2014年02月15日

小日向美穂「お昼寝のお供」

キャラ崩壊注意
偶に地の文

・晶葉ラボ


美穂「あ、晶葉ちゃん。ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」

池袋晶葉「・・・ん、どうしたんだ美穂さん、わざわざこの私のラボまで足を運んでまで。」

美穂「えっと・・・ちょっといきなりのことで迷惑かもしれないんだけど・・・わ、私にとっては大事なことで、えっとその・・・」

晶葉「? なに、遠慮することはない、同じプロダクションのアイドルの仲じゃないか。言うだけ言ってみたまえ。」

美穂「晶葉ちゃん・・・!」

晶葉「ま、もっともこの私の天才的頭脳で解決できない問題などないがね!!」

美穂「うん!・・・えっとね・・・プ、ププ、プロデューサーの右腕が取れちゃったの!!」

晶葉「」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391773955

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

美穂「ご、ごめんね?晶葉ちゃん」

晶葉「・・・いやかまわないさ。間違いは誰にでもあるさ、しかしプロデューサー、というのが私の助手のことではなくこのぬいぐるみとはね」

美穂「えへへ・・・いつもはプロデューサーくんって呼んでるんだよ?さっきのはつい言い間違えちゃって」

晶葉「たった二文字が抜けただけで、ぬいぐるみと人体では意味が大分猟奇的になったがね。」

そう言う晶葉の前の作業台にはお大きめの、抱き心地の良さそうなくまのぬいぐるみが置かれている。
しかしその片腕の付け根の部分でほつれ、見ようによっては痛々しく肩口からぶら下がっていた。

晶葉「ふむふむ・・・腕を胴につなぐ糸が傷んでちぎれただけで、布地自体は無事だな・・・。どうやら問題なく修理できそうだな。」

美穂「ほ、ほんとっ?晶葉ちゃん!?ありがとう!・・・ああよかったぁ、こういうのに詳しそうな人が今事務所にいなかったら困ってたの!」

晶葉「まあ私の専門はロボだがな。裁縫が得意なアイドルは出払っていたのか?」

美穂「うん、まゆちゃんも海さんも今はいなくて・・・」

晶葉「なるほどじゃあこのぬいぐるみ、プロデューサーくんは私がなんとかしよう。」

美穂「!! 晶葉ちゃんありがとう!」


晶葉「だが私はこのあと助手と仕事でな、本日いっぱいはラボに帰って来られないんだよ」

美穂「ええっ!?」

晶葉「そう狼狽えないでくれ。君がこのプロデューサーくんを大事にしているのは知っている。なにせ仮眠中はいつも我が子のように抱きしめているからな。」

美穂「え、えへへ・・・恥ずかしいな」

晶葉「とにかくそんな大事なものを取り上げたままなのは心苦しい。そこにぬいぐるみの代わりになりそうなのがいるから持っていくといい。」

美穂「うん、ありがとう晶葉ty」

ウサミンロボ「ウサ」

美穂「」

そこにいたのは晶葉にとっての子供のような存在、ロボットのうちの一体だった。
しかし抱きしめて眠るにはその硬度と重量に問題が多すぎる。
美穂は晶葉の提案を丁寧に辞退した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・事務所

美穂「はあ・・・ううプロデューサーくんがいないとお昼寝がはかどらないよぅ」

美穂は事務所で暇を持て余していた。晶葉が仕事から戻り、ぬいぐるみを直してくれるのを待っているのだ。
だがあいにく今はお昼を少し過ぎた頃、彼女がもどるまでの時間はまだまだ長い。さらに美穂の仕事も午前のうちに終わってしまいレッスンの予定もなかった。

美穂「こんな日に限っていい天気だなぁ・・・」
  
  「・・・・・・・・・・・・・・・。」

  「・・・・・・・・・・・・・・・。」

  「ふあぁ・・・あれ・・・日にあたってたら・・・なんだかねむくなってきた・・・。」


どうやらぼんやりと日向ぼっこをしているあいだに眠気が出てきたらしい。
しかし美穂の傍らにいつものぬいぐるみはない。このままではいつもどおりの快眠とはいかないかもしれない。
そこに

棟方愛海「うひひ」

愛海「(右手にお っぱい!左手にお っぱい!!棟方愛海だよ!仕事を終わらせて戻ってみたらなにやらうつらうつらと船を漕いでる美穂っぱいがいるね!!)」

愛海「(これはあれでしょ!!お山を登っちゃおうと!登っていいよと!そういうことだよね!)」

愛海「(あたしのこの手が光って唸る!!お山を登れと輝き叫ぶ!!)」

愛海「(アツミングフィンガーーーーーーーーーー!!!)」

そこに現れたのは同プロダクションに所属するアイドル、女性の胸部を揉みしだくことに無類の心血を注ぐ個性派アイドル、棟方愛海であった。
ちなみにここまでのセリフはすべて口に出されたものではない。
彼女は事務所に入るやいなや一瞬で無防備な胸部の気配を察知し、声はおろか足音、気配に至るまでを完璧に消していた。
そしてソファの上で寝ぼけ眼、じきに眠りに落ちるであろう美穂に、正確にはその胸部に指をわきわきさせながら一気に肉迫した。

美穂「くぅ・・・プロデューサーくん・・・」

ぎゅう

愛海「!?」

愛海のその十指が美穂のノーガードの胸に触れようとした瞬間、彼女は抱きしめられていた。

美穂はいつものお昼寝のとき癖でぬいぐるみを抱き寄せたつもりだった。
ただ、そこにいたのがぬいぐるみではなく、いたいけな14歳の少女の肉体であっただけで。

愛海「(ななあんばななあ・・・柔らかい柔らかい柔らかい!?どこが?全身が!!あたし今柔らかい何かに包まれてる!!)」

美穂「・・・すぅ、んぅ・・・ん」ギュウ

愛海「」

棟方愛海(14)  身長151cm体重41kg
小日向美穂(17) 身長152cm体重42kg

二人のプロフィール上の体格差はそれほど大きくない。しかし虚を突かれた愛海に美穂の捕縛を解く術はなかった。
美穂は本格的に寝に入り、向かい合う形で愛海の背に回した手に力を込めた。

愛海「みみみ美穂さん? ちょっと美穂っぱいを触りたいから放してくれないかなーって・・・」

美穂「んぅ・・・んん」

愛海「(寝てるじゃん!さあ今なら揉みしだき放題だ!・・・って動けないんだけどね!)」

美穂「えへへ・・・プロデュ・・・サ、さ・・・ん」スリスリ

愛海「チガウヨー、あたしおっぱいの狩人ダヨー・・・だから頬ずりしないでー。」

美穂「・・・すぅ」

愛海「(これもう起きないよね。)」

愛海「(なのに揉みしだけない。こんなに近く、ゼロ距離におっぱいがあるのに!というか顔が埋まってるんだけど・・・83センチを顔面で味わってるんだけど!!)」



愛海「・・・」



愛海「あったかい・・・」

愛海「(そういえばここんところ誰かを揉みしだこうとしても木場さんに捕まったり清良さんに拡張されたり早苗さんにシメられたりで満足してなかったからなぁ)」

愛海「今まではみんなの胸に詰まった夢や希望を指を通して感じてきたけど、こういうのもアリだなぁ・・・指だけじゃない、なんか、こう体の芯から幸せが満ちてくるね・・・」



愛海「えへへ・・・・・・もうしばらくこうやっとこ」ギュウ




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

後日

愛海「木場さんっ!!」ダダダッ

木場「む・・・懲りずに来たのかい愛海。仕方ない、躾も年長者の義務だ。相手しよう」

愛海「とりゃー!」ギュッ!!

