2015年06月11日

P「白衣を着たツインテールのメガネっ娘」

――CGプロダクションにて



P「え!? アイドルがいない!?」



ちひろ「はい、本当に申し訳ございません!」





P「じゃあ何でプロデューサーを募集かけたんですか!?」



ちひろ「この時期までにはアイドルをスカウトする予定だったんです。でも、中々スカウトがうまくいかなくて……」



P「え、じゃあ僕は何をすればいいんですか」



ちひろ「そのことなんですが、社長と話したんですけどね……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433871761



――某駅前



P「それで、自分でスカウトすることになった、と……」



ちひろ「だから私も付き添いで来てるじゃないですか! それに、スカウトは元々やってもらう業務の中に含まれていましたし!」



P「最初は雑用とか、先輩の付き添いから始まると思ってましたよ……」



ちひろ「できたばかりの事務所に何を期待してるんですか」



P「それもそうですけど……」



ちひろ「Pさんと一緒に事務所も成長していくんです! それにほら、先輩ならここに!」



P「え、どこですか?」



ちひろ「私! 先輩!」



P「1年しか違わないじゃないですか」



ちひろ「1年でも1ヶ月でも1日でも先輩は先輩ですよ!」



P「ちひろさんってあんまり先輩って感じがしないんですよねえ、小さいし可愛いし」



ちひろ「か、かわ!? からかってないでちゃんと真剣に探してください!」



P「からかったのは本当ですけど、まったくの嘘ってわけでもないですよ」



ちひろ「もう、いいですから!」



P「はーい、わかりました」

P(とは言ったものの……)



???[銀髪ショートの着物を着た釣り目っ娘]スタスタ……



???[薄着で胸の大きなツインテールの女子大生]スタスタ……



???[黒髪ストレートのクールなブレザーの女子高生]スタスタ……



P(行き交う子行き交う子、どの子もかわいく見えちゃうんだよなあ……)



