2014年02月13日

ちひろ「え? モバPさんが口説き文句しか言えなくなっちゃった?」

なにをやってるんだと思いながらふと思いついたネタを書いていく


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―― 

事務所

ちひろ「おはようございまーす!」ガチャ

モバP「…」チラ

ちひろ「あ、モバPさん。今日もお早いですねー」

モバP「当たり前だろ。僕は君の顔が早く見たくて毎日こうやっているんだから」

ちひろ「え」

ちひろ「も、モバPさん? 急にどうしちゃったんですか?」

モバP「僕はいつも通り君のことが好きなモバPだよ」フルフル

ちひろ(首を振ってる……)

ちひろ(言動が一致していないってことを考えると、もしかして!)

ちひろ「モバPさん! そこに置いてあったドリンク飲んじゃったんですか!?」

モバP「ドリンクよりも僕はちひろさんが作ってくる味噌汁が飲みたいな」ウンウン

ちひろ「やっぱり……」
モバP「ちひろさん。もしよければ今夜うちに来ませんか?」(ちひろさん! あのドリンクは一体なんなんですか!?)

ちひろ「ちょ、ちょっと本当になにを言いたいのかわからないので紙に書いてもらってもいいですか?」

モバP「……」カキカキ

ちひろ「ああ、そう言っていたんですね……」

ちひろ「えっとー、モバPさんが飲んでしまったドリンクのことなんですけど」

ちひろ「あれは女の子を勝手に口説くようになるドリンクだったんですよ」

モバP「今日もちひろさんはきれいだね」(な、なんですかそれ!?)
ちひろ「元々は私が作ってそれでモバPさんで遊ぼうと思ってたんですよ」

ちひろ「でも、そんなことをしたらアイドルたちの血みどろのバトルロワイヤルが勃発しそうで御蔵入りになったものなんです」

モバP「そんなことを考えるちひろさんはやっぱり素敵だね」(な、なんてものを作ってくれたんですか……)

モバP「ああ、どうしてちひろさんはこんなにも美しいんだろう」(てか、全部ちひろさんのせいじゃないですか!)

ちひろ「私はちゃんと踏みとどまりました。悪いのは私がたまたま机に置いてしまった口説きたくナールを飲んだモバPさんの責任です」

モバP「はっはっは。ちひろさんは綺麗な声で叱ってくれるね」(ぐぬぬ……そう言われてしまうと……)


ちひろ「でも、困りましたねー」

ちひろ「このままもしアイドルと会っちゃうなんてことになったら死人がでるかもしれませんね」

ちひろ「モバPさん。今日一日だけ休むのはどうでしょう?」

モバP「ちひろさんとわかれるのは寂しいじゃないか」(いえ、さすがに休むのは……)

ちひろ「そうですか? まぁ、言葉だけなんで間違いが起こるってことはなさそうですけどね…」

モバP「ふふ、僕はちひろさんと間違いを犯したいけどね」(はい。ちょっと言ってる言葉は恥ずかしいですけどみんなに事情を説明すればなんとかなりますよ)

ちひろ「だといいんですけどね…」
ガチャ

ちひろ「え!?」

モバP「ん? 今度はどんな子猫ちゃんがやってきたのかな?」(ま、まだ朝早いのに一体誰だ?)

凛「おはようございます」

ちひろ「り、凛ちゃん…」

モバP「凛?」(り、凛!)
ちひろ「あれ? 凛ちゃんきょうお仕事だっけ?」

凛「いや、今日はたまたま学校が休みだったから来ただけだけど…」

凛「迷惑だった?」

ちひろ「そ、そんなことはないけど」アハハ

ちひろ(そっか、今日は祝日なんだっけ……)

モバP「今日も子犬のように可愛らしいね凛」(ちょ!? なに言ってるんだ俺の口は!)

凛「ぷ、プロデューサー!? 急にどうしたの?」

ちひろ(ああ、案の定始まった)

ちひろ(もう、今日は溜まってる書類がいっぱいあるし面倒だしみなかったことにしちゃおっと★)スタスタ



モバP「ヤキモチを焼いちゃったのかな?」(ちひろさん!? どこに行くんですか!? この状況を凛に説明してくださいよ!)

凛「プロデューサー? えと、さっきのは本気で言ったの?」

モバP「僕はいつだって本気だよ」(凛! これは違うんだ!)

凛「そ、そうだったんだ……へー」テレテレ

モバP「可愛すぎてナデナデしたくなっちゃうね」(そんなことアイドルに出来るわけないだろ! あー、こんなこといったから凛怒るだろうなー……)

凛「……」

凛「べ、別にしたかったら……いいけど」

モバP「やっぱり凛は優しくていい子だね」(え?)
モバP(今、OKしてくれた?)

モバP(ど、どういうことだ?)

モバP(凛なら嫌がりそうなのに……)

モバP(いや、実際に言ったことないからどうなるかっていうのは予測の域を出てなかったんだけどさ)

モバP(でも、凛をナデナデできるのか)

モバP(いやいや! アイドルの体に触れるなんてもってのほか!)

