2014年02月17日

千川ちひろ「プロデューサーさん、ちょっとこちらに来てくれますか」

ちひろ「ほら、今月の恋人料金、早く払ってくださいよ」

モバP「毎月毎月、あんな額で……俺はもう嫌なんです」


ちひろ「そうですか。なら、もう恋人ではないですねっ」

P「それは、困ります。プロデューサーとして、アイドルに不信感を与えるわけには」

ちひろ「女性なら、そこら辺にたくさんいますよ」

P「それで彼女ができたら、ちひろさんに頼んでないですよ!」

ちひろ「そんなことは知りません。お金を払うのが、約束のはずでしたから」




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P「……わかりました」

ちひろ「そんな顔をしないでくださいよ! 私はプロデューサーさんに、協力してあげてるんですから」

P「はい、感謝してます。これをどうぞ」

ちひろ「ふふ、やっぱりあるんじゃないですか。まったく、プロデューサーさんはケチンボですねっ」

P「もう、行っていいですか……」

ちひろ「いえ、私たちは恋人なんですから、渡すものがあります」

P「え?」

ちひろ「――遅れながら、ハッピーバレンタイン、プロデューサーさんっ!」





ちひろ「アイドルみんなから貰ってるときに渡すのは、少し間が悪かったので」

P「い、いいんですか」

ちひろ「恋人なんだから、貰ってくれなきゃ、困りますよ!」

P「ありがとうございます」

ちひろ「いえいえ。それじゃあ、お仕事頑張ってくださいねっ」





P「ふぅ……」

渋谷凛「……プロデューサー」

P「り、凛! いつから」

凛「ちひろさんと、お金の話をしてたときから、かな」

P「そうか、聞いてしまったのか」

凛「どういうことか、聞いてもいい?」

P「そうだな、こうなると、話さなくちゃな」





凛「――ちひろさんに彼女のふりを」

P「プロデューサーに彼女がいないと、お前らも不安かと思ったんだ」

凛「それは……昔だったらそうかもしれないけど、今は違うでしょ」

P「ああ、みんな信頼してくれてるのはわかってる」

凛「なら、もう」

P「その中に、好意をもってくれている奴がいるのも、わかってる」

凛「……そっか」





凛「ちひろさんに、幾ら払ってるの」

P「これだけだ」

凛「五!? そ、そんなに……」

P「協力してくれる人は、ちひろさんしか見つからなかった。悪いと思いながらも、協力してもらったんだ」

凛「悪いって、プロデューサーはそんなこと思う必要ないよ」

P「いや、彼女ができないのは、俺の努力不足だ。それを補ってくれるちひろさんには、感謝してる」

凛「私たちのプロデュースで忙しいから、そんな暇がないだけでしょ!」

P「お前たちを、モテない言い訳にはしたくない」

凛「プロデューサーは……良い人だよ。私だって、プロデューサーのことが」

P「凛」

凛「……ごめん」





凛「プロデューサー、ちひろさんと別れて」

P「ダメだ。俺はプロデューサーとして」

凛「みんなには、私から言うから」

P「そんなことをしたら!」

凛「みんなだって、プロデューサーが傷つくより、我慢を選んでくれるはずだよ」

凛「だから、お願い。こんなこと、もうやめて……!」

P「……なあ、凛。俺はダメな奴なんだ」

凛「それ、どういう意味?」

P「お前の決意で、取り繕っていた自分が、恥ずかしくなった」

凛「なに、どういうこと……?」

P「俺は――ちひろさんが、好きなんだ」





凛「どうして、ちひろさんは、お金で」

P「そうだ。俺が、お金を払って、付き合ってくれるよう頼んだ」

P「きっと本気で探せば、ちひろさん以外にも、協力者はいたはずなんだ」

P「それでも、俺はちひろさんを選んだんだ」

凛「……わかんない。わかんないよ」

P「もっともらしいことを言ってて、ちひろさんと付き合う口実を、作っただけなんだ」





凛「ちひろさんの、どこが良いの」

P「……付き合う前から、ちひろさんに惹かれていた」

P「明るい笑顔に、細かな気遣いに、愛らしい仕草に」

P「どれも好きだった。偽の恋人になってからも、彼女のそれは変わらなかった」

P「休日は一緒にいてくれた、料理も作ってくれた。俺はその姿に、さらに惹かれていったんだ」

凛「それは、お金を払ってるから」

P「それでもだ」





凛「……まだ、続けるつもりなんだ」

P「ちひろさんに、本当の恋人ができるまで、な」

凛「なら、せめてお金を払うのはやめて」

凛「みんなには、納得してもらうから。だから、努力して、ちひろさんと本当の恋人になって」

P「そう、だな……俺も、あれっぽっちで付き合ってもらうのは、心苦しかったしな」

凛「あれっぽっちって……本当に、ちひろさんが好きなんだね」

P「はっはっは、まあな」

凛「……妬けるな、もう」






P「今から言ってくるよ。もう五百円を払うのは、やめますって」

凛「うん……」

凛「うん?」







凛「ちょっと待って」

P「どうした?」

凛「五百円? 五千とか、五万円じゃなくて?」

P「ああ、だから、指を五本立てたんだろ?」

凛「まぎらわしいよ!」





凛「少し整理させて。……その額は、プロデューサーが決めたの?」

P「いや、ちひろさんだ。話を持ち掛けたら、五百円で付き合ってあげますよ、と」

凛「すごい良心的じゃん!」

P「お、おう。俺もそういうところに、惚れた部分あるし」

凛「え、つまりなに、ちひろさんって、月に五百円でデートし放題、料理食べ放題!?」

P「パック料金みたいだな」

凛「超得過ぎるよ!」





凛「……なら、あの冒頭の会話は? なんでプロデューサーは、お金に渋ってたの?」

P「色々してもらって、五百円は安いだろうと」

凛「遠慮してたのかよ!」

P「まさかチョコまで貰えるとは……」

凛「本当だよね。サービス精神旺盛どころじゃないよ」

P「ちひろさん、料理上手だからさ、楽しみなんだ!」

凛「惚気ないでくれる? さっきまで、すごいシリアスだったんだから」





P「まあ、凛に言われて、目が覚めたよ」

凛「私はプロデューサーの発言で、目が白黒してるけど」

P「今からちひろさんに、本当の恋人なってもらうよう、告白してくる」

凛「いいよ、もう言ってきなよ。なんか疲れちゃった」





P「ちひろさん、俺と本当の恋人になってください!」

ちひろ「……プロデューサーさん、チョコの包み、開けてないんですか」

P「え、ちょっと待ってください――これは、五百円と手紙?」

『この五百円はお返しします。私はあなたと恋人になりたいです』

ちひろ「目の前で読まれるなんて、思いもしませんでしたよ!」

P「ち、ちひろさん!」

ちひろ「わ、抱き着いちゃだめですよ、もうっ!」




島村卯月「もしもし! どうしたの、凛ちゃん」

卯月「え、失恋!? それもギャグっぽく?」

卯月「意味がよくわからいんだけど……」



                                 おしまい



ちひろさんに呼び出されたとき、とうとう無課金にお怒りになったのかと戦慄した
しかし実態は天使だった

凛ちゃんは嫌いじゃないです。ちょっと突っ込みに回ってもらった

読んでくれてあざました

依頼だしてくる

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