2015年06月09日

前川みく「みくたちが本人役でドラマ出演!?」

みく「渋谷凛役:渋谷凛、島村卯月役:島村卯月、本田未央役:本田未央……」



みく「前川みく役:前川みく……なんか想像がつかないにゃ」



菜々「古畑任三郎 VS SMAPみたいな感じですね!」





瑞樹(あ〜また古いネタを……)



未央「本人役って言われたって難しいよねえ、ありのままを出せってことかもしれないけど」



みく「確かにどうなるかわかんにゃいけど、みくは楽しみだにゃ!」



みく「自分を見つめ直す機会にもなるし、逆に新しい自分にも出会うチャンスにもなるし!」



未央「あーそっかぁ、みくにゃんは猫キャラで初めから役を演じてるようなもんだからねえ」



みく「キャ、キャラっていうにゃあ!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433515513



みく「まったく……それで、レギュラーはみくたちシンデレラプロジェクトの14人」



みく「準レギュラーは美嘉チャンを始めとした約20人」



みく「その他エキストラで346プロのアイドルが出演予定……え、全員が出るわけじゃないってこと?」



美波「そうなるね、本当は皆で出たいけど……」



瑞樹「こればっかりは向こうの事情とかがあるから……」



みく「そんな……」



ちひろ「確かに今クールで出演できるアイドルはせいぜい50人程度になると思います」



ちひろ「ただ、テレビ局の意向としては夏にもう1クール製作が予定されていて」



ちひろ「合計2クールの評判がよければ3クール目、4クール目と継続してやっていきたい、と」



みく「ということは……」



美波「他のアイドルが出られるかどうかは私たちの頑張りに懸かってる、ってことだね」

みく「そっか……うん、みく頑張るにゃ! 皆と一緒にドラマに出るために!」



未央「おー、そうなったら俄然やる気出てきたよ!」



美波「うん、頑張ろう!」



ちひろ「その意気ですよ!」



菜々(ところで……なんでちひろさんはアシスタントなのに本人役で出演予定なんでしょう……)



瑞樹(言わぬが花、かしら)

のあ「そう、本人役のドラマに……自分を別の視点から演じるというのは、いい機会じゃないかしら」



みく「の、のあにゃんの出番は……」



のあ「今のところはないわ」



アナスタシア「ノア……」



のあ「今は私の心配をするよりも、あなたたちが集中するべき時」



のあ「なのに、そんな顔をしていたら果たすべき役目もこなせなくなってしまう」



みく「……のあにゃん、みくたち頑張るにゃ! 頑張って続編出せるくらいのドラマにして」



みく「そして、ドラマでもにゃん・にゃん・にゃんでライブするにゃ!」



アナスタシア「ダー、ブィッチストイーキミ、私も、頑張ります」



のあ「……頑張りなさい、貴方たちの思うがままに」

現場



みく(NGだけが出てる一話の撮影は終わってて、みくたちの出番は今日撮影する二話からだにゃ)



武内P「よろしくお願いします」



みく「あ、よ、よろしくお願いします!」



智絵里「わわ、おっきい……」



杏「きらりよりもデカくない? いたんだ、そんな人」



蘭子「あの大男より禍々しき霊気が見える……(な、なんだか怖そう……)」



凛「私たちも最初はそう思ってたけど、実際はそうでもないから、安心していいよ」



卯月「役柄と一緒で寡黙な人ですけど、役柄と一緒でとっても優しい人なんですよ!」



未央「不器用でもあるよね!」



武内P「お恥ずかしながら……」

ディレクター「前川さーん、撮影準備お願いしまーす!」



未央「お、早速みくにゃんの出番だね」



みく「い、行ってくるにゃ!」



かな子「頑張って! みくちゃん!」



きらり「みくちゃんふぁいとぉ〜☆」



監督「まずはみくちゃんのアー写撮影のシーンから撮ろうか」



みく「よろしくお願いします!」



みく(い、いつも通りやれば大丈夫にゃ……いつも通り、いつも通り……)



カメラマン「よろしくお願いしまーす」



監督「3、2、1、キュー!」

カシャッ カシャッ



カメラマン「そうだなー、もうちょっと動いてみようか、みくちゃん」



みく「は、はい!」



みく(カ、カメラが多くて普通の撮影より緊張するにゃ……!)



カメラマン「んー、くるっと回って猫のポーズとかできる?」



みく「わ、わかりましたっ」クルッ



みく「にゃあっ」ビシッ



カメラマン「お、いいねぇ!」カシャカシャッ



みく(やっぱりこのポーズは落ち着くにゃ!)