木場「(しまった! 胴に抱きつかれた!胸にむかってくると見せかけてフェイントか!?)」


愛海「えへへ・・・あったかい」ギュウ・・・

木場「」
早苗「」
清良「」
モバP「」
愛海編終了
みほたんが他の子をハグするSSです。
書き溜めたらまた来ます。
次はロリの予定です。

画像ありがとうございます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


美穂「ふあ・・・うーん。少しは眠れたと思ったけどそれほど時間は経ってないなぁ。」

事務所のソファの上で目を覚ました美穂は目をこすったあと、その場で猫のように伸びをした。
四つん這いのまま背筋を天井に向かってぐっと伸ばし後ろに反らしていく。

美穂「うー・・・んん、」ググ・・・

美穂「んひゃんっ!?」ズルッ

しかしある程度の柔軟性を持つソファの上でするにはその姿勢は不安定だったらしく、その場で背中からソファの上に転がってしまった。

美穂「あいたた・・・というほどじゃないけど。・・・・・・あれ?誰もいない?さっき眠る前に誰か来たような気がするんだけどな・・・」

アイドルとして転ぶという行為はドジっ子アピールか醜態かどちらかである。が、それを判断する人物は近くにはいなかった。

実際は先ほどまで同じキュートに属すアイドル仲間がいた。
彼女は『女性を愛でる上で胸の大きさは関係ない』という持論を持っていたが、
ついに『もはや胸じゃなくてもいい』という境地に達し、その成果を確かめにどこかへ出かけてしまったあとだったので美穂はまたひとりだった。

少なくともその部屋の中では。

美穂「晶葉ちゃんが来るまでもうひと眠りしようかなぁ・・・。でもなんか部屋がさっきよりも暗い?」

美穂「あ、太陽が向こうの方に行っちゃったんだ・・・。うーんこの時間帯だとこの部屋には今日はもう日が差さないかな・・・」

美穂「でもでも別の部屋ならまだ太陽に面した窓があるよね?」タタタ・・・

ぬいぐるみがないならせめて日向ぼっこだけでも

そんなつもりで彼女は事務所内の移動を始めた。
日が移動し、しかも厚い雲が太陽の近くをちらつき始めたらしく、ひなたを作るには日光がやや心もとなくなりそうなので
完全に太陽が隠れる前にお昼寝スペースを探そうと、美穂はまず仮眠室を訪れた。

ガチャッ

美穂「・・・えっと」キョロキョロ

美穂「あ! あっちの窓の近くならお昼寝できそう!」



???「.........」













???「...ふわぁー、」

ちょっと席外します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
仮眠室

プロデューサー、事務員、たまに社長が仕事の合間の休憩を取るためにつくられた部屋、仮眠室。
現在では某ニートアイドルをはじめとした何人かのアイドルもそこを利用しているのだが、そのせいか
雑誌、文房具、化粧品、アロマキャンドル、着ぐるみ、ハードカバーの本、モバイルゲーム機、メガネクリーナー、小麦粉、砂糖、塩、、オイル、なにかの燃料など
アイドルの趣味の道具が持ち込まれ、そう狭くないはずの空間が混沌としている。
いま美穂がいるのがその部屋だった。


美穂「ここならまだ眠れるね。・・・わっ、床もここだけあったかい。」サスサス

美穂「じゃ、なにか毛布でも持ってこようかな。」トタタ・・・

美穂「・・・といっても何が何やら・・・あうぅ、モノがあふれかえってて枕すら見つからないよう・・・」ガサガサ

美穂「あ、これ毛布だ!」



毛布「...なにー...してるのー?」ノソッ



美穂「喋った!?」

何故か設置されていた大型のメガネ置きをどかしたところで、その奥に丸まった毛布を見つけたのはいいもののその毛布が突然毛皮を持った動物のようにもそもそと
動き出した挙句、喋り始めた。もちろんこれは晶葉の発明品でもなければ毛布系アイドルでもない。

毛布「...ふわぁ...」モゾモゾ

遊佐こずえ「...よくねたのー...」

美穂「な、なんだぁ・・・こずえちゃんかぁ・・・びっくりしたー」

こずえ「?...こずえはー...こずえだよぉー?」

美穂「うん、ご、ごめんね?起こしちゃった?」

こずえ「......ふぁ...はふー......こずえはー...いまおきたところなのー」

美穂「そっか!・・・よかったぁ・・・じゃ、じゃあその毛布、借りてもいいかな?」チョイチョイ

こずえ「......これぇー?...いいよー?」

美穂「ありがとうこずえちゃん!」

こずえ「.........みほも...ねるのー?」

美穂「うん。私もさっきまでお昼寝してたところなんだけど、ちょっと眠り足りないから寝ようと思って」







こずえ「.........そうなんだー.........」

美穂「?・・・どうかしたの?」

いくつか予備があるはずなのだが散らかった部屋のせいで希少価値の上がっていた毛布の譲渡は滞りなく完了した。
しかし美穂はこずえが落胆、あるいはなにやら残念そうな空気を出したのを感じとり、その理由を尋ねた。

何故か設置されていた大型のメガネ置きをどかしたところで、その奥に丸まった毛布を見つけたのはいいもののその毛布が突然毛皮を持った動物のようにもそもそと
動き出した挙句、喋り始めた。もちろんこれは晶葉の発明品でもなければ毛布系アイドルでもない。