モバP(……)

モバP(でも、むこうは了承してくれてるしちょっとだけならいいよね)
ちょっと飯行ってくる
モバP「……」ス

ナデナデ

モバP「すごくサラサラで気持ちいいね」(うわ! なにこれ!? お、女の人の髪の毛ってこんなにサラサラしてんだ……)

凛「一応、毎日ちゃんとケアしてるから」カァァ

モバP「ありがとう凛。やっぱりナデナデして正解だったよ」ス(そこは悲しいかな。同意)

凛「あ……」

凛(もうやめちゃうんだ)


凛「ねぇ、プロデューサー」

モバP「どうしたんだい僕の凛」(凛はアイドルだからみんなのものだよ)

凛「そ、そういうの普通の顔して言わないで!」

モバP「ごめんよ凛」(あー、もう本当にごめんなさい)

凛「いや、別に怒ってるわけじゃないんだけど……」

凛「でも、今日のプロデューサーってとっても……」

凛「なんていうのかな。うん。いいと思うよ」

凛「ずっとそのままのほうがいいよ」

モバP「凛がそう言ってくれるならいつでも僕は僕であり続けるよ」(こ、こんなのがいいの!?)

モバP(お、女の子ってよくわからない…)


モバP「凛、突然で悪いんだけど」(本当に突然だな)

凛「え?」

モバP「今夜空いてるかな?」(空いてねーよ!)

凛「え、ちょ、ちょっと待って!」

凛「と、突然そんなこと言われても……困るって……」

凛「それに、私アイドルだしそのまえに未成年だし」

凛「プロデューサー捕まっちゃうよ?」

モバP「それでも僕は君と今夜一緒に過ごしたいんだ」(なに言ってるんだよ! 犯罪だバカ野郎!)

モバP(凛、これは違うんだ!)ガシ

凛「!」

凛「わ、わかったから!」

凛「……」

凛「色々と準備したいから今日は一旦家に帰る……」

凛「夜になったら、また来るから」

凛「その……優しくしてね?」

モバP「もちろんだよ」(凛! ダメだ! なんでOKしちゃったんだよ!?)

凛「じゃあ、ちょっと準備してくるから!」タッタッタ

ガチャ ドン

ちひろ「あーあ」

モバP(凛ー! あー! どうするんだよ……)

ちひろ「やっちゃいましたね」

モバP「嫉妬かい? 嫌だな。もちろんちひろさんが一番だよ」(やっちゃいましたじゃないですよ!)

ちひろ「大丈夫ですよ! 夜頃になったら口説きたくナールの効果はなくなりますから」

ちひろ「そのときにしっかり事情を説明すれば無問題です」

モバP「ちひろさん…いや、ちひろはなんでもしってるね」(ほ、本当ですか? でも、誤解を解くの超大変じゃないですか)

モバP(でも、意外だったな)

モバP(普段、普通に接してただけで気付かなかったけど)

モバP(凛って案外俺に気を許してたんだな)

モバP(って! 自惚れ、ダメ。絶対)


モバP(大体、凛は俺が勢いよく言ってしまって断りにくかったから首を縦に振ったんだ)

モバP(家に帰って冷静になればきっと断るはずだ)

モバP(そうだ、きっとそうなるはずだ)

モバP(なんせ凛はいい子だからな!)

ちひろ(まぁ、なんだかんだ言ってモバPさんは真面目で童貞でへたれだからアイドルに手を出すなんてまずないからへーきへーき)

ガチャ ドン

モバP「智絵里ちゃん?」(あー! この状態で会ってはいけないようなアイドルが――!)

智絵里「お、おはよう……ございます」

智絵里(プロデューサーさんいつもと雰囲気が違う……)

智絵里(いつもより、もっと格好いい感じなのかな?)

モバP「どうかしたのかい? ふふ、智絵里は今日もお花のように可憐だね」(うわー! やめろ!)

智絵里「え!? あの……あの……えー……! そ、そんなことない……です!」
訂正

モバP「どうかしたのかい? ふふ、智絵里ちゃんは今日もお花のように可憐だね」(うわー! やめろ!)

モバP「そんな謙遜しなくても。でも、そんなところも僕は素敵だと思うよ」(いや、確かにそこは智絵里ちゃんの美徳的なところだけどさ!)

智絵里「と……とんでも、ないです……」カァァ

智絵里(やっぱりいつものプロデュサーさんと違う……)

智絵里(でも……)

智絵里(こっちのほうが、いい、かも)

智絵里「あ、きょ、今日は……プロデューサーさんに、プレゼントを持ってきたんです…!」

モバP「今日智絵里と出会えたのが一番のプレゼントだよ」(くっさ! なに言ってるんだよ俺…)

智絵里「あう……」カァァ
智絵里「か、からかわないで……ください」

モバP「嬉しくなかったかい?」(そりゃ、気持ち悪いだろ)

智絵里「……嬉しかったです」

モバP「智絵里ちゃんは素直でいい子だね」(え? そうなの?)

智絵里「うぅ……」

智絵里「そ、それで……これがプレゼントです」

モバP「これは、四葉のクローバーかい?」(お、おお! これを俺に……やっぱり智絵里はいい子だな)

智絵里「は、はい! そうです。たまたま、たくさん取れたので……プロデューサーさんにプレゼントしようと……」

モバP「ありがとう。でも、僕は四葉のクローバーより智絵里ちゃんのほうがほしいな」(いやいや! それはほしがっちゃだめだから!)

智絵里「? どういう意味ですか?」
モバP「出来れば今夜とか一緒に会いたいんだけど、どうかな?」(あー、やっちゃった!)