カメラマン「それじゃ次はスカートをしっぽに見立てる感じでいってみよう!」カシャカシャッ



みく「えーっと……こうかにゃ?」ヒラッ



カメラマン「うん、グッドグッド、にゃあのタイミングで撮りたいから、みくちゃん合図だしてよ」



みく「はい……にゃあっ」



カシャッ



カメラマン「うーん、ちょっと物足りないなあ……」



みく「ご、ごめんなさいっ」



カメラマン「いやいや、謝ることはないよ。みくちゃん、もっと猫になりきってみようか」



みく「は、はぁ……にゃ、にゃあっ!」



カメラマン「あー、そうじゃなくてもっと喉を鳴らす感じで!」



みく「に゛、に゛ゃあっ!」



カメラマン「もっと喉を震わせて! あの夜中に聞こえる鳴き声みたいに!」



みく「に゛、に゛ゃぁあああ゛っ!!」

監督「はい、カットォ! カメラ撮るの忘れてんじゃーん」



カメラマン「あーすいません、つい入れこんじゃってー」



みく「はぁ、はぁ……あ、あの、ここまでする必要あったんですか……?」



カメラマン「ないよ?」ケロッ



みく「にゃっ!?」



カメラマン「だって俺は……」スッ



バリバリッ









のあ「私なんだから」









みく「にゃああああああああああああああああああああああああああ!?」

みく「ちょ、な、なに今の!? カメラさんが顔を破ったと思ったら、中からのあにゃんが……はっ!」



みく「ま、まさかこれ、ドッキリで、ドラマは……」プルプル



武内P「安心してください、前川さん。ドラマが放送されるのは確定事項です」



ちひろ「一話も放送済みなんだからそんなことないですって」



みく「じゃ、じゃあなんでのあにゃんが……」



のあ「単純にみくをからかいに来ただけよ」



みく「余計厄介だにゃああああああああああああ!!」

みく「なにしてんの! スタッフさんに迷惑かけるでしょ!!」



武内P「いえ、事前に話は聞かされていたので、別に迷惑ということは」



みく「打ち合わせ済み!?」



アナスタシア「アー、みく、ノアを怒らないでください。ザボータ、みくのこと、心配してました」



美波「う、うん。みくちゃんがちゃんと演技できるかって、心配してて……」



武内P「おそらく緊張をときほぐそうとしてくれたんだと思います」



のあ「……」



みく「の、のあにゃん……」



莉嘉「そうだよー、だから……あれ、なんていうんだっけ、のあちゃん?」



のあ「緊張してたみくちゃんが怒れる立場じゃないよ、でしょう?」



莉嘉「あれー、そんなんだっけ?」



みく「なに裏で示し合わせてんのにゃあああああああ!!」

みく(どうにか二話の撮影が終わって、引き続き三話の撮影だにゃ)



みく(前回美嘉ちゃんのバックダンサーに任命されたNGに対してみくが嫉妬するシーンから始まるにゃ)



みく(まぁ、かませ犬、ならぬかませ猫役は慣れてるもんね。伊達にチュートリアルで400万人に負けてないにゃ)



みく(本当なら正統派がやりたいけど、こういう役回りの方だって名前は売れるからポジティブに考えよう、うん)



現場



未央「そ、壮絶な戦いだった……」



みく「」



凛「たかがジェンガ程度で……」



卯月「これってアイドルに関係あるんですか?」



かな子「あの、クッキー焼いてきたんですけど、食べませんか?」



智絵里「みくちゃん大丈夫?」



みく「にゃあ……」ヘナッ...

未央「お、このクッキーおいしい!」



卯月「本当ですね!」



凛「もしかしてこれって自前でもってきたの?」



かな子「そうだよぉ〜」



智絵里「みくちゃん、クッキー食べる?」



みく「にゃあ……」ググッ...



みく(大天使チエリエルとも呼ばれる智絵里チャンがなぜかちょっと鬼畜さを見せるシーン……)



みく(きっちり演じて引き立てないと……!)