毛布「...ふわぁ...」モゾモゾ

遊佐こずえ「...よくねたのー...」

美穂「な、なんだぁ・・・こずえちゃんかぁ・・・びっくりしたー」

こずえ「?...こずえはー...こずえだよぉー?」

美穂「うん、ご、ごめんね?起こしちゃった?」

こずえ「......ふぁ...はふー......こずえはー...いまおきたところなのー」

美穂「そっか!・・・よかったぁ・・・じゃ、じゃあその毛布、借りてもいいかな?」チョイチョイ

こずえ「......これぇー?...いいよー?」

美穂「ありがとうこずえちゃん!」

こずえ「.........みほも...ねるのー?」

美穂「うん。私もさっきまでお昼寝してたところなんだけど、ちょっと眠り足りないから寝ようと思って」







こずえ「.........そうなんだー.........」

美穂「?・・・どうかしたの?」

いくつか予備があるはずなのだが散らかった部屋のせいで希少価値の上がっていた毛布の譲渡は滞りなく完了した。
しかし美穂はこずえが落胆、あるいはなにやら残念そうな空気を出したのを感じとり、その理由を尋ねた。


連投失礼


こずえ「...こずえー...ごほん......よんでほしかったのー...」

美穂「本?これかな?」

こずえ「うんー...」

よくみるとこずえが寝ていたと思しき場所に本、パッと見て絵本らしきそれは、どうやら手作りの絵本らしく、絵の描かれた厚紙を毛糸のような紐で束ねたデザインだった。

『創作絵本 作:喜多 日菜子 わたしと白馬の王子様 第12巻 〜企業戦士とコンサルティング編〜』

美穂「これは、日菜子ちゃんのかぁ・・・」

こずえ「...ひなこー...さっきまでよんでくれたけどー...おしごとにいっちゃったのー...」

美穂「そっか・・・よしっ!!  わかったよこずえちゃん!!」

こずえ「?......なんなのー?」

美穂「この続き、私が読んであげる!毛布のお礼だよ!」

こずえ「...わぁー...ほんとなのー?」

美穂「ほんとだよっ」

こずえ「...みほー......ありがとおー...」トテトテ

ギュ

美穂「わっ!? えへへ・・・どういたしまして♪」ナデナデ

抱きつくという、喜びをわかりやすいスキンシップで伝えてきたこずえの頭を撫でながら美穂は絵本を手に取り、
その中身に一通り目を通した。ほとんどの文字が平仮名で書かれているため子供でも読むのに苦労はしなさそうだが、
他の人に読んでもらうというのはまた違うものなのだろう。

美穂「(・・・そもそもこずえちゃんは色々謎すぎてロシア語や英語をスラスラ読めたとしても違和感ないんだよね・・・)」

こずえ「...みほー?」

美穂「・・・ん?あっ、それじゃこずえちゃん、あっちの日当たりのいいところに行こっか?」

そういって移動した場所は先ほど美穂がお昼寝の場所に指定したところだった。

こずえ「...おそとー...くもってるのー...」

美穂「これじゃ、お昼寝はどっちみち無理かぁ・・・」

美穂「じゃ、こずえちゃん、おいで?」

こずえ「こずえー...みほのおひざのうえにすわるのー......」ギュ

美穂「ふふ、じゃあ読むよ?えっと・・・・・・『ときは現代、人々は世界をより良くしようとベンチャービジネスに力を入れていました。』」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

太陽が完全に雲に隠れ、頼りない明るさになった仮眠室内を絵本を朗読する声がゆっくりと漂っている。
こずえを膝の上に載せた美穂の声である。

美穂「・・・・・・『こうして、王子様は三人の賢者の会社が悪い王様に吸収合併されるのをみごと阻止しました。』」

こずえ「...すごいのー...」パチパチ

美穂「・・・えへへ・・・『そしてその頃お姫様は自分の企業の海外進出を狙い、海の向こうの国の王様に会いに行く旅を始めていました』」

美穂「・・・・・・ん・・・ふわ・・・」

こずえ「みほー...ねむいのー?」

美穂「んー、どうだろ?日向ぼっこをしてるわけじゃないんだけどなぁ」

絵本の読み聞かせ、というのは子供を寝かしつけるのに適していたりする。
この場合の子供というのがどの程度の年齢を指すのかはわからないが少なくとも今美穂は自分の朗読会で寝落ちしそうになっている子供だった。

だが、ただの読書なら美穂もそんな子供っぽさは発揮しなかっただろう。これでも彼女は17歳おなじキュートアイドル、安倍菜々とも同年齢である(断言)
強いて原因をあげるならこずえを膝の上に抱え、そのまま窓の下、壁にもたれた姿勢が思いのほか彼女をリラックスさせていたことだろう。

遊佐こずえ(11) 身長130cm体重28kg

自分よりも20cmも大きい人間に抱えられているこずえの体は、今ちょうど膝上にすっぽりと埋まっているのだ。
そのためこずえの背中は美穂にぴったりと張り付いたように預けられ、美穂はこずえの温度をほぼ直に感じていた。

ちいさな子供特有のやや高めの体温、
美穂はまるでそれを逃がさんとするように後ろから手をまわし抱きしめるように本を持つ形になっていた。

美穂「ところでこずえちゃんの髪の毛って柔らかいね」ギュ

こずえ「...うんー...えへへー...くすぐったいのー」

美穂から見て、あごのすぐ下にふわふわとしたこずえの髪の毛があり、朗読中のちょっとした身じろぎの度にその白みを帯びた毛先が美穂の顔を撫でていた。
それはあたかもあの白いくまのぬいぐるみの、もこもことした表面に顔をうずめているようで・・・

美穂「・・・『そしてお姫様は無事書類に印鑑をおs・・・・・・」

こずえ「みほー?」

美穂「んぅ・・・・・・すぅー・・・」

こずえ「?.........ねちゃったのー?」




美穂「くぅ・・・」

寝ていた。
手に持った本は取り落としていたが、こずえを後ろから抱きしめたような体勢はそのままだった。



こずえ「............」






こずえ「...こずえー...きょうはれっすんまでじかんがあるのー......」

こずえ「...だから...みほとー...もっとねるのー......」


そういうと美穂の腕の中で目を瞑り、こずえも寝る体勢に入った。
しかし毛布は朗読中、少し離れたところに置いたままだったので、毛布なしでねることになりそうだったが。
このまま日の差さない部屋で普段着のまま寝るとなるとやや肌寒くなるかもしれない。

そのことをこずえはすこし気にしたようだった。

こずえ「みほー......今日はありがとうなのー...」





こずえ「.........これは............お礼なのー」





・・・・・・少し、部屋の中の色が変わった。
いや部屋に差し込む光の色が変わった。
厚い雲のフィルターを通した寒色系の色から、燦々と輝く太陽から直接ふり注ぐ暖かい色に