ちひろ「何か特徴とか、決め手があったりするといいんですけどねえ……」



P「特徴や決め手ですか……」



ちひろ「ええ、社長曰く、『ティン!』と来るものがあるといいらしいです」



P「『ティン!』ですか」



ちひろ「まあ効果音は何でもいいと思いますけどね」



P「ティン……、ティン……」



ちひろ「あの、あまり連呼しない方が……」



???[セグウェイみたいなのに乗った白衣を着たツインテールの子]スイー……



P(!?)ビビッ



P「き、君だああああああああああああ!!!!」



ちひろ「きゃっ、ど、どうしたんですか突然! あ、待ってくださぁぃ!」





P「君! アイドルに興味ないか!?」



???「……」スイー



P「そこの白衣着てセグウェイに乗ってる君だよ!」



???「!?」ピタッ



???「む、それはもしかすると私のことを言っているのか?」

P「そうそう、君だよ。よかった、止まってくれて」ゼェゼェ



???「何の用かは知らないが、まずこれはセグウェイではない」



P「あ、そうなの? ごめん、似てたから」ゼェゼェ



???「これは私が作ったスベルくんだ!」



P「スベルくん? というか、『私が作った』!?」



???「そうだとも! どうだ、驚いたか、ん?」



P「凄いよ! うん、驚いた!」



???「そうだろう、そうだろう!」





P「へぇ〜、こういうのって自分で作れるんだ」



???「私の天才的な頭脳と技術があればこそだがな!」



P「憧れはするけど自分で作ろうとはしなかったなあ」



???「へへん! 何事も行動に出さなければ結果は出ないぞ!」



P「その通りだよね。それできちんと結果出してるんだから凄いよ」



???「もちろん行動に起こすだけではなく、実力も必要なわけだ!」



P「そしてそれも兼ね備えていたと」



???「そうだとも! 君、なかなかわかっているではないか!」



P「はは、それほどでも」





ちひろ「ちょっと、Pさん、急に、走らないで、ください、よ」ハァハァ



P「ああ、ちひろさん! すみません!」



ちひろ「いきなり走って、どうしたんですか?」



P「いやあ、この子に『ティン』ときましてね」



ちひろ「この白衣着た子ですか?」



???「……君たちは何者なんだ」



P「怪しいものじゃないよ、ほらこれ」つ名刺



???「CGプロダクション?」



ちひろ「はい、アイドルを専門とした芸能事務所です」





???「で、そのアイドル事務所が私に何の用だ。ステージの仕掛けでも作ればいいのか?」



ちひろ「えっと……」チラッ



P「それも面白そうだけど、僕は君をアイドルにスカウトしたいんだ」



???「私を? アイドルに?」



P「君を、アイドルに」



???「……ふん、バカも休み休み言え! アイドルなど……」



P「君を見たときに、他の人と違うってビビッと来たんだ!」



ちひろ(街中で白衣着てるからじゃないかなあ)



