2015年05月28日

荒木比奈「フツウの夢」




比奈「…はふ」



比奈「?」







どたどた





仁奈「行くでごぜーます!もくてきちはちけーですよ!」パタパタ



柚「おーっ、仁奈チャン隊長!タオルは柚にまかせて!」



仁奈「かたじけねーです!」



比奈「…」



比奈「…二人とも、ホテルでテンションあがってるっスねぇ」アハハ



P「こらー、二人とも騒ぐなー。大浴場で迷惑かけるなよー」



柚「へへーん。Pサンは入って来れないし逃げるが勝ちかもっ」



仁奈「そうゆーことでごぜーます」



P「なっ、こらー」



比奈(大変そうっスねー)



楓「比奈ちゃんも一緒に入らない?」ひょこ



比奈「わっ楓さん…」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430582968





柚「変態サンだー」



仁奈「変態でごぜーますー」



P「ちょ、誤解を招くことを言うのはやめて…」



比奈「…」クス



比奈「いえ、私はさきに入って来ちゃったっスから。残念でスけど」



楓「あら、残念…ふふ、じゃあ、またあとで。一緒にお酒でも飲もうね」



比奈「はい」



楓「…仁奈ちゃん隊長、私のおしごとはなにかしら…」トトト



比奈(仁奈ちゃん隊長)



比奈(……あれっ一緒に入るってもしかして遊びに入るみたいな?)ソウイウ?



P「楓さんは大人なんですからちゃんと二人の面倒を見てください」ペチ



楓「あう」



比奈(どっちにしても入らなくてよかったかも)クスクス



楓「うー。はーい、分かってます。大丈夫です、まかせてください」



P(心配だ)



楓「“大人”ですからね。えへへ」ニコニコ



P「?ええ」



比奈(…………やっぱり一緒に行ってもよかったかなー)



柚「楓サンはやくー」



楓「うん。では、プロデューサー、またあとで」



P「はい」



仁奈「楓おねーさんっ、このまえお泊りしたとき見せてくれた水のとばし方、また教えてくだせー!」



楓「はい。仁奈ちゃん隊長」



比奈(コーヒー牛乳でも飲もうかな)

ぱたぱた





比奈(スリッパで歩いてると泊まりに来たなーって感じがするっスねー)



比奈「…」ぱたぱた…



比奈(たのしい)ニヘ



P「?」

比奈「うーん」



比奈(フルーツ牛乳も捨てがたいっスね……むむ)



比奈「…あ」



比奈「…それよりも、そういえばおさいふ…部屋に置いて来たような」



比奈「……はぁー、しまった…」ガク



P「売り切れにでもなってたのか?」



比奈「おぅ」びくっ



P「おおう」

P「悪い、驚かせたか」



比奈「い、いえこちらこそ…それよりプロデューサー…も、柚たちとお風呂に行ったんじゃ…」



P「ん?ああ、俺はあとで入るよ」



P「柚と仁奈と楓さんのことだから、お風呂で遊んでのぼせてくるかもしれないしなぁ」



比奈(過保護っス)プ



P「なにか飲むか?」



比奈「あ、えと、はい。さいふ置いて来ちゃって…」



P「うん。出すよ。なにがいい?」



比奈「……コーヒー牛乳で」



P「おう」



パコ





P「ぷは。うまいなー、やっぱこういうの」



比奈(……フルーツ牛乳だ)チビ



比奈「…お風呂のあとじゃなくていいんでスか?」



P「うん。どうせ部屋のシャワーですませるから、今の内にな」



比奈「まだなにかお仕事っスか?」



P「ちょっとだけ」



比奈「…無理しないでくださいね」



P「おう」



比奈(おいしい)ちびちび



P「あ」



比奈「?」



くしゃ





比奈「!?ぅ、ん…ぷ、プロデューサー?」



P「比奈、またちゃんと髪かわかしてないだろ」



比奈「あ、いや…う、くしゅ」



P「体冷えるぞ。タオル貸して」



比奈「あっ、ふあ、わわ」ワシャワシャ



P「…ドライヤー、嫌いなんだったか」



比奈「ス」



P「それならこうやって俺がちゃんと拭いてやるから」



比奈「…ス」



比奈「…えへへ」





P「……」



比奈「…?な、なんでス?」ちび



P「いや」



P「飲み方、かわいいな。リスみたいで」



比奈「…」



比奈「お、おなか冷えちゃうから…こうやって飲んでるだけっス」



P「そっか」



比奈「…………」ちびちび



比奈「…」



比奈(プロデューサーのフルーツ牛乳、置いてある…)