智絵里「?? えっとー……お仕事ですか? でも、お仕事は今日は……」

モバP「いや、仕事ではないよ」(智絵里ちゃん! 俺の口車に乗っちゃだめだ!)

智絵里「あ、じゃあ……お食事とか、ですか?」

モバP「うーん。大体そんな感じかな。でも、食べるのは智絵里ちゃんだけどね」(ああ! やめてくれ! 頼むから口を閉じてくれ!)

智絵里「……?」

智絵里「……」

智絵里「あ……!」

智絵里「いや、え!? あの……え!?」アタフタ

智絵里「そ、それはつまりプロデューサーさんが、狼さんになって……」

智絵里「あれが、それが、こうなって、ああなって……!」

智絵里「わ、私……私!」プシュー

智絵里「……」バタン

モバP「あらら、オーバーヒートしちゃったみたいだね」(智絵里ちゃーーーん!)




――

ちひろ「一応、家にタクシーで送っておきましたよ」

ちひろ「全く、頼みますから私の仕事を増やさないでくれます?」

モバP「また嫉妬かい? だから僕はちひry」(どの口がいいますか)

モバP(ああ、もう智絵里ちゃんごめん)

モバP(でも、なんだか俺の口説きにたいして智絵里ちゃんが喜んでいるような節が見受けられたような)

モバP(もしかして俺って意外とアイドルたちの好感度が結構高いのか?)

モバP(なんかそんなような気がしてきたな……)

ガチャ


モバP「あやめ……?」(あ、あやめか……真面目だし堅物のイメージだから、間違いなく俺の誘いは断ってくれるはずだろう)

あやめ「モバP殿! あやめは今日も朝から元気です!」

モバP「ふふ、今日もあやめは太陽のように暖かくて僕を包み込んでくれるね」(ああ、始まった……)

あやめ「む? モバP殿……いつもの気配と若干違うような」

あやめ「なにやらとてつもないものを感じます」

モバP「僕はいつも通りだよ」(あやめ、もしかして気づいているのか?)

あやめ「なら、よろしいのですが……」


あやめ「まぁ、そんなことよりもです。今日は一緒に時代劇を見る契をしています!」

モバP「ああ、そういえばそうだったね」(あ! そういえば今日はあやめとビデオを見る約束をしてたんだった……)

モバP「でも、僕はあやめのもっと違う部分がみたいな」(いやいや!)

あやめ「違う部分、ですか?」

あやめ「それはなんと申したらいいのやら……」

あやめ「あ! あやめの殺陣とかですか!? ニン! そういうことなら人肌脱ぎましょう!」

モバP「違うよ。あやめの恥ずかしいところだよ」(いや殺陣でいいって!)
あやめ「あやめの恥じ入るところですか?」

モバP「うん」(ああ、もうなんだよこれ……)

あやめ「あやめの恥ずかしいところ……」

あやめ「あやめにはもう、蒙古斑などとうになくなっていますよ?」

モバP「いや、そういうところじゃないよ」(お? 一瞬俺がたじろいだ。いいぞ! その調子だ!)

あやめ「? モバP殿はつまりあやめのどういう恥ずかしいところが見たいのですか?」

あやめ「あやめにはそういうところはあまりないような気がしますが……」




モバP「じゃあ、可愛いあやめのためにヒントを教えてあげるね」(あ、ヒントだすな!)

あやめ「ニン……」

モバP「ベッドの上でみることになると思うよ」

あやめ「ベッドの上……? まさか、病院!?」

モバP(お、おぉ! いいぞあやめ! そうだ! もっと勘違いしろ!)

あやめ「なるほど……恥ずかしいところというのはあやめが敗北した姿……」

あやめ「そして、いつもとは違うモバP殿……」

あやめ「今日はあやめと戦う日だったんですね!?」

モバP(あ、あれ? これ、ちょっとやばくない?)

あやめ「時代劇を一緒に見るというのは建前でしたか」

あやめ「モバP殿に手をあげるのはどうかと思いますがモバP殿がその気なら」

あやめ「あやめは一切手を抜かずにお相手します!」

モバP(戦う流れになってる!)

あやめ「いざ、尋常に!」

モバP(ちょ!)

あやめ「あやめ、参ります! ニン!」

モバP(あ)
数分後

モバP「ぐふ……」バタン

ちひろ「天誅」ボソ

あやめ「も、モバP殿!?」

あやめ「ど、どうして反撃しなかったのですか!?」

モバP「可愛いあやめに手をあげられるわけないよ」(あ、あやめってこんなにも……強いのか)

あやめ「じゃあ、どうして決闘を申し込んだのですか!?」

モバP(それは概ねあやめの勘違いなんだけどね)


モバP「ねぇ、あやめ……出来れば……ぐふ」(し、死ぬ……)

あやめ「お、お気を確かに!」

モバP「毎日僕の、味噌汁を…作ってくれないかい?」(ああ! この場面でいいやがった!)

あやめ「!」

あやめ「それはつまり……!」

あやめ「いや、でも、それは……!」アタフタ

モバP「僕は君だけを……ぐふ、幸せにするつもりでいるんだ」(こ、こいつ……)

あやめ「も、モバP殿……」

あやめ「わかりました! その申し受け、あやめしかと受け取りました!」

あやめ「共に永遠を誓いましょう!」

モバP(あー! 誓っちゃだめだって!)



モバP「ふふ、じゃあ今日にでも早速……寝床を一緒にしようか」(こいつ、ただ女とやりたいだけだろ!)