そのあと仮眠室には二人分の寝息だけがあり、その二人を
雲一つないすっかり晴れ上がった昼過ぎの太陽が照らしていた。


画像ありがとうございます

こずえ編終了

書き溜めできたらまた来ます。

投下します

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

事務所


ガチャッ

???「うーっす・・・ 今戻ったぜ」

???「あれ?・・・おいPー、ちひろさーん」









結城晴「・・・・・・・・・なんだ、だれもいないのかよ」



仮眠室の中で小さな寝息が二つほど聞こえ始めてから少し経って。

静かな事務所の扉を開けたのは男勝りな口調が特徴の少女、

ボーイッシュな見た目と、それに反してウサ耳の似合う可愛らしさの両方を兼ね添えたクール所属アイドル、結城晴だった。


晴「あ、壁に予定表貼ってあんじゃん。・・・・・・Pのやつは晶葉さんについてんのか。ちひろさんは別の場所でイベントの打ち合わせ、と」

晴「(えー、じゃあオレすげえ暇じゃん、なにして時間潰そっかなー)」


晴「よっし・・・リフティングの練習でもしよっと」

趣味がサッカーである彼女は特に悩むこともなく次の予定までの間に打ち込む暇つぶしを思いついた。

晴「(ボールどこやったっけ・・・・・・あ、そうだ、布団のある部屋だ。みんながいろいろ持ち込んでたからオレもボール置き場にしたんだったな)」

晴「(そーいや、さっきは雨でも降りそうだったってのに、随分いい天気になったな・・・)」スタスタ

晴「誰か戻ったら外で一緒にサッカーやるかー・・・」



ガチャ



こずえ「?・・・・・・はるー?・・・」

晴「うおっ!?・・・・・・・・・こずえか、なんだ?寝てたのか?」

こずえ「うんー......ふわぁ」

晴「おいおい、まだ眠いんじゃねーのか?」

こずえ「...こずえー...もうおきたのー」

晴「ふーん、じゃあオレとサッカーしに行こうぜ、今なら外もあったかいしな。」

こずえ「いいよー...」

晴「じゃ、オレはこのとっちらかった仮眠室からボール探さねーといけねえから、ちょっと待ってろ」

こずえ「.........こずえもさがすのー...」

晴「あ?いやいーよべつに、すぐ見つかるし」




こずえ「......はやくぼーるみつけないとー......またさむくなっちゃうのー」

晴「寒く?まあ確かに今の天気はこの季節にしちゃあ、ありえねーくらい快晴だけど」

こずえ「もうすぐ...それも......おわるのー......」







こずえ「......これいじょうはー.........こずえにも...むりなのー...」

晴「???」







自分よりひとつだけ年の小さい少女の、要領を得ない言葉に晴はしばし頭の上にクエスチョンマークを浮かべた。

こずえ「......はるー...ぼーる...あそこにあるー」

晴「お!あったあった」


が、雲のようにふわふわと白い毛を揺らす少女の示す先に自分のボールが転がっているのを認めるとその疑問符も消えた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


十数分後
事務所


ガチャッ!!

バタン!!


晴「うおおお寒い寒いさむさむ!!」ドタドタ

こずえ「......ふわあー」トタトタ

晴「なんだよなんだよ!まーた急に寒くなりやがって!」

晴「えっと暖房のスイッチは・・・・・・これか!」ピッ

こずえ「......あったかいのー」

晴「わりーなこずえ、こんなに寒くなんなら外になんか連れてかなきゃよかったな」


こずえ「...んーんー...」フルフル



こずえ「......はるとさっかー......たのしかったのー」



晴「・・・へへっ、そっか」ナデナデ

こずえ「んふー......」


サッカーに出かけてからしばらくして、

急な天候変化による寒さに耐えかねて二人は事務所に戻ってきていた。


晴「しっかしまだ誰も戻ってきてねーんだな」

こずえ「......ぷろでゅーさーも......ちひろもいないのー」



こずえ「...だれもいな......」



こずえ「.........あー............みほー......」

晴「?」




こずえ「はるー......こっちきてー?......」

晴「こっち?ああ仮眠室か。なんかあるのか?」

こずえ「はるー......くるー...」クイクイ

晴「おうおう、ひっぱらなくても行くって・・・どっちみちボールしまわなきゃなんねーし。」

何かを思い出したらしいこずえと、それに手を引かれた晴は仮眠室へと入っていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