P「?」ワシャワシャ



比奈「一口もらってもいいでスか」



P「ん?うん。いいよ」



比奈「えへへ。どーも」



比奈「実はどっちにするか迷ってたんでスよね」ニヘ



P「そっか」ワシャワシャ



比奈「……」コクコク



比奈「ふふ、プロデューサーの、そういうところ、私好きでスよ」



P「なんの話だ?」



比奈「いえ。なんでもー」





P「はい」



比奈「さっぱりしたっス!」



P「はいはい」



比奈「はふ」ふるふる





<ニナチャンノカミナガイネッ



<カワカスノタイヘンデゴゼーマス

<カミガナガイ…カミガナイ…フフ…





P「……他の人に迷惑かけてないかな…」サワガシイ…



比奈「あはは…」



P「今度からは自分でもちゃんと乾かすんだぞ」



比奈「はーい」



P「比奈はアイドルなんだから」



比奈「…はい」



比奈(えへへ)





P「髪型だって、いろいろ変えてみて、いろんな可愛さになれるだろ?」



比奈「あ、なんか分かるっス。私アイドルなので」



P「なんだそれ」



比奈「へへ」



比奈「私も少し、アイドル、慣れてきたって事でス」



P「それはなにより」



比奈「はい」



比奈「…」



比奈「もう、柚たちも上がって来そうだし、待ってましょうか」



P「そうだな」



比奈「…」



比奈「…このホテルを予約してくれたプロデューサーには感謝っス」



P「どうした急に」





比奈「や。深い意味はないんでスけど。楽しいから」



P「そっか」



比奈「はい」



比奈「……」クルクル



比奈「…それに、やっぱりアイドル、やれてよかったなーって思うし…。あれでスね、アイドルなんて途方もないような夢でも、意外と、叶うんでスね、なーんて…」



P「いや」



P「アイドルは普通の夢だよ。女の子なら、だれだって憧れる、普通の夢だ」



比奈「…………」



比奈「ん。なんでスかね」



P「ああ」



比奈「…はい」



比奈「……へへ…そっか、普通の…夢、かー」



比奈「……」ゴクゴク



比奈「ぷはっ」





かこっ





比奈「はふ。プロデューサー、私、さきに部屋に戻ってるっス!」



P「え?い、いや、お前が柚たちを待ってようって――」



比奈「い、いえ。ちょっと用事を思い出して」



P「どうせ読みたいマンガを思い出したとかだろ」



比奈「ち、違いまスー」



比奈(――…普通の夢、って、そっか、私も普通の女の子みたいに、みたいな、夢が)



比奈(…けど、それならもう一つ…)



P「このままレストラン行くつもりだったし、鍵も俺がもってるってば」



比奈「そうでした!」//



ばふっ





柚「前が見えない!」



楓「のれんは柚ちゃん推しね、なんて…ふふ」



仁奈「あー。柚おねーさんいいなっ、仁奈も同じみたいにしてーです」ぴょんぴょん



P「こらー、そこにいると他の人に迷惑だろ。早く出て来い。ごはんに行こう」



柚「てへ。はーい」



比奈(…あぅ、退却失敗…)



仁奈「比奈おねーさん!おねーさんもいっしょにおふろ入ればよかったですよ。ここのおふろはすげーです」キラキラ…



比奈「や、仁奈ちゃん、私はさきに入ったから分かってるっス」



楓「私のだじゃれ100連発は比奈ちゃんにはまた今度ね」フフ



比奈「お風呂でなにやってんでスか。い、いやえんりょさせて欲しいでス…」



柚「Pサンも今度いっしょに――わ!たのしいけど、たぶん恥ずかしいからだめだ!や!」ベシン



P「自己完結するのやめてくれる?」イタイ



比奈「……」



比奈「…あはは」





比奈(まあ、いいか、もう一つの夢はまたそのうち…)



柚「ばんごはんなにカナー♪」



仁奈「もふもふなものでごぜーますかねー♪」



比奈「ね、プロデューサー」コソ



P「ん?」



比奈「普通の女の子の夢、プロデューサーなら、全部、叶えてくれるっスよね?」



P「?…」



P「おう。努力はするよ」



比奈「…」ニコ



比奈「はい。よろしくっス。へへ」



おわり



21:30│荒木比奈 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: