」チュッチュ



雪歩「あ、あの、その……?」オロオロ



真「萩原雪歩……僕は……!」レロレロ



P「ふぁああ、舌入れちゃやらぁ……!」



真「全てを犠牲してでも、君を必ずモノにすると誓ったんだっ!」チュパチュパ



P「ああんっ! ベロフェラはらめえええ!!」



雪歩「ええ、えと……! わ、わかったから、一回止めてあげて……!」オロオロ



真「見ろ雪歩! これが本当の僕だっ!」チュッパチュッパ



P「しょ、しょんな、激しすぎりゅうぅぅぅ……っ!」ガタガタ



真「正真正銘の女アイドル……っ!」ムチュゥゥゥゥ



P「もうらめぇぇぇぇっ!!」



真「菊池真、その人だあああっ!!!!」ブッチュゥゥゥゥゥ



P「ひゃああああんっ! イクうううううっ!!!!」ビクビク



雪歩「」





――――――――――







雪歩「思えば私が、BL本に興味を持ち始めたのもあの時からだったよ……」



美希「なんかもう色々酷いの」







雪歩「それからかなあ……私と真ちゃんが、なんとなく一緒にいる回数が増えてっいったのは」



美希「美希的には、その後のハニーと真クンとの関係の方が気になるかな」



雪歩「真ちゃん、いつもいつも私に優しくしてくれてさ。……嬉しかったけど、同時に後悔もしたなあ」



美希「後悔? なんで?」



雪歩「こんなに優しい女の子を、私は半年間ずっと傷つけてたのかって……少し、申し訳なくなっちゃってね」



美希「……」



雪歩「だからね、その時思ったんだ。私もこの子に尽くしていこう、いつか彼女に本当の友人と認めてもらえるよう頑張っていこうって……」



美希「雪歩……」



雪歩「あはは……ゴメンね、急に湿っぽい話しちゃって……」



美希「そんなことない……とっても雪歩らしい、素敵なお話だったの……」ホロリ



雪歩「それは遠まわしに、私が湿っぽい奴だって馬鹿にしてるのかな?」







美希「けど、真クンは本当にいい女なの……」



雪歩「うん……私も常日頃から、自分が男の子だったらっていう妄想をよくしてるけど……口惜しいよ」



美希「真クンをお嫁さんに貰える男の人は、本気で幸せ者だって思うな」



雪歩「頼りがいありそうだしね!」ウンウン



美希「家事も手を抜かず、熱心に取り組んでくれそうなの」



雪歩「毎回、恥ずかしそうにお帰りのチューを夫にせがんだりしてさ!」ウキウキ



美希「多少きわどいプレイでも、真クンの懐の広さなら受け入れてくれそうだし」



雪歩「子供の世話も、一生懸命やってくれそうだしね!」キラキラ



美希「うんうん。真クンはエプロン姿で子供をあやしてる恰好が良く似合うの」キャッキャ



律子(あの子達、よく毎日真の事で熱心に語り合えるわね……)







雪歩「参ったなあ……この手の話をすると、真ちゃんへの愛が溢れて止まらないよ」ポワポワ



美希「それもこれも、真クンが人として完璧過ぎるからだって思うな」



雪歩「確かに……むしろ真ちゃんに非があるよね」



美希「あーあ。世界中の人間が皆、真クンだったら何も悩まなくて済むのに……」



雪歩「そ、そんな素晴らしい世界がこの世の中に……!?」ゴクリ



美希「た、ただの冗談だからそんな本気にしないでほしいの」



雪歩「そ、そうだよね……真ちゃんの家族とかだったらまだしも……」



美希「まだそっちの方が現実的だって思うなー」



雪歩「うん、現実的……」アハハ



美希「……」



雪歩「……」







真「ただいま戻りましたー!」ガチャ



小鳥「あら、真ちゃん早かったわね」



真「ちょっと忘れ物しちゃって……って、あれ? 二人ともまだ居たの?」



雪歩「……」



美希「……」



真「ど、どうしたのさ? そんなにマジマジと僕の方を凝視して……」



雪歩「真ちゃん……」



美希「真クン……」



真「な、なに?」





































美希「もし兄弟とかいたら紹介して欲しいな」



雪歩「わ、私は別に姉妹の方でも……!」



真「ふざけんな」





おしまい











17:30│萩原雪歩 
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