智絵里「えいっ♪」ズボッ



みく「フゴッ!?」

智絵里「ふふっ♪」グイグイ



みく「ふょっ、ひへひヒャン、ひゃめっ、むぐっ」フゴフゴ



智絵里「みくちゃんかわいい……///」ハァハァ



みく「んっ、じゅるっ、んふ、ふあっ、した、やめ、ふぇ、んんっ……///」



未央「あー、そのへんにしとこうか」グイッ



智絵里「えー」ズポッ



未央「放送できなくなっちゃうから」



みく「ゲホッゲホッ……ち、智絵里チャン、なんで……」



智絵里「なんで? だって私は……スッ」



バリバリッ









のあ「私なんだから」









みく「にゃああああああああああああああああああ!?」

みく「なにやってんの! 二度目はさすがに迷惑極まりないよ!?」



のあ「そんなこという子はちょっぷです」ビシッ



みく「全然似てないから! そもそも智絵里チャンとの身長差ありすぎでしょ! なんで擬態できるの!?」



のあ「不可能だと思っているから不可能になる。可能だと思わなければ、人間は進歩しない」



みく「それでも限界はあるでしょ! ていうか智絵里チャンはどこ!?」



のあ「私の代わりにバニーの仕事をやってもらっているわ」



みく「それで喜ぶファンはいるかもしれないけど、ドラマの撮影どうすんのこれから!」



未央「まぁまぁ落ち着いてみくにゃん」ドォドォ



かな子「智絵里ちゃんは他の現場からの移動で遅れてるだけだから……」



みく「フーッ、フーッ……」

みく(どうにかこうにか三話の収録も終わって、のあにゃんも四話の収録にやってこず、五話を迎えたにゃ)



みく(今回はみくの不満が爆発する話。憎まれ役になっちゃうけど、ドラマを盛り上げるには欠かせない役回り)



みく(みくにしかこういう仕事はできないと製作側が思ってくれる証、それはアドバンテージにゃ)



現場



みく「たのもーにゃ!」



りかみりあ「にゃー!」



未央「出たな、みくにゃん、返り討ちに……ん?」



かな子「休憩中?」



智絵里「お、お邪魔します……」



李衣菜「やっほー」



未央「六人!? こっち五人なんだけど……」



みく「安心しにゃ、今日は美波チャンとアーニャチャンに交渉に来たにゃ!」



美波「交渉?」

みく「そうにゃ! デビューが決まってないのにデビューしようとするから無理って言われる」



みく「だったら、デビューが決まってるアイドルと組めば、デビューできるってわけ!」



アナスタシア「バーター、ってやつですね」



凛「変な言葉はわかるんだね・・・」



みく「言い方は悪いけどそういうことにゃ。美波チャンとアーニャチャンとみくで、猫チャンユニットを組むにゃ!」



美波「うーん、一緒にデビューしたいのはやまやまだけど……」



アナスタシア「難しい、ですね」



みく「で、でも一緒に交渉にいけば考えてくれるかもしれないでしょ?」



美波「だって……」チラッ



アナスタシア「アー……」チラッ



ガチャッ









のあ「私がいるもの」









みく「にゃああああああああああああああああああ!?」

のあ「どうも、にゃん・にゃん・にゃんです」



アナスタシア「です」



美波「あはは……」



みく「なんでそうなるの!? 仮にそういう話だったとしてもおかしいじゃん!」



みく「今までドラマに出てない人がいきなり出てきてユニット組むとか視聴者ドン引きだよ!?」



みく「ていうかにゃん・にゃん・にゃんのメンツ違うから! みくが居なくなってるじゃん!」



美波「み、みくちゃん落ち着いて……」



のあ「そうよ、それに貴方が怒れる立場ではないわ。にゃん・にゃん・にゃんのメンツを変えようとしたのはそもそも誰?」



みく「それは台本だから!」



アナスタシア「みく、開きなおる、ですか?」



みく「え?」

未央「そうだよみくにゃん、ひどいじゃん、台本だからって言い訳して」



みく「え? え?」キョロキョロ



みりあ「え、みくちゃん、のあちゃんをユニットから追い出すつもりなの?」



莉嘉「えーひどくなーい?」



みく「あ、あの……」



のあ「……」



みく「ご、ごめんなさい……」



のあ「……」フッ



みく「……いやいやおかしいから! そもそもの発端はのあにゃんでしょ!」

みく「はー……どっと疲れたにゃ」



杏「おーそうかー、じゃあ杏と一緒にサボろうよ」



みく「お断りにゃ」



莉嘉「なんか秘密基地みたいでワクワクするよねー!」



みく「あくまでも仕事だから真面目にやるの」



ディレクター「本番入りまーす!」



みく「あ、はい!」



みく(まあのあにゃんはもう来ないでしょ。仕事に集中集中)



みく(それに、なんたってこのシーンはみくの見せ場だからね!)

みく「みくたちのデビューを約束してほしいにゃ!」



杏「え!? ……じゃあ杏も降りるよ……」



みく「ちょ!?」



きらり「みくちゃん、もぉやめよぉ? みんな困ってるよぉ」



かな子「デビューのこと、プロデューサーに相談してみよう!」



みく「……したにゃ」



武内P「!」



みく「何度も……でもダメだった。なんで? なんでダメなの? みくたちも頑張ってるのになんで?」



みく「シンデレラプロジェクトのオーディション受かって、すごくうれしかった」



みく「レッスン頑張って、小さいお仕事も頑張ってやってれば、いつかデビューできるって信じてた」



みく「でも、どんどんおいてかれて、ほっとかれて、何が違うの?」



みく「もっと頑張ればいいの? もっとってどれくらい? みく全然わかんない……」



みく「このままは嫌……みくもアイドルになりたい……デビューしたい!」



みく(よし、言えたにゃ……!)

武内P「……すみません、前川さん!」



武内P「前川さん、デビューについては、皆さん全員分考えています!」



みく「……!」



莉嘉「ホント!?」



武内P「まだ決定ではないので話せませんでしたが、新田さん、アナスタシアさんは第一弾」



武内P「続いて、第二弾、第三弾と、ユニットデビューしていただこうと思っています!」



みく「……なんだぁ」ドサッ



みく「……早く言ってにゃ」グスッ



武内P「……ほっ」



??「未だ突撃しろぉ!」



一同「!?」

ヒュー...ドォーン!



みく「にゃああああああああああああああああああ!?」



凛「て、鉄球!?」



菜々「あれは……あさま山荘!?」



楓「あさま山荘を真似るなんて浅ましい……」



亜季「お、ドンパチでありますか!? 任せるであります!」ガタッ

バババババババッ ズドドドドドドドッ



みく「ちょっ、なんで機動隊がいるの!?」



莉嘉「わーっ、なにこれたのしー!」



卯月「あわわわわわわわわ」



只カチャッ 只カチャッ 只カチャッ



みく「え、あれってもしかして……」



亜季「ぶっ飛べであります!」



ドゴォォォン...



きらり「うひゃー☆しゅっごーい☆」



杏「※この時点でみくのデビューはまだ決まっていません、ってところかな……」

ヒュォォォォォ...



蘭子「濃霧がごとき白煙……(だ、大丈夫なんですか、あれ……)」



アナスタシア「ダー……ロシアでは、日常茶飯事、です」



李衣菜「あ、あれはロック過ぎるなあ……」



モワモワモワ...



みく「けほっけほっ……」ボロボロ



未央「あ、みくにゃんだ!」



??「大人しくお縄につくことね……」



みく「……」









のあ「みく」









みく「いい加減にしろにゃあああああああああああああ!!」

みく(その後撮影は進み、ドラマは10話まで放映され、反響もそれなりにあったことから2クール目も確定)



みく(それはそれで喜ばしいことだし、何よりのあにゃんがそれ以降撮影現場に姿を見せなくなった)



みく(打ち合わせ済みだったとはいえさすがに撮影セットを壊したのはまずかったのか、それともきまぐれなのか……)



みく(何はともあれ次の11話はみくたちのCDデビューの話にゃ。りーなちゃんとのユニットかぁ……)



みく(新鮮で楽しみな反面、ちょっと不安なところもあるにゃ)



女子寮



みく「にゃっ!? 何その大荷物は?」



李衣菜「一週間分の荷物を詰め込んだら、こうなったんだけど?」



みく「そんなに持ちこまれたら迷惑にゃ!」



李衣菜「これでも散々悩んで絞り込んだんだから」



みく「いったい何を持ってきたらこんなに……」ガサゴソ



ガ ン プ ラ



みく「」

李衣菜「じゃあ早速並べてくから」ガチャガチャ



みく「ちょ、なに人の部屋に勝手に陳列してるにゃ!」



李衣菜「みくちゃんの部屋狭すぎー、並べきれないじゃーん」



みく「全部並べるつもりなの!?」



李衣菜「えーだって……」



バリバリッ









のあ「私だからよ」









みく「にゃああああああああああああああああああ!?」

みく「しばらく見ないと思ったらこれかにゃ! 不意打ちすぎるにゃ!」



のあ「貴方の出番がないのが悪いんじゃない」



みく「どんな言い訳にゃ!」



みく「はー……もういいにゃ。今日はどうせこれっきりだろうし……」



のあ「何を言っているの、みく。貴方には目立った出番がこれまでなかった」



のあ「だから私も出ていく機会がなかった。けれど、今の貴方にはこれからたくさんの出番が与えられている」



のあ「つまりそれだけ私がちょっかいをかける機会があるということよ」



みく「」

みくの部屋



みく「ただいまー、疲れたにゃ……」



李衣菜「おー、おかえりー」グツグツ...