仮眠室

仮眠室に入った晴はボールをしまう場所を探していた。とにかくモノが多い上、転がりやすいボールだと何かの拍子に何処へ行くかわからない。

慎重にその球の置き場を吟味していた。

晴「え〜っと・・・・・この着ぐるみは仁奈のか、ここに置いとくとあいつらがボールで転ぶかもしれねーなー・・・。」キョロキョロ

晴「こっちは・・・・・・・・・なんだこのメガネの数、こっちは調理道具か、こっちの本棚の上には置かないほうがいいな。」

晴「ん?・・・車のカタログ、はわかるんだけどこっちのバッテリーパックは明らかに車用じゃねーよな・・・」



晴「(・・・のあさんのか?)」



晴「いやないない!!」ブンブン



こずえ「はるー...?」

晴「!おうこずえ、どうした?」

こずえ「みほー...」

晴「?どーした?」

こずえ「.........あっちー...」クイ

そんな風に大事な遊び道具を任せる場所を探していた晴を連れてこずえが向かったのは仮眠室の窓際、

数分前まで太陽に面した窓から陽光が降り注がれていたところである。

その窓のすぐ下で誰かがうずくまっている。

晴「あれって美穂さんじゃねーか、なんだ寝てたのか」

こずえ「さっきー、いっしょにねてたのー」


美穂「・・・んんぅ・・・・・・ん」モゾモゾ


晴「・・・・・・なんか美穂さん、寒そうにしてねーか?」

こずえ「...もうふー...かけてあげてほしーのー.........」

晴の言うとおり、

窓の下で体を丸めた少女、美穂は眠りながらも寒さを感じているのか、時折無意識に手足をこすり合わせていた

仮眠室ではエアコンが動いていなかった上、外はさっきの陽気はどこへやら、寒くなっているので美穂の体は安眠するにはやや冷たくなっていた。

そばには一枚の毛布が使われたわけでもなく置かれている。



晴「いやこれ毛布かけるより先に布団に運ばねーと・・・・・・なんで床の上に寝てんだ美穂さん」

こずえ「さっきは......あったかかったのー...」

晴「うん?まあそうだったけど・・・。」
 
 「よしこずえ、美穂さんを布団の上まで動かすぞ」

こずえ「...はーい...」

幸い布団は先ほどの探索の際に荷物の奥から発掘していた。

晴はその布団を手早く敷くと、次に美穂を動かすために行動を開始する。


晴「・・・そういや、Pはたまに杏さんとか乃々さんを背負って仕事に行ったりしてたな。」

晴「といってもオレじゃあ美穂さんは担げないし、こずえとふたりがかりだとしてもなー・・・」チラッ



こずえ「こずえ...おにんぎょうなのー...だっこするより......だっこされたいのー」


晴「・・・・・・・・・こうなったら、ちょっと手荒だけど美穂さんを布団の上まで転がすしかないか」
こずえ「はるー...こずえもてつだうー......」

晴「おう、じゃあいくぞ」ガシッ

こずえ「...ふわぁー......い...」キュッ

その場で思いつく限りの最適な問題解決方法を実行するべく二人は寒そうに、それでも未だに眠りから覚めない美穂の体を掴んだ。

晴は美穂を転がしやすいような位置、肩のあたりに手をかけぐっと力を込めた。



なぜかこずえは美穂の靴下を引っ張っていた。


晴「よっ・・・こいせ」グイッ

こずえ「...よーこい......せー...」クイ

美穂「う・・・・・・ん、んん・・・」



美穂「・・・・・・・・・・・・・・・?」



ぼんやりと、定かでない意識ではあったが美穂は目を覚ました。

まず感じたのは日向ぼっこのときとは程遠い、芯から凍えるような肌を包むうすら寒さ。

次に目に入ったのは目の前にいる誰かがこっちに手を伸ばし、何やら自分を引っ張っている光景。

最後に、自分に触れている手のひらから心地よいぬくもりが伝わってくるのを感じた。






晴「は?え?」





そして晴は美穂に抱きすくめられた。


壁の方を向いて床に寝そべっていた美穂の肩を掴んでこちらを向かせたまでは良かった。

丸まった体の前面がこちらを向いたとき、ちらっと美穂の目が開き、自分の方を見たと思った刹那の出来事である。



美穂「くぅ・・・」ギュウウウ・・・


晴「(なに?なんだよなんだよ!?起きてた!?いや、寝てるよな?無意識?)」


寒さに耐える小動物のようにたたんでいた手足がこちらに向かって伸びてくる瞬間、これは美穂の狸寝入りによるドッキリか何かか、などと考える暇は晴にはなかった。


美穂「ん・・・あったか・・・」ムギュウ・・・


晴「(ちょ、美穂さん力強っ!)」


晴の背中に回った美穂の両腕はそのままがっちりと固定されたように晴を捉えていた。

自然、晴も美穂と同じように床に横倒しになり、次いで足までもが美穂のそれにに巻き取られる。


結城晴(12):身長140cm体重37kg

その小柄な体躯は正面からの抱擁で動かなくなっていた。

いつの間にか冷えていた体を温めるため、腕の中の暖かい何かを決して逃がすまいと美穂が力を弱める様子はない。

さらに抱き寄せられ、晴の頬にほおずりする。

サッカーという適度な運動で温められた晴の体は今や美穂にとって手放せない存在となっていた。

美穂「・・・・・・・・・すぅ・・・・・・ふふ」







こずえ「みほー......しあわせそうなのー.....」

こずえ「.......よかったのー...ふわあ」

晴「ちょ、こずえ、こずえ・・・!」ボソボソ

こずえ「なあにー...?」

晴「抜け出せねーからちょっと手伝ってくれ・・・。このままじゃ美穂さん運べねーよ」ムギュギュ


こずえ「...............てつだうー?」


晴「とりあえずオレを引っ張ってここから・・・・・・」


こずえ「...............」


晴「こずえ・・・?」

こずえ「...............」

こずえ「...............」







こずえ「.........もうふなのー」ズルズル

こずえ「.........これでよくねむれるよー?」バサッ


晴「オレが寝る手伝いじゃねーよ!!(小声)」

美穂「・・・・・・ん・・・すぅ」ギュウ


こずえ「.....こずえももういっかいねるー......」ダキッ

晴「うおっ!?」



前門のキュート、後門のキュート

正面からは晴の体温で少しでも暖をとろうと美穂が密着するように抱きしめてくる。

後ろからは毛布に潜り込んだこずえが晴の背中にしがみつき、首筋にそのやわい毛を撫でつけていた。

クールアイドルにはまずないスキンシップである。

晴「(・・・・・・やばいやばいやばい・・・なんかやわっこいし、ふわふわしたのがあたってるし・・・)」

美穂「むにゃ・・・ふぅー・・・」

こずえ「...はふー」

晴「(息!首とか耳に寝息があたって・・・!!)」ゾワワ


晴「(あーもう!!)」

晴「(・・・・・・こうなったらオレもこのまま寝ちまおう!!)」

晴「おやすみっ!!」

彼女は目を瞑り、そして割とすぐに眠りに落ちた。

サッカーで少しばかり疲れていたのか、晴を包むの人肌が意外と心地よかったのか

前後から二人にはさまれたまま晴もじきに同じように寝息を立て始めた。












こずえ「......おやすみー...はるー...」



フレッシュアイドルはるちん編終了

画像ありがとうございました

だらだらと長すぎましたね。

次は誰を書くか全く決めてません

でもなにかしら書き溜めます

美穂「ん、あそこにあるのがその公園かな?藍子ちゃん」

藍子「あっ、そうですね!あそこです!」

みりあ「わーーい!!」タタタ

梨沙「ちょ、はやっ!?・・・・・・全く、落ち込んでたと思ったら、あーっという間に元気になるんだから・・・。」


パッション特有とでもいうのか、弾むように会話に花を咲かせているうち、

件の公園の入り口が見えたあたりでみりあが駆け出し、それをあとの三人がのんびりと追いかけていった。


梨沙「は、はっくしゅん!!」

美穂「梨沙ちゃん、やっぱりその格好、寒いんじゃないの?」

梨沙「大丈夫よ!オシャレには我慢だって必要なんだから!!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

