2015年06月26日

モバP「待ったか、肇?」 藤原肇「いえ」


 肇「いま来たところですよ」



 P「気遣ってくれなくていい、遅刻したのは俺だからな。すまん」





 肇「ふふ、お気になさらず。待っている時間も楽しいものですよ」



 P「そう言ってもらえると助かるが」



 肇「それに、デートではこう言うのが作法と聞きましたから」



 P「本当にすまない」



 肇「いいんですよ。さぁ、行きましょうか」



 P「あぁ、行こうか…………待った」



 肇「どうかしましたか?」



 P「デートじゃない。次の仕事用に服を見繕いに来ただけだ」



 肇「……あぁ! すみません、そういう体でしたね。では改めて」



 P「体じゃない」



 肇「ほらっ、Pさん。これ以上遅れちゃダメですよ」



 P「頼むから待ってくれ、肇」



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 P「待ったな、肇」



 肇「はい。かれこれ二時間はアタリ無しですね」



 P「釣りは待つのが醍醐味ではあるが」



 肇「Pさんは」



 P「ん?」



 肇「こうして待つ時間は、嫌いですか?」



 P「いや……」



 肇「…………」



 P「…………好きだ」



 肇「私も、大好きです」









 P「待った」



 肇「どうしました?」



 P「今、何か意味合いが違わなかったか」



 肇「ふふ。どういう意味でしょうか?」



 P「つまり…………いや」



 肇「…………大好き、ですよ」



 P「なぁ、肇」



 肇「はい」



 P「こうして日向ぼっこしているだけでいいのか」



 肇「ええ。まったりしましょう」



 P「何処かへ連れて行ってやろうと思っていたんだが……まったり、か」



 肇「はい。まったりです」



 P「…………」



 肇「…………」



 P「こういうのは、俺には似合わないと思うが」



 肇「いえ、ハマっていますよ」



 P「…………」



 肇「…………」



 P「肇」



 肇「はい」



 P「待つのは、好きか?」



 肇「大好きです」



 P「そうか……俺も、好きだ」



 肇「……!! そう、ですか」



 P「……ああ。肇に、嘘は吐かない」



 肇「……ふふっ」



 P「……待った。待ってくれ、肇」



 肇「Pさん」



 P「すまない。覗くつもりでは」



 肇「はやく、出て行って、ください」



 P「あ、ああ……」



 肇「…………」



 P「…………」



 肇「…………お待たせしました」



 P「いや、すまなかった」



 肇「いえ、鍵を掛けていなかった私も悪いですから」



 P「…………」



 肇「…………」



 P「…………」



 肇「…………どうでした?」



 P「はっ?」



 肇「…………」



 P「…………」



 肇「…………」



 P「いや、どれだけ待っても俺の口から感想は出てこないからな」



 P「待った」



 肇「待った無しです」



 P「そこを何とかならないか」



 肇「ダメです。ほら、桂馬取りですよ」



 P「……仕方無い」



 肇「はい。桂馬を取って龍成りです」



 P「なぁ、肇。急に本気になってないか」



 肇「気のせいですよ」



 P「確かに勝ったら言う事を一つ聞くとは言ったが……一体何をさせるつもりなんだ」



 肇「……聞きたい、ですか?」



 P「…………」



 肇「はい。また王手ですよ、Pさん」



 P「待った」



 肇「待った無しです」



 肇「…………」



 P「…………肇」



 肇「はい」









 P「――すまない」









 肇「……っ! は、い……」



 P「…………」



 肇「…………」



 P「…………返事は、待っていてほしい」



 肇「……!!」



 P「今は、まだ」



 肇「……はいっ! 待っています。ずっと」



 肇「はい、お待ちどう様でした」



 P「ありがとう。事務所に寄らせて悪かったな」



 肇「今日は午後からでしたし、今度の撮影の練習にもなりますから」



 P「誰かに弁当を作ってもらえるなんて久しぶりだ」



 肇「上手く出来ていると良いのですが」



 P「肇の事だから心配無いさ。開けてみてもいいか?」



 肇「はい、どうぞ」



 P「さて、どんな…………肇」



 肇「どうしました?」