あやめ「と、突然そんなことを申されても!」

あやめ「あ、あやめはまだ心の準備が……」

モバP「大丈夫だよ。優しくするから」

あやめ「……」

あやめ「わかりました。しかし、しばし待ってください」

あやめ「今から両親の許可をもらいにいきますゆえ」

モバP(な――!)

あやめ「では、あやめ行って参ります!」

モバP(ちょっと! あやめ待ってくれ! そんなことが両親にばれたら――!)

あやめ「モバP殿。その……幸せな家庭を築きましょうね?」

あやめ「で、で、で、で、では!」タッタッタ

ガチャ

モバP(ああああ!)


ちひろ「また一人犠牲者が……」

モバP「またまた嫉妬ry」(見てたなら止めてくださいよ!)

ちひろ「でも、おかしいですね。口説きたくナールは好きになってもらえる口説きをするだけなんですけど……」

ちひろ「なんであんなに性行為を求めるような口説きになっているんですかね」

ちひろ「ましてや求婚なんて……どうしてでしょうね」

モバP(知りませんよそんなの)

モバP(はぁ……これからどうなるんだろう。俺)

モバP(でも、あんなりすんなりOKを出してくれるなんて驚きだったな)

モバP(というか、自惚れとかではなく俺って意外にもてるのか?)

ガチャ

モバP「幸子?」(幸子か……)

幸子「そんなに僕の顔をまじまじと見てどうしたんですか?」

幸子「もしかして可愛いボクに見とれてるんですね?」

幸子「まぁ、僕は可愛いのでしょうがないですね」ドヤァ

モバP「ああ、可愛いね」(こいつは、俺のことどう思ってるんだろうな)

幸子「……ん?」

幸子「も、もしかして可愛いボクに見とれてるんですね?」

幸子「まぁ、僕は可愛いのでしょうがないですけどね!」

モバP「とっても可愛いね」(他の三人みたくもしかして……)

幸子「……」汗

幸子(お、おかしい。いつものプロデューサーさんならてきとうにあしらうところなのに…!)

幸子「あ! わ、わかりました!」

幸子「プロデューサーさん。やっと僕の可愛さに気づいてしまったんですね!」

モバP(い、いやそれは最初から気づいているけど……)


幸子「そ、そして、僕のことを好きになってしまったんでしょうねきっと!」

幸子「もー、本当にしょうがない人ですね」

幸子「まぁ、それもこれも僕が可愛すぎるのがいけないんですけどね」ドヤァ

モバP「ごめんね。僕は君を好きになることは出来そうにないよ……」(幸子の気持ち確かめてみたいな。ちょっと言葉に合わせて動いてみようかな)

幸子「え……」

幸子「ど、どうしてですか!?」

幸子「だって……さっき可愛いって」

モバP「好きになることはできそうにないけど、愛することならできそうだよ」(こ、ここで幸子の右手を両手で握ってみよう)

幸子「!」カァァ

モバP「好きと愛してるは似ているようで全然違うからね」ニコ(あ、嫌がらないんだな)




幸子「そ、そんなこと突然言われましても……」

幸子「い、いや! 僕はもちろん嬉しいですよ!」

幸子「ただ、やっぱり年齢もアイドルって職業を考えちゃうと……」

幸子「だから……その……」アタフタ

モバP「幸子の前ならそんなものは全部関係ないよ」(よ、よし。両手を肩に乗せよう)

幸子「で、でも犯罪になってしまいませんか!?」

モバP「僕は幸子のためなら捕まってもいい!」(ここで顔を近づける!)

幸子「!」ドキ
モバP「だから、今夜空いてる?」(結局最後はそこなのかよ!)

幸子「それはつまり――!」

モバP「ダメかな?」(うーん。でもこの流れならOK出しそうだな)

幸子「だ、ダメに決まってますよ!」

モバP(おぉ。断った)

幸子「僕の年齢を考えてください!」

幸子「そ、それに……僕は、ちゃんと段階を踏みたいっていうか。なんていうか」モジモジ

モバP(あ、こいつ普通に可愛いな)


幸子「も、もちろんそういうのがしたくないかと聞かれれば嘘になりますけど……」

モバP「じゃあ、まずはキスからでいいかな?」(……まぁキスくらいならしちゃってもいいかな)

幸子「……それなら」

幸子「で、でも緊張しちゃいますね」

モバP「大丈夫。僕に委ねれば平気だよ」(うんうん。キスくらいならね。へーきへーき)

幸子「わ、わかりました」

幸子「じゃ、じゃあ目を閉じますね」

モバP(うわ。本当に目を閉じちゃった……)

モバP(よ、よし。俺も腹くくって)スー

モバP(そーっと)

幸子「……」プルプル

モバP「……」

ちひろ「はい、ストッ――」

モバP(やっぱりアイドルにこんなことするのはまずい!)タッタッタ

幸子「あ!」

モバP(ごめん! 幸子!)

ガチャ
――

公園

モバP(はぁ……)

モバP(我ながらバカだったな)

モバP(相手はアイドル! しかもまだまだ子供だぞ!)

モバP(うん。やっぱり今日はもう家に帰ろう)

モバP(そして、一日寝て効果がなくなってからまた事務所に顔をだそう)

モバP(凛、智絵里ちゃん、あやめ、幸子には誠心誠意謝って許してもらおう)

モバP「……」

モバP(俺、生きてられるかな?)