自然公園

みりあ「あははは!とりゃー!!」バサッ

梨沙「あ、こ、このアタシに落ち葉をぶつけようなんていい度胸じゃない!!」

みりあ「きゃー♪」ダッ

梨沙「こらー!!アタシ直々にとっちめてやるわ!!」ダダダ



たどり着いた公園はなんというか藍子好みの、整備された地面に遊具が並んでいるというのではなく、

冬場であるためほとんどの葉は落ちていたが樹木が立ち並び、その間を静かに風が流れていくような、

一種都会の喧騒から隔離されたように思えてくる独特な空気に満たされ、それでいてどこか癒される場所だった。



美穂「みりあちゃんはいつも元気だね。」

藍子「ふふっ、アイドルの仕事中もずっとあの調子だったんですよ?よっぽど元気なんでしょうね」



少し離れたところで美穂と藍子はベンチに腰掛け、はしゃぐ小学生二人を眺めていた。

藍子は時折手に持ったトイカメラで写真を撮っている。被写体は主にみりあたちのようだが、

たまに冬風にそよぐ木の枝や近くを通った黒猫にもレンズを向けている。


梨沙「うー・・・さむさむさむ!!あー、こんなイケてるカッコのときに追いかけっこなんてやるもんじゃないわ!!・・・ふぇっきしゅん!!」

藍子「梨沙ちゃん、やっぱりその格好だと寒かったんじゃ・・・」

美穂「よ、よくみたら梨沙ちゃん、おへそとか肩むき出しなんだね・・・」



みりあとの鬼ごっこを不毛と評したのか、梨沙が立ち止まり息を整える。

その格好は美穂の言うように肩や腹部を露出する、おしゃれとはいえ防寒には向かないファッションだった。

一応、厚いフェイクファーのついた暖かそうな上着を着ているが、露出のためかしっかりと着込まれているとは言い難い。

足に関しても太ももがバッチリと存在をアピールしている。



梨沙「いーのよこれで、我慢すればどうってことないわ!」フルフル

美穂「ふ、震えてるけど・・・・・・このままじゃ風邪ひいちゃうよ・・・?」




美穂「だからほら、こっち、おいで?」ポンポン




梨沙「はい?膝?」




寒さに懸命に耐えようとする梨沙に美穂が示した解決案。

それは自分の膝をたたいてそこに梨沙を招くことだった。

というのも事務所のアイドル、こずえ、晴、小梅、無意識でやったのも含めれば愛海たち、

今日一日彼女らと密着して暖をとっていた美穂は、ついついそれらを自然なこととして、同じように誘ってしまったのだ。



美穂「あ、(わわわ!?・・・・・・つ、つい他の子たちみたいに膝に載せる流れに・・・・・・やっちゃった!?)」

藍子「?」

みりあ「あれー?追いかけっこおしまいなのー?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

公園のベンチ


梨沙「う、うん、・・・い、いいじゃない、ミホの膝」

美穂「えへへ・・・きょ、恐縮です?」

梨沙「どうせやるんだったら最後までしっかりやりなさいよ、ほらもっと腕寄せて!」ギュギュ

美穂「こ、こう?」ギュウ

梨沙「ん、あったか・・・」



状況としてはかなり突拍子もない流れではあったが、梨沙は美穂の膝の上で快適そうにしている。

膝の上だけにとどまらず自ら美穂の腕を取って自分に巻きつけるように体温を確保する。



みりあ「あーいいなー!私も私も!!美穂お姉ちゃん!!私も!」

美穂「ちょ、ちょっと待ってね?今は・・・」

梨沙「フフン、ここはアタシがもらったわ!アンタは元気有り余ってるんだし、事務所に帰るまで我慢してなさい!」

藍子「梨沙ちゃん、そんな言い方しちゃダメだよ、めっ」メッ

みりあ「そーだ藍子お姉ちゃん!!」ギュ

藍子「わ、ふふ・・・」ギュウ



美穂の膝の上、腕の中でのご満悦そうな梨沙の表情を見て羨ましくなったのか、

みりあは美穂の隣、藍子に飛びついた。

藍子は多少戸惑いこそしたが、すぐにしっかりとみりあを受け止めると美穂と同じように膝の上にみりあを据えた。


みりあ「へへー♪」ギュー

梨沙「ふふん♪」ギュー

藍子「ふふ・・・」



美穂「・・・ん・・・・・・ふわ・・・」ウトウト

梨沙「え、ミホ寝てるの!?」

人気のない公園、

時折冷たい風が吹くこともあるが人肌のぬくもりに触れている四人にはもうそれを寒く感じていなかった。

梨沙と温め合う美穂

みりあと温め合う藍子

午後のひとときがゆっくりと過ぎていった。






ヴぁりさ編、藍子みりあ編、ここで終了です。


みほちーお昼寝のお供リスト

Cu 愛海 こずえ

Co 晴 小梅

Pa 梨沙 (藍子 みりあ)