みく「あれ……李衣菜ちゃん料理できるの?」



李衣菜「時々ね、今は煮物を作ってて、テーブルにもいっぱい並べてあるから、見てみなよ」



みく「へー……(あれ、台本と違う……)」チラッ



鯛 の 炊 き 込 み ご 飯 



刺 身 の お 造 り



サ ー モ ン の カ ル パ ッ チ ョ



い わ し の つ み れ 汁



みく「」

李衣菜「ふっふーん、そして今作っているのがカレイの煮つけ……」



みく「ちょっと! 嫌がらせにもほどがあるでしょ!」



李衣菜「え、みくちゃん魚嫌いだった……?」



みく「台本ではカレイの煮つけしか作らないじゃん! 知っててやってるでしょ!」



李衣菜「えー……」スッ



バリバリッ









のあ「バレたか」









みく「にゃああああああああああああああああああ!!!」

事務所の休憩所



李衣菜「いやいやだからさー、ロックはハートなんだってば」



李衣菜「熱いハートがなければファンだってついてきてくれないでしょ?」



みく「みただけで幸せになれるキュートさがアイドルの魅力なの!」



みく「そのための猫耳にゃ!」



李衣菜「猫耳にロックは合わないって。それよりギターを持って魂のフレーズを……」



みく「だったら! そのフレーズを聞かせてほしいにゃ」ビシッ



李衣菜「えー……しょうがないなー……」スチャッ



みく「え、なにその変なギター……」



ピロピロピロピロ...ジャーンッ!



みく「」



李衣菜「いやー本気は見せたくなかったんだけどなー……」スッ



バリバリッ









のあ「やぁ」









みく「にゃああああああああああああああああああ!!!!」

宿泊所



みく「……」



李衣菜「……」スースー...



のあ「……」



みく「もう隠すつもりすらないの!?」



李衣菜「ううん、うるさいなぁ……」ゴシゴシ



のあ「そうよ、みく」



みく「いや、確かに撮影終わって気にする必要はないけど、なに堂々と人の部屋に来てるの!?」



李衣菜「えー……まぁそういわないでよみくちゃん」



みく「なんでりーなチャンがかばうのにゃ!?」

李衣菜「いやー、正直なところ私もみくちゃんとのユニットってどうなるかわかんなくて」



李衣菜「のあさんから色々と訊いてたんだよね、どんな性格なのか、とか」



李衣菜「そしたら普段寡黙なのあさんが、みくちゃんの話になると結構喋ってくれたんだよね」



みく「えっ……」



のあ「……」



李衣菜「みくちゃんは知らないかもしれないけど、実は毎回現場に来てくれてるんだよね、のあさん」



李衣菜「のあさんもさ、多分寂しいんだと思うよ。みくちゃんがドラマでいっぱい映って、人気出てるから」



李衣菜「私もなつきちとかフォーピースの皆がいるから、逆の立場から考えるしかないけど、ちょっとわかるな」



みく「……のあにゃん……」



のあ「でもそれは免罪符にはならないわ。みくに迷惑をかけているのは私。そんな私が許してくれだなんて言えるはずはない」



みく「……別に、撮影に支障が出てるわけじゃないから、いいにゃ」



のあ「……」



李衣菜「やったね、のあさん」カタパン



のあ「感謝するわ」



李衣菜「じゃあ、約束通りギターのご指導を……」



みく「お前ら出てけにゃあああああああ!!」

みく(そんなこんながあって収録も大詰め、いよいよ最終回のサマーフェスティバルの撮影にゃ)



みく(お客さんも観覧募集に当選した本物のファンの人たち。いわゆる公録ってやつだにゃ)



みく(どこかでミスしたら差し替え映像で補う手もあるとは言われてるけど、基本的には一発勝負……)