モバP(でも、幸子も俺を受け入れてくれたな)

モバP(それは、ちょっと嬉しかったな)

モバP(さて、あんまりいてもなにがあるかわからないからもう帰ろう)

モバP(今日は散々だったな)


美嘉「やっほー★ こんなところでどうしたの?」

モバP「美嘉……」(アイドルに遭遇してしまった!)

モバP(しかも相手は純情を絵に描いたかのような美嘉!)

モバP(これはまずい! いますぐ走ってどこかへ!)

モバP(でも、ここでダッシュで逃げたら美嘉が悲しむんじゃ……)

モバP(ど、どうすれば……)


美嘉(あれ? 今日のモバPいつもよりイケてるように見える……)

美嘉(き、きっと気のせいだよね!)

美嘉「なんかさっきは元気ないように見えたけど大丈夫?」

モバP「元気がないようにみえただけで僕の側に来てくれるなんて美嘉は優しいね」(ああ、そんなことを考えている間に……)

美嘉「え? も、もうどうしたの急にー。でも、嬉しいかな★」

美嘉(や、優しいって言われちゃった……)

モバP「美嘉、一つだけお願いがあるんだ」(まさか、このタイミングで!?)

美嘉「ん? なにー?」





モバP「今夜僕と一緒になってくれないかな?」(あー、言っちゃった! くっそやっぱり逃げるべきだったか!)

美嘉「……」

美嘉「え……なにそれ。冗談だよね?」

モバP(あれ。今までのアイドルたちとは若干反応が違う……)

モバP「本気だよ」(いや、俺は本気じゃないんだけどさ)

美嘉「…………意味わかんない」

美嘉「なに? モバPってそういう人だったの?」

モバP「……」(く、雲行きが……)
美嘉「信じらんない……」

モバP(あ、いや。美嘉! これは違うんだよ!)

モバP(やばい…! これは傷つけてしまった!)

モバP(ああ、どうすればいいんだよ…)

モバP(もう、ここまで来たら逃げるに逃げられないし…)

美嘉「ねぇ、もう一回聞くよ? 本気なの?」

モバP「本気だよ」(もう、やめろよ! お願いだから……やめてくれよ……)

美嘉「……」

美嘉「帰る」スタスタ

モバP(美嘉!)ス

美嘉「ついてこないで!」

モバP「……」

美嘉「お願いだから……ついてこないで」


美嘉「……」スタスタ

美嘉(モバP……あんなこという人だったなんて……)

美嘉(初めて会った時は誠実そうで優しそうだったのに……)

美嘉(アタシ、騙されたのかな?)

美嘉「……」グスン

美嘉「うぅ……」ポロポロ

モバP(……)

モバP(このまま後を追わずに終わるのか?)

モバP(たぶんというか、おそらくというか。いや、確実に美嘉はうちの事務所をやめるだろうな)

モバP(でも、追ったところで自分の気持ちも伝えられない俺になにが出来る?)


モバP(ええい! 考えてる暇なんてない! 口説きたくナール!)

モバP(頼むから、今だけは美嘉が傷ついた状態から復活できるような口説きを見せてくれ!)タッタッタ

モバP「美嘉!」ガシ(美嘉!)

美嘉「!」

美嘉「いや、離してよ!」

モバP「美嘉、落ち着いて僕の話を聞いてほしいんだ」(待ってくれよ美嘉!)

美嘉「話すことなんてなにもないよ!」キ

美嘉「いいから早く――!」

ピ

モバP「ッ……!」(血が頬から…)

美嘉「あ……」

美嘉(爪がモバPの頬に……)


美嘉「ごめん……」

モバP「別にいいよ。そのかわり話を聞いてくれる?」(ここまで来たら後は口説きたくナール次第だな)

美嘉「……わかった」

モバP「美嘉、ごめんね。あれは不誠実だったね」

美嘉「……」

モバP「でもね。あれは美嘉への好きって思いが溢れ出た結果なんだよ」

美嘉「え?」

モバP「美嘉を好きって気持ちがだんだん性欲にもつながってきて……もちろん抑えてたよ?」

モバP「でも、最近我慢できなくなり始めていたんだ」

モバP「そんなことを思うのは異常だと思ってたし、我慢できなくなるのも正直性犯罪者のようじゃないかって思ったりしたんだ……」

モバP「でも、溢れるものをどうしてもこらえることができなくて……」

モバP「それでやばいと思ったが、性欲を抑えきれなくてあんなことを言ってしまったんだ!」






モバP「だから……本当にごめん。僕が全部いけなかったんだ」

モバP「軽蔑されるのは当たり前だよね。嫌われるのも無理ないよ……」

モバP「でも、最後に一つだけ伝えたいのは美嘉が好き。それだけだよ」

美嘉「……」

美嘉「……あーあ、なんかもうどうでもよくなってきちゃった★」

モバP(え?)