???「ッ! そ、そうか……」



P「うん、どうかな」



???「だ、だとしてもアイドルには興味はない! 今日は帰らせてもらう!」スイー



P「あ、待って! ……ああ、行っちゃった。失敗かあ」



ちひろ「そうとも言えないですよ」



P「でも帰られちゃいましたよ」



ちひろ「名刺を受け取ってもらえましたし、上々です!」



P「でも、受け取ってもらえただけですよ?」



ちひろ「世の中にはその受け取ってもらうだけに、何日もかけることだってあるんですよ」



P「そんなこともあるんですか!?」



ちひろ「それに、『今日“は”帰らせてもらう』って言ってましたよね」



P「そういえば……」



ちひろ「ということはですよ、もう一度会ってくれるとも言えます」



P「ただの言葉の綾じゃ……」



ちひろ「もう! Pさんが悲観的になってどうするんですか!」



P「……そうですよね。そうですよね!」



ちひろ「はい! 私を信じてください!」



P「はい! ……そういえば、ちひろさんはスカウトしたことあるんでしたっけ?」



ちひろ「……はい」



P「成功は?」



ちひろ「…………いいえ」



P「……心配だなあ」



ちひろ「どういう意味ですか!?」



P「そういう意味ですよ!」



ちひろ「……こほん。ところでPさん、さっきの子、なんて子ですか?」



P「……? なんて子、とは?」



ちひろ「名前ですよ、名前! 今後呼ぶ時に必要じゃないですか」



P「あ、ああ! 聞くの忘れてました!」



ちひろ「あれだけ話してたのに!? アイドルに興味あるかの次ぐらいに大事ですよ!」



P「そういうのは最初に教えてくださいよ!」



ちひろ「それぐらい知っておいてくださいよー」



P「うう。ま、まあ、今度会った時に聞きますよ」



ちひろ「会えるといいですねー」



P「さっきは悲観的になるなって言ってくれてたのに!」



――翌日、某駅前



P「で、今日もここでスカウトですか」



ちひろ「当然です、例の子との接点はこの場所だけなんですから!」



P「ですよねー」



ちひろ「Pさんが名前や連絡先を聞いていたら、もっと楽だったんですけどねえ」



P「昨日は名刺貰ってもらえただけで上出来って言ってくれたじゃないですか」



ちひろ「私は『今日もここでスカウト』の理由を述べただけですよー」



P「うぐっ! ……だって、名前聞く前に行っちゃったんですもん」



ちひろ「『もん』じゃないです! 出会いは一期一会、もう会えないかもしれないんですよ!」



P「それは困ります! あの子はこう、クるものがあったんですよ!」



ちひろ「はあ……」



P「まあ、言葉にできないし、自分でもよくわかってないんですけどね」



???「……」スイー



P「あ、来た! いた! あの子!」



ちひろ「ちょ、Pさんまた!?」



P「君! スベル君に乗ってる君!」



???「む、ああ昨日の君か」



P「そうそう、よかった覚えててくれてて」



???「昨日の今日だ、忘れるわけがないだろう」



P「それもそうか、ははは」



???「で、何の用だ? アイドルになる気はないと言ったはずだが」



P「でもやっぱり諦められなくてね、話だけでも聞いてくれないかな」



???「ふん、騙されないぞ」



P「え?」



???「調べだってついてるんだ。君の言うアイドル事務所なんか存在しないではないか」



P「あ、調べてくれたんだ!」



???「べ、別にアイドルに興味があったわけではないからな!」



P「えー、調べたってことは、少しは興味あったってことなんじゃないの?」



???「怪しかったから調べただけだ! そしたら案の定だった、というわけだ」



P「それは……」



ちひろ「それは私が説明します!」ハアハア



P「あ、すみません!」



ちひろ「全く、先輩を置いて走ってくって、どういう了見ですか」ハアハア



P「本当にすみません、また会えたことが嬉しくて嬉しくて」



ちひろ「だからって置いてくなんて酷いですよ!」



???「そう言えば昨日もいたな。そっちは誰だ? まあグルには違いないのだろうがな」



ちひろ「私は千川ちひろ、CGプロダクションで事務をやっています」



???「ふん、存在もしないプロダクションに事務も何もないだろう」



ちひろ「それには理由があるんです! どこかで話でもしませんか、えっと……」チラ



P「?」



ちひろ「Pさん、こちらの子の名前は?」



P「名前……、ああ! 聞き忘れてました!」



ちひろ「何やってるんですか! 今日の最大目的みたいなもんですよ!?」



P「すみません、また会えた喜びで頭から飛んじゃってました!」



ちひろ「まったく、先が思いやられます」



P「すみません……」



ちひろ「ああほら、暗い顔見せない! ……で、よかったら名前教えてくれませんか?」



???「私か? ……池袋だ」



P「池袋って地名の?」



池袋「東京のを想像しているなら、それであっている」



ちひろ「あの、下の名前は……」



池袋「素性もわからない者に教えるわけがないだろう。呼ぶ分には性で十分なはずだが?」



P「うん、大丈夫だよ池袋さん。教えてくれてありがとう!」



ちひろ「それもそうですね。では、池袋さん、立ち話もなんなので、どこか座れる場所に移動しませんか?」



池袋「……まあ、いいだろう。だが、場所は指定させてもらう。何が仕掛けられているかわからんからな」



P「じゃあ、さっそくそのおススメの店に行こうか!」



池袋「そんな風に言われると連れて行きにくくなるではないか……」



――喫茶店



池袋「ほう、できたばかりの事務所なわけか」



ちひろ「はい」



池袋「なるほど、だから君の事務所出身のアイドルが出てこなかったわけか」



P「そういうこと」



池袋「ふむ、一応筋は通ってるな」



P「信じてくれた?」



池袋「まあ、全くの嘘ではない可能性が芽生えた程度、だがな」



P「よかったあ、信じてくれて!」



ちひろ(今のセリフのどこら辺が!?)



池袋「少しだ、少しだぞ!」



P「じゃあ、どうすればもっと信用してくれる?」



池袋「そ、そうだなあ。……実際に事務所を確認する、とかか」



P「大歓迎だよ! 大丈夫ですよね、ちひろさん」



ちひろ「え、ええ。明日以降でしたらいつでも大丈夫ですよ」



池袋「そうか、では後ほど連絡を入れる。連絡先は名刺のでよいのだろう?」



P「うん、事務所の方でも携帯の方でも大丈夫だよ」



池袋「では後ほど連絡を入れよう。では私はこれで帰るとするよ」



P「うん、今日はありがとう! あ、いいよお金はこっちで出しとくから」



池袋「それを口実にアイドルにさせられるかもしれないだろう?」



P「ああ、それが心配なら、うん、受け取るよ」



池袋「うむ、ではまた」



ちひろ(さっき『何が仕掛けてあるかわからない』って言ってたのに事務所に来るなんて)



ちひろ(もしかしてPさんの言うとおり信じてくれてるのかしら?)