マンネリ化防止ということで複数キャラを一遍に投入しました。

一応三人以上書いたということにして次回は番外編で、その次にラストです。

番外編は安価の下の6レスまでに書き込まれたキャラから最低二人以上選んで書きます。

安価がなければラスト書きます。

ありがとうございました。

レスありがとうございます。

番外編行きます

こひなたんはお休みです

投下します


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

事務所

龍崎薫「むむ〜」ムムム

市原仁奈「むむむ・・・でごぜーます」ムムム


ガチャ

スタスタ

橘ありす「ただいま戻りました、・・・なにやってるんですか二人共」

事務所に戻ったありすが目の前の光景にやや呆れたように疑問を投げかけた。

クール所属アイドル、常に手に携えたタブレットと落ち着いた態度が特徴的なアイドル、橘ありす。

有事の際にはタブレットを有効活用(主に検索機能のみ)している彼女だが目の前の状況に対してその武器が通じないことは直感で分かっていた。

目の前の状況。

パッション所属アイドル、着ぐるみを愛し、着ぐるみに愛されたアイドル、市原仁奈

同じく、パッション所属、常に溌剌、元気いっぱいのアイドル、龍崎薫

その二人が額を突き合わせんばかりに顔を寄せ、互いに一歩も譲らない様子でにらみ合っている。

最も、両者ともに九歳ということもあり、誰が見ても可愛いと表する光景ではあったが。



ありす「(いや、それはいいんです・・・それだけならまだ子供同士の喧嘩なんですよ・・・・)」


ありす「(問題はあれがどうゆう喧嘩なのか?というです)」



薫「むむむ〜!」

仁奈「むむむむでごぜーますよ!」


ギュウウウウ


ありす「薫さん、仁奈さん」



ありす「どうしてそんな大量のコップを抱えてるのですか?」



薫「あっ!ありすちゃんおかえりー!!」ギュウウウ

仁奈「おかえりなせーませ!!」ギュウウウ

ありす「(コップの取り合い?いや、あの中にはみんなのお気に入りのものもある・・・あの二人は人のものを勝手に取るような子ではありませんし・・・)」


ありすの眼前、二人のちびっこはその小さく細っこい両腕の中に抱え込んだいくつかのコップを必死に抱きしめている。

幸い、ガラスや陶器などの割れやすい素材で出来たものは選んでないようで、一応は安全なようだが見ている分にはなぜか緊張感がある。


ありす「橘です。こんなよくわからない時にプロデューサーもちひろさんもいませんし、全くもう、あの人は・・・」

ありす「というか、ふたりとも、私の質問に答えてません。なにをしているのですか?」



薫「あ!そうだ!ありすちゃん!かおるたちは今勝負してるんだよーっ!!」

仁奈「そうでごぜーます!!これは仁奈にとって譲れねーものなんでごぜーます!!」

薫「むむー!!」


仁奈「むむむー!!」


薫「むむむむー!!!」


仁奈「むむむむむー!!!」


ありす「(コップを抱えながらどれだけ『む』を言い続けられるか選手権?)」



ありす「バラエティ番組か何かの企画ですか?」


薫「むえ?」

仁奈「むむん?」


ありす「・・・・・・」



ありす「・・・・・・・・・・・・むー」



小さい子との意思疎通は難しい。たとえ歳が近くとも。

それを改めて実感したありすであった。

ありす「で、結局何の勝負なのですか?」

改めて訊き直した。



仁奈「これはですねー。アライグマ勝負でごぜーます!!」

薫「どっちがアライグマなのかをしょーぶしてるんだよっ!!」



つぎは割と具体的なキーワードを聞き出せた。

しかしまだよくわからない。

仁奈「仁奈こそアライグマでごザーます!!アライグマの気持ちになるですよ!!」ムム

薫「かおるだってししまいになったことあるもん!!アライグマにもなれるもん!!」ムム

そうこうしてるうちにまた二人が謎の勝負を始めてしまう。

コップの中は空のようだが何がどうなってアライグマなのかわからない。

勝負の判定基準すらも不明だった。


ありす「・・・しかたありません」

ありす「まだ読み終えてない小説があったのですが、わからないものをそのまま放置するのも精神衛生上良くないですし、」



ありす「あなたなら分かりますよね?」クルッ



仁奈「むむー!!むー!」

薫「むむむむむむ〜!!!」



●REC


???「・・・・・・」






ありす「美嘉さん」


城ヶ崎美嘉「あ、ありすちゃんおかえり」サッ


ありす「ただいま戻りました。・・・別にカメラしまわなくても大丈夫ですよ。特になにも、誰にも告げ口する気はありませんし。」



ありすが振り向いた先、ソファの向こうからハンディカメラを構えた城ヶ崎美嘉がそこにいた。。

城ヶ崎美嘉。こちらも仁奈、薫と同じくパッション所属、カリスマギャルと名高い、事務所の看板アイドルのうちのひとりである。

趣味はカラオケとプロフィールに記されているが、

時たま十歳前後のアイドル同士の戯れ合いを食い入るように眺めていることから、趣味はそれだけではないとのもっぱらの噂である。



美嘉「か、カメラ?なんのことかなっ★」

美嘉「ここに置きっぱなしだったから、机の上にでも置いとこうかなって思ってただけだよ?」コト

ありす「いや嘘ですよね、・・・それさりげなくおいたように見えますけどレンズの方がバッチリ薫さんたちの法向くようにしてますよね!」

美嘉「あっ!たしかアライグマ勝負の詳細についてだったよね★ま、こっち座って話そうよ」コト


ありす「(開き直って構え直しましたよこの人・・・)」




ありすは絶賛勝負中の二人から離れた位置のソファに座る美嘉の隣にちょこんと腰掛けた。



ありす「で、あれはなんなのですか?アライグマがどうとか・・・」

美嘉「ん、あれね★・・・この前みりあちゃん、仁奈ちゃん、薫ちゃんがしてた勝負の続きなんだけどね。」

美嘉「その勝負ってのが、だれが一番アライグマになりきれるか、って勝負だったんだけど、その決着がつかなかったんだよね。」

ありす「はあ・・・なるほど、みりあさん抜きで延長戦ですか。」

美嘉「そゆことっ。・・・みりあちゃんは今仕事はないはずなんだけど事務所にいないみたいだからさ★」

ありす「しかし概要はわかりましたがあのコップを抱きしめている異様な風景の説明がまだですよ?」

美嘉「あーうんうん。さっき言ったアライグマ勝負の内容に洗い物合戦ってのがあってね。いかにアライグマらしく食器を洗えるかって勝負」




ありす「はい?」


カメラ、そして肉眼を決してアライグマ合戦中の二人からはなさず、かいつまんで説明する美嘉。

その核心とも言える部分を話したあたりでありすは思わず疑問の声を上げる。

ちなみに手に持ったタブレットの画面にはアライグマの検索結果が表示されている。



ありす「アライグマの名前の由来は、べつに選択をするからではなく、川辺などでかになどの小動物を捕まえている様子が川で洗濯をしているように見えることから付けられた、という説が主流なんですが。」

ありす「(しかしアライグマ・・・このまえ、みりあさんの仕事に出てきた動物はレッサーパンダだったそうですけど、・・・・・・まさか関係はないですよね?)」

美嘉「ま〜そうらしいんだけど、アタシも詳しく知らないし、だから今はあの二人はどれだけたくさん洗い物ができるかってのを競ってる感じかな?」


美嘉「まぁ、あっちのほうがかわいいし★」ジー


薫「かおるはコップいっぱいギューッてできるもん!」ギュー

仁奈「仁奈だってこんなにコップが持てやがります!」ギュー


ありす「そうですか。」ゴソゴソ


ありす「(・・・・・・小説読もうっと)」ペラッ

橘ありすは子供である。

しかし小説と現実が違うことぐらいはちゃんとわかっている。

曰く、


ありす「(解いた謎が大したことないなんて、現実じゃよくあることですよね。ミステリーのトリックじゃあるまいし。)」




美嘉「・・・ふふふふふふ」●REC


ありす「・・・・・」ペラッ



ガチャバターーーーーン!!!



日野茜「ただいま戻りましたーーーーーーーーボンバーーーーーーーーーー!!!」


ブリッツェン「ブモッ!!」

仁奈「わわっ!?」

薫「あ、茜さん、ブリッツェン、おかえりなさー!!!」

ありす「茜さんおかえりなさい」

美嘉「おかえりー★」


相変わらずアライグマになりきる勝負こそ続いていたが、そこそこに落ち着いた空気になり始めたところ出し抜けに事務所に戻ったアイドル一人と動物一匹がいた。

アイドルの方は日野茜、パッション所属、元気印の花丸女の子であり、

動物の方はブリッツェン、あるパッション所属アイドルのペット、あるいはいろんな意味で仕事仲間である。


茜「むむっ!?仁奈ちゃんに薫ちゃん!!何やら面白そうなことをしていますね!!・・・でもなんですかそれ!!」

美嘉「・・・よくわかってないのに面白そうって思ったの?」

ありす「ああ、あれですか?あれは・・・」

茜「いえいえっ!!お気遣い無くっ!!ここは私自ら答えを考えてみますっ!!」


茜「うーん・・・うーーん・・・うーーーん!!」


ありす「(ああ、また不毛な時間を過ごしてしまう人が・・・)」



事務所に入ってきたと思ったら、目の前の状況にいきなり大真面目に頭を悩ませ始めた。

行動、というか動作がいちいち早い。さすがはパッションを体現する行動力を持ったアイドルである。

その場で床に座り込み、腕を組んで眉を寄せる。考え込んでいるような唸り声も止まるようすはない。



ブリッツェン「ブモォ?」スリスリ

事務所に入ってすぐのところでそんなことをされると邪魔なのだが、人ならざるものの余裕か、

ブリッツェンは特にそれを気にする様子もなく、むしろ座り込んだ茜が背中を預けられるような位置に体をおろし身を寄せている。

美嘉「(茜ちゃんが毛皮の椅子に座ってるみたいになってる・・・あったかそう・・・)」


茜「むっ!!!」


薫と仁奈が向かい合ってにらみを聞かせている

   ↓

手になにか抱えている

   ↓

緊迫した雰囲気

   ↓

手に持ってるのは取られちゃいけない大事なもの

   ↓

そういうルールのゲーム、あるいは遊び(?)