美嘉「アタシこそ……ごめん。男の子だし、そういうことになっちゃうのもしょうがないよね」

美嘉「それでなにも知らずにアタシかってに不純なものだと決めつけてかかって……」

美嘉「本当にごめんね……」

モバP「美嘉!」

モバP「いや、こちらこそごめんね?」

モバP「正直引いたでしょ?」

美嘉「うん。最初はね。でも今は全然だよ」

美嘉「アタシ、男じゃないからわかんないけどきっと男の子って隠しているだけできっとみんなそういう一面があるんだよね」

美嘉「それに、そういう衝動が湧かないと男として欠陥品になっちゃうもんね……」

美嘉「だから……さ。その、今日別にいいよ」

モバP「本当!?」

美嘉「うん……その。実はアタシも色々と気になってたし……」テレテレ

モバP(なにかがおかしい)

モバP(いや、美嘉が元気になったことはいいんだ。内容がなんであれ)

モバP(でも、なんか違和感を覚えるっていうか……)

モバP「……」ニヤ

モバP(今、無意識に自分の顔が笑った!?)

モバP(もしかして、俺も美嘉踊らされていたのか!? 口説きたくナールを飲んだ俺の手のひらの上で!)

モバP(そしたら、最初に放ったあの一言はわざとだったのか……?)

モバP(そしてこの一連の流れは全て計算されていた、と)

モバP(でも、いつもなら軽く女の子を褒めたりしてその後に誘っていた)

モバP(今回に限ってなんで…)

モバP(いやあれだな)

モバP(前回ガードが硬かった幸子の経験を活かして、もしかしたらこんな回りくどいことをしたのかもしれない!)

モバP(うそだろ?)

モバP(口説きたくナールを飲んだ俺が成長している…のか?)

モバP(だったら……こいつに勝てる女はいるのか?)

美嘉「じゃあ、モバP! 今日の夜ね★」


モバP「……」

モバP(早く家に帰らないと……さらなる被害しゃが出る前に)

モバP(でも、おかしいな? なんで、さっき笑ったんだ?)

モバP(行動や表情自体は俺が管理してるのに)

モバP(まぁ、いいか)


――

自宅

ガチャ

モバP(ふー、家に帰ってきたからもう安心だ)

モバP(早く寝よう)

モバP(そして、額に擦り傷ができるくらい土下座してアイドルたちに謝ろう)

モバP(許されるかどうかはわからないけど、やらないわけにはいかないからな)


モバP「!」ビク


巴「どうしたんじゃ? そんなに驚いて」

モバP「寂しくなって僕の家に来ちゃったのかな?」(な、なんでおれの家に!)

巴「アホ。んなわけあるかい。普通に今日は早退したと聞いとったから心配になってこうして来たんじゃろうが」

巴「それからドアは空いておった。全く無用心な」

モバP「ふふ、巴は優しいんだね」(余計な気を……!)

巴「当たり前なことをしたまで、当たり前のことを言ったまでじゃ」

巴「まぁ、見とった感じ具合が悪いようではないみたいじゃな」

巴「安心したけんうちは帰るな」ス

モバP「もう行っちゃうの? 朝までまだ時間はあるよ」(や、やめろ! 巴には絶対に手を出しちゃだめだ!)

モバP「お楽しみはこれからじゃない?」(この時期の東京湾はさすがに寒すぎる!)

巴「モバP。言っとる意味がわかっとるんか?」

モバP「そりゃもう。だって、可愛い巴が目の前にいるんだからね」(おい!)

巴「やっぱり具合が悪いんか?」

モバP「僕はいつも通りだよ」

モバP(も、もうなりふり構ってられない!)

モバP(巴に手を出すのは死活問題だ!)

モバP(ここは走ってこの場を逃げ……!)

モバP(あれ? どうしてだ? 体の自由が利かない)

モバP(さっきまで普通だっただろ!)

モバP(動け、動け、動け、動け、動けよ! 今動かなきゃなんにもならないんだ)

モバP(今、動かなきゃ、今、やらなきゃ、俺は東京湾の藻屑になっちゃうんだよ!)

巴「……」

巴「モバP。うちの年齢を答えてみー」

モバP「13」

巴「その数字がなにを意味をするのかわかっとるじゃろ」

モバP「愛に年齢は関係あるのかな?」

巴「本気、なんじゃな」

モバP(あー! 話が進んでる!)
巴「それに、それをやってしまってどうなるのかもわかってるんじゃろ?」

モバP「もちろんだよ。覚悟は出来ているよ」(俺はできてねーから!)

巴「まぁ、それはいい。それよりもうちが気に入らないのは段階をすっ飛ばしすぎっちゅう点じゃ」

巴「モバP。女を舐めとるじゃろ」

モバP「飛び級制度っていうのが外国ではあるでしょ? 似たようなものだよ」(ああ、もう……)

巴「男女関係と勉学を比較対象にするのはおかしいじゃろ」
モバP「でも、巴ならわかるんじゃないかな」

モバP「そういったものから関係が深めっていくものもあるって」(いやいやいや! ないから!)

巴「それは……」

モバP「なに?」(巴! 気を確かに持つんだ!)

巴「それに関してはノーコメントじゃ」

巴「……一つだけ聞きたいんじゃが」

巴「モバPは本当にうちのことがすきなんじゃな」

巴「そして、あの発言はそれを元に出たものなんじゃな?」

モバP「そうだよ」(ち、違う!)

巴「わかった。いいじゃろう」

モバP「ありがとう」(あー、死兆星がみえてきたー……)




巴「え、えっとじゃな。まぁ、そういうのをするのが決まったわけなんじゃが」

巴「……うち、実はこういうときどうしたらいいのかわからんのじゃ」

モバP「お風呂に入ればいいと思うよ」

巴「そうじゃな。まずは、そうするかの」ス テクテク

巴(へ、平静を繕ったが、うち顔赤くなってない?)