――後日、メールの署名から池袋さんのフルネームが池袋晶葉だと判明した。



――事務所訪問当日



晶葉「ふむ、ここが君の事務所か」



P「僕の、というよりは僕が働いている事務所かな」



晶葉「なに、細かいことだ。それにしても本当に誰もいないのだな」



P「うん、僕も入ったばかりは驚いたよ」



晶葉「まあ、何事も最初はゼロからだしな。無い話ではないだろう」



P「そうなんだけどね。まあ池袋さんがそう言ってくれるなら問題ないか」



晶葉「で、来たはいいが、アイドル1人いない事務所で何を見学すればいいのだ?」



P「おお、乗り気なのは嬉しいな!」



晶葉「き、来たからにはそれ相応の見聞を広めておきたいだけだ!」



P「それでもやっぱり自分の好きなことに興味を持ってもらえるのは嬉しいよ」



晶葉「……ふふ、それもそうだな」



P「じゃあ、とりあえず最初は施設説明かな」



晶葉「施設……、研究所とかか!」



P「……今は無いけど、必要になったら考えとくよ」



晶葉「本当か!?」



P「じゃなくて、簡単にこの事務所の設備から、そのあとはトレーニングの時に使うスタジオとかかな」



P「まあ、僕も詳しくないからちひろさんに着いて来てもらう予定だけど」



ちひろ「はい、私が案内しますよ」



晶葉「ふむ、ではよろしく頼む! あと、君。研究所のこと、忘れずに頼むぞ!」



P「うん。でも、それは池袋さんが入ってくれたら、だけどね」



晶葉「うん? ……ああ、そうだったな、まだアイドルになるとは決めてないからな!」



P「今回の見学で少しでも興味を持ってもらえるように頑張るよ」



晶葉「うむ! ぜひ頑張りたまえ!」



ちひろ(『頑張りたまえ』って、もう入る気満々なんじゃないのかしら)