 P「この一面の桜でんぶのハートマークは何だ」



 肇「あ……すみません。枠だけ引いて敷き詰めていませんでしたね」



 P「そういう事じゃなくてな」



 肇「少し待って頂ければ仕上げ直しますが」



 P「肇」



 P「…………」



 肇『私、待つわ。いつまでも、待つわ――』



 P「…………」



 アーニャ「ハラショー。とってもじょうず、ですね」



 泰葉「うん。何だか肇ちゃんにも合ってる歌だね」



 肇「そうですか? ふふ、ありがとうございます」



 P「…………」



 泰葉「プロデューサーさんも一曲、どうですか?」



 P「……いや、俺はみんなの歌を聴いてるだけで」



 泰葉「プロデューサーさん、耳を」



 P「ん?」



 泰葉「…………肇ちゃんの歌に応えてあげないと、怒りますよ」



 P「…………」



 アーニャ「プロデューサー、何にしますか?」



 P「…………『Runner』で頼む」



 肇「…………」



 泰葉「あら……情熱的ですね」



 P「半ばヤケだ」



 P「はじ、め……」



 肇「……すぅ」



 P「……起きるまで待つか」



 肇「……すぅ」



 P「…………」



 肇「くぅ……」



 P「…………天女ってのも、あながち過言じゃないかもな」



 肇「…………ふふっ」



 P「肇」



 肇「すぅ……」



 P「起きてるよな」



 肇「…………ぐぅ、ぐぅ」



 P「急に寝てる感を出してきても遅いからな」



 肇「…………」



 P「…………」



 楓「ぐぅの音も出ないとはこの事ですね」



 P「どこから出て来たんですか楓さん」



 肇『――差し上げます。身体も、心も、魂だって、何もかも』



 P「…………」



 肇『……手付け金代わり、です」



 P「ストップ」



 肇「どうしました?」



 P「ただの練習だよな、これは」



 肇「はい。付き合ってくれてありがとうございます」



 P「付き合っての意味合いが違うような気もしたが、まぁいい。どうしてそんなに顔を寄せるんだ」



 肇「だって、ただの練習ですから」



 P「それにしてはやけに近いし気迫も篭もってないか」



 肇「キスシーンは何回かありますし、慣れておかないと」



 P「いや慣れとかそういう…………待った」



 肇「はい」



 P「何回も?」



 肇「ええ。台本をどうぞ」



 P「…………」



 肇「……Pさん?」



 P「肇。ちょっと待っててくれ」



 肇「はい?」



 P「脚本さんと、ちょっと『相談』してくる」



 肇「Pさん、やけに気迫が篭もっていませんか」



 P「……っ、 く……!」



 肇「んっ! ひゃ、ぅ……」



 P「はじ、め……」



 肇「あっ……! Pさん、待って、待っ……!」



 P「すまん、無理だ」



 肇「ひゃうっ! ダメですっ、Pさ、」



 P「肇、っ…………!」



 肇「っ、いまは……んっ! だめっ、待って、だめ、待っ…………っ!! …………ぁ」



 P「待ったか、肇」



 肇「はい。本当に、待ちくたびれてしまいました」



 P「本当にすまなかった。ドレス、良く似合ってるぞ」



 肇「もう。私、本当に怒っているんですからね。ぷんぷんです」



 P「悪いな。どうしたら許してもらえるかな」



 肇「とっても簡単ですよ。今すぐに、ここで出来てしまいますから」



 P「俺は、どうすればいい?」







 「――私を、幸せにしてください」





 ― = ― ≡ ― = ―



 「――待ったか、肇?」



 「いえ、今来たところですよ」



 「そりゃあそうだろう。一緒に家出て、つい二分前にいきなりここまで駆けて行ったんだから」



 「古い人間なもので。デートの作法は大事にしたいんですよ」



 「なら別々に家を出ればいいんじゃないか」



 「ダメですよ。そうしたら腕を組んで歩けないじゃないですか」



 「それも作法なのか」



 「もちろん」



 「難しいな、デートってのは」



 「ええ。ですから私が教えて差し上げます」



 「おいおい、あまり腕を引っ張らないでくれよ」



 「のんびり屋のあなたに、まず一つだけ大切な事を教えましょう」



 「ああ。是非とも教えてくれ」







 「――あまり女を待たせてはいけませんよ、Pさん?」



おわり



20:30│藤原肇 
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