巴(だ、大丈夫かの……ばれてないかの……)

モバP(やばいことになった……とりあえずどうにかして……! )

モバP(ダメだ。やっぱり自由が利かない)

モバP「なにをやっても無駄だよ」

モバP(お、お前!)

モバP「こうやって話すのは初めてだね僕」

モバP(あ、え? つまり、どういうことなんだ?)

モバP(頭がごちゃごちゃに……)

モバP「君は僕で僕は君だよ?」

モバP(ちょっと待て! ややこしくするな!)
モバP偽「ややこしくなんてないよ。僕はもう一人の君だよ」

モバP(い、意味がわからない……)

モバP(だって、お前は口説きたくナールの……)

モバP偽「あれはきっかけだよ」

モバP偽「あの薬のおかげで内側に潜んでいた君がこうやって表に出てきたんだ」

モバP(な、なんだ? つまりもう一つの人格ってことか?)

モバP偽「うーん、まぁそうなるね。でも、この人格は君の感情から生まれたものなんだ」

モバP(そんなことはない! お前がもう一人のおれのわけないだろ!)

モバP(大体、口説きたくナールで……)

モバP偽「ちひろさんも言ってたじゃない口説きたくナールだけではあんな口説き方はしないし求婚なんてしないって」

モバP偽「僕はね。君のアイドルと結婚したいって気持ちや変な行為をしたいって気持ちから生まれた人格なんだよ」

モバP(え……)

モバP(そ、そんなのおかしい。だって俺はアイドルに邪な感情を覚えたことなんて……)

モバP(お前が俺の感情から生まれた訳無いだろ!?)

モバP偽「本当にそう言えるのかな?」

モバP偽「体を動かせた時にいくらでもアイドルと距離をおくことや事情を説明することはできたはず」

モバP偽「でも、それを君はしなかった。言っている意味はわかるよね?」

モバP偽「それに幸子のときも気の迷いが生じていたじゃない」

モバP偽「最終的には理性に助けられているけどね」

モバP(じゃあ、お前は俺の内側に潜んだ欲求から生まれたものなのか?)

モバP偽「さっきからそう言ってるよ」

モバP(そ、そんなの認めない! 俺がアイドルにそんなことを思う訳が……)
モバP偽「僕は知っているよ」

モバP(な、なにを……)

モバP偽「プロデューサーとしては認められないよね」

モバP偽「相手はアイドル。そんな子達と恋愛は御法度。ましてや変なことをしようものなら事務所が潰れる」

モバP偽「それに未成年ばかりだ」

モバP偽「認めることはそう簡単じゃない」

モバP(だから、お前は俺じゃない!)
モバP偽「僕は知っているよ」

モバP偽「君がアイドルたちと恋愛がしたくてプロデューサーになったことを」

モバP「……」

モバP偽「でも、現実はちがかったんだよね?」

モバP偽「いざ、プロデューサーになるとスキャンダルの怖さなんかを知っちゃって」

モバP偽「下手にアイドルに手を出せないっていうのを知っちゃったんだよね?」

モバP「……」

モバP偽「それで、無理やりアイドルには手を出しちゃいけないって自分を納得させるようになったんだよね?」

モバP(お前は……)

モバP偽「僕は君。君は僕。素直になりなよ。そして、認めよう」

モバP偽「自分を偽っていきたってしょうがないじゃない」

モバP偽「自分の恥部もしっかり認めて愛せるようになろうよ」

モバP偽「僕を認めた瞬間。世界は広がるんじゃないかな」

モバP(……)

モバP(ああもう! そうだよ! オレだよ! 間違いなくお前は!)
モバP「アイドルといちゃいちゃしたり、結婚したりそういう行為もしてみたいんだよ!」

モバP「なにもかもお前の言ってる通りだよ!」

モバP「間違いなくお前は俺の真芯にある欲望だよ!」

モバP「でもな! その欲望を満たそうと思えばどれだけの人間が悲しむかわかってるのか!?」

モバP「だから、アイドルに手を出すなんてことはできないんだよ!」

モバP偽(……)

モバP「あれ……いつの間にかにしゃべれるようになってるし、動けるように……」

モバP偽(やっと認めてくれた。もちろん君の考えは正しいしごもっともだ。表面上そうやって仮面を被るのは無理もない)

モバP偽(でも、表面上だけでなく内部までその仮面で自分を覆い隠す必要はないんだよ)


モバP偽(そんな生き方……辛すぎるじゃない……)

モバP偽(心の内側くらいはさ。欲望を隠さずにいようよ)

モバP「……」

モバP「そうすることにするよ」

モバP偽(そのほうがいいよ。じゃあ、僕はもう消えるね)

モバP偽(と、言ってもまた君になるだけなんだけど)

モバP「ああ、じゃあ最後にひとつだけ」

モバP偽(ん?)