――ちひろツアー後



ちひろ「と、こんな感じですかね」



晶葉「……思っていた以上にしっかりしてるな、驚いた」



P「……うん、驚いた」



ちひろ「何でPさんが驚いてるんですか!?」



P「だって僕入って早々スカウト行かされましたよ!?」



ちひろ「……あー、そう言えばそうでしたね」



P「『そうでしたね』って!」



晶葉「あー、君たち」



ちひろ「ああ、ごめんなさい! みっともないところを」



晶葉「それはいいんだが、今日はこれでおしまいか?」



P「あ、もしかして池袋さん、この後予定ある?」



晶葉「いや、これといった用事はないぞ」



P「じゃあ、これ見よう!」つDVD



晶葉「これは、……アイドルのDVDか?」



P「うん! 僕が好きなアイドルのDVD! アイドルがどんなものか知ってもらおうと思ってね」



ちひろ「へえ、私も好きでしたよ、この人」



P「いいですよね! 天真爛漫というか破天荒というか、見てて元気になるんですよ。僕がこの業界に入ったのもこの人がきっかけなんですよ」



晶葉「……それは、興味があるな」



P「ホント!? じゃあ今日はこれを見て締めにしよう!」



――DVD視聴後



P「やっぱ元気になりますね」



ちひろ「そうですね、早々に引退しちゃったのが悔やまれます」



P「まあ、それもらしいっちゃらしいんですよね」



晶葉「……」



P「どう、池袋さん、アイドルがどんな感じかわかってもらえた?」



晶葉「……ん、ああ。少しつかめた気がするよ」



ちひろ「それはよかったです。見たかいがありました!」

晶葉「じゃあ、私はこれで失礼するよ。また連絡する」



P「うん、またね!」



バタン





ちひろ「なってくれますかね、晶葉ちゃん」



P「なってもらいたいですよ! アイドルとしてプロデュースしたくてうずうずしてます!」



ちひろ「今回の手ごたえもいい感じでしたし、大丈夫だと思いますよ!」



P「そうですよね、そうですよね!」





晶葉「……」





――数日後、晶葉からのメールで例の喫茶店に呼ばれた



晶葉「おお。こっちだ」



P「おはよう。池袋さんから呼び出されたってことは……」



晶葉「うむ、自分の中で決心がついたからな」



P「そうか! じゃあ、教えてもらおうかな、その決心を」



晶葉「う、うむ。私は、アイドルを……」



P「……」



晶葉「アイドルに……」



P「……」ゴクリ…



晶葉「私は、アイドルにはならない」



P「そうか! そう言ってくれると思って……え?」



晶葉「なんだ、元からアイドルに向いていないと思っていたわけか。……やっぱり」



P「違うんだ! てっきりやってくれると思ってたからで! ……やっぱり?」



晶葉「いや、なんでもない。失言だ」



P「……池袋さんが何でアイドルにならないと決めたのか、よかったら教えてくれる?」



晶葉「……なぜ、そんなことを聞く?」



P「なってほしいから、解決できる問題なら解決したいってのと、今後の参考のため、かな」





晶葉「今後の参考か、やっぱりそうだ」



P「池袋さん?」



晶葉「私をスカウトという時点でおかしいと思ってたんだ。自分で言うのも何だが、私は自分から人前に出るなんてパーツを買うときくらい! 常時見られているようなアイドルとは正反対の日常を送っている! そんな私をスカウトするのは、どうせアイドルがいないことからの焦りだろう! そう思っていたら私を引き止めた理由の二言目には『今後の参考』だ! どうせ私なんかはたまたま目についただけで、本当は誰でもいいんだろう!」



P「……」



晶葉「……」ハアハア



P「……言いたいことはそれだけ?」



晶葉「……まだあるが、まあいいだろう」ハアハア



P「そうか……」



晶葉「うむ。では私h」



P「じゃあ次は俺の番だな」



晶葉「え?」



P「俺の一目惚れ相手の悪口は絶対に許さんぞ! 人前に出るのが苦手!? 上等だ! 普段人前に出なさそうな子を知れるっていうのは優越感に浸れて十分にプラスな要素になる! そんなこと気にしたことは微塵も無いがな! そんなの晶葉に魅力が無いという理由にはならん! なんだったら晶葉の魅力をここで言ってやろうか!? ツインテールという幼さを感じさせる髪型に対して自信満々なその表情! そのギャップがたまらない! そして服装は制服の上に白衣をはおるという日常と非日常を感じさせるミスマッチさが魅力的だ!」



晶葉「」ポカーン



P「……」ハアハア



店員「あのう、他のお客様に迷惑ですので……」



P・晶葉「あ……」



店員「できればボリュームをもう少し落としてですね」



P「本当にすみません!」



晶葉「私も、すまなかった」



店員「お願いしますね」



P「本当にすみませんでした!」



晶葉「……」



P「……」



晶葉「ふふふ」



P「ははは」





晶葉「柄にもなく熱くなってしまったな」



P「いや、聞かせてもらえてよかったよ」



晶葉「まあ君も、魅力を語ると言う割には見た目ばかりだしな」



P「お、中身の魅力も語るか?」



晶葉「いや、出会って数日の者から聞く中身の魅力など薄っぺらいものだろう」



P「う、た、たしかに」



晶葉「まあいい、中身の魅力については今後聞くとしよう」



P「ははは。……『今後』?」



晶葉「ああ、君の熱意にあてられてね。私も君の言う、その……『私の魅力』とやらにかけてみようじゃないか!」



P「じゃ、じゃあ!」



晶葉「ああ、アイドルとして活動してみよう!」



P「やったあ!」



晶葉「ただし、私が向いてないと感じ次第、即効やめさせてもらうぞ」



P「ああ、それだけはさせないから安心してくれ!」



晶葉「……そ、そうか。うむ、それでこそ私の……」



P「?」



晶葉「そういえば、私と君の関係は何になるんだ?」



P「何って、アイドルとプロデューサーだよ」



晶葉「プロデューサーとは何だ?」



P「えっと、アイドルのために仕事持ってきたり、アイドルのためにスケジュール組んだり。とにかくアイドルのためになるように動く人かな?」



晶葉「ふむ、……つまり助手か!」



P「どういうこと!?」



晶葉「それと助手よ、私の呼び方なんだが」



P「助手呼び確定かー」



晶葉「さっき、私のことを『晶葉』と呼んでいたな」





P「あ、本当に? ごめんね、池袋さん」



晶葉「いや、晶葉でいい」



P「え?」



晶葉「助手は上司なのだろう? ならば『池袋さん』はいささか不自然だ」



P「上司を『助手』呼ばわりも不自然だよー」



晶葉「とにかく、助手は私を名前で呼ぶように!」



P「……うん、了解、晶葉!」



晶葉「うむ、それでいい」







晶葉「では助手よ、事務所としても、私のアイドル活動としても、最初の一歩をともに踏み出そうではないか!」



おわり



20:30│池袋晶葉 
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