茜「分かりました!!!」













茜「ラグビーですね!!!!!!」




美嘉「」

ありす「」

薫「え?」

仁奈「ん?」

ブリッツェン「ブモッ?」

画像ありがとうございます


日野茜、彼女は別に馬鹿ではない。

ただ、世の中にはじっくり考えるだけでは得られない答えもあるということを知らなかっただけだ。



茜「ラグビーだったら私はラグビー部のマネージャーなので詳しいですよーーー!!ボンバーーー!!!」ガバッ

ブリッツェン「ブモッ!?」

ラグビーの要素らしきものに、実際はそんなものはないが、反応した茜がその場で発射されたロケットのように勢いよく立ち上がる。

茜「よーし、まずは・・・・・・・」キョロキョロ


どうやら立ち上がったはいいが何をするのかつかみあぐねているようだ。

まさか二人に倣ったといって9歳児にタックルをぶちかますわけにはいかない。

結果として、



茜「う〜〜〜ボンバーーーーーーーーーーーー!!!」







ブリッツェン「ブモォッ!!?」

すぐそばにいたトナカイに渾身のタックルをかました。


美嘉「え、なに?」

ありす「じ、事実は小説より奇なりと言いますか・・・・・・」



事務所に現れ、座り込み、立ち上がり、トナカイに突っ込む。

傍から見ても何もわからなかった。

茜はといえば、今やトナカイのお腹のあたりに顔をうずめてじっとしたままだ。



茜「むむっ!!これは!?」

薫「どうしたの?」

仁奈「茜おねーさん、どうしやがりましたか!?」



茜「すごいモフモフです!!あったかあったかです!!」



ありす「・・・・・・ラグビーは?」



茜はいま現在ブリッツェンのどうに手を回し、そのお腹に顔が埋まっている。

大型のトナカイ、その骨格こそ頑強だが、腹回りの肉付きは柔らかく、体表を覆う毛も含めて

茜を柔らかく暖かく包んでいた。

基本薄着で外を駆け回っていた風の子の茜にとってその暖かさはほとんど不意打ちで、

思わず突進も止まってしまっていた。


茜「・・・」モフモフ

ブリッツェン「ブモモ」スリスリ

茜「・・・」モフモフ

ブリッツェン「ブモブモ?」






茜「・・・・・・・・・・・・ぼ、ぼんばぁ・・・」ギュウウウ

仁奈「なんかよさそーでやがります!!仁奈にもモフらせてくだせー!!」ダッ

薫「か、かおるもー!!」ダダッ

茜の様子を見てたまらず仁奈と薫も駆け出す。

二人に先程までの剣呑さはどこにもない。

茜「おおう・・・」ギュウウ

仁奈「モフモフでごぜーます・・・」ギュウウ

薫「んー!」スリスリ



美嘉「(ああ・・・・・・いいわぁ)」●REC

ありす「(・・・なんなんでしょうこれ)」



ブリッツェン「ブモッホッホッホ♪」

動物のもたらす癒しは争いをも治める。

事務所は平和なぬくもりに満ちていた。






番外、安価な五人と一匹編終了です。

最低二人以上、しかし全員でないとはいってません。

次が最終回です。

書けたので投下します



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日

晶葉ラボ


晶葉「ほら、美穂さんこれが五体満足のパーフェクトプロデューサーくんだ。」

美穂「わあ、腕がちゃんとくっついてる!!ありがとう晶葉ちゃん!!」

晶葉「はっはっは、なに、礼には及ばないよ、ちょうど新開発した繊維の強度テストが終わったところだったからね。実際に使う対象が欲しかったのだよ」

美穂「?よくわからないけど本当にありがとうね、プロデューサーくんは大事なお昼寝仲間だから大事にしてるんだ」

晶葉「そうか、助けになれたようで何よりだよ。じゃ、ウサミンロボ、お客人をお見送りしてきてくれ」

ウサミンロボ「ウサ」キュラキュラキュラ

美穂「それじゃ、晶葉ちゃんまたね!」スタスタ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事務所



またもや誰もいない事務所。

アイドルプロダクションとして忙しいのはいいことだ。



美穂「えっと・・・予定表によると私のお仕事は午後からか・・・」

美穂はソファから身を乗り出し壁に貼られた予定表に目を向ける。


その彼女のとなりには抱き心地の良さそうな、白くて大きなくまのぬいぐるみが美穂に寄り添うように座っている。、


美穂「ふふっ、たった一日だったのにずいぶん長く会ってなかったような気がするな」


プロデューサーくんを膝の上に置き、そのつぶらな目と目を合わせる。


美穂「これからもまた君と一緒に寝させてもらうね♪」ギュウ


ふんわりと温かい生地を体いっぱいで感じながらプロデューサーくんを抱きしめる。


美穂「ん・・・・・・」ウトウト

美穂「ふあ・・・・」コックリコックリ

美穂「これからも、末永く、よろしく、ね・・・・・・」スー



ほっと安心するような懐かしさを感じ目を瞑るとゆっくりと美穂は眠りの世界に降りていった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

事務所

ガチャ

千川ちひろ「ただいま戻りましたー・・・と、ん?」






愛海「くー・・・ふふふ」

こずえ「....ん.......」

晴「・・・くかーっ」

小梅「すぅ...すぅ...」

梨沙「・・・うぅん・・・」






美穂「・・・んぅ・・・・・・」ギュウ

プロデューサーくん「   」



ちひろ「あらあら・・・ちっちゃい子達がみんな美穂ちゃんに寄りかかっちゃって・・・」


ちひろ「今日がいい天気というのもあるけど、みんな気持ちよさそうに眠ってますねえ・・・」





ちひろ「ふふっ・・・美穂ちゃんのお昼寝のお供は、もうぬいぐるみ一つだけじゃないのね」クスッ






美穂「・・・・・・・・・・・・・・・えへへ♪・・・」





これにておしまいです。

コメント、画像の数々ありがとうございました。

初SSでしたが随分と助けられた思いです。

次にSSを書くとしたら


星輝子「ドロヘドロ...?」荒木比奈「そっス」

になると思います。

余計な宣伝でした。

勝手がよくわかりませんがHTML化依頼してきます。

20:30│小日向美穂 
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