モバP「ありがとうな」

モバP偽(自分にお礼をいうなんて。変なの)

モバP「それもそうだな……」
モバP「……」

スタスタ

巴「うお、どうしたんじゃ? 涙なんか流して……」

モバP「巴……」

巴「な、なんじゃ?」

モバP「自分を認めるのって大変なことだな」

巴「??」


―――

モバP 自宅

凛「……」

智絵里「……」

あやめ「……」

幸子「……」

美嘉「……」

巴「……」

ゴゴゴゴゴ

モバP(俺、死んだな)
凛「ねぇ」

モバP(こ、怖い)

モバP(まぁ、腹括るか)

モバP「此度の騒動。大ーーーー変! 申し訳ございませんでした!」ジャパニーズドゲザ

凛「とりあえずさ。突然なんであんなことし始めたの?」

モバP「それは……」

モバP(口説きたくナールのせい。じゃないな)

モバP「俺がそうしたかったからだ。あれは全部俺の発言であり嘘偽りのないものだ」

モバP「もちろん軽蔑されても仕方がないと思っている」

モバP「こんな人数一日で求婚したりなんやりしたのは男として許されることじゃない」
モバP「だから、その罰として好きなだけ俺を殴ってくれ」

モバP「もちろん、それをやった後も許さなくてもいい」

モバP「ただ、俺がそうしてもらいたいんだ」

凛「なにそれ。ただの自己満足でしょ? 自分の罪を少しでも和らげたいっていう」

モバP「そうかも、しれないな」

凛「……」

凛「まぁ、でも、今日のところは勘弁してあげようかな」

モバP「り、凛!? いいのか?」

凛「周りがどういうかしらないけどね」


智絵里「わたしは、最初から許してますから……」

あやめ「誤ちは治せます」

幸子「ボクも構いませんよ」

美嘉「アタシもぜーんぜん。気にしてないよ★」

巴「気の迷いくらいあるけん」

モバP「み、みんな!」パァ

凛「やり直そうよ」

モバP「ああ!」

美嘉「ほら、立ってたって!」

モバP「ありがとうな本当にみんな――!」ス


美嘉「隙有! ガゼルパーンチ★」

モバP「ぐふ!」

モバP(ふ、不意、打ち)

モバP(あれ? というかいままでの流れはどこに……)

凛「プロデューサー!」タッタッタ

モバP「り、凛……」

凛「ちょっと美嘉なにして――あ、こんなところにプロデューサーそっくりのサッカーボールが」

モバP「」

凛「ネオタイガーショットぉぉぉぉ!」

モバP「あがッ……!」

モバP(顔が、砕ける――!)

幸子「プロデューサーさん!」タッタッタ

モバP「さ、さちこ……」

幸子「二人共いくらなんでもひどすぎますよ!」

幸子「さ、プロデューサーさん。カワイイボクが肩をかしますよ」

モバP「ありがとう……」

幸子「ちゃんと立てましたね。ってことで」

モバP「」

幸子「覇王翔吼けぇぇぇぇん!」

モバP「ガハ……!」

モバP(い、息が――!)

あやめ「モバP殿!」タッタッタ

モバP「あ、あやめ。た、頼むから加減を……」

あやめ「わかっております」ニコ ゴソゴソ

モバP「お、おい……その手にあるのは……スタンガン!」

あやめ「ちょっとチクッとしますが、御免!」

あやめ「ライトンジツ!」

ビリビリ

モバP「アババババ!」バタン

モバP(さすがにんじゃ……汚い)

智絵里「も、モバPさん!」

モバP「ち、智絵里……」

智絵里「ご、ごめんなさい。一応……やらなきゃいけない流れなので……」

智絵里「あの……チョップでもいいですか?」

モバP「……」コクコク

智絵里「で、では……」

智絵里「と、トマホークチョップ!」

モバP「エグ……!」

モバP(もう、お願い。しなせて)

巴「……」フンフン

モバP(? 姿勢を低くして八の字を描く様に頭を振って……まさか!)

巴「歯ぁ食いしばれ! デンプシーロールじゃぁぁぁぁ!」ドン

モバP(パンチの……応酬!)

バンバンバンバン

モバP「ア……ゴフ……アアァ……」

巴「まだまだまだぁぁぁ!」

バンバンバンバン

一同『むっらかみ! むっらかみ! むっらかみ!むっらかみ!』

モバP(し、死ぬ……)

モバP(遠のく意識のなか俺は思った)

モバP(これは天誅だと)

モバP(そして、俺は遠のく意識のなかでもアイドル以外の姿も確認することが出来た)

モバP(あれはちひろさん。殴られる俺を見ながら腹を抱えていた)

モバP(そして、その後の俺を見るものはいなかったという……」
――

モバP「は!?」

モバP「う……ここは……」

モバP「俺の、家?」

モバP「なんだか物凄い悪い夢を見ていたような気が……」

モバP「頭も痛いし、体も動かしにくい……」

モバP「今、何時だ?」

モバP(時間的には遅刻しなさそうだな……)

モバP(でも、なぜだろう。昨日よりも日付が二ヶ月くらい先になっている……)
――

事務所

モバP「誰もいないのか……」

モバP「う、それよりもやっぱり体調が……」

モバP「お、こんなところにスタドリが!」

モバP「ちひろさんにお金は後で払っておこう」

ゴクゴク

モバP「なんか変わった味だな…」
ガチャ

ちひろ「おはようございまーす」

モバP(お、ちひろさんか)

モバP「なんだ年増か」(おはようございます)

モバP(あれ?)

ちひろ「!?」

ちひろ「もしかして、モバPさんここにあったドリンク飲んじゃったんですか!?」

ちひろ「あれは変態ロリコン紳士にナールってドリンクなんですよ!」

モバP(え)

end



14:30│モバマス 
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