楽屋



スタッフ「え、シンデレラプロジェクトの子が倒れた?」



智絵里「練習に付き合ってもらってたんです……そうしたら、美波さんが……」



ちひろ「風邪ではありませんが、極度の緊張で、発熱が……」



武内P「緊張……」



アナスタシア「ミナミはリーダー、みんなのために、頑張ってました……」



武内P「私が負担を……」



美波「違います! 私も、夜遅くまで練習していたりしたので……すいません、もう大丈夫です!」ググッ



ちひろ「まだ熱が!」



アナスタシア「ミナミ!」

武内P「新田さん……ステージへの出演は、許可できません……」



美波「……!」



武内P「申し訳、ありません」



ちひろ「ラブライカが出られないとなると、調整が必要になりますね」



美波「待ってください! 私が出られないのは自分のせいです!」



美波「でも、アーニャちゃんは! アーニャちゃんには一人でも出てほしいんです!」



美波「だって、あんなに頑張ってきたのに……」グスッ



アナスタシア「ミナミ……」



未央「代役、みなみんの……」



莉嘉「ぶっつけ本番、かぁ……」



かな子「この大舞台で……」



蘭子「あのっ!」



武内P「神崎さん……」



蘭子「その、誰かと一緒に何かをするのって、すごくドキドキしました……」



蘭子「やってみたいんです!」



アナスタシア「ランコ、お願いします」ギュッ

李衣菜「私たちは蘭子ちゃんが着替えるまでの場繋ぎ役、かぁ」



みく「それはそれで大事な役にゃ、やってみせるにゃ!」



李衣菜「そうだね、ここまで来たんだし、しっかりやりきらないと!」



みく「あ、蘭子ちゃんが降りてくるにゃ」



蘭子「しばしの空白、そなたたちに委ねるぞ!(少しの間、お願いします!)」



みく「まっかせろにゃ!」



ステージ



*「どうもー、アスタリスクでーす!」



みく「アスタリスクの猫担当の前川みくと」



李衣菜「ロック担当の多田李衣菜でーす!」



オオオオオ! ミクニャーン! ダリー! カイサンシナイデー!

李衣菜「あー、早速解散のネタは広まってるんだねー」



みく「いやー、本当は二人とも仲は良いにゃ。あくまでもドラマの演出上、そうなってるだけで」



李衣菜「え、私は実際の仲に忠実にやってるだけなんだけど。」



みく「えっ、いやいや、おかしくにゃい? 実際に一緒に作詞もしたでしょ?」



李衣菜「いや、杏ちゃんじゃないけど、印税のためっていうか」



みく「えっ、なにそれ、ビジネスフレンドってやつ?」



李衣菜「まぁ、うん……」



みく「じゃあドラマが終わったら本当に解散、ってこと……?」



李衣菜「……嘘だよっ、本当はみくにゃんのことだーいすきっ」



みく「え、えぇー、それは卑怯だにゃぁ……」



オォー キマシタワー トウトイ...



李衣菜「まぁ、このやり取りも台本なんだけどね」



みく「み、みくは何を信じればいいにゃ!?」



ハハハハハ...

みく(あ、カンペが出たにゃ、ここからは本当に台本通り……)チラッ



みく「実は今日は皆にお知らせがあるにゃ、次の出番はアスタリスクの二人が出てくれるはずだったんだけど」



李衣菜「美波ちゃんの体調が優れなくて、急遽代役として別のアイドルがステージに立ってくれるんだ」



みく「それが誰かは出てくるまでの、お楽しみにゃ!」



エーナンダッテー ダレナンダー



李衣菜「さぁ、今日は特別なバージョンでお届けするよー! それではー?」



*「どうぞー!」



テレテレテテーテレテーテレテー♪ テテテーテー♪



オオオオオオオオオオオオオ!!!!



みく(凄い歓声、やっぱり蘭子ちゃんは人気……!?)









のあ「ひ〜と〜り〜よがりの〜♪」









みく「にゃああああああああああああああああああ!?」

みく「はっ!?」ガバッ



みく「夢……?」



みく「……ああ、思い出そうとしたら思いだせにゃい」



みく「にゃんだか、すごく長くて変な夢をみてた気がするにゃ……」ゴシゴシ



みく「時間は……」チラッ



みく「あ、ちょうどいい時間……それじゃあ起きよう……」ゴソゴソ



みく「ふわぁ〜……」



みく(撮影前日だからしっかり寝ないとと思って早く寝たはいいけど……)



みく(変な夢を、しかも長い時間見てたせいか、にゃんだかすごく体が疲れてるにゃ……)



みく「でもしっかりしないと」パンッ



みく「にゃんてったって346プロが事務所総出で製作するドラマに出演できるんだから」



みく「しかも全員本人役で出演! 楽しみだにゃ〜」





おわり



23:30│前川みく 
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